JPH10286934A - 凹版オフセット印刷用凹版とその製造方法およびその印刷物 - Google Patents

凹版オフセット印刷用凹版とその製造方法およびその印刷物

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JPH10286934A
JPH10286934A JP9951797A JP9951797A JPH10286934A JP H10286934 A JPH10286934 A JP H10286934A JP 9951797 A JP9951797 A JP 9951797A JP 9951797 A JP9951797 A JP 9951797A JP H10286934 A JPH10286934 A JP H10286934A
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JP
Japan
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intaglio
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substrate
printing
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JP9951797A
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Inventor
Koji Inoue
浩治 井上
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一で精度のよい印刷品質を得ることができ
る凹版オフセット印刷用凹版およびその製造方法を提供
する。 【解決手段】 凹版オフセット印刷用の基材10の表面
を研磨、平滑化することによりスキージへのダメージを
防止し、また表面研磨することにより生じる微細な研磨
キズとこの研磨キズによりエッチング時に発生するチッ
ピングについては、基材10表面に表面コート材8をコ
ーティングすることで防止する。このように、表面研磨
とコーティングとを施すことで、直線性の良い高精度の
凹版を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凹版式オフセット
印刷に用いられる凹版オフセット印刷用凹版とその製造
方法およびその印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に印刷は、使用する版の形状によっ
て凸版方式、平版方式、凹版方式、およびスクリーン版
方式などの各種印刷方法に分けられる。このうち凹版印
刷方式は、他の印刷方法に比べて、精密な印刷が可能で
あり、約20μmの極めて細い幅から1mm程度の太い
幅までの印刷が可能である。
【0003】図7は、前記凹版印刷方式の一つである凹
版オフセット印刷の印刷装置を簡略化して示した斜視図
である。この図に示すように、凹版オフセット印刷は、
表面に凹状溝からなる所要パターンのセル2が形成され
た凹版1の表面にディスペンサ3などによってインキ5
を滴下し、スキージ4によって凹版1のセル2内にイン
キ5を均一に充填し、この後、凹版1の表面上を転写用
ロール6を転がして凹版1のセル2内のインキ5を転写
用ロール6の表面に一旦転写する。そして、この表面に
インキが転写された転写用ロール6を被印刷体7上で転
がすことにより、転写用ロール6表面のインキ5を被印
刷体7に転写させて、印刷が行われるものである。
【0004】図8の(a),(b)は凹版オフセット印
刷に用いる凹版1の断面図および平面図、図9の(a)
〜(e)はそれぞれ、エッチング方法を用いた一般的な
凹版オフセット印刷に用いる凹版の製造方法を示す断面
図である。凹版オフセット印刷に用いる凹版1は、図9
の(a),(b)に示すように、基材10上に金属膜ま
たは樹脂膜などからなるレジスト膜11を形成し、図9
の(c)に示すように、このレジスト膜11をフォトリ
ソ法、レーザ加工法などを用いて所要パターン形状にパ
ターニングした後、図9の(d)に示すように、エッチ
ング液13に浸漬することにより、基材10上の金属膜
または樹脂膜等のレジスト膜11を除去された基材10
上の表面部をエッチングして凹状のセル2を形成する。
この後、図9の(e)に示すように、基材10上のレジ
スト膜11を剥離することにより、図8の(a),
(b)に示す所望の凹版1を製造する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、凹版オフセ
ット印刷法に用いる凹版1として重要な点は、凹版1の
表面の平滑性が良好であることである。しかしながら、
図10の(a)に示すように、基材10の表面に微細な
突起または表面うねりなどからなる凸部15が形成され
ていることがあり、この基材10を、図10の(b)〜
(e)に示すように、単にエッチング処理しただけでは
凹版1となった状態でも凸部15は残ったままであり、
この凸部15が印刷上の問題を生じさせる。すなわち、
凸部15を有する凹版1上にインキ5をディスペンサ3
で滴下した後、スキージ4でインキ5をセル2内に充填
する際に凹版1とスキージ4が擦れ合うため、凹版1の
凸部15がスキージ4の先端部にダメージを与え、スキ
ージ4の先端部を破損する場合があった。
【0006】この状態でインキ5をスキージングした場
合、スキージ4の先端部の破損した部分のスキージング
が十分行われないため、この部分でスキージした凹版1
の表面にインキスジが発生する。この状態で印刷を行う
と被印刷体7にスジが生じ、均一で精度のよい印刷品質
を得ることができない。
【0007】本発明は上記問題を解決するもので、均一
で精度のよい印刷品質を得ることができる凹版オフセッ
ト印刷用凹版およびその製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明は、溝などの凹部を有する基材の表面が研磨加
工面で形成されてなるものであり、これによれば、均一
で精度のよい印刷品質を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、溝などの凹部を形成する基材の表面が研磨加工面と
されてなるものであり、研磨加工の前に基材の表面に微
細な突起や表面うねりなどからなる凸部があった場合で
も、この凸部が研磨加工により除去されて基材の表面が
平滑化されるため、スキージングの際にスキージの先端
部が凸部により破損することが防止される。
【0010】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の凹版オフセット印刷用凹版において、研磨加
工された基材の表面に表面コート材が設けられてなるも
のである。
【0011】つまり、基材の表面を研磨加工すると、研
磨加工による微細な研磨傷が基材の表面に生じることが
あり、このように研磨傷を有する基材を用いて、エッチ
ング法を用いて凹版を作製すると、基材をエッチング液
に浸漬する工程で所要パターン形状にパターニングされ
たレジスト膜の下にある研磨傷にエッチング液が侵入
し、この部分が過剰にエッチングされて、凹版の完成時
にこの溝ラインにチッピングが入ることがあった。
【0012】すなわち、基材の表面に研磨傷を生じてい
た場合でも、研磨後に基材の表面に表面コート材を設け
ることにより、この研磨傷内に表面コート材が入り込ん
で、その後エッチングをした際に研磨傷内にエッチング
液が侵入することが防止され、この結果、凹版の完成時
にチッピングが入ったりすることが防止される。
【0013】この場合に、表面コート材を、基材と同一
系の素材で構成することにより、基材と表面コート材と
の密着性が良好となり、基材としてガラス基板が用いか
つ、表面コート材としてSi0x 材を用いたり、基材
としてソーダガラス基板を用いたりすることによりさら
に良好な密着性を得ることができ、表面コート材である
Si0x 材の膜厚を300〜1000オングストロー
ムとすることが好ましい。
【0014】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき
説明する。図1の(a),(b)において、1は溝など
の凹部(セル)2が形成されている凹版オフセット印刷
用の凹版1で、この凹版1を構成する基材10は、その
表面10aが研磨加工面で形成されている。
【0015】すなわち、図2の(a)に示すように、凹
版1を構成する基材10は、その表面10aに微細な突
起や表面うねりなどからなる凸部15を有する場合があ
るが、図2の(b)に示すように、研磨加工により凸部
15が削り取られて基材10の表面10aが平滑化され
る。したがって、その後、図2の(c)〜(f)に示す
ように、レジスト処理が行われてセル2が形成された場
合でも、凹版1(基材10)の表面10aは平滑化され
て凸部15を有しないため、スキージングの際にスキー
ジの先端部が凸部15により破損することはなく、これ
により、良好に印刷することが可能となる。なお、図2
において、11はレジスト膜、13はエッチング液であ
る。
【0016】また、基材10としては、ガラス基板、銅
基板などのこの分野で凹版1の版基板として使用されて
いるそれ自体公知の材料からなる基材10が使用され
る。なお、表面に最終的な印刷が形成される被印刷体7
(図7参照)としては、板状、シート状、フィルム状、
ドラム状の各種形状からなるガラス、樹脂、紙等の各種
材料からなる被印刷体7が使用される。また、インキ5
としては、従来からこの分野で使用されているそれ自体
公知のインキ5が使用でき、粘度が10〜100Pの範
囲にあるものを使用するのが好ましい。また転写ロール
6としては、従来からこの分野で使用されているシリコ
ンゴム等からなる弾性層で表面が巻かれた転写ロール6
が使用され、かかる転写用ロール6により被印刷体7の
表面を2〜5Kg/cm2 の圧力で押圧しながら転が
される。またスキージ4の材料としては、例えば、ステ
ンレス鋼、スエーデン鋼、セラミック等の平板状の材料
を使用する。
【0017】ところで、基材10の材質や研磨材の材
質、粒度などによっては、研磨処理を行った際に、図3
の(b)に示すように、研磨加工による微細な研磨傷1
6が基材10の表面に生じることがあり、図3の(c)
〜(f)に示すように、このように研磨傷16を有する
基材10を用いて、エッチング法を用いて凹版1を作製
すると、基材10をエッチング液13に浸漬する工程で
所要パターン形状にパターニングされたレジスト膜11
の下にある研磨傷16の箇所にエッチング液13が侵入
し、この部分が過剰にエッチングされて、凹版1の完成
時にこの溝ラインにチッピング14が入ることがある。
【0018】このような課題に対処したものが第2の実
施の形態に示す凹版1である。図5に示すように、この
凹版1を構成する基材10は、その表面10aを研磨加
工面で形成して基材10の表面突起、表面うねりによる
凸部15(図6の(a)参照)を除去しているととも
に、研磨加工された基材10の表面10aに、膜厚30
0〜1000オングストロームのSi0x からなる表
面コート材8がコーティングされている。図5におい
て、2は、ガラス製の基材10に表面コート材8がコー
ティングされてなる凹版1の表面に形成された直線状パ
ターンからなるセルで、このセル2はそれぞれ深さ10
〜30μm、溝幅50〜150μmに形成されている。
表面コート材8としては、SiO2やSiO3が特に適し
ているがこれに限るものではない。
【0019】図6の(a)〜(g)は、この凹版1の各
製造工程を示す断面図である。図6の(a),(b)に
示すように、ガラス製の基材10は、表面10aが研磨
されて、基材10の表面10aの微細な突起または表面
うねりの凸部15が除去される。この時、基材10の表
面10aに微細な研磨傷16を生じるが、この表面10
aにSi0x 材を表面コート材8としてディップ法ま
たはスピン塗布法等を用いてコーティング後、焼成する
ことにより、Si0x 膜が密着して形成される(図6
の(c)参照)。次に、図6の(d)に示すように、こ
の表面にクロム膜からなるレジスト膜11をスパッタ法
で着膜形成する。この後、図6の(e)に示すように、
レジスト膜11をフォトリソ法で所要パターン形状に形
成する。図5,図6においては、複数の直線状パターン
を形成した場合を示す。
【0020】図6の(f)に示すように、この基材10
をフッ酸と表面活性剤を主含有成分としたエッチング液
13に浸漬することにより、レジスト膜11のパターニ
ングされた箇所を除く部分、つまり基材10の露出部分
が除去されて凹状のセル2が形成される。そして、最後
に、レジスト膜11をエッチングにより除去することに
より、図6の(g)に示すように、所望の凹版1ができ
あがる。
【0021】このような工程で製作した凹版1は、基材
10の表面10aに凸部15がないだけでなく、表面コ
ート材8が密着して設けられているため、基材10の表
面10aの研磨傷16にエッチング液13が侵入するこ
とが防止され、図3の(e),(f)に示すようなチッ
ピング14のない直線性、均一性の良い凹版1が仕上げ
られる。
【0022】さらに、このようなで製作した凹版1を用
いて印刷を行うと、図12に示すように、その断面図お
よび平面図を示すように、印刷ムラのない、均一で精度
のよい印刷品質の印刷物を得ることができた。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明の凹版オフセット印
刷用凹版によれば、溝などの凹部を形成する基材の表面
が研磨加工面とされており、基材に微細な表面突起また
は表面うねりの凸部があった場合でも、この凸部が除去
されているため、凹版上のインキをスキージングした際
に前記凸部によりスキージへのダメージを生じることは
防止され、スキージかきとり不充分によるスジ不良を防
ぐことができる。また、凹版基材を研磨することによる
副作用として生じることがあるチッピングについては、
凹版の基材の表面に表面コート材をコーティングするこ
とにより防止することができる。このように、表面研磨
とコーティングを施すことで、直線性の良い高精度の凹
版を実現できる。この結果、直線性の良い高精度の印刷
パターンが全面に均一に形成されて、所望の印刷を不良
の印刷物を生じることなく量産でき、印刷法の本来の量
産性を損なわず、コストの低い印刷物を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は本発明の実施の形態にか
かる凹版オフセット印刷用凹版の断面図および平面図で
ある。
【図2】(a)〜(f)はそれぞれ同凹版オフセット印
刷用凹版の各製造工程を示す断面図である。
【図3】(a)〜(f)はそれぞれ上記実施の形態にお
ける課題を説明するための、凹版オフセット印刷用凹版
の各製造工程を示す断面図である。
【図4】(a)および(b)は同凹版オフセット印刷用
凹版の断面図および平面図である。
【図5】(a)および(b)は本発明の他の実施の形態
にかかる凹版オフセット印刷用凹版の断面図および平面
図である。
【図6】(a)〜(g)はそれぞれ同凹版オフセット印
刷用凹版の各製造工程を示す断面図である。
【図7】一般的な凹版オフセット印刷の状態を簡略化し
て示す斜視図である。
【図8】(a)および(b)は従来の凹版オフセット印
刷用凹版の断面図および平面図である。
【図9】(a)〜(e)はそれぞれ同従来の凹版オフセ
ット印刷用凹版の各製造工程を示す断面図である。
【図10】(a)〜(e)はそれぞれ従来の凹版オフセ
ット印刷用凹版の各製造工程を示す断面図である。
【図11】(a)および(b)は同従来の凹版オフセッ
ト印刷用凹版の断面図および平面図である。
【図12】(a)および(b)は本発明の実施の形態に
かかる凹版オフセット印刷用凹版を用いて製造した印刷
物の断面図および平面図である。
【符号の説明】
1 凹版 2 セル 8 表面コート材 10 基材 10a 表面(研磨加工面)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝などの凹部を形成する基材の表面が研
    磨加工面とされてなる凹版オフセット印刷用凹版。
  2. 【請求項2】 研磨加工された基材の表面に表面コート
    材が設けられてなる請求項1記載の凹版オフセット印刷
    用凹版。
  3. 【請求項3】 表面コート材は、基材と同一系の素材で
    構成されてなる請求項1または2に記載の凹版オフセッ
    ト印刷用凹版。
  4. 【請求項4】 基材としてガラス基板が用いられ、表面
    コート材としてSi0x 材が用いられた請求項3に記
    載の凹版オフセット印刷用凹版。
  5. 【請求項5】 基材としてソーダガラス基板が用いられ
    てなる請求項4に記載の凹版オフセット印刷用凹版。
  6. 【請求項6】 表面コート材であるSi0x 材の膜厚
    が300〜1000オングストロームとされた請求項4
    または5に記載の凹版オフセット印刷用凹版。
  7. 【請求項7】 溝などの凹部を形成する基材の表面を研
    磨加工した後に、エッチング処理して凹版オフセット印
    刷用の凹版を製造する凹版オフセット印刷用凹版の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 溝などの凹部を形成する基材の表面を研
    磨加工し、研磨加工された基材の表面に表面コート材を
    コーティングし、この後にエッチング処理して凹版オフ
    セット印刷用の凹版を製造する凹版オフセット印刷用凹
    版の製造方法。
  9. 【請求項9】 溝などの凹部を形成する基材の表面が研
    磨加工面とされた凹版オフセット印刷用凹版を用いて製
    造された印刷物。
JP9951797A 1997-04-17 1997-04-17 凹版オフセット印刷用凹版とその製造方法およびその印刷物 Pending JPH10286934A (ja)

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