JPH10282210A - スペクトル拡散信号捕捉装置 - Google Patents

スペクトル拡散信号捕捉装置

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JPH10282210A
JPH10282210A JP8696997A JP8696997A JPH10282210A JP H10282210 A JPH10282210 A JP H10282210A JP 8696997 A JP8696997 A JP 8696997A JP 8696997 A JP8696997 A JP 8696997A JP H10282210 A JPH10282210 A JP H10282210A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信したスペクトル拡散信号の符号と擬似雑
音コードとの相関値算出の回数が少なくて済むスペクト
ル拡散信号捕捉装置を提供する。 【解決手段】 従来、S32、S36に示すように所定
時間中に受信したC/Aコードと受信装置側で発生させ
たC/Aコードとの相関値の算出を行ない、更にこれを
例えば3周期分加算した巡回積分を用いて、C/Aコー
ドの同期・非同期を判定していた。本発明のスペクトル
拡散信号捕捉装置では、相関値cor1、cor1′、cor2を算
出する都度、S42、S44に示すように、これら相関
値の値をしきい値と比較し、これらが何れもしきい値に
満たなければ、巡回積分の完了を待たずに相関計測を終
了する。従って、相関値の算出回数が適切に減少し、速
やかにスペクトル拡散信号を捕捉できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GPS(Global P
ositioning System)衛星から発信される航法メッセー
ジのように、スペクトル拡散変調されて送信されて来る
信号を捕捉するスペクトル拡散信号捕捉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アメリカ軍用に開発されたGPS
を利用して、自動車等の位置を検出することが民間用に
おいても盛んになされている。GPSにおいては、地球
を周回する人工衛星(以下、単に衛星ともいう)の内、
少なくとも3個から発信される電波を捕捉して、この電
波に乗せられている航法メッセージから、GPS受信機
の位置を検出するものである。
【0003】但し、GPS衛星は移動しているため、ド
ップラー効果を受け、受信される周波数は一定していな
い。そこで、前回受信されたGPS衛星からのデータに
含まれる衛星軌道情報に基づいて、GPS衛星の移動方
向を求め、受信周波数を予測する。更に、受信装置が内
部発生させるキャリアの基準となる基準クロックの誤差
等を考慮して、所定の範囲で受信周波数を段階的に変動
させ且つこれを周期的に行うことにより、GPS衛星か
らの電波のキャリア周波数をサーチする。
【0004】GPSにおいては、ベースバンド信号(航
法メッセージ)は、スペクトル拡散変調されて乗せられ
ている。よって、データ復調するためには民間用に解放
されているC/Aコードを受信機内部にて発生させ、受
信された電波からキャリア成分をキャンセルした信号と
の相関値を計測する。そして大きな相関値が得られれ
ば、キャリア周波数もC/Aコードの位相も、おおむね
合った状態となる。この状態を初期状態として、キャリ
アについてはPLL、C/AコードについてはDLLの
手法を用いることによって、受信信号と同期状態とする
ことができ、航法メッセージを復調することができる。
【0005】尚、通常、相関値は、符号の送信周期(C
/Aコードの場合1msec)と同じ長さに亘って計算さ
れ、しかも、複数周期分(例えば、3周期分)の相関値
を加算したものに基づいて、GPS衛星の電波を捕捉し
たか否かを判定する。この加算値を巡回積分値といい、
加算される相関値の数を巡回積分回数という。
【0006】これは次のような理由による。すなわち、
キャリアもC/Aコードも合っていない状態でも、入力
信号のノイズによって強い相関値を検出してしまうこと
があり、1回の相関計測結果のみでは、非同期状態であ
っても誤って同期と判定するおそれがある。この誤った
判定を避けるには、同期と判定する基準の相関レベルを
大きくとれば良いが、GPS衛星から送信される電波
は、非常に微弱のため受信感度の良い受信機を実現する
ためには適切な方法ではない。そこで通常は、相関計測
を繰り返し行うことで、ノイズによる相関誤差を均すこ
とで解決する。
【0007】ここで相関計測を繰り返し行う方法は、相
関計測を時間的に継続して行う方法(第1の方法)と、
相関値の計算を繰り返しその巡回積分値を計算する方法
(第2の方法)がある。第1の方法で計算した相関値
は、第2の方法で計算した相関値と比較して、キャリア
周波数誤差に対する許容誤差が小さくなる。従って、広
い範囲のキャリア周波数をサーチするGPS受信機で
は、第2の方法を適用する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのような場
合、1つのキャリア周波数を設定し、C/Aコードの同
期位相を全コード位相についてサーチし、衛星電波を捕
捉できたか否か判定するには、巡回積分回数に比例した
回数相関値計算を行う必要がある。すなわち、0.5チ
ップきざみで全位相(=1023チップ)についてC/
Aコードサーチすれば巡回積分回数×2046回、相関
値を計算することとなる。しかも、この結果、所定以上
の相関値が得られなければ、キャリア周波数を変え、再
度C/Aコードサーチを行わなければならない。
【0009】この課題はGPSに限らず、スペクトル拡
散変調された信号を受信する際には同様に発生する。本
発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、受信した
スペクトル拡散信号の符号と擬似雑音コードとの相関値
算出の回数を少なくした場合に、若しくは多くした場合
に、夫々好適にスペクトル拡散信号の捕捉ができるスペ
クトル拡散信号捕捉装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】請求項1
に記載の発明によれば、まずキャリア周波数予測手段
が、受信対象となる電波のキャリア周波数を予測し、こ
の予測結果に基づいて、キャリア成分キャンセル手段
が、受信されたスペクトル拡散信号からキャリア成分が
キャンセルされた信号を出力する。このキャリア周波数
が適正に予測されていれば、キャリア成分がキャンセル
された信号は、予め知られている符号(民間用GPS受
信機の場合C/Aコード)を用いたスペクトル拡散信号
となっているので、この符号に対応する擬似雑音コード
を擬似雑音コード発生手段に発生させ、相関値計測手段
にて、これらの相関値を所定時間にわたって計測する。
こうして相関値が計測されると、中断手段が、この計測
された相関値に基づく値が所定のレベルか否かを判定す
る。所定のレベルに達していれば、続いて次の時点にお
ける相関値を算出し前回の相関値に加算する。そして、
再度、中断手段が、相関値を算出し、この算出された相
関値に基づく値が所定のレベルか否かを判定する。以
下、所定回数、所定のレベルに達していると判定される
と、巡回積分手段が、その回数分の相関値を累積して巡
回積分値として出力する。一方、相関値に基づく値が所
定のレベルに達していないと判定された場合には、その
時点で巡回積分の算出を中断させる。
【0011】このように、計測された相関値に基づく値
が所定レベルに満たなかった場合には、所定回数分、相
関値が算出されるのを待たず、中断手段が巡回積分の算
出を中断させるので、相関値の算出回数を減少させるこ
とができる。尚、一般に、擬似雑音コード発生手段によ
って発生される擬似雑音コードは、キャリア成分キャン
セル手段が出力した信号に含まれる符号との同期が取れ
ていない。このため、位相制御手段を設け、巡回積分が
算出されるかもしくは巡回積分が中断される都度、擬似
雑音コードの位相を変更させる。こうすると、擬似雑音
コードの位相が、受信した信号の符号と同期したときに
大きな相関値を呈する筈である。但し、データの符号
が、相関値の計測の中間点で反転すると、同期が取れて
いるにも拘わらず、相関値の平均値がほとんどゼロとな
ってしまう。
【0012】これを防ぐには、請求項2に記載の発明の
ように、相関値計測手段を、互いに異なる2つの所定時
間について夫々並列に相関値を計測するものとし、中断
手段を、相関値計測手段によって計測された2つの相関
値が共に所定のレベルに満たないときに巡回積分を中断
させるものとすればよい。こうすれば、ベースバンド成
分が、一方の相関値の計測の途中で反転しても、他方の
相関値が大きな値を示す可能性があるため、中断手段に
よる中断を免れることができる。
【0013】また、請求項3に記載の発明のように、当
該スペクトル拡散信号捕捉装置を、GPSを利用した測
位装置として構成する場合には、測位を開始した後に
は、巡回積分回数を更に多くするようにすると良い。こ
れは、測位を開始すると、追跡中の衛星のキャリア周波
数と衛星の軌道情報から計算したキャリア周波数との差
から基準クロックの誤差を計算できることによる。基準
クロックの誤差が分かれば、広い範囲のキャリアサーチ
をする必要がないため、巡回積分回数を増やしても、短
時間に捕捉することができる。つまり、多数の人工衛星
(GPS衛星)を速やかに捕捉できるようになる。
【0014】そして、巡回積分回数を増やすことによ
り、非同期時に検出される平均相関値が落ち、その結
果、同期時に検出するピーク相関値と、非同期時に検出
する相関値の差が大きくなり、信号の弱い衛星の電波を
捕捉することができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態であ
るGPS受信装置2の概略構成を示すブロック図であ
る。GPS受信装置2は、GPS衛星からの電波を受信
するアンテナ12と、高周波処理回路14と、アナログ
信号を2値化するハードリミタ16と、キャリア成分を
キャンセルする排他的論理和回路(図ではEX.ORと
記載)18i,18qと、キャリア周波数の信号を発生
させる数値制御発振器(図ではキャリアNCOと記載)
20と、相関器22i,22qと、C/Aコード発生器
24と、マイクロプロセッサ26と、を備えている。
【0016】これらの内、排他的論理和回路18i,1
8qと、キャリアNCO20と、相関器22i,22q
と、C/Aコード発生器24は、復調回路(本図ではS
S回路と記載)28として機能し、受信信号に含まれる
航法メッセージを復調する。GPS受信装置2は、この
復調回路28を8CH備えており、最大で8個のGPS
衛星からの電波を復調可能にされている。
【0017】基準発振器30は、クロック信号を発生す
るもので、このクロック信号は、高周波処理回路14、
キャリアNCO20、C/Aコード発生器24にて用い
られる。マイクロプロセッサ26は、通常のコンピュー
タとして構成されており、内部には、CPU、ROM、
RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン
が備えられている。
【0018】アンテナ12にて受信された衛星電波は、
高周波処理回路14にて増幅され中間周波に変換され
る。そしてハードリミタ16に2値化され、排他的論理
和回路18i、排他的論理和回路18qに入力される。
排他的論理和回路18i、排他的論理和回路18qに
は、夫々キャリアNCO20にて発生された0deg、
90degキャリアが入力される。キャリアNCO20
は、マイクロプロセッサ26より指定された周波数の信
号を発生するように構成されている。これにより排他的
論理和回路18iからは、位相0degのキャリア成分
が除去されたIチャネルの信号が出力され、排他的論理
和回路18qからは、位相90degのキャリア成分が
除去されたQチャネルの信号が出力される。つまり、排
他的論理和回路18i、18qは本発明のキャリア成分
キャンセル手段に相当する。
【0019】こうして出力された信号は、夫々相関器2
2i、22qに入力され、C/Aコード発生器24にて
発生されたC/Aコードとの相関が取られる。各相関器
22i、22qではキャリア成分がキャンセルされた信
号と、C/Aコード発生器24の信号の排他的論理和を
算出し、相関信号を生成する。そして相関信号を周期的
にサンプルし、1のとき1カウントアップ、0のとき1
カウントダウンし、その結果を所定時間積分した結果を
出力する。後述するように、C/Aコード発生器24
は、C/Aコードをマイクロプロセッサ26にて指定さ
れた位相にて発生させるもので、本発明の擬似雑音コー
ド発生手段に相当する。
【0020】以下に、マイクロプロセッサ26にて実行
される衛星捕捉処理について図2を用いて説明する。本
処理は、GPS受信装置2の起動時及び衛星が捕捉でき
なくなったときに実行される。本処理が起動されると、
まずステップ(以下、単にSと記す)10にて衛星周波
数の初期設定が行われる。これは、アルマナック(概略
軌道情報)に基づいて、現在の時刻、場所とした衛星の
キャリア受信周波数f0を計算し、これをキャリアサー
チ周波数の中心値(以下、中心周波数という)としてキ
ャリアNCO20に設定する。つまりS10は、本発明
のキャリア周波数予測手段としての処理に相当する。
【0021】こうして中心周波数が設定されると、S1
2に進み、C/Aコード同期位相サーチを行う。C/A
コードは、GPS衛星の発する信号の内、民間用に解放
されているもので、周期的に送られて来る。航法メッセ
ージを取り出すためには、キャリアにどのような位相で
C/Aコードが乗せられているかを検出する必要があ
る。これには受信しようとする衛星のC/Aコードと同
形式のC/AコードをC/Aコード発生器24に発生さ
せ、且つこの位相を変更させつつ、受信したC/Aコー
ドと同期する位相を探すことにより行う。この処理の内
容を図3のフローチャートに示す。
【0022】すなわちC/Aコード同期位相サーチで
は、まずS20にて、C/Aコード発生器24に発生さ
せるC/Aコードの初期位相(通常、0チップ)を設定
する。そしてS22では、受信したC/AコードとS2
0にて設定された位相のC/Aコードとの相関計測を行
う。相関計測の内容については後述する。続いてS23
では、S22にて行った相関計測において、巡回積分の
中断(後述)を行ったか否かを判定する。中断していな
ければS24に進んで、それまでピークになった相関の
位相を記憶してからS26に進み、中断していれば直接
S24に移行する。S26では、C/Aコードの全位相
(ここでは1023チップ分)の相関計測が完了したか
否かを判定し、完了していればC/Aコード同期位相サ
ーチを終了する。1023チップ分終了していなけれ
ば、S28に進み、現行のコード位相を0.5チップ分
だけずらす、本発明の位相制御手段としての処理を行
い、S22に戻る。すなわち、S22〜S28の処理を
繰り返し、0〜1022.5チップ分の相関を測定す
る。
【0023】ここで、S22にて行う相関値の算出の仕
方を図4を用いて説明する。相関計測では、まずS30
にて、0.5msecの経過を待つ。この0.5msecという時間
は、C/Aコードの半周期分である。0.5msec経過した
ら、S32に進み、この0.5msec間の相関値cor1を計算
する。ここでcor1は次の式で算出する。
【0024】cor1=|I1|+|Q1| I1、Q1は0.5msec経過した時点のI、Qであり、ま
た”|I1|”は、I1 の絶対値を表す。次にS34に
進み、更に0.5msecの経過を待つ。0.5msec経過したら、
S36に進み、この0.5msec間の相関値cor1′及びS3
0からの計1msec間の相関値cor2を計算する。これらcor
1′、cor2は夫々以下の式で算出する。
【0025】cor1′=|I1′|+|Q1′| cor2 =|I1+I1′|+|Q1+Q1′| I1′、Q1′は相関値cor1の算出後、0.5msec経過した時
点のI、Qを表す。つまり、cor1、cor1′はいずれも相
関計測時間を0.5msecとしたときの相関値、cor2は相関
計測時間を1.0msecとしたときの相関値を示している
(S32、S36が本発明の相関値計測手段としての処
理に相当する)。C/Aコードの位相が1msecのため、
同期判定に使用する相関値は、cor2のみでも良さそうで
あるが、cor1、cor1′も評価することにより、図5に示
すような効果がある。まず図5(a)は、横軸にキャリ
アNCO20にて発生されるキャリア周波数の誤差を取
り、縦軸に相関値を取り、相関計測時間を0.5msecとし
た場合と1.0msecとした場合の夫々について、得られる
相関値を示したものである。この図5(a)に示すよう
に、計測時間を短くすると、相関度のメインローブの帯
域が広くなり、この結果、キャリア周波数が少々異なっ
ていても、大きな相関値が得られることとなる。
【0026】また、第2の効果として、図5(b)〜図
5(d)を用いて説明する。図5(b)は、C/Aコー
ドを用いたスペクトル拡散変調によってGPS衛星から
送信されて来るデータの一例を表すもので、図5(c)
は、計測時間を0.5msec とした場合の相関値、図5
(d)は計測時間を1.0msec とした場合の相関値である
(ただし、各区間で計測した相関値を横棒で示してい
る)。まずGPS衛星から送信されて来るデータ符号
は、図5(b)のように、相関計測時間の途中で反転す
る場合がある。この場合、相関計測時間を1.0msec にし
ておくと図5(d)のように相関値が殆どゼロになって
しまう。これに対し、相関計測時間を0.5msec にしてお
くと図5(c)のようにcor1、cor1′が大きな値を取
る。
【0027】反面、データ符号の反転の仕方によって
は、cor1、あるいはcor1′がゼロに近い値を呈し、cor2
が大きな値をとる場合もある。このため、cor1、cor1′
だけでなく、cor2も算出し、後述する判定において、同
期していない場合のみを中断できるようにしている。
【0028】ここで図4に戻る。こうして3種類の相関
値が算出されると、S38にてこれらを0.5msecごとと
1.0msecごととに分けて夫々加算する。以上、S30〜
S38の処理を所定回数(例えば3回)行うことによ
り、巡回積分を算出する(つまり、S30〜S38の処
理が本発明の巡回積分手段としての処理に相当する)。
この所定回数分の加算が完了したか否かをS40にて判
定し、完了していれば、相関計測処理を終了する。完了
していなければ、S42に進み、図5(c)に示した相
関値の積算値が所定のしきい値(図4ではしきい値1と
記載)以上の値になっているかどうかを判定し、なって
いれば、S30に戻る。ここでしきい値1は、所定回数
の巡回積分を0〜1022.5チップの位相で実施完了
したとき得られる、非同期時の最大相関レベル付近の値
とすれば良い。つまり、巡回積分中に、非同期状態で検
出されるレベルより、強い相関が得られれば同期してい
る可能性が強いため、相関計測を継続する。
【0029】一方、それまでの平均相関値が、このしき
い値未満の値を呈する場合は、同期が取れていないと考
えられる。しかしこの場合にも念のためS44に進み、
図5(d)に示した平均相関値が所定のしきい値(図4
ではしきい値2と記載)以上の値になっているかどうか
を判定し、なっていれば、S30に戻る。このしきい値
2も下回っている場合には、巡回積分の算出を中断し、
本処理を終了する。つまり、S36〜S44が本発明の
中断手段としての処理に相当する。また、S42、S4
4の判定の結果、中断が行われたか否かを、S23の判
定は行っている。
【0030】このようにして算出された平均相関値に基
づき、図3のC/Aコード同期位相サーチを行うと、例
えば図6に示すようなグラフが得られる(但し、巡回積
分を中断した位相についてはプロットは空白となってい
る)。図6は、横軸にC/Aコード発生器24にて発生
されるC/Aコードの位相、縦軸にS38にて計測され
た巡回積分値をとったものである。図6に示すようなグ
ラフが得られた場合、ピークとなる巡回積分値Cpを示
す位相にて、同期が取れていると推定できる。但し、常
に本図に示したような明確なピーク相関が得られるとは
限らない。その原因として、GPS衛星の電波が受信で
きなかったことや、キャリアNCO20にて発生された
キャリア周波数の推定値が誤っていた場合等が考えられ
る。
【0031】ここで図2に戻る。C/Aコード同期位相
サーチ(S12)が終了すると、同期が取れたかどうか
を判定するために、S14に進み、相関値Cpの値と、
予め定められたしきい値とを比較する。相関値Cpがし
きい値以上であれば、同期が取れた、すなわち捕捉に成
功したと判定し、本処理を終了する。そしてGPS衛星
の捕捉に成功すると、捕捉したキャリア周波数とC/A
コード位相を初期値として、キャリアについてはPL
L、C/AコードについてはDLLを実行し、データ復
調できる状態とする。続いて、測位に必要なデータを3
衛星以上収集すると、測位を開始する。
【0032】尚、測位を開始すると、追跡中の衛星のキ
ャリア周波数で基準クロックの誤差を算出できるので、
広い範囲のキャリアサーチをする必要がなくなる。そこ
で測位開始後は巡回積分の所定回数を更に増やす。こう
すると、同期していないときの平均相関値が小さくなる
ので、S14、S42、S44で用いるしきい値を小さ
くすることができ、何等かの原因(例えば、衛星仰角が
低い)で、非常に電波の弱いGPS衛星も捕捉できるよ
うになる。
【0033】一方、S14にて、相関値Cpがしきい値
未満であると判定されたときには、キャリアNCO20
に設定されたキャリア周波数が誤っていたものと見な
し、キャリア周波数を予測しなおす。つまりS16に進
み、キャリアNCO20に設定するキャリア周波数を変
更する。結局、捕捉できるまでキャリア周波数は、図7
に示すように、S10にて設定された初期周波数f0か
ら基準発振器30の発する基準クロックの誤差範囲内に
て、徐々にf0からの振り幅が大きくなるように変更さ
れて行く。
【0034】以上説明したように、相関値の巡回積分を
途中で打ち切るために、相関計測回数の総数が減り、C
/Aコードサーチを早く完了することができる。また、
測位開始後、巡回積分の所定回数を増やすために、電波
の弱いGPS衛星も捕捉できる。
【0035】このように、C/Aコードサーチが速やか
に終わるため、図7に示したキャリア周波数の変更を広
範囲にわたって行っても、捕捉に掛かる時間が短くて済
む。従って、基準発振器30として、安価なもの(例え
ば、温度保証範囲が狭い発振器)を用いることも可能と
なる。
【0036】尚、上記実施形態においては、図4に示さ
れるS36〜S44の処理で、相関値が計測される都
度、この相関値の平均値を算出し、この算出した平均値
と予め設定したしきい値2との比較判定結果に基づいて
巡回積分の算出の中断を決定する構成を採用している。
【0037】しかし本発明は、この構成に限るものでは
なく様々な処理が可能である。例えば、次の構成であっ
ても同様の効果が得られる。すなわち、相関値が計測さ
れると、この計測された相関値と予め設定したしきい値
とを比較判定し、先ずこのタイミングで巡回積分の算出
の中断判断を行う。次に、中断しないと判断された場合
には、次に計測された相関値を前回既に計測済みの相関
値に加算し、この加算した相関値と「しきい値×2」と
を比較判定することで上記中断判断を行う。以下同様に
して、相関値の計測が終了するまで、計測毎に相関値及
びしきい値を各々計測回数分積分し、各計測タイミング
で相関値及びしきい値の積分値比較判定を行い、各々の
判定結果毎に上記中断判断を行う。この処理途中で、中
断が決定された場合は、その時点で巡回積分を中断し処
理を終了する。
【0038】以上、本発明を適用したGPS受信装置2
について説明してきたが、本発明はこの実施態様に限定
されるものではなく、スペクトル拡散変調されて送信さ
れて来る信号を捕捉するような装置であれば、様々な態
様にて実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるGPS受信装置2
の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 マイクロプロセッサ26にて実行される衛星
捕捉処理を示すフローチャートである。
【図3】 C/Aコード同期位相サーチを示すフローチ
ャートである。
【図4】 相関計測の処理内容を示すフローチャートで
ある。
【図5】 相関値cor1、cor1′、cor2を用いる理由を説
明するための線図である。
【図6】 C/Aコード同期位相サーチの結果得られる
巡回積分値の一例を示すグラフである。
【図7】 キャリア周波数の変動のさせ方を示す説明図
である。
【符号の説明】
2…GPS受信装置 12…アンテナ 14…高
周波処理回路 16…ハードリミタ 18i、18q…排他的論
理和回路 20…キャリアNCO 22i、22q…相関器 24…C/Aコード発生器 26…マイクロプロセッサ 28…復調回路 30…基準発振器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信対象となるスペクトル拡散信号のキ
    ャリア周波数を予測するキャリア周波数予測手段と、 該キャリア周波数予測手段によって予測されたキャリア
    周波数に基づいて、前記スペクトル拡散信号からキャリ
    ア成分がキャンセルされた信号を出力するキャリア成分
    キャンセル手段と、 受信対象となるスペクトル拡散信号に用いられている符
    号に対応する擬似雑音コードを、所定の位相で発生させ
    る擬似雑音コード発生手段と、 キャリア成分キャンセル手段によって出力された信号と
    前記擬似雑音コード発生手段によって発生された擬似雑
    音コードとの間の相関値を所定時間にわたって計測する
    相関値計測手段と、 該相関値計測手段によって順次計測された相関値を、所
    定回数累積して巡回積分値として出力する巡回積分手段
    と、 を備えたスペクトル拡散信号捕捉装置において、 前記相関値計測手段によって計測される相関値に基づく
    値が所定のレベルか否かを判定し、所定のレベルに満た
    ないときは巡回積分を中断させる中断手段と、 を更に備えたことを特徴とするスペクトル拡散信号捕捉
    装置。
  2. 【請求項2】 前記巡回積分手段によって巡回積分が出
    力されるか、もしくは前記中断手段によって巡回積分が
    中断されると、前記擬似雑音コード発生手段によって発
    生される擬似雑音コードの位相を変更する位相制御手
    段、を更に備え、 前記相関値計測手段が、前記所定時間が互いに異なる少
    なくとも2つの相関値を計測するものであり、 前記中断手段が、該相関値計測手段によって計測された
    少なくとも2つの相関値が共に所定のレベルに満たない
    ときに巡回積分を中断させるものであることを特徴とす
    る請求項1記載のスペクトル拡散信号捕捉装置。
  3. 【請求項3】 受信対象となるスペクトル拡散信号のキ
    ャリア周波数を予測するキャリア周波数予測手段と、 該キャリア周波数予測手段によって予測されたキャリア
    周波数に基づいて、前記スペクトル拡散信号からキャリ
    ア成分がキャンセルされた信号を出力するキャリア成分
    キャンセル手段と、 受信対象となるスペクトル拡散信号に用いられている符
    号に対応する擬似雑音コードを、所定の位相で発生させ
    る擬似雑音コード発生手段と、 キャリア成分キャンセル手段によって出力された信号と
    前記擬似雑音コード発生手段によって発生された擬似雑
    音コードとの間の相関値を所定時間にわたって計測する
    相関値計測手段と、 該相関値計測手段によって順次計測された相関値を、所
    定回数累積して巡回積分値として出力する巡回積分手段
    と、 を備えたスペクトル拡散信号捕捉装置において、 当該スペクトル拡散信号捕捉装置が、GPS衛星から送
    信されるスペクトル拡散信号を捕捉し、該スペクトル拡
    散信号捕捉装置の測位を行うものであって、 測位開始後は、巡回積分回数を測位開始前より多くする
    ものであることを特徴とするスペクトル拡散信号捕捉装
    置。
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