JPH10279974A - グリース組成物 - Google Patents

グリース組成物

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JPH10279974A
JPH10279974A JP8387397A JP8387397A JPH10279974A JP H10279974 A JPH10279974 A JP H10279974A JP 8387397 A JP8387397 A JP 8387397A JP 8387397 A JP8387397 A JP 8387397A JP H10279974 A JPH10279974 A JP H10279974A
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JP
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group
thickener
formula
grease composition
carbon atoms
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JP8387397A
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Inventor
Nobuo Imai
信夫 今井
Yutaka Shikatani
裕 鹿谷
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性に優れ、離油度が小さく、かつ長寿命で
あり、また耐放射線性をも有するグリース組成物を提供
する。 【解決手段】基油、及び組成物全量基準で2〜50質量
%の増ちょう剤を含むグリース組成物であって、増ちょ
う剤として、以下の一般式(1)で表される化合物を増
ちょう剤全量基準で50〜100質量%含有するグリー
ス組成物。 【化1】 (R1,R4;少なくとも1個のエーテル結合を有する芳
香族残基、R2,R3;C1〜24の2価の有機残基、
a;1〜10の整数。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアミド化合物を増ち
ょう剤として含有するグリース組成物に関し、詳しくは
特定の構造を有するアミド化合物を増ちょう剤とする各
種性能、特に耐熱性に優れかつ長寿命性のグリース組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】グリースは通常、基油、増ちょう剤及び
添加剤より構成されており、従来、増ちょう剤としては
ナトリウム系、カルシウム系の金属せっけん類が用いら
れてきた。しかしながら、近年の工業技術の進歩と共
に、各種装置の使用条件も非常に過酷なものとなってお
り、実際に装置を運転する条件下で使用に適する潤滑剤
の性能も、それに応じて極めて高い性能が要求されるよ
うになってきた。特に、高荷重、高速度で運転される軸
受部、自動車用の電装部品や補機、鉄鋼等の鋳造設備に
用いられるグリースには耐熱性の優れたものが要求され
る。また原子力発電用発電機に用いられるグリースには
耐熱性と耐放射線性に優れたものが要求される。この様
な厳しい条件下での潤滑は、部品の早期交換、集中給脂
によって対処されてきたが、機械装置のメンテナンスフ
リー化、及び省資源化の考え方に伴いグリースの長寿命
化も求められている。
【0003】この様な要請に対して、ナトリウム石けん
系、カルシウム石けん系の増ちょう剤にかわり、リチウ
ム石けん系の増ちょう剤を使用したグリースが用いられ
るようになってきた。これは、耐熱性、耐水性及び機械
的安定性等従来のグリースと比較して優れた性質を示す
ものであり、各種機械の軸受部、自動車部品及び製鉄設
備等に広く使用されている。しかしながら、このリチウ
ム石けん系のグリースもその滴点は200℃前後程度で
あり、比較的高温安定性に優れているとはいえ、150
℃以上での高温領域での使用は好ましくない。
【0004】そこで、さらに高い熱安定性を持つものと
して、各種のコンプレックス石けん、ベントン、シリカ
ゲル等の無機系の増ちょう剤を用いたのものが考えられ
ているが、耐熱性はまだ不十分であり、また経時硬化性
が大きい、油分離が大きい、高温長時間での潤滑性に欠
点がある等の問題点がある。
【0005】耐熱性に優れたグリースとしては、ジウレ
アグリース、テトラウレアグリース等のウレア系のグリ
ース及びウレア−ウレタングリース等の有機系の増ちょ
う剤を使用したものが知られている。これらは、優れた
耐熱性を示すと共に長寿命性を示し、原料であるアミン
類及びイソシアネート類の組み合わせで種々の特性を有
するグリースが得られるので、今日まで非常に多くのも
のが研究開発されている。
【0006】これに対して、最近アミド結合を有する有
機化合物を増ちょう剤として用いたグリースがいくつか
提案されている。特開昭54−114506号公報、特
開昭56−139592号公報には、1分子中に2個の
イミド結合と2個のアミド結合とからなる化合物を増ち
ょう剤としたグリース組成物が開示されている。また特
開平2−6599号公報には、末端にアミド基を持つこ
とを特徴とするジウレア化合物を増ちょう剤として使用
したジウレアグリースが開示されている。しかしながら
これらはいずれも耐熱性の点で問題がある。
【0007】また、米国特許3,773,666号明細
書(出願人:シェブロン)には、フタルアミドポリマー
を細かく粉砕した粉末を増ちょう剤とするグリース組成
物が開示されているが、該ポリマー化合物の分子量や末
端基については一切規定されておらず、またその製法等
に関する記載もない。
【0008】これらの問題を踏まえ、本発明者らは、末
端に炭化水素基を有するアミドオリゴマーを既に提案し
た(特開平8−337790号公報)が、これは耐熱性
の面で改善の余地がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性に優れ、離油度が小さく、かつ長寿命であり、また耐
放射線性をも有するグリース組成物を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基油、
及び組成物全量基準で2〜50質量%の増ちょう剤を含
むグリース組成物であって、増ちょう剤として、以下の
一般式(1)で表される化合物を増ちょう剤全量基準で
50〜100質量%含有するグリース組成物が提供され
る。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1及びR4は同一又は異なる基で
あって少なくとも1個のエーテル結合を有する芳香族残
基を、R2及びR3は同一又は異なる基であって炭素数1
〜24の2価の有機残基を、aは1〜10の整数をそれ
ぞれ表す。)
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のグリース組成物の基油と
しては、鉱油及び/又は合成油等を挙げることができ
る。
【0014】前記鉱油としては、原油の常圧蒸留で得ら
れた重質油をさらに減圧蒸留して得られた潤滑油留分に
対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろ
う、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の
精製処理のうちの1種もしくは2種以上を適宜組み合わ
せて行って精製して得られたパラフィン系、ナフテン系
等の鉱油、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0015】また、前記合成油の具体例としてはポリブ
テン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー
等のポリα−オレフィン又はその水素化物;ブチルステ
アレート、オクチルラウレート、ジトリデシルグルタレ
ート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシ
ルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチ
ルヘキシルセバケート等のエステル;トリメチロールプ
ロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴ
ネート、トリメチロールプロパンオレート、トリメチロ
ールプロパンステアレート、ペンタエリスリトール−2
−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラル
ゴネート、ペンタエリスリトールオレート、ペンタエリ
スリトールステアレート等のポリオールエステル;アル
キルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリオキシアルキ
レングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリ
フェニルエーテル;及びこれらの混合物等が挙げられ
る。
【0016】本発明のグリース組成物の基油の粘度は特
に限定されないが、一般的には、40℃における動粘度
が1〜300mm2/sの範囲にあるものが好ましく、
2〜100mm2/sの範囲にあるものがより好まし
い。
【0017】本発明のグリース組成物は、組成物全量基
準で2〜50質量%、好ましくは3〜40質量%の増ち
ょう剤を含む。増ちょう剤の含有量が2質量%未満の場
合は、増ちょう剤としての効果がなく、また50質量%
を越える場合はグリースとして固くなりすぎて十分な潤
滑効果を発揮することができない。
【0018】本発明のグリース組成物は、増ちょう剤と
して、前記一般式(1)で表される化合物(以下、「ア
ミドオリゴマー(1)」という。)を増ちょう剤全量基
準で50〜100質量%、好ましくは70〜100質量
%含有する。アミドオリゴマー(1)の含有割合が50
質量%に満たない場合、得られるグリース組成物のちょ
う度が小さい、耐熱性に劣る等の不具合が発生すること
がある。
【0019】本発明のグリース組成物中において、アミ
ドオリゴマー(1)は、同一の構造を有するものを単独
で用いてもよく、一般式(1)を満たす限りにおいて異
なる構造を有する2種以上のものの混合物を用いてもよ
い。
【0020】アミドオリゴマー(1)は、少なくとも1
個以上のエーテル結合を有する芳香族残基を、両方の末
端に有することが肝要である。このような構造を有さな
いアミドオリゴマーを増ちょう剤として用いた場合、そ
の増ちょう能力は著しく低く、また滴点が下がり耐熱性
が劣る。
【0021】前記式(1)中、R1及びR4は同一又は異
なる基であって少なくとも1個のエーテル結合を有する
芳香族残基を表す。
【0022】式(1)中のR1及びR4の好ましい例とし
ては以下の一般式(2)で表される少なくとも1個以上
のエーテル結合を有する芳香族残基等を挙げることがで
きる。
【0023】
【化3】
【0024】式(2)中、A1及びA2はそれぞれ同一又
は異なる基であって二価の芳香族残基を表し、xは1〜
10、好ましくは1〜2の整数を表す。アミドオリゴマ
ー(1)1分子中に複数のA1及び/又はA2が存在する
場合、個々のA1及び/又はA2は同一でも異なっていて
もよい。
【0025】式(2)中のA1及びA2で表される二価の
芳香族残基としては、具体的には例えば以下の一般式
(3)〜(7)で示すもの又はこれらの混合物が挙げら
れる。これらの中でも一般式(3)及び(4)で表され
るものが特に好ましく用いられる。
【0026】
【化4】
【0027】式(3)〜(7)中のR5〜R13はそれぞ
れ同一又は異なる基であって、水素原子、又は炭素数1
〜24、好ましくは6〜18、さらに好ましくは6〜1
8のアルキル基、特に直鎖アルキル基を表す。
【0028】前記アルキル基の具体例としてはメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、直鎖又は分枝のペンチル基、直鎖又は分枝
のヘキシル基、直鎖又は分枝のヘプチル基、直鎖又は分
枝のオクチル基、直鎖又は分枝のノニル基、直鎖又は分
枝のデシル基、直鎖又は分枝のウンデシル基、直鎖又は
分枝のドデシル基、直鎖又は分枝のトリデシル基、直鎖
又は分枝のテトラデシル基、直鎖又は分枝のペンタデシ
ル基、直鎖又は分枝のヘキサデシル基、直鎖又は分枝の
ヘプタデシル基、直鎖又は分枝のオクタデシル基、直鎖
又は分枝のノナデシル基、直鎖又は分枝のエイコシル
基、直鎖又は分枝のヘンエイコシル基、直鎖又は分枝の
ドコシル基、直鎖又は分枝のトリコシル基、直鎖又は分
枝のテトラコシル基等が挙げられる。
【0029】A1で表される二価の芳香族残基の具体例
としてはフェニレン基、ビフェニレン基、トリフェニレ
ン基、ナフチレン基等が挙げられ、これらの中でもフェ
ニレン基が特に好ましい。
【0030】A2で表される二価の芳香族残基の具体例
としてはフェニレン基、ビフェニレン基、トリフェニレ
ン基、ナフチレン基等が挙げられ、これらの中でもフェ
ニレン基が特に好ましい。
【0031】前記R1又はR4の具体例としては、A1
フェニレン基、A2がフェニレン基、xが1であるも
の;A1がフェニレン基、A2がフェニレン基、xが2で
あるもの;A1がジフェニレン基、A2がフェニレン基、
xが1であるもの;A1がフェニレン基、A2がジフェニ
レン基、xが1であるもの等が挙げられるが、これらの
中でも特にA1がフェニレン基、A2がフェニレン基、x
が1であるものが好ましい。
【0032】前記式(1)中、R2及びR3は同一又は異
なる基であって炭素数1〜24の2価の有機残基を表
す。アミドオリゴマー(1)1分子中に複数のR2及び
/又はR3が存在する場合、個々のR2及び/又はR3
同一でも異なっていてもよい。R2及び/又はR3の炭素
数が24を超える場合、製造が困難である。
【0033】前記R2及びR3としては、炭素数1〜1
0の2価の炭化水素基、及びベンゼン環を2個以上持
つ炭素数12〜24の有機残基等が挙げられる。
【0034】前記炭素数1〜10の2価の炭化水素基
としてはアルキレン基、アルケニレン基、2価の脂環式
炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基等が挙げられ
る。
【0035】前記アルキレン基の具体例としてはメチレ
ン基;メチルメチレン基(エチリデン基)、エチレン基
等の炭素数2のアルキレン基;エチルメチレン基(プロ
ピリデン基)、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン
基)、メチルエチレン基(プロピレン基)、トリメチレ
ン基等の炭素数3のアルキレン基;n−プロピルメチレ
ン基(ブチリデン基)、イソプロピルメチレン基(イソ
ブチリデン基)、エチルメチルメチレン基、エチルエチ
レン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチ
ルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチル
トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数4のアル
キレン基;n−ブチルメチレン基(ペンチリデン基)、
sec−ブチルメチレン基、イソブチルメチレン基(イ
ソペンチリデン基)、tert−ブチルメチレン基、n
−プロピルメチルメチレン基、イソプロピルメチルメチ
レン基、ジエチルメチレン基、n−プロピルエチレン
基、イソプロピルエチレン基、1−エチル−1−メチル
エチレン基、1−エチル−2−メチルエチレン基、トリ
メチルエチレン基、1−エチルトリメチレン基、2−エ
チルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン
基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1,3−ジメチ
ルトリメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、
1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレ
ン基、ペンタメチレン基等の炭素数5のアルキレン基;
n−ペンチルメチレン基(ヘキシリデン基)、(1−メ
チルブチル)メチレン基、イソペンチルメチレン基(イ
ソペンチリデン基)、(1,2−ジメチルプロピル)メ
チレン基、n−ブチルメチルメチレン基、イソブチルメ
チルメチレン基、エチル−n−プロピルメチレン基、エ
チルイソプロピルメチレン基、ブチルエチレン基、イソ
ブチルエチレン基、1−(n−プロピル)−1−メチル
エチレン基、1−(n−プロピル)−2−メチルエチレ
ン基、1−イソプロピル−1−メチルエチレン基、1−
イソプロピル−2−メチルエチレン基、1,2−ジエチ
ルエチレン基、1−エチル−2,2−ジメチルエチレン
基、テトラメチルエチレン基、1−n−プロピルトリメ
チレン基、2−n−プロピルトリメチレン基、1−イソ
プロピルトリメチレン基、2−イソプロピルトリメチレ
ン基、1−エチル−3−メチルトリメチレン基、1−エ
チル−2−メチルトリメチレン基、1,1,2−トリメ
チルトリメチレン基、1,1,3−トリメチルトリメチ
レン基、1−エチルテトラメチレン基、1,1−ジメチ
ルテトラメチレン基、1,3−ジメチルテトラメチレン
基、1,4−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメ
チルテトラメチレン基,1−メチルペンタメチレン基、
2−メチルペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭
素数6のアルキレン基(すべての炭素数6のアルキレン
基の異性体を含む);n−ヘキシルメチレン基(ヘプチ
リデン基)、n−ペンチルエチレン基(ヘプチレン
基)、ヘプタメチレン基等の炭素数7のアルキレン基
(すべての炭素数7のアルキレン基の異性体を含む);
n−ヘプチルメチレン基(オクチリデン基)、n−ヘキ
シルエチレン基(オクチレン基)、オクタメチレン基等
の炭素数8のアルキレン基(すべての炭素数8のアルキ
レン基の異性体を含む);n−オクチルメチレン基(ノ
ニリデン基)、n−ヘプチルエチレン基(ノニレン
基)、ノナメチレン基等の炭素数9のアルキレン基(す
べての炭素数9のアルキレン基の異性体を含む);n−
ノニルメチレン基(デシリデン基)、n−オクチルエチ
レン基(デシレン基)、デカメチレン基等の炭素数10
のアルキレン基(すべての炭素数10のアルキレン基の
異性体を含む)等が挙げられる。
【0036】前記アルケニレン基の具体例としてはビニ
リデン基、エテニレン基(ビニレン基)等の炭素数2の
アルケニレン基;プロペニレン基、メチレンエチレン
基、メチルエテニレン基、1−プロペニリデン基、2−
プロペニリデン基等の炭素数3のアルケニレン基;3−
メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数4のア
ルケニレン基(すべての炭素数4のアルケニレン基の異
性体を含む);1−メチル−3−メチレントリメチレン
基、3−エチルプロペニレン基、1,3−ジメチルプロ
ペニレン基、2,3−ジメチルプロペニレン基、3,3
−ジメチルプロペニレン基、ヘプテニレン基等の炭素数
5のアルケニレン基(すべての炭素数5のアルケニレン
基の異性体を含む);1,1−ジメチル−3−メチレン
トリメチレン基、1−エチル−3−メチレントリメチレ
ン基、3−エチル−1−メチルプロペニレン基、3−エ
チル−2−メチルプロペニレン基、1,3,3−トリメ
チルプロペニレン基、2,3,3−トリメチルプロペニ
レン基、ヘキセニレン基等の炭素数6のアルケニレン基
(すべての炭素数6のアルケニレン基の異性体を含
む);ヘプテニレン基等の炭素数7のアルケニレン基
(すべての炭素数7のアルケニレン基の異性体を含
む);オクテニレン基等の炭素数8のアルケニレン基
(すべての炭素数8のアルケニレン基の異性体を含
む);ノネニレン基等の炭素数9のアルケニレン基(す
べての炭素数9のアルケニレン基の異性体を含む);デ
セニレン基等の炭素数10のアルケニレン基(すべての
炭素数10のアルケニレン基の異性体を含む)等が挙げ
られる。
【0037】前記2価の脂環式炭化水素基の具体例とし
てはシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロ
ヘプチレン基等の炭素数5〜7のもの等が挙げられる。
【0038】前記2価の芳香族炭化水素基の具体例とし
てはフェニレン基、メチルフェニレン基(全ての置換異
性体を含む)、ジメチルフェニレン基(全ての置換異性
体を含む)、エチルフェニレン基(全ての置換異性体を
含む)、エチルメチルフェニレン基(全ての置換異性体
を含む)、ジエチルフェニレン基(全ての置換異性体を
含む)、プロピルフェニレン基(全ての置換異性体を含
む)、ブチルフェニレン基(全ての置換異性体を含
む)、ナフチレン基等の炭素数6〜10のもの等が挙げ
られる。
【0039】前記ベンゼン環を2個以上持つ炭素数1
2〜24の有機残基としては、以下の一般式(8)で表
されるもの等が挙げられる。
【0040】
【化5】
【0041】式(8)中、Xは酸素原子、硫黄原子又は
炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表す。ここでいう
Xとしての炭素数1〜10の2価の炭化水素基として
は、前記の例として先に具体的に例示した炭素数1〜
10の2価の炭化水素基等を挙げることができる。式
(8)中のXの好ましいものとしては、酸素原子、硫黄
原子、炭素数1〜8のアルキレン基及び炭素数2〜8の
アルケニレン基等が挙げられる。この中でも、酸素原
子、硫黄原子及び炭素数1〜6のアルキレン基が好まし
い。
【0042】式(8)中、m及びnは同一又は異なる数
であって0〜2の整数を、pは1〜5の整数を、qは0
又は1をそれぞれ表す。ここでq=0とは2つのベンゼ
ン環が他の原子を介さずに直接単結合により結合したビ
フェニル構造をとることをいう。また、Xが酸素原子を
示す場合は2つのベンゼン環がエーテル結合で結合して
いる状態を、Xが硫黄原子を示す場合は同様にチオエー
テル結合(スルフィド結合)で結合している状態をそれ
ぞれ示す。
【0043】式(8)中、R14及びR15は同一又は異な
る基であって炭素数1〜6の炭化水素基を表す。アミド
オリゴマー(1)1分子中に複数のR14及び/又はR15
が存在する場合、個々のR14及び/又はR15は同一でも
異なっていてもよい。前記R14及びR15の具体例として
はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、直鎖又は分枝のペンチル基、直鎖
又は分枝のヘキシル基等のアルキル基;ビニル基、直鎖
又は分枝のプロペニル基、直鎖又は分枝のブテニル基、
直鎖又は分枝のペンテニル基、直鎖又は分枝のヘキセニ
ル基等のアルケニル基等が挙げられる。この中でも炭素
数1〜3のものが好ましく、さらに炭素数1〜3のアル
キル基であることが好ましい。
【0044】前記R2及びR3としては、炭素数1〜8の
アルキレン基、炭素数2〜8のアルケニレン基、炭素数
6〜10の2価の芳香族炭化水素基及び式(8)で表さ
れるベンゼン環を2個以上持つ炭素数12〜24の有機
残基等が好ましいが、この中でも特に耐熱性の点から炭
素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基及び式(8)で
表されるベンゼン環を2個以上持つ有機残基のうち、X
が酸素原子、硫黄原子又は炭素数1〜6のアルキレン基
であって、R14及びR15が炭素数1〜3のアルキル基で
あるものがより好ましい。
【0045】前記R2の好ましい具体例はフェニレン
基、ビフェニレン基、トリフェニレン基であり、この中
でも特にフェニレン基が好ましい。
【0046】前記R3の好ましい具体例はビフェニレン
基、ジメチルビフェニレン基及び以下の構造を有する基
であり、
【0047】
【化6】
【0048】これらの中でも特に以下の構造を有する基
が好ましい。
【0049】
【化7】
【0050】前記式(1)中、aは1〜10、好ましく
は1〜5の整数を表す。aが11以上の場合、増ちょう
能力が低く、滴点も低い。
【0051】本発明のグリース組成物を放射線照射下で
用いる場合は、アミドオリゴマー(1)としては以下の
一般式(9)で表される、脂肪族炭化水素を含まない全
芳香族環構造のアミドオリゴマー(1)を使用すること
が好ましい。
【0052】
【化8】
【0053】式中、Yは単結合、酸素原子又は硫黄原子
を、qは0〜2の整数を、rは1〜5の整数を、sは1
〜5の整数を、bは1〜10の整数をそれぞれ表す。こ
のような構造のアミドオリゴマー(1)を選択した場
合、得られるグリース組成物は耐放射線性に優れるもの
となり、放射線下で好適に使用することができる。
【0054】このようなアミドオリゴマー(1)の中で
も以下の構造を有するものが耐放射線性の面で特に好ま
しい。
【0055】
【化9】
【0056】(式中、aは1〜10の整数を表す。) 本発明のグリース組成物は、アミドオリゴマー(1)の
他に、金属せっけん、ベントン、シリカゲル、ウレア化
合物、ウレタン化合物等、あるいは後述するアミドオリ
ゴマー(1)の調製の過程で副生するジアミド等の他の
増ちょう剤を、増ちょう剤全量基準で0〜50質量%の
割合で含むことができる。前記他の増ちょう剤の含有割
合が50質量%を超えると、得られるグリース組成物の
ちょう度が小さい、耐熱性が劣る等の不具合が発生する
ことがある。
【0057】本発明のグリース組成物には本発明の効果
を損ねない範囲において、さらに性能を向上させる添加
剤を加えることができる。例えば、塩素系、いおう系、
りん系、ジチオリン酸亜鉛等の極圧剤、アミン系、フェ
ノール系、イオウ系、ジチオリン酸亜鉛等の酸化防止
剤、脂肪酸、動物油、植物油等の油性剤、石油スルホネ
ート、ジノニルナフタレンスルホネート、ソルビタンエ
ステル等のさび止め剤、ベンゾトリアゾール、チアジア
ゾール、亜硝酸ソーダ等の金属不活性化剤、ポリメタク
リレート、ポリブテン、ポリスチレン等の粘度指数向上
剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤等
を加えることによりさらにグリースの性能を向上させる
ことができる。これらの添加剤は単独で又は2種以上を
組み合わせて使用することができる。また、その添加量
は任意であるが、通常グリース組成物全量基準で添加剤
合計含有量が10質量%以下となるように添加するのが
好ましい。
【0058】本発明のグリース組成物の製造方法は特に
限定されないが、R1−NH2で表される第1級芳香族モ
ノアミン及びH2N−R3−NH2で表されるジアミンの
混合物と、HOOC−R2−COOHで表されるジカル
ボン酸又は前記ジカルボン酸の誘導体、好ましくは前記
ジカルボン酸の誘導体とを溶媒中等において反応させる
等してアミドオリゴマー(1)を含む増ちょう剤を予め
調製し、これを基油に混合する方法により行うことがで
きる(ここでいうR1、R2及びR3は式(1)の説明の
項で記載したR1、R2及びR3と同様のものである)。
また、基油中において、前記第1級芳香族モノアミン及
び前記ジアミンの混合物と前記ジカルボン酸又は前記ジ
カルボン酸の誘導体とを反応させる方法により製造する
こともできる。この場合、アミドオリゴマー(1)を製
造した後に反応溶媒を除去する必要がなく、そのままグ
リースとして使用できるため好ましい。
【0059】前記R1−NH2で表される第1級芳香族モ
ノアミンの具体例としては、2-アミノジフェニルエー
テル、3-アミノジフェニルエーテル、4-アミノジフェ
ニルエーテル等が挙げられ、この中でも4-アミノジフ
ェニルエーテルが好ましい。
【0060】前記H2N−R3−NH2で表されるジアミ
ンの具体例としてはメタンジアミン、エタンジアミン
(全ての異性体を含む)、プロパンジアミン(全ての異
性体を含む)、ブタンジアミン(全ての異性体を含
む)、ペンタンジアミン(全ての異性体を含む)、ヘキ
サンジアミン(全ての異性体を含む)、ヘプタンジアミ
ン(全ての異性体を含む)、オクタンジアミン(全ての
異性体を含む)等の脂肪族ジアミン;フェニレンジアミ
ン、メチルフェニレンジアミン、ジメチルフェニレンジ
アミン、エチルフェニレンジアミン等の芳香族単環式ジ
アミン;以下の一般式(10)で表される芳香族二環式
ジアミン等が挙げられ、いずれも好ましく用いられる。
なお、式(10)中のX、R14、R15、m、n及びqは
式(8)の説明の項で記載したX、R14、R15、m、n
及びqと同様である。
【0061】
【化10】
【0062】前記式(10)で表される芳香族二環式ジ
アミンの具体例としてはジアミノビフェニル、ジアミノ
ジメチルビフェニル、ビス(アミノフェニル)メタン、
ビス(アミノフェニル)エタン、ビス(アミノフェニ
ル)プロパン、ビス(アミノフェニル)ブタン、ビス
(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)
スルフィド等が挙げられ、これらの中でもジアミノビフ
ェニル、ビス(アミノフェニル)メタン、ビス(アミノ
フェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルフィ
ドが好ましく、さらにビス(アミノフェニル)メタン、
ビス(アミノフェニル)エーテルが特に好ましい。
【0063】前記ジカルボン酸の具体例としてはマロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、
フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸等の芳香族単環式ジカルボン酸;次
の一般式(11)で表される芳香族二環式ジカルボン酸
等が挙げられる。なお、式(11)中のX、R14
15、m、n及びqは式(8)の説明の項で記載した
X、R14、R15、m、n及びqと同様である。
【0064】
【化11】
【0065】前記ジカルボン酸誘導体としては、前記ジ
カルボン酸の誘導体である限り特に限定されないが、前
記ジカルボン酸のエステルや酸塩化物等の誘導体を反応
性の点から好適に用いられる。
【0066】前記ジカルボン酸又は前記ジカルボン酸導
体の好ましい具体例としては4,4’−ジカルボキシジ
フェニルエーテル、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、及びこれらの酸塩化物やエステル等が挙げられ、
これらの中でも特にテレフタル酸及びこれらの酸塩化物
やエステルが好ましい。
【0067】前記第1級芳香族モノアミン及び前記ジア
ミンの混合物と前記ジカルボン酸又は前記ジカルボン酸
の誘導体との反応のための前記溶媒としてはジエチルエ
ーテル、ジイソブチルエーテル、テトラヒドロフラン、
メチルセロソルブ、ハロゲン化メタン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミドジメチルアニリン、ジメ
チルスルホキシド、鉱油、エステル系基油、ジアルキル
ジフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル等のエー
テル系基油等の非プロトン性の極性溶媒が好適に使用さ
れ、この中でも鉱油、エステル系基油、ジアルキルジフ
ェニルエーテル、テトラフェニルエーテル等のエーテル
系基油が好ましい。なお、反応に際しては均一なアミド
オリゴマー(1)を生成する為に十分混合撹拌すること
が好ましい。
【0068】前記第1級芳香族モノアミン及び前記ジア
ミンの混合物と前記ジカルボン酸又は前記ジカルボン酸
の誘導体との反応に際してのこれらの混合割合は、特に
限定されないが、ジアミン1重量部に対してジカルボン
酸又はその誘導体が2〜4重量部、モノアミンが2〜4
重量部となるよう混合することが好ましい。また反応条
件及び操作方法は、特に限定されないが、例えば酸塩化
物を用いる場合には、モノアミン及びジアミンを適当な
溶媒に溶解させ、反応温度を0〜30℃に保ちながら酸
塩化物を滴下することによってアミドオリゴマー(1)
を得ることができる。また、前記ジカルボン酸のエステ
ルは酸塩化物に比べ反応性が劣るため、一般に200℃
以上で1〜5時間反応させることにより、アミドオリゴ
マー(1)を得ることができる。
【0069】前記第1級芳香族モノアミン及び前記ジア
ミンの混合物と前記ジカルボン酸又は前記ジカルボン酸
誘導体とを反応させることによってアミドオリゴマー
(1)を製造する際に以下の一般式(12)で表される
ジアミドが同時に生成することがある。
【0070】
【化12】
【0071】式中のR1、R2及びR4は式(1)の説明
の項で記載したR1、R2及びR4と同様である。本発明
のグリース組成物の増ちょう剤中には、このようなジア
ミドが増ちょう剤全量を基準として0〜50質量%、好
ましくは0〜30質量%の割合で存在してもよい。この
ようなジアミドの存在割合が50質量%を超えると、得
られるグリース組成物のちょう度が小さい、耐熱性が劣
る等の不具合が発生することがある。
【0072】本発明のグリース組成物を製造するにあた
っては、前述のいずれの製造方法で製造する場合におい
ても、単に増ちょう剤と基油との混合物を得るだけでな
く、その後さらに三本ロールミル、コロイドミル等のミ
ルを用いて混練処理をすることが好ましい。例えば、揮
発性溶媒を使用して増ちょう剤を合成した場合は、溶媒
を除いた後蒸留、洗浄、再結晶等で精製し、増ちょう剤
の含有量が組成物全量基準で2〜50質量%となるよう
に潤滑基油と混合し、十分撹拌を行った後、三本ロール
ミル、コロイドミル等で混練することによって本発明の
グリース組成物が得られる。
【0073】本発明のグリース組成物の用途は、特に限
定されないが、等速ジョイント、車輪等の自動車部品、
鉄道の車輪、原子力発電用発電機、電動モーター等、各
種産業において用いられる転がり軸受等に用いることが
できる。
【0074】
【発明の効果】本発明のグリース組成物は、特定のアミ
ド化合物を特定割合増ちょう剤として含むので、耐熱性
に優れ、離油度が小さく、かつ長寿命であり、また耐放
射線性をも有するものとすることができる。
【0075】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明の内容
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限
定されるものではない。
【0076】なお、以下の実施例において、不混和ちょ
う度及び滴点の測定はそれぞれJIS K 2220
5.3及びJIS K 2220 5.4に準拠して測
定した。
【0077】
【実施例1】コンデンサー、撹拌羽根及び滴下ロートを
取り付け十分窒素置換した500mL四ッ口フラスコに
p,p'-ジアミノジフェニルメタン9.9g、4-アミノ
ジフェニルエーテル15.8g及びトリエチルアミン2
0.2gを採取し150mLのテトラヒドロフランに溶
解した。この溶液を水浴中で13〜15℃に冷却した。
滴下ロートにテレフタロイルクロリド20.3gを採取
し、150mLのテトラヒドロフランに溶解し強撹拌下
で滴下した。
【0078】生成した白色沈殿をテトラヒドロフランで
十分洗浄後、蒸留水で塩酸アミン塩を除去した。50℃
の真空乾燥器中で10時間乾燥し、以下の一般式で表さ
れる粉末状のアミド化合物を得た。収率96%であっ
た。
【0079】
【化13】
【0080】(aの平均値6.0;a≠0のアミドオリ
ゴマー(1)85質量%、a=0のジアミド15質量%
を含む。) 基油であるジアルキルジフェニルエーテル80質量部
に、得られたアミド化合物20質量部を、ホモジナイザ
ーを用いて均一に分散させ200℃で2時間撹拌し、冷
却後3本ロールミルで混練処理をしてグリース組成物を
得た。このグリース組成物について各性状を測定した。
結果を表1に示す。
【0081】
【実施例2】コンデンサー及び撹拌羽根を取り付け十分
窒素置換した500mL四ッ口フラスコに基油(ジアル
キルジフェニルエーテル、(株)松村石油研究所製、商
品名「LB100」)99.7g、p,p'-ジアミノジフ
ェニルエーテル6.0g、4-アミノジフェニルエーテル
11.1g及びテレフタル酸ジフェニルエステル19.
1gを採取し250℃、4時間撹拌した。反応後生成し
たフェノールを留去し冷却後3本ロールミルで混練処理
して以下の一般式で表されるアミド化合物を増ちょう剤
とするグリース組成物を得た。このグリース組成物につ
いて各性状を測定した。結果を表1に示す。
【0082】
【化14】
【0083】(aの平均値3.0;a≠0のアミドオリ
ゴマー(1)90質量%、a=0のジアミド10質量%
を含む。)
【0084】
【実施例3】コンデンサー及び撹拌羽根を取り付け十分
窒素置換した500mL四ッ口フラスコに基油(テトラ
フェニルエーテル、(株)松村石油研究所製、商品名
「S3103」)77.4g、p,p'-ジアミノジフェニ
ルメタン7.9g、4-アミノジフェニルエーテル14.
8g及びテレフタル酸ジフェニルエステル24.5gを
採取し250℃、4時間撹拌した。反応後生成したフェ
ノールを留去し冷却後3本ロールミルで混練処理して以
下の一般式で表されるアミド化合物を増ちょう剤とする
グリース組成物を得た。このグリース組成物について各
性状を測定した。結果を表1に示す。
【0085】
【化15】
【0086】(aの平均値6.0;a≠0のアミドオリ
ゴマー(1)95質量%、a=0のジアミド5質量%を
含む。)
【0087】
【実施例4】コンデンサー及び撹拌羽根を取り付け十分
窒素置換した500mL四ッ口フラスコに基油(テトラ
フェニルエーテル、(株)松村石油研究所製、商品名
「S3103」)74.8g、p,p'-ジアミノジフェニ
ルエーテル6.0g、4-アミノジフェニルエーテル1
1.1g及びテレフタル酸ジフェニルエステル19.1
gを採取し250℃、4時間撹拌した。反応後生成した
フェノールを留去し冷却後3本ロールミルで混練処理し
て以下の一般式で表されるアミド化合物を増ちょう剤と
するグリース組成物を得た。このグリース組成物につい
て各性状を測定した。結果を表1に示す。
【0088】
【化16】
【0089】(aの平均値3.0;a≠0のアミドオリ
ゴマー(1)89質量%、a=0のジアミド11質量%
を含む。)
【0090】
【実施例5】コンデンサー及び撹拌羽根を取り付け十分
窒素置換した500mL四ッ口フラスコに基油(テトラ
フェニルエーテル、(株)松村石油研究所製、商品名
「S3103」)96.9g、p,p'-ジアミノジフェニ
ルエーテル10.0g、4-アミノジフェニルエーテル1
8.5g及びテレフタル酸ジフェニルエステル31.8
gを採取し250℃、4時間撹拌した。反応後生成した
フェノールを留去し冷却後3本ロールミルで混練処理し
て以下の一般式で表されるアミド化合物を増ちょう剤と
するグリース組成物を得た。このグリース組成物につい
て各性状を測定した。結果を表1に示す。
【0091】
【化17】
【0092】(aの平均値2.0;a≠0のアミドオリ
ゴマー(1)95質量%、a=0のジアミド5質量%を
含む。)
【0093】
【比較例1】特開平8−337790号公報に開示され
た、末端に炭化水素基を有するアミドオリゴマーを増ち
ょう剤とするグリース組成物を調製した。
【0094】コンデンサー、撹拌羽根及び滴下ロートを
取り付け十分窒素置換した500mL四ッ口フラスコに
p,p'-ジアミノジフェニルメタン7.9g、n-ドデシ
ルアミン14.8g及びトリエチルアミン16.2gを
採取し150mLのテトラヒドロフランに溶解した。こ
の溶液を水浴中で13〜15℃に冷却した。滴下ロート
にテレフタロイルクロリド16.2gを採取し、150
mLのテトラヒドロフランに溶解し強撹拌下で滴下し
た。
【0095】生成した白色沈殿をテトラヒドロフランで
十分洗浄後、蒸留水で塩酸アミン塩を除去した。50℃
の真空乾燥器中で10時間乾燥し、以下の一般式で表さ
れる粉末状のアミド化合物を得た。収率96%であっ
た。
【0096】
【化18】
【0097】(aの平均値6.0;a≠0のアミドオリ
ゴマー85質量%、a=0のジアミド15質量%を含
む。) 基油であるジアルキルジフェニルエーテル80質量部に
得られたアミド化合物20質量部を、ホモジナイザーを
用いて均一に分散させ200℃で2時間撹拌し、冷却後
3本ロールミルで混練処理をしてグリース組成物を得
た。このグリース組成物について各性状を測定した。結
果を表1に示す。
【0098】
【比較例2】米国特許3,773,666号公報に開示
された、フタルアミドポリマーを細かく粉砕した粉末を
増ちょう剤とするグリース組成物を調製した。
【0099】コンデンサー、撹拌羽根及び滴下ロートを
取り付け十分窒素置換した500mL四ッ口フラスコに
p,p'-ジアミノジフェニルメタン19.8g及びトリエ
チルアミン20.2gを採取し150mLのテトラヒド
ロフランに溶解した。この溶液を水浴中で13〜15℃
に冷却した。滴下ロートにテレフタロイルクロリド2
0.3gを採取し、150mLのテトラヒドロフランに
溶解し強撹拌下で滴下した。
【0100】生成した白色沈殿をテトラヒドロフランで
十分洗浄後、蒸留水で塩酸アミン塩を除去した。50℃
の真空乾燥器中で10時間乾燥し、以下の一般式で表さ
れる粉末状のアミド化合物を得た。収率96%であっ
た。
【0101】
【化19】
【0102】(aの平均値25〜100) 基油であるジアルキルジフェニルエーテル80質量部に
得られたアミド化合物20質量部を、ホモジナイザーを
用いて均一に分散させ200℃で2時間撹拌し、冷却後
3本ロールミルで混練処理をしたが二層に分離しグリー
ス状にならず、各性状を測定することは不可能であっ
た。
【0103】
【比較例3】基油であるジアルキルジフェニルエーテル
50質量部に比較例2で合成したアミド化合物50質量
部を、ホモジナイザーを用いて均一に分散させ200℃
で2時間撹拌し、冷却後3本ロールミルで混練処理をし
グリース組成物を得た。このグリース組成物について各
性状を測定した。結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】表1の結果から明らかなように、本発明の
グリース組成物は滴点が高く、耐熱性に優れている。こ
れに対して、末端に、少なくとも1個以上のエーテル結
合を有する芳香族残基ではなく、脂肪族基を有する比較
例1のグリース組成物は、滴点が低く、耐熱性が十分で
はなかった。また、末端アミド化合物を用いた比較例2
のグリース組成物は増ちょう能力が小さくグリース状に
ならなかった。グリース状になるように増ちょう剤量を
増やした比較例3のグリース組成物は滴点が低く、耐熱
性が十分ではなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基油、及び組成物全量基準で2〜50質
    量%の増ちょう剤を含むグリース組成物であって、増ち
    ょう剤として、以下の一般式(1)で表される化合物を
    増ちょう剤全量基準で50〜100質量%含有するグリ
    ース組成物。 【化1】 (式中、R1及びR4は同一又は異なる基であって少なく
    とも1個のエーテル結合を有する芳香族残基を、R2
    びR3は同一又は異なる基であって炭素数1〜24の2
    価の有機残基を、aは1〜10の整数をそれぞれ表
    す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007116642A1 (ja) * 2006-03-24 2007-10-18 Japan Energy Corporation 伝動要素用半固体状潤滑剤組成物およびこれを備えた機械システム
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