JPH10280013A - 金属磁性粉末の製造方法及び製造装置 - Google Patents

金属磁性粉末の製造方法及び製造装置

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JPH10280013A
JPH10280013A JP9110375A JP11037597A JPH10280013A JP H10280013 A JPH10280013 A JP H10280013A JP 9110375 A JP9110375 A JP 9110375A JP 11037597 A JP11037597 A JP 11037597A JP H10280013 A JPH10280013 A JP H10280013A
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gas
heating
reducing
reactor
phase oxidation
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Yoshinori Hama
良典 浜
Toshiharu Arita
俊治 有田
Shiyuuhei Arikita
周平 有北
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Kao Corp
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    • B22F9/22Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds starting from solid metal compounds using gaseous reductors
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属磁性粉末の製造段階における形骸粒子の形
状変化及び形骸粒子同士の焼結を防止し、造粒物の形状
を維持した状態で、優れた磁気特性を示す金属磁性粉末
を工業的規模で高効率で量産する為の製造方法及び製造
装置を提供すること。 【解決手段】鉄化合物粉末を還元性ガスの存在下で加熱
還元する金属磁性粉末の製造方法において、鉄化合物粉
末の造粒物をガス流通可能な構造の搬送容器に載置し、
該搬送容器を加熱還元反応炉に搬入し、鉄化合物粉末の
造粒物を還元性ガスの存在下で加熱還元する金属磁性粉
末の製造方法、並びに還元性ガス供給手段を有する加熱
還元反応炉と、ガス流通可能な構造の搬送容器と、該搬
送容器を該加熱還元反応炉に搬入し、加熱還元処理後に
搬出する移送手段とを備え、該搬送容器内に載置された
鉄化合物粉末の造粒物が還元性ガスの存在下で加熱還元
される構造とした金属磁性粉末の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属磁性粉末の製造
方法及び製造装置に関する。更に詳しくは磁気記録に有
用な金属磁性粉末の製造方法及び製造装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の記録方式の発展は著しいも
のがあるが、中でも磁気記録再生装置の小型軽量化の進
歩は顕著である。これにつれて磁気テープ・磁気ディス
ク等の磁気記録媒体に対する高性能化の要求が大きくな
ってきている。磁気記録に対するこのような要求を満足
するためには、高い保磁力と高い飽和磁化を有する磁性
粉末が必要である。従来、磁気記録用の磁性粉末として
一般には針状のマグネタイトやマグヘマイト又はこれら
の磁性酸化鉄粉末をコバルトで変性したいわゆるコバル
ト含有酸化鉄が用いられているが、より高出力の媒体を
得るために、より高い保磁力・飽和磁化を持つ強磁性金
属粉末、いわゆるメタル磁性粉が用いられ始めている。
【0003】このような金属磁性粉末の製造方法として
は、一般的に針状の含水酸化鉄又は酸化鉄を主体として
含む鉄化合物の粉末を水素等の還元性ガス雰囲気中で加
熱して金属鉄にまで還元する方法が用いられている。こ
の方法においては、還元をより高温で行うほど一次粒子
である針状の形骸粒子を構成する金属鉄の結晶子の粒成
長が促進され、金属磁性粒子粉末の保磁力・飽和磁化を
高めることができる。しかし、逆に、高温で還元を行う
と形骸粒子の針状形状が崩壊したり、形骸粒子同士の焼
結が起きてしまい、その結果、金属磁性粉末の保磁力、
角形比等の磁気特性が低下するといった問題が生じる。
従って、満足する性能の金属磁性粉末を得るためには、
如何に原料粒子の針状性を維持しながら結晶性の良好な
金属磁性粉末とするかが解決すべき課題となる。
【0004】従来から、この課題を解決するため種々の
還元法が提案されている。例えば、1)流動床反応装置
を用いて還元する方法(例えば、特開昭58−1745
09号公報、特開昭55−157214号公報)、2)
固定床反応装置を用いて還元する方法(例えば、特公昭
60−48563号公報、特公平1−52442号公
報)、3)ガス流通型ベルト式反応装置を用いる方法
(特開平6−93312号公報、特開平6−17282
1号公報、USP5470374)等が挙げられる。
【0005】このうち1)の還元方式は、気体−固体の
接触が良好であるが、粉末粒子同士の接触あるいは衝突
により粉末の凝集が促進されて磁気特性が低下したり、
また微粉が発生してこれが反応器外に飛び出してしまう
といった問題がある。これに対して、2)の固定床方式
で還元を行えば上記問題は解決できるが、この還元方式
では次の様な問題がある。すなわち、酸化鉄の水素還元
反応は2つの段階からなり、次式で示される。 3Fe2 3 +H2 →2Fe3 4 +H2 O (1) Fe3 4 +4H2 →3Fe+4H2 O (2)
【0006】固定床ではこの反応による生成水蒸気が、
原料粒子の層高(層厚み)が高くなるに従い蓄積される
ため、層上部の水蒸気分圧が過大となる。そして、水蒸
気は針状の形骸粒子を構成する結晶子の粒子成長を促進
する。このため層高が高くなるほど形骸粒子を構成する
結晶子の大きさ(X線結晶粒径)が大きくなりすぎて針
状形状の変形及び形骸粒子間の焼結が生じ、得られた金
属磁性粉末の磁気特性が低下する。さらに(2)の反応
は可逆反応であるため、層高が高くなるほど生成水蒸気
の影響をうけて還元反応速度が低下し還元が不均一とな
る。(層高/固定床塔径)を小さくすれば均一で磁気特
性に優れた金属磁性粉末を得ることができるが、その様
な固定床バッチ還元方式では生産効率が非常に悪く工業
的に適していない。
【0007】3)のガス流通型ベルト炉を用いる方法
は、低い層高で実質上静置状態で還元するため、均一で
磁気特性に優れた金属磁性粉末を量産可能な技術である
が、原料粒子を造粒物として処理するため、2)の固定
床反応方式と共通の次のような問題がある。
【0008】造粒物はその粒子内で上記(1)式、
(2)式により生成した水蒸気が拡散除去されやすいよ
うに、空隙率の大きいものが用いられるが、還元反応後
では、造粒物を形成する形骸粒子の体積が収縮するた
め、造粒物の強度は著しく低下する。そのような造粒物
は脆く、還元反応炉からの取り出し、気相安定化反応炉
への移送及び、気相安定化反応炉への供給の際に壊れや
すい。造粒物が壊れると、細かい粒子が増えるため、気
相安定化反応炉内に載置させた際に粉体層が圧密化し、
ガスの通りが悪くなり反応が不均一となる。また、細か
い造粒物は流動化状態となりやすく、造粒物同士の衝突
により磁気特性が低下する恐れがある。また、微粉が反
応器外へ飛散したり、3)の場合にはベルトから落下し
て、収率が低下してしまう。
【0009】造粒物を形成する際に、空隙率を小さくし
たり、また、バインダーを添加すること等により、造粒
物の強度を増して、壊れにくくすれば上記問題は解決さ
れるが、空隙率が小さい場合には、造粒粒子内で生成し
た水蒸気が拡散除去されにくいため、形骸粒子の形状変
化及び形骸粒子同士の焼結が生じやすい。また、バイン
ダーを添加する場合には、高温の還元反応後も粒子内に
残留するものが必要であるが、そのようなバインダーは
還元物の磁気特性を低下させる恐れがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような微粒子の金属磁性粉末の製造段階における形骸粒
子の形状変化及び形骸粒子同士の焼結を防止し、かつ、
造粒物の形状を維持した状態で、優れた磁気特性を示す
金属磁性粉末を工業的規模で高効率で量産するための製
造方法及び製造装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
について検討を行った結果、鉄化合物粉末の造粒物をガ
ス流通可能な構造の搬送容器に載置し、これをガス流通
型反応炉内に搬入し、還元性ガスにより加熱還元するこ
とにより、実質上静置状態の反応においても形骸粒子の
形状変化及び形骸粒子同士の焼結がなく、かつ、造粒物
の形状を維持した状態で、均一で優れた磁気特性を示す
金属磁性粉末が工業的規模で得られることを見出し、本
発明を完成したものである。
【0012】即ち、本発明の要旨は、〔1〕 含水酸
化鉄及び/又は酸化鉄を主成分として含む鉄化合物粉末
を還元性ガスの存在下で加熱還元する金属磁性粉末の製
造方法において、鉄化合物粉末の造粒物をガス流通可能
な構造の搬送容器に載置し、該搬送容器を加熱還元反応
炉に搬入し、鉄化合物粉末の造粒物を還元性ガスの存在
下で加熱還元することを特徴とする金属磁性粉末の製造
方法、〔2〕 含水酸化鉄及び/又は酸化鉄を主成分
として含む鉄化合物粉末を還元性ガスの存在下で加熱還
元し、得られる還元物を酸素含有ガスの存在下で気相酸
化させる金属磁性粉末の製造方法において、(A)鉄化
合物粉末の造粒物をガス流通可能な構造の搬送容器に載
置し、該搬送容器を加熱還元反応炉に搬入し、鉄化合物
粉末の造粒物を還元性ガスの存在下で加熱還元して還元
物を得る工程、及び(B)工程(A)で得られた還元物
を載置した該搬送容器を加熱気相酸化反応炉に搬入し、
該還元物を酸素含有ガスの存在下で気相酸化させる工
程、を設けることを特徴とする金属磁性粉末の製造方
法、〔3〕 含水酸化鉄を主成分として含む鉄化合物
粉末を非還元性ガスの存在下で加熱脱水させ、得られる
加熱脱水物を還元性ガスの存在下で加熱還元し、得られ
る還元物を酸素含有ガスの存在下で気相酸化させる金属
磁性粉末の製造方法において、(C)鉄化合物粉末の造
粒物をガス流通可能な構造の搬送容器に載置し、該搬送
容器を加熱脱水反応炉に搬入し、鉄化合物粉末の造粒物
を非還元性ガスの存在下で加熱脱水させて加熱脱水物を
得る工程、(D)工程(C)で得られた加熱脱水物を載
置した該搬送容器を加熱還元反応炉に搬入し、該加熱脱
水物を還元性ガスの存在下で加熱還元して還元物を得る
工程、及び(E)工程(D)で得られた還元物を載置し
た該搬送容器を加熱気相酸化反応炉に搬入し、該還元物
を酸素含有ガスの存在下で気相酸化させる工程、を設け
ることを特徴とする金属磁性粉末の製造方法、
【0013】〔4〕 搬送容器を加熱還元反応炉内で
移送させながら鉄化合物粉末の造粒物を加熱還元する前
記〔1〕記載の製造方法、〔5〕 搬送容器を加熱還
元反応炉内で移送させながら鉄化合物粉末の造粒物を加
熱還元し、搬送容器を加熱気相酸化反応炉内で移送させ
ながら還元物を気相酸化させる前記〔2〕記載の製造方
法、〔6〕 搬送容器を加熱脱水反応炉内で移送させな
がら鉄化合物粉末の造粒物を加熱脱水させ、搬送容器を
加熱還元反応炉内で移送させながら加熱脱水物を加熱還
元し、搬送容器を加熱気相酸化反応炉内で移送させなが
ら還元物を気相酸化させる前記〔3〕記載の製造方法、
〔7〕 還元性ガス供給手段を有する加熱還元反応炉
と、ガス流通可能な構造の搬送容器と、該搬送容器を該
加熱還元反応炉に搬入し、加熱還元処理後に搬出する移
送手段とを備え、該搬送容器内に載置された含水酸化鉄
及び/又は酸化鉄を主成分として含む鉄化合物粉末の造
粒物が還元性ガスの存在下で加熱還元される構造とした
ことを特徴とする金属磁性粉末の製造装置、〔8〕
さらに、酸素含有ガス供給手段を有する加熱気相酸化反
応炉と、該加熱還元反応炉から搬出された該搬送容器を
該加熱気相酸化反応炉へ搬入し、気相酸化処理後に搬出
する移送手段とを備え、加熱還元された還元物を酸素含
有ガスの存在下で気相酸化させる構造としたことを特徴
とする前記〔7〕記載の製造装置、
〔9〕 加熱脱水
反応装置と、加熱還元反応装置と、加熱気相酸化反応装
置とがこの順で連結されてなる金属磁性粉末の製造装置
であって、該加熱脱水反応装置が非還元性ガス供給手段
を有する加熱脱水反応炉と、ガス流通可能な構造の搬送
容器と、該搬送容器を該加熱脱水反応炉に搬入し、加熱
脱水処理後に搬出する移送手段とを備えてなり、該加熱
還元反応装置が還元性ガス供給手段を有する加熱還元反
応炉と、該加熱脱水反応炉から搬出された搬送容器を該
加熱還元反応炉に搬入し、加熱還元処理後に搬出する移
送手段とを備え、該加熱気相酸化反応装置が酸素含有ガ
ス供給手段を有する加熱気相酸化反応炉と、該加熱還元
反応炉から搬出された搬送容器を該加熱気相酸化反応炉
に搬入し、気相酸化処理後に搬出する移送手段とを備
え、含水酸化鉄を主成分として含む鉄化合物粉末の造粒
物が順次非還元性ガスの存在下で加熱脱水され、還元性
ガスの存在下で加熱還元され、そして酸素含有ガスの存
在下で気相酸化される構造としたことを特徴とする金属
磁性粉末の製造装置、に関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法としては、例え
ば、1)含水酸化鉄及び/又は酸化鉄を主成分として含
む鉄化合物粉末を還元性ガスの存在下で加熱還元する態
様(態様1)、2)含水酸化鉄及び/又は酸化鉄を主成
分として含む鉄化合物粉末を還元性ガスの存在下で加熱
還元し、得られる還元物を酸素含有ガスの存在下で気相
酸化させて金属磁性粉末を安定化させる態様(態様
2)、及び3)含水酸化鉄を主成分として含む鉄化合物
粉末を非還元性ガスの存在下で加熱脱水させ、得られる
加熱脱水物を還元性ガスの存在下で加熱還元し、得られ
る還元物を酸素含有ガスの存在下で気相酸化させて金属
磁性粉末を安定化させる態様(態様3)等が挙げられ
る。
【0015】まず、本発明の金属磁性粉末の製造方法に
用いる製造装置を構成するガス流通型反応炉について、
概略説明図である図1を用いて説明する。かかる反応炉
は加熱脱水反応炉、加熱還元反応炉及び加熱気相酸化反
応炉のいずれにも適用できる。反応炉本体1はガスの入
口4及びガスの排出口5、搬送容器6の搬入口8及び搬
出口9を有する。搬入口8及び搬出口9は常法によるガ
スの遮断手段が講じられていることが望ましい。また、
反応炉本体の周囲には加熱手段3が設けられている。
【0016】加熱手段の方式としては、鉄化合物粉末の
造粒物、還元物、加熱脱水物等の被処理物を処理温度ま
で加熱できるものであれば特に限定されない。例えば、
可燃性燃料の燃焼方式、電気炉方式、ジャケット方式な
どを用いることができる。なお、本発明においては、反
応炉本体内の処理温度を一定に保つ目的等で、通常用い
られる保温材を用いるなどして断熱を行なうことが好ま
しい。
【0017】移送手段7は該流通型反応炉内に搬送容器
6を搬入し、所定の処理後に該搬送容器6を搬出する手
段である。移送のための装置は特に限定されるものでは
なく、例えば回転数可変モーターを用いて搬送用部材を
駆動させることにより搬送容器が移送されるように構成
されていてもよく、あるいは、搬入口8より搬送容器を
順次押し込み、搬出口9より順次、搬送容器が搬出され
るように構成されていても構わない。
【0018】搬送容器6は、ガス流通が可能な構造であ
れば特に限定されない。例えば、搬送容器は、図2、図
3のように底面が目開き構造の通風性の構造で上部開放
箱型のものが挙げられる。底面の目開き構造の空孔の大
きさは、被処理物を保持できる程度であれば良く、例え
ば0.3〜20mmが好ましく、0.5〜10mmがよ
り好ましい。また、該底面の開口率は特に限定されない
が、ガスが該底面を流通した場合の圧力損失がより小さ
くなる程好ましく、例えば全底面の面積の20〜90%
が好ましく、30〜70%がより好ましい。
【0019】かかる搬送容器は、底面がガス流通面とな
り、底面の構造は例えばメッシュ、多孔板等が挙げられ
る。搬送容器にはその強度を高めるために、図2、図3
に示すように補強部材21等を有する構造であることが
好ましい。なお、該補強部材は搬送容器内に載置された
被処理物とガスが好適に接触することを妨げないように
配設されていることが望ましい。
【0020】ガス供給手段は、反応炉内に所定のガスを
供給する手段であり、少なくともガスの入口4とガスの
排出口5から構成される。反応炉本体内には、ガスの入
口4より導入されたガスを被処理物の載った上記搬送容
器6に均一に分散供給するためのガス分散手段を設ける
ことが好ましい。図1においては、そのための手段とし
てガス分散板2を設けている。ガス分散板としては多孔
板、焼結金属板、金網型、キャップ型、スリット型等種
々の形状のものが採用できる。ガス分散板2の位置は、
被処理物の載った搬送容器6にガスを均一に分散供給で
きる位置であれば特に限定されるものではない。その
際、反応炉本体内の有効処理長さに合わせて1個の分散
板を設置してもよいし、数個の分散板に分割して設置し
てもよい。また、ガス分散板2は、搬送容器6のガス流
通面に対して垂直にガスを供給できる位置に設置するこ
とが好ましい。ガス分散板2は、図1のように搬送容器
6の上部に設置しても良い。この場合、搬送容器6のガ
ス流通面に対して垂直下向きにガスを供給することがで
きる。また、ガス分散板2を搬送容器6の下部に設置
し、搬送容器6のガス流通面に対して垂直上向きにガス
を供給してもよい。ガス分散板2へのガスの供給は、ガ
ス分散板2、搬送容器6及び被処理物層等をガスが流通
する際の圧力損失以上の吐出圧力を有するブロアー等で
好適に行われる。
【0021】本発明に用いられる反応炉には、ガス分散
板より噴出したガスが搬送容器に載置された被処理物内
を効果的に流通するように、適切なガスシール構造を設
けるのが好ましい。この構造としてはガス分散板及び搬
送容器の側面にシール壁を設けた構造、ガス分散板及び
搬送容器側面と反応炉本体の側壁を密着させた構造、搬
送容器の搬出方向において搬送容器同士を密着させた構
造等が挙げられる。
【0022】次に、本発明の製造方法について説明す
る。 1)態様1 本発明の製造方法の態様1は、含水酸化鉄及び/又は酸
化鉄を主成分として含む鉄化合物粉末を還元性ガスの存
在下で加熱還元する金属磁性粉末の製造方法において、
鉄化合物粉末の造粒物をガス流通可能な構造の搬送容器
に載置し、該搬送容器を加熱還元反応炉に搬入し、鉄化
合物粉末の造粒物を還元性ガスの存在下で加熱還元する
ことを特徴とする。
【0023】本態様に用いられる好適な製造装置として
は、例えば、還元性ガス供給手段を有する加熱還元反応
炉と、ガス流通可能な構造の搬送容器と、該搬送容器を
該加熱還元反応炉に搬入し、加熱還元処理後に搬出する
移送手段とを備え、該搬送容器内に載置された含水酸化
鉄及び/又は酸化鉄を主成分として含む鉄化合物粉末の
造粒物が還元性ガスの存在下で加熱還元される構造とし
たことを特徴とする製造装置が挙げられる。
【0024】図4は、本態様の金属磁性粉末の製造方法
に好適な、本発明の製造装置の一例の概略説明図であ
る。鉄化合物粉末の造粒物を載置した搬送容器6を、加
熱手段3により所定の還元温度で加熱した反応炉本体1
内に搬入口8から搬入させ、鉄化合物粉末の造粒物層内
に還元性ガスを流通させて加熱還元処理を行い、得られ
る還元物を搬出口9より搬出する。還元性ガスは次の還
元性ガス供給手段により反応炉内に供給される。即ち、
ガスの入口4より導入され、次いでガス分散板2により
搬送容器6に分散供給され、そして搬送容器のガス流通
面の空孔を通過してガスの排出口5から排出される。ま
た、ガスの入口4より導入される還元性ガスは外部の熱
交換器(図示せず)等により加熱してもよい。なお、反
応炉内で静止させ加熱還元処理終了後に搬送容器を搬出
してもよいし、図4中矢印Aの方向に搬送容器を移送さ
せながら還元してもよい。移送は連続移送でもよいし、
間欠移送でもよい。生産効率を考慮すると、搬送容器を
加熱還元反応炉内で移送させながら鉄化合物粉末の造粒
物を加熱還元する態様が好ましい。このような構造とす
ることにより、搬送容器内に載置された鉄化合物粉末の
造粒物が還元性ガスの存在下で加熱還元される。
【0025】本態様に用いられる原料は、含水酸化鉄及
び/又は酸化鉄を主成分として含む鉄化合物粉末であ
る。含水酸化鉄としては、例えばα−FeOOH、β−
FeOOH、γ−FeOOHが挙げられる。酸化鉄とし
ては、例えばα−Fe2 3 、γ−Fe2 3 、Fe3
4 が挙げられる。また、これらの含水酸化鉄及び酸化
鉄には、コバルト、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、硅
素、アルミニウム、錫、チタン等の元素を添加しても良
い。鉄化合物粉末の粒子形状は針状であれば特に限定さ
れることはなく、具体的には短冊状、スピンドル状、紡
錘状、米粒状等が挙げられる。これらのうち、特に長さ
0.3μm以下、軸比5以上の針状晶の微粒子を用いる
場合に、本発明の効果がさらに有効となる。
【0026】本態様では、ガス流通可能な構造の搬送容
器に鉄化合物粉末が保持されるように、またガス流通に
より鉄化合物粉末が流動化状態となり該粉末同士が接触
する事を防ぐために、さらに鉄化合物粉末が飛散するこ
とを防止するために、原料である鉄化合物粉末より粒径
が大きい造粒物、即ち、鉄化合物粉末の造粒物を搬送容
器に供給する。
【0027】このとき、造粒物の粒径は特に限定されな
いが、重量平均粒子径が1〜20mmのものが好まし
く、2〜10mmのものがより好ましい。ガス供給時に
造粒物が流動化するのを抑制する観点から1mm以上が
好ましく、造粒物内での還元性ガスや生成水蒸気等の拡
散性を良好に保つ観点から20mm以下が好ましい。造
粒物が流動化すると、微粉が発生したり造粒物が搬送容
器から飛び出してしまう傾向がある。また、造粒物内で
の気体の拡散性が悪化すると還元が不均一になる傾向が
ある。鉄化合物粉末の造粒方法としては特に限定される
ものではなく、公知の方法が用いられる。例えば攪拌転
動造粒法、流動造粒法、押し出し造粒法、破砕造粒法等
が挙げられる。
【0028】還元性ガスとしては純水素ガス、COガス
あるいはこれらに不活性成分を含有させた混合ガス等を
用いることができるが、好ましくは純水素ガスが使用さ
れる。還元性ガスの好ましいガス流速は鉄化合物粉末の
造粒物の粒径により異なるが、搬送容器のガス流通面
(底面)に対して垂直方向のガス線速度で10cm/秒
以上が好ましく、30cm/秒以上がより好ましく、5
0cm/秒以上が特に好ましい。還元反応により生成す
る水蒸気の分圧を抑える観点からガス線速度は10cm
/秒以上が好ましい。水蒸気の分圧が高くなると、一次
粒子である針状の形骸粒子を構成する金属鉄の結晶子の
大きさ(X線結晶粒径)が大きくなり過ぎて針状形状の
変形や形骸粒子間の焼結が起こり、最終的に得られる金
属磁性粉末の磁気特性が低下する傾向がある。なお、ガ
ス線速度は、還元温度における速度である。
【0029】鉄化合物粉末の造粒物の搬送容器内での層
厚みは特に限定されないが、25cm以下が好ましく、
より好ましくは20cm以下である。層が厚くなると、
搬送容器内におけるガス排出側の鉄化合物粉末の造粒物
は、ガス供給側で生成した水蒸気をより多く含んだ水素
ガスで還元を受けることになり、その結果ガス排出側の
還元物のX線結晶粒径が大きくなって磁気特性が低下す
る場合があり、好ましくない。さらにガス排出側におけ
る還元速度が低下し、還元が不均一となる場合がある。
また還元性ガスのガス線速度を大きくしても、層厚みが
大きいとガス排出側における水蒸気分圧の影響を無視で
きなくなる。かかる観点から、層厚みは25cm以下が
好ましい。還元温度は特に限定されるものではなく、通
常行われている公知の温度範囲で良い。例えば、300
〜700℃が好ましく、350〜600℃がより好まし
い。鉄化合物粉末を充分に還元し有効な磁気特性を有す
る還元生成物を得る観点から300℃以上が好ましく、
形骸粒子の針状形状の崩壊を抑える観点から700℃以
下が好ましい。形骸粒子の針状形状の崩壊が起こると、
磁気特性が低下する傾向がある。
【0030】反応炉本体内における鉄化合物粉末の造粒
物の滞留時間、即ち鉄化合物粉末の造粒物を載置した搬
送容器が該反応炉本体に搬入されてから搬出口より出る
までの時間(還元時間)は、上記の諸条件にもよるが、
0.5〜10時間が好ましく、より好ましくは1〜8時
間である。還元を充分行う観点から0.5時間以上が好
ましく、生産性の観点から10時間以下が好ましい。こ
のような滞留時間は、搬送容器を移送させながら処理す
る場合には、通常、移送手段の駆動制御等により搬送容
器の搬送速度を変化させることにより調整することがで
きる。
【0031】このようにして得られる還元物は、個々の
造粒物が実質的に静置状態で移送や還元反応が行われる
ため、還元反応に供する際の造粒物形状を実質的にその
まま保持している。かかる還元物をそのまま金属磁性粉
末として用いても良く、公知の方法により粉末化して金
属磁性粉末としても良い。なお、このようにして得られ
た金属磁性粉末は、化学的に不安定であり、空気中では
急激な酸化を受けて磁気特性を大幅に損なってしまうた
め、表面酸化を施して安定化させた方が好ましい。その
方法としては、例えば金属磁性粉末をトルエン中に浸漬
後、大気中で風乾させるなどすればよいが、特に本態様
においては、還元物は搬送容器に載置された状態で炉よ
り搬出されるので、これを上記の還元工程で用いた反応
炉と同様のガス流通型反応炉に搬入して、気相酸化によ
る安定化処理を行うことにより、効率よく金属磁性粉末
を製造することができる。
【0032】2)態様2 本発明の製造方法の態様2は、含水酸化鉄及び/又は酸
化鉄を主成分として含む鉄化合物粉末を還元性ガスの存
在下で加熱還元し、得られる還元物を酸素含有ガスの存
在下で気相酸化させる金属磁性粉末の製造方法におい
て、(A)鉄化合物粉末の造粒物をガス流通可能な構造
の搬送容器に載置し、該搬送容器を加熱還元反応炉に搬
入し、鉄化合物粉末の造粒物を還元性ガスの存在下で加
熱還元して還元物を得る工程、及び(B)工程(A)で
得られた還元物を載置した該搬送容器を加熱気相酸化反
応炉に搬入し、該還元物を酸素含有ガスの存在下で気相
酸化させる工程、を設けることを特徴とする。本態様に
おいては、工程(A)で得られた還元物が搬送容器に載
置された状態で炉より搬出され、工程(B)で該還元物
を、搬送容器に載置された状態のまま、そしてその造粒
物形状を保持したま気相酸化に付すため、安定化された
金属磁性粉末を効率良く製造することができる。
【0033】本態様に用いられる好適な製造装置として
は、例えば、還元性ガス供給手段を有する加熱還元反応
炉と、ガス流通可能な構造の移送容器と、該搬送容器を
該加熱還元反応炉に搬入し、加熱還元処理後に搬出する
移送手段とを備え、該搬送容器内に載置された含水酸化
鉄及び/又は酸化鉄を主成分として含む鉄化合物粉末の
造粒物が還元性ガスの存在下で加熱還元される構造を有
する装置に、さらに、酸素含有ガス供給手段を有する加
熱気相酸化反応炉と、該加熱還元反応炉から搬出された
該搬送容器を該加熱気相酸化反応炉へ搬入し、気相酸化
処理後に搬出する移送手段とを備え、加熱還元された還
元物を酸素含有ガスの存在下で気相酸化させる構造を有
する装置が設けられてなる製造装置が挙げられる。
【0034】図5は、本態様の金属磁性粉末の製造方法
に好適な、本発明の製造装置の一例の概略説明図であ
る。図に示す如く、本製造装置は加熱還元反応炉61と
加熱気相酸化反応炉62を直列に接続して構成されてお
り、各反応炉間は、加熱還元反応炉61から搬出され
る、還元物が載置された搬送容器12を加熱気相酸化反
応炉62へ搬入する移送手段63を介して接続されてい
る。移送手段63は、搬送容器12内の還元物が直接大
気と接触しない構造であり、また、還元物を静置状態で
移送できるものであれば特に限定されない。加熱気相酸
化反応炉62は、ガスとして酸素含有ガスを用いる以外
は、ガス流通型反応炉である態様1の加熱還元反応炉と
実質的に同様な構造からなるものを使用することができ
る。このような構造とすることにより、還元物が酸素含
有ガスの存在下で気相酸化される。
【0035】工程(A)における各種の処理条件は、態
様1における還元反応の処理条件と同様である。また、
本態様に用いられる原料や、搬送容器に載置する造粒物
についても態様1と同様である。次に、工程(B)につ
いて説明する。本態様で使用する酸素含有ガスとは、例
えば、酸素又は空気と、不活性ガスとの混合ガスが挙げ
られる。不活性ガスとは、工程(A)で得られる還元物
と実質的に接触処理条件下で反応することのないガスで
あり、具体的にはN2 、He、Ne、Ar、CO2 等が
挙げられる。これらは単独で用いても良く、混合して用
いても良い。酸素含有ガス中の酸素濃度は100〜25
00ppm が好ましく、150〜2000ppm がより好ま
しい。気相酸化処理を迅速に行う観点から酸素濃度は1
00ppm 以上が好ましく、急激な酸化反応の発生を抑え
る観点から2500ppm 以下が好ましい。急激な酸化反
応が発生すると、反応温度が上昇し、所定の温度範囲を
維持することが困難になる場合がある。
【0036】酸素含有ガスの好ましいガス流速は、造粒
物である、工程(A)で得られる還元物の粒径により異
なるが、搬送容器のガス流通面(底面)に対して垂直方
向のガス線速度で5cm/秒以上が好ましく、10cm
/秒以上がより好ましく、15〜100cm/秒が特に
好ましい。なお、ガス線速度は気相酸化温度における速
度である。ガス気流による反応熱の除去効果を発揮させ
る観点やガスの偏流の発生を抑える観点から、ガス線速
度は5cm/秒以上が好ましい。
【0037】反応熱の除去効果が小さい場合、反応温度
を一定に保つことが困難となり、反応熱が部分的に蓄積
されてある特定の部分のみ高温となり、飽和磁化が必要
以上に低下することがある。またガスの偏流が発生する
と酸化されない部分が生じることもある。その結果、飽
和磁化に非常にばらつきのある金属磁性粉末が得られて
しまい、場合によっては大気中に取り出したときに、未
酸化の部分が急激な酸化反応により発熱あるいは発火
し、本来有する保磁力と飽和磁化を大幅に損なう恐れが
あり好ましくない。
【0038】気相酸化温度は特に限定されるものではな
く、通常行われる公知の温度範囲で良い。例えば40〜
150℃が好ましく、50〜130℃がより好ましい。
特に好ましくは50〜100℃である。表面酸化を充分
に行う観点から気相酸化温度は40℃以上が好ましく、
過度の表面酸化を抑える観点から150℃以下が好まし
い。表面酸化が充分に行われない場合、得られた金属磁
性粉末を大気中に取り出したときに発火してしまう場合
がある。必要以上に表面酸化が進んだ場合、高い飽和磁
化が得られない場合がある。また、気相酸化後の金属磁
性粉末の飽和磁化は、本工程の反応温度である気相酸化
温度により一義的に決定されるため、所望の飽和磁化に
応じて、気相酸化温度を上記範囲内の略一定温度に保つ
必要がある。なお、ここでいう略一定温度とは±5℃を
いう。±5℃を越えて気相酸化温度が変動すると、所望
の飽和磁化を有する金属磁性粉末を得ることが困難とな
る場合がある。
【0039】加熱気相酸化反応炉本体内における還元物
の滞留時間、即ち還元物を載置した搬送容器が該反応炉
本体に搬入されてから搬出口より出るまでの時間(安定
化時間)は、上記の諸条件にもよるが、1〜20時間が
好ましく、より好ましくは1.5〜18時間である。気
相酸化による安定化処理を充分に行う観点から滞留時間
は1時間以上が好ましく、生産効率の観点から20時間
以下が好ましい。搬送容器を移送しながら処理する場合
には、このような滞留時間は、通常、移送手段の駆動制
御等により搬送容器の搬送速度を変化させることにより
調整することができる。また、移送は連続移送でもよい
し、間欠移送でもよい。生産効率を考慮すると、本態様
としては、搬送容器を加熱還元反応炉内で移送させなが
ら鉄化合物粉末の造粒物を加熱還元し、搬送容器を加熱
気相酸化反応炉内で移送させながら還元物を気相酸化さ
せる態様がより好ましい。
【0040】このようにして得られる酸化物は、個々の
造粒物が実質的に静置状態で移送され、還元反応及び気
相酸化反応が行われるため還元反応に供する際の造粒物
形状を実質的にそのまま保持している。かかる酸化物を
そのまま金属磁性粉末として用いても良く、公知の方法
により粉末化して金属磁性粉末としても良い。
【0041】態様1、態様2に用いる還元工程の原料
は、上記のように含水酸化鉄及び/又は酸化鉄を主成分
として含む鉄化合物粉末である。酸化鉄を用いる場合
は、含水酸化鉄を加熱脱水して酸化鉄とすることができ
る。本発明においては、この加熱脱水工程を上記の還元
工程、気相酸化工程で用いた反応炉と同様のガス流通型
反応炉を用いて行うことにより、効率よく連続的に金属
磁性粉末を製造することができる。
【0042】3)態様3 本発明の製造方法の態様3は、含水酸化鉄を主成分とし
て含む鉄化合物粉末を非還元性ガスの存在下で加熱脱水
させ、得られる加熱脱水物を還元性ガスの存在下で加熱
還元し、得られる還元物を酸素含有ガスの存在下で気相
酸化させる金属磁性粉末の製造方法において、(C)鉄
化合物粉末の造粒物をガス流通可能な構造の搬送容器に
載置し、該搬送容器を加熱脱水反応炉に搬入し、鉄化合
物粉末の造粒物を非還元性ガスの存在下で加熱脱水させ
て加熱脱水物を得る工程、(D)工程(C)で得られた
加熱脱水物を載置した該搬送容器を加熱還元反応炉に搬
入し、該加熱脱水物を還元性ガスの存在下で加熱還元し
て還元物を得る工程、及び(E)工程(D)で得られた
還元物を載置した該搬送容器を加熱気相酸化反応炉に搬
入し、該還元物を酸素含有ガスの存在下で気相酸化させ
る工程、を設けることを特徴とする。
【0043】本態様においては、含水酸化鉄を加熱脱水
して酸化鉄とする加熱脱水工程を多様1、態様2の還元
工程、気相酸化工程で用いた反応炉と同様のガス流通型
反応炉を用いて行うことにより、効率よく連続的に金属
磁性粉末を製造することができる。
【0044】本態様に用いられる好適な製造装置として
は、例えば、加熱脱水反応装置と、加熱還元反応装置
と、加熱気相酸化反応装置とがこの順で連結されてなる
金属磁性粉末の製造装置であって、該加熱脱水反応装置
が非還元性ガス供給手段を有する加熱脱水反応炉と、ガ
ス流通可能な構造の搬送容器と、該搬送容器を該加熱脱
水反応炉に搬入し、加熱脱水処理後に搬出する移送手段
とを備えてなり、該加熱還元反応装置が還元性ガス供給
手段を有する加熱還元反応炉と、該加熱脱水反応炉から
搬出された搬送容器を該加熱還元反応炉に搬入し、加熱
還元処理後に搬出する移送手段とを備え、該加熱気相酸
化反応装置が酸素含有ガス供給手段を有する加熱気相酸
化反応炉と、該加熱還元反応炉から搬出された搬送容器
を該加熱気相酸化反応炉に搬入し、気相酸化処理後に搬
出する移送手段とを備え、含水酸化鉄を主成分として含
む鉄化合物粉末の造粒物が順次非還元性ガスの存在下で
加熱脱水され、還元性ガスの存在下で加熱還元され、そ
して酸素含有ガスの存在下で気相酸化される構造とした
ことを特徴とする製造装置が挙げられる。
【0045】図6は、本態様の金属磁性粉末の製造方法
に好適な、本発明の製造装置の一例の概略説明図であ
る。図6に示す如く、本製造装置は加熱脱水反応炉1
3、加熱還元反応炉14、加熱気相酸化反応炉15の順
にこれらの反応炉を直列に接続して構成されており、反
応炉間は、加熱脱水反応炉13から搬出される、加熱脱
水物が載置された搬送容器12を加熱還元反応炉14へ
搬入する移送手段16、及び加熱還元反応炉14から搬
出される、還元物が載置された搬送容器12を加熱気相
酸化反応炉15へ搬入する移送手段17を介して接続さ
れている。移送手段16、移送手段17は搬送容器12
内の加熱脱水物及び還元物が直接大気と接触しない構造
であり、また加熱脱水物及び還元物を静置状態で移送で
きるものであれば特に限定されない。加熱脱水反応炉1
3は、ガスとして非還元性ガスを用いる以外は、ガス流
通型反応炉である、態様1又は態様2の加熱還元反応炉
や加熱気相酸化反応炉と実質的に同様な構造からなるも
のを使用することができる。このような構造とすること
により、鉄化合物粉末の造粒物が加熱脱水、加熱還元、
加熱気相酸化される。
【0046】各工程における各種の処理条件は、工程
(D)、(E)については態様2の工程(A)、(B)
と同様であるので、工程(C)について説明する。
【0047】本態様に用いられる原料は、含水酸化鉄を
主成分として含む鉄化合物粉末である。含水酸化鉄とし
ては、例えばα−FeOOH、β−FeOOH、γ−F
eOOHが挙げられる。また、これらの含水酸化鉄に
は、コバルト、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、硅素、ア
ルミニウム、錫、チタン等の元素を添加しても良い。鉄
化合物粉末の粒子形状は針状であれば特に限定されるこ
とはなく、具体的には短冊状、スピンドル状、紡錘状、
米粒状等が挙げられる。これらのうち、特に長さ0.3
μm以下、軸比5以上の針状晶の微粒子を用いる場合
に、本発明の効果がさらに有効となる。また、本態様に
おいても、態様1、態様2と同様に鉄化合物粉末を造粒
して得られる鉄化合物粉末の造粒物を搬送容器に供給す
る。造粒物の粒径等も態様1、態様2と同様である。
【0048】使用する非還元性ガスとしては、還元力の
ないガスであれば特に限定されることなく、例えば空気
又は不活性ガスが挙げられる。不活性ガスとしては
2 、He、Ne、Ar、CO2 等が挙げられる。これ
らは単独で用いても良く、混合して用いても良い。
【0049】非還元性ガスの好ましいガス流速は、鉄化
合物粉末の造粒物の粒径により異なるが、搬送容器のガ
ス流通面(底面)に対して垂直方向のガス線速度で2c
m/秒以上が好ましく、10cm/秒以上がより好まし
い。なお、ガス線速度は、加熱脱水温度における速度で
ある。脱水反応により生成する水蒸気の分圧を抑える観
点からガス線速度は2cm/秒以上が好ましい。水蒸気
の分圧が高くなると、加熱脱水物の形骸粒子を構成する
針状の酸化鉄の結晶子の大きさ(X線結晶粒径)が大き
くなりすぎて針状形状の変形や形骸粒子間の焼結が起こ
り、最終的に得られる金属磁性粉末の磁気特性が低下す
る場合がある。
【0050】造粒物の搬送容器内での層厚みは25cm
以下が好ましく、より好ましくは20cm以下である。
層が厚くなると、搬送容器内におけるガス排出側の鉄化
合物粉末の造粒物は、ガス供給側で生成した水蒸気をよ
り多く含んだ非還元性ガスで加熱脱水を受けることにな
り、その結果ガス排出側の加熱脱水物の形骸粒子の針状
形状が劣化し、これが原因で最終的に得られる金属磁性
粉末の磁気特性が低下してしまう場合がある。
【0051】加熱脱水温度は、350〜700℃が好ま
しく、400〜650℃がより好ましい。脱水時に形骸
粒子内に生成する脱水孔を封孔させる観点から350℃
以上が好ましい。また、形骸粒子の針状形状の崩壊を抑
える観点から700℃以下が好ましい。脱水孔が封孔さ
れない場合や形骸粒子の針状形状が崩壊した場合、最終
的に得られる金属磁性粉末の磁気特性が低下する場合が
ある。
【0052】加熱脱水反応炉本体内における鉄化合物粉
末の造粒物の滞留時間、即ち鉄化合物粉末の造粒物を載
置した搬送容器が該反応炉本体に搬入されてから搬出口
より搬出されるまでの時間(加熱脱水時間)は、上記の
諸条件にもよるが0.5〜5時間が好ましく、より好ま
しくは0.5〜2時間である。加熱脱水を充分行う観点
から0.5時間以上が好ましく、生産効率の観点から5
時間以下が好ましい。このような滞留時間は、搬送容器
を移送しながら処理する場合には、通常、移送手段の駆
動制御等により搬送容器の搬送速度を変化させることに
より調整することができる。また、移送は連続移送でも
よいし、間欠移送でもよい。生産効率を考慮すると、本
態様としては、搬送容器を加熱脱水反応炉内で移送させ
ながら鉄化合物粉末の造粒物を加熱脱水させ、搬送容器
を加熱還元反応炉内で移送させながら加熱脱水物を加熱
還元し、搬送容器を加熱気相酸化反応炉内で移送させな
がら還元物を気相酸化させる態様がより好ましい。
【0053】このようにして得られる酸化物は、個々の
造粒物が実質的に静置状態で移送され、加熱脱水反応、
還元反応及び気相酸化反応が行われるため加熱脱水反応
に供する際の造粒物形状を実質的にそのまま保持してい
る。かかる酸化物をそのまま金属磁性粉末として用いて
も良く、公知の方法により粉末化して金属磁性粉末とし
ても良い。
【0054】以上のような本態様の製造方法及び製造装
置を用いれば、加熱脱水反応炉から加熱還元反応炉への
加熱脱水物の移送において、加熱脱水物を搬送容器内で
実質的に静置状態で移送することができるため、加熱脱
水物の造粒物形状を保持することができる。その結果、
還元反応や気相酸化反応を均一に行うことができ、好適
な安定化を施された金属磁性粉末を製造することができ
る。さらに、鉄化合物粉末の造粒物や、造粒物形状を保
持する加熱脱水物、造粒物形状を保持する還元物を搬送
容器内で実質的に静置状態で加熱脱水処理、加熱還元処
理、気相酸化処理を行うことができるため、造粒物どう
しの衝突や微粉の発生がなく、また、造粒物形状が保持
されていることから処理される対象物とガスの接触が良
好であり、均一で優れた磁気特性を有する金属磁性粉末
を工業的に有利に製造することができる。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により説明
するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定さ
れるものではない。
【0056】実施例1(還元装置例) 図7は本発明の製造装置を構成する加熱還元反応炉の一
例を縦断面図により示したものであり、図8はその製造
装置の断面図を示したものである。反応炉本体31の大
きさは巾750mm、高さ1000mm、長さ3500
mmである。加熱手段としては加熱用電気ヒーター34
及び保温材35を用いた電気炉方式を採用している。
【0057】搬送容器33は、底面が500mm四方、
高さ200mmの上部開放箱型容器である。該搬送容器
33の底面はガスの流通が可能なように、口径0.5m
mのメッシュで構成されている。また該搬送容器の開口
率は40%である。反応炉本体は図8に示すような断面
形状となっている。そして、搬送容器33は駆動ローラ
ー36及び反応炉本体外に設けた駆動用モーター51に
より移送される。該駆動用モーターは、モーターの回転
数を可変に制御できる機構を有しており、ローラー回転
速度を適切に制御することにより搬送容器を移送するこ
とができる。ローラー駆動軸52には還元性ガスをシー
ルするために軸シール50が設けてある。
【0058】ガス分散板32は510×510mmの断
面を有する多孔板である。このガス分散板を反応炉内に
5個設置している。また、図8に示すようにガス分散板
より噴出した還元性ガスが、搬送容器に載置された被処
理物内を効果的に流通するようにガスシール壁53を設
けている。図7の供給ホッパー37から搬送容器33へ
被処理物を載置する。被処理物を載置した搬送容器33
は、搬入口38より反応炉内へ搬入される。該搬入口
は、ガスを遮断する扉を有している構造であり、搬送容
器を反応炉内へ搬入する間だけ該扉を開ける。反応炉内
へ搬入された被処理物は、還元性ガスの入口40から反
応炉本体内に導入されガス分散板32より噴出する還元
性ガスと接触し還元される。搬送容器は駆動ローラーに
より矢印A方向に移動する。また、ガスの排出口41か
ら還元性ガスが排出される。
【0059】被処理物の還元反応を終了して得られた金
属磁性粉末を載置した搬送容器は、搬出口39より反応
炉外へ移送される。該搬出口は、搬入口38と同様に、
ガスを遮断する扉を有している構造であり、搬送容器を
反応炉外へ搬出する間だけ該扉を開ける。被処理物の反
応炉内滞留時間(被処理物が該反応炉本体内に搬入され
てから搬出口39より搬出されるまでの時間)、すなわ
ち還元時間はローラーの駆動装置を制御することにより
調整する。
【0060】実施例2(還元製造例) 被処理物としては、Fe100重量部に対してAlを4
重量部含み、一次粒子の大きさが長軸長さ0.22μ
m、軸比10である針状晶α−FeOOHを、押し出し
造粒法により造粒して得られる直径約3mmの造粒物を
用いた。これを実施例1に示した製造装置により水素ガ
スを用いて500℃で還元した。水素ガスは、搬送容器
のガス流通面に対して垂直下向きのガス線速度が60c
m/秒となるように流通した。具体的な操作は次の通り
である。
【0061】被処理物である、上記の鉄化合物粉末の造
粒物10kgを、供給ホッパー37から搬送容器33へ
載置した。このとき被処理物の層高は10cmであっ
た。この被処理物を載置した搬送容器を、36分毎に搬
入口38より反応炉内へ移送した。反応炉内へ移送され
た造粒被処理物は、ガス分散板32より吹き出した水素
ガスと接触しながら還元された。被処理物を載置した搬
送容器は、駆動ローラー36により矢印A方向の次の分
散板へ、36分毎に移送させた。被処理物の還元時間は
3時間であった。
【0062】以上の様な製造条件により、1つの搬送容
器当たり6.2kgの金属磁性粉末を得ることができ
た。この金属磁性粉末の一部をトルエン中に浸漬し、続
いて大気中で風乾して表面酸化を施した後、磁気特性を
試料振動型磁力計(VSM)により、X線結晶粒径(金
属鉄の結晶子の大きさ)をX線回折装置により測定し
た。この際、X線結晶粒径はX線回折の鉄(110)回
折ピークの半値巾よりシェラーの式を用いて求めた。そ
の結果、得られた金属磁性粉末は、保磁力(Hc):1
610〔Oe〕、飽和磁化(σs):142〔emu/
g〕、角形比(σr/σs):0.50〔−〕、X線結
晶粒径181〔Å〕であり、優れた磁気特性を有するも
のであった。
【0063】実施例3(還元+気相酸化装置例) 本実施例の製造装置は図5に示す如く、加熱還元反応炉
61、加熱気相酸化反応炉62を直列に接続して構成さ
れている。加熱還元反応炉61から加熱気相酸化反応炉
62への搬送容器の移送は、大気と接触させないように
窒素雰囲気下において駆動ローラーにより実施する。す
なわち、被処理物は加熱還元反応炉61から加熱気相酸
化反応炉62へ搬入される間、搬送容器内で静置された
状態を維持することができる。加熱還元反応炉61とし
ては実施例1のガス流通型反応炉を使用している。ま
た、加熱気相酸化反応炉62としては、反応炉本体の長
さが11000mmであり、加熱手段としてはスチーム
トレースを採用し、ガス分散板を反応炉内に15個設置
した以外は、実施例1で加熱還元反応炉として用いたガ
ス流通型反応炉と同様の炉が用いられる。
【0064】実施例4(還元+気相酸化製造例) 被処理物としては、実施例2と同じものを用いた。これ
を実施例3の製造装置を用いて以下の条件で工程
(A)、(B)の処理を行った。
【0065】〔工程(A)〕実施例1の装置を用いて、
実施例2と同様に還元物の製造を行った。 〔工程(B)〕酸素含有ガスには1000ppmの酸素
を含む空気/窒素混合ガスを使用し、70℃で気相酸化
処理を行った。この酸素含有ガスを、搬送容器のガス流
通面に対して垂直下向きのガス線速度が40cm/秒と
なるように流通させた。具体的な操作を以下に示す。
【0066】工程(A)から窒素雰囲気下で駆動ローラ
ーによって搬出された還元物は、搬送容器内でその造粒
形状を維持しており、その状態で加熱気相酸化反応炉に
送られた。この還元物を載置した搬送容器を、36分毎
に搬入口より加熱気相酸化反応炉内へ移送した。加熱気
相酸化反応炉内へ移送された該還元物は、ガス分散板よ
り吹き出した酸素含有ガスと接触しながら気相酸化処理
された。還元物を載置した搬送容器は、駆動ローラーに
より次の分散板へ、36分毎に移送させた。還元物の加
熱気相酸化反応炉内滞留時間は、9時間であった。この
気相酸化処理を施された還元物を載置した搬送容器を、
36分毎に搬出口より反応炉外へ搬出した。以上の様な
製造条件により、1つの搬送容器当たり6.7kgの金
属磁性粉末を得た。
【0067】この金属磁性粉末の磁気特性及びX線結晶
粒径を実施例2と同様に測定したところ、保磁力(H
c):1590〔Oe〕、飽和磁化(σs):121
〔emu/g〕、角形比(σr/σs):0.50
〔−〕、X線結晶粒径172〔Å〕であり、本発明の製
造装置及び製造方法により得られた金属磁性粉末は造粒
形状を維持していた。また、常法により、工程(B)で
得られた金属磁性粉末に、金属磁性粉末100重量部に
対して1.0重量部の水分を表面吸着させた後、該金属
磁性粉末を大気中に取り出した。すると、該金属磁性粉
末は急激な発熱は認められず、工程(B)において好適
に安定化が行われていることが分かった。
【0068】実施例5 被処理物としては、実施例2と同じものを用いた。これ
を実施例3の製造装置を用いて以下の条件で工程
(A)、(B)の処理を行った。 〔工程(A)〕被処理物が載置された搬送容器を実施例
1の加熱還元反応炉内へ入れて該炉内で静止させ、搬送
容器を移送させることなくその状態で3時間反応を行っ
た以外は実施例2と同様の方法で還元物の製造を行っ
た。工程(A)終了後、窒素雰囲気下で駆動ローラーに
よって搬出された還元物は、搬送容器内でその造粒形状
を維持しており、その状態で加熱気相酸化反応炉に送ら
れた。 〔工程(B)〕工程(A)で得られた還元物を載置した
搬送容器を加熱気相酸化反応炉内へ搬入し、該炉内で静
止させ、搬送容器を移送させることなくその状態で9時
間反応を行った以外は実施例4の方法で同様に気相酸化
処理を行った。工程(B)終了後、この気相酸化処理を
施された還元物を載置した搬送容器を反応炉外へ搬出
し、1つの搬送容器当たり6.7kgの金属磁性粉末を
得た。この金属磁性粉末の磁気特性及びX線結晶粒径を
実施例2と同様に測定したところ、保磁力(Hc):1
580〔Oe〕、飽和磁化(σs):120〔emu/
g〕、角形比(σr/σs):0.50〔−〕、X線結
晶粒径173〔Å〕であり、本発明の製造装置及び製造
方法により得られた金属磁性粉末は造粒形状を維持して
いた。また、常法により、工程(B)で得られた金属磁
性粉末に、金属磁性粉末100重量部に対して1.0重
量部の水分を表面吸着させた後、該金属磁性粉末を大気
中に取り出した。すると、該金属磁性粉末は急激な発熱
は認められず、工程(B)において好適に安定化が行わ
れていることがわかった。
【0069】比較例1 造粒被処理物をベルト上に連続的に供給して載置し、該
造粒物を移送させながら、水素ガスで加熱還元処理して
還元物を得、該還元物を同様に酸素含有ガスにより気相
酸化処理して金属磁性粉末を連続的に得るUSPate
nt5470374の Example1及び Example4(該公
報の Fig. 1、2、3及び5)記載の製造装置を用い
て、以下の条件で工程(A)、工程(B)の処理を行っ
た。被処理物としては、実施例2と同じものを用いた。
【0070】〔工程(A)〕水素ガスをメッシュベルト
面に対して垂直上向きのガス線速度が60cm/秒とな
るように流通させ、粉体フィーダー供給速度8.0kg
/時間で供給した被処理物のメッシュベルト上での層厚
みが10cmとなるように厚み調整板により調整して、
500℃で加熱還元処理を行った以外はUSPaten
t5470374の Example2に記載の方法と同じ製造
方法で4.9kg/時間の還元物を得た。この還元物
は、USPatent5470374のFig.5のように
加熱還元反応炉から加熱気相酸化反応炉へ貯槽を中継し
て移送されるため、造粒形状を保持することができず、
加熱還元反応炉に供給された時点でその大部分が微粒化
していた。
【0071】〔工程(B)〕1000ppmの酸素を含
む空気と窒素との混合ガスをメッシュベルト面に対して
垂直上向きのガス線速度が40cm/秒となるように流
通させ、粉体フィーダーにより4.9kg/時間の速度
で上記還元物を気相酸化温度まで加熱した加熱気相酸化
反応炉本体内に連続的に供給して加熱気相酸化反応炉内
滞留時間が9時間となるようにベルトの走行速度を調整
した以外はUSPatent5470374の Example
5に記載の方法と同じ製造方法で4.9kg/時間の金
属磁性粉末を得た。
【0072】この金属磁性粉末の一部を抜き出し、該金
属磁性粉末の磁気特性及びX線結晶粒径を実施例2と同
様の方法で測定したところ、保磁力(Hc):1600
〔Oe〕、飽和磁化(σs):128〔emu/g〕、
角形比(σr/σs):0.50〔−〕、X線結晶粒径
176〔Å〕であった。また、常法により、工程(B)
で得られた金属磁性粉末に、金属磁性粉末100重量部
に対して1重量部の水分を表面吸着させた後、該金属磁
性粉末を大気中に取り出した。すると、該金属磁性粉末
は部分的に安定化処理が不足していたため急激な発熱を
示して酸化し、大部分の金属磁性粉末が酸化鉄に変わっ
た。
【0073】実施例6(脱水+還元+気相酸化装置例) 本実施例の製造装置は図6に示す如く、加熱脱水反応炉
13、加熱還元反応炉14、加熱気相酸化反応炉15を
直列に接続して構成されており、各反応炉間の移送手段
16、移送手段17は窒素雰囲気下で駆動ローラーを介
してなされている。加熱脱水反応炉13としては、反応
炉本体の長さが2500mmであり、ガス分散板を反応
炉内に3個設置した以外は実施例1と同様のガス流通型
反応炉を使用している。加熱還元反応炉14としては、
実施例1のガス流通型反応炉を使用している。また、加
熱気相酸化反応炉15としては、実施例3のガス流通型
反応炉を使用している。
【0074】実施例7(脱水+還元+気相酸化製造例) 被処理物としては、Fe100重量部に対してSiを3
重量部及びCoを5重量部含み、一次粒子の大きさが長
軸長さ0.25μm、軸比10である針状晶α−FeO
OHを、押し出し造粒法により造粒して得られる直径約
3mmの造粒物を用いた。これを実施例6の製造装置を
用いて以下の条件で工程(C)、(D)、(E)の処理
を行った。 〔工程(C)〕工程(C)においては、非還元性ガスと
して窒素ガスを使用し、500℃で上記被処理物の加熱
脱水処理を行った。窒素ガスを搬送容器のガス流通面に
対して垂直下向きのガス線速度が15cm/秒となるよ
うに流通させた。以下に、具体的な操作を示す。
【0075】まず、図6の供給ホッパー11から搬送容
器12へ被処理物10kgを載置した。このとき被処理
物の層高は10cmであった。この被処理物を載置した
搬送容器を、36分毎に搬入口より加熱脱水反応炉13
内へ移送した。反応炉内へ移送された被処理物は、ガス
分散板より吹き出した窒素ガスと接触しながら脱水され
た。被処理物を載置した搬送容器を、駆動ローラーによ
り次の分散板へ、36分毎に移送させた。被処理物の加
熱脱水反応炉本体内滞留時間は、2時間であった。この
被処理物を載置した搬送容器は、36分毎に搬出口より
加熱脱水反応炉外へ搬出した。本実施例で用いた搬送容
器は、実施例1のものと同じものである。以上の様な製
造条件により、1つの搬送容器当たり8.7kgの加熱
脱水物を得た。該加熱脱水物は、搬送容器内で静置状態
のまま、窒素雰囲気下で駆動ローラーにより工程(D)
に送られた。
【0076】〔工程(D)〕工程(C)で得られた加熱
脱水物を、工程(D)において、還元性ガスとして水素
ガスを使用し、480℃で加熱還元処理に付した。水素
ガスは、搬送容器のガス流通面に対して垂直下向きのガ
ス線速度が60cm/秒となるように流通した。以下に
具体的な操作を示す。
【0077】この加熱脱水物を載置した搬送容器を、3
6分毎に搬入口より加熱還元反応炉内へ移送した。反応
炉内へ移送された加熱脱水物は、ガス分散板より吹き出
した水素ガスと接触しながら還元された。還元物を載置
した搬送容器は、駆動ローラーにより次の分散板へ、3
6分毎に移送させた。加熱脱水物の加熱還元反応炉本体
内滞留時間は3時間であった。この還元物を載置した搬
送容器を36分毎に搬出口より反応炉外へ搬出した。以
上の様な製造条件により、1つの搬送容器当たり6.2
kgの還元物を得た。この還元物は、搬送容器内で静置
状態のまま、窒素雰囲気下で駆動ローラーにより工程
(E)に送られた。
【0078】工程(D)で得られた還元物の磁気特性及
びX線結晶粒径は、実施例2と同様の方法で測定したと
ころ、保磁力(Hc):1630〔Oe〕、飽和磁化
(σs):146〔emu/g〕、角形比(σr/σ
s):0.49〔−〕、X線結晶粒径177〔Å〕であ
った。
【0079】〔工程(E)〕酸素含有ガスとしては10
00ppmの酸素を含む空気/窒素混合ガスを使用し、
75℃で気相酸化処理を行った。この酸素含有ガスを搬
送容器のガス流通面に対して垂直下向きのガス線速度が
40cm/秒となるように流通させた。加熱気相酸化反
応炉から窒素雰囲気下で駆動ローラーによって搬出され
た還元物は、搬送容器内でその造粒形状を維持した状態
で加熱気相酸化反応炉に送られた。
【0080】この還元物を載置した搬送容器を、36分
毎に搬入口より加熱気相酸化反応炉内へ移送した。加熱
気相酸化反応炉内へ移送された該還元物は、ガス分散板
より吹き出した酸素含有ガスと接触しながら気相酸化処
理された。還元物を載置した搬送容器は、駆動ローラー
により次の分散板へ、36分毎に移送させた。還元物の
加熱気相酸化反応炉内滞留時間は9時間であった。この
気相酸化処理を施された還元物を載置した搬送容器は、
36分毎に搬出口より反応炉外へ搬出した。以上の様な
製造条件により、1つの搬送容器当たり6.7kgの金
属磁性粉末を得た。
【0081】この金属磁性粉末の一部を抜き出し、該金
属磁性粉末の磁気特性及びX線結晶粒径を実施例2と同
様の方法で測定したところ、保磁力(Hc):1605
〔Oe〕、飽和磁化(σs):120〔emu/g〕、
角形比(σr/σs):0.49〔−〕、X線結晶粒径
169〔Å〕であり、本発明の製造装置及び製造方法に
より得られた金属磁性粉末は造粒形状を維持していた。
また、常法により、工程(E)で得られた金属磁性粉末
に、金属磁性粉末100重量部に対して1重量部の水分
を表面吸着させた後、該金属磁性粉末を大気中に取り出
した。すると、該金属磁性粉末は急激な発熱は認められ
ず、工程(E)において好適に安定化が行われていた。
【0082】
【発明の効果】態様1によれば、鉄化合物粉末の造粒物
を実質的に静置状態で還元し搬出できるため、還元時に
おける粒子同士の衝突や生成水蒸気の影響による形骸粒
子の形状変化及び形骸粒子間の焼結がない優れた磁気特
性を有する金属磁性粉末を造粒物の形状を維持した状態
で得ることができる。態様2によれば、鉄化合物粉末の
造粒物又は還元物を搬送容器内で実質的に静置状態で加
熱還元又は加熱気相酸化処理し、さらに実質的に静置状
態で移送できるため、反応時及び移送時において粒子同
士の衝突や微粉の発生がなく、また、鉄化合物粉末の造
粒物及び還元物とガスの接触が良好であり、均一で優れ
た磁気特性を有する金属磁性粉末を製造することができ
る。態様3によれば、鉄化合物粉末の造粒物、加熱脱水
物又は還元物を搬送容器内で実質的に静置状態で加熱脱
水、加熱還元又は気相酸化処理し、さらに実質的に静置
状態で移送できるため、反応時及び移送時において粒子
同士の衝突や微粉の発生がなく、また鉄化合物粉末の造
粒物、加熱脱水物及び還元物とガスの接触が良好であ
り、均一で優れた磁気特性を有する金属磁性粉末を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の製造装置を構成するガス流通型
反応炉の概略説明図である。
【図2】図2は本発明の製造装置を構成する搬送容器の
一例の概略説明図である。
【図3】図3は本発明の製造装置を構成する搬送容器の
一例の概略説明図である。
【図4】図4は本発明の製造装置の一例の概略説明図で
ある。
【図5】図5は本発明の製造装置の一例の概略説明図で
ある。
【図6】図6は本発明の製造装置の一例の概略説明図で
ある。
【図7】図7は本発明の製造装置を構成する、ガス流通
型反応炉である加熱還元反応炉の一例を縦断面図により
示したものである。
【図8】図8は図7の製造装置の断面図である。
【符号の説明】
1 反応炉本体 2 ガス分散板 3 加熱手段 4 ガスの入口 5 ガスの排出口 6 搬送容器 7 移送手段 8 搬入口 9 搬出口 11 供給フィーダー 12 搬送容器 13 加熱脱水反応炉 14 加熱還元反応炉 15 加熱気相酸化反応炉 16 移送手段 17 移送手段 21 補強部材 31 反応炉本体 32 ガス分散板 33 搬送容器 34 加熱用電気ヒーター 35 保温材 36 駆動ローラー 37 供給ホッパー 38 搬入口 39 搬出口 40 ガスの入口 41 ガスの排出口 50 軸シール 51 駆動用モーター 52 ローラー駆動軸 53 ガスシール壁 61 加熱還元反応炉 62 加熱気相酸化反応炉 63 移送手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水酸化鉄及び/又は酸化鉄を主成分と
    して含む鉄化合物粉末を還元性ガスの存在下で加熱還元
    する金属磁性粉末の製造方法において、鉄化合物粉末の
    造粒物をガス流通可能な構造の搬送容器に載置し、該搬
    送容器を加熱還元反応炉に搬入し、鉄化合物粉末の造粒
    物を還元性ガスの存在下で加熱還元することを特徴とす
    る金属磁性粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 含水酸化鉄及び/又は酸化鉄を主成分と
    して含む鉄化合物粉末を還元性ガスの存在下で加熱還元
    し、得られる還元物を酸素含有ガスの存在下で気相酸化
    させる金属磁性粉末の製造方法において、(A)鉄化合
    物粉末の造粒物をガス流通可能な構造の搬送容器に載置
    し、該搬送容器を加熱還元反応炉に搬入し、鉄化合物粉
    末の造粒物を還元性ガスの存在下で加熱還元して還元物
    を得る工程、及び(B)工程(A)で得られた還元物を
    載置した該搬送容器を加熱気相酸化反応炉に搬入し、該
    還元物を酸素含有ガスの存在下で気相酸化させる工程、
    を設けることを特徴とする金属磁性粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 含水酸化鉄を主成分として含む鉄化合物
    粉末を非還元性ガスの存在下で加熱脱水させ、得られる
    加熱脱水物を還元性ガスの存在下で加熱還元し、得られ
    る還元物を酸素含有ガスの存在下で気相酸化させる金属
    磁性粉末の製造方法において、(C)鉄化合物粉末の造
    粒物をガス流通可能な構造の搬送容器に載置し、該搬送
    容器を加熱脱水反応炉に搬入し、鉄化合物粉末の造粒物
    を非還元性ガスの存在下で加熱脱水させて加熱脱水物を
    得る工程、(D)工程(C)で得られた加熱脱水物を載
    置した該搬送容器を加熱還元反応炉に搬入し、該加熱脱
    水物を還元性ガスの存在下で加熱還元して還元物を得る
    工程、及び(E)工程(D)で得られた還元物を載置し
    た該搬送容器を加熱気相酸化反応炉に搬入し、該還元物
    を酸素含有ガスの存在下で気相酸化させる工程、を設け
    ることを特徴とする金属磁性粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 搬送容器を加熱還元反応炉内で移送させ
    ながら鉄化合物粉末の造粒物を加熱還元する請求項1記
    載の製造方法。
  5. 【請求項5】 搬送容器を加熱還元反応炉内で移送させ
    ながら鉄化合物粉末の造粒物を加熱還元し、搬送容器を
    加熱気相酸化反応炉内で移送させながら還元物を気相酸
    化させる請求項2記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 搬送容器を加熱脱水反応炉内で移送させ
    ながら鉄化合物粉末の造粒物を加熱脱水させ、搬送容器
    を加熱還元反応炉内で移送させながら加熱脱水物を加熱
    還元し、搬送容器を加熱気相酸化反応炉内で移送させな
    がら還元物を気相酸化させる請求項3記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 還元性ガス供給手段を有する加熱還元反
    応炉と、ガス流通可能な構造の搬送容器と、該搬送容器
    を該加熱還元反応炉に搬入し、加熱還元処理後に搬出す
    る移送手段とを備え、該搬送容器内に載置された含水酸
    化鉄及び/又は酸化鉄を主成分として含む鉄化合物粉末
    の造粒物が還元性ガスの存在下で加熱還元される構造と
    したことを特徴とする金属磁性粉末の製造装置。
  8. 【請求項8】 さらに、酸素含有ガス供給手段を有する
    加熱気相酸化反応炉と、該加熱還元反応炉から搬出され
    た該搬送容器を該加熱気相酸化反応炉へ搬入し、気相酸
    化処理後に搬出する移送手段とを備え、加熱還元された
    還元物を酸素含有ガスの存在下で気相酸化させる構造と
    したことを特徴とする請求項7記載の製造装置。
  9. 【請求項9】 加熱脱水反応装置と、加熱還元反応装置
    と、加熱気相酸化反応装置とがこの順で連結されてなる
    金属磁性粉末の製造装置であって、該加熱脱水反応装置
    が非還元性ガス供給手段を有する加熱脱水反応炉と、ガ
    ス流通可能な構造の搬送容器と、該搬送容器を該加熱脱
    水反応炉に搬入し、加熱脱水処理後に搬出する移送手段
    とを備えてなり、該加熱還元反応装置が還元性ガス供給
    手段を有する加熱還元反応炉と、該加熱脱水反応炉から
    搬出された搬送容器を該加熱還元反応炉に搬入し、加熱
    還元処理後に搬出する移送手段とを備え、該加熱気相酸
    化反応装置が酸素含有ガス供給手段を有する加熱気相酸
    化反応炉と、該加熱還元反応炉から搬出された搬送容器
    を該加熱気相酸化反応炉に搬入し、気相酸化処理後に搬
    出する移送手段とを備え、含水酸化鉄を主成分として含
    む鉄化合物粉末の造粒物が順次非還元性ガスの存在下で
    加熱脱水され、還元性ガスの存在下で加熱還元され、そ
    して酸素含有ガスの存在下で気相酸化される構造とした
    ことを特徴とする金属磁性粉末の製造装置。
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