JPH10279447A - 化粧料用複合体及びこれを配合した化粧料 - Google Patents

化粧料用複合体及びこれを配合した化粧料

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JPH10279447A
JPH10279447A JP9844597A JP9844597A JPH10279447A JP H10279447 A JPH10279447 A JP H10279447A JP 9844597 A JP9844597 A JP 9844597A JP 9844597 A JP9844597 A JP 9844597A JP H10279447 A JPH10279447 A JP H10279447A
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JP9844597A
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Nobuyuki Kurita
信行 栗田
Hiroyasu Sumino
裕康 隅野
Tetsuji Nakamura
哲治 中村
Tomiyuki Nanba
富幸 難波
Teruhiko Hineno
照彦 日根野
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多機能化及び高機能化を化粧品において実現す
るための新たな配合成分を見出し、さらにこの配合成分
を基本的配合成分として用いた多機能化乃至高機能化さ
れた化粧品を提供すること。 【解決手段】リン酸エステル変性シリコーン及び陽イオ
ン性界面活性剤とからなる複合体を製造し、これを基本
的配合成分とする化粧料、特に毛髪用化粧料を提供する
ことにより、上記課題が解決される。特に本発明を毛髪
化粧料に適用する場合には、この複合体と共にモノ長鎖
アルキル第4級アンモニウム塩及び脂肪族高級アルコー
ルを配合すると、一層有用性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、化粧料の配合成分
として有用なリン酸エステル変性シリコーンと特定の陽
イオン性界面活性剤との複合体、この複合体を配合した
化粧料及びこの複合体と他の特定成分とを組み合わせて
配合した毛髪用化粧料に関する技術分野に属する発明で
ある。
【0002】
【従来の技術】現代人にとって、化粧料は生活必需品で
ある。そして、近年の生活習慣の多様化に伴って、様々
な生活シーンに適合する化粧品の開発が進められてい
る。例えば、出勤前や登校前に洗髪を行う「朝シャン」
は、可能な限り短時間で済ませることが好ましいことか
ら、「シャンプーで汚れを落としてからヘアリンスで仕
上げる」ことを一度に行うことができる「リンスインシ
ャンプー」が開発され、現在数多く市場に出回ってい
る。このように、特定の機能を従来の化粧品に付加する
ことで、多様化する生活パターンに適合し得る化粧品を
開発することが、現代の化粧品開発の大きな流れとなっ
ている。以下に、まず新たな機能を付加した代表的な化
粧品である、「リンスインシャンプー」の開発の背景と
現状とについて述べる。そもそも、シャンプーでの洗髪
後にヘアリンスやコンディショナーを用いるのは、シャ
ンプーで洗髪すると、汚れと共に毛髪に最低限必要な天
然の油分までが洗い落とされてしまう傾向にあるからで
ある。すなわち、シャンプーでの洗髪に伴いがちな、毛
髪のツヤがなくなる,櫛通りやスタイリングが悪くな
る,静電気が蓄積して毛髪のまとまりが悪くなる等の問
題を解決するために、ヘアリンスやコンディショナーが
開発されてきた。
【0003】しかしながら、特に上記した現代の生活習
慣においては、シャンプーでの洗髪後にヘアリンスやコ
ンディショナーを用いることは、時間的にも、費用的に
も効率的でない面があることは否めなかった。そこで、
最近は、シャンプー自体にリンス効果やコンディショニ
ング効果を付与する試みがなされ、上記「リンスインシ
ャンプー」が開発されるに至っている(特開昭63−3
17596号公報等)。これまで「リンスインシャンプ
ー」中のリンス成分としては、主に陽イオン性高分子が
用いられてきた。この陽イオン性高分子は、濡れた状態
で毛髪に付着しているときはしなやかな感触を与える
が、乾燥すると比較的硬い被膜を毛髪上に形成する。そ
のため、この「リンスインシャンプー」で洗髪後の毛髪
は、ある程度の滑らかさを示すものの、ツヤの向上はほ
とんど望めず、ややゴワつく感触が残るという欠点があ
った。また、この「リンスインシャンプー」を多めに使
用した場合、毛髪のぬめり感が増長する傾向にあり、最
近の消費者の嗜好に合致するものではなく、逆に少なめ
に使用した場合にはリンス効果が極端に低減してしまう
傾向もあった。
【0004】最近の消費者は、すすぎ時のきしみ感の抑
制よりも乾燥後の仕上がり感、すなわち滑らかでツヤの
ある仕上がり感やサラサラした感触を望む嗜好に変わり
つつある。また、滑らかさを毛髪に付与する目的で、陽
イオン性界面活性剤を配合した「リンスインシャンプ
ー」も多用されているが、これも効果成分が低分子であ
るために吸着性に乏しく、効果が弱い傾向にあるという
点で、十分に消費者に満足感を与えるものではなく、多
量に配合すると安全上好ましくないという面もある。さ
らに毛髪に光沢や滑らかさやツヤを与える目的で、シリ
コーン油、エステル油、鉱物油等の油分が配合された
「リンスインシャンプー」も開発されている。特に、シ
リコーン油はその表面張力の低さから毛髪へのなじみに
優れ、かつ良好な光沢も得られることもあって、シリコ
ーン油を配合した「リンスインシャンプー」は、特に多
用されるに至っている。しかしながら、油分を配合した
ことによるリンス効果には限界があり、多量に油分を配
合した場合は頭髪が脂ぎってしまい、洗髪時の泡立ちも
ひどく悪くなる傾向がある欠点があった。また、シリコ
ーン油を含有する組成物は、しばしば不安定でシリコー
ン油分が分離する傾向にあった。この問題を解決するた
めに、シリコーン油分を安定に配合する手段にも様々な
工夫がなされてきた(特開昭63−183517号公
報,特開平4−234309号公報、特開平4−243
810号公報)。こうした工夫によって、シリコーン油
を安定に配合する手段は解決されつつあるものの、これ
らの方法にも限界があり、さらにシャンプー系へのシリ
コーン油分の配合は、起泡力及び洗浄力の低下を招くと
いう欠点もあった。
【0005】次に、新たな機能の付与が積極的に進めら
れている、リンス効果の付与を本来的な目的とする毛髪
化粧料の開発の背景と現状とについて述べる。毛髪に滑
らかさや光沢を付与し、櫛通りを良くするという、いわ
ゆる「リンス効果」を有する毛髪化粧料は、一般にヘア
リンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー等
の名称で市販されている。これらの毛髪化粧料には、通
常、第4級アンモニウム塩が配合されており、これが毛
髪に吸着することによりリンス効果が発揮されることが
知られている。さらに、滑らかさ、光沢、しっとり感等
の使用後感を向上させる目的で、例えば、高級アルコー
ル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、高級脂肪酸、流動
パラフィン、固形パラフィン、エステル油、低分子量の
シリコーン油等の油分が添加される。これらの各成分を
適宜組み合わせて配合することにより、毛髪をべたつか
せずに滑らかさが付与された毛髪化粧料が提供される。
例えば、特開昭61−286311号公報には、第4級
アンモニウム塩と高級アルコールとが特定比率で組み合
わされた混合成分、及び低粘度油分を、それぞれ特定量
含めた毛髪化粧料について記載されており、それらが毛
髪に優れた滑らかさを提供し、さらにべたつきのない使
用感をも与えるとしている。また、特開昭63−222
109号公報には、第4級アンモニウム塩とシリコンガ
ムの範疇に属する高分子量シリコーンを特定割合で含
む、耐洗浄性に優れた毛髪化粧料について記載されてい
る。しかしながら、これによって毛髪に対する平滑性、
柔軟性及びツヤ付与効果をさらに向上させる必要性が無
くなったわけではない。すなわち、たとえこれらの毛髪
化粧料が、塗布時及びすすぎ時には毛髪をべたつかせず
に毛髪に滑らかさを付与できても、毛髪の乾燥する際や
乾燥後においては、必ずしも満足できる状態であるとは
限らない。
【0006】
【発明が解決すべき課題】上記のように、現代人の生活
様式の多様化に伴い、化粧品にも多機能化及び高機能化
が図られているものの、この多機能化及び高機能化を支
える手段が十分に提供されているとはいえない。化粧品
において、このような多機能化及び高機能化を行うに
は、これを支える新たな配合成分を見出すことが重要事
項である。
【0007】そこで、本発明が解決すべき課題は、上記
多機能化及び高機能化を化粧品において実現するための
新たな配合成分を見出し、さらにこの配合成分を基本的
配合成分として用いた多機能化乃至高機能化された化粧
品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、リン酸エ
ステル変性シリコーンと第4級アンモニウム塩型陽イオ
ン性界面活性剤とからなる複合体は、これを化粧料中に
配合することにより、上記の「リンスインシャンプー」
をはじめ、化粧料本来の品質を維持又は向上させつつ多
機能化及び高機能化することを可能にすることを見出し
本発明を完成した。すなわち、本発明者は以下の発明を
提供する。
【0009】請求項1において、リン酸エステル変性シ
リコーン及び陽イオン性界面活性剤とからなる複合体を
提供する。
【0010】請求項2において、請求項1記載の複合体
を含んでなる化粧料を提供する。
【0011】請求項3において、請求項1記載の複合体
並びに両性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤
を含んでなる毛髪用化粧料を提供する。
【0012】請求項4において、請求項1記載の複合
体、モノ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩及び脂肪族
高級アルコールを含んでなる毛髪用化粧料を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 A.本発明複合体の実施の形態:本発明複合体は、リン
酸エステル変性シリコーン及び陽イオン性界面活性剤と
からなる。
【0014】1.リン酸エステル変性シリコーンについ
て 本発明複合体の構成要素となるリン酸エステル変性シリ
コーンは、下記式(I)で表されるリン酸エステル変性
シリコーンである。
【化1】
【0015】このリン酸エステル変性シリコーン(I)
のシロキサン部分が大きい場合、すなわちlやmが大き
い場合であっても、ポリオキシアルキレン基の鎖長、す
なわちaやbを変化させることによりHLBを大きくす
ることが可能であり、親水性を高めることが可能であ
る。
【0016】リン酸エステル変性シリコーン(I)にお
いて、Rは、同種又は異種の炭素数1〜10の1価の炭
化水素基又は同シロキサニル基である。この1価の炭化
水素基としては、アルキル基,シクロアルキル基,アリ
ール基等を例示することができる。
【0017】炭素数1〜10のアルキル基としては、メ
チル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル
基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,
デシル基,イソプロピル基,イソブチル基,sec-ブチル
基,tert-ブチル基,イソペンチル基,ネオペンチル
基,tert-ペンチル基,イソヘキシル基,2−エチルヘ
キシル基等を挙げることができる。また、同シクロアル
キル基としては、シクロヘキシル基等を挙げることがで
きる。さらに、同アリール基としては、フェニル基,ベ
ンジル基,フェニルエチル基等を挙げることができる。
また、これらの例示された基にRとして採り得る基が限
定されるものではないが、特にメチル基が好ましく選択
される。
【0018】R1 はRと同種の基又は式(II)で表され
る基であるが、R1 の少なくとも一つは式(II)で表さ
れる基である。ただし、R1 のうち、特にリン酸エステ
ル変性シリコーン(I)の末端に位置するものはメチル
基であることが好ましい。また、l及びmはそれぞれ0
又は正の整数であり、lが0〜100の範囲であり、m
が0〜500の範囲であることが好ましく;さらにlが
0〜10の範囲であり、mが0〜20の範囲であること
が特に好ましい。
【0019】
【化2】
【0020】式(II)において、Mはアルカリ金属イオ
ン,アンモニウムイオン,アミノアルキル基,アミノア
ルカノール基であり、これらの中でもアルカリ金属イオ
ンであるナトリウムイオンが好ましい。また、xは1〜
15の整数を表し、a及びbはそれぞれ0又は正の整数
を表す。そして、xは12以下の整数であることが好ま
しく、特にxが3である式(II)で表される基を選択す
ることが特に好ましい。また、a及びbが同時に0にな
ることはなく、a及びbは0〜50の範囲であることが
好ましく、さらにaは2〜20の範囲であることが特に
好ましく、bは0〜10の範囲であることが特に好まし
い。
【0021】なお、式(II)で表される基中のエチレン
オキサイド鎖とプロピレンオキサイド鎖の並び方は特に
限定されず、例えばエチレンオキサイド鎖とプロピレン
オキサイド鎖が1個ずつ交互に並んでいる場合も許容さ
れ、一定個ずつ並んでいる場合も許容される。
【0022】リン酸エステル変性シリコーン(I)を合
成する場合には、以下に示す手順により行うことが好適
である(特開平3−217421号公報参照)。すなわ
ち、
【化3】 (式中、R,l及びmは、前述と同様であり、R2 はR
と同様の基又は水素原子であるが、R2 の少なくとも一
つは水素原子である。)で示されるリン酸エステル変性
シリコーン(I)のシロキサン鎖の構成部分であるハイ
ドロジェンシロキサンと下記(IV)
【0023】
【化4】 (式中、kは1〜13の整数を表し、M,a,bは、前
述と同様の意味を表す。)
【0024】で示される化合物とを、白金触媒を用い、
緩衝剤を用いてpH4〜10で反応させるもので、これ
により容易に式(III)中の水素原子と式(IV)中のビニ
ル基が付加反応し、所望するリン酸エステル変性シリコ
ーン(I)を得ることができる。
【0025】なお、式(IV)で示される化合物は、アリ
ル化ポリエーテルをリン酸化した後、水酸化ナトリウム
等で中和することにより得ることができる。なお、この
ようなアリル化ポリエーテルの市販品としては、ユニオ
ックスA−750,ユニオックスA−200(共に日本
油脂株式会社製)等を挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。
【0026】上記のように、所望するリン酸エステル変
性シリコーン(I)を逐次合成したものを、本発明化粧
料中に配合することも可能であるが、特定のリン酸エス
テル変性シリコーン(I)の市販品を用いることも可能
である。かかる市販品としては、例えばPECOSIL
WDS−100,PECOSIL PS−100(両
者共フェニックス ケミカル社製)を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0027】2.陽イオン性界面活性剤について 具体的には、本発明複合体の構成要素となる陽イオン性
界面活性剤は、以下の構造を有する。
【0028】
【化5】 (式中、R3 は炭素数が12〜22のアルキル基又はア
ルケニル基、R4 はそれぞれが同一でも異なってもよ
く、水素原子,メチル基又はエチル基、Xはハロゲン原
子又はメチルサルフェート基を示す。)で表される「モ
ノアルキル型第4級アンモニウム塩型陽イオン性界面活
性剤」;
【0029】R3 において、炭素数が12〜22のアル
キル基としては、例えばドデシル基,トリデシル基,テ
トラデシル基,ペンタデシル基,ヘキサデシル基,ヘプ
タデシル基,オクタデシル基,ノナデシル基,イコサデ
シル基,ヘンイコサデシル基,ドコサデシル基等を例示
することができる。また、炭素数が12〜22のアルケ
ニル基としては、例えばドデセニル基,トリデセニル
基,ペンタデセニル基,ヘキサデセニル基,ヘプタデセ
ニル基,オクタデセニル基,ノナデセニル基,イコサデ
セニル基,ヘンイコサデセニル基,ドコサデセニル基等
を例示することができる。このアルキル基又はアルケニ
ル基R3 の炭素数が22を超えると、水に対する溶解性
が著しく低下する傾向にあり好ましくない。
【0030】また、Xにおいて、ハロゲン原子として
は、塩素原子,臭素原子,フッ素原子,ヨウ素原子を挙
げることができるが、塩素原子が好ましい。
【0031】すなわち、本発明複合体の構成要素として
好ましく選択される、モノアルキル型第4級アンモニウ
ム塩型陽イオン性界面活性剤としては、例えば塩化ステ
アリルトリメチルアンモニウム,塩化ベヘニルトリメチ
ルアンモニウム,塩化ステアリルジメチルベンジルアン
モニウム又はこれらの混合物等を挙げることができる。
【0032】
【化6】 〔式中、R5 は炭素数12〜22のアルキル基を、R6
は水素原子,メチル基,エチル基又は炭素数12〜22
のアルキル基を示し、Yはハロゲン原子,メチルサルフ
ェート基及びエチルサルフェート基から選ばれる陰イオ
ン性基を示し、p及びqは0又は正の整数(p+qは、
1〜30の整数である)を示す。)で表される陽イオン
性界面活性剤;
【0033】R5 において、炭素数12〜22のアルキ
ル基としては、例えばドデシル基,トリデシル基.テト
ラデシル基,ペンタデシル基,ヘキサデシル基,ヘプタ
デシル基,オクタデシル基,ノナデシル基,イコサデシ
ル基,ヘンイコサデシル基,ドコサデシル基等を例示す
ることができる。これらのアルキル基の中でも、炭素数
が16以上のアルキル基、すなわちヘキサデシル基,ヘ
プタデシル基,オクタデシル基,ノナデシル基,イコサ
デシル基,ヘンイコサデシル基,ドコサデシル基を好ま
しいアルキル基R5 として例示することができる。
【0034】また、R6 が採り得る炭素数12〜22の
アルキル基は、上記のR5 について例示したアルキル基
と同様であり、さらに好ましいアルキル基が、炭素数1
6以上のアルキル基であることも同様である。Yがとり
得るハロゲン原子は、前記Xと同様であり、選択するの
に好ましいハロゲン原子が塩素原子であることも同様で
ある。
【0035】すなわち、本発明複合体の構成要素として
好ましく選択される、この型の第4級アンモニウム塩型
陽イオン性界面活性剤としては、例えばジラウリルジエ
トキシル型第4級アンモニウム塩,ジセチルジエトキシ
ル型第4級アンモニウム塩,ジステアリルジエトキシル
型第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
【0036】
【化7】 (式中、R7 及びR8 は互いに同一でも異なってもよ
く、炭素数が12〜22のアルキル基又はアルケニル基
を表し、Zはハロゲン原子,メチルサルフェート基及び
エチルサルフェート基から選ばれる陰イオン性基を表
す。)で表されるイミダゾリン型第4級アンモニウム塩
型陽イオン性界面活性剤;
【0037】選択されるべきR7 及びR8 は、R3 につ
いて例示したアルキル基又はアルケニル基と同様であ
り、Zが採り得るハロゲン原子は前記Xと同様であり、
選択するのに好ましいハロゲン原子が塩素原子であるこ
とも同様である。本発明複合体の構成要素として好まし
く選択されるイミダゾリン型第4級アンモニウム塩型陽
イオン性界面活性剤(VII)としては、例えばラウリル
イミダゾリニウムベタイン,ミリスチルイミダゾリニウ
ムベタイン,セチルイミダゾリニウムベタイン,ステア
リルイミダゾリニウムベタイン,ベヘニルイミダゾリニ
ウムベタイン等を挙げることができる。
【0038】本発明複合体は、これらのリン酸エステル
変性シリコーン及び陽イオン性界面活性剤を静電気的結
合力で結合させることにより、調製することができる。
具体的には、例えば陽イオン性界面活性剤を適量の水に
十分に攪拌溶解した後、リン酸エステル変性シリコーン
を添加し、十分に攪拌混合することにより本発明複合体
を調製することができる。
【0039】この複合体の調製系における、陽イオン性
界面活性剤とリン酸エステル変性シリコーンとの混合比
(モル比:陽イオン性界面活性剤/リン酸エステル変性
シリコーン)は、2/8以上、7/3以下の範囲であ
り、好ましくは3/7以上、5/5以下の範囲である。
【0040】この混合比が7/3を超える場合は、過剰
の陽イオン性界面活性剤の存在により皮膚に対する刺激
が強くなり好ましくない。また、混合比が2/8未満の
場合は、主に陽イオン性界面活性剤の作用によるリンス
効果が劣る傾向にあり好ましくない。
【0041】一般に陽イオン性界面活性剤(例えば、上
記陽イオン性界面活性剤)と陰イオン性界面活性剤(例
えば、高級アルキルスルホン酸塩等のスルホン酸塩型陰
イオン性界面活性剤,高級アルコールリン酸エステル塩
等のリン酸エステル塩型陰イオン性界面活性剤,ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等のリ
ン酸エステル塩型陰イオン性界面活性剤)とを水溶液中
で共存させると、結晶相中で複合体を形成し、この複合
体は沈澱物となり、この水溶液は白濁又は分離してしま
う。
【0042】しかしながら、上記のようにリン酸エステ
ル変性シリコーンと第4級アンモニウム塩型陽イオン性
界面活性剤とを組み合わせて、複合体を溶液中で特定の
混合モル比で共存させる場合には、この溶液中で液体油
分状の本発明複合体を形成する。
【0043】本発明複合体は、透明乃至半透明状態の油
状を呈し、例えば毛髪用化粧料中に配合した場合には優
れたリンス効果を有し、皮膚に対する刺激も少ないとい
う利点を有する。また、本発明複合体を構成するリン酸
エステル変性シリコーンと陽イオン性界面活性剤として
具体的に種々の組み合わせを選択することにより、本発
明複合体におけるシリコンの性質の強弱を選択すること
が可能である。すなわち、具体的目的に応じた本発明複
合体を選択、調製することが可能である。また、この本
発明複合体のシリコン的性質は、乾燥するにつれて強く
現れる傾向にあるので、例えば本発明複合体を配合した
毛髪化粧料は、その使用後、毛髪にサラサラした感触乃
至ツルツルした感触を付与することができる。さらに本
発明複合体を配合しても泡立ちを阻害しないので、シャ
ンプー等の泡立ちを必要とする化粧料に配合しても不都
合を生じない。また、上記のように性質の異なる本発明
複合体を適宜組み合わせて化粧料中に配合することによ
り、その化粧料の使用性を調整することが可能である。
【0044】上記のような性質を有する本発明複合体
は、これを化粧料中に配合することによって、その多機
能化及び高機能化に資することができる。本発明複合体
を配合した化粧料(以下、本発明化粧料ともいう。)が
採り得る形態は特に限定されるものではなく、毛髪用化
粧料,洗顔料,化粧水,乳液,クリーム,ジェル,エッ
センス(美容液),パック,マスク等の形態をも採るこ
とが可能であり、かかる場合のこれらの本発明化粧料
は、毛髪又は皮膚においてサラサラした感触及びツルツ
ルした感触を著しく向上させるという特徴を有するもの
である。
【0045】また、メーキャップ化粧品であれば、ファ
ンデーション,口紅等の形態をも採ることが可能であ
り、かかる場合のこれらの本発明化粧料は、化粧効果と
してなじみ及びのびを向上させて、かつべたつきを著し
く改善し得るという特徴を有するものである。
【0046】そして、本発明化粧料の剤型も、水溶液
系,可溶化系,乳化系,粉末系,油液系,ゲル系,エア
ゾール系,水−油2層系,水−油−粉末3層系等、幅広
い剤型を採り得る。なお、本発明化粧料中には、本発明
複合体を配合したことによる、本発明の所期の効果を損
なわない限り、通常化粧料中に配合される一般的な成分
を配合し得ることは勿論である。
【0047】すなわち、保湿剤,美白剤,消炎剤,紫外
線防御剤,動植物抽出物,ビタミン類,液体油脂,固体
油脂,ロウ類,炭化水素油,高級脂肪酸,高級アルコー
ル,合成エステル油,シリコーン類,界面活性剤,防腐
剤,キレート剤,本発明複合体の構成に関与しない水溶
性高分子,増粘剤,粉末成分,色素,香料,水,低級ア
ルコール等を必要に応じて本発明化粧料中に適宜配合す
ることができる。
【0048】なお、上記した本発明複合体の性質を鑑み
ると、上記化粧料として採り得る形態の代表的な態様
が、毛髪用化粧料である。以下に、特に本発明複合体の
優れた性質を最大限活用した、本発明複合体と特定成分
を組み合わせて配合した毛髪用化粧料についての実施の
形態を説明する。なお、本発明において「毛髪用化粧
料」とは、文字通り毛髪に使用する任意の化粧料、例え
ばシャンプー、ヘアリンス、ヘアートリートメント、ヘ
アコンディショナー,ヘアパック等の水によるすすぎ工
程の入る化粧料を主に意味する。
【0049】B.本発明複合体並びに両性界面活性剤及
び/又は非イオン性界面活性剤を含んでなる毛髪用化粧
料〔本発明毛髪用化粧料(1)〕についての実施の形
態:上記のように、本発明複合体は、毛髪用化粧料中に
おいて優れた特性を発揮し得るものであるが、これのみ
の配合では起泡力及び洗浄力に劣り、企図する化粧料の
形態(例えばシャンプー等の毛髪用化粧料)によっては
使用者に十分な満足感を与えることが困難である傾向が
ある。
【0050】そこで、本発明者は、上記本発明複合体に
加えて、さらに毛髪用化粧料中に両性界面活性剤及び/
又は非イオン性界面活性剤を配合することにより、本発
明複合体のみの配合に伴う上記の問題点を克服し得るこ
とを見出した。
【0051】本発明毛髪用化粧料(1)中に上記本発明
複合体と共に配合され得る両性界面活性剤は、通常の毛
髪用化粧料に配合され得る両性界面活性剤であれば特に
限定されるものではない。例えば、2−ウンデシル−
N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−
2−イミダゾリニウムナトリウム、2−ココイル−2−
イミダゾリニウムヒドロキシド−1−カルボキシエチル
オキシ−2−ナトリウム等のイミダゾリン系両性界面活
性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリル
ジメチルアミノ酢酸ベタイン等のベタイン系両性界面活
性剤;アルキルベタイン、アミノベタイン、アミンオキ
サイド、スルホベタイン等を例示することができる。
【0052】また、本発明毛髪用化粧料(1)中に上記
本発明複合体と共に配合され得る非イオン性界面活性剤
は、通常の毛髪用化粧料に配合され得る非イオン性界面
活性剤であれば特に限定されるものではない。例えば、
親油性非イオン性界面活性剤として、ソルビタンモノオ
レート,ソルビタンモノイソステアレート,ソルビタン
モノラウレート,ソルビタンモノステアレート,ソルビ
タンセスキオレート,ソルイビタントリオレート,ペン
タ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン,
テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタ
ン等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノ綿実油脂肪酸
グリセリン,モノエルカ酸グリセリン,セスキオレイン
酸グリセリン,モノステアリン酸グリセリン,α,α’
−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン,モノステア
リン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリ
ン脂肪酸類;モノステアリン酸プロピレングリコール等
のプロピレングリコール脂肪酸エステル類;硬化ヒマシ
油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等を例示するこ
とができる。
【0053】また、親水性非イオン性界面活性剤として
は、POEソルビタンモノオレート,POEソルビタン
モノステアレート,POEソルビタンモノオレールエー
テル,POE・POP水添ラノリン,POE・POPグ
リセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル
類;テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチ
レンジアミン縮合物類;POEヒマシ油,POE硬化ヒ
マシ油,POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート,P
OE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステア
リン酸ジエステル,POE硬化ヒマシ油マレイン酸等の
POEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体;POEソルビット
ミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体;ヤシ油
脂肪酸ジエタノールアミド,ラウリン酸モノエタノール
アミド,脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノー
ルアミド;POEプロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、POEアルキルアミン、POE脂肪族アミド、ショ
糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、POEノニル
フェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルメトキシジ
メチルアミンオキサイド、トリオレイルリン酸塩等を例
示することができる。
【0054】本発明毛髪用化粧料(1)においては、上
記両性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤のう
ち、1種又は2種以上を選択して配合することができ
る。この配合により、本発明複合体を系において安定に
溶解させること、例えば低温においても安定に本発明複
合体を溶解させることができる。
【0055】本発明毛髪用化粧料(1)中における、上
記両性界面活性剤の配合量は、特に限定されるべきもの
ではないが、一般的には化粧料全体に対して0.1重量
%以上,20重量%以下であり、好ましくは同5.0重
量%以上,15重量%以下である。
【0056】また、本発明毛髪用化粧料(1)中におけ
る、上記非イオン性界面活性剤の配合量も、特に限定さ
れるべきものではないが、一般的には化粧料全体に対し
て5.0重量%以上,40重量%以下であり、好ましく
は同8.0重量%以上,30重量%以下である。
【0057】なお、両性界面活性剤及び非イオン性界面
活性剤を組み合わせて本発明毛髪用化粧料(1)中に配
合する場合は、双方の界面活性剤の総和が化粧料全体に
対して30重量%以下であることが好ましい。例えば、
非イオン性界面活性剤を化粧料全体の10重量%配合し
た場合に、両性界面活性剤を化粧料全体の10重量%,
同15重量%又は同20重量%の割合で組み合わせて配
合することが好ましい。
【0058】上記した両性界面活性剤及び/又は非イオ
ン性界面活性剤の配合量の上限を超えて、これらの界面
活性剤を本発明毛髪用化粧料(1)中に配合すると、頭
皮に対する傾向が強くなり過ぎる傾向にあり好ましくな
い。逆に、両性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活
性剤の配合量が、化粧料全体の5.0重量%以下である
と、複合体を系において安定して溶解させるという所期
の効果を達成することが困難になる。
【0059】さらに、本発明複合体の本発明毛髪用化粧
料(1)における配合量は、化粧料全体の0.5重量%
以上、同20重量%以下であり、好ましくは同1.0重
量%以上、同15重量%以下である。
【0060】本発明複合体の配合量が、化粧料全体の
0.5重量%未満では、化粧料に十分なリンス効果を与
えることができず好ましくなく、同20重量%を超える
と、製剤上系が成り立たなくなる傾向にあり好ましくな
い。
【0061】これらの必須成分を含む本発明毛髪用化粧
料(1)の製造方法は、特に限定されるものではない
が、本発明複合体以外の必須成分及び任意成分(後述す
る)を所望する形態で混合させた系に、予め上記した工
程で調製した本発明複合体を添加して、本発明複合体の
加熱等による分解等を可能な限り防止することが好まし
い。
【0062】このようにして調製される本発明複合体並
びに両性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤を
含んでなる本発明毛髪用化粧料(1)は、毛髪用化粧料
として非常に優れた特性を有している。
【0063】すなわち、本発明毛髪用化粧料(1)は、
洗髪時の洗浄性が良好であることは勿論、さらさらした
使用感触を有して、泡立ちも良好である。また、すすぎ
時のきしみも認められず、使用後は毛髪がつるつるした
感触を与えることができる。
【0064】よって、本発明毛髪用化粧料(1)は、上
記した毛髪用化粧料一般の形態に広く適用することが可
能である。より具体的には、シャンプー,ヘアリンス,
リンスインシャンプー,ヘアパック等である。
【0065】C.本発明複合体、モノ長鎖アルキル第4
級アンモニウム塩及び脂肪族高級アルコールを含んでな
る毛髪用化粧料〔本発明毛髪用化粧料(2)〕について
の実施の形態:本発明毛髪用化粧料(2)は、使用中の
べたつき抑制効果に優れ、毛髪に充分な滑らかさおよび
光沢を付与することができ、更にブラッシング等の物理
的刺激からも毛髪を保護する効果にも優れる毛髪用化粧
料である。
【0066】すなわち、リン酸エステル変性シリコーン
と陽イオン性界面活性剤とから成る複合体を、第4級ア
ンモニウム塩と高級アルコールと混合して配合しても、
元来第4級アンモニウム塩と高級アルコールを組み合わ
せて配合したことにより発揮される効果(前記従来技術
の欄参照のこと)に悪影響を受けることなく、しかも配
合された毛髪用化粧料におけるリンス効果を相乗的に高
めることを見い出した。
【0067】本発明毛髪用化粧料(2)中に上記本発明
複合体と共に配合され得るモノ長鎖アルキル第4級アン
モニウム塩は、通常の毛髪用化粧料に配合され得るモノ
長鎖アルキル第4級アンモニウム塩であれば特に限定さ
れるものではない。
【0068】例えば、本発明毛髪用化粧料(2)は、下
記の如き第4級アンモニウム塩を含有する。
【化8】 (式中、R9 は炭素数が14〜22のアルキル基又は同
ヒドロキシアルキル基を表し、R10は独立して炭素数1
〜3のアルキル基又は同ヒドロキシアルキル基であり、
それぞれが同一でも異なってもよく、Aはハロゲン原子
である。)
【0069】R9 において、炭素数が14〜22のアル
キル基としては、テトラデシル基,ペンタデシル基,ヘ
キサデシル基,ヘプタデシル基,オクタデシル基,ノナ
デシル基,イコサデシル基,ヘンイコサデシル基,ドコ
サデシル基等を挙げることができる。また、炭素数が1
4〜22のヒドロキシアルキル基としては、12−ヒド
ロキシステアリル基等を挙げることができる。R9 とし
ては、ヘキサデシル基,ヘプタデシル基,オクタデシル
基,ノナデシル基,イコサデシル基,ヘンイコサデシル
基,ドコサデシル基が好ましく、特にオクタデシル基,
ドコサデシル基が好ましい。
【0070】R10において、炭素数が1〜3のアルキル
基としては、メチル基,エチル基,プロピル基を挙げる
ことができる。また、炭素数が1〜3のヒドロキシアル
キル基としては、ヒドロキシメチル基、およびヒドロキ
シエチル基が挙げられる。ハロゲン原子Aとしては、好
ましくは塩素原子又は臭素原子を挙げることができる。
【0071】具体的に好ましいモノ長鎖アルキル第4級
アンモニウム塩(VIII) の好適なものとして、塩化セチ
ルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチル
アンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、
塩化ベヘニルジメチルベンジルアンモニウム、セチルト
リエチルアンモニウムメチルサルフェート等を挙げるこ
とができる。なお、特に好ましくは塩化ステアリルトリ
メチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニ
ウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム又
はこれらの混合物が挙げられる。なお、これらの成分が
本発明複合体を形成する陽イオン性界面活性剤と重複す
る場合もあるが、本発明複合体の構成要素としての陽イ
オン性界面活性剤が化粧料中に配合されていることと、
モノ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩型陽イオン性界
面活性剤が、上記複合体の形成に関わらずに単独で毛髪
用化粧料中に配合されていることとは全く別であり、こ
のような形式上の重複は全く問題にはならない。
【0072】本発明毛髪用化粧料(2)中に上記本発明
複合体と共に配合され得る脂肪族高級アルコールは、通
常の毛髪用化粧料に配合され得る脂肪族高級アルコール
であれば特に限定されるものではないが、炭素数14〜
22の直鎖アルキル基を有する高級アルコールが好まし
い。特に好ましくは、炭素数16〜22の直鎖高級アル
コール、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコール等を挙げることができる。
【0073】本発明毛髪用化粧料(2)は、前記の各成
分「本発明複合体」「モノ長鎖アルキル第4級アンモニ
ウム塩」及び「脂肪族高級アルコール」が、それぞれ特
定の比率で配合されていることが必要である。
【0074】前記モノ長鎖アルキル第4級アンモニウム
塩の1種又は2種以上の配合量は化粧料全体の0.1以
上、5.0重量%以下の範囲、好ましくは同0.6以
上、3.0重量%以下の範囲である。化粧料全体の0.
1重量%未満の配合量では、所望するリンス効果が充分
に得られない。化粧料全体の5.0重量%を越える配合
量では、化粧料の粘度が高くなりすぎるので好ましくな
い。
【0075】また、脂肪族高級アルコールに対するモノ
長鎖アルキル第4級アンモニウム塩のモル比は、モノ長
鎖アルキル第4級アンモニウム塩/脂肪族高級アルコー
ル=1/3〜1/15の範囲で配合するのが好ましい。
特に、モノ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩/脂肪族
高級アルコール=1/3.5〜1/10で配合するのが
特に好ましい。
【0076】本発明複合体の本発明毛髪用化粧料(2)
における配合量は、化粧料全体の0.5重量%以上,2
0重量%以下であり、好ましくは同1.0重量%以上,
15重量%以下である。本発明複合体のこの配合量が、
化粧料全体の0.5重量%未満では、毛髪用化粧料中に
本発明複合体を配合する目的である、十分なリンス効果
を得られなくなり好ましくなく、逆に同20重量%を超
えて配合すると、製剤上系が成立しなくなる傾向にあり
好ましくない。
【0077】これらの必須成分を含む本発明毛髪用化粧
料(2)の製造方法は、特に限定されるものではない
が、本発明複合体以外の必須成分及び任意成分(後述す
る)を所望する形態で混合させた系に、予め上記した工
程で調製した本発明複合体を添加して、本発明複合体の
加熱等による分解等を可能な限り防止することが好まし
い。
【0078】このようにして調製される、本発明複合
体、モノ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩、脂肪族高
級アルコールを含んでなる本発明毛髪用化粧料(2)
は、例えば毛髪用化粧料として好ましい特性を有してい
る。すなわち、本発明毛髪用化粧料(2)は、洗髪時の
べたつき抑制効果に優れ、毛髪に十分な滑らかさ及び光
沢を付与することが可能で、さらにブラッシング等の物
理的刺激から毛髪を保護する効果に優れた毛髪用化粧料
である。
【0079】よって、本発明毛髪用化粧料(2)は、上
記した毛髪用化粧料一般の形態に広く適用することが可
能である。より具体的には、シャンプー,ヘアリンス,
リンスインシャンプー,ヘアパック等である。
【0080】D.本発明毛髪用化粧料(1),(2)
は、共にこれらの本発明毛髪用化粧料の所期の効果を損
なわない範囲で、上記した必須成分の他に、一般の毛髪
用化粧料に配合される任意成分を配合することができ
る。
【0081】すなわち,高級アルコール(本発明毛髪用
化粧料(2)においては、脂肪族高級アルコール以外の
高級アルコールのみ),シリコーン油,流動パラフィ
ン,エステル油等の油分;メチルセルロース,ヒドロキ
シエチルセルロース等の水溶性高分子;プロピレングリ
コール,グリセリン等の保湿剤;POE硬化ヒマシ油,
POEアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤及び
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシ
エチルイミダゾリニウムベタイン,トリアルキルアミン
酢酸ベタイン等の両性界面活性剤(本発明毛髪用化粧料
(2)のみ);
【0082】カンゾウ,パブリカ,ムイアブアマ,メ
ギ,メラルーカ,ヤドリギ,ウスベニアオイ,エキナ
シ,エビスグサ,ヒバマタ,トクサ,エンバク,オーク
モス,ミドリハッカ,ナツカワ,ニレ,ヒキオコシ,ヘ
ンルータ,ベイベリ,オグルマベニノキ,カイカ,ヘイ
フラワー,ハクセン,ニワトコ,ホコリタチ,ガマ,パ
イナップル,キャベツ,ハクトウオウ,ハナショウガ,
マフノリ,クロモジ,パパイヤ,ミレシア,ミカン,ク
ワ,クロバナヒキオコシ,クララ,クスノキ,バリン
シ,チチノリ,バナナ,コウホネ,コクサギ,ハコベ,
アラリア,ドクダミ,アズキ,イヌザクラン,イエロー
ドッグ,ナス,サクランボ,ジュニバー,シバリギ,シ
ア,アイリス,スイカズラ,スイパ,セイヨウボダイジ
ュ,センダン,セロリ,ゼラニウム,タマサキツヅラ,
オランダイチゴ,チンサン,ハイマツ,ウコン,オドリ
コソウ,チャ,オレンジ,セージ,セイヨウキズタ,セ
イヨウニワトコ,セイヨウネズエ,セイヨウノコギリソ
ウ,セイヨウハッカ,セイヨウヤドリギ,ゼニアオイ,
センキュウ,タチジャコウソウ,センブリ,タイム,チ
ョウジ,チンピ,海藻,クロレラ,トウキエキス,トウ
キセンカ,トウヒ,
【0083】トマト,オトギリソウ,コボタンズル,ト
ルメンチラ,ニンジン,ニンニク,ノバラ,バーチ,パ
セリ,グンチアナ,ハッカ,オノニス,ハマメリス,ウ
ィキョウ,スギナ,サフラン,オランダカラン,サボン
ソウ,サンザシ,ゲンノショウコウ,ビワ,サンシチソ
ウ,ブッチャーブルーム,ブドウ,ブドウリーフ,ベ
イ,アイビー,ヘチマ,水溶性ヨクイニン,イラクサ,
ボダイジュ,ホップ,サンショウ,シイタケ,マツカ
サ,マロニエ,ミツガシワ,ムクロジ,メリッサ,メリ
ロート,モモ,ヤクルマギク,ユーカリ,ジオウ,シコ
ン,ユキノシタ,油溶性アルニカ,油溶性カレンドラ,
油溶性セイヨウボダイジュ,油溶性ノバラ,褐藻,カノ
コソウ,油溶性ヨクイニン,ユリ,ヨウ化ニンニク,ヨ
モギ,シソ,シナノキ,カモミラ,シモツケ,リンゴ,
カラス麦,シャクヤク,アンズ,レタス,ローズマリ
ー,レモン,ローマカミツレ,ショウキョウ,エイジ
ツ,ワレモコウ,シラカバ,キノチゴ,ステビア,水溶
性アルニカ,オウゴン,キズタ,キナ,キューカンバ
ー,アロエ,ゴボウ,クチナシ,グレープフルーツ,オ
ウバク,オウレン,アンソッコウ,アカブドウ,アセン
ヤク,アルテア,アマチャ,ショウキョウ,トウガラシ
チンキ,ロジン,天然ゴムラテックス,アラビアゴム,
イクタモール,カンタリスチンキ,ブクリョウ,サルノ
コシカケ,チョレイ,カキ,コラーゲン,ビフィズス菌
ペクチン,酵母,ローヤルゼリー,水溶性プラセンタエ
キス,ハチミツ,セラック等の動植物の天然エキスおよ
びその誘導体;
【0084】パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステ
ル,ジプロピレングリコールサリシレート,メトキシケ
イ皮酸オクチル,カンファー誘導体,ウロカニン酸,オ
キシベンゾン,4−メトキシ−4’−tert−ブチルジベ
ンゾイルメタン等の紫外線防御剤;クエン酸,乳酸等の
有機酸;塩化ナトリウム,塩化カリウム等の無機塩;エ
チルパラベン,メチルパラベン等の防腐剤;EDTA−
3Na等のキレート剤;抗菌剤、フケ防止剤、気泡増進
剤、真珠光沢剤、増粘剤、各種タンパク質、各種高分
子、緩衝剤、香料、色素等を配合し得る。
【0085】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。なお、本発明は、これらの実施例によって、そ
の技術的範囲が限定的に解釈されるべきものではない。
また、本実施例中、配合量は全て重量%である。
【0086】以下の各実施例には、上述した製造法に従
って製造した下記〜のリン酸エステル変性シリコー
ンを用いた。
【化9】
【0087】A.本発明複合体についての実施例 〔実施例A〕本発明複合体 本発明複合体は、上記〜のリン酸エステル変性シリ
コーンと陽イオン性界面活性剤とを攪拌混合して製造し
た。具体例を示すと、上記のリン酸エステル変性シリ
コーン14.74mgを水10g に溶解し、これとは別に
塩化セチルトリメチルアンモニウム1.28mgを水10
g に溶解し、この両液を混合することによって複合体を
製造した。なお、このときのリン酸エステル変性シリコ
ーン/塩化セチルトリメチルアンモニウムの混合比(モ
ル比)は6/4であった。
【0088】〔実施例B〕本発明毛髪用化粧料(1) 本発明毛髪用化粧料(1)についての効果の評価は、以
下の試験法及び評価法に従って行った。 リンス効果の評価 リンス効果は「なめらかさ」、「光沢」、「櫛通り性」
の3項目につき、女性パネル15名を使用して評価し
た。すなわち、試料12gを実際に頭髪に直接塗布して
から温湯ですすぎ洗いした後、風乾し、上記女性パネル
の官能によって各項目を評価した。
【0089】なお、評価は以下の4段階で評価した。 著しく良好であれば:◎ 良好であれば:○ 普通であれば:△ 劣っていれば:× として表示した。
【0090】皮膚刺激性の評価 皮膚に対する刺激性は、界面活性剤や界面活性剤組成物
の蛋白質変性能の強弱(蛋白質変性率)が1つの指標に
なることが知られている(特公昭59−42038号公
報)。本組成物の皮膚刺激性はこの評価法に基づき蛋白
質変性率により評価した。
【0091】<蛋白質変性率>水系高速液体クロマトグ
ラフィーを利用し、卵白アルブミンpH7緩衝溶媒に、
試料濃度1%になるように試料を加えた場合の卵白アル
ブミン変性率を220nmの吸収ピークを用いて測定し
た。
【0092】変性率=(H0 −Hs/Ho)×100 Ho:卵白アルブミンの220nm吸収ピークの高さ Hs:卵白アルブミン緩衝溶媒に試料を加えた時の22
0nmの吸収ピークの高さ
【0093】なお、評価は以下の4段階評価で行った。 ◎:皮膚刺激性が非常に少ない。・・・卵白アルブミン
変性率30%未満 ○:皮膚刺激性が少ない・・卵白アルブミン変性率30
%以上60%未満 △:皮膚刺激性中程度・・・卵白アルブミン変性率60
%以上80%未満 ×:皮膚刺激性が強い・・・・・・・・卵白アルブミン
変性率80%以上
【0094】〔実施例B1〕本発明複合体と両性界面活
性剤を主体として配合した本発明毛髪用化粧料(1) 〔実施例B1・1〜B1・21,比較例B1・1〜B1
・21〕第1表,第2表及び第3表内に記載した配合組
成よりなる試験品を調製し、そのリンス効果及び皮膚刺
激性を、同表中に比較例と共に示した。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】表中、例えば「R5 ,R6 :20 p+q
=10」とは、陽イオン性界面活性剤(VI)のアルキル基
5 及びR6 の炭素数が,それぞれ20であり、かつp
とqの和が10であることを示す(以下、同様であ
る)。
【0098】
【表3】
【0099】これらの結果より、本発明複合体を配合し
た毛髪化粧料は、そのリンス効果及び安全性において非
常に優れていることが明らかになった。また、毛髪用化
粧料中において複合体を構成する陽イオン性界面活性剤
とリン酸エステル変性シリコーンとのモル比が2/8以
上,7/3以下(陽イオン性界面活性剤/リン酸エステ
ル変性シリコーン)であることが、所望するリンス効果
を発揮し、皮膚刺激性を十分に緩和するためには必要で
あることが明らかになった。ただし、複合体の構成がこ
のような比率で成り立っていても、系における複合体の
絶対量が少なすぎても,多過ぎても所期の効果を十分に
発揮することが困難であることが明らかになった。
【0100】以下に、種々の剤型の本発明複合体と両性
界面活性剤を主体として配合した本発明毛髪用化粧料
(1)の配合例を実施例として説明する。なお、各毛髪
用化粧料とも優れたリンス効果を有し、かつ皮膚刺激性
は緩徐であった。
【0101】 〔実施例B1・22〕 頭髪用シャンプー(陽イオン性界面活性剤/陰イオン 性界面活性剤のモル比4/6) 重量% 2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチル カルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム 15.00 C16アルキルトリメチルアンモニウムクロライド (平均分子量 320) 1.28 リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2464) 14.70 プロピレングリコール 5.00 ポリオキシエチレン(平均40モル)硬化ヒマシ油誘導体 2.00 イオン交換水 残 余
【0102】<製法>イオン交換水にC16アルキルト
リメチルアンモニウムクロライドを添加して溶解した
後、リン酸エステル変性シリコーンを加え、攪拌混合し
て複合体を形成させた。その後、2−ウンデシル−N,
N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−
イミダゾリンナトリウム,ポリオキシエチレン(40モ
ル)硬化ヒマシ油誘導体及びプロピレングリコールを添
加し攪拌溶解して、上記頭髪用シャンプーを調製した。
【0103】 〔実施例B1・23〕 ボディーシャンプー(陽イオン性界面活性剤/陰イオ ン性界面活性剤のモル比3/7) 重量% ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.00 C22アルケニルメチルアンモニウムクロライド (平均分子量 402) 0.81 リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2464) 11.50 ジプロピレングリコール 8.00 アロエ抽出物 0.50 色剤 適 量 香料 適 量 イオン交換水 残 余
【0104】<製法>イオン交換水にC22アルキルト
リメチルアンモニウムクロライドを溶解した後、リン酸
エステル変性シリコーンを加え、攪拌混合して複合体を
形成させた。その後、系にラウリルジメチル酢酸ベタイ
ンを添加し、さらにジプロピレングリコール,アロエ抽
出物,色剤及び香料を順次加えて、上記ボディーシャン
プーを得た。
【0105】 〔実施例B1・24〕 頭髪用シャンプー(陽イオン性界面活性剤/陰イオン 性界面活性剤のモル比3/7) 重量% 2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチル カルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム 15.00 第4級アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤 〔R5 ,R6 :18 p+q=2(平均分子量 416)〕 1.66 リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2760) 16.56 プロピレングリコール 5.00 ポリオキシエチレン(平均40モル)硬化ヒマシ油誘導体 2.00 イオン交換水 残 余
【0106】<製法>イオン交換水に第4級アンモニウ
ム塩陽イオン性界面活性剤を添加して加熱溶解した後、
リン酸エステル変性シリコーンを系に添加し、攪拌混合
して複合体を形成させた。その後、2−ウンデシル−
N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−
2−イミダゾリンナトリウムを加え、更にポリオキシエ
チレン(平均40モル)硬化ヒマシ油誘導体及びプロピ
レングリコールを順次添加し、攪拌溶解して、上記頭髪
用シャンプーを調製した。
【0107】 〔実施例B1・25〕 ボディーシャンプー(陽イオン性界面活性剤/陰イオ ン性界面活性剤のモル比3/7) 重量% ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.00 C22アルケニルメチルアンモニウムクロライド (平均分子量 402) 0.98 リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2760) 12.88 ジプロピレングリコール 8.00 アロエ抽出物 0.50 色剤 適 量 香料 適 量 イオン交換水 残 余
【0108】<製法>イオン交換水にC22アルケニル
メチルアンモニウムクロライドを加熱攪拌溶解した後、
リン酸エステル変性シリコーンを加え、攪拌混合して複
合体を形成させた。その後、ラウリルジメチルアミノ酢
酸ベタインを添加して、さらにジプロピレングリコー
ル,アロエ抽出物,色剤及び香料を順次添加して、上記
ボディーシャンプーを調製した。
【0109】 〔実施例B1・26〕 頭髪用シャンプー(陽イオン性界面活性剤/陰イオン 性界面活性剤のモル比4/6) 重量% 2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチル カルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム 15.00 イミダゾリン型第4級アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤 (R7 ,R8 ;16 平均分子量 627) 1.67 リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2744) 10.97 プロピレングリコール 5.00 ポリオキシエチレン(平均40モル)硬化ヒマシ油誘導体 2.00 色素 適 量 香料 適 量 イオン交換水 残 余
【0110】<製法>イオン交換水にイミダゾリン型第
4級アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤を添加し
て、加熱攪拌溶解した後、リン酸エステル変性シリコー
ンを加え、攪拌混合して複合体を形成させた。その後、
2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカル
ボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム及びポリ
オキシエチレン(平均40モル)硬化ヒマシ油誘導体を
加え攪拌混合し、さらにプロピレングリコール,色剤及
び香料を順次添加し、攪拌溶解して、上記頭髪用シャン
プーを得た。
【0111】 〔実施例B1・27〕 ボディーシャンプー(陽イオン性界面活性剤/陰イオ ン性界面活性剤のモル比3/7) 重量% ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.00 イミダゾリン型第4級アンモニウム塩型 陽イオン性界面活性剤(R7 ,R8 ;20 平均分子量 739)1.48 リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2744) 12.81 ジプロピレングリコール 8.00 アロエ抽出物 0.50 色剤 適 量 香料 適 量 イオン交換水 残 余
【0112】<製法>イオン交換水にイミダゾリン型第
4級アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤を添加して
加熱攪拌溶解した後、系にリン酸エステル変性シリコー
ンを加え、攪拌混合して複合体を形成させた。その後、
ラウリルジメチル酢酸ベタインを添加して攪拌混合し、
さらにジプロピレングリコール,色剤,香料を順次加え
て攪拌溶解し、上記ボディーシャンプーを調製した。
【0113】〔実施例B2〕本発明複合体と非イオン性
界面活性剤を主体として配合した本発明毛髪用化粧料
(1) 〔実施例B2・1〜B2・21,比較例B2・1〜B2
・21〕第4表,第5表及び第6表内に記載した配合組
成よりなる洗浄剤組成物を調製し、そのリンス効果及び
皮膚刺激性を、同表中に比較例と共に示した。
【0114】
【表4】
【0115】
【表5】
【0116】
【表6】
【0117】これらの結果より、本発明複合体を配合し
た毛髪化粧料は、そのリンス効果及び安全性において非
常に優れていることが明らかになった。また、毛髪用化
粧料中において複合体を構成する陽イオン性界面活性剤
とリン酸エステル変性シリコーンとのモル比が2/8以
上,7/3以下(陽イオン性界面活性剤/リン酸エステ
ル変性シリコーン)であることが、所望するリンス効果
を発揮し、皮膚刺激性を十分に緩和するためには必要で
あることが明らかになった。ただし、複合体の構成がこ
のような比率で成り立っていても、系における複合体の
絶対量が少なすぎても,多過ぎても所期の効果を十分に
発揮することが困難であることが明らかになった。
【0118】以下に、種々の剤型の本発明複合体と非イ
オン性界面活性剤を主体として配合した本発明毛髪用化
粧料(1)の配合例を実施例として説明する。なお、各
毛髪用化粧料とも優れたリンス効果を有し、かつ皮膚刺
激性は緩徐であった。
【0119】 〔実施例B2・22〕 頭髪用シャンプー(陽イオン性界面活性剤/陰イオン 性界面活性剤のモル比4/6) 重量% ポリオキシエチレンドデシルエーテル(EO=15) 17.00 ポリオキシエチレンドデシルエーテル(EO=3) 3.00 C16アルキルトリメチルアンモニウムクロライド (平均分子量 320) 1.28 リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2464) 14.70 プロピレングリコール 5.00 色素 適 量 香料 適 量 イオン交換水 残 余
【0120】<製法>イオン交換水にC16アルキルト
リメチルアンモニウムクロライドを添加して加熱溶解し
た後、リン酸エステル変性シリコーンを加えて攪拌混合
し、複合体を形成させた。その後、ポリオキシエチレン
ドデシルエーテル(EO=15)及びポリオキシエチレ
ンドデシルエーテル(EO=3)を加えて攪拌混合し、
さらにプロピレングリコール,色剤及び香料を順次添加
して攪拌溶解して、上記頭髪用シャンプーを調製した。
【0121】 〔実施例B2・23〕 頭髪用シャンプー(陽イオン性界面活性剤/陰イオン 性界面活性剤のモル比3/7) 重量% アルキルグルコシド(R=12 X=1) 15.00 (Rはアルキル基の炭素数,Xは糖部分(グルコシド)の 付加モル数を示す,以下同様である) C22アルケニルメチルアンモニウムクロライド 0.81 (平均分子量 402) リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2464) 11.50 ジプロピレングリコール 8.00 色剤 適 量 香料 適 量 イオン交換水 残 余
【0122】<製法>イオン交換水にC22アルケニル
メチルアンモニウムクロライドを添加して加熱溶解した
後、リン酸エステル変性シリコーンを添加し、攪拌混合
して複合体を形成させた。その後、系にアルキルグルコ
シドを加えて攪拌混合し、さらにジプロピレングリコー
ル,色剤及び香料を順次添加して攪拌溶解して、上記頭
髪用シャンプーを調製した。
【0123】 〔実施例B2・24〕 頭髪用シャンプー(陽イオン性界面活性剤/陰イオン 性界面活性剤のモル比4/6) 重量% ポリオキシエチレンドデシルエーテル(EO=12) 15.00 第4級アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤 1.11 〔R5 ,R6 :18,p+q=2 X=Cl(平均分子量 416)〕 リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2760) 11.04 プロピレングリコール 5.00 ポリオキシエチレン(平均40モル)硬化ヒマシ油誘導体 2.00 イオン交換水 残 余
【0124】<製法>イオン交換水に第4級アンモニウ
ム塩型陽イオン性界面活性剤を添加して加熱溶解した
後、系にリン酸エステル変性シリコーンを添加して、攪
拌混合して複合体を形成させた。その後、ポリオキシエ
チレンドデシルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油誘導体を添加して攪拌混合し、さらにプロピレン
グリコールを順次添加して、上記頭髪用シャンプーを調
製した。
【0125】 〔実施例B2・25〕 頭髪用シャンプー(陽イオン性界面活性剤/陰イオン 性界面活性剤のモル比3/7) 重量% アルキルグルコシド(R=12 X=1) 15.00 第4級アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤 0.83 〔R5 ,R6 :18,p+q=2 X=Cl(平均分子量 416)〕 リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2464) 12.88 ジプロピレングリコール 8.00 色剤 適 量 香料 適 量 イオン交換水 残 余
【0126】<製法>イオン交換水に第4級アンモニウ
ム塩型陽イオン性界面活性剤を添加して加熱溶解した
後、系にリン酸エステル変性シリコーンを添加して、複
合体を形成させた。その後、系にアルキルグルコシドを
加えて攪拌混合し、さらにジプロピレングリコール,色
剤及び香料を順次添加して攪拌溶解して、上記頭髪用シ
ャンプーを調製した。
【0127】 〔実施例B2・26〕 頭髪用シャンプー(陽イオン性界面活性剤/陰イオン 性界面活性剤のモル比4/6) 重量% ポリオキシエチレンドデシルエーテル(EO=12) 15.00 イミダゾリン型第4級アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤 1.67 (R7 ,R8 :16 平均分子量 627) リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2744) 10.97 プロピレングリコール 5.00 ポリオキシエチレン(平均40モル)硬化ヒマシ油誘導体 2.00 イオン交換水 残 余
【0128】<製法>イオン交換水にイミダゾリン型陽
イオン性界面活性剤を添加して加熱溶解した後、系にリ
ン酸エステル変性シリコーンを添加して、複合体を形成
させた。その後、系にポリオキシエチレンドデシルエー
テル(EO=12),ポリオキシエチレン(平均40モ
ル)硬化ヒマシ油誘導体を加えて攪拌混合し、さらにプ
ロピレングリコールを順次添加して攪拌溶解して、上記
頭髪用シャンプーを調製した。
【0129】 〔実施例B2・27〕 ボディーシャンプー(リン酸エステル変性シリコーン /陽イオン性界面活性剤のモル比3/7) 重量% アルキルグルコシド(R=12 X=1) 10.00 イミダゾリン型第4級アンモニウム塩型陽イオン性界面活性剤 1.25 (R7 ,R8 :16 平均分子量 627) リン酸エステル変性シリコーン(平均分子量 2744) 4.70 ジプロピレングリコール 8.00 アロエ抽出物 0.50 色剤 適 量 香料 適 量 イオン交換水 残 余
【0130】<製法>イオン交換水にイミダゾリン型陽
イオン性界面活性剤を添加して加熱溶解した後、系にリ
ン酸エステル変性シリコーンを添加して、複合体を形成
させた。その後、系にアルキルグルコシドを加え攪拌混
合し、さらにプロピレングリコール,アロエ抽出物,色
剤及び香料を順次添加して、上記攪拌混合し、さらにプ
ロピレングリコールを順次添加して攪拌溶解して、上記
ボディーシャンプーを調製した。
【0131】〔実施例C〕本発明毛髪用化粧料(2) 本発明毛髪用化粧料(2)についての効果の評価は、以
下の試験法及び評価法に従って行った。 毛髪保護効果の評価 各試料1g を、長さ15cmの毛髪束(500〜600
本)に塗布し、40℃の温水300ml中で振とうすすぎ
(100サイクル)を2回繰り返した後、この毛髪束を
乾燥させる。この乾燥させた毛髪束に一定の力で2万回
のブラッシングを行なった後に発生した枝毛、切れ毛の
数をカウントし、毛髪の全数に対する枝毛、切れ毛の発
生率を算出する。未処理毛での枝毛、切れ毛の発生率X
%に対し、各サンプル処理毛での発生率Y%を比較しY
/Xの値により以下のように評価した。
【0132】 Y/Xの値 < 0.5 ・・・・・・・・A 毛髪保護効果 大 0.5 ≦ Y/Xの値 < 0.8 ・・・・・・・・B 毛髪保護効果 中 0.8 ≦ Y/Xの値 < 1.0 ・・・・・・・・C 毛髪保護効果 小 1.0 ≦ Y/Xの値 ・・・・・・・・D 毛髪保護効果 なし
【0133】毛髪への吸着量測定 各試料2g を完全脱脂後の毛髪束4gに塗布し、1l の
温水(40℃)中で振とうすすぎ(100サイクル)を
2回繰り返した後、この毛髪束を乾燥させる。それぞれ
の乾燥させた毛髪束より吸着物をソックスレー抽出(ジ
クロロメタン/メタノール=92/8 容量%、5時間
抽出)し、その重量より毛髪1g 当たりの試料吸着量を
算出した。
【0134】各試料の毛髪への吸着性は以下のように評
価した。 1g 当たりの試料吸着量 評価 30mg以上 ・・・・・・・・・・・・ A 毛髪への吸着性 大 10〜30mg ・・・・・・・・・・・・B 毛髪への吸着性 中 10mg以下 ・・・・・・・・・・・・ C 毛髪への吸着性 小
【0135】毛髪へのツヤ付与効果の評価 各試料1g を長さ15cmの毛髪束(500〜600本)
に塗布し、40℃の温水300ml中で振とうすすぎ(1
00サイクル)を2回繰り返した後、この毛髪束を乾燥
させる。この乾燥させた毛髪束から任意に10本の毛髪
を選び変角光度計GP-IR[(株)村上色彩研究所製]
で入射された光に対する毛髪の反射光分布を測定し、毛
髪の光沢度(ツヤ)を次の式により求めた。 G=s/d G:光沢度,s:正反射光量,d:
拡散反射光量 以上の方法で求められた光沢度Gにより各試料の毛髪へ
のツヤ付与効果を以下のように評価した。
【0136】 評価 15以上 ・・・・・・・・・・・・A ツヤ付与効果 大 10〜15 ・・・・・・・・・・・・B ツヤ付与効果 中 5〜10 ・・・・・・・・・・・・C ツヤ付与効果 小 5以下 ・・・・・・・・・・・・D ツヤ付与効果 なし
【0137】均一コート性の評価 毛髪のツヤの評価における方法と同じ方法で調製した
毛髪サンプルの走査型電子顕微鏡(SEM) 写真より均一コ
ート性を評価した。すなわち、各試料で処理された毛髪
のSEM写真(400〜1,000倍)を判定者15名が、未処
理毛髪のSEM写真と比較して、均一コート性が「良
好」、「同程度」の2段階で評価した。
【0138】その判定結果より以下のように評価した。 判定結果 評価 15名全員が「良好」と答えたもの ・・・・・・・・・・ A 15名中、8〜14名が「良好」と答えたもの ・・・・・・・・・・ B 15名中、7名以下が「良好」と答えたもの ・・・・・・・・・・ C
【0139】毛髪に対する効果の官能評価 パネルとしては、19才から36才の女性15名を選ん
だ。各パネルは市販ヘアシャンプー(通常のアルキルリ
ン酸エステル塩系シャンプー)で洗浄後の毛髪に、サン
プル各12g ずつを塗布し、約40℃の温水ですすぎ洗
いしてから、ドライヤー処理中、およびドライヤー乾燥
後の毛髪の感触を対照用試料(塩化ステアリルトリメチ
ルアンモニウム1.0%,セトステアリルアルコール
1.5%,プロピレングリコール5.0%,及び水9
2.5%からなるもの)と比較して、「著しく良好」、
「良好」、「同程度」、および「劣っている」の4段階
で評価した。
【0140】その判定結果から以下のように評価した。 判定結果 評価 15名中、12名以上が「著しく良好」、又は「良好」と答えたもの・・・・ A 15名中、8〜11名が「著しく良好」、又は「良好」と答えたもの・・・・ B 15名中、4〜7名が「著しく良好」、又は「良好」と答えたもの ・・・・ C 15名中、3名以下が「著しく良好」、又は「良好」と答えたもの ・・・・ D
【0141】〔実施例C1〜C4,比較例C1〜C4〕
第7表に記載した配合組成よりなるヘアリンスを調製
し、上記に従って評価した結果を一緒に示す。
【0142】
【表7】
【0143】第7表から、本発明においては第4級アン
モニウム塩/高級アルコールのモル比が1/3〜1/1
5の範囲にあることも必要であることが判明した。すな
わち、たとえリン酸エステル変性シリコーンと陽イオン
性界面活性剤との複合体が配合されていても、前記のモ
ル比が1/3〜1/15をはずれた場合(比較例C2〜
C4)は、滑らかさおよび毛髪保護効果が発揮されてい
ないことが明らかであった。
【0144】〔実施例C5〜C11,比較例C5〜C
8〕第8表に記載した配合組成よりなるヘアリンスを調
製し、上記に従って評価した結果を一緒に示す。
【0145】
【表8】
【0146】第8表から、第4級アンモニウム塩/高級
アルコールのモル比が1/3〜1/15の範囲内にある
場合でも、本発明の複合体を配合せずに、重合度2,0
00程度のシリコーン油等の油分のみの配合とした場
合、その効果が著しく低減することが判明した(比較例
C5及びC8)。
【0147】また、一般にヘアリンスに配合されるシリ
コーン以外の油分を配合した場合(比較例C6及びC
7)についても満足できる結果は得られなかった。それ
に対し、モル比が有効分で陽イオン性界面活性剤/リン
酸エステル変性シリコーン=2/8〜7/3の範囲で形
成された本発明複合体を配合した場合には、乾燥後の滑
らかさ及び毛髪保護効果共に優れた効果が得られた〔本
発明複合体における上記モル比が上記の範囲から若干逸
脱した場合は、幾分か効果が弱まる傾向にあった(実施
例C10)。〕。
【0148】以下に、種々の剤型の本発明毛髪用化粧料
(2)の配合例を実施例として説明する。なお、各毛髪
用化粧料とも優れた毛髪保護効果,すすぎ時の滑ら
かさ,乾燥後の滑らかさ,毛髪への吸着性,毛髪
へのツヤ付与効果及び均一コート性を示した(その詳
細は後述する)。
【0149】 〔実施例C12〕 ヘアリンス 重量% 塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.3 セトステアリルアルコール(C16/C18=6/4) 4.0 リン酸エステル変性シリコーン(未中和) 2.0 グリセロールモノステアレート 1.0 ステアリン酸 0.5 グリセリン 5.0 プロピレングリコール 5.0 黄色−4号(色素) 適 量 香料 適 量 メチルパラベン 適 量 イオン交換水 残 余
【0150】<製法>一部のイオン交換水に塩化セチル
トリメチルアンモニウムを添加して加熱溶解し、これに
予め混合しておいたセトステアリルアルコール,グリセ
リルモノステアレート及びステアリン酸の混合物を加熱
溶融して加えて攪拌混合した。別の容器に一部のイオン
交換水とリン酸エステル変性シリコーンとを混合分散さ
せたものをこの混合系に添加して、攪拌混合して複合体
を形成させた。これに、その他の成分を順次添加して攪
拌混合後、室温まで冷却して、上記ヘアリンスを調製し
た。
【0151】なお、このヘアリンスは、第4級アンモニ
ウム塩/高級アルコールのモル比が1/4.2、かつ本
発明複合体が有効分で2.0%配合された組成物で、安
定性に優れ、官能試験評価においても従来にない優れた
滑らかさを示し、その上、優れた保護効果を毛髪に付与
するものであった。
【0152】 〔実施例C13〕 ヘアトリートメントクリーム 重量% 塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 1.0 セトステアリルアルコール(C16/C18=7/3) 6.5 ベヘニルアルコール 2.0 リン酸エステル変性シリコーン(未中和) 1.0 2−オクチルドデカノール 2.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体 0.3 (エチレンオキシド60モル付加物) ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.0 (エチレンオキシド4モル付加物) 大豆レシチン 0.5 グリセリン 10.0 ジプロピレングリコール 5.0 黄色−4号(色素) 適 量 香料 適 量 メチルパラベン 適 量 イオン交換水 残 余
【0153】<製法>一部のイオン交換水に、塩化ベヘ
ニルトリメチルアンモニウムを添加して加熱溶解し、そ
れに予め混合しておいたベヘニルアルコール,2−オク
チルドデカノール,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘
導体,ポリオキシエチレンステアリルエーテル及び大豆
レシチンの混合物を加熱溶融して加えて攪拌混合を行
い、ホモミキサー処理を施し、さらにグリセリンとプロ
ピレングリコール添加して攪拌混合を行った。別の容器
に、一部のイオン交換水とリン酸エステル変性シリコー
ンを混合分散させたものを、この混合系に添加して複合
体を形成させた。次いで、この系に残りの成分を常法に
従って順次添加して、上記ヘアトリートメントクリーム
を製造した。
【0154】このヘアトリートメントクリームは、特に
傷んだ毛髪に対し、優れた滑らかさを与え、毛髪保護効
果も良好なものであった。
【0155】 〔実施例C14〕 ヘアコンディショナー 重量% 塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 1.0 リン酸エステル変性シリコーン(未中和) 2.0 ジプロピレングリコール 1.0 黄色−4号(色素) 適 量 香料 適 量 メチルパラベン 適 量 イオン交換水 残 余 <製法>一部のイオン交換水に塩化ベヘニルトリメチル
アンモニウムを添加して、これを加熱混合した後、系に
リン酸エステル変性シリコーンを添加して複合体を形成
させた。その後、常法に従い他の成分を順次添加して、
上記ヘアコンディショナーを調製した。
【0156】なお、上記のヘアコンディショナーも、特
に傷んだ毛髪に対し優れた滑らかさを与え、毛髪保護効
果も良好なものであった。
【発明の効果】本発明により、多機能化及び高機能化を
化粧品において実現するための新たな配合成分である複
合体が見出され、さらにこの複合体を基本的配合成分と
して用いた多機能化乃至高機能化された化粧品が提供さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 難波 富幸 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内 (72)発明者 日根野 照彦 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸エステル変性シリコーン及び陽イオ
    ン性界面活性剤とからなる複合体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の複合体を含んでなる化粧
    料。
  3. 【請求項3】請求項1記載の複合体並びに両性界面活性
    剤及び/又は非イオン性界面活性剤を含んでなる毛髪用
    化粧料。
  4. 【請求項4】請求項1記載の複合体、モノ長鎖アルキル
    第4級アンモニウム塩及び脂肪族高級アルコールを含ん
    でなる毛髪用化粧料。
JP9844597A 1997-03-31 1997-03-31 化粧料用複合体及びこれを配合した化粧料 Withdrawn JPH10279447A (ja)

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