JP2009522884A - 部屋の中のスピーカーを等化する方法とシステム - Google Patents

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Abstract

スピーカーからの音再生に部屋の影響を補償するために、部屋に位置する例えばハイファイシステムなどの1つ以上のスピーカーを等化する方法およびシステム。方法は、スピーカー(L1)の電気入力から部屋内のリスニング位置(LP)における音圧までのリスニング位置伝達関数(L)を測定することを含む。スピーカー(L1)によって発生される部屋内の音圧レベルの空間的平均を表すグローバル伝達関数(G)が決定される。このグローバル伝達関数(G)は、部屋に渡って散らばったフィールドポイントにおいて測定された2つ以上の伝達関数の平均として決定されるか、またはスピーカー(L1)から測定された音響パワー出力と部屋の音吸収特性に関するデータに基づいて計算されることができる。グローバル伝達関数(G)の逆数に基づいて、周波数の関数としての上ゲインリミット(UGL)がそれから決定される。リスニング伝達関数(L)の逆数に基づいて、等化フィルタ(F)がそれから決定されるが、そのゲインは上ゲインリミット(UGL)に応じた最大ゲインに制限されている。最後に、等化フィルタ(F)によってスピーカー(L1)が等化され、フィルタ(F)はFIRまたはHRフィルタによる最小位相近似などのように実装される。好ましくは、周波数の関数としての下ゲインリミット(LGL)もグローバル伝達関数(G)の逆数として決定され、等化フィルタ(F)のゲインは下ゲインリミット(LGL)に応じた最小ゲインに制限されている。上および下ゲインリミット(UGL、LGL)を使うことによって、システムのオペレータにとっては簡単なタスクを行うだけで等化フィルタ(F)を自動的に設計することができるシステムを実装することが可能である。

Description

発明は、オーディオと音再生設備の分野に関し、より詳細には発明は、スピーカーを部屋に適応させる目的で部屋内のスピーカーを等化し、よって音再生を向上する方法とシステムを提供する。より詳細には等化は、部屋特性や部屋内のスピーカー位置およびリスニング位置からより独立した、知覚される中立な音色を持った音再生を得るために、部屋内のリスニング位置において知覚される周波数特性を矯正することを意図している。
ハイファイステレオや家庭用サラウンドサウンドシステムのようなオーディオ再生の分野内では、音再生にリスニングルームによってあるいは寧ろスピーカーとリスニングルームの間の相互作用によって導入される調子付け(coloration)を補償する前段等化を適用することが良く知られている。与えられた部屋内の与えられた位置にあるスピーカーを聴く時に、より中立な音色を持つ向上された音再生品質を提供するために異なるアプローチが採られてきた。
従来技術の解決策は、スピーカーからリスニング位置までの伝達特性の測定に基づき、それからこの伝達特性を補償するフィルタを設計する方法を含む。これは、数々の追加の変更が行われない限り、部屋モードの存在による特定の低周波数における制御されない高ゲインのような数々の良く知られた不利を有する。しかも、これらの種類の等化方法は、等化しないのよりももっと激しい調子付けを持ったリスニング位置の外部での音再生をもたらし得る。リスニング位置の外部での数センチのようなほんの僅かな動きでも、いくつかの場合には知覚される音質を著しく劣化させるのに十分であり得る。単一ポイント等化アプローチの例はUS4,458,362に見ることができる。
代替案として、いくつかの従来技術方法は、リスニング位置の近傍にあるいくつもの位置において測定された伝達特性を平均化して、より大きなリスニングエリアについて満足できる結果を提供する等化を提供することを提案する。しかし、そのような方法はしばしば非常に大量の測定を要求し、それでもリスナーが非常に狭いリスニングアリアの外部に移動するときには非常に貧弱な結果を提供する。よって、そのような方法が一般的に機能するためには、熟練したオペレータによる大量の手動矯正が必要となる。複数ポイント等化アプローチの例はUS6,760,451に見ることができる。
部屋内のスピーカーからの、即ちリスニング位置から離れた、一般的な音響反応を推定することに基づく、更に別の等化方法も存在する。これは、EP0772374B1に記載されているように、部屋内のいくつもの位置において行われた測定を平均化すること、またはその代わりにスピーカーからのパワー出力もしくは放射抵抗のような等価音響パラメータを測定すること、によってなすことができる。
本発明の目的は、スピーカーが位置する部屋の影響を補償するためにスピーカーを等化して、部屋内のリスニング位置においてスピーカーを聴いている人にとって知覚される音再生品質を向上させる方法とシステムを提供することである。それでも方法は、リスニング位置の外部のリスナーについても音再生品質が向上されるようなスピーカーの等化を提供すべきである。方法は、熟練していないオペレータに対して非常に限定されたタスクだけを要求し、成功した結果に高い確率を持った、自動フィルタ設計に好適でなければならない。これにより、方法は、普通の熟練していない人によって操作されるハイファイシステムにおいて、それでも部屋の個別の音響特性とそれのスピーカーとの相互作用を考慮しながら、リビングルーム内の特定の位置にハイファイスピーカーを等化するために使われるのに好適である。
第一の側面では、発明は、部屋の影響を補償するために部屋に位置する第一のスピーカーを等化する方法であって、
1)第一のスピーカーの電気入力から部屋内のリスニング位置における音圧までのリスニング位置伝達関数を測定するステップと、
2)第一のスピーカーによって発生される部屋内の音圧レベルの空間的平均を表すグローバル伝達関数を決定するステップと、
3)グローバル伝達関数の逆数に基づいた上ゲインリミットを周波数の関数として決定するステップと、
4)上ゲインリミットに応じた最大ゲインにそのゲインが制限されている、リスニング位置伝達関数の逆数に基づいた等化フィルタを決定するステップと、
5)等化フィルタに従って第一のスピーカーを等化するステップと、
からなる方法を提供する。
ステップ1)では、部屋内の好ましいリスニング位置における単一の測定によってリスニング位置伝達関数を行うことができることを理解されたい。その代わりに、好ましいリスニング位置を含むかあるいは含まないが、寧ろ例えばリスニングエリアについての伝達関数を表す空間的平均化のようにリスニングエリアをカバーする、リスニング位置周辺に空間的に位置するいくつもの位置においてリスニング位置伝達関数を測定することができる。
以下の記載において、「ゲイン」と「伝達関数」は、dB振幅目盛りまたは等価な表現の上に表された値として言及され、一般にそれらは周波数の関数であると考えられる。よって、正のゲインは一単位より多い絶対的なゲインと理解され、負のゲインは一単位より少ない絶対的なゲインと理解される。従って、伝達関数の逆数は、例えばもしG(f1)=3dBであれば1/G(f1)=−3dBのように、そのdBでの振幅値の符号の変化に相当する。これと対応して、伝達関数の加算または減算も、dB振幅上で行われる操作と理解される。
第一の側面に従った方法により、部屋の一般的な特性を考慮しながらも第一のスピーカーをリスニング位置に等化することができる。等化フィルタは特定のリスニング位置までの測定された伝達関数に基づいているが、部屋内の平均音圧を表す伝達関数の逆数に基づいた、周波数に依存する上ゲインリミットの導入により、等化フィルタを部屋の一般的な音響特性に従って形作ることができ、これはそれらの特性がグローバル伝達関数に生来のものだからである。
方法により、部屋の一般的特性に追従するようにフィルタの最大ゲインを変更しながらも等化フィルタをリスニング位置に適応させることができる。よって、リスニング位置におけるローカルな特性によって指図される狭い周波数間隔に高い最大ゲインを持った等化フィルタを設計することを避けることができる。方法に従えば、そのような高い最大ゲインは、それらが部屋内の一般的傾向に対応する場合のみ許容されるであろう。これにより、上ゲインリミットは、例えば部屋モードによって起こるリスニング位置における狭い周波数レンジにあるローカルノードによるような、特定の狭い周波数レンジにおける高いゲインの問題を解決することになる。特に低い周波数における高い最大ゲインが無いことは、パワーアンプとスピーカーダイナミックヘッドルームを節約することを助ける。加えて、リスニング位置の特定のローカル音響特性が低減されるので、より大きなリスニングエリアに対してより良いマッチングを提供する。総合すると、方法に従えば、部屋とスピーカーの相互作用による激しい調子付けが著しく低減されており、それでもリスニング位置の外部の位置における調子付けアーチファクトを導入することのない、リスニング体験をリスナーに提供するスピーカーの部屋適応フィルタリングを提供することができる。
リスニング位置伝達関数の測定とグローバル伝達関数の決定に関する異なるステップを行うようにオペレータが指示される自動的バージョンで方法を実装することができるので、第一の側面の方法は熟練していない操作者にとっても行うことができる。オペレータは、ディスプレイ上のテキスト指示によって、または合成音声指示を使って、指示されることができる。指示は、「マイクプラグをマイク入力に接続し、マイクをあなたの好みのリスニング位置に置いて下さい。マイクがリスニング位置にある時に「OK」を押して下さい」のようなものでも良い。ステップ1)と2)はシステムのオペレータをいくらか介入させる必要があるが、ステップ3)と4)はコンピュータアルゴリズムによって自動的に行うことができる。ステップ3)と4)は当然、例えば測定された伝達関数を示すグラフまたは目標フィルタ関数を示すグラフ等に応じてフィルタ設計を操作したいことがあり得る熟練したオペレータの多少の介入と共に行っても良い。
上ゲインリミットがどのようにグローバル伝達関数に基づくかと等化フィルタがどのようにリスニング位置伝達関数に基づくかに応じて、a)寧ろ特定のリスニング位置に焦点を絞った、またはb)寧ろ焦点を絞らずに部屋の特性により一般的に適応された、等化フィルタを提供することができる。
1)から5)と番号が振られているが、例えばステップ1)はステップ2)と3)の後に行っても良い等、ステップのいくつかは異なる順番で行うことができることを理解されたい。ステップ5)は、等化フィルタの設計に関するステップ1)から4)と緊密な関係で行われる必要があるものではないので、オプショナルなステップと見なされるものである。
ステップ2)のグローバル伝達関数は、好ましくは
A)グローバル伝達関数は、第一のスピーカーからの音響パワー出力の測定と部屋の音吸収特性に関するデータに基づいて計算される、または
B)グローバル伝達関数は、第一のスピーカーの電気入力から部屋に渡って散らばった各フィールドポイント位置における音圧まで測定された少なくとも2つのフィールドポイント伝達関数の平均に基づいている、
のような異なるやり方で決定されても良い。
A)においては、例えば音強度技術を使った、スピーカーの音響パワー測定が要求される。加えて、例えば部屋の反響時間測定に基づいた、または部屋の寸法と部屋内の音吸収部材に関する情報のような部屋の音吸収データが要求される。
B)においては、グローバル伝達関数は直接測定され、よってそれは、第一のスピーカーにより発生される部屋内の平均音圧を適正に反映するようなやり方でフィールドポイントが選択されていれば、部屋の音響特性に関する全ての関連のある情報を含む。リスニング位置伝達関数も測定されるべきであるので、マイクやデータ処理手段のような測定設備は現場で方法を行うのに利用可能でなければならず、グローバル伝達関数を決定するのに使われるフィールドポイント伝達関数は同じ設備を使って行われても良い。グローバル伝達関数は、好ましくは第一のスピーカーの電気入力から部屋内の各フィールドポイント位置における音圧まで測定された少なくとも3つのフィールドポイント伝達関数の平均に基づいている。より正確なグローバル伝達関数を達成するために、それは第一のスピーカーの電気入力から部屋内の各フィールドポイント位置における音圧まで測定された少なくとも6つのフィールドポイント伝達関数の平均に基づいていても良い。一般に、より多くのフィールドポイントは向上された結果を導くが、ただしより包括的な測定のコストを伴う。しかしながら、2つのフィールドポイント測定が満足できる結果を提供することが見出されている。
好ましい実施形態では、グローバル伝達関数は、リスニング位置伝達関数と共に、第一のスピーカーの電気入力から部屋内のフィールドポイント位置における音圧まで測定された少なくとも1つのフィールドポイント伝達関数の平均に基づいている。よって、常に行われるべきリスニング位置で行われる測定が、部屋の一般的な音響特性に関する方法を提供することにも利用される。この場合には、グローバル伝達関数に基づいた上ゲインリミットからの恩恵をそれでも受ける成功した結果を提供するのに、一つの追加のフィールドポイント伝達関数だけが要求される。
別の好ましい実施形態では、グローバル伝達関数は、リスニング位置伝達関数と共に、第一のスピーカーの電気入力から部屋に渡って散らばった各フィールドポイント位置における音圧まで測定された少なくとも2つのフィールドポイント伝達関数の平均に基づいている。
好ましくは、グローバル伝達関数の計算に含まれる伝達関数の平均化は、平均化される全ての個々の伝達関数が等しく重み付けされる単純パワー型の平均化のようなパワー平均化である。しかし、リスニング位置伝達関数がグローバル伝達関数を形成する平均化に含まれる場合には異なる重み付けを施すことが好まれても良い。
一般に、少なくとも2つのフィールドポイント伝達関数は、部屋内でランダムに選択されることが好ましい。好ましくは、これは少なくとも2つのフィールドポイント伝達関数の各々を部屋の境界内で完全にランダムな基準で選択することを含む。フィールドポイントのランダムな選択は、例えば部屋の予め入力された寸法に基づく3次元内でランダムに位置を選択する乱数発生器からの入力に基づいたものであっても良い。
上ゲインリミットに加えて、方法は好ましくは、下ゲインリミットに応じた最小ゲインに等化フィルタのゲインが制限されている、グローバル伝達関数の逆数に基づいた下ゲインリミットを周波数の関数として決定することを含む。よって、上および下ゲインリミットは共に、等化フィルタのゲインがその中に制限されるゲインエンベロープを提供する。上および下ゲインリミットは両方ともグローバル伝達関数に基づいているので、結果として得られる等化フィルタをリスニング位置における特定のローカルな特性を反映するのではなく部屋の一般的な音響特性に適応するようにする等化フィルタに対するゲインリミット制限を提供することができる。特に、下ゲインリミットは、リスニング位置で観測されたピークが部屋の一般的な傾向を反映していない限り、リスニング位置伝達関数で観測される周波数領域内のピークが、結果として得られる等化フィルタにおける対応するディップとしての完全な効果を持つことを許容されないことを確かにするようにする。
上ゲインリミットは、好ましくはグローバル伝達関数の逆数に3dBの正のゲインのような第一の正のゲイン、またはその代わりに単に0dBの正のゲイン、を足したものとして決定される。第一の正のゲインは周波数独立または周波数依存であって良い。これと対応して、下ゲインリミットは、グローバル伝達関数の逆数から3dBの第二の正のゲインのような第二の正のゲインを引いたものとして決定される。第二の正のゲインは周波数独立または周波数依存であって良い。グローバル伝達関数とゲインの加算/減算に基づいた、異なる上および下ゲインリミットを提供するこれらのやり方は、等化フィルタのゲインがその中で許容される多少厳密なエンベロープを提供するために使うことができる。
上ゲインリミットは、0dBから+10dBの間隔のような第一のゲイン間隔に限定されていても良く、第一のゲイン間隔は周波数独立または周波数依存である。これに対応して、下ゲインリミットは、−15dBから+10dBの間隔のような第二のゲイン間隔に限定されていても良く、第二のゲイン間隔は周波数独立または周波数依存である。
これらの制限間隔によって、等化フィルタがその中に制限されるエンベロープを更に精密にすることができる。これは、例えば、上述した第一および第二のゲインと共に、通常ではない部屋とスピーカーの構成においても、オペレータからの手動による支援を必要としない、満足できる等化フィルタをもたらす自動的アルゴリズムの実装を可能とする。
測定された伝達関数の選ばれた周波数分解能に応じて、方法の様々なステップの間に1つ以上の伝達関数上で平滑化手順を行うことを含めることが好まれても良い。方法は、ステップ3)を行う前にグローバル伝達関数の平滑化手順を行うような、グローバル伝達関数の平滑化手順を行うことを含む。方法は、ステップ4)を行う前にリスニング位置伝達関数の平滑化手順を行うような、リスニング位置伝達関数の平滑化手順を行うことを含んでも良い。方法は、リスニング位置伝達関数とグローバル伝達関数の間の差に基づいた伝達関数の平滑化手順を行うステップを含んでも良い。方法は、それに基づく等化フィルタを実装する前に目標フィルタ関数の平滑化手順を行うことを含んでも良い。
好ましくは、方法は、ステップ4)を行う前に、グローバル伝達関数のレベルのリスニング位置伝達関数のレベルへのレベル揃えからなる。これにより、フィールドポイントやリスニング位置における測定の間に変わり得る測定設備ゲイン設定等の望まれない違いと、
スピーカーがしばしばリスニング位置の近くに位置されるのでリスニング位置における音圧レベルはほぼいつも部屋の平均音圧レベルよりも高いという事実によって引き起こされるリスニング位置とグローバル伝達関数の間の一般的なレベル差をも、自動的に補償することができる。レベル揃えは、300Hzから800Hzの周波数間隔のような所定の周波数間隔内で計算された、グローバル伝達関数とリスニング位置伝達関数の各々の平均レベルに基づいて行われても良い。グローバル伝達関数とリスニング位置伝達関数の共通の平均レベルがレベル揃えによって見つけられても良く、この共通のレベルはステップ3)および4)において使われるグローバル伝達関数とリスニング位置伝達関数の逆数バージョンを決定するレベルとして使われても良い。
フィルタは、ステップ3)を行う前にグローバル伝達関数に適用されても良い。フィルタは好ましくは、例えば200Hzより低い低周波数に向けた一般的な「部屋ゲイン」を除去することになる。その代わりにまたはそれに加えて、フィルタは第一のスピーカーの指向性の影響を除去するように配置されても良く、この影響は、より高い周波数に向けてレベルを減少させ、よって多くのリスニング設定においてその音響高周波数ドライバーがリスニング位置に向けられるようにスピーカーが向けられることを補償し、よって一般的に部屋内よりもここで高周波数におけるより高いレベルを引き起こすようなものである。
フィルタは、ステップ4)を行う前にリスニング位置伝達関数に適用されてもよい。フィルタはグローバル伝達関数に適用されるオプショナルなフィルタに関して上述した段落で言及されたのと同じ目的、即ちより低い周波数に向けた一般的な「部屋ゲイン」を除去することおよび/またはより高い周波数に向けた平坦でないかあるいは一様でない周波数反応を補償すること、を果たすものであってもよい。
フィルタは、ステップ3)を行う前に少なくともリスニング位置伝達関数に適用されて、
第一のスピーカーによって導入されたハイパス効果のような一般的なハイパス効果を除去してもよい。同様のフィルタは、グローバル伝達関数にも適用されてもよい。スピーカーに生来の自然なカットオフがフィルタ設計を行う前に除去された時に等化フィルタの向上した設計が得られる。
等化フィルタは、好ましくは目標フィルタ関数の最小位相近似または線形位相近似である。
好ましくは、リスニング位置伝達関数とフィールドポイント伝達関数の少なくとも一つは、ランダムノイズ信号またはピュアトーン信号のような電気テスト信号を第一のスピーカーに印加し、部屋内の対応する音響反応を収集することによって測定される。
例えばステレオの対となるスピーカーのための方法の実施形態においては、方法は、部屋内に位置する第二のスピーカーのための第二の等化フィルタを決定することと、第二の等化フィルタに従って第二のスピーカーを等化することを含む。リスニング位置伝達関数および/またはフィールドポイント測定は、電気テスト信号、好ましくは同一の電気テスト信号、を第一および第二のスピーカーに同時に印加し、部屋内の対応する音響反応を収集することによって行われる。同様にして、フィールドポイント伝達関数は、両スピーカーに同時に印加されたテスト信号によって測定してもよい。これにより、両スピーカーからの音響的貢献が単一の測定に含められる。
代替案として、リスニング位置伝達関数測定は、第一および第二のスピーカーについて別々に行われる。この場合については、第一および第二のスピーカーのための別々に測定された伝達関数は、足し合わされて第一および第二のスピーカーのための共通のリスニング位置伝達関数を形成して、両スピーカーからの音響的貢献を重ね合わせを使って数学的に足し合わせても良い。この代替案に対応して、同様の手順がフィールドポイント伝達関数の測定のために続いてもよい。
第一および第二の等化フィルタは、同一の伝達特性を有するように設計して、よってフィルタ設計手順を容易にすることが好まれてもよい。
例えば5.1スピーカーセットアップのようなサラウンドサウンド用の複数スピーカーのリスニングセットアップのための方法の実施形態においては、方法は、部屋内に位置する複数のスピーカーの各々のための複数の等化フィルタを決定することと、複数の等化フィルタの各々に従って複数のスピーカーを等化することを含んでも良い。リスニング位置伝達関数測定は、電気テスト信号、好ましくは同一の電気テスト信号、を複数のスピーカーに同時に印加し、部屋内の対応する音響反応を収集することによって行われても良い。その代わりに、リスニング位置伝達関数測定は、複数のスピーカーの全てについて別々にというように、複数のスピーカーの少なくとも2つについて別々に行われる。理解されるであろうが、同様の測定方法をフィールドポイント伝達関数測定に使っても良い。
代替案として、リスニング位置伝達関数は、別の測定が複数のスピーカーの第二のサブセットに行われる間に、複数のスピーカーの第一のサブセットに電気テスト信号を同時に印加することの組み合わせによって行われても良い。これに対応するフィールドポイント測定のための代替案も使っても良い。
更なる代替案として、リスニング位置伝達関数は、複数のスピーカーの第一のサブセットに電気テスト信号を同時に印加し、それと別に複数のスピーカーの第二のサブセットに電気テスト信号を印加することによって行われても良い。これに対応するフィールドポイント測定のための代替案も使っても良い。
記載した全ての実施形態について、全ての測定された伝達関数は好ましくは1/12オクターブまたはそれよりも良いものと等価な周波数分解能を有する。方法は、好ましくは全オーディオ周波数レンジ内に適用されるが、例えば20−5,000Hzまたは20−1,000Hzのレンジのようなそれの限定された一部においてだけ適用されても良く、等化フィルタは、オーディオ周波数レンジの残りの部分において平坦な振幅対周波数特性を有するように設計されている。
第二の側面では、発明は、第一の側面の方法を行うように適応されたコンピュータ読み取り可能なプログラムコードを提供する。プログラムコードは、例えばメモリーカード、ディスク、ハードディスク、リードオンリーメモリー、ランダムアクセスメモリー、等のデータキャリア上に存在する。プログラムコードは、パーソナルコンピュータのような汎用デバイスまたは計測デバイスやオーディオデバイスのような専用デバイス上での実行に適応されていても良い。
第一の側面の方法について言及したのと同じ利点が、第二の側面のプログラムコードにも通用する。
第三の側面では、発明は、第一の側面に従った方法を行うように適応されたシステムであって、
−ステップ1)から4)を行うように適応された測定システムと、
−ステップ5)を行うように適応されたフィルタ手段と、
からなるシステムを提供する。
第一の側面の方法について言及したのと同じ利点が、第三の側面のシステムにも通用する。
一実施形態では、測定システムとフィルタ手段は、インターフェースを介した相互接続に適応された別々のユニットとして実装される。別々のユニットの少なくとも1つはスタンドアローンデバイスであっても良い。
別の実施形態では、測定システムとフィルタ手段は、一つのユニットに統合されている。一つのユニットは、オーディオアンプまたは他のオーディオデバイスへの挿入に適応された回路基板として実装されても良い。その代わりに、一つのユニットは、従来のハイファイシステムへの接続に適応されたデバイスのようなスタンドアローンデバイスであっても良い。
測定システムは、等化フィルタに従ってフィルタ手段にフィルタ係数をダウンロードするように適応されたインターフェースを持った、パーソナルコンピュータのようなコンピュータとして実装されても良い。
第四の側面では、発明は、第三の側面に従った測定システムとフィルタ手段の少なくとも1つからなるオーディオデバイスを提供する。オーディオデバイスは、測定システムとフィルタ手段の両方からなっても良い。オーディオデバイスは、アンプ、サラウンドサウンド受信機、等のようなものであっても良い。
第一の側面の方法について言及したのと同じ利点が、第四の側面のシステムにも通用する。
以下において、付随する図を参照して発明をより詳細に説明する。
発明は様々な変形や代替形態を許すが、図面には例として特定の実施形態が示されており、ここで詳細に説明する。しかしながら、発明は開示された特定の形態に限定されることを意図されていないことを理解されるべきである。寧ろ発明は、添付された請求項によって規定される発明の精神と範囲内に収まるあらゆる変形、等価物、代替物をカバーするものである。
図1は、発明の好ましい実施形態の基本的な要素を描写するものである。スピーカーL1は、例えばリビングルームのような、リスニング位置LPのある部屋内に置かれる。スピーカーL1は、スピーカーL1に接続されたパワーアンプとCDプレーヤーによって描かれているように、普通のハイファイステレオセットアップの一部であっても良い。描かれているように、発明に従った等化フィルタF、即ちプリフィルタは、リスニング位置LPでの音再生に部屋の影響、あるいは寧ろスピーカーL1と部屋の間の音響的相互作用からの影響を、少なくとも部分的に補償することを主たる目的として、信号ソース(CDプレーヤー)とパワーアンプの間の再生チェインに挿入される。
描かれているように、部屋等化システムの入力は、a)スピーカーL1の電気入力からリスニング位置における音圧までのリスニング位置伝達関数Lにおいて測定された伝達と、b)スピーカーL1によって発生された部屋内の音圧レベルの空間的平均を表すグローバル伝達関数Gである。描かれた実施形態では、グローバル伝達関数Gは、スピーカーL1の電気入力から部屋に渡って散らばったフィールドポイントPF1、PF2、PF3の各々、即ちフィールドポイントはLPの周りだけに散らばっているのではなく寧ろ部屋全体をカバーすべきもの、における音圧まで測定された3つのフィールドポイント伝達関数G1、G2、G3の平均、好ましくはパワー平均、に基づいている。よって、リスニング位置伝達関数Lがリスニング位置LPの正確な音響特性を含んでいるときに、グローバル伝達関数Gは部屋の一般的な音響傾向または特性を反映するようになる。
リスニング位置LPでの完全な補償を提供するために、等化フィルタFは、1/Lに等しい目標フィルタ関数に基づいて設計されるべきである。しかし、実際にはスピーカーL1を聞いている人、または人々は、単一のポイントに位置することはない。加えて、1/Lを目標フィルタ関数に選ぶことは、一般に部屋モードにより低周波数における狭い周波数帯で無限のゲインを導いてしまうであろう。これらの問題は発明によって、周波数の関数としての上ゲインリミットUGLと、オプションとして周波数の関数としての下ゲインリミットLGLも導入し、これらのゲインリミットは1/Gに基づいているものとして、目標1/Lを変更することによって、解決される。その後に、等化フィルタFは1/Lに基づいて設計されるが、FのゲインはUGLに応じた最大ゲインに制限され、オプションでFはLGLに応じた最小ゲインに制限されるという更なる制約がある。
これにより、リスニング位置の特定の特性を補償するが、部屋について一般的である特性を補償するように制約された等化フィルタFが得られる。結果として得られる等化フィルタFは、リスニング位置LPの外部であるが近くの位置におけるリスニングにとっても知覚される良い効果を許容し、フィルタFはリスニング位置LPから遠く離れた位置における有利な効果も提供する。
電気音響的伝達関数L、G1、G2、G3は、マイクを使った既知のやり方で測定することができ、例えば最大長シーケンス技術や時間遅延分光測定法のような擬似ランダムノイズに基づく方法などの音響測定技術の分野で既知の測定方法を用いることもできる。
好ましい伝達関数測定方法では、20−20,000Hzの周波数レンジ内で1/12オクターブ間隔の周波数におけるピュアトーンを同時に使う。Goertzel分析フィルタが好ましくは使われ、ピュアトーン周波数は、それらが分析フィルタの周波数タップと正確にマッチするように選択される。
フィールドポイント伝達関数G1、G2、G3は好ましくは、部屋に渡って散らばったランダムに選択されたフィールドポイントPF1、PF2,PF3、即ち部屋の高さ、幅および長さの寸法についてランダムに選ばれた位置、において測定される。
より多くのフィールドポイントを使えばより良い結果を得ることができるが、特にもしLがフィールドポイント伝達関数とともに平均化に含まれてGを形成するなら、一般には受け入れ可能な結果を得るには2つのフィールドポイントだけが必要である。この場合には、受け入れ可能な結果は合計で3つのマイク位置を使って得ることができる。
フィールドポイント伝達関数G1、G2、G3を測定することの代替案として、例えば音強度測定技術を部屋の音吸収特性に関するデータと共に使って、部屋内の特定の位置におけるスピーカーL1からの音響パワー出力の測定に基づいてGを計算することができる。部屋の音吸収特性は、部屋内の音吸収部材についての音吸収データに基づいて計算することができるか、もしくは音吸収特性は例えば部屋内での残響時間測定による測定されたデータに基づくことができる。
部屋等化システムの実用的な実装は、既に言及した通り幾つかの形態をとっても良い。既存のハイファイシステムについて好適な一実施形態は、測定ユニットと、測定ユニットからフィルタ係数を受け取るように適応された測定ユニットへのインターフェースを持ったフィルタユニット、という2つの別々のユニットから形成されてもよい。
測定ユニットは、それから好ましくは伝達関数測定とフィルタ設計に対処するように設計され、よって好ましくはユーザに測定マイクを適切な位置に置くこと、全ての電気的接続が正しいことを確かめること、等を指示するためにユーザとの対話の中で伝達関数測定を行う信号処理手段を含む。好ましくは、測定結果が受け入れ可能に見えるか繰り返される必要があるかを検証する、即ち漏れのない自動的手順を確かなものとするために、エラー対処アルゴリズムが含まれる。加えて、測定ユニットは。好ましくはユーザによる手動による相互作用を要求することなくフィルタFの設計を行うことができる自動的アルゴリズムを更に含む。測定ユニットはスタンドアローンデバイスであっても良いし、またはオーディオプロセッサカードを持った普通のパーソナルコンピュータによって形成されても良い。
普通のハイファイシステムに適するように、フィルタは、信号ソース(例えばCDプレーヤー)とアンプの間、またはプリアンプとパワーアンプの間に含まれるスタンドアローンユニットであっても良い。フィルタは、アナログまたはデジタルの入力オーディオ信号を受け取るように適応されても良く、デジタルまたはアナログのフォーマットのフィルタされた出力に適応されても良い。好ましくは、等化フィルタはFIRまたはIIRフィルタによって実装される。
デジタル信号処理手段を持ったアンプの場合には、アンプは測定システムからフィルタ係数を載せるように適応されても良い。
図2の上のグラフは、9つの測定されたフィールドポイント伝達関数と、それらのパワー平均として計算されたグローバル伝達関数G(太線)の振幅対周波数プロットの例を描いている。見られる通り、9つのフィールドポイント伝達関数は寧ろ異なっており、それらは極めて個別なピークとディップを含んでいる。計算されたGは遥かによりスムーズであり個別のフィールドポイントの一般的な特性だけを反映している。例えば500−1,000Hzにおけるレベルに対して10−15dBの一般的な持ち上げが30−100Hzのレンジであることに注意されたい。
図2の下のグラフは、上のグラフと同じフィールドポイント伝達関数であるがここではリスニング位置伝達関数Lが太線で示されているものを示す。LをGと比較すると、Lは40Hzより僅かに低い狭い周波数帯において激しいディップを持つことに気がつく。よって、1/Lをフィルタ目標に使うことは40Hz周辺の大きなゲインという結果になり、それによりパワーアンプとスピーカーのかなりのダイナミックヘッドルームを要求することになるであろうが、それでもLのディップは部屋モードによって引き起こされるので、リスニング位置LPにおける最適な音響反応は得られないであろう。
図3は、それに基づいてUGLとLGLを計算する前にGを変更するための好ましい補償技術を描いている。図3の上のグラフは、好ましくは300−800Hzのレンジだがその他のレンジにも等しく良く適し得る、特定の周波数間隔内で計算されたGの平均レベルを示す水平な線を示す。目的は、Gの一般的なレベルを決定し、それが0dBの一般的なゲインを持つようにレベルオフセットされた補償されたバージョンG′を得るためにそれを補償することである。これにより、絶対的レベルに対してカリブレートされている必要はないが、それでもFが0dBの一般的なゲインを持つ結果となる、即ち一般的にFには意図されていない周波数独立なゲインまたは減衰なしの、測定に基づいた等化フィルタFを計算する自動的な方法を提供することができる。
図3の上のグラフは、高周波数に向けてレベルが下がるというGの一般的傾向を示す傾いた線も示す。これはスピーカーからの音響出力のいくらかの指向性のために一般的に期待できることであり、例えばハイファイ用のような普通のスピーカーはしばしば平坦な軸上周波数特性を持つように設計されるとともに、部屋に伝えられる平均音パワーはより高い周波数に向けた非球形の指向性のためにより高い周波数において低下することになるからである。よって、Gは、dB振幅対対数的周波数のグラフで見た時には、傾いた直線で近似することができる一般的に下がるレベルを大抵持つことになる。好ましい補償方法に従うと、傾いた直線はGに基づいて計算され、Gはそれから好ましくは、Gの一般的なレベルを示す水平な線と計算された傾いた直線との交点によって決められるカットオフ周波数より上でのこの傾き効果を補償される。
図3の下のグラフは、一般的レベルに対するGの補償されたバージョンであるG′と上述した高周波数ドロップを描いている。見られる通り、G′は、一般的に平坦な特性と一般的に0dBのレベルを持つ。それにしても、G′は30−80Hzのレンジで10dBより多いまでのゲインを持っていることが見られる。
図4は、補償されたグローバル伝達関数の逆数バージョン1/G′を描いている。加えて、それに対応して補償されたリスニング位置伝達関数1/L′が示され、ここでL′はG′についての上記の説明に対応した方法で得られた0dBの一般的ゲインを持ったLのレベルオフセットバージョンである。よって、1/G′と1/L′の両方が好ましくは0dBの一般的ゲインを持つ。1/G′に基づいて、上ゲインリミットUGLと下ゲインリミットLGLをここで計算することができる。
図5の上の部分は、図4に示された1/G′に基づいたUGLとLGLの例を示す。UGLは1/G′に等しく設定されるが、ここでは[0dBから+10dB]の間隔に選ばれる、周波数独立な第一のゲインリミット間隔gi1内に限定される。一般には、しかし、UGL=1/G′+g1、ここでg1は例えばg1=3dBまたはg1=6dBとして選ぶことができる(dBで)正のゲイン、として設定することを選ぶことができる。好ましい実施形態では、これも図5の上の部分の例に示されている通り、g1=0dBである。UGL=1/G′+g1が間隔gi1の外になる場合、UGLは(1/G′+g1)のゲインに最も近くになるgi1の端に等しく設定される。よって、図5の例では、1/G′(+0dB)がgi1の下の方の端点gi1より下になる100Hzより下では、UGLはgi1の下の方の端点、即ち0dBに等しく設定される。
同様にして、LGLは、ここでは[−15dBから+10dB]の間隔に選ばれる、周波数独立な第二のゲインリミット間隔gi2内に限定される。この間隔内で、LGLは1/G′−3dBに等しく設定され、あるいはより一般的な表現では、LGL=1/G′−g2、ここでg2は例えばg2=0dBまたはg2=3dBである(dBで)正のゲイン、となる。よって、UGL=1/G′に設定すると共にLGL=1/G′−3dBに設定するという描かれた戦略によって、結果として得られる等化フィルタFの可能な最大ゲインにかなり厳格な制限が課されると共に、1/G′によって指図されるよりも小さくなる最小ゲインを持つことが許容される。
g1、gi1、g2、gi2の選択のための適切な戦略によって、結果として得られる等化フィルタFを、一端においては一般的な「部屋特性」、もう一端においてはもっと焦点を絞った「リスニング位置」特性、の間で調節することができる。
図5の下の部分は、記載されたように最大および最小の許容可能なゲインを周波数の関数として決めるゲインリミットUGLとLGLを1/L′に適用することの結果として得られる等化フィルタFのための目標関数Tを示す。1/L′は細線で示される一方で、ゲイン制限されたバージョンTは太線で示される。見られるように、Tは高ゲイン値を持った狭いピークから苦しめられず、特に40Hzの直ぐ下の1/L′のピークはこのピークが1/G′には存在しないために抑制されていることが見られ、従って、記載された手順によると、このピークはリスニング位置LPにおけるローカルな現象によるものなのでこの周波数レンジ内では高ゲイン値は許容されていない。それとは逆に、1/G′のピークがここでも見つけられるので110−120Hz周辺の狭い周波数帯内では7dBのゲインが許容されており、よってこのピークはリスニング位置LPにおけるローカルな現象ではなく寧ろ部屋の一般的特性を反映している。
図6は、図5のものと同様の上および下のグラフを示すが、UGLとLGLを選択する代替の戦略についてのものである。図6の上のグラフは、UGL=1/G′+3dBの一方LGL=1/G′−3dBを示す。即ち、図5のUGLとLGLに比較して、制限する間隔が適用されていない。図6の下のグラフは、上のグラフのゲインリミットUGLとLGLが1/L′に適用された後に結果として得られる目標フィルタ関数T(太線)を示す。比較のために、1/L′が細線で示されている。結果として得られるTは図5のものと異なるが、それでもそれらは、1/L′によってそれが指図されるにも拘わらず40Hzより下のレンジ内にはゲインピークが存在しないというような、いくつもの共通の基本的特徴を有している。
図7は、図5の下のグラフからの目標フィルタ関数Tを細線で示すと共に、好ましい実施形態ではTの平滑化バージョンである最終的等化フィルタ関数Fを示す。平滑化する一つの理由は、等化フィルタFをより低いフィルタ次数で近似し、よってより効率的により経済的な手段によって実装し、それでも聞き取り可能な不利がないようにできるからである。
部屋内での音再生は、例えば普通のリビングルームのような典型的な部屋の性質によって常により低い周波数に向けて増加された音圧レベルという結果になるが、これは普通の部屋では、音響吸収の量が典型的には中間および高周波数よりもより低い周波数に向けてより低くなるという事実によるものである。より低い周波数に向けて増加された音圧レベルは、これが実際に部屋の中に居るという感覚をリスナーに与えるために人間の耳には自然なものと知覚される。従って、自然な音再生を保つためには、部屋等化システムは、低周波数において平坦な目標反応を提供することによって低周波数におけるスムーズなレベルの上昇を除去しないことが好ましい。寧ろ部屋等化システムは、そのような低周波数における自然でスムーズなレベルの上昇を保つ目標反応を提供すること、よって自然な低周波数「部屋ゲイン」と呼ぶことができるものを考慮に入れることが好ましい。
この最終的に実装された等化フィルタ関数と、よって再生音、において低周波数「部屋ゲイン」を保つことは、周波数の関数であるフィルタを低周波数「部屋ゲイン」を除去するようになっているグローバル伝達関数に適用することで、変更されたグローバル伝達関数に到達し、それからこのグローバル伝達関数を使って上ゲインリミットを形成するようにすることで実装しても良い。同じ様にして、低周波数「部屋ゲイン」を除去するようになっている周波数の関数であるフィルタを適用することで、それに基づいた等化フィルタ関数を決定する前に変更されたリスニング位置伝達関数に到達するようにすることでリスニング位置伝達関数を変更しても良い。代替案として、低周波数「部屋ゲイン」は当然、測定された伝達関数から「部屋ゲイン」を推測し、例えば等化フィルタ関数を実装する前に最終的目標関数をこの[部屋ゲイン]で変更することによって、この推測された「部屋ゲイン」を既に記載したような発明の一般的ルールに従って用意された等化フィルタに加えることで実装しても良い。更なる代替案として、等化フィルタ関数を実装するプロセスにおいて固定されたフィルタを最終的に適用しても良く、所定のフィルタ関数を持った固定されたフィルタは、実際の部屋内で得られた測定結果に基づいていない所定の「部屋ゲイン」を保つようになっている。
図8は、典型的なリスニングルームで測定されたグローバル伝達関数Gに基づいた好ましい目標関数STの例を示す。見られるように、グローバル伝達関数Gは、部屋の性質によって引き起こされる、異なる周波数レンジで異なる一般的な特性を示す。中間周波数、即ち200−5000Hzでは、グローバル伝達関数は一般的に平坦な性質を持ち、よってこの周波数レンジでは、例えば0dBのゲインのような固定されたゲインを中間周波数において持つというように、一般的に平坦な目標STを持つことが好ましい。しかし、図8から見られるのは、200Hzにおけるゲインは5KHzにおけるよりも1dBか2dB高くなるように、ST曲線は実際には僅かな傾きを持つことである。5KHzより上では、グローバル伝達関数Gはオクターブ当り6dBの一般的なロールオフを持ち、これは好ましくは目標関数STにおいても採用される。
最後に、図8のグローバル伝達関数Gは、ここでは200Hzより下の、前述した一般的な低周波数持ち上げを含んでいる事が見られる。この200Hzより下での一般的なレベルの持ち上げに応じて、目標関数STは、この一般的な「部屋ゲイン」を6dBまでの浅いゲインによって保ち、約30−50Hzにおいて最大ゲインを持つように選ばれる。見られるように、目標関数STがGにおける150−200Hz周辺のレベルジャンプに追随するようには選ばれていないが、寧ろ目標関数STは、より低い周波数に向けて増加するゲインを持って150−200Hzのレンジにおいて始まり最低オーディオ周波数レンジにおいて最大ゲインレベルに達する、非常にスムーズな低周波数持ち上げを有する。好ましい実施形態では、目標関数STにおける低周波数持ち上げは、所定の固定されたフィルタ関数に基づいており、よって実際のリスニングルームとは独立の固定されよく定義された「部屋ゲイン」をリスナーに提供するようになって、これにより非常に高い低周波数ゲインを示している部屋において等化システムを極端な低周波数ゲインに適応してしまうことを避けている。そのような固定された「部屋ゲイン」は、例えばIEC標準リスニングルームの性質に基づいていても良い。スピーカーの下限より低いゲインをスムーズにロールオフして、スピーカーの低周波数ロールオフより低い周波数における高ゲインを避けるようにして、アンプパワーを節約しウーファーダイアフラムの大きな振幅を避けるようにすることが好ましい。
好ましい実施形態において提示された等化は、スピーカーの不完全さを等化することに焦点を当てていない。しかし、当然そのような追加のスピーカーの不完全さの等化を等化フィルタFの設計に含めても良い。特に小さいスピーカーの極めて高いカットオフ周波数を補償するモードレート低周波数ブーストを加えることが望ましくても良い。LとGの伝達関数測定は実際のスピーカーの低周波数カットオフ周波数に関する情報を含んでいるので、そのような低周波数ブーストは発明に従った方法に関連して容易に設計される。よって、それを補償することができる。しかし、前に述べたように、方法ステップ3)を行う前は、測定された伝達関数からそのようなハイパス効果を最初は除去することが好ましい。このハイパス効果のための等化は、例えば部屋とスピーカーの間の相互作用とスピーカーの一般的なハイパス効果の両方を補償する、組み合わされたフィルタFを形成することによって、それからステップ4)の後で適用することができる。
LとGに行う記載された操作、即ちレベル揃え、平滑化等は、LとGの逆数を各々計算する前または後に行っても良いことは理解されたい。よって、例えば平滑化はGまたは1/Gまたは1/Gプラスゲインファクターに適用しても良いことは理解されたい。
請求項において、図面への参照符号は明確さの理由だけで含まれている。これらの図面中の実施形態例への参照は、いかなるやり方でも請求項の範囲を限定するものと理解されるべきではない。
図1は、発明に従った部屋等化システムの基本的部分を描いている。 図2は、部屋内で測定された9つの測定された伝達関数の例(細線)を持ったグラフを示す。上のグラフでは、9つの測定された伝達関数のパワー平均であるグローバル伝達関数Gが太線で示されており、下のグラフでは、太線との比較のためにリスニング位置伝達関数Lが示されている。 図3は、上の部分がグローバル伝達関数G(太い曲線)を示し、水平な線は300から800Hzの周波数間隔のグローバル伝達関数Gの平均レベルを示し、傾いた線はGのより高い周波数に向けた一般的な減少するレベルを示し、下の部分がG′の補償されたバージョン(太い曲線)を示す。 図4は、補償されたグローバル伝達関数1/G′と補償されたリスニング位置伝達関数1/L′の逆バージョンを各々示し、LとGは互いに合致するようにレベル揃えされている。 図5は、上のグラフが1/G′に基づく上および下ゲインリミットUGL、LGLの例を示し、下のグラフが逆リスニング位置伝達関数1/L′のゲイン制限されたバージョンである目標フィルタ関数Tを描いている。 図6は、上および下ゲインリミットUGL、LGLの他の例について図5と同じものを示し、よって異なる目標フィルタ関数T(下のグラフ)となっている。 図7は、図5の例について、目標フィルタ関数と、等化フィルタFとして実装される伝達関数を形成するその平滑化されたバージョンを描いている。 図8は、より低い周波数に向けた一般的な「部屋ゲイン」のよる好ましい低周波数ブーストの例を描いている。

Claims (55)

  1. 部屋の影響を補償するために部屋に位置する第一のスピーカー(L1)を等化する方法であって、
    1)第一のスピーカー(L1)の電気入力から部屋内のリスニング位置(LP)における音圧までのリスニング位置伝達関数(L)を測定するステップと、
    2)第一のスピーカー(L1)によって発生される部屋内の音圧レベルの空間的平均を表すグローバル伝達関数(G)を決定するステップと、
    3)グローバル伝達関数(G)の逆数に基づいた上ゲインリミット(UGL)を周波数の関数として決定するステップと、
    4)上ゲインリミット(UGL)に応じた最大ゲインにそのゲインが制限されている、リスニング位置伝達関数(L)の逆数に基づいた等化フィルタ(F)を決定するステップと、
    5)等化フィルタ(F)に従って第一のスピーカー(L1)を等化するステップと、
    からなる方法。
  2. グローバル伝達関数(G)は、第一のスピーカー(L1)からの音響パワー出力の測定と部屋の音吸収特性に関するデータに基づいて計算される、請求項1記載の方法。
  3. グローバル伝達関数(G)の決定は、第一のスピーカー(L1)の電気入力から部屋に渡って散らばった各フィールドポイント位置(PF1、PF2)における音圧まで測定された少なくとも2つのフィールドポイント伝達関数(G1、G2)の平均に基づいている、請求項1記載の方法。
  4. グローバル伝達関数(G)の決定は、第一のスピーカー(L1)の電気入力から部屋内の各フィールドポイント位置(PF1、PF2、PF3)における音圧まで測定された少なくとも3つのフィールドポイント伝達関数(G1、G2、G3)の平均に基づいている、請求項1記載の方法。
  5. グローバル伝達関数(G)の決定は、第一のスピーカー(L1)の電気入力から部屋内の各フィールドポイント位置(PF1、PF2、PF3)における音圧まで測定された少なくとも6つのフィールドポイント伝達関数(G1、G2、G3)の平均に基づいている、請求項1記載の方法。
  6. グローバル伝達関数(G)の決定は、リスニング位置伝達関数(L)と共に、第一のスピーカー(L1)の電気入力から部屋内のフィールドポイント位置(PF1)における音圧まで測定された少なくとも1つのフィールドポイント伝達関数(G1)の平均に基づいている、請求項1記載の方法。
  7. グローバル伝達関数(G)の決定は、リスニング位置伝達関数(L)と共に、第一のスピーカー(L1)の電気入力から部屋に渡って散らばった各フィールドポイント位置(PF1、PF2)における音圧まで測定された少なくとも2つのフィールドポイント伝達関数(G1、G2)の平均に基づいている、請求項6記載の方法。
  8. グローバル伝達関数(G)の計算に含まれる伝達関数の平均化は、パワー平均化である、請求項3から7のいずれかに記載の方法。
  9. 少なくとも2つのフィールドポイント伝達関数(PF1、PF2)は、部屋の予め入力された寸法に基づく3次元内でランダムに位置を選択する乱数発生器からの入力に基づいたというように、部屋の中でランダムに選択される、請求項3から8のいずれかに記載の方法。
  10. 下ゲインリミット(LGL)に応じた最小ゲインに等化フィルタ(F)のゲインが制限されている、グローバル伝達関数(G)の逆数に基づいた下ゲインリミット(LGL)を周波数の関数として決定するステップ、から更になる先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  11. 上ゲインリミット(UGL)は、グローバル伝達関数(G)の逆数に3dBのような第一の正のゲイン(g1)を足したものとして決定される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  12. 第一の正のゲイン(g1)は周波数独立または周波数依存である、請求項11記載の方法。
  13. 下ゲインリミット(LGL)は、グローバル伝達関数(G)の逆数から3dBのような第二の正のゲイン(g2)を引いたものとして決定される、請求項10から12のいずれかに記載の方法。
  14. 第二の正のゲイン(g2)は周波数独立または周波数依存である、請求項13記載の方法。
  15. 上ゲインリミット(UGL)は、0dBから+10dBの間隔のような第一のゲイン間隔(gi1)に限定されている、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  16. 第一のゲイン間隔(gi1)は周波数独立または周波数依存である、請求項15記載の方法。
  17. 下ゲインリミット(LGL)は、−15dBから+10dBの間隔のような第二のゲイン間隔(gi2)に限定されている、請求項10から16のいずれかに記載の方法。
  18. 第二のゲイン間隔(gi2)は周波数独立または周波数依存である、請求項17記載の方法。
  19. ステップ3)を行う前にグローバル伝達関数(G)の平滑化手順を行うような、グローバル伝達関数(G)の平滑化手順を行うステップ、から更になる先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  20. ステップ4)を行う前にリスニング位置伝達関数(L)の平滑化手順を行うような、リスニング位置伝達関数(L)の平滑化手順を行うステップ、から更になる先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  21. リスニング位置伝達関数(L)とグローバル伝達関数(G)の間の差に基づいた伝達関数の平滑化手順を行うステップ、から更になる先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  22. ステップ4)を行う前に、グローバル伝達関数(G)のレベルのリスニング位置伝達関数(L)のレベルへのレベル揃え、から更になる先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  23. レベル揃えは、300Hzから800Hzの周波数間隔のような所定の周波数間隔内で計算された、グローバル伝達関数(G)とリスニング位置伝達関数(L)の各々の平均レベルに基づいて行われる、請求項22記載の方法。
  24. レベル揃えによって見つけられたグローバル伝達関数(G)とリスニング位置伝達関数(L)の共通の平均レベルは、ステップ3)および4)において使われるグローバル伝達関数(G)とリスニング位置伝達関数(L)の逆数バージョンを決定するレベルとして使われる、請求項22または23に記載の方法。
  25. フィルタは、ステップ3)を行う前にグローバル伝達関数(G)に適用される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  26. フィルタは、より高い周波数に向けたレベルの減少のような、第一のスピーカー(L1)の指向性の影響を除去するのに使われる、請求項25記載の方法。
  27. フィルタは、低周波数部屋ゲインによるより低い周波数に向けたレベルの増加を除去するのに使われる、請求項25または26に記載の方法。
  28. フィルタは、ステップ4)を行う前に少なくともリスニング位置伝達関数(L)に適用される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  29. フィルタは、第一のスピーカー(L1)によって導入されるハイパス効果のような、一般的ハイパス効果を除去するのに使われる、請求項28記載の方法。
  30. フィルタは、低周波数部屋ゲインによるより低い周波数に向けたレベルの増加を除去するのに使われる、請求項28または29に記載の方法。
  31. 等化フィルタ(F)の決定は、目標フィルタ関数(T)の最小位相近似または線形位相近似を行うことを含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  32. リスニング位置伝達関数(L)とフィールドポイント伝達関数(G1)の少なくとも一つは、ランダムノイズ信号またはピュアトーン信号のような電気テスト信号を第一のスピーカーに印加し、部屋内の対応する音響反応を収集することによって測定される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  33. 等化フィルタ(F)の決定は、目標フィルタ関数(T)の平滑化手順を行うことを含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  34. リスニング位置伝達関数(L)の測定は、リスニング位置(LP)近傍に空間的に位置する1つ以上の位置における音圧の測定を含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  35. 部屋内に位置する第二のスピーカーのための第二の等化フィルタを決定するステップと、第二の等化フィルタに従って第二のスピーカーを等化するステップと、から更になる先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  36. リスニング位置伝達関数(L)測定は、電気テスト信号、好ましくは同一の電気テスト信号、を第一(L1)および第二のスピーカーに同時に印加し、部屋内の対応する音響反応を収集することによって行われる、請求項35記載の方法。
  37. グローバル伝達関数(G)を形成するのに含まれる測定は、電気テスト信号、好ましくは同一の電気テスト信号、を第一(L1)および第二のスピーカーに同時に印加し、部屋内の対応する音響反応を収集することによって行われる、請求項36記載の方法。
  38. リスニング位置伝達関数(L)測定は、第一および第二のスピーカーについて別々に行われる、請求項35記載の方法。
  39. 第一(L1)および第二のスピーカーのための別々に測定された伝達関数は、足し合わされて第一(L1)および第二のスピーカーのための共通のリスニング位置伝達関数(L)を形成する、請求項38記載の方法。
  40. 第一(F1)および第二の等化フィルタは、同一の伝達特性を有する、請求項35から39のいずれかに記載の方法。
  41. 部屋内に位置する複数のスピーカーの各々のための複数の等化フィルタを決定するステップと、複数の等化フィルタの各々に従って複数のスピーカーを等化するステップと、から更になる請求項35から40のいずれかに記載の方法。
  42. リスニング位置伝達関数(L)測定は、電気テスト信号、好ましくは同一の電気テスト信号、を複数のスピーカーに同時に印加し、部屋内の対応する音響反応を収集することによって行われる、請求項41記載の方法。
  43. リスニング位置伝達関数(L)測定は、複数のスピーカーの全てについて別々にというように、複数のスピーカーの少なくとも2つについて別々に行われる、請求項41記載の方法。
  44. リスニング位置伝達関数(L)は、別の測定が複数のスピーカーの第二のサブセットに行われる間に、複数のスピーカーの第一のサブセットに電気テスト信号を同時に印加することの組み合わせによって行われる、請求項41記載の方法。
  45. リスニング位置伝達関数(L)は、複数のスピーカーの第一のサブセットに電気テスト信号を同時に印加し、それと別に複数のスピーカーの第二のサブセットに電気テスト信号を印加することによって行われる、請求項41記載の方法。
  46. 先行する請求項のいずれかの方法を行うように適応されたコンピュータ読み取り可能なプログラムコード。
  47. 先行する請求項のいずれかに記載の方法を行うように適応されたシステムであって、
    −ステップ1)から4)を行うように適応された測定システムと、
    −ステップ5)を行うように適応されたフィルタ手段と、
    からなるシステム。
  48. 測定システムとフィルタ手段は、インターフェースを介した相互接続に適応された別々のユニットとして実装される、請求項47記載のシステム。
  49. 別々のユニットの少なくとも1つはスタンドアローンデバイスである、請求項48記載のシステム。
  50. 測定システムとフィルタ手段は、一つのユニットに統合されている、請求項47記載のシステム。
  51. 一つのユニットは、オーディオアンプへの挿入に適応された回路基板として実装される、請求項50記載のシステム。
  52. 一つのユニットはスタンドアローンデバイスである、請求項50記載のシステム。
  53. 測定システムは、等化フィルタ(F)に従ってフィルタ手段にフィルタ係数をダウンロードするように適応されたインターフェースを持った、パーソナルコンピュータのようなコンピュータとして実装される、請求項47から50のいずれかに記載のシステム。
  54. 請求項47から53のいずれかに記載の測定システムとフィルタ手段の少なくとも1つからなるオーディオデバイス。
  55. オーディオデバイスは、測定システムとフィルタ手段の両方からなる、請求項54記載のオーディオデバイス。
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