JPH1028319A - 直列補償システムの保護装置 - Google Patents

直列補償システムの保護装置

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JPH1028319A
JPH1028319A JP8177974A JP17797496A JPH1028319A JP H1028319 A JPH1028319 A JP H1028319A JP 8177974 A JP8177974 A JP 8177974A JP 17797496 A JP17797496 A JP 17797496A JP H1028319 A JPH1028319 A JP H1028319A
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JP8177974A
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Takuji Senda
卓二 千田
Yoshihiko Sato
佳彦 佐藤
Ryuichi Morikawa
竜一 森川
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Toshiba Corp
Tohoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Tohoku Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】系統事故発生時の過電流を自励式変換器に流さ
ないことが可能で、小型で安価であり、自励式変換器な
どの故障時にも電力系統への影響を最小限に抑えること
が可能となる直列補償システムの保護装置を得る。 【解決手段】電力系統1,2の一部に直列変圧器3の二
次巻線を直列に接続し、3の一次巻線に少なくとも、G
TO7Gから構成される自励式変換器5を接続し、5の
入力側に直流電力を供給することで出力側に得られる所
望の電力に基づく電圧を3を介して1,2に供給して
1,2の潮流の制御等を目的としたもので、3と5を電
気的に接続する線路に接続し、該線路の線間の短絡ある
いは該線路の地絡を行うためのサイリスタを逆並列に接
続してなるバイパスイッチ10と、10のサイリスタに
対して、5が過電流とならないように決定した点弧指令
に応じて10をオン状態に制御する点弧制御手段11と
を具備したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無効電力または有
効電力または無効電力および有効電力を電力系統に給電
または受電し、電力系統の潮流の制御、電圧の安定化、
電力動揺の抑制のいずれかを目的とする直列補償システ
ムの保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電力系統の潮流の制御、電圧の安
定化、電力動揺の抑制を行う目的で、自励式変換器(自
励式電力変換器)を使用した直列補償システムが種々開
発されており、これには直列アクティブフィルタ、自励
式直列コンデンサ、自励式位相調整器(直流部分で繋が
れた二対の自励式変換器の一方を系統に並列に、他方を
系統に直列変圧器を介して直列に接続したもの)などが
ある。
【0003】図4は自励式変換器を使用した従来の三相
の直列補償システムの一種である、自励式直列コンデン
サの概略構成図である。図4において、第1の三相交流
電力系統1と、第2の三相交流電力系統2の接続部に、
三相の直列変圧器3の二次巻線がそれぞれ直列に接続さ
れ、直列変圧器3の一次巻線には、以下に述べる自励式
変換器5が接続されている。すなわち、自励式変換器5
は、二次巻線がY結線され一次巻線がΔ結線された変換
器用変圧器6、単位変換器7、平滑コンデンサのごとき
エネルギ蓄積手段8、燃料電池、太陽電池等のエネルギ
発生手段またはエネルギ供給手段9からなり、これらは
図のように接続されている。
【0004】自励式変換器5は、一般的には大容量化の
ために変換器用変圧器6を使って三相の電圧を出力可能
な複数台の単位変換器7を多重化した構成が使われ、各
単位変換器7は自己消弧形半導体素子例えばゲートター
ンオフサイリスタ(GTO)7Gにダイオード7Dが逆
並列に接続された回路が6個からなっている。
【0005】このような構成の従来の直列補償システム
によって、エネルギ発生手段またはエネルギ供給手段9
からの例えば直流電力がエネルギ蓄積手段8により平滑
されると共に、単位変換器7により交流電力に変換さ
れ、この変換された交流電力に基づく交流電圧は、変換
器用変圧器6および直列変圧器3を介して電力系統1,
2に供給することにより、電力系統1,2の潮流の制
御、あるいは電圧の安定化、または電力動揺の抑制を行
うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た電力系統1,2において3線地絡や1線地絡などの系
統事故が発生した場合、自励式変換器5には電力系統
1,2に流れる地絡電流に対応した過大な電流が流れ
る。この自励式変換器5に流れる電流は、電力系統1,
2に流れる電流と直列変圧器3の特性によって決定され
る。したがって、電力系統事故発生時に自励式変換器5
に流れる電流によって自励式変換器5が破損しないよう
に、自励式変換器5を設計および製作しなければならな
い。こうして設計および製作した自励式変換器5は、系
統事故が発生しないことを仮定して設計および製作した
自励式変換器5と比較して大容量の装置となり、大型化
および高価格化するという難点がある。
【0007】さらに、故障などにより、万一、自励式変
換器5が停止したときは電力系統1と電力系統2に分離
したり、自励式変換器5の故障を拡大するような大事故
に繋がる。
【0008】したがって、系統事故発生時にも自励式変
換器5が破損しない直列補償システムを、大容量化しな
いで設計および製作できるようにすることとともに、故
障などによる自励式変換器の停止時にも電力系統の分離
や自励式変換器の故障が拡大しないようにすることが望
まれていた。
【0009】本発明は、前記課題を解決するためなされ
たもので、その目的は、電力系統に直列に接続して電力
系統の潮流の制御、電力系統の電圧の安定化、電力系統
の電力動揺の抑制を目的とする直列補償システムが、小
容量の自励式変換器を使って構成できるとともに、直列
補償システムの安全度を上げるような直列補償システム
の保護装置を提供することにある。
【0010】
【発明を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に対応する発明は、電力系統の一部に直列
変圧器の二次巻線を直列に接続し、該直列変圧器の一次
巻線に少なくとも、自己消弧形半導体素子から構成され
る自励式変換器を接続し、該自励式変換器の入力側に電
力を供給することで出力側に得られる所望の電力に基づ
く電圧を前記直列変圧器を介して前記電力系統に供給し
て前記電力系統の潮流の制御、前記電力系統の電圧の安
定化、前記電力系統の電力動揺の抑制のいずれかを目的
とした直列補償システムにおいて、前記直列変圧器と前
記自励式変換器を電気的に接続する線路の線間の短絡あ
るいは該線路の地絡を行うための非自己消弧形半導体素
子を逆並列に接続してなるバイパスイッチと、該バイパ
スイッチの非自己消弧形半導体素子に対して、前記自励
式変換器が過電流とならないように決定した点弧指令に
応じて前記バイパススイッチをオン状態に制御する制御
手段とを具備した直列補償システムの保護装置である。
【0011】前記目的を達成するため、請求項2に対応
する発明は、三相の電力系統の各相の一部に少なくと
も、三相の直列変圧器の各相の二次巻線をそれぞれ直列
に接続し、該直列変圧器の各相の一次巻線に、自己消弧
形半導体素子からなる三相構成の自励式変換器をそれぞ
れ接続し、該自励式変換器の入力側に電力を供給するこ
とで出力側に得られる所望の電力に基づく電圧を前記直
列変圧器を介して前記電力系統に供給して前記電力系統
の潮流の制御、前記電力系統の電圧の安定化、前記電力
系統の電力動揺の抑制のいずれかを目的とした三相の直
列補償システムにおいて、前記直列変圧器と前記自励式
変換器を電気的に接続する各相の各線路の線間の短絡あ
るいは該各線路の地絡を行うための非自己消弧形半導体
素子を逆並列に接続してなる三相構成のバイパスイッチ
と、該バイパスイッチの非自己消弧形半導体素子に対し
て、前記自励式変換器が過電流とならないように決定し
た点弧指令に応じて前記バイパススイッチをオン状態に
制御する制御手段とを具備した直列補償システムの保護
装置である。
【0012】前記目的を達成するため、請求項3に対応
する発明は、電力系統の一部に直列変圧器の二次巻線を
直列に接続し、該直列変圧器の一次巻線に、自己消弧形
半導体素子から構成される自励式変換器を少なくとも接
続し、該自励式変換器の入力側に電力を供給することで
出力側に得られる所望の電力に基づく電圧を前記直列変
圧器を介して前記電力系統に供給して前記電力系統の潮
流の制御、前記電力系統の電圧の安定化、前記電力系統
の電力動揺の抑制のいずれかを目的とした直列補償シス
テムにおいて、前記直列変圧器の二次巻線に並列に接続
し、該二次巻線を短絡するための非自己消弧形半導体素
子を逆並列に接続してなるバイパスイッチと、該バイパ
スイッチの非自己消弧形半導体素子に対して、前記自励
式変換器が過電流とならないように決定した点弧指令に
応じて前記バイパススイッチをオン状態に制御する制御
手段とを具備した直列補償システムの保護装置である。
【0013】前記目的を達成するため、請求項4に対応
する発明は、三相の電力系統の各相の一部に少なくと
も、三相の直列変圧器の各相の二次巻線をそれぞれ直列
に接続し、該直列変圧器の各相の一次巻線をΔ結線し、
この結線された各相の一次巻線に自己消弧形半導体素子
からなる三相構成の自励式変換器をそれぞれ接続し、該
自励式変換器の入力側に電力を供給することで出力側に
得られる所望の電力に基づく電圧を前記直列変圧器を介
して前記電力系統に供給して前記電力系統の潮流の制
御、前記電力系統の電圧の安定化、前記電力系統の電力
動揺の抑制のいずれかを目的とした三相の直列補償シス
テムにおいて、前記直列変圧器と前記自励式変換器を電
気的に接続する各相の各線路の線間の短絡あるいは該各
線路の地絡を行うための非自己消弧形半導体素子を逆並
列に接続してなる三相構成のバイパスイッチと、該バイ
パスイッチの非自己消弧形半導体素子に対して、前記自
励式変換器が過電流とならないように決定した点弧指令
に応じて前記バイパススイッチをオン状態に制御する制
御手段とを具備した直列補償システムの保護装置であ
る。
【0014】前記目的を達成するため、請求項5に対応
する発明は、三相の電力系統の各相の一部に少なくと
も、三相の直列変圧器の各相の二次巻線をそれぞれ直列
に接続し、該直列変圧器の各相の一次巻線をΔ結線し、
この結線された各相の一次巻線に自己消弧形半導体素子
からなる三相構成の自励式変換器をそれぞれ接続し、該
自励式変換器の入力側に電力を供給することで出力側に
得られる所望の電力に基づく電圧を前記直列変圧器を介
して前記電力系統に供給して前記電力系統の潮流の制
御、前記電力系統の電圧の安定化、前記電力系統の電力
動揺の抑制のいずれかを目的とした三相の直列補償シス
テムにおいて、前記直列変圧器の二次巻線の各相にそれ
ぞれ並列に接続し、該二次巻線の短絡を行うための非自
己消弧形半導体素子を逆並列に接続してなる三相構成の
バイパスイッチと、該バイパスイッチの非自己消弧形半
導体素子に対して、前記自励式変換器が過電流とならな
いように決定した点弧指令に応じて前記バイパススイッ
チをオン状態に制御する制御手段とを具備した直列補償
システムの保護装置である。
【0015】前記目的を達成するため、請求項6に対応
する発明は、前記電力系統に流れる電流を検出し、この
検出電流を前記自励式変換器を構成している自己消弧形
半導体素子が許容しうる電流になったことをもって前記
電力系統の事故が復帰したと判断し、前記バイパススイ
ッチに対してオフ指令を与えるオフ指令発生手段を、さ
らに備えた請求項1〜5のいずれかに記載の直列補償シ
ステムの保護装置である。
【0016】前記目的を達成するため、請求項7に対応
する発明は、前記バイパススイッチを各相毎に制御可能
にし、かつ前記各相の電力系統毎に流れる電流を検出
し、この検出電流のうちしきい値を越えたことをもって
事故相と判断し、該事故相に対応する前記バイパススイ
ッチのみをオン状態に制御する制御手段を、さらに備え
た請求項2,4,5のいずれかに記載の直列補償システ
ムの保護装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態
を説明するための回路図であり、図4の従来例と異なる
点は、バイパススイッチ10と、バイパススイッチ点弧
制御手段11と、系統電流検出器12を新たに追加した
ことである。
【0018】バイパススイッチ10は、非自己消弧形半
導体素子例えばサイリスタを逆並列に接続してなる回路
を3個をY結線し、この中性点を接地したものである。
このバイパススイッチ10を直列変圧器3の一次巻線と
自励式変換器5の変換器用変圧器6の二次巻線を接続し
ている線路にそれぞれ接続してある。
【0019】系統電流検出器12は、三相交流系統1,
2に流れる電流を検出するものであり、検出した系統電
流がバイパススイッチ点弧制御手段11に入力されるよ
うになっている。バイパススイッチ点弧制御手段11
は、自励式変換器5が過電流とならないように決定した
点弧指令に応じてバイパススイッチ10をオン状態に制
御するためのものであり、具体的には系統電流検出器1
2で検出された系統電流が、予め設定されているしきい
値と比較され、系統電流がしきい値を越えたとき、バイ
パススイッチ10を構成しているサイリスタのすべての
ゲート端子に対してそれぞれオン指令を与え、また系統
電流がしきい値以下になったとき、つまり系統事故が復
帰したときバイパススイッチ10を構成しているサイリ
スタにオフ指令を与えると共に、これと連動して単位変
換器7のゲートターンオフサイリスタ7Gにオン指令を
与えるものである。
【0020】このように構成された第1実施形態によれ
ば、以下のような作用効果が得られる。これについて、
図2を参照して説明する。いま、電力系統1,2が何等
かの理由により系統地絡事故が発生すると、系統電流検
出器12で検出される系統電流が大きくなり、バイパス
スイッチ点弧制御手段11に設定されているしきい値を
越えたとき、バイパススイッチ10にオン指令が与えら
れるので、バイパススイッチ10がオンする。バイパス
スイッチ10がオンすると、直列変圧器3と自励式変換
器5の変換器用変圧器6を結ぶ線路の線間が短絡あるい
は地絡し、自励式変換器5の出力電流と電力系統1,2
に流れる電流が独立となる。
【0021】この特性により、電力系統1,2の地絡事
故発生時に直列変圧器3の一次側(自励式変換器側)に
流れる過大な電流を、バイパススイッチ10をオンさせ
ることでバイパススイッチ10にバイパスし、自励式変
換器5に流さないことが可能となる。
【0022】そして、系統事故が復帰し、電力系統1,
2に流れる電流が、バイパススイッチ点弧制御手段11
に設定されているしきい値以下、すなわち自励式変換器
5の許容する電流になったらバイパススイッチ10をオ
フさせる。こうすることにより、自励式変換器5の許容
する電流を系統事故発生時の流れる系統電流に応じた大
きさに設定するのではなく、電力系統1,2の潮流の制
御や電圧の安定化および電力動揺の抑制を行うために系
統事故発生時以外の状態で必要とされる電流の大きさと
することができる。すなわち、自励式変換器5に必要と
される容量を小さくできる。
【0023】また、バイパススイッチ10をオンさせる
ことにより、自励式変換器5が停止しているか否かに関
わらず、電力系統1,2に電流を流すことが可能とな
る。つまり、自励式変換器5を構成するゲートターンオ
フサイリスタ7Gの故障などにより自励式変換器5が繋
がっている線路が開放状態になっても、電力系統1,2
の電流はバイパススイッチ10を通して流れることが可
能となる。
【0024】次に、図3を用いて本発明の第2実施形態
について説明する。図1の実施形態と異なる点は、直列
変圧器3Aと、バイバススイッチ10の接続状態を次の
ようにしたものである。すなわち、直列変圧器3Aの一
次巻線をΔ結線し、このΔ結線した巻線の接続点を、変
換器用変圧器6の二次巻線に接続し、この二次巻線と直
列変圧器3Aの一次巻線の線路の線間に、サイリスタが
逆並列に接続された回路を3個接続したものである。
【0025】このように構成することにより、以下のよ
うな作用効果が得られる。すなわち、直列変圧器3Aの
一次巻線、つまり自励式変換器側の巻線をΔ結線とする
ことにより、電力系統1,2に流れる零相が直列変圧器
3Aに流れると共に、自励式変換器5には流れない。
【0026】いま、仮に直列変圧器3Aの自励式変換器
側の巻線を自励式変換器に零相電流が流れる構成、すな
わち図1のように自励式変換器側の巻線をY結線とした
場合には、以下のような問題点が生ずる。すなわち、自
励式変換器5を構成する変換器用変圧器6に電力系統
1,2に流れる零相電流相当の零相電流を許容する構成
と容量にしなければならず、変換器用変圧器6の大型化
や高価格化を招く。さらに、電力系統1,2での1線地
絡事故発生時には、大きな零相電流が変換器用変圧器6
に流れる。バイパススイッチ10は零相電流もバイパス
するが、実際にバイパススイッチ10がオンするのは零
相電流が変換器用変圧器6に流れた後である。これによ
り、変換器用変圧器6とバイパススイッチ10を通る線
路にはバイパススイッチ10をオンした直前に流れてい
た零相電流が時間と共に減衰しながら流れ続けることと
なる。バイパススイッチ10は、サイリスタで構成して
いるためにこの流れ続ける電流を遮断する能力はない。
バイパススイッチ10が実際にオフするのは、バイパス
スイッチ10の点弧信号にオフするために信号を入れた
後、バイパススイッチ10に流れる電流が零点を過ぎた
時である。バイパススイッチ10に流れる電流は、電力
系統1,2に流れる電流に対応した直列変圧器3Aの変
換器側に流れる電流と自励式変換器5の出力電流の和と
なる。通常、直列変圧器3Aの変換器側に流れる電流は
交流であるために、バイパススイッチ10に流れる電流
も交流となるが、送電線が欠相した状態では欠相した送
電線に電流が流れなくなるために、バイパススイッチ1
0に流れる電流が交流とならなくなる場合がある。この
状態では、バイパススイッチ10に流れる電流が自然に
減衰して零となるまでバイパススイッチ10はオフしな
いこととなる。このバイパススイッチ10に流れる電流
は、変換器用変圧器6の零相回路を経由しているために
減衰の時定数が長く、通常、バイパススイッチがオフす
るまでに数百msec以上の時間がかかる。これを待って電
力系統1,2の潮流の制御や電圧の安定化および電力動
揺の抑制を行っても、系統事故発生時の電力系統の安定
化の効果が大きく減少することとなる。
【0027】以上のような問題点は、図3の実施形態に
示すように、直列変圧器3Aの自励式変換器側の巻線を
Δ結線とすることにより、電力系統1,2に流れる零相
が直列変圧器3Aに流れると共に、自励式変換器5には
流れないので、自励式変換器5を構成する変換器用変圧
器6の大型化や高価格化を招かなくてすむと共に、電力
系統1,2の欠相事故発生時にもバイパススイッチ10
が短時間でオフするために系統事故発生時の電力系統
1,2の安定化の効果の減少が少なくてすむ。
【0028】<変形例>本発明は、以上述べた第1及び
第2実施形態に限定されず、以下のように変形して実施
できる。
【0029】(1)前述した実施形態は、三相の直列補
償システムの場合であったが、これに限らず単相あるい
は多相の直列補償システムであってもよい。 (2)図1の回路において、直列変圧器3と変換器用変
圧器6が接続されている線路に接続されているバイパス
スイッチ10を、取り外して直列変圧器3の二次巻線す
なわち電力系統1,2に直列に接続されている巻線に対
してそれぞれ並列に接続するようにしても、図1の実施
形態と同様な作用効果が得られる。これ以外の点は、図
1と同一構成とである。
【0030】(3)図3の回路において、直列変圧器3
と変換器用変圧器6が接続されている線路に接続されて
いるバイパススイッチ10を、取り外して直列変圧器3
の二次巻線すなわち電力系統1,2に直列に接続されて
いる巻線に対してそれぞれ並列に接続するようにして
も、図3の実施形態と同様な作用効果が得られる。これ
以外の点は、図3と同一構成とである。
【0031】(4)図3の回路において、直列変圧器3
の一次巻線、すなわち自励式変換器側に接続される巻線
をΔ結線とせず、千鳥結線としても図3の実施形態と同
様な作用効果が得られる。これ以外の点は、図3と同一
構成とである。
【0032】(5)図1または図3の回路において、バ
イパススイッチ点弧制御手段11の機能を次のようにす
ることもできる。具体的には、バイパススイッチ10を
各相毎に制御可能に構成し、かつ各相の電力系統毎に流
れる電流を系統電流検出器12により検出し、この各検
出電流のうちしきい値を越えたことをもって事故相と判
断し、該事故相に対応するバイパススイッチを構成する
単位回路のみをオン状態に制御するようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明の直列補償システムの保護装置に
よれば、系統事故発生時の過電流を自励式変換器に流さ
ないことが可能となり、直列補償システムを小型で安価
に提供でき、さらに、自励式変換器などの故障時にも電
力系統への影響を最小限に抑えることが可能となり、直
列補償システムの安全性を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直列補償システムの保護装置の第1実
施形態を説明するための回路図。
【図2】図1の実施形態の動作を説明するためのタイム
チャート。
【図3】本発明の直列補償システムの保護装置の第2実
施形態を説明するための回路図。
【図4】従来の直列補償システムの一例を示す回路図。
【符号の説明】
1,2…電力系統、 3,3A…直列変圧器、 5…自励式変換器、 6…変換器用変圧器、 7…単位変換器、 8…エネルギ蓄積手段、 9…エネルギ発生手段またはエネルギ供給手段、 10…バイパススイッチ、 11…バイパススイッチ点弧制御手段、 12…系統電流検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 竜一 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の一部に直列変圧器の二次巻線
    を直列に接続し、該直列変圧器の一次巻線に少なくと
    も、自己消弧形半導体素子から構成される自励式変換器
    を接続し、該自励式変換器の入力側に電力を供給するこ
    とで出力側に得られる所望の電力に基づく電圧を前記直
    列変圧器を介して前記電力系統に供給して前記電力系統
    の潮流の制御、前記電力系統の電圧の安定化、前記電力
    系統の電力動揺の抑制のいずれかを目的とした直列補償
    システムにおいて、 前記直列変圧器と前記自励式変換器を電気的に接続する
    線路の線間の短絡あるいは該線路の地絡を行うための非
    自己消弧形半導体素子を逆並列に接続してなるバイパス
    イッチと、 該バイパスイッチの非自己消弧形半導体素子に対して、
    前記自励式変換器が過電流とならないように決定した点
    弧指令に応じて前記バイパススイッチをオン状態に制御
    する制御手段とを具備した直列補償システムの保護装
    置。
  2. 【請求項2】 三相の電力系統の各相の一部に少なくと
    も、三相の直列変圧器の各相の二次巻線をそれぞれ直列
    に接続し、該直列変圧器の各相の一次巻線に、自己消弧
    形半導体素子からなる三相構成の自励式変換器をそれぞ
    れ接続し、該自励式変換器の入力側に電力を供給するこ
    とで出力側に得られる所望の電力に基づく電圧を前記直
    列変圧器を介して前記電力系統に供給して前記電力系統
    の潮流の制御、前記電力系統の電圧の安定化、前記電力
    系統の電力動揺の抑制のいずれかを目的とした三相の直
    列補償システムにおいて、 前記直列変圧器と前記自励式変換器を電気的に接続する
    各相の線路の線間の短絡あるいは各線路の地絡を行うた
    めの非自己消弧形半導体素子を逆並列に接続してなる三
    相構成のバイパスイッチと、 該バイパスイッチの非自己消弧形半導体素子に対して、
    前記自励式変換器が過電流とならないように決定した点
    弧指令に応じて前記バイパススイッチをオン状態に制御
    する制御手段とを具備した直列補償システムの保護装
    置。
  3. 【請求項3】 電力系統の一部に直列変圧器の二次巻線
    を直列に接続し、該直列変圧器の一次巻線に、自己消弧
    形半導体素子から構成される自励式変換器を少なくとも
    接続し、該自励式変換器の入力側に電力を供給すること
    で出力側に得られる所望の電力に基づく電圧を前記直列
    変圧器を介して前記電力系統に供給して前記電力系統の
    潮流の制御、前記電力系統の電圧の安定化、前記電力系
    統の電力動揺の抑制のいずれかを目的とした直列補償シ
    ステムにおいて、 前記直列変圧器の二次巻線に並列に接続し、該二次巻線
    を短絡するための非自己消弧形半導体素子を逆並列に接
    続してなるバイパスイッチと、 該バイパスイッチの非自己消弧形半導体素子に対して、
    前記自励式変換器が過電流とならないように決定した点
    弧指令に応じて前記バイパススイッチをオン状態に制御
    する制御手段とを具備した直列補償システムの保護装
    置。
  4. 【請求項4】 三相の電力系統の各相の一部に少なくと
    も、三相の直列変圧器の各相の二次巻線をそれぞれ直列
    に接続し、該直列変圧器の各相の一次巻線をΔ結線し、
    この結線された各相の一次巻線に自己消弧形半導体素子
    からなる三相構成の自励式変換器をそれぞれ接続し、該
    自励式変換器の入力側に電力を供給することで出力側に
    得られる所望の電力に基づく電圧を前記直列変圧器を介
    して前記電力系統に供給して前記電力系統の潮流の制
    御、前記電力系統の電圧の安定化、前記電力系統の電力
    動揺の抑制のいずれかを目的とした三相の直列補償シス
    テムにおいて、 前記直列変圧器と前記自励式変換器を電気的に接続する
    各相の各線路の線間の短絡あるいは該各線路の地絡を行
    うための非自己消弧形半導体素子を逆並列に接続してな
    る三相構成のバイパスイッチと、 該バイパスイッチの非自己消弧形半導体素子に対して、
    前記自励式変換器が過電流とならないように決定した点
    弧指令に応じて前記バイパススイッチをオン状態に制御
    する制御手段とを具備した直列補償システムの保護装
    置。
  5. 【請求項5】 三相の電力系統の各相の一部に少なくと
    も、三相の直列変圧器の各相の二次巻線をそれぞれ直列
    に接続し、該直列変圧器の各相の一次巻線をΔ結線し、
    この結線された各相の一次巻線に自己消弧形半導体素子
    からなる三相構成の自励式変換器をそれぞれ接続し、該
    自励式変換器の入力側に電力を供給することで出力側に
    得られる所望の電力に基づく電圧を前記直列変圧器を介
    して前記電力系統に供給して前記電力系統の潮流の制
    御、前記電力系統の電圧の安定化、前記電力系統の電力
    動揺の抑制のいずれかを目的とした三相の直列補償シス
    テムにおいて、 前記直列変圧器の二次巻線の各相にそれぞれ並列に接続
    し、該二次巻線の短絡を行うための非自己消弧形半導体
    素子を逆並列に接続してなる三相構成のバイパスイッチ
    と、 該バイパスイッチの非自己消弧形半導体素子に対して、
    前記自励式変換器が過電流とならないように決定した点
    弧指令に応じて前記バイパススイッチをオン状態に制御
    する制御手段とを具備した直列補償システムの保護装
    置。
  6. 【請求項6】 前記電力系統に流れる電流を検出し、こ
    の検出電流を前記自励式変換器を構成している自己消弧
    形半導体素子が許容しうる電流になったことをもって前
    記電力系統の事故が復帰したと判断し、前記バイパスス
    イッチに対してオフ指令を与えるオフ指令発生手段を、
    さらに備えた請求項1〜5のいずれかに記載の直列補償
    システムの保護装置。
  7. 【請求項7】 前記バイパススイッチを各相毎に制御可
    能にし、かつ前記各相の電力系統毎に流れる電流を検出
    し、この検出電流のうちしきい値を越えたことをもって
    事故相と判断し、該事故相に対応する前記バイパススイ
    ッチのみをオン状態に制御する制御手段を、さらに備え
    た請求項2,4,5のいずれかに記載の直列補償システ
    ムの保護装置。
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