JPH10287264A - 作業車両の操向制御装置 - Google Patents

作業車両の操向制御装置

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JPH10287264A
JPH10287264A JP9101680A JP10168097A JPH10287264A JP H10287264 A JPH10287264 A JP H10287264A JP 9101680 A JP9101680 A JP 9101680A JP 10168097 A JP10168097 A JP 10168097A JP H10287264 A JPH10287264 A JP H10287264A
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JP
Japan
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steering
turning
steering device
wheel
control valve
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Application number
JP9101680A
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English (en)
Inventor
Junichi Oshita
淳一 大下
Tomoyuki Ishida
智之 石田
Toshiyuki Hori
敏行 堀
Hitoshi Ueji
仁志 上路
Masayuki Takahashi
誠之 高橋
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業中に機体を旋回操作したときは、自動的
に操向装置を作動させて操向輪の切れ角を大きくし、路
上走行時には旋回操作があっても操向装置の作動を停止
する。 【解決手段】 ステアリング操作に連動して作業機がオ
ートリフトしたり、作業者が旋回内側の片側ブレーキ操
作を行ったりして、作業中に機体の旋回操作を検出した
ときは、この旋回操作を検出してから一定時間以内に、
ステアリングホイールが所定角度以上操作されたり、操
舵角の変化速度が定められた速度以上になる等、操向装
置の作動開始条件に至った場合は、パワステ増幅出力オ
ンにして操向装置を作動させる。旋回操作を検出してか
ら一定時間が経過した後は、ステアリング操作が操向装
置の作動開始条件に至ったとしても、パワステ増幅出力
オフにして操向装置の作動を牽制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は作業車両の操向制御
装置に関するものであり、特に、ステアリングホイール
の操作に対して操向輪の作動を変更可能な操向装置を有
する作業車両の操向制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、トラクタや田植機或いはブルド
ーザ等の作業車両には全油圧式パワーステアリング装置
が備えられており、ステアリングホイールの回転操作で
油圧コントローラが作動し、該油圧コントローラを介し
て操向シリンダへ圧力油が供給されることにより、軽快
にステアリング操作を行えるようにしている。
【0003】前記全油圧式パワーステアリング装置で
は、標準的と思われるステアリング操作感度に合わせて
ステアリングホイールの回転数(ロック・トゥ・ロッ
ク)が設定されており、通常ではステアリング操作に対
する操向輪の切れ角を変更することはできない。例えば
トラクタが圃場の端部でUターンする際に、ステアリン
グホイールを左右何れかのロック位置まで操作するのに
時間を要すれば、これに比例して操向輪の切れ角変化が
遅くなる。然るときは、機体の旋回半径が大きくなると
ともに、旋回時間も長くなって作業効率が低下する。
【0004】この不具合を解消するために、前記油圧コ
ントローラとは別に補助制御弁を設け、該補助制御弁を
介して操向シリンダへ圧力油を供給する操向装置を備え
た作業車両が知られている。この操向装置を作動させる
ことにより、ステアリングホイールの操作に対して操向
輪の作動を変更して切れ角を大きくし、機体の急旋回を
可能にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した操向装置の中
には、必要に応じて作業者の手動操作にて作動するもの
と、機体の旋回操作に連動して自動的に作動するものと
がある。旋回時に自動的に操向装置が作動するものは、
手動操作のものに比べて操作性が良好であるが、路上走
行時に前記操向装置が作動すると、操向輪の切れ角が大
きくなりすぎて却って操作しずらく、機体がふらついて
危険でもある。
【0006】また、トラクタが圃場端部でUターンする
際に、作業機が土中から浮き上がる前に前記操向装置が
作動すると、作業機を引きずりながら機体の急旋回が始
まるため、枕地の切上げが乱れて、以後の処理が面倒で
ある。
【0007】そこで、作業中に機体を旋回操作したとき
は、自動的に操向装置を作動させて操向輪の切れ角を大
きくし、路上走行時には旋回操作があっても操向装置の
作動を停止するとともに、旋回時に作業機の引きずりを
防止するために解決すべき技術的課題が生じてくるので
あり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、ステアリングホイー
ルの操作に対して操向輪の作動を変更可能な操向装置を
有する作業車両に於いて、機体の旋回操作を検出する手
段と、この検出に基づいて作業中の旋回時に前記操向装
置を作動させる制御手段を設け、作業中に旋回操作を検
出してから一定時間経過後は、前記操向装置の作動を牽
制するように構成した作業車両の操向制御装置、及び、
ステアリングホイールの操作に対して操向輪の作動を変
更可能な操向装置を有する作業車両に於いて、機体の旋
回操作を検出する手段と、この検出に基づいて作業中の
旋回時に前記操向装置を作動させる制御手段を設け、作
業中に旋回操作を検出したときは、作業機の上昇動作が
あった後に前記操向装置を作動させる作業車両の操向制
御装置を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って詳述する。図1はトラクタ1を示し、機体2の
前部にエンジン3を搭載し、エンジン3の動力はミッシ
ョンケース5内に設けられた変速装置により減速され、
後輪6へ伝達して二輪駆動にするか、或いは後輪6と前
輪7へ伝達して四輪駆動にする。また、ミッションケー
ス5内で走行系動力からPTO系動力を分岐してPTO
軸8に伝達する。エンジン3の回転数はエンジン回転数
センサ9にて検出する。
【0010】一方、機体2の後部にリンク機構15を介
して耕耘用の作業機16を連結する。このリンク機構1
5はトップリンク17と左右のロワーリンク18からな
る3点リンク方式であり、左右のリフトアーム19の先
端と左右のロワーリンク18とを夫々リフトロッド20
にて連結してある。
【0011】そして、ミッションケース5の上部に設け
られたリフトシリンダ21の作動によりリフトアーム1
9を回動すれば、前記ロワーリンク18が上下動して作
業機16が昇降する。リフトアーム19の回動角はリフ
トアームセンサ22にて検出する。また、作業機16の
メインカバー23の後端にリヤカバー24を回動自在に
取り付け、デプスセンサ25によりリヤカバー24の回
動角を検出する。
【0012】ここで、運転席28の側部にはコンソール
ボックス29が設置されており、このコンソールボック
ス29にポジションレバー30を取り付けるとともに、
耕深設定ダイヤルをはじめとして四駆切換スイッチやP
TOスイッチ等各種スイッチが設けられている。運転席
28の下部には車速センサ33を設け、トラクタ1の走
行速度を検出する。
【0013】また、ステアリングホイール34の近傍位
置に前後進切換レバー35を設けるとともに、該前後進
切換レバー35の回動基部には後進検出手段である後進
スイッチ42を装着する。更に、操舵角を検出する手段
としてステアリングシャフト36に操舵角センサ37を
装着し、ステアリングシャフト36の回転操作を検出す
る。尚、図示は省略するが、ピットマンアームの近傍に
操舵角センサを設置し、ピットマンアームの回動角を読
み取って操舵角を検出するように形成してもよい。更
に、運転フロアに設けられた左右のブレーキペダル3
8,39の回動基部に夫々ブレーキスイッチ40,41
を設け、左右のブレーキペダル38,39の踏み込み操
作を検出する。
【0014】図2は本発明の操向制御装置の回路を示
し、ステアリングホイール34の操作に対して操向輪で
ある前輪7の作動を変更可能にする操向装置として、油
圧ポンプ45、油圧コントローラ46、操向シリンダ4
7等からなる全油圧式パワーステアリング装置48と、
操向シリンダ47への給排量を変更するための補助制御
弁51とが設けられている。また、ステアリングシャフ
ト36には前述した操舵角を検出する手段として操舵角
センサ37が設けられており、該操舵角センサ37の検
出信号は制御手段であるコントローラ50へ入力され
る。
【0015】前記補助制御弁51は、油圧コントローラ
46と操向シリンダ47との間に介装されている。該補
助制御弁51は6ポート2位置の電磁弁であり、油圧コ
ントローラ46と操向シリンダ47とを接続している油
路52,53へ通じる各ポートのほかに、タンク54へ
連通する油路55のポートが設けられている。コントロ
ーラ50から操向用ソレノイド61へ信号が出力されな
いときは、該補助制御弁51はノーマル位置イにあり、
コントローラ50から操向用ソレノイド61へ信号が出
力されたときには、該補助制御弁51はオフセット位置
ロに切り換わる。尚、油圧コントローラ46からの戻り
油及び油路55の油はタンク54へ戻されるが、その一
部は主クラッチ56の潤滑油として使用される。
【0016】いま、前記補助制御弁51がノーマル位置
イにある状態で、例えば、ステアリングホイール34を
左旋回操作した場合は、油圧コントローラ46から油路
52を経て送られる圧力油が、補助制御弁51のノーマ
ル位置イを通過して一方のパイロット操作逆止弁57を
押し開き、操向シリンダ47の左ポートP1 へ供給され
る。このとき、油路52側から導出されるパイロット圧
の作用で、他方のパイロット操作逆止弁58のポペット
も押し開かれるので、操向シリンダ47内の油が右ポー
トP2 から油路53へ排出される。
【0017】従って、操向シリンダ47のピストンロッ
ド59が図中右へ移動し、左右のナックルアーム60を
介して前輪7が左側へ操向される。油路53へ排出され
た圧力油は、補助制御弁51のノーマル位置イを通過し
て、油圧コントローラ46からタンク54に戻される。
一方、ステアリングホイール34を右旋回操作した場合
は、上記作用とは逆に、操向シリンダ47の右ポートP
2 へ圧力油が供給され、操向シリンダ47のピストンロ
ッド59が図中左へ移動して前輪7が右側へ操向され
る。
【0018】前記補助制御弁51がノーマル位置イにあ
る状態では、ステアリングホイール34を左右どちらへ
旋回操作した場合でも、補助制御弁51を通過する圧力
油の一部が油路55から分岐してタンク54へ戻される
ので、操向シリンダ47への給排量が減少する。これに
対して、コントローラ50から操向用ソレノイド61へ
信号が出力されて、補助制御弁51がオフセット位置ロ
に切り換わった状態では、油圧46から送られた圧力油
が、補助制御弁51を全量通過して操向シリンダ47へ
の給排が行われる。
【0019】従って、前記補助制御弁51がノーマル位
置イにある状態に比べ、補助制御弁51がオフセット位
置ロにある状態では操向シリンダ47の作動速度が早く
なり、ステアリングホイール34のロック・トゥ・ロッ
クが小さくなるので、同じステアリング操作でも前輪7
の切れ角が大きくなる。本発明の操向制御装置では、前
記補助制御弁51がノーマル位置イにある状態で、ステ
アリングホイール34のロック・トゥ・ロックが標準的
な通常値となるように、予め油圧46の流量を設定して
おく。
【0020】而して、通常の走行や作業のときは前記補
助制御弁51をノーマル位置イにする。前述したよう
に、この状態ではステアリングホイール34のロック・
トゥ・ロックが通常値となっているため、従来と同様の
ステアリング操作感度で前輪7が操向される。そして、
後述するパワーステアリングの速度を早くする制御出力
(以下「パワステ増幅出力」という)があったときは、
コントローラ50から操向用ソレノイド61へ信号が出
力され、補助制御弁51をオフセット位置ロに切り換え
る。この状態では、ステアリングホイール34のロック
・トゥ・ロックが小さくなるので、少ないステアリング
操作で前輪7の切れ角が大きくなり、ステアリング操作
感度が敏感になる。
【0021】また、油圧コントローラ46に対して補助
制御弁51を直列に配置してあるので、万一、補助制御
弁51が故障してスプールが切り換わったままロックし
た場合でも、油圧コントローラ46から送られた圧力油
が補助制御弁51のノーマル位置イまたはオフセット位
置ロを通過して操向シリンダ47へ給排されるので、ス
テアリングホイール34を操作することにより前輪7の
操向が可能である。
【0022】尚、ステアリングホイールの操作に対して
操向輪の作動を変更可能にする操向装置としては、前述
した全油圧式パワーステアリング装置48のほかに、図
示は省略するが、ステアリングシャフトに変速装置を装
着し、この変速装置によってスアリングシャフトの回転
を変速可能に形成するとともに、アクチュエータを切り
換えて前記変速装置を作動させるメカニカル式操向装置
を使用することもできる。
【0023】図3は操向制御系のブロック図であり、前
記ポジションレバー30のレバー位置や後進スイッチ4
2の信号、並びに、四駆制御スイッチ65やPTOスイ
ッチ66等の設定信号が、制御手段であるコントローラ
50へ入力される。四駆制御スイッチ65は「走行」と
「作業」と「旋回制御」の各モードにおける四輪駆動状
態を切り換えるスイッチである。PTOスイッチ66は
PTO軸8への回転を作業者の指定により入切りする
「手動」モードと、ステアリング操作に連動して作業機
がオートリフトしたときにPTO軸8への回転を一時的
に中断する「自動」モードとを切り換えるスイッチであ
る。また、前記エンジン回転数センサ9やリフトアーム
センサ22等の各センサの検出信号、並びに、左右のブ
レーキスイッチ40,41のオンオフ信号も前記コント
ローラ50へ入力される。
【0024】コントローラ50から上昇用ソレノイド7
0または下降用ソレノイド71へ信号が出力されると、
該信号に応じて電磁制御弁が切り替わって前記リフトシ
リンダ21が作動し、リフトアーム19が回動して作業
機16が昇降する。一方、コントローラ50から等速四
駆ソレノイド72または前輪倍速ソレノイド73へ信号
が出力されると、該信号に応じて電磁制御弁が切り替わ
って等速四駆クラッチ74または前輪倍速クラッチ75
が入になり、機体2が等速四駆または前輪倍速状態で走
行する。
【0025】ここで、左右のブレーキペダル38,39
は独立して踏み込み可能になっており、トラクタ1が圃
場端部でUターンする際は、機体2の旋回半径を小さく
するために、作業者が旋回内側のブレーキペダルを踏み
込んで片側ブレーキ操作状態にする。また、旋回動作に
連動して片側後輪をオートブレーキする構成も知られて
おり、旋回時にオートブレーキする場合は、コントロー
ラ50から左ブレーキソレノイド76または左ブレーキ
ソレノイド76へ信号を出力し、該信号に応じて電磁制
御弁を切り替えて左ブレーキシリンダ78または左ブレ
ーキシリンダ79を作動させ、旋回内側の後輪6にブレ
ーキをかける。
【0026】更に、パワステ増幅出力オンのときは、コ
ントローラ50から操向用ソレノイド61へ信号が出力
され、補助制御弁51がオフセット位置ロに切り換わっ
て図2に示した操向装置が作動し、少ないステアリング
操作で前輪7の切れ角が大きくなる。
【0027】次に、本発明の操向制御装置の制御手順に
ついて説明する。図4は操向制御の一例を示すフローチ
ャートであり、先ず、四駆制御スイッチ65やPTOス
イッチ66等の設定信号、並びに、リフトアームセンサ
22や操舵角センサ37等の各センサの検出信号をコン
トローラ50へ読み込む(ステップ101)。
【0028】そして、トラクタ1が圃場の端部でUター
ンする際に、旋回操作を検出したか否かを判断する(ス
テップ102)。機体の旋回操作を検出する手段として
は、前記操舵角センサ37のほかにリフトアームセンサ
22及び左右のブレーキスイッチ40,41等が設けら
れている。例えば、操舵角センサ37により操舵角の変
化を読み取ってステアリング操作の開始を判別し、ステ
アリング操作に連動して作業機16がオートリフトした
のをリフトアームセンサ22にて検出したときは、作業
中に旋回操作があったと見做してステップ103へ進
む。或いは、作業者が旋回内側のブレーキペダルを踏み
込んで片側ブレーキ操作を行ったことにより、左右どち
らかのブレーキスイッチ40,41のオンを検出したと
きは、作業中に旋回操作があったと見做してステップ1
03へ進む。
【0029】続いて、旋回操作が検出されたときから、
一定時間以内に操向装置の作動開始条件に至ったか否か
を判断する(ステップ103)。操向装置の作動開始条
件としては、例えばステアリングホイール34が所定角
度以上操作されたり、或いは、操舵角の変化速度が定め
られた速度以上になる等、機体2を急旋回させようとす
る操作があったときである。旋回操作検出から一定時間
以内に操向装置の作動開始条件に至ったと判断したとき
は、制御手段としてのコントローラ50によってパワス
テ増幅出力オンになり(ステップ104)、前記補助制
御弁51がオフセット位置ロに切り換わって操向装置が
作動するため、少ないステアリング操作で前輪7の切れ
角が大きくなる。
【0030】上記一定時間は、トラクタ1が圃場の端部
で旋回にかかる時間(例えば20〜30秒程度)を想定
し、この一定時間が経過した後は、ステアリング操作に
より操向装置の作動開始条件に至ったとしても、パワス
テ増幅出力オフにする(ステップ105)。そして、次
回トラクタ1が圃場の反対側の端部でUターンする際
に、旋回操作の開始によって再びパワステ増幅出力のオ
ン・オフを判断する。
【0031】このように、トラクタ1が作業中の旋回時
のみ、パワステ増幅出力オンになって前記操向装置が作
動し、トラクタ1が路上走行する際には、作業機のオー
トリフトや片側ブレーキペダル操作などは行わないた
め、パワステ増幅出力オンになることがなく、通常走行
時に操向装置が不慮作動するのを防止できる。
【0032】ここで、作業者の片側ブレーキ操作によっ
て旋回操作を検出した場合は、作業機16のオートリフ
トがあった後にパワステ増幅出力オンにする。図5に示
すグラフに於いて、細線はオートリフトの開始タイミン
グを表し、太線はパワステ増幅出力オンの開始タイミン
グを表している。例えば、ステアリング操作位置と操舵
角の変化速度からステアリング操作状態がa位置にある
ときに、ステアリングホイール34を右へ回転して操舵
角の変化速度を早くしていった場合、ステアリング操作
状態がb位置になったときに、作業機16のオートリフ
トが開始される。そして、ステアリングホイール34を
更に右へ回転して操舵角の変化速度が早くなり、ステア
リング操作状態がc位置になったときに、パワステ増幅
出力オンになって前記操向装置が作動する。
【0033】図6は上記a位置乃至c位置に於けるステ
アリングホイール34の回転位置を図示したものであ
り、同図(a)に示すように、ステアリング操作位置が
1 にある状態から、ステアリングホイール34を右へ
回転して操舵角の変化速度を早くしていくと、同図
(b)に示すように、ステアリング操作位置がS2 にな
り、先ず、作業機16のオートリフトが開始される。ス
テアリングホイール34を更に右へ回転して操舵角の変
化速度が早くなると、同図(c)に示すように、ステア
リング操作位置がS3 になり、パワステ増幅出力オンに
なって前記操向装置が作動し、これ以降は少ないステア
リング操作で前輪7の切れ角が大きくなる。
【0034】このように、機体2の旋回時には、作業機
16が上昇して土中から浮き上がった後に、やや遅れて
操向装置の作動が開始されるため、作業機16を引きず
りながらの急旋回を防止でき、枕地の切上げが平らにな
って、以後の処理が容易になる。
【0035】図7は操向制御の他の一例を示すフローチ
ャートであり、PTOスイッチ66等の設定信号を読込
み(ステップ201)、PTOスイッチ66が「手動」
モードでオンになっているとき、或いは、「自動」モー
ドに切り換えてあるときは、パワステ増幅出力オンを可
能にする(ステップ202→203)。これは、PTO
スイッチ66が「手動」オンまたは「自動」である場合
は、機体2の走行中にPTO軸8が回転して作業機16
が駆動された状態であるため、トラクタ1が作業中であ
ると判断してパワステ増幅出力オンを可能にし、操向装
置の作動開始条件に至ったときはパワステ増幅出力オン
にして操向装置を作動させる。
【0036】これに対して、PTOスイッチ66が「手
動」モードでオフになっているときは、トラクタ1が路
上走行していることも考えられるため、パワステ増幅出
力オンを牽制し(ステップ202→204)、パワステ
増幅出力オフを維持して操向装置が不慮作動しないよう
にする。
【0037】図8は操向制御の更に他の一例を示すフロ
ーチャートであり、四駆制御スイッチ65等の設定信号
を読込み(ステップ301)、四駆制御スイッチ65が
「作業」モードに切り換えてあるときは、操向装置の作
動開始条件に至ったか否かに拘わらず、常時パワステ増
幅出力オンにする(ステップ302→303)。従っ
て、ステアリング操作があったときは前記操向装置が作
動して、トラクタ1の旋回動作が瞬時に行われる。例え
ば、トラクタ1が湿田等の泥濘地を耕耘しているとき
は、作業者のステアリング操作に反して機体2が進行す
ることがあるが、常時操向装置が作動することによって
機体2の直進性が維持される。
【0038】これに対して、四駆制御スイッチ65が
「走行」や「旋回制御」等の他のモードになっていると
きは、操向装置の作動開始条件に至ったか否かを判断し
て(ステップ302→304)、その判断結果に基づい
てパワステ増幅出力オン(ステップ303)またはパワ
ステ増幅出力オフ(ステップ305)にする。
【0039】ここで、トラクタ1が圃場の端部でUター
ンする際に、旋回操作が検出されて操向装置が作動すれ
ば、少ないステアリング操作で前輪7の切れ角が大きく
なるが、機体2が一度で旋回しきれないときには切り返
しを行うことがある。然るときは、前後進切換レバー3
5を後進位置に切り換えるとともに、ステアリングホイ
ール34を逆方向に戻しながら機体2を一旦後退させる
が、このステアリング戻し操作に於いても操向装置の作
動を継続させることにより、軽快に切り返し操作を行え
るようになる。
【0040】但し、機体2の後進時に常に操向装置を作
動させるようにすると、機体2が後進しながら大きくふ
らついて、操向性が悪くなるとともに安全性も低下す
る。従って、機体2の前進中に操向装置の作動が開始さ
れたときから、一定時間以内に後進操作があった(後進
スイッチ42がオンになる)場合のみ切り返しと見做し
て、操向装置の作動を継続する。上記一定時間は、トラ
クタ1が圃場の端部で、前進状態で旋回しながら操向装
置が作動開始されたときから、切り返しのために前後進
切換レバー35を後進位置へ操作するまでの時間(例え
ば5秒程度)を想定し、この一定時間が経過した後は切
り返し操作とは見做さず、後進時にはパワステ増幅出力
オフにして操向装置を作動させない。
【0041】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない
限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該
改変されたものに及ぶことは当然である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では機体の
旋回操作を検出してから一定時間経過後は操向装置の作
動を牽制するため、旋回後の条合わせ作業中や路上走行
中等に操向装置が不慮作動するがない。即ち、作業中の
旋回操作のときだけ操向装置が作動するため、作業性の
向上並びに安全性の確保に寄与できる。
【0043】また、機体の旋回操作を検出したときは、
作業機の上昇動作があった後に操向装置を作動させるよ
うに構成した場合は、作業機を引きずりながらの急旋回
を防止でき、枕地の切上げが平らになって、以後の処理
が容易になる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の実施の形態を示すものである。
【図1】トラクタの側面図。
【図2】操向制御装置の回路図。
【図3】操向制御系のブロック図。
【図4】操向制御の一例を示すフローチャート。
【図5】オートリフトとパワステ増幅出力オンの開始タ
イミングを表すグラフ。
【図6】(a)(b)(c)は夫々ステアリングホイー
ルの回転位置を示す図。
【図7】操向制御の他の一例を示すフローチャート。
【図8】操向制御の更に他の一例を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
1 トラクタ 7 前輪 22 リフトアームセンサ 34 ステアリングホイール 37 操舵角センサ 40,41 ブレーキスイッチ 46 油圧コントローラ 47 操向シリンダ 48 全油圧式パワーステアリング装置 50 コントローラ 51 補助制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上路 仁志 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 高橋 誠之 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールの操作に対して操
    向輪の作動を変更可能な操向装置を有する作業車両に於
    いて、機体の旋回操作を検出する手段と、この検出に基
    づいて作業中の旋回時に前記操向装置を作動させる制御
    手段を設け、作業中に旋回操作を検出してから一定時間
    経過後は、前記操向装置の作動を牽制するように構成し
    たことを特徴とする作業車両の操向制御装置。
  2. 【請求項2】 ステアリングホイールの操作に対して操
    向輪の作動を変更可能な操向装置を有する作業車両に於
    いて、機体の旋回操作を検出する手段と、この検出に基
    づいて作業中の旋回時に前記操向装置を作動させる制御
    手段を設け、作業中に旋回操作を検出したときは、作業
    機の上昇動作があった後に前記操向装置を作動させるこ
    とを特徴とする作業車両の操向制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022044932A (ja) * 2020-09-08 2022-03-18 井関農機株式会社 作業車両

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