JPH10283970A - 微細加工装置および微細加工方法 - Google Patents

微細加工装置および微細加工方法

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JPH10283970A
JPH10283970A JP9086432A JP8643297A JPH10283970A JP H10283970 A JPH10283970 A JP H10283970A JP 9086432 A JP9086432 A JP 9086432A JP 8643297 A JP8643297 A JP 8643297A JP H10283970 A JPH10283970 A JP H10283970A
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JP9086432A
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Inventor
Hiroyuki Sugimura
博之 杉村
Nobuyuki Nakagiri
伸行 中桐
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子間力顕微鏡を利用した微細加工装置であっ
て、精密なパターンを安定に形成することのできる微細
加工装置を提供する。 【解決手段】加工すべき試料104上にプローブ2の先
端を予め定めた一定の接触圧で接触させ、電流供給手段
8によりプローブ2と試料104との間に電圧を印加し
て電流を供給しながら、走査手段6、7によりプローブ
2を予め定めた経路で走査させる。これにより、試料1
04表面を変質させる。このとき、プローブ2から試料
104へ流れる電流値を検出し、この検出結果と、プロ
ーブ2の走査速度とをもとに、単位走査距離あたりにプ
ローブ2から試料104へ供給されるの電子の供給量を
もとめ、求めた単位走査距離あたりの電子供給量が予め
定めた設定値に一致するように、電流値および走査速度
のうちの少なくとも一方を制御手段9、10により制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板等の表面を微
細に加工するための微細加工装置および方法に関するも
のである。特に、ICやLSI等の半導体素子やフレネ
ルゾーンプレート等の光学素子等を精密に製造するのに
適した微細加工装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ICやLSI等の半導体素子製造工程の
一つに、半導体基板上の表面に微細なIC回路パターン
を形成するためのリソグラフィ工程がある。従来より、
このリソグラフィ工程には、フォトリソグラフィ技術が
用いられている。フォトリソグラフィ工程では、基板表
面にフォトレジストを塗布し、予め作製しておいた所定
のパターンのフォトマスクを通して、フォトレジストに
紫外線等の電磁波を照射する。これによってフォトレジ
ストにフォトマスク像を焼き付け、この後フォトレジス
トを溶媒で処理することにより、フォトレジストをフォ
トマスク像のパターンに加工する。このフォトレジスト
パターンをエッチングマスクとして半導体基板をエッチ
ング加工している。
【0003】しかしながら、このような従来のフォトリ
ソグラフィ技術の場合には、フォトレジストに焼き付け
可能な像の分解能が、電磁波の波長に依存するため、焼
き付け可能な像の分解能には限界があった。そのため、
次第に微細化する回路パターンの作成に適応できなくな
ってきていた。また、フォトリソグラフィ技術では、加
工すべきパターンごとにフォトマスクを用意しておく必
要があった。
【0004】そのため、ナノメートルスケールの微細パ
ターン形成可能な技術として、走査型トンネル顕微鏡
(STM)を利用した微細加工技術が提案されている。
STMを利用したリソグラフィ技術では、水素で修飾さ
れたSi基板の表面をSTMのプローブで走査し、トン
ネル電流により基板表面に化学反応を生じさせて、Si
基板の表面にSiO2のパターンを形成する技術が知ら
れている。また、Si基板の表面にレジストとして有機
シリコン層を形成しておき、この表面をSTMのプロー
ブで走査してトンネル電流で有機シリコン層を部分的に
分解し、レジストパターンを形成する技術が知られてい
る。これらの技術は、例えばJpn.J.Appl.Phys.Vol.34(1
995)pp.3406-3411や、Langmuir,Vol.11,No.10,1995,p36
23-3625等に記載されている。
【0005】しかしながら、STMは、プローブと試料
との間に流れるトンネル電流を検出し、これが一定とな
るようにプローブと試料との距離を制御することによ
り、プローブと試料との間隔を一定に保つしくみであ
る。そのため、上述のように微細加工にSTMのトンネ
ル電流を利用すると、基板表面が化学反応により電流の
流れにくい物質、例えばSiO2等に変化した場合、プ
ローブと試料との間隔を一定に保つことが困難になり、
プローブが試料に衝突してしまうことがあるいう問題が
ある。
【0006】そのため、プローブと試料との間の原子間
力を利用して、プローブと試料との間隔を制御する原子
間力顕微鏡(AFM)を微細加工に利用することが提案
されている。AFMは、STMとは異なり、プローブの
探針の先端は常に一定圧力で試料表面に接触し、この接
触圧をプローブのカンチレバーの変位によって検出し、
制御する。よって、導電性のプローブを用い、プローブ
の探針の先端と試料との間に電圧を印加することによ
り、試料表面もしくは試料表面のレジストを加工するこ
とが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
AFMを利用した微細加工の技術を用いて、実際に加工
を行ってみると、精密なパターンを安定に形成すること
が困難であった。例えば、線状のパターンを基板上に形
成しようとすると、パターンの線幅が太くなった細くな
ったりする現象が生じ、所望の線幅のパターンを一定に
描くことが難しい。
【0008】本発明は、原子間力顕微鏡を利用した微細
加工装置であって、精密なパターンを安定に形成するこ
とのできる微細加工装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、従来のAF
Mを利用した微細加工において加工が安定に行えない原
因を種々検討した。その結果、振動や温度変化などの外
乱が、不安定になる原因であるらしいことがわかった。
そこで、これら外乱がどのような作用を引き起こしてい
るのかをさらに検討したところ、これら外乱によってプ
ローブから試料に供給される電子の量が変動し、これに
より試料上で引き起こされる化学反応の量が変動してい
ることがわかった。試料上の化学反応の量が外乱により
変動した場合、一定の速度でプローブが走査されると、
形成される線幅が一定にならない。
【0010】上記目的を達成するために、本発明によれ
ば、加工すべき試料を保持するための試料ホルダーと、
前記試料上に導電性のプローブを保持するためのプロー
ブホルダーと、前記試料に対する前記プローブの接触圧
を予め定めた接触圧に保つために、前記接触圧を検出
し、検出結果に応じて前記プローブと前記試料との距離
を制御する接触圧制御手段と、設定された速度および経
路で前記プローブを前記試料上で相対的に走査させる走
査手段と、前記プローブと前記試料との間に電圧を印加
して前記プローブから前記試料に電流を供給する電流供
給手段と、前記プローブが単位走査距離だけ移動する間
に前記プローブから試料に供給される電子の量を予め定
めた設定値にするために、前記プローブと前記試料との
間に流れる電流値を検出し、検出した電流値と前記走査
手段の走査速度とをもとに前記単位走査距離あたりの前
記電子の供給量を求め、求めた結果に応じて、前記電流
供給手段の電流値および前記走査手段の走査速度のうち
の少なくとも一方を制御する電子供給量制御手段とを有
することを特徴とする微細加工装置が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。
【0012】まず、本発明の一実施の形態の微細加工装
置の構成と各部の動作について図3を用いて説明する。
【0013】プローブ100は、支持部105と、支持
部105に片持ち支持されたカンチレバー1と、カンチ
レバー1の先端に形成された探針2とからなる。プロー
ブ100は、高濃度ドープによって導電性を増したシリ
コンによって形成されている。図示していないが、支持
部105は、導電性のプローブホルダーによって保持さ
れている。また、プローブ100の上方には、カンチレ
バー1の変位を検出するために、カンチレバー1にレー
ザ光を照射するレーザ光源101と、カンチレバー1か
らの反射光を検出する光検出器5とが配置されている。
【0014】加工すべき試料104は、導電性の試料ホ
ルダー103に保持される。試料ホルダー103には、
試料104をxyz方向に駆動するためにピエゾアクチ
ュエータ7が取り付けられている。ピエゾアクチュエー
タ7には、各方向の駆動量を指示する信号を出力するピ
エゾ制御回路6が接続されている。光検出器5の出力
は、ピエゾ制御回路6に入力される。
【0015】また、プローブホルダーおよび試料ホルダ
ー103には、探針2と試料104との間に電圧を印加
し、探針2から試料104に電流を流すための定電流電
源8が接続されている。
【0016】ピエゾ制御回路6および定電流電源8に
は、これらに動作を制御するとともに、これらから駆動
データや電流値データを受け取るコントローラ9が接続
されている。また、コントローラ9には、加工条件デー
タの演算処理や装置全体の統括を行う演算処理装置10
が接続されている。
【0017】試料104の加工を行う場合には、試料1
04を試料ホルダー103に搭載し、探針2の先端を接
近させる。そして、カンチレバー1にレーザー光源10
1からレーザ光を照射し、光検出器5で反射光を検出す
ることにより、カンチレバー1の変位量を検出する。ピ
エゾ制御回路6は、ピエゾアクチュエータ7をxyz方
向に駆動させる制御信号を出力する。この制御信号は、
探針2の先端が試料104の表面を、コントローラ9か
ら指示された経路および指示された速度で相対的に走査
するように、試料104をxy方向に移動させる制御信
号、および、カンチレバー1の変位がコントローラ9が
定めた一定の変位に保たれるように試料104をz方向
に移動させるための制御信号である。これにより、探針
2の先端は、予め定めた一定の接触圧を保ちながら、試
料104の表面の予め定めた経路を予め定めた速度で走
査する。
【0018】このように、試料104の表面で探針2の
先端を走査させながら、コントローラ9は、定電流電源
8に探針2と試料104との間に電圧を印加させ、電流
を供給させる。このとき、定電流電源8は、探針2と試
料104との間に流れる電流値を検出し、この電流値が
コントローラ9の指示した電流値が維持されるように、
電圧を調節する。これにより、振動や温度変化等の外乱
があっても、常に所望の値の電流を探針2と試料104
との間に供給することができる。この電流によって試料
104に化学反応を生じさせ、試料104の表面を加工
する。
【0019】つぎに、図3の微細加工装置を用いて行う
微細加工方法についてさらに具体的に説明する。
【0020】本実施の形態では、試料104は、図2
(A)のように、表面に有機シリコン化合物膜17が形
成されたシリコン基板15を用いる。
【0021】まず、シリコン基板15上に、有機シリコ
ン化合物膜17を形成する方法について説明する。表面
を清浄にしたシリコン基板15の表面に薄いシリコン酸
化膜16を形成する。このシリコン酸化膜16は、シリ
コン基板15の表面を熱酸化または化学酸化することに
より形成する。あるいは、電気化学的に作成することも
できる。また、シリコン基板15の表面に大気中で形成
される自然酸化膜をそのまま利用することもできる。微
細加工の解像度を上げるために、シリコン酸化膜16の
膜厚は、20nm以下に、好ましくは5nm以下にす
る。
【0022】つぎに、シリコン酸化膜16を形成したシ
リコン基板15を、ヘキサメチルジシラザン蒸気で飽和
された容器中(温度150℃)に入れる。これにより、
シリコン酸化膜16とヘキサメチルジシラザン分子とが
下記(化1)のように化学反応し、図2(A)のように
有機シリコン化合物の分子からなる有機シリコン化合物
膜17が形成される。
【0023】
【化1】
【0024】これによって、試料104の準備が完了す
る(図2(A))。
【0025】この試料104を試料ホルダー103に搭
載し、プローブ100の探針2の先端を試料104の表
面に接触させる。そして、上述のように、ピエゾ制御回
路6の制御信号により、予め定めた一定の接触圧を維持
しながら、予め定めた経路で予め定めた速度(例えば1
mm/s)で探針2の先端を試料104上で走査させ
る。同時に、定電流電源8により電圧を制御しながら予
め定めた一定の値(例えば1nA)の電流を供給する
(図2(B))。これにより、有機シリコン化合物膜1
7中のC−HボンドあるいはSi−Cボンドが切れるこ
とにより、分子が破壊されて除去される反応が生じる。
よって、探針2が走査する際に電流が供給された部分で
有機シリコン化合物膜17が除去され、所望のパターン
が形成される(図2(C))。このとき、有機シリコン
化合物膜17の除去量は、分解される分子の量に対応す
るため、探針2から供給された電子の数により決定され
る。本実施の形態では、探針2から供給される電流値が
予め定めた一定の値になるように制御しながら、探針2
を一定の速度で走査させる構成であるため、単位走査長
さあたりに供給される電子の数が一定となる。よって、
外乱等があっても一定の線幅の線状パターンを形成する
ことが可能である。また、走査速度を2倍にしたときに
は、電流値を2倍にすることにより、同一条件で加工し
たことになり、同じ線幅で2倍の速度で加工を行うこと
ができる。
【0026】このように、有機シリコン化合物膜17を
所望のパターンに除去した試料104を、エッチング液
(例えば、フッ化アンモニウム:過酸化水素:水=10
g:0.3g:100gの混合液)で所望の時間(例え
ば3分間)処理する。これにより、有機シリコン化合物
膜17が除去されている部分において、シリコン酸化膜
16およびシリコン基板15が選択的にエッチングさ
れ、シリコン基板15に所望のパターンの凹部18が形
成される。
【0027】上述してきたように、本実施の形態の微細
加工装置では、試料104の探針2に対する走査速度を
制御するとともに、試料104と探針2との間の電流を
検出し、試料104に供給される電子の量を一定の値に
維持するように制御している。これにより、単位走査距
離あたりに、分解される分子の量を一定の値に維持する
ことができるため、外乱等の影響を受けることなく一定
の線幅のパターンを安定して有機シリコン化合物膜17
に形成することができる。そして、このパターンを形成
した有機シリコン化合物膜17をレジストとしてエッチ
ングをすることにより、所望のパターンの凹部18をシ
リコン基板15に形成することができる。また、走査速
度を2倍にする条件に変えた場合には、電流値を2倍に
維持するように制御することにより、単位走査距離あた
りに試料に供給する電子の量を一定にすることができる
ため、加工条件を変えても同じ線幅のパターンを安定よ
く形成することができる。
【0028】また、本実施の形態の微細加工装置では、
探針2の接触圧をカンチレバー1の変位として光学的に
検出して、この変位が一定となるようにピエゾアクチュ
エータ7をz方向に駆動しているため、試料104の表
面の凹凸画像を得ることが可能である。試料104の表
面の凹凸画像を得る場合には、コントローラ9がピエゾ
制御回路6の出力した制御信号を取り込み、演算処理装
置10が、ピエゾアクチュエータ7のz方向の駆動量
を、xy方向の走査量と対応させ、凹凸画像を作成す
る。本実施の形態の微細加工装置では、試料104の微
細加工を行う電流の制御系と、試料104と探針2との
位置関係の制御系とが互いに独立しているため、加工に
影響を与えることなく試料104の表面の凹凸画像を得
ることができる。
【0029】なお、上述の図3の微細加工装置では、定
電流電源8を用いて、試料104に供給する電流の値を
一定に維持する制御をしながら、探針2を試料104に
対して一定の速度で走査させることにより、一定の線幅
の線状パターンを形成したが、本発明は、この加工方法
に限定されるものではない。例えば、供給する電流値を
一定に保ちながら、探針2の走査速度を変化させること
により、走査速度をゆっくりにした部分では線幅が広
く、走査速度が速い部分では線幅が狭い線状パターンを
形成することができる。また、探針2を試料104に対
して一定の速度で走査させながら、試料104に供給す
る電流の値を時間経過とともに変化させることにより、
大きな電流を供給した部分では線幅が広く、小さな電流
を供給した部分では線幅が狭い線状パターンを形成する
ことができる。さらに、探針2の走査速度を変化させな
がら、電流の値を同時に変化させることも可能である。
いずれの場合も、有機シリコン化合物膜17への加工量
は、探針2の単位走査距離あたりの電子の供給量(電流
量)に依存するため、演算処理装置10に単位走査距離
あたりの電子の供給量を演算させ、これが所望の値にな
るように、走査速度および電流値を求め、コントローラ
9がピエゾ制御回路6および定電流電源に8にそれぞれ
走査速度および電流値を設定することにより、所望の加
工量が得られる。
【0030】なお、有機シリコン化合物膜17は、本実
施の形態では、一定の厚さの薄膜であるため、加工量は
線幅として表されたが、この膜が十分に厚い膜である場
合や膜の材質によっては、加工量が加工深さに依存する
場合もある。
【0031】さらに、本実施の形態では、シリコン基板
1の上にシリコン酸化膜16を介して有機シリコン化合
物膜17を形成したが、試料104はこれに限定される
ものではなく、表面が電流の供給により変質する構成の
試料であれば、これを本実施の形態の加工方法により加
工することができる。
【0032】例えば、シリコン基板の表面を水素で修飾
したものを試料104としてもちいることができる。水
素で修飾したシリコン基板の表面に図3の微細加工装置
によって電流を供給すると、電流が供給された部分のみ
Si−Hボンドが切れて、酸化シリコンに変化する。こ
の酸化シリコンとシリコンのエッチング速度の差を利用
して、シリコン基板を所望のパターンに加工することが
できる。
【0033】また、例えば、図1(A)のように、基板
25の上にレジスト膜21を備えたものを試料104と
して用いることができる。レジスト膜21は、1層以上
の樹脂膜21の最表層に有機シリコン化合物膜22を形
成した構成である。そして、上述の図3の微細加工装置
を用いて、有機シリコン化合物膜22にのみパターンを
形成する(図1(B))。つぎに、有機シリコン化合物
膜22をエッチングマスクとして樹脂膜21をエッチン
グする。そして、樹脂膜21をエッチングマスクとし
て、基板25をエッチングする。この方法の場合には、
有機シリコン化合物膜22が基板25のエッチング液に
対して耐性が弱い場合にも、基板25を所望のパターン
に加工することができる。また、厚い樹脂膜21をエッ
チングマスクにできるため、基板25をドライエッチン
グによりエッチングすることが可能になる。
【0034】さらに、上述の実施の形態では、探針2の
先端を試料104の先端に常に一定の接触圧で接触させ
る方法を用いたが、この方法に限らず、カンチレバー1
を試料104に対してz方向に相対的に振動させて探針
2の先端が試料1表面をたたくようにする、いわゆるタ
ッピングモードにすることも可能である。タッピングモ
ードの場合には、カンチレバー1の振動の振幅が、試料
104をたたくことにより減少する減少量を測定し、減
少量を一定にするようにフィードバックをかけて探針2
と試料104とのz方向の距離を制御する。そして、探
針2と試料104との間に電圧を印加すると探針2が試
料104に接触するたびに加工が進行する。ここで、探
針2が試料104に接触したときに流れる電流量が所望
の電流量になるように電圧を制御することにより、上述
の実施の形態と同様に、外乱等による影響を受けずに所
望の形状のパターンを安定して形成することができる。
【0035】また、本実施の形態では、探針を備えたカ
ンチレバーの変位を光学的に検出することにより、探針
と試料に対するz方向の相対的な変位を検出している
が、探針の変位の検出方法は、この方法に限られるもの
ではない。例えば、カンチレバーの表面に圧電材料の膜
を形成しておき、この膜からの電圧値によって、カンチ
レバーの撓み量を検出する方法等、探針から試料への電
流の供給とは独立に探針の変位を検出できる方法であれ
ばその方法を用いることができる。さらに、それらの場
合、プローブの形状は、カンチレバーの先端に形成され
た探針でなくともよい。カンチレバー型のプローブ以外
であっても探針の変位が検出できる構成であればそのよ
うな形状のプローブを用いることができる。
【0036】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、原子間
力顕微鏡を利用した微細加工装置であって、精密なパタ
ーンを安定に形成することのできる微細加工装置を提供
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の一実施の形態の微細加工装置に
よって加工することのできる試料の構成を示す断面図、
(B)(A)図の試料を加工している状態を示す説明
図。
【図2】(A),(B),(C),(D)本発明の一実
施の形態の微細加工装置による加工方法の工程を示す説
明図。
【図3】本発明の一実施の形態の微細加工装置の概略構
成を示すブロック図。
【符号の説明】
1・・・カンチレバー、2・・・探針、5・・・光検出
器、6・・・ピエゾ制御回路、7・・・ピエゾアクチュ
エータ、8・・・定電流電源、9・・・コントローラ、
10・・・演算処理装置、15・・・シリコン基板、1
6・・・シリコン酸化膜、17・・・有機シリコン化合
物膜、18・・・凹部、21・・・樹脂膜、22・・・
誘起シリコン化合物膜。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工すべき試料を保持するための試料ホル
    ダーと、前記試料上に導電性のプローブを保持するため
    のプローブホルダーと、前記試料に対する前記プローブ
    の接触圧を予め定めた接触圧に保つために、前記接触圧
    を検出し、検出結果に応じて前記プローブと前記試料と
    の距離を制御する接触圧制御手段と、設定された速度お
    よび経路で前記プローブを前記試料上で相対的に走査さ
    せる走査手段と、前記プローブと前記試料との間に電圧
    を印加して前記プローブから前記試料に電流を供給する
    電流供給手段と、前記プローブが単位走査距離だけ移動
    する間に前記プローブから試料に供給される電子の量を
    予め定めた設定値にするために、前記プローブと前記試
    料との間に流れる電流値を検出し、検出した電流値と前
    記走査手段の走査速度とをもとに前記単位走査距離あた
    りの前記電子の供給量を求め、求めた結果に応じて、前
    記電流供給手段の電流値および前記走査手段の走査速度
    のうちの少なくとも一方を制御する電子供給量制御手段
    とを有することを特徴とする微細加工装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の微細加工装置において、
    前記電子供給量制御手段に、前記電子の供給量の設定値
    を可変に設定するための設定値設定手段をさらに有する
    ことを特徴とする微細加工装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の微細加工装置おいて、前
    記電子供給量制御手段は、前記走査手段に一定の走査速
    度で走査させながら、前記電流供給手段の前記電圧を調
    節することにより、前記単位走査距離あたりの電子の供
    給量を制御することを特徴とする微細加工装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の微細加工装置において、
    前記電子供給量制御手段は、前記電流供給手段の前記電
    圧を制御して、前記プローブから試料へ流れる電流値を
    一定の電流値に維持しながら、前記走査手段の走査速度
    を調節することにより、前記単位走査距離あたりの電子
    の供給量を制御することを特徴とする微細加工装置。
  5. 【請求項5】加工すべき試料を保持するための試料ホル
    ダーと、前記試料上に導電性のプローブを保持するため
    のプローブホルダーと、前記試料に対する前記プローブ
    の接触圧を予め定めた接触圧に保つために、前記接触圧
    を検出し、検出結果に応じて前記プローブと前記試料と
    の距離を制御する接触圧制御手段と、予め設定された一
    定の速度および経路で前記プローブを前記試料上で相対
    的に走査させる走査手段と、前記プローブと前記試料と
    の間に電圧を印加して前記プローブから前記試料に電流
    を供給する電流供給手段と、前記プローブから前記試料
    へ供給される電流値を予め定めた電流値に維持するため
    に、前記電流値を検出し、検出結果に応じて前記電流供
    給手段の前記電圧を制御する電流制御手段とを有するこ
    とを特徴とする微細加工装置。
  6. 【請求項6】請求項1または4に記載の微細加工装置に
    おいて、前記プローブホルダーは、導電性のカンチレバ
    ーと、前記カンチレバーの先端に取り付けられた導電性
    の探針とを備えたプローブを保持するための構成を有
    し、前記接触圧制御手段は、前記カンチレバーの変位を
    検出することにより前記探針の前記試料への接触圧を検
    出することを特徴とする微細加工装置。
  7. 【請求項7】請求項1または4に記載の微細加工装置に
    おいて、前記プローブホルダーは、導電性のカンチレバ
    ーと、前記カンチレバーの先端に取り付けられた導電性
    の探針とを備えたプローブを保持するための構成を有
    し、前記接触圧制御手段は、前記カンチレバーを振動さ
    せ、振動振幅の変化から前記探針の前記試料への接触圧
    を検出することを特徴とする微細加工装置。
  8. 【請求項8】加工すべき試料上にプローブの先端を予め
    定めた一定の接触圧で接触させ、前記プローブと前記試
    料との間に電圧を印加し、前記プローブから前記試料に
    電流を供給しながら、前記プローブを予め定めた経路で
    走査させることにより、前記試料表面を変質させる工程
    を有し、 前記工程では、前記プローブが単位走査距離だけ移動す
    る間に前記プローブから試料に供給される電子の量を予
    め定めた一定値に一致させるために、前記プローブから
    前記試料へ流れる電流値を検出し、この検出結果と、前
    記プローブの走査速度とをもとに、前記単位走査距離あ
    たりの前記電子の供給量をもとめ、求めた結果に応じ
    て、前記電流値および前記走査速度のうちの少なくとも
    一方を制御することを特徴とする微細加工方法。
  9. 【請求項9】加工すべき試料上にプローブの先端を予め
    定めた一定の接触圧で接触させ、前記プローブと前記試
    料との間に電圧を印加し、前記プローブから前記試料に
    電流を供給しながら、前記プローブを予め定めた経路で
    走査させることにより、前記試料表面を変質させる工程
    を有し、 前記工程では、前記プローブを一定の走査速度で走査さ
    せながら、前記プローブから前記試料へ流れる電流値を
    検出し、この検出結果が予め定めた設定値に一致するよ
    うに、前記電圧を制御することを特徴とする微細加工方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007010599A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Jeol Ltd 走査形プローブ顕微鏡
JP2016530499A (ja) * 2013-06-24 2016-09-29 ディーシージー システムズ、 インコーポレイテッドDcg Systems Inc. 局所的な試料の特性によって制御されるプロービングの適応モードを備えたプロービングを利用したデータ収集システム
US10539589B2 (en) 2014-06-25 2020-01-21 Fei Efa, Inc. Through process flow intra-chip and inter-chip electrical analysis and process control using in-line nanoprobing

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