JPH10280148A - 被覆硬質部材 - Google Patents
被覆硬質部材Info
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- JPH10280148A JPH10280148A JP10670097A JP10670097A JPH10280148A JP H10280148 A JPH10280148 A JP H10280148A JP 10670097 A JP10670097 A JP 10670097A JP 10670097 A JP10670097 A JP 10670097A JP H10280148 A JPH10280148 A JP H10280148A
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- coating film
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- film
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- cutting
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/009—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/45—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
- C04B41/52—Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
- Structural Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 被覆硬質部材に於いて、アルミナ層自体の耐
摩耗性、特に耐クレーター摩耗性、耐アブレシブ摩耗性
を改善し、超寿命な切削工具を提供することを目的とす
る。 【構成】 基体表面にTiとSiからなる2元系の炭化
物、窒化物、酸化物及びそれらの固溶体又は混合体を被
覆してなる化学蒸着膜を少なくとも1層もうけるととも
に、全膜厚の50%以上が前記2元系の膜であることを
特徴とする被覆硬質部材。
摩耗性、特に耐クレーター摩耗性、耐アブレシブ摩耗性
を改善し、超寿命な切削工具を提供することを目的とす
る。 【構成】 基体表面にTiとSiからなる2元系の炭化
物、窒化物、酸化物及びそれらの固溶体又は混合体を被
覆してなる化学蒸着膜を少なくとも1層もうけるととも
に、全膜厚の50%以上が前記2元系の膜であることを
特徴とする被覆硬質部材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、アルミナを被覆した
超硬合金、特に切削工具として用いたとき、耐クレータ
ー摩耗を改善した被覆硬質部材に関する。
超硬合金、特に切削工具として用いたとき、耐クレータ
ー摩耗を改善した被覆硬質部材に関する。
【0002】
【従来の技術】被覆超硬合金工具、特にアルミナを被覆
したものは旋削用に幅広く使用されている。特に、アル
ミナ層には結晶構造よりα、κ、θ型等多数のものが存
在するが、α型・κ型が実用化されており、特開平6−
316758号にはαアルミナを被覆し、その膜厚と粒
度に関して書かれている。同号によれば、αアルミナの
緻密な微細グレン化層を少なくとも1層設けることによ
り、鋼・ステンレス鋼、鋳鉄、ダクタイル鋳鉄に対して
向上した切削性能を発揮する。また、PVD法において
は、(TiAl)N膜が実用化され、TiN等の皮膜に
対して著しく耐摩耗性を向上させた切削工具が実用化さ
れている。
したものは旋削用に幅広く使用されている。特に、アル
ミナ層には結晶構造よりα、κ、θ型等多数のものが存
在するが、α型・κ型が実用化されており、特開平6−
316758号にはαアルミナを被覆し、その膜厚と粒
度に関して書かれている。同号によれば、αアルミナの
緻密な微細グレン化層を少なくとも1層設けることによ
り、鋼・ステンレス鋼、鋳鉄、ダクタイル鋳鉄に対して
向上した切削性能を発揮する。また、PVD法において
は、(TiAl)N膜が実用化され、TiN等の皮膜に
対して著しく耐摩耗性を向上させた切削工具が実用化さ
れている。
【0003】更に、J Vac Sci Tech A(4)6 1986、A.S.Ga
tes著「Composite,structure,andwear resistance of T
iAlOC coatings deposited by Chemical Vapor Deposit
ion」によれば、TiwAlxOvCzの膜をCVD法によ
りTiC膜上に成膜し、膜中のAl含有量を3〜58%
にし、切削工具として用いた例が開示されている。
tes著「Composite,structure,andwear resistance of T
iAlOC coatings deposited by Chemical Vapor Deposit
ion」によれば、TiwAlxOvCzの膜をCVD法によ
りTiC膜上に成膜し、膜中のAl含有量を3〜58%
にし、切削工具として用いた例が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アルミナ層自
体の耐摩耗性、特に耐クレーター摩耗性、耐アブレシブ
摩耗性を改善するため、まず、摩耗メカニズムを考えた
場合、アルミナ層は酸化物であるため切削時の高い温度
域に於いても硬さ低下が少なく、ある程度までは持ちこ
たえるが、アルミナ層がブレークされた後では、その下
のTiCやTiCN等が摩耗するがアルミナに比較し耐
酸化性は劣るため急速に摩耗が進行する。TiCやTi
CN等の膜質の耐酸化性を向上させることは不可能であ
った。Ti化合物はその硬さの高い特徴を生かして耐摩
耗膜に利用されているが、切削温度前後の高温域ではア
ルミナ膜よりも硬さが低く、また酸化性雰囲気にさらさ
れるため、より摩耗の進行が早いという問題があった。
体の耐摩耗性、特に耐クレーター摩耗性、耐アブレシブ
摩耗性を改善するため、まず、摩耗メカニズムを考えた
場合、アルミナ層は酸化物であるため切削時の高い温度
域に於いても硬さ低下が少なく、ある程度までは持ちこ
たえるが、アルミナ層がブレークされた後では、その下
のTiCやTiCN等が摩耗するがアルミナに比較し耐
酸化性は劣るため急速に摩耗が進行する。TiCやTi
CN等の膜質の耐酸化性を向上させることは不可能であ
った。Ti化合物はその硬さの高い特徴を生かして耐摩
耗膜に利用されているが、切削温度前後の高温域ではア
ルミナ膜よりも硬さが低く、また酸化性雰囲気にさらさ
れるため、より摩耗の進行が早いという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するため、アルミナ層同様の耐酸化性に優れる特徴
をTi系皮膜に備えさせ、切削時にも酸化の進行を抑え
て耐摩耗性を向上させることにより解決したものであ
り、基体表面にTiとSiからなる金属元素が2元系の
炭化物、窒化物、酸化物及びそれらの固溶体又は混合体
を被覆してなる化学蒸着皮膜を少なくとも1層もうける
とともに、全膜厚の50%以上が前記2元系の膜である
ことを特徴とする被覆硬質部材であり、前記全膜厚の2
5%未満は周期律表4a、5a、6a族の炭化物、窒化
物、炭窒化物のうち1種または2種から選ばれる層を1
層以上、又は、Alの酸化物からなる1層以上の皮膜で
あることを特徴とする被覆硬質部材である。
解決するため、アルミナ層同様の耐酸化性に優れる特徴
をTi系皮膜に備えさせ、切削時にも酸化の進行を抑え
て耐摩耗性を向上させることにより解決したものであ
り、基体表面にTiとSiからなる金属元素が2元系の
炭化物、窒化物、酸化物及びそれらの固溶体又は混合体
を被覆してなる化学蒸着皮膜を少なくとも1層もうける
とともに、全膜厚の50%以上が前記2元系の膜である
ことを特徴とする被覆硬質部材であり、前記全膜厚の2
5%未満は周期律表4a、5a、6a族の炭化物、窒化
物、炭窒化物のうち1種または2種から選ばれる層を1
層以上、又は、Alの酸化物からなる1層以上の皮膜で
あることを特徴とする被覆硬質部材である。
【0006】
【作用】まず、被覆硬質部材の膜としては、TiとSi
を様々に組み合わせた皮膜を用いる。すなわち、ハロゲ
ン化チタン、シラン系ガス、メタン系ガス、窒素ガス、
2酸化炭素系ガス、アセトニトリル系等のガスを反応さ
せTiSiCNO等の炭化物、窒化物、酸化物及びそれ
らの固溶体又は混合体を被覆する。Ti系皮膜の特徴を
出す場合には、蒸着ガス系のハロゲン化チタンの量を減
少させ、シラン系ガスを少量流して蒸着し、Ti化合物
中にSiとの複化合物を形成させて、この複化合物の皮
膜を設ける。Si系皮膜の特徴を出す場合には、蒸着ガ
ス系のハロゲン化チタンの量を少量とし、シラン系ガス
を流して蒸着し、Si化合物中にTiとの複化合物を形
成させて、この複化合物の皮膜を設ける。
を様々に組み合わせた皮膜を用いる。すなわち、ハロゲ
ン化チタン、シラン系ガス、メタン系ガス、窒素ガス、
2酸化炭素系ガス、アセトニトリル系等のガスを反応さ
せTiSiCNO等の炭化物、窒化物、酸化物及びそれ
らの固溶体又は混合体を被覆する。Ti系皮膜の特徴を
出す場合には、蒸着ガス系のハロゲン化チタンの量を減
少させ、シラン系ガスを少量流して蒸着し、Ti化合物
中にSiとの複化合物を形成させて、この複化合物の皮
膜を設ける。Si系皮膜の特徴を出す場合には、蒸着ガ
ス系のハロゲン化チタンの量を少量とし、シラン系ガス
を流して蒸着し、Si化合物中にTiとの複化合物を形
成させて、この複化合物の皮膜を設ける。
【0007】Ti化合物中にSiを少量含有させると、
Ti化合物の特徴である粒子形状、例えば柱状、粒状等
の特長を生かしたまま、それらの粒界にSiがより多く
分散するようになり、Ti化合物膜質の耐摩耗性等の特
徴を生かしたまま、耐酸化性を向上させることができ、
更に切刃の切削熱の影響による酸化反応に対して、アル
ミナの特徴である優れた耐酸化性により酸化を防止する
ことができる。2元系の膜厚を全膜厚の50%以上とし
たのは、摩耗が進行していく状況下で最大限厚くもうけ
たほうが各膜での耐酸化性を向上することができ、アル
ミナ層の膜厚を含めれば75%以上が好ましい。超硬合
金等を基体とする場合には、アルミナを含有する皮膜
は、基体−皮膜間の密着性を劣化させるため、密着性を
確保するために基体と接触する膜質として周期律表4
a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭窒化物のうち1
種または2種から選ばれる層を1層以上もうけ、蒸着時
に基体を保護する。また、皮膜の最表面は装飾のため、
特に金色、紫色等の色調を用いる場合には、2元系とす
ると色調が異なってしまうため、特にTiNやTiCN
等の周期律表4a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭
窒化物のうち1種または2種から選ばれる層を1層以上
薄くもうけるとよい。上記皮膜は、最低限の厚みでよい
が、基体側で0.5〜2ミクロン、表面側でも同様な膜
厚とすることが好ましい。また、アルミナ層は前記全膜
厚の25%未満としたが、Ti化合物を含まずにAlの
酸化物からのみなる層とすることにより、耐酸化バリア
ーとしての特徴をより発揮させることができ、また複数
の箇所にもうけてもよい。以下、実施例に基づき具体的
に説明する。
Ti化合物の特徴である粒子形状、例えば柱状、粒状等
の特長を生かしたまま、それらの粒界にSiがより多く
分散するようになり、Ti化合物膜質の耐摩耗性等の特
徴を生かしたまま、耐酸化性を向上させることができ、
更に切刃の切削熱の影響による酸化反応に対して、アル
ミナの特徴である優れた耐酸化性により酸化を防止する
ことができる。2元系の膜厚を全膜厚の50%以上とし
たのは、摩耗が進行していく状況下で最大限厚くもうけ
たほうが各膜での耐酸化性を向上することができ、アル
ミナ層の膜厚を含めれば75%以上が好ましい。超硬合
金等を基体とする場合には、アルミナを含有する皮膜
は、基体−皮膜間の密着性を劣化させるため、密着性を
確保するために基体と接触する膜質として周期律表4
a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭窒化物のうち1
種または2種から選ばれる層を1層以上もうけ、蒸着時
に基体を保護する。また、皮膜の最表面は装飾のため、
特に金色、紫色等の色調を用いる場合には、2元系とす
ると色調が異なってしまうため、特にTiNやTiCN
等の周期律表4a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭
窒化物のうち1種または2種から選ばれる層を1層以上
薄くもうけるとよい。上記皮膜は、最低限の厚みでよい
が、基体側で0.5〜2ミクロン、表面側でも同様な膜
厚とすることが好ましい。また、アルミナ層は前記全膜
厚の25%未満としたが、Ti化合物を含まずにAlの
酸化物からのみなる層とすることにより、耐酸化バリア
ーとしての特徴をより発揮させることができ、また複数
の箇所にもうけてもよい。以下、実施例に基づき具体的
に説明する。
【0008】
【実施例】市販のWC粉末(平均粒度4μm)、TiC
N粉末(平均粒度1μm)、TaC粉末(同1.2μ
m)、Co粉末(同1μm)を用意し、これらを切削用
超硬合金M20相当の組成に配合し、ボールミル中で湿
式粉砕、混合を行ない、乾燥処理後プレス成形した。次
に、真空中1400℃で焼結し、所定サイズの切削チッ
プに加工した後、アルミナ磁器反応管中でH2、N2、T
iCl4混合気流中で第1層のTiN層を被覆する。次
いで、ガス系をTiCl4 を減じ、SiH4ガスをTi
Cl4を減じた分流し、反応性ガスをCH3CNガスに変
えてTiSiCN層を第2層として形成した。さらにガ
ス系のTiCl4、SiH4、CH3CNを止め、CO2、
AlCl3混合気流中にてアルミナを第3層として形成
させた。そのチップを取り出し、断面を分析した結果、
第1層1μm、第2層10μm、第3層2μmの膜厚が
得られ、第2層中の成分はSiが10%分散し、残Ti
のCN膜となり、結晶は柱状を呈していた。尚、比較の
ため、第2層でSiを加えない以外は同一の成膜条件
で、同様な層構造を有するチップも製作した。
N粉末(平均粒度1μm)、TaC粉末(同1.2μ
m)、Co粉末(同1μm)を用意し、これらを切削用
超硬合金M20相当の組成に配合し、ボールミル中で湿
式粉砕、混合を行ない、乾燥処理後プレス成形した。次
に、真空中1400℃で焼結し、所定サイズの切削チッ
プに加工した後、アルミナ磁器反応管中でH2、N2、T
iCl4混合気流中で第1層のTiN層を被覆する。次
いで、ガス系をTiCl4 を減じ、SiH4ガスをTi
Cl4を減じた分流し、反応性ガスをCH3CNガスに変
えてTiSiCN層を第2層として形成した。さらにガ
ス系のTiCl4、SiH4、CH3CNを止め、CO2、
AlCl3混合気流中にてアルミナを第3層として形成
させた。そのチップを取り出し、断面を分析した結果、
第1層1μm、第2層10μm、第3層2μmの膜厚が
得られ、第2層中の成分はSiが10%分散し、残Ti
のCN膜となり、結晶は柱状を呈していた。尚、比較の
ため、第2層でSiを加えない以外は同一の成膜条件
で、同様な層構造を有するチップも製作した。
【0009】次に、そのチップを用いて、耐酸化性を評
価する目的で切削試験を行った。切削諸元はより酸化性
の高い状態で行うため、切削速度300m/min、切
り込み量1〜2mm、送り量0.7mm/revで部品
加工(構造用鋼)で行い、一定個数加工後に、逃げ面摩
耗量を測定しその状態を確認した。その結果を図1に示
す。
価する目的で切削試験を行った。切削諸元はより酸化性
の高い状態で行うため、切削速度300m/min、切
り込み量1〜2mm、送り量0.7mm/revで部品
加工(構造用鋼)で行い、一定個数加工後に、逃げ面摩
耗量を測定しその状態を確認した。その結果を図1に示
す。
【0010】図1より、本発明例と比較例では、アルミ
ナ膜がブレークした後の摩耗カーブが異なり、本発明例
に対し比較例では傾きが大きなカーブとなり、TiSi
CN膜の耐酸化性・耐摩耗性がTiCN膜の耐酸化性・
耐摩耗性より優れていることがわかる。
ナ膜がブレークした後の摩耗カーブが異なり、本発明例
に対し比較例では傾きが大きなカーブとなり、TiSi
CN膜の耐酸化性・耐摩耗性がTiCN膜の耐酸化性・
耐摩耗性より優れていることがわかる。
【0011】次いで、実施例1と同様のガス系を使用し
て、TiCl4、SiH4の比率を変化させて、TiとS
iの比率が異なるチップを制作した。これらのチップも
実施例1同様に膜中のAl量を分析した結果、Ti/S
i比の異なったものとなっていた。その製造条件及び分
析結果を表1に示す。
て、TiCl4、SiH4の比率を変化させて、TiとS
iの比率が異なるチップを制作した。これらのチップも
実施例1同様に膜中のAl量を分析した結果、Ti/S
i比の異なったものとなっていた。その製造条件及び分
析結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】また、層構造は第1層TiN 2μm、第
2層TiSiCN 2μm、第3層TiSiC 2μ
m、第4層TiSiCN 2μm、第5層 Al2O3
2μm、第6層 TiN 0.5μmの膜厚とし、その
Ti/Si比と層構造を表2に示す。
2層TiSiCN 2μm、第3層TiSiC 2μ
m、第4層TiSiCN 2μm、第5層 Al2O3
2μm、第6層 TiN 0.5μmの膜厚とし、その
Ti/Si比と層構造を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】次に、それらのチップを用いて実施例1同
様な切削諸元で行った結果を図2に示す。図2より、本
発明例ではSi比率が高くなるに従い、アルミナ膜がブ
レークした後の摩耗カーブが異なり、その傾きが小さな
カーブとなり、TiSiCN膜の耐酸化性・耐摩耗性が
TiCN膜の耐酸化性・耐摩耗性より優れていることが
わかる。
様な切削諸元で行った結果を図2に示す。図2より、本
発明例ではSi比率が高くなるに従い、アルミナ膜がブ
レークした後の摩耗カーブが異なり、その傾きが小さな
カーブとなり、TiSiCN膜の耐酸化性・耐摩耗性が
TiCN膜の耐酸化性・耐摩耗性より優れていることが
わかる。
【0016】
【発明の効果】本発明を適用することにより、従来アル
ミナ層のみであった耐酸化性に優れた膜をTi中にSi
を分散させることにより耐酸化性、耐摩耗性に優れた膜
をより厚くし切削工具として用いた場合には、耐摩耗性
に優れた膜とすることができ、またTiとAlを複化合
物とすることにより両者の特性をより生かすことができ
る。
ミナ層のみであった耐酸化性に優れた膜をTi中にSi
を分散させることにより耐酸化性、耐摩耗性に優れた膜
をより厚くし切削工具として用いた場合には、耐摩耗性
に優れた膜とすることができ、またTiとAlを複化合
物とすることにより両者の特性をより生かすことができ
る。
【図1】図1は、加工個数−逃げ面摩耗量の関係を示
す。
す。
【図2】図2は、加工個数−逃げ面摩耗量の関係を示
す。
す。
Claims (3)
- 【請求項1】 基体表面にTiとSiからなる金属元素
が2元系の炭化物、窒化物、酸化物及びそれらの固溶体
又は混合体を被覆してなる化学蒸着膜を少なくとも1層
もうけるとともに、全膜厚の50%以上が該化学蒸着膜
であることを特徴とする被覆硬質部材。 - 【請求項2】 前記全膜厚の25%未満は周期律表4
a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭窒化物のうち1
種または2種から選ばれる層を1層以上被覆したことを
特徴とする請求項1記載の被覆硬質部材。 - 【請求項3】 前記全膜厚の25%未満はAlの酸化物
からなることを特徴とする請求項1乃至2記載の被覆硬
質部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10670097A JPH10280148A (ja) | 1997-04-09 | 1997-04-09 | 被覆硬質部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10670097A JPH10280148A (ja) | 1997-04-09 | 1997-04-09 | 被覆硬質部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10280148A true JPH10280148A (ja) | 1998-10-20 |
Family
ID=14440295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10670097A Pending JPH10280148A (ja) | 1997-04-09 | 1997-04-09 | 被覆硬質部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10280148A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004506525A (ja) * | 2000-08-11 | 2004-03-04 | ケンナメタル インコーポレイテッド | クロム含有セメンテッドタングステンカーバイド体 |
JP2015016512A (ja) * | 2013-07-09 | 2015-01-29 | 三菱マテリアル株式会社 | 高速断続切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具 |
JP2015505902A (ja) * | 2011-12-05 | 2015-02-26 | フラウンホーファー−ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウFraunhofer−Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V. | 金属、硬質金属、サーメット又はセラミックの硬質材料被覆体並びにこのような物体の製造法 |
US11813677B1 (en) | 2022-08-30 | 2023-11-14 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Cutting tool |
WO2024047752A1 (ja) * | 2022-08-30 | 2024-03-07 | 住友電気工業株式会社 | 切削工具 |
-
1997
- 1997-04-09 JP JP10670097A patent/JPH10280148A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004506525A (ja) * | 2000-08-11 | 2004-03-04 | ケンナメタル インコーポレイテッド | クロム含有セメンテッドタングステンカーバイド体 |
JP2015505902A (ja) * | 2011-12-05 | 2015-02-26 | フラウンホーファー−ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウFraunhofer−Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V. | 金属、硬質金属、サーメット又はセラミックの硬質材料被覆体並びにこのような物体の製造法 |
EP2788527B1 (de) * | 2011-12-05 | 2021-03-24 | Fraunhofer Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Hartstoffbeschichtete körper aus metall, hartmetall, cermet oder keramik sowie verfahren zur herstellung derartiger körper |
JP2015016512A (ja) * | 2013-07-09 | 2015-01-29 | 三菱マテリアル株式会社 | 高速断続切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具 |
US11813677B1 (en) | 2022-08-30 | 2023-11-14 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Cutting tool |
WO2024047753A1 (ja) * | 2022-08-30 | 2024-03-07 | 住友電気工業株式会社 | 切削工具 |
WO2024047752A1 (ja) * | 2022-08-30 | 2024-03-07 | 住友電気工業株式会社 | 切削工具 |
US11975391B2 (en) | 2022-08-30 | 2024-05-07 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Cutting tool |
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