JP3575220B2 - スペクトル拡散信号捕捉装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS(Global Positioning System)衛星から発信される航法メッセージのように、スペクトル拡散変調されて送信されて来る信号を捕捉するスペクトル拡散信号捕捉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アメリカ軍用に開発されたGPSを利用して、自動車等の位置を検出することが民間用においても盛んになされている。
GPSにおいては、地球を周回する人工衛星(以下、単に衛星ともいう)の内、少なくとも3個から発信される電波を捕捉して、この電波に乗せられている航法メッセージから、GPS受信機の位置を検出するものである。
【0003】
但し、GPS衛星は移動しているため、ドップラー効果を受け、受信される周波数は一定していない。そこで、前回受信されたGPS衛星からのデータに含まれる衛星軌道情報に基づいて、GPS衛星の移動方向を求め、受信周波数を予測する。更に、受信装置が内部発生させるキャリアの基準となる基準クロックの誤差等を考慮して、所定の範囲で受信周波数を段階的に変動させ且つこれを周期的に行うことにより、GPS衛星からの電波のキャリア周波数をサーチする。
【0004】
GPSにおいては、ベースバンド信号(航法メッセージ)は、スペクトル拡散変調されて乗せられている。よって、データ復調するためには民間用に解放されているC/Aコードを受信機内部にて発生させ、受信された電波からキャリア成分をキャンセルした信号との相関値を計測する。そして大きな相関値が得られれば、キャリア周波数もC/Aコードの位相も、おおむね合った状態となる。この状態を初期状態として、キャリアについてはPLL、C/AコードについてはDLLの手法を用いることによって、受信信号と同期状態とすることができ、航法メッセージを復調することができる。
【0005】
尚、通常、相関値は、符号の送信周期(C/Aコードの場合1msec)と同じ長さに亘って計算され、しかも、複数周期分(例えば、3周期分)の相関値を加算したものに基づいて、GPS衛星の電波を捕捉したか否かを判定する。この加算値を巡回積分値といい、加算される相関値の数を巡回積分回数という。
【0006】
これは次のような理由による。すなわち、キャリアもC/Aコードも合っていない状態でも、入力信号のノイズによって強い相関値を検出してしまうことがあり、1回の相関計測結果のみでは、非同期状態であっても誤って同期と判定するおそれがある。この誤った判定を避けるには、同期と判定する基準の相関レベルを大きくとれば良いが、GPS衛星から送信される電波は、非常に微弱のため受信感度の良い受信機を実現するためには適切な方法ではない。そこで通常は、相関計測を繰り返し行うことで、ノイズによる相関誤差を均すことで解決する。
【0007】
ここで相関計測を繰り返し行う方法は、相関計測を時間的に継続して行う方法(第1の方法)と、相関値の計算を繰り返しその巡回積分値を計算する方法(第2の方法)がある。第1の方法で計算した相関値は、第2の方法で計算した相関値と比較して、キャリア周波数誤差に対する許容誤差が小さくなる。従って、広い範囲のキャリア周波数をサーチするGPS受信機では、第2の方法を適用する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのような場合、1つのキャリア周波数を設定し、C/Aコードの同期位相を全コード位相についてサーチし、衛星電波を捕捉できたか否か判定するには、巡回積分回数に比例した回数相関値計算を行う必要がある。すなわち、0.5チップきざみで全位相(=1023チップ)についてC/Aコードサーチすれば巡回積分回数×2046回、相関値を計算することとなる。しかも、この結果、所定以上の相関値が得られなければ、キャリア周波数を変え、再度C/Aコードサーチを行わなければならない。
【0009】
この課題はGPSに限らず、スペクトル拡散変調された信号を受信する際には同様に発生する。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、受信したスペクトル拡散信号の符号と擬似雑音コードとの相関値算出の回数を少なくした場合に、若しくは多くした場合に、夫々好適にスペクトル拡散信号の捕捉ができるスペクトル拡散信号捕捉装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、まずキャリア周波数予測手段が、受信対象となる電波のキャリア周波数を予測し、この予測結果に基づいて、キャリア成分キャンセル手段が、受信されたスペクトル拡散信号からキャリア成分がキャンセルされた信号を出力する。このキャリア周波数が適正に予測されていれば、キャリア成分がキャンセルされた信号は、予め知られている符号(民間用GPS受信機の場合C/Aコード)を用いたスペクトル拡散信号となっているので、この符号に対応する擬似雑音コードを擬似雑音コード発生手段に発生させ、相関値計測手段にて、これらの相関値を所定時間にわたって計測する。こうして相関値が計測されると、中断手段が、この計測された相関値に基づく値が所定のレベルか否かを判定する。所定のレベルに達していれば、続いて次の時点における相関値を算出し前回の相関値に加算する。そして、再度、中断手段が、相関値を算出し、この算出された相関値に基づく値が所定のレベルか否かを判定する。以下、所定回数、所定のレベルに達していると判定されると、巡回積分手段が、その回数分の相関値を累積して巡回積分値として出力する。一方、相関値に基づく値が所定のレベルに達していないと判定された場合には、その時点で巡回積分の算出を中断させる。
【0011】
このように、計測された相関値に基づく値が所定レベルに満たなかった場合には、所定回数分、相関値が算出されるのを待たず、中断手段が巡回積分の算出を中断させるので、相関値の算出回数を減少させることができる。
尚、一般に、擬似雑音コード発生手段によって発生される擬似雑音コードは、キャリア成分キャンセル手段が出力した信号に含まれる符号との同期が取れていない。このため、位相制御手段を設け、巡回積分が算出されるかもしくは巡回積分が中断される都度、擬似雑音コードの位相を変更させる。こうすると、擬似雑音コードの位相が、受信した信号の符号と同期したときに大きな相関値を呈する筈である。但し、データの符号が、相関値の計測の中間点で反転すると、同期が取れているにも拘わらず、相関値の平均値がほとんどゼロとなってしまう。
【0012】
これを防ぐには、請求項2に記載の発明のように、相関値計測手段を、互いに異なる2つの所定時間について夫々並列に相関値を計測するものとし、中断手段を、相関値計測手段によって計測された2つの相関値が共に所定のレベルに満たないときに巡回積分を中断させるものとすればよい。こうすれば、ベースバンド成分が、一方の相関値の計測の途中で反転しても、他方の相関値が大きな値を示す可能性があるため、中断手段による中断を免れることができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明のように、当該スペクトル拡散信号捕捉装置を、GPSを利用した測位装置として構成する場合には、測位を開始した後には、巡回積分回数を更に多くするようにすると良い。これは、測位を開始すると、追跡中の衛星のキャリア周波数と衛星の軌道情報から計算したキャリア周波数との差から基準クロックの誤差を計算できることによる。基準クロックの誤差が分かれば、広い範囲のキャリアサーチをする必要がないため、巡回積分回数を増やしても、短時間に捕捉することができる。つまり、多数の人工衛星(GPS衛星)を速やかに捕捉できるようになる。
【0014】
そして、巡回積分回数を増やすことにより、非同期時に検出される平均相関値が落ち、その結果、同期時に検出するピーク相関値と、非同期時に検出する相関値の差が大きくなり、信号の弱い衛星の電波を捕捉することができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態であるGPS受信装置2の概略構成を示すブロック図である。GPS受信装置2は、GPS衛星からの電波を受信するアンテナ12と、高周波処理回路14と、アナログ信号を2値化するハードリミタ16と、キャリア成分をキャンセルする排他的論理和回路(図ではEX.ORと記載)18i,18qと、キャリア周波数の信号を発生させる数値制御発振器(図ではキャリアNCOと記載)20と、相関器22i,22qと、C/Aコード発生器24と、マイクロプロセッサ26と、を備えている。
【0016】
これらの内、排他的論理和回路18i,18qと、キャリアNCO20と、相関器22i,22qと、C/Aコード発生器24は、復調回路(本図ではSS回路と記載)28として機能し、受信信号に含まれる航法メッセージを復調する。GPS受信装置2は、この復調回路28を8CH備えており、最大で8個のGPS衛星からの電波を復調可能にされている。
【0017】
基準発振器30は、クロック信号を発生するもので、このクロック信号は、高周波処理回路14、キャリアNCO20、C/Aコード発生器24にて用いられる。
マイクロプロセッサ26は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。
【0018】
アンテナ12にて受信された衛星電波は、高周波処理回路14にて増幅され中間周波に変換される。そしてハードリミタ16に2値化され、排他的論理和回路18i、排他的論理和回路18qに入力される。排他的論理和回路18i、排他的論理和回路18qには、夫々キャリアNCO20にて発生された0deg、90degキャリアが入力される。キャリアNCO20は、マイクロプロセッサ26より指定された周波数の信号を発生するように構成されている。これにより排他的論理和回路18iからは、位相0degのキャリア成分が除去されたIチャネルの信号が出力され、排他的論理和回路18qからは、位相90degのキャリア成分が除去されたQチャネルの信号が出力される。つまり、排他的論理和回路18i、18qは本発明のキャリア成分キャンセル手段に相当する。
【0019】
こうして出力された信号は、夫々相関器22i、22qに入力され、C/Aコード発生器24にて発生されたC/Aコードとの相関が取られる。各相関器22i、22qではキャリア成分がキャンセルされた信号と、C/Aコード発生器24の信号の排他的論理和を算出し、相関信号を生成する。そして相関信号を周期的にサンプルし、1のとき1カウントアップ、0のとき1カウントダウンし、その結果を所定時間積分した結果を出力する。後述するように、C/Aコード発生器24は、C/Aコードをマイクロプロセッサ26にて指定された位相にて発生させるもので、本発明の擬似雑音コード発生手段に相当する。
【0020】
以下に、マイクロプロセッサ26にて実行される衛星捕捉処理について図2を用いて説明する。本処理は、GPS受信装置2の起動時及び衛星が捕捉できなくなったときに実行される。本処理が起動されると、まずステップ(以下、単にSと記す)10にて衛星周波数の初期設定が行われる。これは、アルマナック(概略軌道情報)に基づいて、現在の時刻、場所とした衛星のキャリア受信周波数f0を計算し、これをキャリアサーチ周波数の中心値(以下、中心周波数という)としてキャリアNCO20に設定する。つまりS10は、本発明のキャリア周波数予測手段としての処理に相当する。
【0021】
こうして中心周波数が設定されると、S12に進み、C/Aコード同期位相サーチを行う。C/Aコードは、GPS衛星の発する信号の内、民間用に解放されているもので、周期的に送られて来る。航法メッセージを取り出すためには、キャリアにどのような位相でC/Aコードが乗せられているかを検出する必要がある。これには受信しようとする衛星のC/Aコードと同形式のC/AコードをC/Aコード発生器24に発生させ、且つこの位相を変更させつつ、受信したC/Aコードと同期する位相を探すことにより行う。この処理の内容を図3のフローチャートに示す。
【0022】
すなわちC/Aコード同期位相サーチでは、まずS20にて、C/Aコード発生器24に発生させるC/Aコードの初期位相(通常、0チップ)を設定する。そしてS22では、受信したC/AコードとS20にて設定された位相のC/Aコードとの相関計測を行う。相関計測の内容については後述する。続いてS23では、S22にて行った相関計測において、巡回積分の中断(後述)を行ったか否かを判定する。中断していなければS24に進んで、それまでピークになった相関の位相を記憶してからS26に進み、中断していれば直接S24に移行する。S26では、C/Aコードの全位相(ここでは1023チップ分)の相関計測が完了したか否かを判定し、完了していればC/Aコード同期位相サーチを終了する。1023チップ分終了していなければ、S28に進み、現行のコード位相を0.5チップ分だけずらす、本発明の位相制御手段としての処理を行い、S22に戻る。すなわち、S22〜S28の処理を繰り返し、0〜1022.5チップ分の相関を測定する。
【0023】
ここで、S22にて行う相関値の算出の仕方を図4を用いて説明する。相関計測では、まずS30にて、0.5msecの経過を待つ。この0.5msecという時間は、C/Aコードの半周期分である。0.5msec経過したら、S32に進み、この0.5msec間の相関値cor1を計算する。ここでcor1は次の式で算出する。
【0024】
cor1=|I1|+|Q1|
I1、Q1は0.5msec経過した時点のI、Qであり、また”|I1|”は、I1 の絶対値を表す。
次にS34に進み、更に0.5msecの経過を待つ。0.5msec経過したら、S36に進み、この0.5msec間の相関値cor1′及びS30からの計1msec間の相関値cor2を計算する。これらcor1′、cor2は夫々以下の式で算出する。
【0025】
cor1′=|I1′|+|Q1′|
cor2 =|I1+I1′|+|Q1+Q1′|
I1′、Q1′は相関値cor1の算出後、0.5msec経過した時点のI、Qを表す。つまり、cor1、cor1′はいずれも相関計測時間を0.5msecとしたときの相関値、cor2は相関計測時間を1.0msecとしたときの相関値を示している(S32、S36が本発明の相関値計測手段としての処理に相当する)。C/Aコードの位相が1msecのため、同期判定に使用する相関値は、cor2のみでも良さそうであるが、cor1、cor1′も評価することにより、図5に示すような効果がある。まず図5(a)は、横軸にキャリアNCO20にて発生されるキャリア周波数の誤差を取り、縦軸に相関値を取り、相関計測時間を0.5msecとした場合と1.0msecとした場合の夫々について、得られる相関値を示したものである。この図5(a)に示すように、計測時間を短くすると、相関度のメインローブの帯域が広くなり、この結果、キャリア周波数が少々異なっていても、大きな相関値が得られることとなる。
【0026】
また、第2の効果として、図5(b)〜図5(d)を用いて説明する。図5(b)は、C/Aコードを用いたスペクトル拡散変調によってGPS衛星から送信されて来るデータの一例を表すもので、図5(c)は、計測時間を0.5msec とした場合の相関値、図5(d)は計測時間を1.0msec とした場合の相関値である(ただし、各区間で計測した相関値を横棒で示している)。まずGPS衛星から送信されて来るデータ符号は、図5(b)のように、相関計測時間の途中で反転する場合がある。この場合、相関計測時間を1.0msec にしておくと図5(d)のように相関値が殆どゼロになってしまう。これに対し、相関計測時間を0.5msec にしておくと図5(c)のようにcor1、cor1′が大きな値を取る。
【0027】
反面、データ符号の反転の仕方によっては、cor1、あるいはcor1′がゼロに近い値を呈し、cor2が大きな値をとる場合もある。このため、cor1、cor1′だけでなく、cor2も算出し、後述する判定において、同期していない場合のみを中断できるようにしている。
【0028】
ここで図4に戻る。こうして3種類の相関値が算出されると、S38にてこれらを0.5msecごとと1.0msecごととに分けて夫々加算する。以上、S30〜S38の処理を所定回数(例えば3回)行うことにより、巡回積分を算出する(つまり、S30〜S38の処理が本発明の巡回積分手段としての処理に相当する)。この所定回数分の加算が完了したか否かをS40にて判定し、完了していれば、相関計測処理を終了する。完了していなければ、S42に進み、図5(c)に示した相関値の積算値が所定のしきい値(図4ではしきい値1と記載)以上の値になっているかどうかを判定し、なっていれば、S30に戻る。ここでしきい値1は、所定回数の巡回積分を0〜1022.5チップの位相で実施完了したとき得られる、非同期時の最大相関レベル付近の値とすれば良い。つまり、巡回積分中に、非同期状態で検出されるレベルより、強い相関が得られれば同期している可能性が強いため、相関計測を継続する。
【0029】
一方、それまでの平均相関値が、このしきい値未満の値を呈する場合は、同期が取れていないと考えられる。しかしこの場合にも念のためS44に進み、図5(d)に示した平均相関値が所定のしきい値(図4ではしきい値2と記載)以上の値になっているかどうかを判定し、なっていれば、S30に戻る。このしきい値2も下回っている場合には、巡回積分の算出を中断し、本処理を終了する。つまり、S36〜S44が本発明の中断手段としての処理に相当する。また、S42、S44の判定の結果、中断が行われたか否かを、S23の判定は行っている。
【0030】
このようにして算出された平均相関値に基づき、図3のC/Aコード同期位相サーチを行うと、例えば図6に示すようなグラフが得られる(但し、巡回積分を中断した位相についてはプロットは空白となっている)。図6は、横軸にC/Aコード発生器24にて発生されるC/Aコードの位相、縦軸にS38にて計測された巡回積分値をとったものである。図6に示すようなグラフが得られた場合、ピークとなる巡回積分値Cpを示す位相にて、同期が取れていると推定できる。但し、常に本図に示したような明確なピーク相関が得られるとは限らない。その原因として、GPS衛星の電波が受信できなかったことや、キャリアNCO20にて発生されたキャリア周波数の推定値が誤っていた場合等が考えられる。
【0031】
ここで図2に戻る。C/Aコード同期位相サーチ(S12)が終了すると、同期が取れたかどうかを判定するために、S14に進み、相関値Cpの値と、予め定められたしきい値とを比較する。相関値Cpがしきい値以上であれば、同期が取れた、すなわち捕捉に成功したと判定し、本処理を終了する。そしてGPS衛星の捕捉に成功すると、捕捉したキャリア周波数とC/Aコード位相を初期値として、キャリアについてはPLL、C/AコードについてはDLLを実行し、データ復調できる状態とする。続いて、測位に必要なデータを3衛星以上収集すると、測位を開始する。
【0032】
尚、測位を開始すると、追跡中の衛星のキャリア周波数で基準クロックの誤差を算出できるので、広い範囲のキャリアサーチをする必要がなくなる。そこで測位開始後は巡回積分の所定回数を更に増やす。こうすると、同期していないときの平均相関値が小さくなるので、S14、S42、S44で用いるしきい値を小さくすることができ、何等かの原因(例えば、衛星仰角が低い)で、非常に電波の弱いGPS衛星も捕捉できるようになる。
【0033】
一方、S14にて、相関値Cpがしきい値未満であると判定されたときには、キャリアNCO20に設定されたキャリア周波数が誤っていたものと見なし、キャリア周波数を予測しなおす。つまりS16に進み、キャリアNCO20に設定するキャリア周波数を変更する。結局、捕捉できるまでキャリア周波数は、図7に示すように、S10にて設定された初期周波数f0から基準発振器30の発する基準クロックの誤差範囲内にて、徐々にf0からの振り幅が大きくなるように変更されて行く。
【0034】
以上説明したように、相関値の巡回積分を途中で打ち切るために、相関計測回数の総数が減り、C/Aコードサーチを早く完了することができる。
また、測位開始後、巡回積分の所定回数を増やすために、電波の弱いGPS衛星も捕捉できる。
【0035】
このように、C/Aコードサーチが速やかに終わるため、図7に示したキャリア周波数の変更を広範囲にわたって行っても、捕捉に掛かる時間が短くて済む。従って、基準発振器30として、安価なもの(例えば、温度保証範囲が狭い発振器)を用いることも可能となる。
【0036】
尚、上記実施形態においては、図4に示されるS36〜S44の処理で、相関値が計測される都度、この相関値の平均値を算出し、この算出した平均値と予め設定したしきい値2との比較判定結果に基づいて巡回積分の算出の中断を決定する構成を採用している。
【0037】
しかし本発明は、この構成に限るものではなく様々な処理が可能である。例えば、次の構成であっても同様の効果が得られる。すなわち、相関値が計測されると、この計測された相関値と予め設定したしきい値とを比較判定し、先ずこのタイミングで巡回積分の算出の中断判断を行う。次に、中断しないと判断された場合には、次に計測された相関値を前回既に計測済みの相関値に加算し、この加算した相関値と「しきい値×2」とを比較判定することで上記中断判断を行う。以下同様にして、相関値の計測が終了するまで、計測毎に相関値及びしきい値を各々計測回数分積分し、各計測タイミングで相関値及びしきい値の積分値比較判定を行い、各々の判定結果毎に上記中断判断を行う。この処理途中で、中断が決定された場合は、その時点で巡回積分を中断し処理を終了する。
【0038】
以上、本発明を適用したGPS受信装置2について説明してきたが、本発明はこの実施態様に限定されるものではなく、スペクトル拡散変調されて送信されて来る信号を捕捉するような装置であれば、様々な態様にて実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるGPS受信装置2の概略構成を示すブロック図である。
【図2】マイクロプロセッサ26にて実行される衛星捕捉処理を示すフローチャートである。
【図3】C/Aコード同期位相サーチを示すフローチャートである。
【図4】相関計測の処理内容を示すフローチャートである。
【図5】相関値cor1、cor1′、cor2を用いる理由を説明するための線図である。
【図6】C/Aコード同期位相サーチの結果得られる巡回積分値の一例を示すグラフである。
【図7】キャリア周波数の変動のさせ方を示す説明図である。
【符号の説明】
2…GPS受信装置 12…アンテナ 14…高周波処理回路
16…ハードリミタ 18i、18q…排他的論理和回路
20…キャリアNCO 22i、22q…相関器
24…C/Aコード発生器 26…マイクロプロセッサ
28…復調回路 30…基準発振器

Claims (2)

  1. 受信対象となるスペクトル拡散信号のキャリア周波数を予測するキャリア周波数予測手段と、
    該キャリア周波数予測手段によって予測されたキャリア周波数に基づいて、前記スペクトル拡散信号からキャリア成分がキャンセルされた信号を出力するキャリア成分キャンセル手段と、
    受信対象となるスペクトル拡散信号に用いられている符号に対応する擬似雑音コードを、所定の位相で発生させる擬似雑音コード発生手段と、
    キャリア成分キャンセル手段によって出力された信号と前記擬似雑音コード発生手段によって発生された擬似雑音コードとの間の相関値を所定時間にわたって計測する相関値計測手段と、
    該相関値計測手段によって順次計測された相関値を、所定回数累積して巡回積分値として出力する巡回積分手段と
    前記相関値計測手段によって計測される相関値に基づく値が所定のレベルか否かを判定し、所定のレベルに満たないときは巡回積分を中断させる中断手段と
    を備え、
    前記中断手段が、前記相関値計測手段によって計測された相関値に基づく値が前記所定のレベルに達していると判定すると、前記巡回積分手段は、次の時点において前記相関値計測手段により計測された相関値を前回計測された相関値に加算する一方、
    前記中断手段は、前記相関値計測手段によって計測された相関値に基づく値が前記所定のレベルに達していないと判定すると、その時点で前記巡回積分手段による巡回積分の算出を中断し、
    前記中断手段によって巡回積分が中断されると、前記擬似雑音コード発生手段によって発生される擬似雑音コードの位相を変更する
    ことを特徴とするスペクトル拡散信号捕捉装置。
  2. 前記相関値計測手段が、前記所定時間が互いに異なる少なくとも2つの相関値を計測するものであり、
    前記中断手段が、該相関値計測手段によって計測された少なくとも2つの相関値が共に所定のレベルに満たないときに巡回積分を中断させるものであることを特徴とする請求項1記載のスペクトル拡散信号捕捉装置。
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