JP3150787B2 - 回転機軸受用グリース組成物 - Google Patents

回転機軸受用グリース組成物

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JP3150787B2 JP26275892A JP26275892A JP3150787B2 JP 3150787 B2 JP3150787 B2 JP 3150787B2 JP 26275892 A JP26275892 A JP 26275892A JP 26275892 A JP26275892 A JP 26275892A JP 3150787 B2 JP3150787 B2 JP 3150787B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として高速で走行す
る鉄道車両関係の、各種回転機器類の軸受部分に使用
し、良好な潤滑性能を維持すると共に、高温高速の条件
下での軸受潤滑寿命を、大幅に延長し、且つまた、高速
回転による潤滑不良等の弊害のない、優位な性能をもつ
潤滑グリース組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速鉄道の代表的存在である、新幹線関
係の回転機用軸受けには、主電動機用軸受を始めとし
て、ブロアーモーター用軸受、ジェネレーター用軸受、
車軸用軸受等があるが、これらの軸受用潤滑剤には、こ
れまで主としてリチウム石鹸基を増ちょう剤に、鉱油を
ベースにしたグリースや、潤滑油が使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、フランスの誇る
高速鉄道TGVが、高速走行性能で、世界新の記録を、
つぎからつぎへと更新しているのに刺激されて、日本に
おけるJR各社も、新幹線の高速化に向けての検討が、
急ピッチで進められる結果となった。
【0004】車両の高速化を進めるために、まず第一に
重要な点は、車体の軽量化をどこまで実現できるかであ
り、それにはオイル潤滑のような、大型の油ダメが必要
な方式では、おのずと限界があり、どうしてもこのよう
な装置のいらないグリース潤滑方式が望まれてくる。第
二には、高速走行を進めていく上で、車体の安定化をよ
り一層進めていく事が不可欠な課題であり、それには車
体の高さを、より低くする方向へと検討が進められる。
その一番のしわよせが、車輪の径をより小さくする方向
へと進み、その結果、車軸用の軸受も、より小型なもの
の開発へと、検討が進められる。ここへきて、より一層
の高速化と、車軸径の小型化により、軸受の回転数が、
いやがうえにも増加する結果となる。
【0005】このような高速化に向けての、急速な開発
が進められてくると、回転機部分の軸受に使用されてい
る潤滑剤は、従来のようなリチウム石鹸を増ちょう剤と
し、鉱油をベースとしたタイプでは、耐熱性,セン断安
定性,高速潤滑性等に劣るばかりでなく、軸受潤滑寿命
も短く、軸受の発熱も大きい等、多くの点で問題とな
り、もはやこのようなタイプの潤滑剤では、十分な対応
が出来ない。
【0006】これ等の問題以外でも、主として新幹線車
両に於いては、車体部分の検収周期を、より長くしよう
とする試みが、多くの箇所で進められてきている。新幹
線車両に使用されている、電動機を初めとする各種機器
類は、技術革新の急速な進歩により、その耐久寿命は、
新幹線車両の耐久年数以上の時点にまで到達してきてお
り、走行途中でのこれら機器類の交換、修理などが全く
不必要なまでに、技術レベルが到達していると言われて
いる。しかし、これらの機器類に使用されている潤滑剤
は、このレベルにまで到達しておらず、従って、走行途
中での車両点検の主力は、軸受部分の潤滑を目的として
使用されている潤滑グリースや、潤滑油の点検及び交換
という作業だけが、残されたかたちになっている。
【0007】この潤滑剤の交換という作業が、油汚れを
ともなうだけに、いわゆる3Kの仕事として、作業者の
非常に嫌がる部類の仕事になってきている。そのため、
現在30万Km毎に点検が実施されているが、これを45
万,90万,135万Km毎への検収周期に、段階的に延
長していこうとする検討も進められてきている。それに
は、従来のような鉱油をベースとしたグリースでは、軸
受潤滑寿命が短く、このような要求に十分に応える事は
出来ない。
【0008】本発明の潤滑グリースは、高温、高速の条
件下においても、優れた潤滑特性を示し、軸受潤滑寿命
も、従来のものにはない、長寿命を保持する優位な潤滑
グリース組成物を提供する事にある。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明の高速度回転機軸
受用グリースは、アルキルジフェニルエーテル油を、ベ
ース油部分の主成分として用いる事を必須条件として、
増ちょう剤には、次の一般式で表せられる、ジウレア化
合物を、ベース油100重量部に対し、2〜40重量部
配合した事を特徴とするグリース組成物に関するもので
ある。 R1 −NHCONH−R2 −NHCONH−R3 上式中のR2 は、トリレン基,ジフェニルメタン基また
はジメチルビフェニレン基を表す。また、式中のR1 お
よびR3 は、炭素数6〜18の直鎖の飽和アルキル基,
シクロアルキル基および芳香族系炭化水素基を表す。そ
れらの割合は、直鎖の飽和アルキル基が25〜45モル
%,シクロアルキル基が50〜70モル%,アリール基
が5〜25モル%の範囲内のもので、構成される。
【0010】これらの反応に供するアミン類は、n−プ
ロピルアミン,イソプロピルアミン,n−ブチルアミ
ン,イソブチルアミン,s−ブチルアミン,n−ペンチ
ルアミン,3−メチルブチルアミン,n−ヘプチルアミ
ン,n−オクチルアミン,2−エチルヘキシルアミン,
n−テトラデシルアミン,n−ヘキサデシルアミン,n
−オクタデシルアミン,アニリン,4−ビフェニルアミ
ン,p−フェネチジン,p−アニシジン,p−ドデシル
アニリン,シクロペンチルアミン,シクロヘキシルアミ
ン,ジヒドロアビエチルアミン,3,5,5 −トリメチルヘ
キシルアミン,オイレルアミン,n−ドデシルアミン等
が挙げられる。
【0011】これらの反応に供するイソシアネート類に
は、1,5-ナフチレンジイソシアネート,4,4'- ジフェニ
ルメタンジイソシアネート,2,4-トリレンジイソシアネ
ート,3,3'- ジメチル- 4,4'ビフェニレンジイソシアネ
ート,ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ
る。
【0012】本発明の必須成分であるアルキルジフェニ
ルエーテル油は、ジフェニルエーテル1モルと、炭素数
10〜22のα−オレフィン1〜3モルを、通常のフリ
ーデル・クラフツ反応による、付加反応により合成され
る。すなわち、反応容器中に規定量のジフェニルエーテ
ルと、塩化アルミニウムを入れ、80〜90℃に加熱撹
拌して、塩化アルミニウムを溶解する。ついで、規定量
のα−オレフィンを滴下し、付加反応を行わせる。反応
温度は、80〜120℃,滴下終了後は、一定時間熟成
撹拌を行った後、水を添加して塩化アルミニウムを分解
する。この後、炭酸ナトリウムの5%水溶液や水で、数
回洗浄を繰り返した後、最終的には蒸留により分取し
た。
【0013】このようにして得られたアルキルジフェニ
ルエーテル油は、使用するα−オレフィンの炭素数,使
用モル数により、性状が異なってくる。また、外観上で
も、無色から褐色透明液体と、色相の面においてもその
違いがみられる。アルキルジフェニルエーテル油のもつ
主な特性としては、以下のような点が挙げられる。
【0014】1)アルキルジフェニルエーテル油は、使
用するα−オレフィンの側鎖炭素数と、付加モル数を適
当に調節する事により、潤滑油として優れた物性、すな
わち高粘度指数,低流動点,高引火性及び適当な粘度と
比重特性を有するものが得られる。従って、用途に応じ
た特性のものを、その中から選定する事ができる。 2)アルキルジフェニルエーテル油は、耐熱性にすぐ
れ、特に高温下170℃で30日間以上放置しても、ス
ラッジを発生しない特性を有している。 3)アルキルジフェニルエーテル油は、従来からある石
油系及び合成系潤滑油のいずれよりも、すぐれた酸化安
定性を有している。 4)アルキルジフェニルエーテル油は、石油系潤滑油と
ほぼ同程度の潤滑性を有しており、各種の添加剤類も自
由に使用できる。 5)アルキルジフェニルエーテル油は、すぐれた電気特
性,特に大きな誘電率を有し、真空特性においても優れ
ている。
【0015】本発明には、このような優秀な特性をもつ
アルキルジフェニルエーテル油を、基油成分の主要な部
分を占め、増ちょう剤には、高速回転の条件下におい
て、良好な潤滑特性をもち、高温下においても長寿命を
発揮するジウレア化合物を用い、それらを組み合わせる
事によって、高速回転という条件下においても、また高
温状態においても、長寿命を有する優位な潤滑グリース
が得られたものである。
【0016】このように、高速回転条件下において、長
寿命を有する潤滑グリースを得るためには、好ましくは
アルキルジフェニルエーテル油を、50%以上含有させ
る必要があるが、これと混合して使用できるベース油と
して、鉱油,動植物油,各種のジエステル類,テトラエ
ステル及びペンタエリスリトールエステル,ポリα−オ
レフィン,シリコーン油,フッ素油等がある。
【0017】本発明の潤滑グリースを得るためには、3
種のアミン類を基油に溶解させたものを、ジイソシアネ
ートを基油に混合させた溶液中に入れ、これらを激しく
撹拌して反応を促進させる。その後、温度170℃まで
加熱撹拌を続けた後、最高加熱温度で一定時間保持した
後、加熱を停止する。その後、室温まで放冷するが、1
00℃近辺で必要な添加剤類を添加し、溶解混合などの
処理を行う。室温まで放冷した後、三段ロールミルで仕
上げ処理するという一般的な製法により、容易に得る事
が出来る。
【0018】
【作用】本発明の主要な部分を構成する、アルキルジフ
ェニルエーテル油は、高温状態下での蒸発減量が非常に
少なく、且つまた酸化安定性にも優れており、さらにス
ラッジの生成も少なく、潤滑性能の面でもすぐれた特性
を保持している。このために、このように多くの面で優
秀な特性をもつ、アルキルジフェニルエーテル油を、ベ
ース油の主要部分を構成するように意図して作られた本
発明のグリース組成物は、従来から広く使用されてきた
鉱油,各種のエステル類,ポリαオレフィン油等を基油
の主要成分に用いているこれまでのグリースと比べ、高
温条件下に於いて、格段の長寿命特性を有している。
【0019】しかし、ベース油のみが耐熱性能を保持し
ていただけでは、グリースとしての長寿命性能と、高速
下での良好な潤滑特性が得られず、増ちょう剤との組み
合わせが、重要な課題となる。例えば、従来から広く増
ちょう剤として使用に供せられていた、12−ヒドロキ
システアリン酸リチウムを増ちょう剤として使用した場
合は、たとえベース油にアルキルジフェニルエーテル油
を使用しても、高温でグリースが、流動状に変化してし
まい、それが為に潤滑箇所から流失する結果となり、グ
リースとしての耐熱性能に劣るために、長寿命性能を発
揮できない。
【0020】耐熱性のある増ちょう剤として、従来から
有機化ベントナイトが広く使用されてきたが、これもア
ルキルジフェニルエーテル油と組み合わせて使用した場
合においても、こんどは逆に、高温時において硬化して
しまい、これが為に潤滑不良をおこし、これとても長寿
命性能を発揮できない。本発明が提案する増ちょう剤成
分は、構造の異なる3種のアミン類を、ジイソシアネー
トと反応させたジウレア化合物であるが、本発明以外の
ウレア化合物を増ちょう剤としたグリースは、高温下で
長寿命を有するが、高速回転下での潤滑に於いては、良
好な結果が得られない。
【0021】軸受の高速回転下での潤滑機構に関して
は、未知な部分が多く理論的な解明は出来ていないが、
増ちょう剤を構成する成分の特性が、これらの機能を発
揮する上で、重要な役割を演じるものと思われる。グリ
ースは、これらの増ちょう剤成分が、ベース油中で三次
元的網目構造を有しており、その毛細管力で油を保持
し、室温では半固体状を有している。このような構造
が、温度上昇とともにさまざまに変化し、その結合状態
に於いても、著しく変化してゆく。このような状態は、
示差熱分析によって、結晶状態の変化を示す転移温度を
チェックする事で、捉える事が出来る。この転移温度
は、増ちょう剤を構成する成分によって、大きく関係す
るが、共存するベース油の種類や濃度によっても、微妙
に変化してくる。軸受内に充填されたグリースは、荷重
や高速回転による条件下で、セン断や金属接触が繰り返
される事により、温度が上昇したり、また逆に停止状態
や、低温外気の影響により、室温及び極低温になるなど
のサイクルを、くりかえし行っている。
【0022】本発明以外のウレアグリースは、このよう
なリサイクルを続けている内に、その構造面全体に大き
な変化をもたらし、それが要因となって、離油や硬化と
いう現象をもたらし、これがために潤滑不良という最悪
な事態を迎える結果となる。
【0023】本発明の増ちょう剤成分の組成は、構造の
異なる3種類のアミン類を、最適な比率をもって構成さ
せ、それらをイソシアネートと反応させて、ジウレア化
合物を構成する事に大きな特徴がある。これら3種のア
ミンの内、直鎖状の脂肪族アミンとイソシアネートとの
化合物が構成する部分は、ベース油に溶解しやすい性質
をもち、耐熱性の面で劣る特性をもつ事から、ベアリン
グ内温度が上昇すると容易に溶解するか、ベース油内に
とけ込み、それらがベアリング転走面に流れ込み、その
表面に強固な潤滑皮膜を構成する。この特性が、高速回
転という条件下で、良好な潤滑性を保持する性能を発揮
する。しかし、これだけではベアリング内からグリース
が流失してしまい、潤滑性能上あまり良好な結果が得ら
れないが、これを防止する目的で、耐熱性の面で良好な
性能を有する、芳香族系アミンを組み合わせ、これとイ
ソシアネートとの反応により生成したジウレア化合物が
構成する部分が、軟化流失や耐熱面の性能を発揮し、脂
肪族アミン成分がもつ欠点を補正し、グリースとしての
耐熱性能を保持する結果となる。もう一つの成分である
シクロアルキル基系アミンと、イソシアネートとの反応
により生成したジウレア化合物とが構成する部分は、脂
肪族と芳香族との構成する成分の融合をはかる目的で、
組み合わせたものであり、潤滑グリースとしての良好な
性能を、保持する役目を担っている。
【0024】このような構想のもとに、本発明の潤滑グ
リースを形成する増ちょう剤部分の構成は、3種のアミ
ンが個々にジイソシアネートと結合した形態のものや、
異なった2種のアミンが、ジイソシアネートと結合した
構造のものなどが、混在した状態となって、増ちょう剤
部分を構成する系内に、共存するかたちとなっている。
望ましい形態としては、異なった2種のアミン類が、ジ
イソシアネートに結合している化合物が、出来るだけ多
く系内に存在するように、配合面や製造方法を検討する
必要があり、これらの点を鋭意検討した結果、本発明に
おける最適な配合割合と製造方法を、見いだす事に成功
し、高速化に於ける良好な潤滑性能と、長寿命化を実現
できる、優位な潤滑グリース組成物を得る事に成功した
ものである。
【0025】
【実施例】本発明を、以下の実施例および比較例によ
り、具体的に説明する。なお、各実施例および比較例に
於いて、表1〜3に示す配合成分に基づいてグリースを
製造し、次に示す方法により、物性および性能を評価し
た。 混和ちょう度…JIS−K−2220による。 滴 点 …JIS−K−2220による。 軸受潤滑寿命試験…ASTM−D−1741による。
ただし、試験温度は150℃で行った。 NTN製CRC型グリース寿命試験機…ASTM−D
−3336−75に準拠 但し、試験温度は、150℃で行った。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】実施例I 〜VII および比較例1〜12 反応容器に、表1に示す基油の半量と、全量のイソシア
ネートを入れ、50〜60℃に加温する。次いで、別容
器に、3種および2種のアミン類を、残り半量の基油に
とり、70〜80℃に加熱溶解させ、この溶液を注意深
く反応容器内に加え、これらを激しく撹拌して反応を促
進させる。この反応は、発熱反応のため反応物の温度は
上昇するが、約1時間この状態で撹拌と、パイプ循環等
を行い、十分な反応と均一な分散を行う。パイプ循環
は、断続的に続けながら、この後温度を上げ、170〜
180℃で約1時間保持した後、冷却した。室温まで冷
却した後、三段ロールミルで仕上げ、目的のグリースと
した。
【0030】実施例および、比較例に示される各種原料
の性状は、以下の通り。 アルキルジフェニルエーテル油 ・動粘度<40℃>−−−67cst ・引火点−
−−250℃ パラフィン系鉱油 ・動粘度<40℃>−−−67.2cst ・引火点−
−−240℃ ペンタエリスリトールエステル ・動粘度<40℃>−−−27.8cst ・引火点−
−−270℃ ポリ−α−オレフィン油 ・動粘度<40℃>−−−33.0cst ・引火点−
−−244℃
【0031】実施例に示すように、本発明のグリース
は、150℃での潤滑寿命試験において、いずれも、2
000時間以上の長寿命を有し、高速潤滑性能を評価す
る、CRC型グリース寿命試験に於いても、150℃で
2000時間以上の長寿命を示した。また、基油にパラ
フィン系鉱油を25〜50%混合したものでも、本発明
の増ちょう剤を使用したものは、150℃での潤滑寿命
試験で、各々1800時間,1600時間という比較的
長い寿命時間を示している。
【0032】比較例1〜3は、ベース油にアルキルジフ
ェニルエーテル油以外の、基油を使用した場合の例を示
しており、比較例4〜6は、基油にアルキルジフェニル
エーテル油を使用し、かつ増ちょう剤成分として、3種
のアミンを組み合わせているものの、それらの配合比率
を、本発明が主張する比率の、範囲外で構成された場合
の例を示している。いずれの場合も、潤滑寿命試験の結
果は、短い値を示した。さらに比較例7〜12では、増
ちょう剤に、1種または2種のアミンを組み合わせたタ
イプのもの、また現在市販されている、ウレアタイプの
潤滑グリースの例を示している。いずれの場合も、寿命
試験の結果が短寿命であり、ここに於いても、本発明の
潤滑グリースの優位性が、実証されたと言える。
【0033】
【発明の効果】本発明の潤滑グリース組成物は、基油に
アルキルジフェニルエーテル油を必須成分とし、増ちょ
う剤成分に、3種のアミンを特定の範囲内の比率で組み
合わせて使用し、さらに、それらをイソシアネートとの
反応の際、目的とする形態の化合物を、形成させるよう
な製法を用いて、調整されたものである。
【0034】このようにして調整された、本発明の潤滑
グリースは、以上の説明から明白なように、高温下で長
寿命を示し、高速・高温の寿命試験においても、長寿命
を示すという非常にすぐれた効果が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 30:08 40:02 50:10 (72)発明者 辻 靖之 三重県桑名市大字播磨2523ー1 (56)参考文献 特開 平3−28299(JP,A) 特開 平1−279996(JP,A) 特開 平1−259097(JP,A) 特開 昭54−113606(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 105/18 C10M 115/08 C10N 50:10 WPI/L(QUESTEL)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルジフェニルエーテル油を、ベー
    ス油部分の主成分として、増ちょう剤には、次の一般式 R1 −NHCONH−R2 −NHCONH−R3 (上式中のR2 は、トリレン基,ジフェニルメタン基ま
    たはジメチルビフェニレン基を表す。また、R1 および
    R3 は、炭素数6〜18の直鎖の飽和アルキル基,シク
    ロアルキル基および芳香族系炭化水素基を表す。それら
    の割合は、直鎖の飽和アルキル基が25〜45モル%,
    シクロアルキル基が50〜70モル%,アリール基が5
    〜25モル%の範囲内のもので、構成される。)で表せ
    られる、ジウレア化合物を、ベース油100重量部に対
    し、2〜34重量部配合した事を特徴とする、回転機軸
    受用グリース組成物。
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