JPH10281866A - 焦電型赤外線検出装置 - Google Patents
焦電型赤外線検出装置Info
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- JPH10281866A JPH10281866A JP9104797A JP9104797A JPH10281866A JP H10281866 A JPH10281866 A JP H10281866A JP 9104797 A JP9104797 A JP 9104797A JP 9104797 A JP9104797 A JP 9104797A JP H10281866 A JPH10281866 A JP H10281866A
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Abstract
性を変更することなく改善し得た焦電型赤外線検出装置
を提供する。 【解決手段】焦電素子からの素子電流を入力した演算増
幅器2に帰還容量Cfを付加することによって、帰還容
量のインピーダンスを利用した電流電圧変換回路を備え
た構成としている。
Description
て、人体から輻射される赤外線エネルギーを検出し、人
体の存在や移動の検知を行ったり、輻射エネルギー、室
温を検出することで放射温度計として働く、焦電型赤外
線検出装置の改良に関する。
置に従来より用いられているFETを用いた電流電圧変
換回路を示している。この電流電圧変換回路は、FET
のゲートに焦電素子1と高抵抗Rgを並列に接続し、F
ETのソースとグランドに接続した出力抵抗Rsより電
圧信号を取り出すようになっており、熱線を感知したと
き焦電素子1から出力される信号電流は高抵抗Rgで電
圧に変換され、それをFETのゲートで受けてFETと
抵抗Rsに電流を流すことによってFETのソース電圧
を変化させ、そのとき抵抗Rsに加わる電圧を信号増幅
回路に出力する構成としている。
電圧変換回路では、赤外線に対する感度を示す出力電圧
Vは数1によって求められる。
る出力電圧Vは、図13に示すようなグラフとなる。こ
こに、輻射率:η、有効受光面積:A、入力抵抗:R、
焦電係数:λ、熱拡散係数:G、熱時定数:τt、電気
時定数:τである。また、このようなFETを用いた電
流電圧変換回路では、発生するノイズも、数2によって
求められ、その解析結果は図14に示すグラフとなる。
T、素子容量:Ci、素子誘電体損失:tanδ、FE
Tの電流性ノイズ:In、FETの電圧性ノイズ:En
である。
装置にとって重要なことは、単に焦電素子に於ける出力
信号Sが大きければ良いと言うことではなく、素子自身
から発生するノイズNとの比、つまりS/N比が重要で
ある。それは、例えて言うならば、焦電素子を改良して
同一の赤外線入射パワーに対する出力信号が従来より2
倍大きく出力なっても、その定常出力ノイズが4倍に増
えていたような場合には、検出分解能や検出精度は1/
2になり、かえって赤外線の検出能力は低下したことに
なる。
能力をアップするためには、 1)同一の赤外線入力に対して、出力信号Sをいかに大
きくできるか 2)出力ノイズNをいかに小さく抑えることができる
か、 つまり、いかにして大きなS/N比を得るかが、素子の
良否、つまり赤外線検出装置の商品的価値を決定するこ
とになる。
解析して見ると、出力電圧Vは、数1に示したように、
輻射率η、有効受光面積A、入力抵抗R、焦電係数λ、
熱拡散係数Gによって基本的感度が決まり、また熱時定
数τt、電気時定数τeによってその周波数特性が決定
されている。したがって、これらの個々のパラメータを
最適に設定することで最大の信号出力が得られるように
設計が行われているが、実際には新しい素材の焦電素子
を開発し、焦電係数の改善や、その実装方法を開発して
熱拡散係数を改善することが主となっている。
最終的には各ノイズの二乗平均でノイズ出力電圧VNが
決定される。このノイズ出力電圧VNは図15に示さ
れ、S/N比は図16に示されるが、代表的パラメータ
を分析すれば、支配的になっているのは、入力抵抗によ
る熱雑音である。この入力抵抗熱雑音は、抵抗値を更に
大きな値にすれば低減できることは解析より明らかであ
るが、温度雑音Vtは通常桁違いに小さく、この例でも
グラフの範囲外に有って表記されていない。しかしなが
ら、Rg=100GΩを越える値を採用するというの
は、焦電センサに於ける動作の安定性、つまり外来ノイ
ズ、FETのバイアス電流変動、高抵抗自身の抵抗値変
化などを考慮するとほぼ限界に近い値になっており、従
って、これ以上のノイズの低減は殆ど困難な状況にあ
り、従来の焦電センサはそのノイズ特性に於いては、ほ
とんど限界に達していると言える。
子の最大のアプリケーションである人体検知に於ける検
出周波数が1Hz中心であることから、1Hz近傍に着
目して行っている。以上の事実を考慮すると、従来のF
ETによる電流電圧変換回路を用いてS/N比を改善す
る場合、ノイズの低減はほとんど期待できず、出力信号
を増やす、例えば、焦電係数の改善、熱拡散係数の改善
などしか方法が残されていないが、現実には、種々の出
力特性の改善も限界に近づいており、素子や実装条件を
変えるだけでは2〜3倍といったS/N比の改善は望み
ようもないのが現状である。
鋭意検討の結果なされたもので、コンデンサのインピー
ダンスの周波数特性を電流電圧変換に用いることを種々
の観点から試験的に考察した結果、焦電型赤外線検出装
置のS/N比の向上に有益でかつ実現可能なことを知得
して、本発明に到達したものである。
を変更する手法に依らずに、焦電素子に帰還容量を付加
した演算増幅器を接続して電流電圧変換回路を構成し、
この電流電圧変換に対して入力換算ノイズを低減させる
種々のシュミレーション、設計を行うことによって、本
発明として到達したものである。したがって、上記目的
を達成するために請求項1において提案された赤外線検
出器は、帰還容量を付加した演算増幅器に焦電素子を接
続して、熱線の検知時に焦電素子に生じる信号電流を電
圧信号に変換して出力させる電流電圧変換回路を有した
基本構成をなしている。
考慮し、その演算増幅器の帰還動作を安定化するため、
演算増幅器には直流帰還回路を接続し、低周波に対して
動作の不安定なコンデンサの周波数インピーダンス特性
を改善している。このような電流電圧回路を備えた赤外
線検出器によれば、従来のFETを用いた電流電圧変換
回路において、熱雑音の要素として支配的であった高抵
抗を使用していないため、全体としての雑音成分が減少
し、赤外線検出装置として使用される周波数域では、S
/N比が著しく改善された。
ている。前述した解析から明かなように、焦電素子を固
定した場合、演算増幅器を用いた電流電圧変換回路で
は、ノイズ成分として、焦電素子の誘電体損失による雑
音成分が支配的であるが、演算増幅器も電流雑音、電圧
雑音成分を有する。特にこの2種類の雑音成分では、電
圧雑音が周波数に影響せずにほぼ一定であり、電流雑音
より小さいが、電流雑音は周波数に影響して変化する。
したがって、このような演算増幅器においては、電流雑
音を抑制することが必要となり、請求項3では、そのた
めの条件として、電流雑音成分が誘電体損失による雑音
成分よりも小さくなるような入力インピーダンスを有し
た演算増幅器を用いることを提案している。実際の使用
に際しては、入力インピーダンスの大きな演算増幅器を
使用すれば十分である。
付加した演算増幅器の動作を安定化するために付加され
る直流帰還回路の具体的な構成を提案している。すなわ
ち、請求項4では、積分回路で構成したもの、請求項5
では、直流帰還回路の入力側に分圧回路を接続したも
の、請求項6では、分圧回路を3つの抵抗をT型に接続
して構成したものをそれぞれ提案している。演算増幅器
から直流帰還回路に入力される出力電圧を抑制すること
によって、見かけ上のフィードバック利得を減少させ、
直流帰還回路の持つフィードバック時定数を低域へシフ
トさせ、部品の小型化を図っている。
従来と同様のチップであっても(素子電流Ipの改善が
無くても)、電流電圧変換部に於ける出力電圧を大きく
したり、入力換算ノイズを低減することによって、従来
より高いS/N比を得るものである。なお、請求項7で
は、直流帰還回路を、帰還コンデンサを付加した演算増
幅器の出力端子と、その基準入力端子の各々に異なる抵
抗を接続することによって、電流電圧変換回路にバンド
パスフィルタ特性を持たせた構成にするとともに、異な
る抵抗の温度特性を同一に揃えることによって温度補償
を行い、インピーダンス特性にピーク値をなくして、温
度変化によって帰還動作が不安定になるのを防止してい
る。
換回路の基本構成を示す。図に見るように、焦電素子1
は一端をグランドに接続し、他端を演算増幅器2の入力
端子(図では反転入力端子)に接続しており、演算増幅
器2の出力端子と入力端子との間には、帰還容量Cfを
接続している。また、演算増幅器2の出力端子と入力端
子間には、更に直流帰還回路3を設け、入力抵抗Riに
よって帰還を行っている。
うに、インピーダンス変換のための演算増幅器2とは異
なる別の演算増幅器3にコンデンサC1と抵抗R1とを
付加させた積分回路で構成出来る。このような構成の電
流電圧変換回路によれば、焦電素子1から出力される電
流は、帰還容量Cfのインピーダンスを用いて、電流か
ら電圧に変換される。
回路を接続した構成を示している。図1に対応する部分
には、同じ符号を付して説明を省略する。積分回路によ
って構成された直流帰還回路3は、演算増幅器2からの
出力電圧を分圧回路4によって分圧して入力させてい
る。図4の例では、T型に組まれた3つの入力抵抗R2
〜R3は、それぞれの他端を演算増幅器2の入力端子、
演算増幅器2の出力端子、グランドに接続しており、こ
のようにして、3つの入力抵抗R2〜R4をT型に組む
ことで、帰還回路の見かけ上のフィードバック利得を減
少させ、積分回路の持つフィードバック時定数を低域へ
シフトさせ、実質的に時定数を大きくすることで、直流
帰還回路の部品の小型化を図っている。
たようなT型に構成する必要はなく、通常の2つの抵抗
を接続したものでもよい。しかし、直流帰還回路のオフ
セット等の性能を考慮すれば、T型の方がより利点があ
る。以上のような本発明によれば、コンデンサ容量のイ
ンピーダンスを用いて信号電流を電圧に変換しているた
め、図12に示したように入力抵抗Rgによって信号電
流を電圧に変換していた従来のFETバッファを用いた
回路に比べて、出力ノイズ電圧を支配していた抵抗の熱
雑音が排除されるため、ノイズ源を根本的になくすこと
が出来きるので、トータルノイズの低減化が図れる。
は、積分回路で直流帰還回路を構成した図2に示した回
路についてのシュミレーション結果を説明する。まず、
信号出力となる出力電圧Vについて解析する。出力電圧
Vは数3によって求められ、帰還容量Cfによる変換イ
ンピーダンス特性は図5に示すようになる。
て傾斜部分のインピーダンス特性はインピーダンスZ=
1/(ω・Cf)で与えられるので、周波数が低くなる
にしたがってその値は上昇していくが、直流帰還回路が
働いているため、帰還回路の時定数τdcによって決ま
る周波数から下は逆にインピーダンスは下降していく。
つまり、インピーダンスは、帰還回路時定数τdcによ
って定まる各速度ωdcでピークを持つようなカーブと
なる。
た解析で示したように熱時定数τtをポールとするHP
Fのような特性を示す。従って、出力電圧Vは、変換イ
ンピーダンスZに素子電流Ipをかけて、V=Z×Ip
として求められる。
τdcで、高域のカットオフ周波数がτtで決定される
BPFのような特性を示すことになる。次いで、ノイズ
特性の解析を行う。図6は各ノイズ電圧について解析し
た結果を図6に示す。図6では焦電素子の温度雑音等や
演算増幅器の1/fノイズは、それほど影響がないた
め、支配的となるパラメータを記述している。
ノイズ出力電圧を実際に計算してシュミレーションした
結果を、図8はS/Nをシュミレーションした結果をグ
ラフで示している。各ノイズ特性から分かるようにコン
デンサの誘電体損失=tanδによるノイズVδが支配
的となっており(但し、1Hz近傍に於いて)、図8で
は、そのトータルノイズをNv、信号出力をSvとして
示している。したがって、S/N比はSv/Nvで求め
られる。
との比較を行うため、FETバッファを用いた電流電圧
変換回路についても、本発明と同様な条件でシュミレー
ションを行った図15,図16はそれぞれ、図7、図8
に対応したグラフである。ここでは、焦電素子の素子熱
基準電流を本発明の場合と同様に0.1fAとし、他の
回路条件を同じものにした。
のようになり、本発明によるS/N比は、 Nv(out)=2.8[μV/√Hz] Sv(out)=3.0[μV] ゆえに、S/N=1.1(但し、1Hz) これに対して、従来のFETバッファを用いた方式によ
るS/N比は、 Nv(out)=2.4[μV/√Hz] Sv(out)=1.4[μV] S/N=0.58(但し、1Hz)という計算結果とな
った。
では、1Hzの近傍においては、従来のFETバッファ
を用いた場合に比べて、2倍ほどのS/N比改善が行わ
れていることが分かる。これを定性的に分析すれば、従
来のノイズ成分として支配的であった抵抗Rgによる熱
雑音がなくなることで全体としてローノイズ化が図れた
ものと思われる。なお、図7、図8のシュミレーション
結果では、変換インピーダンスがFETバッファを用い
たものよりも上がったためノイズの絶対値は下がってい
ないが、その分、信号出力電圧Svも上昇し、結果とし
てS/N比が向上している。
れば、演算増幅器の帰還容量が小さいほどより高いS/
N比が得られる事も分かっている。従って、シュミレー
ションの例では、帰還容量を10pFより小さい値とす
ることで、従来の方式に対して更に2倍以上のS/N比
改善を行うことも可能である。
ズ解析の結果から、本発明において高いS/N比を得る
ためにはI/V変換のために用いる演算増幅器の電流雑
音は小さい方が良く、従って、入力バイアス電流の小さ
なタイプ、つまり入力インピーダンスが高いタイプが望
まれる。このような条件の演算増幅器は、一般的には入
力段にFETを用いたタイプを使用すればよい。
圧変換回路について説明する。図9は、この回路の実施
例を示しており、直流帰還回路は、帰還コンデンサC1
を接続した演算増幅器32の出力端子と、帰還容量Cf
を付加した演算増幅器2の反転入力端子との間には抵抗
Riを接続し、さらに演算増幅器32の反転入力端子
は、基準端子として基準電圧Vrに接続した抵抗R1が
接続されて構成される。焦電素子1は演算増幅器2の非
反転入力端子に接続されており、この点は前述の回路と
同じである。また、演算増幅器2の出力端子は、そのま
ま演算増幅器32の非反転入力端子に接続され、演算増
幅器2の非反転入力端子には基準電圧Vrを供給してい
る。
には基準電圧Vrを与えることによって、演算増幅器が
片電源駆動方式である場合にも、動作点をVrに上げる
ことによって、入力信号が正、負のいずれに対しても出
力信号が得られるようにしている。この場合Vrは、0
<Vr<VDD(ここに、VDDは演算増幅器の駆動電源)
の範囲に設定されるが、Vr=VDD/2に設定すれば、
正、負のいずれに入力信号対しても最大の動作範囲を得
ることが可能となる。
ィルタとして働き、この時のインピーダンスZ(s)は
数5で表わされる。
形は、数6で表わされるから、数5,数6の2つの式よ
り、数7が求められる。
の周波数特性は、バンドパスフィルタの役割を果たすこ
とが分かる。ここで、ω0は中心周波数でQは一般に選
択度と呼ばれるものである。このような電流電圧変換回
路では、ノイズ成分の一つとしてRiによる熱雑音が支
配的であるので、これを抑えるために通常は、Riの値
を1T(テラ)Ω程度以上の高抵抗としている。ところ
が、一般にこのような高抵抗は温度特性も大きく、温度
変化によりRiの値が大きく変動することになる。その
ため、Riが大きくなると抵抗値も大きくなり、変換イ
ンピーダンスの周波数特性にピークが表れ、回路が不安
定な状態になる。
もので、温度が変化しても変換インピーダンスの周波数
特性にピークが生じない、すなわち回路の安定性が温度
変化に対して強い構成にしている。この電流電圧変換回
路では、直流帰還回路部のバンドパスフィルタを形成す
ることとなる抵抗R1とRiに同じ温度特性を持つもの
を選択しており、そのため温度変化によりRiの値が大
きく変動しても、同じようにR1の値も変動するため、
温度補償がなされ、結果としてQは変動しない。したが
って、変換インピーダンスの周波数特性にピークが生じ
ないことになる。
変換インピーダンスの周波数特性をシュミレーションし
た結果を示している。 回路定数は素子容量Ci=12pF,帰還容量Cf=1
2pF,Ri=1TΩ,R1=2.4GΩ,C1=10
nFとしている。(A)は抵抗Ri,R1を1倍にした
場合、(B)は5倍にした場合、(C)は10倍にした
時のシュミレーショ結果を示している。
えない場合のインピーダンスの周波数特性を表わしてい
る。回路定数は図10の場合と同じであるが、(A)は
抵抗Riのみを1倍、(B)は5倍(B)、(C)は1
0倍にした時の結果を示している。これらの結果からわ
かるように、図11では、抵抗が大きくなれば変換イン
ピーダンスの周波数特性にピークが鋭くなっていくのに
対して、図10では、鋭いピークはなく、グラフの形に
変動がなくなっていることがわかる。
度変化により回路中の高抵抗器の値が大きく変動して
も、回路のQ値は変わらない。したがって、温度変化に
対しても回路の安定性を向上させることができる。
よれば、以下のような効果が得られる。 (1)FETを用いた従来の電流電圧変換回路に比べ
て、S/N比が著しく改善出来る。また、FETを用い
た従来品に対して、高抵抗などの外付け部品を使用せ
ず、半導体素子を用いて回路構成できるため、焦電素
子、レンズの小型化も可能となり、検出器も小型化でき
る。
によって、出力電圧の利得がコントロールできる。FE
Tを用いた従来品は、入力抵抗のパラメータで決定され
る単なるバッファであるので利得を調整することができ
なかったが、本発明では帰還容量のインピーダンス特性
を用いているので、帰還容量の値を変更すれば利得調整
が出来る。
域の時定数を、回路素子でコントロールできる。FET
を用いた従来品は、並列抵抗×素子容量で決まる電気時
定数で決定されていたが、本発明では帰還容量を付加し
た演算増幅器に更に付加する直流帰還回路の回路素子を
選択することによって、出力電圧の低域の時定数を調整
できる。
調整できる。上記した(2)及び(3)の効果は、焦電
素子自身のパラメータに関係なく、利得と周波数特性
を、外部の回路素子によって設計可能であることを意味
するので、後段に続く増幅回路やシステム全体の周波数
特性の設計変更を図る点で大きなメリットとなる。した
がって、焦電素子の低域の感度を上げたい場合には、従
来で有れば並列抵抗Rg、素子容量Ciのどちらかを変
更するしか方法はなかったが、前述のようにRgの変更
はもう限界に来ている。また、焦電素子の容量の変更も
厚み等の物理的寸法の変更が必要で、他の素子特性も変
化してしまうため、低域の感度特性だけを変更すること
は容易ではなかったが、このような問題も解決できる。
よれば、電流電圧変換回路の温度環境が変化した場合に
も、変換インピーダンス特性にピーク値が生じないの
で、温度変化に対して安定した焦電型赤外線検出装置が
実現できる。
発明の基本回路図である。
本回路図である。
である。
ある。
す図である。
ン結果を示すグラフである。
を示すグラフである。
の一実施図である。
シュミレーション結果を示すグラフである。
換回路の出力電圧のシュミレーション結果を示すグラフ
である。
回路の一例を示す図である。
ある。
性図である。
のシュミレーション結果を示すグラフである。
レーション結果を示すグラフである。
て、人体から輻射される赤外線エネルギーを検出し、人
体の存在や移動の検知を行ったり、輻射エネルギー、室
温を検出することで放射温度計として働く、焦電型赤外
線検出装置の改良に関する。
置に従来より用いられているFETを用いた電流電圧変
換回路を示している。この電流電圧変換回路は、FET
のゲートに焦電素子1と高抵抗Rgを並列に接続し、F
ETのソースとグランドに接続した出力抵抗Rsより電
圧信号を取り出すようになっており、熱線を感知したと
き焦電素子1から出力される信号電流は高抵抗Rgで電
圧に変換され、それをFETのゲートで受けてFETと
抵抗Rsに電流を流すことによってFETのソース電圧
を変化させ、そのとき抵抗Rsに加わる電圧を信号増幅
回路に出力する構成としている。
電圧変換回路では、赤外線に対する感度を示す出力電圧
Vは数1によって求められる。
る出力電圧Vは、図13に示すようなグラフとなる。こ
こに、輻射率:η、有効受光面積:A、入力抵抗:R、
焦電係数:λ、熱拡散係数:G、熱時定数:τt、電気
時定数:τである。また、このようなFETを用いた電
流電圧変換回路では、発生するノイズも、数2によって
求められ、その解析結果は図14に示すグラフとなる。
T、素子容量:Ci、素子誘電体損失:tanδ、FE
Tの電流性ノイズ:In、FETの電圧性ノイズ:En
である。
装置にとって重要なことは、単に焦電素子に於ける出力
信号Sが大きければ良いと言うことではなく、素子自身
から発生するノイズNとの比、つまりS/N比が重要で
ある。それは、例えて言うならば、焦電素子を改良して
同一の赤外線入射パワーに対する出力信号が従来より2
倍大きくなっても、その定常出力ノイズが4倍に増えて
いたような場合には、検出分解能や検出精度は1/2に
なり、かえって赤外線の検出能力は低下したことにな
る。
能力をアップするためには、 1)同一の赤外線入力に対して、出力信号Sをいかに大
きくできるか 2)出力ノイズNをいかに小さく抑えることができる
か、 つまり、いかにして大きなS/N比を得るかが、素子の
良否、つまり赤外線検出装置の商品的価値を決定するこ
とになる。
解析して見ると、出力電圧Vは、数1に示したように、
輻射率η、有効受光面積A、入力抵抗R、焦電係数λ、
熱拡散係数Gによって基本的感度が決まり、また熱時定
数τt、電気時定数τeによってその周波数特性が決定
されている。したがって、これらの個々のパラメータを
最適に設定することで最大の信号出力が得られるように
設計が行われているが、実際には新しい素材の焦電素子
を開発し、焦電係数の改善や、その実装方法を開発して
熱拡散係数を改善することが主となっている。
最終的には各ノイズの二乗平均でノイズ出力電圧VNが
決定される。このノイズ出力電圧VNは図15に示さ
れ、S/N比は図16に示されるが、代表的パラメータ
を分析すれば、支配的になっているのは、入力抵抗によ
る熱雑音である。この入力抵抗熱雑音は、抵抗値を更に
大きな値にすれば低減できることは解析より明らかであ
るが、温度雑音Vtは通常桁違いに小さく、この例でも
グラフの範囲外に有って表記されていない。しかしなが
ら、Rg=100GΩを越える値を採用するというの
は、焦電センサに於ける動作の安定性、つまり外来ノイ
ズ、FETのバイアス電流変動、高抵抗自身の抵抗値変
化などを考慮するとほぼ限界に近い値になっており、従
って、これ以上のノイズの低減は殆ど困難な状況にあ
り、従来の焦電センサはそのノイズ特性に於いては、ほ
とんど限界に達していると言える。
子の最大のアプリケーションである人体検知に於ける検
出周波数が1Hz中心であることから、1Hz近傍に着
目して行っている。以上の事実を考慮すると、従来のF
ETによる電流電圧変換回路を用いてS/N比を改善す
る場合、ノイズの低減はほとんど期待できず、出力信号
を増やす、例えば、焦電係数の改善、熱拡散係数の改善
などしか方法が残されていないが、現実には、種々の出
力特性の改善も限界に近づいており、素子や実装条件を
変えるだけでは2〜3倍といったS/N比の改善は望み
ようもないのが現状である。
鋭意検討の結果なされたもので、コンデンサのインピー
ダンスの周波数特性を電流電圧変換に用いることを種々
の観点から試験的に考察した結果、焦電型赤外線検出装
置のS/N比の向上に有益でかつ実現可能なことを知得
して、本発明に到達したものである。
を変更する手法に依らずに、焦電素子に帰還容量を付加
した演算増幅器を接続して電流電圧変換回路を構成し、
この電流電圧変換に対して入力換算ノイズを低減させる
種々のシミュレーション、設計を行うことによって、本
発明として到達したものである。したがって、請求項1
において提案された赤外線検出装置は、交流帰還回路と
直流帰還回路とを付加接続した演算増幅器に焦電素子を
接続し、熱線の感知時に焦電素子に生じる信号電流を電
圧信号に変換して出力させる電流電圧変換回路を備えた
構成となっている。
出装置によれば、従来のFETを用いた電流電圧変換回
路において、熱雑音の要素として支配的であった高抵抗
を使用していないため、全体としての雑音成分が減少す
る。また、演算増幅器の帰還動作を安定化するため直流
帰還回路を接続しているので、低周波に対して不安定な
帰還容量に対してもインピーダンス特性を安定化してい
るので、赤外線検出装置として使用される周波数ではS
/N比が著しく改善された。
言及している。前述した解析から明かなように、焦電素
子を固定した場合、演算増幅器を用いた電流電圧変換回
路では、ノイズ成分として、焦電素子の誘電体損失によ
る雑音成分が支配的であるが、演算増幅器も電流雑音、
電圧雑音成分を有する。特にこの2種類の雑音成分で
は、電圧雑音が周波数に影響せずにほぼ一定であり、電
流雑音より小さいが、電流雑音は周波数に影響して変化
する。
ては、電流雑音を抑制することが必要となり、そのため
の条件として、電流雑音成分が誘電体損失による雑音成
分よりも小さくなるような入力インピーダンスを有した
演算増幅器を用いることを提案している。実際の使用に
際しては、入力インピーダンスの大きな演算増幅器を使
用すれば十分である。
付加した演算増幅器の動作を安定化するために付加され
る直流帰還回路の具体的な構成を提案している。すなわ
ち、請求項3では、積分回路で構成したもの、請求項4
では、直流帰還回路の入力側に分圧回路を接続したも
の、請求項5では、分圧回路を3つの抵抗をT型に接続
して構成したものをそれぞれ提案している。
従来と同様のチップであっても(素子電流Ipの改善が
無くても)、電流電圧変換部に於ける出力電圧を大きく
したり、入力換算ノイズを低減することによって、従来
より高いS/N比を得るものである。更に、請求項6で
は、直流帰還回路を、帰還コンデンサを付加した演算増
幅器の出力端子と、その基準入力端子の各々に異なる抵
抗を接続することによって、電流電圧変換回路にバンド
パスフィルタ特性を持たせた構成にするとともに、異な
る抵抗の温度特性を同一に揃えることによって温度補償
を行い、インピーダンス特性にピーク値をなくして、温
度変化によって帰還動作が不安定になるのを防止してい
る。
換回路の基本構成を示す。図に見るように、焦電素子1
は一端をグランドに接続し、他端を演算増幅器2の入力
端子(図では反転入力端子)に接続しており、演算増幅
器2の出力端子と入力端子との間には、コンデンサで構
成された帰還容量Cfを接続している。ここに、帰還容
量Cfは交流帰還回路として構成されている。また、演
算増幅器2の出力端子と入力端子間には、更に直流帰還
回路3を設け、入力抵抗Riによって帰還を行ってい
る。
うに、インピーダンス変換のための演算増幅器2とは異
なる別の演算増幅器31にコンデンサC1と抵抗R1と
を付加させた積分回路で構成出来る。このような構成の
電流電圧変換回路によれば、焦電素子1から出力される
電流は、帰還容量Cfのインピーダンスを用いて、電流
から電圧に変換される。
回路を接続した構成を示している。図1に対応する部分
には、同じ符号を付して説明を省略する。積分回路によ
って構成された直流帰還回路3は、演算増幅器2からの
出力電圧を分圧回路4によって分圧して入力させてい
る。図4の例では、T型に組まれた3つの入力抵抗R2
〜R4は、それぞれの他端を演算増幅器2の入力端子、
演算増幅器31の出力端子、グランドに接続しており、
このようにして3つの入力抵抗R2〜R4をT型に組む
ことで、帰還回路の見かけ上のフィードバック利得を減
少させ、積分回路の持つフィードバック時定数を低域へ
シフトさせ、実質的に時定数を大きくすることで、直流
帰還回路の部品の小型化を図っている。
たようなT型に構成する必要はなく、通常の2つの抵抗
を接続したものでもよい。しかし、直流帰還回路のオフ
セット等の性能を考慮すれば、T型の方がより利点があ
る。以上のような本発明によれば、コンデンサ容量のイ
ンピーダンスを用いて信号電流を電圧に変換しているた
め、図12に示したように入力抵抗Rgによって信号電
流を電圧に変換していた従来のFETバッファを用いた
回路に比べて、出力ノイズ電圧を支配していた抵抗の熱
雑音が排除されるため、ノイズ源を根本的になくすこと
が出来きるので、トータルノイズの低減化が図れる。
は、積分回路で直流帰還回路を構成した図2に示した回
路についてのシミュレーション結果を説明する。まず、
信号出力となる出力電圧Vについて解析する。出力電圧
Vは、数3によって求められた変換インピーダンスと、
素子電流との積として求められ、変換インピーダンス特
性は図5に示すようになる。
て傾斜部分のインピーダンス特性はインピーダンスZ=
1/(ω・Cf)で与えられるので、周波数が低くなる
にしたがってその値は上昇していくが、直流帰還回路が
働いているため、帰還回路の時定数τdcによって決ま
る周波数から下は逆にインピーダンスは下降していく。
つまり、インピーダンスは、帰還回路時定数τdcによ
って定まる各速度ωdcでピークを持つようなカーブと
なる。
た解析で示したように熱時定数τtをポールとするHP
Fのような特性を示す。従って、出力電圧Vは、変換イ
ンピーダンスZに素子電流Ipをかけて、V=Z×Ip
として求められる。
τdcで、高域のカットオフ周波数がτtで決定される
BPFのような特性を示すことになる。次いで、ノイズ
特性の解析を行う。図6は各ノイズ電圧について解析し
た結果を示す。図6では焦電素子の温度雑音等や演算増
幅器の1/fノイズは、それほど影響がないため、支配
的となるパラメータを記述している。
ノイズ出力電圧を実際に計算してシミュレーションした
結果を、図8はS/Nをシミュレーションした結果をグ
ラフで示している。各ノイズ特性から分かるようにコン
デンサの誘電体損失=tanδによるノイズVδが支配
的となっており(但し、1Hz近傍に於いて)、図8で
は、そのトータルノイズをNv、信号出力をSvとして
示している。したがって、S/N比はSv/Nvで求め
られる。
との比較を行うため、FETバッファを用いた電流電圧
変換回路についても、本発明と同様な条件でシミュレー
ションを行った図15,図16はそれぞれ、図7、図8
に対応したグラフである。ここでは、焦電素子の素子熱
基準電流を本発明の場合と同様に0.1fAとし、他の
回路条件を同じものにした。
のようになり、本発明によるS/N比は、 Nv(out)=2.8[μV/√Hz] Sv(out)=3.0[μV] ゆえに、S/N=1.1(但し、1Hz) これに対して、従来のFETバッファを用いた方式によ
るS/N比は、 Nv(out)=2.4[μV/√Hz] Sv(out)=1.4[μV] S/N=0.58(但し、1Hz)という計算結果とな
った。
では、1Hzの近傍においては、従来のFETバッファ
を用いた場合に比べて、2倍ほどのS/N比改善が行わ
れていることが分かる。これを定性的に分析すれば、従
来のノイズ成分として支配的であった抵抗Rgによる熱
雑音がなくなることで全体としてローノイズ化が図れた
ものと思われる。なお、図7、図8のシミュレーション
結果では、変換インピーダンスがFETバッファを用い
たものよりも上がったためノイズの絶対値は下がってい
ないが、その分、信号出力電圧Svも上昇し、結果とし
てS/N比が向上している。
れば、演算増幅器の帰還容量が小さいほどより高いS/
N比が得られる事も分かっている。従って、シミュレー
ションの例では、帰還容量を10pFより小さい値とす
ることで、従来の方式に対して更に2倍以上のS/N比
改善を行うことも可能である。
ズ解析の結果から、本発明において高いS/N比を得る
ためにはI/V変換のために用いる演算増幅器の電流雑
音は小さい方が良く、従って、入力バイアス電流の小さ
なタイプ、つまり入力インピーダンスが高いタイプが望
まれる。このような条件の演算増幅器は、一般的には入
力段にFETを用いたタイプを使用すればよい。
圧変換回路について説明する。図9は、この回路の実施
例を示しており、直流帰還回路は、帰還コンデンサC1
を接続した演算増幅器32の出力端子と、帰還容量Cf
を付加した演算増幅器2の反転入力端子との間には抵抗
Riを接続し、さらに演算増幅器32の反転入力端子
は、抵抗R1を介してグランドに接続された基準電圧V
rが接続されている。焦電素子1は演算増幅器2の反転
入力端子に接続されており、この点は前述の回路と同じ
である。また、演算増幅器2の出力端子は、そのまま演
算増幅器32の非反転入力端子に接続され、演算増幅器
2の反転入力端子には基準電圧Vrが加えられている。
には基準電圧Vrを与えることによって、演算増幅器が
片電源駆動方式である場合にも、動作点をVrに上げる
ことによって、入力信号が正、負のいずれに対しても出
力信号が得られるようにしている。この場合Vrは、0
<Vr<VDD(ここに、VDDは演算増幅器の駆動電源)
の範囲に設定されるが、Vr=VDD/2に設定すれば、
正、負いずれの入力信号対しても最大の動作範囲を得る
ことが可能となる。
ィルタとして働き、この時のインピーダンスZ(s)は
数5で表わされる。
形は、数6で表わされるから、数5,数6の2つの式よ
り、数7が求められる。
の周波数特性は、バンドパスフィルタの役割を果たすこ
とが分かる。ここで、ω0は中心周波数でQは一般に選
択度と呼ばれるものである。このような電流電圧変換回
路では、ノイズ成分の一つとしてRiによる熱雑音が支
配的であり、これを抑えるためにはRiの値を1T(テ
ラ)Ω程度以上の高抵抗にしなければならないが、この
ような高抵抗は温度特性が大きいため、温度変化により
Riの値が大きく変動することになる。ところが、抵抗
値が大きくなると、変換インピーダンスの周波数特性に
ピークが表れ、回路が不安定な状態になってしまう。
解決するもので、温度が変化しても変換インピーダンス
の周波数特性にピークが生じない、すなわち回路の安定
性が温度変化に対して強い構成にしている。この電流電
圧変換回路では、直流帰還回路部のバンドパスフィルタ
を形成することとなる抵抗R1とRiに同じ温度特性を
持つものを選択しており、そのため温度変化によりRi
の値が大きく変動しても、同じようにR1の値も変動す
るため、温度補償がなされ、結果としてQは変動しな
い。したがって、変換インピーダンスの周波数特性にピ
ークが生じないことになる。
変換インピーダンスの周波数特性をシミュレーションし
た結果を示している。 回路定数は素子容量Ci=12pF,帰還容量Cf=1
2pF,Ri=1TΩ,R1=2.4GΩ,C1=10
nFとしている。(A)は抵抗Ri,R1を1倍にした
場合、(B)は5倍にした場合、(C)は10倍にした
時のシミュレーショ結果を示している。
えない場合のインピーダンスの周波数特性を表わしてい
る。回路定数は図10の場合と同じであるが、(A)は
抵抗Riのみを1倍、(B)は5倍、(C)は10倍に
した時の結果を示している。これらの結果からわかるよ
うに、図11では、抵抗が大きくなれば変換インピーダ
ンスの周波数特性にピークが鋭くなっていくのに対し
て、図10では、鋭いピークはなく、グラフの形に変動
がなくなっていることがわかる。
度変化により回路中の高抵抗器の値が大きく変動して
も、回路のQ値は変わらない。したがって、温度変化に
対しても回路の安定性を向上させることができる。
よれば、以下のような効果が得られる。 (1)FETを用いた従来の電流電圧変換回路に比べ
て、S/N比が著しく改善出来る。
抵抗などの外付け部品を使用せず、半導体素子を用いて
回路構成できるため、焦電素子、レンズの小型化も可能
となり、検出器も小型化できる。 (2)焦電素子に関係なく、帰還容量の値によって、出
力電圧の利得がコントロールできる。
メータで決定される単なるバッファであるので利得を調
整することができなかったが、本発明では帰還容量のイ
ンピーダンス特性を用いているので、帰還容量の値を変
更すれば利得調整が出来る。 (3)焦電素子に関係なく、出力電圧の低域の時定数
を、回路素子でコントロールできる。
容量で決まる電気時定数で決定されていたが、本発明で
は帰還容量を付加した演算増幅器に更に付加する直流帰
還回路の回路素子を選択することによって、出力電圧の
低域の時定数を調整できる。 (4)周波数特性を、焦電素子に関係なく調整できる。
上記した(2)及び(3)の効果は、焦電素子自身のパ
ラメータに関係なく、利得と周波数特性を、外部の回路
素子によって設計可能であることを意味するので、後段
に続く増幅回路やシステム全体の周波数特性の設計変更
を図る点で大きなメリットとなる。したがって、焦電素
子の低域の感度を上げたい場合には、FETを用いた従
来では、並列抵抗Rg、素子容量Ciのどちらかを変更
するしか方法はなかったが、前述のようにRgの変更は
もう限界に来ている。また、焦電素子の容量の変更も厚
み等の物理的寸法の変更が必要で、他の素子特性も変化
してしまうため、低域の感度特性だけを変更することは
容易ではなかったが、このような問題も解決できる。
明によれば、電流電圧変換回路の温度環境が変化した場
合にも、変換インピーダンス特性にピーク値が生じない
ので、温度変化に対して安定した焦電型赤外線検出装置
が実現できる。
発明の基本回路図である。
本回路図である。
である。
ある。
す図である。
ン結果を示すグラフである。
を示すグラフである。
の一実施図である。
シミュレーション結果を示すグラフである。
換回路の出力電圧のシミュレーション結果を示すグラフ
である。
回路の一例を示す図である。
ある。
性図である。
のシミュレーション結果を示すグラフである。
レーション結果を示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】帰還容量を付加した演算増幅器に焦電素子
を接続し、熱線の感知時に焦電素子に生じる信号電流を
電圧信号に変換して出力させる電流電圧変換回路を有し
た焦電型赤外線検出器。 - 【請求項2】請求項1において、 上記演算増幅器は、直流帰還回路を付加している焦電型
赤外線検出装置。 - 【請求項3】請求項1において、 上記演算増幅器は、その電流雑音成分が上記焦電素子の
誘電体損失によって生じる雑音成分よりも小さくなる程
度に十分に大きい入力インピーダンスを有したものであ
る焦電型赤外線検出装置。 - 【請求項4】請求項1において、 上記直流帰還回路が、積分回路で構成されている焦電型
赤外線検出装置。 - 【請求項5】請求項1において、 上記直流帰還回路の入力側には、上記演算増幅器からの
出力電圧を分圧する分圧回路を更に接続した構成として
いる焦電型赤外線検出装置。 - 【請求項6】請求項5において、 上記分圧回路は、3つの抵抗をT型に接続した構成とし
ている焦電型赤外線検出装置。 - 【請求項7】請求項2において、 上記直流帰還回路は、コンデンサを付加した演算増幅器
を有し、その出力端子と、その基準入力端子の各々に、
異なる抵抗を接続することによって、上記電流電圧変換
回路にバンドパスフィルタ特性を持たせており、かつ上
記双方の異なる抵抗の温度特性を同一に揃えた構成とし
ている焦電型赤外線検出装置。
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