JP2007039628A - グリース組成物及び機械部材 - Google Patents

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Yuji Onuki
裕次 大貫
Teru Yoshinari
照 吉成
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Abstract

【課題】耐熱性、耐酸化性に優れたグリース組成物、及びこれを封入した機械部材を提供すること。
【解決手段】基油として、下記一般式(1)で表される炭素数8〜20の直鎖ポリアルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)単体又は下記一般式(1)で表される直鎖ポリアルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と下記一般式(2)で表される炭素数8〜20の分岐ポリアルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)の混合体を含有することを特徴とするグリース組成物及びこれを封入した機械部材。
R−(Cx2x+1m (1)
R−[CH(CH3)−(Cy2y+1)]n (2)
(式中、Rはジフェニルエーテル残基、xは8〜20の整数、yは6〜18の整数、m及びnは独立して2〜10の整数を示す。)

Description

本発明はポリアルキル化ジフェニルエーテルを含有するグリース組成物に関し、特に熱安定性、潤滑性に優れ、軸受、歯車等の機械部材に好適に使用できるグリース組成物及びこれを封入した機械部材に関する。
従来、モノアルキル化ジフェニルエーテル(MADE)、ジアルキル化ジフェニルエーテル(DADE)は耐熱性及び耐酸化性に優れた潤滑基油として知られ、軸受、歯車等の機械部材用のグリース組成物に使用されている。また、アルキル基の数が2〜5のアルキル基で置換されたポリアルキル化ジフェニルエーテル(PADE)、重質アルキル化ジフェニルエーテル(HADE)も知られている(例えば、特許文献1〜7、非特許文献1参照)。
しかし、軸受、歯車等の機械部材の小型化、軽量化、及び使用条件の過酷化(高速化、高荷重化)に伴い、これら機械部材に使用されるグリース組成物に対してはさらなる耐熱性、耐酸化性、寿命の向上が望まれている。
特開昭50−73064 特開昭50−73065 特開昭55−73791 特許出願2000−32673 国際出願番号PCT/JP2004/015951 国際出願番号PCT/JP2004/011119 国際出願番号PCT/US99/30967 河野雅次、「フェニルエーテル系合成潤滑油の実用例と効果」、潤滑経済、2000年12月5日、第417巻(2000年12月号)P.18−23
本発明の目的は、耐熱性、耐酸化性に優れたグリース組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、上記グリース組成物を封入した機械部材を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、特定のポリアルキル化ジフェニルエーテルの単体又は混合体を使用することにより、耐熱性、耐酸化性に優れたグリース組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に示すグリース組成物、及びこれを封入した機械部材を提供するものである。
1.基油として、下記一般式(1)で表される炭素数8〜20の直鎖ポリアルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)単体又は下記一般式(1)で表される直鎖ポリアルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と下記一般式(2)で表される炭素数8〜20の分岐ポリアルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)の混合体を含有することを特徴とするグリース組成物。
R−(Cx2x+1m (1)
R−[CH(CH3)−(Cy2y+1)]n (2)
(式中、Rはジフェニルエーテル残基、xは8〜20の整数、yは6〜18の整数、m及びnは独立して2〜10の整数を示す。)
2.直鎖ポリアルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と分岐ポリアルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)の質量比が100:0〜50:50である上記1に記載のグリース組成物。
3.増ちょう剤を含有することを特徴とする上記1又は2に記載のグリース組成物。
4.増ちょう剤が、ウレア化合物、リチウム石けん、ポリテトラフルオロエチレン、及びメラミンシアヌレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記1〜3のいずれか1項に記載のグリース組成物。
5.上記1〜4のいずれか1項に記載のグリース組成物を封入した機械部材。
6.軸受又は歯車である上記5に記載の機械部材。
本発明のグリース組成物は、耐熱性、耐酸化性に優れ、これを封入した機械部材は長い潤滑寿命を有し、非常に有用である。
従来、グリース組成物に耐熱性及び耐酸化性を付与するため、鉱物油に代わり合成潤滑油のフェニルエーテル系合成油、ポリα-オレフィン油及びエステル油などが使用されてきた。フェニルエーテル系合成油には、塩化アルミニウムを触媒として、ジフェニルエーテルとα-オレフィンとのフリーデルクラフツ反応によって合成されるアルキル化ジフェニルエーテルがある。しかし、軸受、歯車等の機械部材の小型化、軽量化及び近年の産業用機器における利用環境の広がりから、高速化、高荷重化など厳しい機械的潤滑条件下、または寒冷地や高温多湿条件下での使用が増大してきている中で、それらの過酷な条件に耐えうる有効なグリースはいまだに提案されておらず、本発明は極めて有用な発明と言える。本発明のグリースの効果が優れる理由については完全には解明されていないが、2位付加体や3位以上の付加体などの分岐アルキル化ジフェニルエーテルを多く含有したグリースの場合より、1位付加体の直鎖アルキル化ジフェニルエーテルを多く含有したグリースの方がその直鎖アルキル基の働きにより潤滑特性、高温特性及び低温特性に好影響を与えているものと考えられる。1位付加体、2位付加体、3位以上の付加体における位置とは、ポリアルキル化ジフェニルエーテルにおいてフェニル基に結合したアルキル基中の、フェニル基に直接結合した炭素原子の位置を示すものである。
以下、本発明のグリース組成物について詳細に説明する。
本発明に使用する基油は、式(1)で表される炭素数8〜20の直鎖ポリアルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)単体又は式(1)で表される炭素数8〜20の直鎖ポリアルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と式(2)で表される炭素数8〜20の分岐ポリアルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)の混合体を含有するグリース組成物である。ジフェニルエーテル1分子当りに結合しているアルキル基の数は2〜10、好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。アルキル基は直鎖状又は直鎖状と分岐状の混合であり、炭素数が8〜20、好ましくは12〜18、特に好ましくは12〜14である。直鎖ポリアルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と分岐ポリアルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)の質量比は100:0〜50:50、好ましくは80:20〜60:40である。
1位付加体と2位付加体は、いずれも公知物質であり、例えば、特許文献1〜7、非特許文献1記載の方法により合成することができる。具体的には、無水塩化アルミニウム等のルイス酸触媒を用いて、ジフェニルエーテルに1−ドデセンなどのα-オレフィンを付加反応させることによりほとんどが2位付加体であるアルキル化ジフェニルエーテルを合成することができる。ジフェニルエーテル1モルに対して1−ドデセンを、通常は2〜4モル程度使用する。1−ドデセンの比率を高くすることによりトリアルキル置換体以上の比率が高まる。
又、無水塩化アルミニウム等のルイス酸触媒を用いて、ジフェニルエーテルに1−塩化ドデシルを付加反応させることにより1位付加体を20〜40%含有するアルキルジフェニルエーテルを合成することができる。このフリーデルクラフツ反応は、カルボカチオン中間体を経由し、その中間体の安定性によって選択性が制御されるため、分岐型アルキル芳香族が主成分となる。
これに対して、ジフェニルエーテルを塩化アルカノイルで無水塩化アルミニウム等のルイス酸触媒を用いて、フリーデルクラフツのアシル化反応を行うと、転移していない炭素鎖をもったケトンを約90%の高収率で生成する。このケトンを亜鉛アマルガムと塩酸で還流するクレメンゼン還元反応で還元することにより1位付加体の直鎖アルキル化ジフェニルエーテルを合成することができる。
同様に、イリジウム錯体触媒を用いた非分岐アルキル化ジフェニルエーテルの合成方法がある。これは反マルコヴニコフ則の水素原子はオレフィン上の水素原子の少ない方の炭素原子に結合するという反応理論に基づいたものであり、イリジウムアセチルアセトナート二核錯体を用いて芳香族化合物とα-オレフィンから1位付加体の直鎖アルキル置換芳香族化合物を合成することができる。
又、他の方法により別途合成した1位付加体と2位付加体を所望の比率で混合して使用してもよい。以上により製造した反応生成物からモノアルキル化ジフェニルエーテルを、例えば、減圧分別蒸留等の方法により除去することにより、本発明に使用するポリアルキル化ジフェニルエーテルを得ることができる。
本発明のグリース組成物の基油は、1位付加体単独又は1位付加体と2位付加体の混合体のみから構成されていることが望ましいが、3位以上の付加体や他の基油、例えば、エーテル系合成油、鉱物油、エステル系合成油及び炭化水素系合成油、さらには、ポリアルキル化ジフェニルエーテル合成の際に副生したモノアルキル化ジフェニルエーテル等を含有してもよい。全基油中の1位付加体と2位付加体の合計量は、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
本発明のグリース組成物は、増ちょう剤を含有することが好ましい。増ちょう剤は、好ましくは、ウレア化合物、リチウム石けん、ポリテトラフルオロエチレン、及びメラミンシアヌレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましくはウレア化合物である。
該ウレア化合物としては、ウレア基の数によってジウレア、トリウレア等があり、また、ウレア基を4個以上有するものとしてテトラウレア等のポリウレアが知られており、これらのウレア化合物を特に制限なく用いることができる。
上記ジウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンとの反応により得られる。上記イソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルイソシアネート、フェニルジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等が挙げられ、上記モノアミンとしては、例えば、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オレイルアミン、アニリン、p−トルイジン及びシクロヘキシルアミン等が挙げられる。上記ジイソシアネートとモノアミンとを反応させる方法には特に制限はなく、従来公知の方法により実施することができる。
上記ポリウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとジアミンとの反応により得られる。上記ジイソシアネートとしては、上記ジウレア化合物の生成に用いられるものと同様のものが挙げられ、上記ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ヘキサンジアミン、オクタンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びキシレンジアミン等が挙げられる。上記ジイソシアネートとジアミンとを反応させる方法には特に制限はなく、従来公知の方法により実施することができる。
特に好ましいウレア系増ちょう剤としては、オクチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン又はこれらの混合物と、ジイソシアネート化合物との反応によって得られるジウレア化合物が挙げられる。
本発明のグリース組成物は、好ましくはグリース組成物の全質量に対して、1位付加体と2位付加体の混合物からなる基油:70〜95質量%、ウレア系増ちょう剤:5〜30質量%を含有する。
本発明のグリース組成物には、更に各種潤滑油やグリースに一般的に用いられている酸化防止剤、防錆剤、ポリマー添加剤、極圧剤、摩擦緩和剤、耐摩耗剤及び固体潤滑剤等の添加剤を添加することができる。上記添加剤を含有させる場合、その含有量は、グリース組成物の全量中、好ましくは0.1〜10質量%である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
一般式(1)で示されるの1位付加体と一般式(2)で示される2位付加体について、表1に示すように混合比を変えて、その基油特性を調べた。
1位付加体
R−(Cx2x+1m (1)
2位付加体
R−[CH(CH3)−(Cy2y+1)]n (2)
(式中、Rはジフェニルエーテル残基、xは8〜20の整数、yは6〜18の整数、m及びnは独立して2〜10の整数を示す。)
合成例1 直鎖アルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)の合成
通常のアシル化反応の方法で行った。目的とする炭素数12の塩素化アルカノイル(塩化アシル)3モルとジフェニルエーテル1モルの混合体500gを1Lの丸底フラスコに仕込み、70〜80℃に温度を調整した。反応触媒の無水塩化アルミニウム1モルを60分かけて添加し、アシル化反応を行った。70〜80℃で10時間熟成を行った後、中和及びろ過により精製を行い、中間体ケトンを合成した。
この際、必要に応じてトルエン又はキシレン等の溶剤を使用しても良い。
次に、通常のクレメンゼン還元反応で前記の中間体ケトンを還元した。先ず亜鉛アマルガムを調整した。亜鉛華100g、塩化水銀II10g、濃塩酸5ml及び水150mlを5分間振り混ぜた後、上澄み液を流し出すことにより得られた亜鉛アマルガムに水75ml、濃塩酸175ml、トルエン100mlと前記の中間体ケトン50gをこの順に仕込んだ。24時間還流した。この間、その都度50mlの濃塩酸を6時間毎に加えた。室温まで冷却後、トルエン層と水層に分け、水層をエーテル抽出し、エーテル抽出液とトルエン溶液とを合わせて濃縮した。得られた残分からモノアルキルジフェニルエーテルを減圧分別蒸留して取除き、目的の直鎖アルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)を得た。
多置換体は上記反応を繰り返すことにより得られる。
以上の二つの反応において、アルキル基組成等に合わせて触媒量、トルエン添加及びその量、反応温度等を適宜変えて、最適な条件で行う。
合成例2 分岐アルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)の合成
一般的に行われている方法で行った。すなわち、ジフェニルエーテルに目的の炭素数12のα-オレフィンを付加反応させることにより2位付加体であるアルキル化ジフェニルエーテルを合成した。無水塩化アルミニウム等のルイス酸触媒を用いて、ジフェニルエーテル1モルに対して目的とする炭素数12のα-オレフィンを、3モル使用した。α-オレフィンの比率を高くすることによりアルキル基の付加数が高まる。モノアルキル化ジフェニルエーテルを減圧で分別蒸留して取除き、目的の分岐アルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)を得た。
以上の反応において、α−オレフィンの炭素数に合わせて触媒量、トルエン添加及びその量、反応温度、反応時間等を適宜変えて、最適な条件で行うことにより、他の付加体も同様に合成できる。
実施例1
直鎖アルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と分岐アルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)が質量比(以下同じ)で51:49の混合体。式(1)及び(2)中、xが炭素数12のアルキル基、yが炭素数10のアルキル基、mが2〜4(平均2.1)及びnが2〜5(平均2.4)。
実施例2
直鎖アルキルジフェニルエーテル(1位付加体)と分岐アルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)が65:35の混合体。式(1)及び(2)中、xが炭素数12のアルキル基、yが炭素数10のアルキル基、mが2〜4(平均2.1)及びnが2〜5(平均2.4)。
実施例3
直鎖アルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と分岐アルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)が80:20の混合体。式(1)及び(2)中、xが炭素数12と14(モル比1:1)のアルキル基で、yが炭素数10と12(モル比1:1)のアルキル基、mが2〜4(平均2.1)及びnが2〜5(平均2.4)。
実施例4
直鎖アルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と分岐アルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)が60:40の混合体。式(1)及び(2)中、xが炭素数12と14(モル比1:1)のアルキル基、yが炭素数10と12(モル比1:1)のアルキル基、mが2〜4(平均2.1)及びnが2〜5(平均2.4)。
実施例5
直鎖アルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)が100%。式(1)中、xが炭素数12と14(モル比1:1)のアルキル基、mが2〜4(平均2.1)。
実施例6
直鎖アルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と分岐アルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)が70:30の混合体。式(1)及び(2)中、xが炭素数8、10、12,14、16、18(モル比で同量)のアルキル基、yが炭素数6、8、10、12,14、16(モル比で同量)のアルキル基、mが2〜4(平均2.1)及びnが2〜5(平均2.4)。
比較例1
分岐アルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)が100%。式(2)中、yは炭素数12と14(モル比1:1)のアルキル基、nは2〜5(平均2.4)。
比較例2
直鎖アルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と分岐アルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)が21:79の混合体。式(1)及び(2)中、xは炭素数12と14(モル比1:1)のアルキル基、yは炭素数10と12(モル比1:1)のアルキル基、mが2〜4(平均2.1)及びnは2〜5(平均2.4)。
比較例3
直鎖アルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と分岐アルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)が36:64の混合体。式(1)及び(2)中、xは炭素数12と14(モル比1:1)のアルキル基、yは炭素数10と12(モル比1:1)のアルキル基、mが2〜4(平均2.1)及びnは2〜5(平均2.4)。
〔グリースの調製〕
上記実施例及び比較例で調製した基油100質量部にウレア化合物(ジフェニルメタンジイソシアネートとオクチルアミンとの反応により得られたジウレア化合物)25質量部を加え、ちょう度No.2グレードに調整し、グリース組成物を得た。
〔潤滑寿命試験〕
このグリース組成物を軸受(6204)に1.8g封入し、ASTM3336に準拠して180℃における潤滑寿命を調べた。
基油の配合処方、物性値及びグリースの軸受潤滑寿命試験の結果を表1に示す。
Figure 2007039628


Figure 2007039628
〔効果の判定〕
蒸発減量 ○:5質量%以下 ×:5質量%超
軸受潤滑寿命 ○:700時間超 ×:700時間以下
総合評価は、蒸発減量及び軸受潤滑寿命の両方が合格(○)の場合のみ合格(○)。
〔結果〕
以上のように、実施例の1位付加体(炭素数12の直鎖アルキル基置換体)と2位付加体(炭素数12の分岐アルキル置換体)の混合体、1位付加体(炭素数12〜14の直鎖アルキル基置換体)と2位付加体(炭素数12〜14の分岐アルキル置換体)の混合体、1位付加体(炭素数12〜14の直鎖アルキル置換体)単体及び1位付加体(炭素数8〜16の直鎖アルキル基置換体)と2位付加体(炭素数12〜14の分岐アルキル置換体)の混合体からなる基油は動粘度が低く摩擦特性に優れ、流動点が低く低温特性に優れ、50%減量温度が高く、熱安定性に優れている。さらに、180℃で500時間加熱後においても動粘度の上昇が少なく熱安定性に優れている。また、酸価が低く熱安定性及び耐酸化性にも優れている。さらにこれを基油とするグリース組成物の軸受潤滑寿命は700時間を超えていた。
これに対して、比較例の2位付加体(炭素数12〜14の分岐アルキル置換体)単体及び1位付加体(炭素数12〜14の直鎖アルキル基置換体)と2位付加体(炭素数12〜14の分岐アルキル置換体)の混合体からなる基油は、実施例の基油と比較して動粘度が高く摩擦特性が劣り、流動点が高く低温特性が劣り、50%減量温度が低く熱安定性が劣っている。さらに、180℃で500時間加熱後において動粘度の上昇が大きく熱安定性が低い。また、酸価が高く熱安定性及び耐酸化性も劣っている。さらにこれを基油とするグリース組成物の軸受潤滑寿命は700時間を遙かに下回っていた。すなわち、実施例1〜6の軸受潤滑寿命は、比較例の1.7〜2.1倍に延びていることがわかる。

Claims (6)

  1. 基油として、下記一般式(1)で表される炭素数8〜20の直鎖ポリアルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)単体又は下記一般式(1)で表される直鎖ポリアルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と下記一般式(2)で表される炭素数8〜20の分岐ポリアルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)の混合体を含有することを特徴とするグリース組成物。
    R−(Cx2x+1m (1)
    R−[CH(CH3)−(Cy2y+1)]n (2)
    (式中、Rはジフェニルエーテル残基、xは8〜20の整数、yは6〜18の整数、m及びnは独立して2〜10の整数を示す。)
  2. 直鎖ポリアルキル化ジフェニルエーテル(1位付加体)と分岐ポリアルキル化ジフェニルエーテル(2位付加体)の質量比が100:0〜50:50である請求項1記載のグリース組成物。
  3. 増ちょう剤を含有する請求項1又は2記載のグリース組成物。
  4. 増ちょう剤が、ウレア化合物、リチウム石けん、ポリテトラフルオロエチレン、及びメラミンシアヌレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載のグリース組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のグリース組成物を封入した機械部材
  6. 軸受又は歯車である請求項5に記載の機械部材。
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