JPH10282886A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JPH10282886A
JPH10282886A JP9210997A JP9210997A JPH10282886A JP H10282886 A JPH10282886 A JP H10282886A JP 9210997 A JP9210997 A JP 9210997A JP 9210997 A JP9210997 A JP 9210997A JP H10282886 A JPH10282886 A JP H10282886A
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JP
Japan
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layer
thermal transfer
porous layer
transfer image
base material
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JP9210997A
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English (en)
Inventor
Shigeru Matake
茂 真竹
Tetsuo Okuyama
哲生 奥山
Masami Sugiuchi
政美 杉内
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造防止を可能とする。 【解決手段】 表示装置本体3表面に、接着層2c・基
材フィルム2a・受像層2bが順に積層された熱転写画
像層2が形成され、熱転写画像層2上にオーバーコート
層1b・基材フィルム1aが順に積層されたラミネート
フィルム1が形成されており、受像層2b・オーバーコ
ート層1bが多孔質層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示装置に係り、特
に熱転写画像によって使用者の固有情報を表面に形成し
た、身分証明書・パスポート・免許証・キャッシュカー
ド・預金証書・クレジットカード・印鑑登録証・会員カ
ード・社員証・診察券等の、各個人の身分を証明する証
明書或いはカード等の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱転写法により各種印字や画像を
形成する方法が広く行われている。これらの熱転写法
は、熱転写層が加熱により軟化して被熱転写材に転写さ
れる、いわゆるワックスタイプ(熱溶融型転写記録)の
熱転写法と、加熱によって熱転写層中の染料が分子単位
で昇華(熱移行)して染料のみが被熱転写材上に熱転写
する、いわゆる昇華タイプ(昇華型熱転写記録)の熱転
写法とに大別される。
【0003】このどちらのタイプにおいても、形成され
る印字画像は熱転写受像シートの表面に単に付着または
染着しているだけであるため、印字画像の耐摩耗性・耐
溶剤性等の画像耐久性が劣り、他の物体と接触した場合
に他の物体に色移りが生じ、他の物体を汚染したり画像
の劣化を招くというような問題があった。
【0004】このような問題を解決する方法として、熱
転写印字画像を、表面に多孔質層を有する受像シートに
形成し、その表面に透明フィルムをラミネートする方法
が検討されている。
【0005】従来からの証明書・カードのラミネート
は、熱転写受像シート(基材)となる冊子或いはカード
ベース本体に、使用者の氏名・会員番号等の使用者の固
有情報を直接熱転写する或いは別のシートに印字して基
材に接着する方法がとられ、使用者の固有情報の1種で
ある顔画像も同様にして基材に形成した後、この表面上
を透明な樹脂コート保護膜で被覆することによりラミネ
ートする方法が一般的である。ラミネートフィルムとし
ては、塗布による硬化速度の早いアクリル系やポリエス
テル系等の紫外線硬化性樹脂膜の他、最近は特に、レー
ザー記録等を駆使することによって見栄えの良い絵柄や
干渉縞模様を入れた高級なホログラムシートを使用した
もの等がある。このホログラムシートを用いたものは、
アピール効果が高く偽造防止用シールとして期待されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
ラミネートフィルムは画像耐久性を向上させることがで
きるものの、まだ以下に述べるような問題があった。例
えば、熱転写型転写記録による熱転写法で身分証明書・
パスポート・IDカード等を作成した場合、有機溶剤の
薬品等でラミネートフィルムを剥離して他に転用して再
利用、いわゆる偽造をされる可能性があり、これを防ぐ
手段はないのが現状である。本発明は上述の問題を解決
するためになされたもので、偽造防止が可能な表示装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに本発明は請求項1の発明として、第1の基材と;こ
の第1の基材上に形成された熱転写画像層と;この熱転
写画像層上に形成された第2の多孔質層と、この第2の
多孔質層上に形成された第3の基材とを備えたラミネー
トフィルムとを具備した表示装置を提供する。
【0008】また請求項2の発明として、第1の基材
と;この第1の基材上に形成された第2の基材と、この
第2の基材上に形成された第1の多孔質層とを備えた熱
転写画像層と;この熱転写画像層上に形成された第2の
多孔質層と、この第2の多孔質層上に形成された第3の
基材とを備えたラミネートフィルムとを具備した表示装
置を提供する。
【0009】さらに請求項3の発明として、前記ラミネ
ートフィルムは透明プラスチックの前記第3の基材上に
前記第2の多孔質層が形成されており、かつ前記第2の
多孔質層が加熱及び加圧による光透過性の変化によって
透明又は半透明になる材料を含有している請求項1、2
記載の表示装置を提供する。
【0010】また請求項4の発明として、前記第2の多
孔質層の空孔の大きさの平均粒径が5μm以下であり、
かつ大きさ20μm以上の前記空孔の存在比率が前記第
2の多孔質層中において面積換算で10%未満である請
求項1〜3記載の表示装置を提供する。
【0011】また請求項5の発明として、前記第3の基
材の膜厚が100μm以下である請求項1〜4記載の表
示装置を提供する。さらに請求項6の発明として、前記
第1の多孔質層にマークが形成されている請求項2〜5
記載の表示装置を提供する。
【0012】本発明の骨子は、表示装置の熱転写画像層
を被覆するラミネートフィルムの熱転写画像層側に第2
の多孔質層を設けることにある。この多孔質層として
は、特開昭62―197183号公報に記載の方法によ
り製造されたものが好ましい。具体的には、主に塩化ビ
ニルの共重合物とアクリロニトリルの共重合物との混合
物で形成されたものであり、平均粒径5μm以下の多数
の微細空孔からなる。また、加熱ローラー等で加熱圧着
することにより白色不透明から透過性が温度と共に徐々
に増加して透明性が増すという特徴がある。これは、表
面に空孔が多数存在するために白色不透明であるもの
が、本来は透明性の材料である塩化ビニルの共重合物と
アクリロニトリルの共重合物を用いているため、約10
0℃以上で加熱処理することにより空孔が潰れて小さく
なり、材料本来の色である透明になるものと推測され
る。このような材料で実際に市販されているものとして
は、例えば日清紡(株)製の熱転写受像用フィルム(商
品名:SE―120XEW)を用いることができる。
【0013】多孔質層を形成するための材料としては、
上述の塩化ビニルの共重合物とアクリロニトリルの共重
合物の他にも、例えばポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハ
ロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエス
テル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエス
テル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
エチレンやポリプロピレン等のオレフィンと他のビニル
モノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロー
スジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネイ
ト、ポリエステルとポリウレタン、或いはアクリロニト
リルとスチレンの共重合体と酢酸セルロースの混合物等
を用いることができる。特に好ましい材料はビニル系樹
脂およびポリエステル系樹脂であり、最も好ましいのは
上述の塩化ビニルの共重合物とアクリロニトリルの共重
合物との混合物である。好ましい理由は空孔が小さく均
一に分布しており、大きい空孔が少ないからである。ま
た塩化ビニルと共重合させるものとしては酢酸ビニル、
マレイン酸等が好ましく、アクリロニトリルと共重合さ
せるものとしてはアクリル酸エステル類、酢酸ビニル等
が好ましい。またアリルスルホン酸ソーダ等を少量含ん
でいても良い。さらに、多孔質層の安定性のために他の
ポリマー、オリゴマー、モノマー、顔料等を含有させて
も良い。
【0014】また多孔質層の膜厚は1〜150μm程度
であり、約20μm程度が最も好ましい。膜厚が150
μmより厚いと加熱圧着後の透過性が低下してラミネー
ト後の熱転写画像がぼけて見にくくなり、見栄えも悪く
なってしまう。逆に膜厚が1μm未満であるとラミネー
トの加熱圧着時における熱転写画像層と多孔質層との密
着による熱転写プリント画像のインク吸収が、膜厚方向
が一杯になる上に横方向にも多く吸収されるようになっ
て熱転写画像に滲みが生じ易くなるため、ラミネート後
の熱転写画像がぼけて見にくくなってしまう。さらに機
械的強度が低くなってしまうため偽造防止効果も低下し
てしまう。
【0015】多孔質層の空孔の平均粒径は小さい方がラ
ミネート後に透明度が高くなり、熱転写画像の画質低下
が、画点が小さくなることによって少なくなるので好ま
しい。本発明者の実験によれば平均粒径(数平均)約2
μm、約4μm、約6μmのうち約2μmのものが、透
明度、画質低下共に最も好ましい結果を得ることができ
た。すなわち、熱転写画像を顕微鏡で観察したところ、
空孔の平均粒径が小さく、大きな空孔の比率も小さいも
の程、画点の濃度の均一性が高く、その大きさの均一性
も高かった。よって、本発明で用いる多孔質層は空孔の
平均粒径(数平均)が5μm以下が好ましく、より好ま
しくは3μm以下、かつ20μm以上の空孔の存在比率
が面積換算で10%以下が好ましく、より好ましくは5
%以下である。
【0016】ラミネートフィルムに用いる第3の基材と
しては、耐熱性と機械的強度の観点からPETが最も好
ましい。その膜厚は100μm以下が好ましい。膜厚が
100μmより厚いと画像耐久性は向上するが、フィル
ムが剛直となってしまって自由度が少なくなり取り扱い
にくくなるのみならず、爪等が引っかかりやすくなりフ
ィルムの剥離が起こりやすくなるので好ましくない。
【0017】熱転写画像層にラミネートフィルムを加熱
圧着して密着させると、熱転写画像がラミネートフィル
ムの多孔質層側に綺麗に転写される。これは、多孔質層
の微細な空孔が熱転写プリントした画像や文字等のイン
クを十分吸収するからである。
【0018】本発明では、熱転写画像層にも第1の多孔
質層を形成しても良い。この場合、ラミネートフィルム
の第2の多孔質層側に第1の多孔質層を形成する。ラミ
ネートフィルムの第2の多孔質層と熱転写画像層の第1
の多孔質層とが良好に密着して熱転写画像のインクが互
いに吸収転写することになり、ラミネートフィルムの第
2の多孔質層のみを形成した場合と比較して偽造防止に
さらに有効となる。またラミネート時における多孔質層
と熱転写画像層の第2の基材との密着性がさらに向上す
るため、故意によるラミネートフィルム剥離時には熱転
写受像層表面も一部分がラミネートフィルムと同時に剥
離されることとなり、偽造が困難となる。よって偽造防
止能力がより優れたものとなる。
【0019】第1の多孔質層は第2の多孔質層と同様な
膜厚、空孔の平均粒径の範囲が好ましい。また第1の多
孔質層に独自のマークを予め施すことにより、ラミネー
ト後の剥離操作による再利用を抑制することが可能とな
る。マークは例えば通し番号やアルファベットの羅列や
代表者名等を用いれば良い。
【0020】熱転写画像層の第2の基材としては、ワッ
クスタイプ(熱溶融型転写記録)の熱転写方式の場合は
熱転写のしやすさを考慮すると、PETを用いるのが好
ましい。
【0021】また、加熱によって熱転写層中の染料が分
子の単位で昇華(熱移行)して染料のみが被熱転写材上
に熱転写する、いわゆる昇華タイプ(昇華型熱転写記
録)の熱転写方式の場合は、表面平坦性がより良好でフ
ラットな塩化ビニル等の材料を用いることが好ましい。
【0022】第2の基材の膜厚は500μm以下が好ま
しい。500μmより厚いと全体が剛直となり屈曲性が
低下してしまうので、取り扱い上好ましくない。熱転写
画像層・ラミネートフィルムを上に形成する第1の基材
の材料は特に制限されるものではないが、例えばポリ塩
化ビニル樹脂、PET、合成紙等を用いることができ
る。またその膜厚はカードやシールの製品の形態により
異なるが、取り扱いを考えると約50〜1500μm程
度が好ましい。
【0023】熱転写画像層の表面を被覆保護するラミネ
ート時の処理温度は、ワックスタイプの場合には200
℃以下である。200℃を超えてしまうとPET等の材
料の耐熱性がもたない、取り扱いが困難となる、接着剤
の耐久性がもたない等の問題が起こってしまう。より好
ましくは180℃以下である。また、120℃よりも温
度が低くなってしまうと、インクが高粘度となり溶融し
ないため空孔に入っていきづらく、その結果、印刷が不
十分となってしまうので、120℃以上が好ましい。
【0024】ワックスタイプではなく昇華タイプの場合
も、ワックスタイプの場合と基本的には同等である。昇
華タイプの場合には、昇華リボンをサ−マルヘッドで例
えば30秒程度の短時間加熱することにより染料を昇華
させて、熱転写画像を形成する。従って熱的特性は、ワ
ックスタイプの場合より瞬間的にはやや高い160〜2
20℃となるが、ワックスタイプと比較して熱容量が小
さいので、ワックスタイプと同等の耐熱性の材料であれ
ば使用できる。
【0025】本発明で用いられるラミネ−トフィルム
は、熱転写画像を直接、多孔質層を有するPETフィル
ム等の加熱圧着により保護しラミネートするものであ
る。圧着条件に特に制限はないが、基本的には熱転写画
像が多孔質層にある程度転写すれば良い。加熱圧着にロ
ーラーを用いる時の条件の一例としては、加熱温度12
0℃、搬送速度10mm/sec,圧力20kgf/c
2 でラミネートした場合、問題なくラミネートフィル
ムが作成できた。圧力が10kgf/cm2 よりも低い
と転写が良好に行われないので好ましくない。また加熱
温度に関しては、温度が高い程、多孔質層は透明化し1
50℃になると殆ど透明になる。
【0026】ラミネートフィルムは、その外周部を接着
剤や粘着剤等を用いてより強固に粘着しても良い。ラミ
ネートフィルムと熱転写画像層との密着力は強い方が剥
離しにくくなるため、剥離防止の観点からは強い方が好
ましい。
【0027】また熱転写画像層およびラミネートフィル
ムの基材としては、上述した材料の他にも、例えばポリ
エステル、ポリプロピレン等を用いることが可能であ
る。偽造者がラミネートフィルムを剥離して変造を試み
ようとする場合、熱転写画像表面に直接、多孔質層が密
着しているため、熱転写画像のインクが多孔質層にかな
り吸収されて取られた状態で剥離される。このため、剥
離後の熱転写画像は画像濃度が著しく低下し、画像も乱
れて判別がつかなく不鮮明に見えるようになり、偽造し
たことが一般の人による目視でも判定できる。よって偽
造防止が可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施形態に係
る表示装置としての従業員カードの概略斜視図である。
【0029】図において、3は第1の基材としての表示
装置本体であり、表示装置本体3表面に熱転写画像層2
が接着されている。熱転写画像層2の表面には、固有情
報4として標題4a、カード使用者に固有の情報である
氏名4b、生年月日4c、従業員番号4dと、発行者で
ある会社名4e、さらに顔写真4fが印字或いは印刷さ
れている他、熱発色シートを用いた熱発色部5が形成さ
れており、これらを被覆するようにラミネートフィルム
1が形成されている。また図示はしていないが、表示装
置本体3の裏面には透明保護シートが接着されている。
【0030】次に、表示装置本体3、熱転写画像層2、
ラミネートフィルム1の詳細について、図2の断面図を
用いて作成方法と共に説明する。この例はワックスタイ
プの熱転写方式を用いた例である。
【0031】表示装置本体3としては厚さ0.6mmの
ポリ塩化ビニル樹脂を用い、この裏面に図示せぬ透明保
護シートを塩化ビニル系接着剤により接着した。表示装
置本体3の表面には熱転写画像層2を設ける。熱転写画
像層2は、第2の基材としてのPETを用いた厚さ50
0μmの基材フィルム2a上に、第1の多孔質層として
の平均粒径5μm以下、厚さ20μmの熱転写受像用フ
ィルム(日清紡(株)製、商品名:SE―120XE
W)を用いた受像層2bを設け、これらを基材フィルム
2aの裏面に設けたホットメルト系の接着剤を用いた厚
さ4μmの接着層2cによって表示装置本体3に接着し
たものである。受像層2bにはサーマルヘッドによる熱
転写法によって固有情報4が印字或いは印刷される。さ
らに熱転写画像層2の表面はラミネートフィルム1によ
って被覆される。ラミネートフィルム1は、第3の基材
としてのPETを用いた厚さ100μmの基材フィルム
1a上に、第2の多孔質層としての受像層2bと同じ材
料を用いた厚さ20μmのオーバーコート層1bを設け
たものであり、オーバーコート層1bを熱転写画像層2
側にして熱転写画像層2に加熱圧着をする。
【0032】なお図1における熱発色部5は、多孔質層
と同様に偽造防止のために設けてあるものである。これ
は、ある一定温度以上の熱を加えると色が不可逆的に変
色する材料を用いることで、ラミネートフィルムの剥離
時に必要な加熱処理によって、熱発色部5の色が不可逆
的に変化し、これによってラミネートフィルムの剥離、
すなわち偽造が行われたことが分かるようにするという
原理に基づいている。
【0033】熱発色部5の熱発色シートに用いることの
できる材料としては、金属塩類、その中でも特に炭酸塩
のNiCO3 +CdS、COSiF6 、CdCO3 等、
或いはロイコ染料、或いはフェノール化合物の分散体等
がある。具体的には商品名サーモラベルシリーズ、サー
モクレヨン、サーモペイント、テンピラックとして日油
技研工業株式会社から発売されているもの等である。
【0034】ここで、加熱圧着ローラーを搬送速度10
mm/cm2 、圧力20kgf/cm2 は一定の条件で
熱転写用熱ロール温度を変化させてラミネートフィルム
1を形成し、基材フィルム2a(熱転写性画像層ベース
フィルム)としてPET、ポリプロピレンを用いた場合
の特性評価を行った結果を、実施例A〜D、参考例A、
Bとして表1に示す。評価方法としては、24時間後に
セロテープ剥離試験を行って、熱転写画像の固有情報4
と多孔質層の受像層2bおよびオーバーコート層1bが
どの様に変化して剥離するかを調べた。また、その結果
が偽造防止に適応できるかどうかを目視によって調べ
た。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示すように、熱ロール温度100℃
の参考例A、Bはセロテープ剥離試験で多孔質層同士の
密着性が弱く、容易に剥離が起こった。またラミネート
フィルム1のオーバーコート層1b側への熱転写画像の
転写が薄かったため、偽造防止は不可であると判定し
た。
【0037】これに対して、熱ロール温度125℃、1
50℃の実施例A〜Dではセロテープ剥離試験での剥離
は困難であり、また熱転写画像の転写が十分行われてお
り、偽造防止が可能であると判定した。
【0038】次に、本発明の表示装置をシールタイプの
証明書等に適用させる場合の実施形態について、図3を
用いて説明する。この例は、昇華タイプの熱転写方式を
用いた例である。
【0039】まず熱転写画像層2についてである。厚さ
50μmのPETを用いた基材フィルム2a(東レ
(株)製、商品名:ルミラー)の表面に、塩化ビニル・
酢酸ビニル・アクリロニトリル共重合体を空孔の粒径が
1〜15μmとなるように多孔質化して塗布・乾燥して
厚さ100μmの受像層2bを形成した。次に受像層2
bとは逆側の表面に、グラビアコーターを用いて乾燥後
の塗布膜厚が4〜6μmとなるように塩素化ポリプロピ
レンエマルジョン(東洋モートン(株)製、商品名:T
AS―3032)50重量部、純水を50重量部とした
塗料を作り、塗布・乾燥し接着層2cを形成した。次い
で接着層2c塗布面に、乾燥後の膜厚が0.01〜1μ
mとなるようにエチレンアクリルアイオノマーエマルジ
ョン(三井化学(株)製、商品名:S−100)4重量
部、純水を40重量部、エタノールを30重量部、メチ
ルエチルケトンを30重量部とした塗料を作成し、塗布
・乾燥して離型層2dを形成した。
【0040】この離型層2dは、画像成形時の加熱によ
る接着層2cの接着力を抑制し、なおかつ接着処理時の
加熱では接着層2cの接着力を抑制しないことが要求さ
れる。また接着処理時に接着層2cと相溶性が高くなる
材料の組み合わせが良く、ガラス転移温度・溶融粘度・
粘弾性等の熱特性に着目すると、接着層2cの材料と離
型層2dの材料とでは、画像形成時に熱特性の差が大き
く、接着処理時には差が小さい材料の組み合わせを用い
ると良い。
【0041】そして受像層2b面上に、昇華型熱転写プ
リンター(コダック社製、商品名:XLS―8300)
を用いて、昇華性染料(イエロー・マゼンダ・シアン)
の黄色・桃色・青色・紺色・緑色・赤色・黒色計7色の
熱転写画像の固有情報4をテストパターン連続画像とし
て各色10mm×15mmの大きさに形成した。
【0042】続いて、ラミネートフィルム1として図
1、図2で使用したのと同じものを用意し、受像層2b
上に、多孔質層側が受像層2bとなって張り合わされる
ようにセットした。そして接着層2cの接着力を調べる
ため、表示装置本体3とする普通紙(東芝(株)製、商
品名:P−RS)を熱転写画像層2の離型層2d側の表
面に重ね合わせ、シリコーン樹脂ヒートロール6a、テ
フロンコート付きアルミ加圧ロール6bによって全体を
加熱圧着した。
【0043】なお、このときの処理条件は、搬送速度1
0mm/cm2 、圧力20kgf/cm2 は一定とし、
熱転写用熱ロ−ル温度を表2に示すように変化させて実
施例E〜G、参考例C〜Eを得た。そしてこれらについ
ての特性評価を行った結果を同じく表2に示した。評価
方法としては、24時間後にラミネ−トフィルム1およ
び普通紙の表示装置本体3のセロテ−プ剥離試験を行っ
て、熱転写画像の固有情報4および接着層2cがどのよ
うに変化して剥離するかを調べた。判断基準は、ラミネ
−トフィルムに色が着き転写していたら良好と判断し、
また普通紙は紙層間剥離したら接着は良好であると判断
することとした。また、その結果が偽造防止に適応でき
るかどうかを目視によって調べた。
【0044】
【表2】
【0045】表2に示すように、熱ロ−ル温度100
℃、125℃、150℃の参考例C〜Eは、セロテ−プ
剥離試験でラミネ−トフィルムの密着力が少なくなって
いるため剥離が容易で、また転写がほとんどない或いは
不足しており、偽造防止は不可と判定した。ただし、普
通紙に関しては紙層間剥離が確認され良好であった。
【0046】これに対して、熱ロ−ル温度175℃、2
00℃、220℃の実施例E〜Gは、セロテ−プ剥離試
験でのラミネ−トフィルム側の剥離は困難であり、特に
熱ロ−ル温度が220℃の実施例Gはセロテ−プ剥離は
もちろんのこと、ラミネ−トフィルム自体の剥離が全く
できないほど強く密着した。実施例E〜G共、転写に関
しても良好であり、偽造防止は可能と判定した。また、
普通紙に関しても紙層間剥離が確認され良好であった。
ただし、実施例Gは偽造防止の点では問題はないが、表
示装置全体に熱変形した箇所が見られ表面がうねってし
まうので、製品としての見栄えが悪くなり、あまり好ま
しくない。以上、本発明の実施の形態を説明したが、本
発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。そ
の要旨を越えない範囲で変形が可能である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、偽
造防止が可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る表示装置の概略斜
視図。
【図2】 本発明の一実施形態に係る表示装置の一部断
面図。
【図3】 本発明の他の実施形態に係る表示装置の断面
図。
【符号の説明】
1…ラミネートフィルム、1a…オーバーコート層(第
2の多孔質層)、1b…基材フィルム(第3の基材) 2…熱転写画像層、2a…基材フィルム(第2の基
材)、2b…受像層(第1の多孔質層)、2c…接着層 3…表示装置本体(第1の基材) 4…固有情報(熱転写画像)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基材と;この第1の基材上に形成
    された熱転写画像層と;この熱転写画像層上に形成され
    た第2の多孔質層と、この第2の多孔質層上に形成され
    た第3の基材とを備えたラミネートフィルムとを具備し
    た表示装置。
  2. 【請求項2】 第1の基材と;この第1の基材上に形成
    された第2の基材と、この第2の基材上に形成された第
    1の多孔質層とを備えた熱転写画像層と;この熱転写画
    像層上に形成された第2の多孔質層と、この第2の多孔
    質層上に形成された第3の基材とを備えたラミネートフ
    ィルムとを具備した表示装置。
  3. 【請求項3】 前記ラミネートフィルムは透明プラスチ
    ックの前記第3の基材上に前記第2の多孔質層が形成さ
    れており、かつ前記第2の多孔質層が加熱及び加圧によ
    る光透過性の変化によって透明又は半透明になる材料を
    含有している請求項1、2記載の表示装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の多孔質層の空孔の大きさの平
    均粒径が5μm以下であり、かつ大きさ20μm以上の
    前記空孔の存在比率が前記第2の多孔質層中において面
    積換算で10%未満である請求項1〜3記載の表示装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第3の基材の膜厚が100μm以下
    である請求項1〜4記載の表示装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の多孔質層にマークが形成され
    ている請求項2〜5記載の表示装置。
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