JPH0693312A - 金属磁性粉末の製造方法および製造装置 - Google Patents

金属磁性粉末の製造方法および製造装置

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JPH0693312A
JPH0693312A JP4269751A JP26975192A JPH0693312A JP H0693312 A JPH0693312 A JP H0693312A JP 4269751 A JP4269751 A JP 4269751A JP 26975192 A JP26975192 A JP 26975192A JP H0693312 A JPH0693312 A JP H0693312A
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reduced
belt
reducing gas
reducing
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Hiroyuki Nakamura
浩之 中村
Yoshinori Hama
良典 浜
Shiyuuhei Arikita
周平 有北
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】含水酸化鉄または酸化鉄を主体として含む鉄化
合物粉末を還元性ガスを用いて加熱還元する金属磁性粉
末の製造方法において、造粒した被還元物をガス流通型
反応炉内に設けられたガス流通可能なベルト上に連続的
に供給して載置し、該被還元物を移送しながら、還元性
ガスにより加熱還元を連続的に行うことを特徴とする金
属磁性粉末の製造方法、並びにそれに用いる製造装置。 【効果】本発明によれば、被還元物をベルト上で実質的
に静置状態で還元できるため粒子同士の衝突や微粉の発
生がなく、また、被還元物と還元性ガスの接触が良好で
あり、生成水蒸気の影響による針状形状の変形や形骸粒
子間の焼結がないため優れた磁気特性を有する金属磁性
粉末を製造することができる。また、この様な高品質金
属磁性粉末を工業的に有利に連続して製造することが可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属磁性粉末の連続製造
方法および製造装置に関する。更に詳しくは磁気記録に
有用な金属磁性粉末の連続製造方法および製造装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
各種の記録方式の発展は著しいものがあるが、中でも磁
気記録再生装置の小型軽量化の進歩は顕著である。これ
につれて磁気テープ・磁気ディスク等の磁気記録媒体に
対する高性能化の要求が大きくなってきている。磁気記
録に対するこのような要求を満足するためには、高い保
磁力と高い飽和磁化を有する磁性粉末が必要である。従
来、磁気記録用の磁性粉末として一般には針状のマグネ
タイトやマグヘマイト又はこれらの磁性酸化鉄粉末をコ
バルトで変性したいわゆるコバルト含有酸化鉄が用いら
れているが、より高出力の媒体を得るためにはより高い
保磁力・飽和磁化を持つ強磁性金属粉末いわゆるメタル
磁性粉が用いられ始めている。
【0003】このような金属磁性粉末の製造方法として
は、一般的に針状の含水酸化鉄または酸化鉄を主体とし
て含む鉄化合物の粉末を水素等の還元性ガス雰囲気中で
加熱して金属鉄にまで還元する方法が用いられている。
この方法においては、還元をより高温で行うほど粒子の
結晶性が良くなって、金属磁性粒子粉末の飽和磁化を高
めることができる。しかし、逆に、高温で還元を行うと
形骸粒子の針状形状が崩壊したり、形骸粒子同士の焼結
が起きてしまい、その結果、金属磁性粉末の保磁力、角
形比等の磁気特性が低下するといった問題が生じる。従
って、満足する性能の金属磁性粉末を得るためには、如
何に原料粒子の針状性を維持しながら金属磁性粉末とす
るかが解決すべき課題となる。
【0004】従来から、この課題を解決するため種々の
還元法が提案されている。例えば、250メッシュな
いし6メッシュに造粒後、流動床還元炉を用いて還元す
る方法(特開昭58−174509号公報)、攪拌翼
の付いた反応器を用いて還元する方法(特開昭55−1
57214号公報)、固定床反応装置を用いて水素還
元する方法(特公昭60−48563号公報)、0.
5〜30mmの造粒物とした後、筒状還元炉を用いて水
素還元する方法(特公平1−52442号公報)、1
〜10mmの球状粒子に造粒後、ロータリーキルンを用
いて還元する方法(特開昭59−197506号公報)
等が挙げられる。このうち、の還元方式では、粉末
粒子同士の接触あるいは衝突により粉末の凝集が促進さ
れて磁気特性が低下したり、また微粉が発生してこれが
反応器外に飛び出してしまうといった問題がある。
【0005】これに対して、、の固定床方式で還元
を行えば前記問題は解決できるが、この還元方式では次
の様な問題がある。すなわち、酸化鉄の水素還元反応は
2つの段階からなり次式で示されるが、 3Fe2 3 + H2 → 2Fe3 4 + H2 O (1) Fe3 4 + 4H2 → 3Fe+ 4H2 O (2) 固定床ではこの反応による生成水蒸気が、原料粒子の層
高(層厚み)が高くなるに従い蓄積されるため、層上部
の水蒸気分圧が過大となる。そして、水蒸気は針状の形
骸粒子を構成する結晶子の粒子成長を促進する。このた
め層高が高くなるほど形骸粒子を構成する結晶子の大き
さ(X線結晶粒径)が大きくなりすぎて針状形状の変形
および形骸粒子間の焼結が生じ、得られた金属磁性粉末
の磁気特性が低下する。さらに(2)の反応は可逆反応
であるため、層高が高くなるほど生成水蒸気の影響をう
けて還元反応速度が低下し還元が不均一となる。(層高
/固定床塔径)を小さくすれば均一で磁気特性に優れた
金属磁性粉末を得ることができるが、その様な固定床バ
ッチ還元方式では生産効率が非常に悪く工業的に適して
いない。の還元方式は還元ガスが被還元物層の上部を
流通する方法であるため、還元ガスと被還元物との接触
が不十分となり、還元時間が〜の方法と比較して長
くなってしまう。このため、針状粒子の形状変化や粒子
同士の焼結が生じ易いという問題がある。
【0006】本発明の目的は、このような微粒子の金属
磁性粉末の製造段階における粒子の形状変化および粒子
同士の焼結を防止し、優れた磁気特性を示す金属磁性粉
末を工業的規模で高効率で連続的に量産するための製造
方法および製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題について検討を行った結果、還元反応をガス流通可能
なベルトを有するガス流通型反応炉を用いて行うことに
より、粒子の形状変化および粒子同士の焼結がなく優れ
た磁気特性を示す金属磁性粉末が得られること、および
この様な金属磁性粉末を工業的に有利に連続製造できる
ことを見出し、本発明を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、(1)含水酸
化鉄または酸化鉄を主体として含む鉄化合物粉末を還元
性ガスを用いて加熱還元する金属磁性粉末の製造方法に
おいて、造粒した被還元物をガス流通型反応炉内に設け
られたガス流通可能なベルト上に連続的に供給して載置
し、該被還元物を移送しながら、還元性ガスにより加熱
還元を連続的に行うことを特徴とする金属磁性粉末の製
造方法、(2)還元性ガスをベルト面に対して垂直上向
きにガス線速度10cm/sec以上で供給する前記
(1)記載の製造方法、並びに(3)還元性ガスの入口
および排出口、並びに被還元物の供給口および還元物の
排出口を有するガス流通型反応炉本体と、該反応炉本体
内に設けられたガス流通可能なベルトを有する被還元物
移送用ベルトコンベアと、前記還元性ガスの入口より導
入された還元性ガスを被還元物の載置された該ベルト面
に均一に分散供給させるガス分散板と、前記反応炉本体
内を加熱するよう配設された加熱手段を備えてなること
を特徴とする金属磁性粉末の製造装置に関する。
【0009】まず、本発明の金属磁性粉末の製造方法に
用いる製造装置について、概略説明図である図4を用い
て説明する。反応炉本体40は還元性ガスの入口44お
よび還元性ガスの排出口45、被還元物の供給口46お
よび還元物の排出口47を有する密閉式横型容器であ
る。該反応炉本体の周囲には加熱手段43が設けられて
いる。加熱手段の方式としては被還元物を還元温度まで
加熱できるものであれば特に限定されない。例えば、可
燃性燃料の燃焼方式、電気炉方式などを用いることがで
きる。なお、本発明においては、反応炉本体40内の還
元温度を一定に保つ目的等で、通常保温材を用いるなど
して断熱を行なっている。
【0010】反応炉本体内には被還元物を移送するため
にベルトコンベア41を設けている。ベルトの形状とし
ては、造粒した被還元物を保持できる目開きであり、還
元性ガスが該ベルト面の空孔中を流通した時の圧力損失
が小さくなる開口率を有する通風性のエンドレスベルト
等であれば特に限定されない。例えばメッシュベルト、
多孔板ベルト等が挙げられる。なお、本発明ではガス流
通可能なベルトに被還元物が保持されるように、またガ
ス流通により被還元物がベルト上で流動化状態となり被
還元物同士が接触することを防ぎ、さらに被還元物が飛
散することを防止するため、被還元物である鉄化合物粉
末より粒径が大きい造粒物、即ち、鉄化合物粉末を造粒
した被還元物(以下、「造粒被還元物」と略す場合があ
る)を用いる。また、移送のための駆動装置も特に限定
されることなく、例えば回転数可変モーターが好適であ
る。
【0011】反応炉本体内には、還元性ガスの入口44
より導入された還元性ガスを造粒被還元物の載った上記
ベルト面に均一に分散供給するために、ガス分散板42
を設けている。ガス分散板としては多孔板、焼結金属
板、金網型、キャップ型等種々の形状のものが採用でき
る。また、ガス分散板は造粒被還元物を載置したベルト
の上側、またはベルトのリターン面の下側に設置しても
よいが、好ましくは、ガスシールが容易であることから
図4に示すように造粒被還元物を積載した面とリターン
面の間に設置する。その際、ベルトの有効還元長さに合
わせて1個の分散板を設置してもよいし、数個の分散板
をベルトの走行方向に連続して設置しても良い。ガス分
散板42への還元性ガスの供給は、ガス分散板、ベルト
及び造粒被還元物層等をガスが流通する際の圧力損失以
上の吐出圧力を有するブロアー等で好適に行われる。
【0012】本発明の製造装置には、ガス分散板より噴
出した還元性ガスがベルトの側面(端部)を通過するこ
となくベルト面を効果的に流通するように、適切なガス
シール構造を設けるのが好ましい。この構造としてはガ
ス分散板およびベルトの側面にシール壁を設けた構造、
ガス分散板およびベルト側面と反応炉本体の側壁を密着
させた構造等が挙げられる。
【0013】次に、本発明の金属磁性粉末の製造方法に
ついて説明する。本発明の製造方法は、含水酸化鉄また
は酸化鉄を主体として含む鉄化合物粉末を還元性ガスを
用いて加熱還元する金属鉄を主成分とする金属磁性粉末
の製造方法において、造粒した被還元物をガス流通可能
なベルト上に連続的に供給して載置し、該被還元物を移
送しながら、還元性ガスを流通させて加熱還元を連続的
に行うことを特徴とするものである。本発明の製造方法
は、前記の製造装置を用いて好適に行うことができる。
図4によりこれを説明すると、還元性ガスは還元性ガス
の入口44より導入され、ガス分散板42よりガス流通
可能なベルト41面に分散供給されベルト41面の空孔
中を通過して排出口45から排出される。このように還
元性ガスをベルトを介して流通させつつ、加熱手段43
により反応炉本体40内部を所定の還元温度で加熱す
る。また、還元性ガスの入口44より導入される還元性
ガスは外部の熱交換器(図示せず)等により、加熱して
もよい。一方、造粒した被還元物をベルト41上に連続
的に被還元物の供給口46より供給して載置し、ベルト
コンベアにより該被還元物を図中に示す矢印A方向に移
送しながら、被還元物層内に還元性ガスを流通させて加
熱還元を連続的に行う。得られた還元物は、還元物の排
出口47より回収する。
【0014】本発明に用いられる被還元物は、含水酸化
鉄または酸化鉄を主体として含む鉄化合物粉末である。
含水酸化鉄としては、例えばα−FeOOH、β−Fe
OOH、γ−FeOOHが挙げられる。酸化鉄として
は、例えばα−Fe2 3 、γ−Fe2 3 、Fe3
4 などが挙げられる。また、これらの含水酸化鉄または
酸化鉄には、コバルト、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、
硅素、アルミニウム、錫、チタン等の元素を添加しても
良い。被還元物の形状は、針状であれば特に限定される
ことはなく、具体的には短冊状、スピンドル状、紡錘
状、米粒状等が挙げられる。これらのうち、特に長さ
0.3μm以下、軸比5以上の針状晶の微粒子を用いる
場合に、本発明の効果がさらに有効となる。
【0015】本発明では前記の理由等により、このよう
な被還元物を造粒し、造粒被還元物として用いる。この
とき、造粒被還元物の形状は特に限定されないが、1m
m以上20mm以下に造粒したものを用いることが好ま
しい。1mm未満の造粒被還元物では上記還元性ガスを
好ましいガス流速で造粒被還元物と接触させた場合、造
粒被還元物が流動化状態となり微粉が発生したり、造粒
被還元物がベルト上より飛び出してしまう。20mmを
越えるものでは、造粒被還元物内での水素ガスおよび生
成水蒸気の拡散が不良となり還元が不均一なものとなっ
てしまう。被還元物の造粒方法としては、公知の方法が
用いられ、例えば攪拌転動造粒、流動造粒、押し出し造
粒、破砕造粒等が挙げられる。
【0016】還元性ガスとしては純水素ガス、COガス
あるいはこれらに不活性成分を含有させた混合ガス等を
用いることができるが、好ましくは純水素ガスが使用さ
れる。好ましいガス流速は造粒被還元物の粒径により異
なるが、ベルト面に対して垂直上向きのガス線速度で1
0cm/sec以上が好ましく、30cm/sec以上
がより好ましく、50cm/sec以上が特に好まし
い。なお、ガス線速度は、還元温度における速度であ
る。ガス線速度が10cm/sec未満であると、還元
反応により生成する水蒸気の分圧が高くなり、針状の形
骸粒子を構成する金属鉄の結晶子の大きさ(X線結晶粒
径)が大きくなりすぎて針状形状の変形や形骸粒子間の
焼結が起こり、得られた金属磁性粉末の磁気特性が低下
する。
【0017】これら造粒被還元物のベルト上での層厚み
は、通常25cm以下、好ましくは20cm以下であ
る。しかし、層を厚くしていくと層上部の造粒被還元物
は層下部で生成した水蒸気をより多く含んだ水素ガスで
還元を受けることになり、層上部の金属磁性粉末のX線
結晶粒径が大きくなって磁気特性が低下して好ましくな
い。また層上部における還元速度が低下し、還元が不均
一となり好ましくない。層厚みが25cmを越えると、
前記の様に水素ガスのガス線速度を10cm/sec以
上としても、層上部における水蒸気分圧の影響を無視で
きなくなるためである。
【0018】還元温度は、300〜700℃が好まし
く、350〜600℃がより好ましい。300℃未満で
は金属磁性粉末として有効な磁気特性を備えた還元生成
物を得る事ができず好ましくない。700℃を越えると
形骸粒子の針状形状が崩壊して、磁気特性が低下してし
まい好ましくない。
【0019】反応炉本体内の滞留時間、即ち造粒被還元
物が該反応炉本体内のベルト上に供給されてから還元物
の排出口より出るまでの時間(還元時間)は、上記の諸
条件にもよるが通常0.5〜10時間、好ましくは1〜
8時間である。0.5時間より短時間であると還元が不
十分であり、10時間より長時間であると金属磁性粉末
の品質面では問題ないが生産効率が低く好ましくない。
このような滞留時間は、通常、駆動用モーターの制御等
によりベルトの走行速度を変化させることにより調整す
ることができる。
【0020】以上のような本発明の製造方法により、製
造段階における粒子の形状変化および粒子同士の焼結を
防止しながら、優れた磁気特性を示す金属磁性粉末を工
業的規模で高効率で連続的に量産することができる。な
お、このようにして得られた金属磁性粉末は、常法によ
り表面酸化を施し、安定化することが好ましい。その方
法としては、例えば金属磁性粉末をトルエン中に浸漬
後、大気中で風乾させるなどすればよい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものでは
ない。
【0022】実施例1(製造装置例) 図1は本発明の製造装置の一例を縦断面図により示した
ものであり、図2,3はその製造装置の各部の断面図を
示したものである。反応炉本体1の大きさは巾370m
m、高さ300mm、長さ2900mmである。加熱手
段としては加熱用電気ヒーター4および保温材5を用い
た電気炉方式を採用している。ベルト3は巾300m
m、有効還元長さ2000mmのスチール製エンドレス
メッシュベルト(メッシュ口径0.15mm)である。
このベルトは造粒被還元物がベルトの端部から脱落しな
いようにするために図3に示すような断面形状となって
いる。そして、このベルトはベルト駆動ローラー11お
よび反応炉本体外に設けた駆動用モーター21により図
中の矢印A方向に一定の速度で走行する。ローラー駆動
軸12には還元性ガスをシールするために軸シール20
が設けてある。ガス分散板2は300×300mmの断
面を有する多孔板である。またこのガス分散板は造粒被
還元物の載ったメッシュベルト面下側に5個の分散板を
連続して設置している。また、図2に示すようにガス分
散板より噴出した還元性ガスが、ベルトの側面を通過せ
ずベルト面を効果的に流通するようにガスシール壁22
を設けている。反応炉本体の被還元物の供給口8には原
料貯槽14内の造粒被還元物をメッシュベルト上に連続
して供給するための原料フィーダー13を直結してい
る。原料フィーダーにはスクリューフィーダーを使用し
た。また、厚み調整板10はメッシュベルト上に供給さ
れた造粒被還元物をメッシュベルト上で一定の層厚みに
するために設けてあり、層厚みを変化できる調整機構を
有している。層厚みは、造粒被還元物の供給速度を原料
フィーダー13の回転速度を制御するとともに厚み調整
板10の設定厚みを変えることにより調整することがで
きる。一定の層厚みになった造粒被還元物はベルトによ
り図中の矢印A方向に移動して、還元性ガス入口6から
反応炉本体内に導入されガス分散板より噴出する還元性
ガスと接触し連続的に還元される。造粒被還元物の滞留
時間(造粒被還元物が該反応炉本体内のベルト上に供給
されてから還元物の排出口9より出るまでの時間)、す
なわち還元時間はベルトの走行速度により調整できる
が、このベルト走行速度を適切に制御するために前記駆
動用モーター21は、モーターの回転数を可変に制御で
きる機構を有している。所定の還元時間を経て得られた
金属磁性粉末を回収するために還元物の排出口9には製
品貯槽15が連結されている。また、還元性ガスおよび
還元物が直接大気と接触することがないように原料貯槽
14と製品貯槽15は窒素ガスによりパージしている。
【0023】実施例2(製造例) 造粒被還元物としては、AlをFeに対して4重量%含
み、一次粒子の大きさが長軸長さ0.22μm、軸比1
0である針状晶α−FeOOHを直径3mmの造粒物と
したものを用いた。これを実施例1に示した製造装置に
より水素ガスを用いて480℃で還元した。水素ガスは
メッシュベルト面に対して垂直上向きのガス線速度が4
0cm/secとなるように流通した。上記造粒被還元
物は原料貯槽14に充填後、原料フィーダー13により
6kg/hrの速度で還元温度まで加熱した反応炉本体
内に連続的に供給した。造粒被還元物のメッシュベルト
上での層厚みは厚み調整板10により10cmとした。
造粒被還元物はベルトとともに矢印A方向に移動してメ
ッシュベルトを流通する水素ガスと接触しながら連続的
に還元された。造粒被還元物の反応炉本体内滞留時間
は、反応炉本体外部に設けたベルト駆動用モーター21
によりベルトの走行速度を調整して3hrとした。以上
の様な設定条件で製品貯槽内に3.7kg/hrの金属
磁性粉末を得ることができた。この金属磁性粉末の一部
をトルエン中に浸漬し、続いて大気中で風乾して表面酸
化を施した後、磁気特性を試料振動型磁力計(VSM)
により、X線結晶粒径(金属鉄の結晶子の大きさ)をX
線回折装置により測定した。この際、X線結晶粒径はX
線回折の鉄(110)回折ピークの半値巾よりシェラー
の式を用いて求めた。その結果、保磁力(Hc):16
10[Oe]、飽和磁化(σs):142[emu/
g]、角形比(σr/σs):0.52[−]、X線結
晶粒径176[A]であり、優れた磁気特性を有するも
のであった。
【0024】実施例3(製造例) 造粒被還元物として、SiをFeに対して3重量%含
み、一次粒子の大きさが長軸長さ0.25μm、軸比1
0である針状晶α−Fe2 3 を用い、500℃で還元
した以外は実施例2と同様の条件で実施した。その結
果、4.2kg/hrの金属磁性粉末を得ることができ
た。この金属磁性粉末の磁気特性は、保磁力(Hc):
1580[Oe]、飽和磁化(σs):148[emu
/g]、角形比(σr/σs):0.51[−]、X線
結晶粒径170[A]であり、優れた磁気特性を有する
ものであった。
【0025】
【発明の効果】本発明の製造方法および製造装置を用い
れば、被還元物をベルト上で実質的に静置状態で還元で
きるため粒子同士の衝突や微粉の発生がなく、また、被
還元物と還元性ガスの接触が良好であり、生成水蒸気の
影響による針状形状の変形や形骸粒子間の焼結がないた
め優れた磁気特性を有する金属磁性粉末を製造すること
ができる。また、この様な高品質金属磁性粉末を工業的
に有利に連続して製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の製造装置の一例を縦断面図によ
り示したものである。
【図2】図2は図1の製造装置のII−II線断面図であ
る。
【図3】図3は図1の製造装置のI−I線断面図であ
る。
【図4】図4は本発明の製造装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1 反応炉本体 2 ガス分散板 3 ベルト 4 加熱用電気ヒーター 5 保温材 6 還元性ガスの入口 7 還元性ガスの排出口 8 被還元物の供給口 9 還元物の排出口 10 厚み調整板 11 ベルト駆動ローラー 12 ローラー駆動軸 13 原料フィーダー 14 原料貯槽 15 製品貯槽 16 窒素パージガス入口 17 窒素パージガス出口 18 窒素パージガス入口 19 窒素パージガス出口 20 軸シール 21 駆動用モーター 22 ガスシール壁 40 反応炉本体 41 ベルトコンベア 42 ガス分散板 43 加熱手段 44 還元性ガスの入口 45 還元性ガスの排出口 46 被還元物の供給口 47 還元物の排出口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水酸化鉄または酸化鉄を主体として含
    む鉄化合物粉末を還元性ガスを用いて加熱還元する金属
    磁性粉末の製造方法において、造粒した被還元物をガス
    流通型反応炉内に設けられたガス流通可能なベルト上に
    連続的に供給して載置し、該被還元物を移送しながら、
    還元性ガスにより加熱還元を連続的に行うことを特徴と
    する金属磁性粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 還元性ガスをベルト面に対して垂直上向
    きにガス線速度10cm/sec以上で供給する請求項
    1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 還元性ガスの入口および排出口、並びに
    被還元物の供給口および還元物の排出口を有するガス流
    通型反応炉本体と、該反応炉本体内に設けられたガス流
    通可能なベルトを有する被還元物移送用ベルトコンベア
    と、前記還元性ガスの入口より導入された還元性ガスを
    被還元物の載置された該ベルト面に均一に分散供給させ
    るガス分散板と、前記反応炉本体内を加熱するよう配設
    された加熱手段を備えてなることを特徴とする金属磁性
    粉末の製造装置。
JP4269751A 1992-09-10 1992-09-10 金属磁性粉末の製造方法および製造装置 Pending JPH0693312A (ja)

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