JPH10284965A - オーディオ装置の制御帯域決定方法 - Google Patents

オーディオ装置の制御帯域決定方法

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JPH10284965A
JPH10284965A JP8958097A JP8958097A JPH10284965A JP H10284965 A JPH10284965 A JP H10284965A JP 8958097 A JP8958097 A JP 8958097A JP 8958097 A JP8958097 A JP 8958097A JP H10284965 A JPH10284965 A JP H10284965A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動的に、かつ、正確に制御帯域の上限周波
数fcoを決定する。 【解決手段】 観測点における制御帯域のオーディオ信
号が目標信号と一致するように適応イコライザ制御する
オーディオ装置の制御帯域決定方法であり、(1)被制御
音源(フロントスピーカ)33,34から観測点39ま
での伝達特性を求め、(2) 該伝達特性を用いて周波数特
性、位相特性を求め、隣接周波数のゲインの差分、ある
いは、隣接周波数の位相角の2階差分を演算し、(3) 差
分が設定値以上となる最大隣接周波数のうち高い方の周
波数に基いて制御帯域の上限周波数fcoを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオーディオ装置の制御帯
域決定方法に係わり、特に制御帯域のオーディオ信号が
目標信号と一致するように制御するオーディオ装置の制
御帯域決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車室内は、密閉された狭い空間である。
従って、短時間で反射が起こり、音波が干渉しあうた
め、聴取点までの伝達特性は、非常に複雑なものとな
る。また、左右非対称な場所で音楽等を聴いているの
で、左右スピーカからの伝達特性も大きく違ってしま
う。かかる車室内の悪影響を取り除き、車室内における
音響特性の改善を目的としたオーディオ装置が望まれて
いる。このため、適応等化器を用いて再生空間の複数点
(制御点)において、振幅、位相特性を含めて所望の特
性となるようにする制御が行われている。
【0003】図9は適応等化システムの基本構成図であ
り、1はオーディオ信号x(n)を出力するオーディオソ
ース(チューナ、テープデッキ、CDプレーヤ等)、2
は目標応答特性(インパルスレスポンス特性)Hが設定
され、オーディオ信号x(n)が入力されて目標信号d(n)
を出力する目標応答設定部、4は車室内音響空間の聴取
位置(観測点)における音を検出するマイク、5は検出さ
れた音楽信号d^(n)とフィルタ2から出力される目標信
号d(n)との誤差e(n)を演算する演算部、6は前記誤差
e(n)のパワーが最小となるように信号y(n)を発生する
適応信号処理装置、7は該信号y(n)に応じた音を車室
内音響空間8に放射するスピーカである。
【0004】目標応答設定部2には、適応フィルタのタ
ップ長の半分程度の長さの信号遅延時間をtとすると、
該時間tの遅延特性を有し、全オーディオ周波数帯域で
フラットな特性(ゲイン1の特性)が設定される。すな
わち、目標応答設定部2には、図10(a)に示すよう
にゲイン1のフラットな周波数特性を備え、インパルス
応答が図10(b)に示すように遅延時間tを有する特
性が設定される。この目標応答設定部2は、FIR型デ
ジタルフィルタの前記遅延時間tに対応する係数を1に
し、他の係数を0にすることにより実現できる。例え
ば、1サンプリング時間をτ、遅延時間をtとすればt
/τ番目のFIRデジタルフィルタの係数を1にし、そ
の他の係数を0にすることにより実現できる。これは音
響系の逆特性を精度よく近似するためである。
【0005】適応信号処理装置6は、オーディオ信号x
(n)を参照信号として入力されると共に、前記演算部5
から出力されるエラ−信号e(n)を入力され、該エラ−
信号のパワーが最小となるように適応信号処理を行って
信号y(n)を出力する。適応信号処理装置6は、適応信
号処理部(LMS)6aと、FIR型のデジタルフィル
タ構成の適応フィルタ6bと、参照信号x(n)にスピー
カ7から聴取位置までの音響伝搬系の伝搬特性(伝達関
数)C^を畳み込んで適応信号処理に用いる参照信号
(フィルタードリファレンス信号)r(n)を生成するフ
ィルタ6cを有している。
【0006】適応信号処理部6aは聴取位置におけるエ
ラー信号e(n)と信号処理フィルタ6cを介して入力さ
れる適応信号処理用参照信号r(n)が入力され、これら
の信号を用いて聴取位置における音楽信号d^(n)が目標
信号d(n)と等しくなるように適応信号処理を行って適
応フィルタ6bの係数を決定する。例えば、適応信号処
理部6aは周知のLMS(Least Mean Square)適応アル
ゴリズムに従って、エラ−信号e(n)のパワーが最小と
なるように適応フィルタ6bの係数を決定する。適応フ
ィルタ6bは適応信号処理部6aにより決定された係数
に従ってオーディオ信号x(n)にデジタルフィルタ処理
を施して信号y(n)を出力する。従って、適応信号処理
によりエラー信号e(n)のパワーが最小となるように適
応フィルタ6bの係数が収束すれば、聴取位置におい
て、音楽信号d^(n)が目標信号d(n)と等しくなり、目
標応答設定部2に設定した伝達特性H(周波数特性がフ
ラット)の理想的な空間で音を聴取したのと同等の音の
聴取ができるという効果を得られる。
【0007】適応等化システムにおいて、以上のように
全帯域の制御を行うのは当然のやり方である。しかし、
膨大な演算量となり、その処理をリアルタイムで行おう
とすれば、DSPが数十個必要になるという問題があ
る。そこで、特定の周波数帯域のみ、例えば、250H
z以下の低音の再生品質を向上するために低音域のみを
ターゲットとした適応イコライザが実現されている。
【0008】図11はかかる適応イコライザの構成図で
あり、図9と同一部分には同一符号を付している。図9
と異なる点は、 オーディオソース1の後段に低音域を通過するバンド
パスフィルタ(LPF)9を設け、その出力を目標応答
設定部2と適応信号処理装置6にそれぞれ入力している
点、 全帯域のオーディオ信号を入力されてオーディオ音を
車室内音響空間8に放射する第2のスピーカ10を設け
た点、 第2のスピーカ10の前段にオーディオ信号を遅延す
る遅延器11を設け、オーディオソース1の出力端から
第1のスピーカ7を介してマイク4に到る信号遅延時間
をt、第2のスピーカ10からマイク4までの信号遅延
時間をtdとするとき、Δt(=t−td)の時間を遅
延器11に設定して全帯域のオーディオ信号をΔt遅延
して第2のスピーカ10に入力する点である。
【0009】この適応イコライザによれば、適応フィル
タ6bはローパスフィルタ9で制限された低音域(制御
帯域)のみにおいて再生系(スピーカ7からマイク位置
までの伝達特性)の逆フィルタになりつつ、目標信号d
(n)となるように動作する。そして、制御帯域のみを制
御することにより演算量を図9の適応等化システムに比
べて削減することができる。
【0010】図12は特定の周波数帯域のみ、例えば、
250Hz以下の低音の再生品質を向上するために低音
域のみをターゲットとした適応イコライザの別の例であ
り、図11と同一部分には同一符号を付している。図1
1と異なる点は、遅延器11の後段(前段でも良い)
に、250Hz以下の制御帯域のオーディオ信号をカッ
トするハイパスフィルタ12を設けた点である。図11
の適応イコライザでは、第2のスピーカ10から出力す
る全帯域のオーディオ信号の周波数特性が250Hz以
下の制御帯域で上下に大きく振れ、そのレベルが高い場
合がある。かかる場合には、250Hz以下の制御帯域
に悪影響を与える。そこで、図12の適応イコライザで
はかかる悪影響を押さえるためにその帯域をカットする
ハイパスフィルタ12を遅延器11の後段に設けてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、適応イコラ
イザーを用いて一部の周波数帯域のみ制御する場合に
は、制御帯域と非制御帯域を分けるクロスオーバー周波
数fcoを決める必要がある。従来は経験を積んだ技術者
がFFTアナライザ等の高価な測定器を用いてクロスオ
ーバー周波数fcoを決定するものであった。このため、
熟練技術者によらず、自動的に、かつ、正確にクロスオ
ーバー周波数fcoを決定する技術が求められている。従
って、本発明の目的は、自動的に、かつ、正確にクロス
オーバー周波数fcoを決定することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明によ
れば、所定周波数fco以下の制御帯域の観測点における
オーディオ信号が目標信号と一致するように適応イコラ
イザ制御するオーディオ装置の制御帯域決定方法におい
て、(1) 被制御音源から観測点までの伝達特性を求める
ステップ、(2) 該伝達特性を用いて隣接周波数のゲイン
の差分、あるいは、隣接周波数の位相角の2階差分を演
算するステップ、(3) 前記差分が設定値以上となる最大
隣接周波数のうち高い方の周波数に基づいて所定周波数
fcoを決定するステップを有するオーディオ装置の制御
帯域決定方法により達成される。この場合、ゲインの差
分が設定値以上となる最大隣接周波数と、位相角の2階
差分が設定値以上となる最大隣接周波数のうち周波数が
高い方の隣接周波数に基づいて前記周波数fcoを決定す
れば、より正確にクロスオーバ周波数fcoを決定するこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(a)本発明の原理 非制御音源10(図11または図12参照)からマイク
ロホン(観測点)4までの伝達特性を求め、該伝達特性
より図1に示すように周波数特性FR、位相特性PRを
求める。周波数特性FR上でレベルが落ちている帯
域、上下に大きく振れている帯域、もしくは位相特
性PR上で直線位相LP(点線)から大きくずれている
帯域(群遅延特性上で上下に大きく振れている帯域)
が、制御する周波数帯域(制御帯域)FCBである。従
って、制御帯域の上限周波数をクロスオーバー周波数f
coとして設定する。ただし、制御に用いる音源(制御音
源)はサブウーファー等の低域専用ユニットであり、し
かも、高い周波数帯域まで制御すると音像が制御音源側
に引っ張られるため、クロスオーバー周波数fcoは25
0Hz程度が上限である。以上より、まず非制御音源か
ら観測点までの伝達特性を測定する。次に、該伝達特性
を用いて周波数特性FRの差分と位相特性PRの差分
(位相角θの2階差分)を求める。位相角θの差分は群
遅延時間特性であるので、位相角θの2階差分は群遅延
時間特性の差分である。
【0014】各特性の差分は、図2に示すようにある周
波数とその1つ右隣りの周波数での差ΔPi(i=1、
2、3、・・・)を次々に求めていく事により得られ
る。図3のDFRは隣接周波数のゲインの差分特性(周
波数特性FRの差分特性)、DGRは隣接周波数の位相
角の2階差分特性(群遅延時間特性GRの差分特性)で
ある。差分は関数(周波数特性FR、群遅延時間特性G
R)の傾きの大きさを表すものであり、この値の絶対値
が小さい程(0に近い程)、周波数特性FR、群遅延時
間特性GRは平坦である。従って、差分値の絶対値があ
る大きさ(設定値VF,VG)を下回るような周波数帯域
を平坦な帯域(非制御帯域)FLAとし、設定値以上の
大きさをとる周波数帯域を制御帯域CLAとする。すな
わち、クロスオーバー周波数fcoは平坦な帯域FLAの
下限周波数、あるいは制御帯域の上限周波数である。
【0015】周波数特性FR、群遅延時間特性GR両方
でクロスオーバー周波数fco1,fco2が求られるので、
その内の周波数が高い方を選択する(図3参照)。ただ
し、クロスオーバ周波数fcoの上限周波数は250Hz
であり、上限周波数以下でクロスオーバー周波数を求め
ることができない場合は上限周波数250Hzをクロス
オーバー周波数とする。又、周波数特性FR、群遅延時
間特性GRの一方の特性よりクロスオーバー周波数を決
定することもできる。
【0016】(b)適応イコライザ制御機能を備えたオ
ーディオ装置 図4は本発明を適用できる適応イコライザ制御機能を備
えたオーディオ装置の構成図であり、リアのLチャンネ
ル/Rチャンネルスピーカを制御音源、フロントのLチ
ャンネル/Rチャンネルスピーカを被制御音源とするも
のである。20はオーディオソースであり、Lチャンネ
ル及びRチャンネルのオーディオ信号SL,SRを出力す
る。21〜24はクロスオーバー周波数fco以下の制御
帯域の音楽信号を通過するローパスフィルタ(LPF)、2
5はLチャンネル側の第1の観測点における目標信号d
(n)Lを出力する目標応答設定部、26はRチャンネル側
の第2の観測点における目標信号d(n)Rを出力する目標
応答設定部である。目標応答設定部25は、第1、第2
のFIR型フィルタ25a,25bと合成部25cで構
成されている。第1のFIR型フィルタ25aはローパ
スフィルタ21を通過して入力されたLチャンネルのオ
ーディオ信号SL′に伝達特性H11を畳み込んで出力
し、第2のFIR型フィルタ25bはローパスフィルタ
22を通過して入力されたRチャンネルのオーディオ信
号SR′に伝達特性H12を畳み込んで出力し、合成部2
5cは第1、第2のFIR型フィルタ出力を合成してL
チャンネル側の目標信号d(n)Lを出力する。
【0017】目標応答設定部26は、第1、第2のFI
R型フィルタ26a,26bと合成部26cで構成され
ている。第1のFIR型フィルタ26aはローパスフィ
ルタ22を通過して入力されたRチャンネルのオーディ
オ信号SR′に伝達特性H22を畳み込んで出力し、第2
のFIR型フィルタ26bはローパスフィルタ21を通
過して入力されたLチャンネルのオーディオ信号SL
に伝達特性H21を畳み込んで出力し、合成部26cは第
1、第2のFIR型フィルタ出力を合成してRチャンネ
ル側の第2の目標信号d(n)Rを出力する。
【0018】31、32はLチャンネル及びRチャンネ
ルの制御用スピーカ(リアスピーカ)、33,34はL
チャンネル及びRチャンネル非制御用スピーカ(フロン
トスピーカ)、35〜38はアンプ、39はLチャンネ
ル側の第1観測点の音楽信号d^(n)Lを検出、出力する
マイク、40はRチャンネル側の第2観測点の音楽信号
d^(n)Rを検出、出力するマイクである。尚、リアレフ
トスピーカ31から各観測点迄の伝達特性はC11
21、リアライトスピーカ32から各観測点までの伝達
特性はC12,C22である。41はLチャンネル側の目標
信号d(n)LとLチャンネル側の第1観測点の音楽信号d
^(n)Lの差を演算し、エラー信号e1(n)として出力する
演算部、42はRチャンネル側の目標信号d(n)RとRチ
ャンネル側の第2観測点の音楽信号d^(n) Rの差を演算
し、エラー信号e2(n)として出力する演算部である。
【0019】43,44,45,46はLチャンネル側
の第1観測点におけるエラー信号e 1(n)のパワーとRチ
ャンネル側の第2観測点におけるエラー信号e2(n)のパ
ワーの和が最小となるように適応信号処理する適応信号
処理装置、47、48は合成部である。
【0020】Lチャンネルの第1の適応信号処理装置4
3は、ローパスフィルタ23を通過したLチャンネルの
オーディオ信号SL′(=x1(n))と第1、第2観測点
におけるエラー信号e1(n),e2(n)を用いて適応信号処
理を行い、第2の適応信号処理装置44は、ローパスフ
ィルタ24を通過したRチャンネルのオーディオ信号S
R′(=x2(n))と第1、第2観測点におけるエラー信
号e1(n),e2(n)を用いて適応信号処理を行い、合成部
47は第1、第2の適応信号処理装置43,44の適応
フィルタ出力を合成してLチャンネルの制御用スピーカ
31に入力する。 Rチャンネルの第1の適応信号処理
装置46は、ローパスフィルタ24を通過したRチャン
ネルのオーディオ信号SR′(=x2(n))と第1、第2
観測点におけるエラー信号e1(n),e2(n)を用いて適応
信号処理を行い、第2の適応信号処理装置45は、ロー
パスフィルタ23を通過したLチャンネルのオーディオ
信号SL′(=x1(n))と第1、第2観測点におけるエ
ラー信号e1(n),e2(n)を用いて適応信号処理を行い、
合成部48は第1、第2の適応信号処理装置45,46
の適応フィルタ出力を合成してRチャンネルの制御用ス
ピーカ32に入力する。
【0021】適応信号処理装置43〜46はそれぞれ、
1サンプリング時刻Ts後の時刻における適応フィルタ
(ADF)Aijの係数w0(n+1),w1(n+1),w2(n+1)・
・・wN-1(n+1)を、現時刻における係数w0(n),w
1(n),w2(n)・・・wN-1(n)とエラー信号e1(n),e
2(n)とフィルタードX信号Rijを用いて次式(係数更新
式)により決定する。
【0022】
【数1】
【0023】ただし、 Rij=xj(C1i,C2i) =(xj・C1i,xj・C2i) である。49、50は非制御帯域のオーディオ信号を通
過するハイパスフィルタ、51、52はオーディオ信号
を所定時間遅延するディレイ回路である。
【0024】(c)本発明のクロスオーバ周波数の決定 図5は本発明のクロスオーバ周波数決定装置の構成図で
あり、図4と同一部分には同一符号を付しており、21
〜24はローパスフィルタ、49〜50はハイパスフィ
ルタ、31〜32は制御用のリアスピーカ、33〜34
はフロントスピーカ、39、40はマイクロホンであ
る。また、60はフロントスピーカから観測点までの伝
達特性Gを測定する適応処理装置、70は伝達特性Gよ
り周波数特性FR、位相特性PR(図1)を求めるFF
T処理部、80は周波数特性FR、位相特性PRよりク
ロスオーバ周波数決定処理を行うコントローラ、90は
クロスオーバ周波数fcoに応じたローパスフィルタ、ハ
イパスフィルタの係数を記憶するフィルタ定数記憶部で
ある。適応信号処理装置60において、61は適応信号
処理部(LMS)、62は適応フィルタ(ADF)、6
3は全周波数帯域においてレベル一定のノイズnを出力
するノイズ発生器、64は適応フィルタ出力と観測音
(マイク出力)との差eを出力する演算部である。
【0025】(d)クロスオーバ周波数決定処理 、図6は本発明のクロスオーバ周波数決定処理フローで
ある。適応信号処理装置60は、適応フィルタ出力と観
測音との差eが零となるように適応信号処理により適応
フィルタ62の係数を決定し、該係数をフロントスピー
カから観測点までの伝達特性GとしてFFT処理部70
に入力する(ステップ101)。FFT処理部70はF
FT処理により伝達特性Gの周波数特性FR、位相特性
PR(図1)を算出してコントローラ80に入力する
(ステップ102)。コントローラ80は、入力された
周波数特性FR、位相特性PRを用いて、隣接周波数の
ゲインの差分特性DFR(図3)及び隣接周波数の位相
角の2階差分特性DGRをそれぞれ算出する(ステップ
103,104)。
【0026】ついで、コントローラ80は、高い周波数
から低い周波数に向かって、最初に周波数特性の差分値
DFRの絶対値が設定値VF以上になる周波数を探索
し、その1つ上の周波数をクロスオーバ周波数fco1
する(ステップ105)。また、同様に、高い周波数か
ら低い周波数に向かって、最初に群遅延時間特性の差分
値DFRの絶対値が設定値VG以上になる周波数を探索
し、その1つ上の周波数をクロスオーバ周波数fco2
する(ステップ106)。クロスオーバ周波数fco1,f
co2が求まれば、周波数が高い方をクロスオーバ周波数
fcoとして採用し(ステップ107)、該クロスオーバ
周波数fcoをカットオフ周波数とするローパスフィルタ
係数、ハイパスフィルタ係数をフィルタ定数記憶部90
より求め、デジタルフィルタ構成のローパスフィルタ2
1〜24、ハイパスフィルタ49〜50に設定する(ス
テップ108)。
【0027】(e)ハイパスフィルタの特性 ハイパスフィルタ49〜50の特性は次のようにして決
定する。周波数特性の差分DFRが大きい値をとるほど
周波数特性FRの上下の振れが大きくなる。このため、
差分が大きくなるほどハイパスフィルタの傾斜を急峻に
設定する必要がある。すなわち、周波数特性の差分値D
FRの最大値を求め、該最大値の大きさによってハイパ
スフィルタの次数を決定する。具体的には、図7に示す
ように差分値とフィルタ次数の対応 VF 〜VF1・・・1次のハイパスフィル VF1〜VF2・・・2次のハイパスフィルタ ....... を記憶しておき、該対応関係よりハイパスフィルタの次
数を決定し、該次数のハイパスフィルタ係数を求めて設
定する。
【0028】図8はハイパスフィルタの周波数特性で、
(a)は一次のハイパスフィルタ、(b)は二次のハイ
パスフィルタである。一次のハイパスフィルタは6dB/oc
tの傾斜を有し、二次のハイパスフィルタは12dB/octの
傾斜を有し、一次のハイパスフィルタの2倍になってい
る。以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は
請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が
可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0029】
【発明の効果】以上本発明によれば、被制御音源から観
測点までの伝達特性を求め、該伝達特性より隣接周波数
のゲインの差分、あるいは、隣接周波数の位相角の2階
差分を演算し、差分が設定値以上となる最大隣接周波数
のうち高い方の周波数を制御帯域の上限周波数fcoとし
たから、自動的に制御帯域の上限周波数fcoを決定でき
る。又、本発明によれば、ゲインの差分が設定値以上と
なる最大隣接周波数と、位相角の2階差分が設定値以上
となる最大隣接周波数のうち周波数が高い方の隣接周波
数に基づいて前記周波数fcoを決定するようにしたから
正確に制御帯域の上限周波数fcoを決定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非制御音源からマイクロホンまでの伝達特性の
一例である。
【図2】差分算出説明図である。
【図3】制御周波数帯域の決定法説明図である。
【図4】特定帯域をターゲットにした適応イコライザ機
能を備えたオーディオ装置の構成図である。
【図5】クロスオーバ周波数決定装置の構成図である。
【図6】クロスオーバ周波数決定処理フローである。
【図7】ハイパスフィルタ次数決定法説明図である。
【図8】ハイパスフィルタの周波数特性である。
【図9】適応等化システム基本構成図である。
【図10】目標応答設定部に設定する特性の説明図であ
る。
【図11】制御帯域のみターゲットにした適応イコライ
ザである。
【図12】制御帯域のみターゲットにした適応イコライ
ザの別の例である。
【符号の説明】
21〜24・・ローパスフィルタ 31〜32・・制御用のリアスピーカ 33〜34・・フロントスピーカ 39、40・・マイクロホン 49〜50・・ハイパスフィルタ 60・・伝達特性を測定する適応処理装置 70・・FFT処理部 80・・コントローラ 90・・フィルタ定数記憶部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定周波数fco以下の制御帯域の観測点
    におけるオーディオ信号が目標信号と一致するように適
    応イコライザ制御するオーディオ装置の制御帯域決定方
    法において、 前記周波数fco以上の非制御帯域のオーディオ信号を出
    力する被制御音源から観測点までの伝達特性を求め、 該伝達特性より隣接周波数のゲインの差分、あるいは、
    隣接周波数の位相角の2階差分を演算し、 前記差分が設定値以上となる最大隣接周波数のうち高い
    方の周波数に基いて前記所定周波数fcoを決定すること
    を特徴とするオーディオ装置の制御帯域決定方法。
  2. 【請求項2】 前記ゲインの差分が設定値以上となる最
    大隣接周波数と、位相角の2階差分が設定値以上となる
    最大隣接周波数のうち周波数が高い方の隣接周波数に基
    づいて前記周波数fcoを決定することを特徴とする請求
    項1記載のオーディオ装置の制御帯域決定方法。
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