JPH10279445A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JPH10279445A
JPH10279445A JP9844397A JP9844397A JPH10279445A JP H10279445 A JPH10279445 A JP H10279445A JP 9844397 A JP9844397 A JP 9844397A JP 9844397 A JP9844397 A JP 9844397A JP H10279445 A JPH10279445 A JP H10279445A
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JP
Japan
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hair
cosmetic
group
present
cationic
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Withdrawn
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JP9844397A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Kurita
信行 栗田
Hiroyasu Sumino
裕康 隅野
Tetsuji Nakamura
哲治 中村
Tomiyuki Nanba
富幸 難波
Teruhiko Hineno
照彦 日根野
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】洗髪後の毛髪の櫛通りが良好で、かつ乾燥後の
毛髪のサラサラ感やツルツル感が十分に実感できるリン
ス効果を付与されたシャンプー系毛髪用化粧料を提供す
ることである。また、使用中のべたつき抑制効果に優
れ、毛髪に十分な滑らかさ及び光沢を付与することが可
能であり、更にブラッシング等の物理的刺激からも毛髪
を保護する効果に優れたリンス系毛髪用化粧料を提供す
ることである。そしてさらには、これらの毛髪用化粧料
に付与することのできる機能から導き出せる機能を有す
る化粧料を提供することである。 【解決手段】リン酸エステル変性シリコーン及び陽イオ
ン性高分子を含んでなる化粧料により上記課題が解決さ
れる。特に本発明を毛髪化粧料に適用する場合には、上
記系にさらに各種の界面活性剤や脂肪族高級アルコール
を配合することで、上記課題を一層効果的に解決可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、化粧料の配合成分
として有用なリン酸エステル変性シリコーンと特定の陽
イオン性高分子を含んでなる化粧料及びこれらの成分と
特定成分を組み合わせて配合した毛髪用化粧料に関する
技術分野に属する発明である。
【0002】
【従来の技術】シャンプーでの洗髪後にヘアリンスやヘ
アコンディショナーを用いるのは、シャンプーで洗髪す
ると、汚れと共に毛髪に最低限必要な天然の油分までが
洗い落とされてしまう傾向にあるからである。すなわ
ち、シャンプーでの洗髪に伴いがちな、毛髪のツヤがな
くなる,櫛通りやスタイリングが悪くなる,静電気が蓄
積して毛髪のまとまりが悪くなる等の問題を解決するた
めに、ヘアリンスやヘアコンディショナーが開発されて
きた。しかしながら、特に多様化した現代の生活習慣に
おいては、シャンプーでの洗髪後にヘアリンスやヘアコ
ンディショナーを用いることは、時間的にも、費用的に
も効率的でない面があることは否めなかった。例えば、
出勤前や登校前に洗髪を行う「朝シャン」は、可能な限
り短時間で済ませることが好ましいことから、「シャン
プーで汚れを落としてからヘアリンスで仕上げて」いた
のでは、使用者の要求を十分に満たしているものとはい
えない面があった。そこで、最近は、シャンプー自体に
リンス効果やコンディショニング効果を付与する試みが
なされ、上記「リンスインシャンプー」が開発されるに
至っている(特開昭63−317596号公報等)。
【0003】これまで「リンスインシャンプー」中のリ
ンス成分としては、主に陽イオン性高分子が用いられて
きた。この陽イオン性高分子は、濡れた状態で毛髪に付
着しているときはしなやかな感触を与えるが、乾燥する
と比較的硬い被膜を毛髪上に形成する。そのため、この
「リンスインシャンプー」で洗髪後の毛髪は、ある程度
の滑らかさを示すものの、ツヤの向上はほとんど望め
ず、ややゴワつく感触が残るという欠点があった。ま
た、この「リンスインシャンプー」を多めに使用した場
合、毛髪のぬめり感が増長する傾向にあり、最近の消費
者の嗜好に合致するものではなく、逆に少なめに使用し
た場合にはリンス効果が極端に低減してしまう傾向もあ
った。最近の消費者は、すすぎ時のきしみ感の抑制より
も乾燥後の仕上がり感、すなわち滑らかでツヤのある仕
上がり感やサラサラした感触を望む嗜好に変わりつつあ
る。また、滑らかさを毛髪に付与する目的で、陽イオン
性界面活性剤を配合した「リンスインシャンプー」も多
用されているが、これも効果成分が低分子であるために
吸着性に乏しく、効果が弱い傾向にあるという点で、十
分に消費者に満足感を与えるものではなく、多量に配合
すると安全上好ましくないという面もある。
【0004】さらに毛髪に光沢や滑らかさやツヤを与え
る目的で、シリコーン油、エステル油、鉱物油等の油分
が配合された「リンスインシャンプー」も開発されてい
る。特に、シリコーン油はその表面張力の低さから毛髪
へのなじみに優れ、かつ良好な光沢も得られることもあ
って、シリコーン油を配合した「リンスインシャンプ
ー」は、特に多用されるに至っている。しかしながら、
油分を配合したことによるリンス効果には限界があり、
多量に油分を配合した場合は頭髪が脂ぎってしまい、洗
髪時の泡立ちもひどく悪くなる傾向がある欠点があっ
た。また、シリコーン油を含有する組成物は、しばしば
不安定でシリコーン油分が分離する傾向にあった。この
問題を解決するために、シリコーン油分を安定に配合す
る手段にも様々な工夫がなされてきた(特開昭63−1
83517号公報,特開平4−234309号公報、特
開平4−243810号公報)。こうした工夫によっ
て、シリコーン油を安定に配合する手段は解決されつつ
あるものの、これらの方法にも限界があり、さらにシャ
ンプー系へのシリコーン油分の配合は、起泡力及び洗浄
力の低下を招くという欠点もあった。なお、リンス効果
の付与を本来的な目的とする毛髪化粧料においても、新
たな機能の付与や品質の向上に向けて種々の試みが積極
的になされる必要に迫られている。
【0005】毛髪に滑らかさや光沢を付与し、櫛通りを
良くするという、いわゆる「リンス効果」を専ら有する
毛髪化粧料は、一般にヘアリンス、ヘアトリートメン
ト、ヘアコンディショナー等の名称で市販されている。
これらの毛髪化粧料には、通常、第4級アンモニウム塩
が配合されており、これが毛髪に吸着することによりリ
ンス効果が発揮されることが知られている。さらに、滑
らかさ、光沢、しっとり感等の使用後感を向上させる目
的で、例えば、高級アルコール、グリセリンモノ脂肪酸
エステル、高級脂肪酸、流動パラフィン、固形パラフィ
ン、エステル油、低分子量のシリコーン油等の油分が添
加される。これらの各成分を適宜組み合わせて配合する
ことにより、毛髪をべたつかせずに滑らかさが付与され
た毛髪化粧料が提供される。例えば、特開昭61−28
6311号公報には、第4級アンモニウム塩と高級アル
コールとが特定比率で組み合わされた混合成分、及び低
粘度油分を、それぞれ特定量含めた毛髪化粧料について
記載されており、それらが毛髪に優れた滑らかさを提供
し、さらにべたつきのない使用感をも与えるとしてい
る。また、特開昭63−222109号公報には、第4
級アンモニウム塩とシリコンガムの範疇に属する高分子
量シリコーンを特定割合で含む、耐洗浄性に優れた毛髪
化粧料について記載されている。しかしながら、これに
よって毛髪に対する平滑性、柔軟性及びツヤ付与効果を
さらに向上させる必要性が無くなったわけではない。す
なわち、たとえこれらの毛髪化粧料が、塗布時及びすす
ぎ時には毛髪をべたつかせずに毛髪に滑らかさを付与で
きても、毛髪の乾燥する際や乾燥後においては、必ずし
も満足できる状態であるとは限らない。
【0006】
【発明が解決すべき課題】上記した従来技術の現状を鑑
み、本発明が解決すべき課題は、洗髪後の毛髪の櫛通り
が良好で、かつ乾燥後の毛髪のサラサラ感やツルツル感
が十分に実感できるリンス効果を付与されたシャンプー
系毛髪用化粧料を提供することであり;使用中のべたつ
き抑制効果に優れ、毛髪に十分な滑らかさ及び光沢を付
与することが可能であり、更にブラッシング等の物理的
刺激からも毛髪を保護する効果に優れたリンス系毛髪用
化粧料を提供することであり;さらにはこれらの毛髪用
化粧料に付与することのできる機能から導き出せる機能
を有する化粧料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、基本的配
合成分として、リン酸エステル変性シリコーン及び陽イ
オン性高分子を含んでなる化粧料を提供することによ
り、その課題を解決し得ることを見出して本発明を完成
した。すなわち、本発明者は、以下の発明を提供する。
【0008】請求項1において、リン酸エステル変性シ
リコーン及び陽イオン性高分子を含んでなる化粧料を提
供する。
【0009】請求項2において、リン酸エステル変性シ
リコーン及び陽イオン性高分子並びに陰イオン性界面活
性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤からな
る群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤を含ん
でなる毛髪用化粧料を提供する。
【0010】請求項3において、リン酸エステル変性シ
リコーン、陽イオン性高分子、陽イオン性界面活性剤及
び脂肪族高級アルコールを含んでなる毛髪用化粧料を提
供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 A.本発明化粧料の実施の形態:本発明化粧料は、リン
酸エステル変性シリコーン及び陽イオン性高分子を含ん
でなる化粧料である。
【0012】1.リン酸エステル変性シリコーンについ
て 本発明化粧料中に配合されるリン酸エステル変性シリコ
ーンは、下記式(I)で表されるリン酸変性シリコーン
である。
【化1】
【0013】このリン酸エステル変性シリコーン(I)
のシロキサン部分が大きい場合、すなわちlやmが大き
い場合であっても、ポリオキシアルキレン基の鎖長、す
なわちaやbを変化させることによりHLBを大きくす
ることが可能であり、親水性を高めることが可能であ
る。
【0014】リン酸エステル変性シリコーン(I)にお
いて、Rは同種又は異種の炭素数が1〜10の1価の炭
化水素基又は同シロキサニル基である。この1価の炭化
水素基としては、アルキル基,シクロアルキル基,アリ
ール基等を例示することができる。
【0015】炭素数が1〜10のアルキル基としては、
メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル
基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,
デシル基,イソプロピル基,イソブチル基,sec-ブチル
基,tert-ブチル基,イソペンチル基,ネオペンチル
基,tert-ペンチル基,イソヘキシル基,2−エチルヘ
キシル基等を挙げることができる。また、同シクロアル
キル基としては、シクロヘキシル基等を挙げることがで
きる。さらに、同アリール基としては、フェニル基,ベ
ンジル基,フェニルエチル基等を挙げることができる。
また、これらの例示された基にRとして採り得る基が限
定されるものではないが、特にメチル基が好ましく選択
される。
【0016】R1 はRと同種の基又は式(II)で表され
る基であるが、R1 の少なくとも一つは式(II)で表さ
れる基である。ただし、R1 のうち、特にリン酸エステ
ル変性シリコーン(I)の末端に位置するものはメチル
基であることが好ましい。また、l及びmはそれぞれ0
又は正の整数であり、lが0〜100の範囲であり、m
が0〜500の範囲であることが好ましく;さらにlが
0〜10の範囲であり、mが0〜20の範囲であること
が特に好ましい。
【0017】
【化2】
【0018】式(II)において、Mはアルカリ金属イオ
ン,アンモニウムイオン,アミノアルキル基,アミノア
ルカノール基であり、これらの中でもアルカリ金属イオ
ンであるナトリウムイオンが好ましい。また、xは1〜
15の整数を表し、好ましくは12以下であることが好
ましい。さらに、a及びbはそれぞれ0又は正の整数を
表す。そして、a及びbが同時に0になることはなく、
a及びbは0〜50の範囲であることが好ましく、さら
にaは2〜20の範囲であることが特に好ましく、bは
0〜10の範囲であることが特に好ましい。
【0019】なお、式(II)で表される基中の、エチレ
ンオキサイド鎖とプロピレンオキサイド鎖の並び方は特
に限定されず、例えばエチレンオキサイド鎖とプロピレ
ンオキサイド鎖が1個ずつ交互に並んでいる場合も許容
され、一定個ずつ並んでいる場合も許容される。
【0020】リン酸エステル変性シリコーン(I)を合
成する場合には、以下に示す手順により行うことが好適
である(特開平3−217421号公報参照)。すなわ
ち、
【化3】 (式中、R,l及びmは、前述と同様であり、R2 はR
と同様の基又は水素原子であるが、R2 の少なくとも一
つは水素原子である。)
【0021】で示されるリン酸エステル変性シリコーン
(I)のシロキサン鎖の構成部分であるハイドロジェン
シロキサンと下記(IV)
【化4】 (式中、kは1〜13の整数を表し、M,a,bは、前
述と同様の意味を表す。)
【0022】で示される化合物とを、白金触媒を用い、
緩衝剤を用いてpH4〜10で反応させるもので、これ
により容易に式(III)中の水素原子と式(IV)中のビニ
ル基が付加反応し、所望するリン酸エステル変性シリコ
ーン(I)を得ることができる。
【0023】なお、式(IV)で示される化合物は、アリ
ル化ポリエーテルをリン酸化した後、水酸化ナトリウム
等で中和することにより得ることができる。なお、この
ようなアリル化ポリエーテルの市販品としては、ユニオ
ックスA−750,ユニオックスA−200(共に日本
油脂株式会社製)等を挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。
【0024】上記のように、所望するリン酸エステル変
性シリコーン(I)を逐次合成したものを、本発明化粧
料中に配合することも可能であるが、特定のリン酸エス
テル変性シリコーン(I)の市販品を用いることも可能
である。かかる市販品としては、例えばPECOSIL
WDS−100,PECOSIL PS−100(両
者共フェニックス ケミカル社製)等を挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
【0025】2.陽イオン性高分子について 本発明化粧料の構成要素となる陽イオン性高分子は、概
ね陽イオン性多糖類,糖類と合成イオンモノマーを
主体としてなる陽イオン性コポリマー及び合成陽イオ
ン性高分子の3種類に大別される。
【0026】まず、陽イオン性多糖類としては、例え
ば多糖類骨格上に陽イオン部分を加えることで陽イオン
性とした、5炭糖類若しくは6炭糖類又はこれらの誘導
体を基礎とした陽イオン性多糖類が挙げられる。このよ
うな陽イオン性多糖類は、1種又は2種以上の上記の糖
類又はその誘導体並びに陽イオン性物質のコポリマーか
ら構成され、直鎖又は分岐鎖状の幾何学配列をなすもの
である。
【0027】具体的に、このような陽イオン性多糖類と
しては、陽イオン性セルロース類及び陽イオン性ヒドロ
キシエチルセルロース類;陽イオン性デンプン類及び陽
イオン性ヒドロキシアルキルデンプン類;アラビノース
植物性ガム等から誘導されるアラビノースモノマーを基
礎とする陽イオン性高分子;木、わら、綿実殻及びトウ
モロコシ穂軸等の物質中に存在するキシロースポリマー
から誘導される陽イオン性高分子;海草の細胞壁成分と
して存在するフコースポリマーから誘導される陽イオン
性高分子;特定の植物中に存在するイヌリン等のフラク
トースポリマーから誘導される陽イオン性高分子;ガラ
クツロン酸及びグルクロン酸等の酸含有糖類を基礎とす
る陽イオン性高分子;ガラクトサミン及びグルコサミン
等のアミノ糖類をベースとする陽イオン性高分子;5員
環及び6員環ポリアルコール類を基礎とする陽イオン性
高分子;植物、酵母及び紅色植物等に存在するマンノー
スモノマー類を基礎とする陽イオン性高分子;グアー豆
の内胚乳から得られるグアガムとして知られるガラクト
マンナンコポリマーを基礎とする陽イオン性高分子等例
示することができる。
【0028】さらに、上記の陽イオン性多糖類の市販品
の具体例としては、ユニオンカーバイド社の陽イオン性
ヒドロキシエチルセルロースJR−400、日澱化学
(株)のデンプンNP−1、大日本製薬株式会社のKT
−8900シリーズ、MAYHALL社のジャガー(Jag
uar)系グアガムを基礎とする陽イオン性ガラクトマンナ
ン類等を例示することができる。
【0029】「糖類と合成陽イオン性モノマーを主体
としてなる陽イオン性コポリマー」を構成する糖類とし
ては、例えばグルコース,ガラクトース,マンノース、
アラビノース,キシロース,フコース,フラクトース,
グルコサミン,ガラクトサミン,グルクロン酸,ガラク
ツロン酸及び5員環若しくは6員環ポリアルコール類を
挙げることができる。また、これらの糖類のヒドロキシ
メチル誘導体,ヒドロキシエチル誘導体,ヒドロキシプ
ロピル誘導体等の誘導体をも挙げることができる。これ
らの糖類等が、このコポリマー中で互いに結合している
場合、それらは、例えば1,4−α、1,4−β、1,
3−α、1,3−β又は1,6−結合等の様式で結合し
ていてもよい。
【0030】また、上記コポリマーを構成する合成陽イ
オン性モノマーとしては、例えばジメチルジアリルアン
モニウムクロリド,ジメチルアミノエチルメチルアクリ
レート,アクリルアミド,ジエチルジアリルアンモニウ
ムクロリド,N,N−ジアリル−N,N−ジアルキルア
ンモニウムハライド類等を挙げることができる。
【0031】これらの「糖類と合成陽イオン性モノマー
を主体としてなる陽イオン性コポリマー」の具体例とし
ては、例えばヒドロキシエチルセルロース等のセルロー
ス誘導体等を挙げることができる。
【0032】陽イオン性合成高分子としては、例えば
陽イオン性ポリアルキレンイミン類、陽イオン性エトキ
シポリアルキレンイミン類、陽イオン性ポリ[N−{3
−(ジメチルアンモニオ)プロピル}−N´−{3−
(エチレンオキシエチレンジメチルアンモニオ)プロピ
ル}尿素ジクロリド]、N,N−ジアリル−N,N−ジ
アルキルアンモニウムクロリドからなるコポリマー等を
挙げることができる。これらの陽イオン性高分子のう
ち、例えば陽イオン性ポリ[N−{3−(ジメチルアン
モニオ)プロピル}−N´−{3−(エチレンオキシエ
チレンジメチルアンモニオ)プロピル}尿素ジクロリ
ド]は、ミラノールケミカル社(MiranolChemical Comp
any) から市販されている。また、N,N−ジアリル−
N,N−ジアルキルアンモニウムクロリドからなるコポ
リマーは、商品名マーコート(Merquart) としてMerck
社から市販されている。
【0033】本発明化粧料中に配合される陽イオン性高
分子の最も好適な例として、上記の陽イオン多糖類の
一態様である下記式(V) で表されるグアガム・ハロゲン
化ヒドロキシアルキルトリアルキルアンモニウムエーテ
ルを挙げることができる。
【化5】
【0034】(式中、A,B,C,D,E及びFは、水
素原子若しくは下記式(VI)で表される基であり、それぞ
れが同一でも異なっていてもよいが、これらのうち少な
くとも1つは下記式(VI)で表される基である。nは繰り
返し単位の数を表す正の整数を、また、p,q及びrは
0又は正の整数を表し、p部,q部及びr部の並び方は
任意である。さらに、繰り返し単位毎のp,q及びrの
値並びにp部,q部及びr部の並び方は、それぞれの繰
り返し単位同士が同一であっても異なってもよい。)。
【0035】
【化6】 (式中、sは0又は正の整数を表し、Xはハロゲン原子
を表し、R3 はヒドロキシルアルキレン基を表し、R4
はそれぞれが同一でも異なってもよく、水素原子又はア
ルキル基を表す。)。
【0036】式(VI)において、sは1〜3が好ましい。
また、Xとしては、塩素原子,臭素原子,フッ素原子等
を例示できるが、塩素原子が好ましい。また、ヒドロキ
シルアルキレン基R3 の炭素数は特に限定されないが、
炭素数が1のヒドロキシルアルキレン基、すなわちメチ
レン基が好ましい。さらに、R4 がアルキル基である場
合は、炭素数が1のアルキル基、すなわちメチル基が好
ましい。
【0037】このような式(VI)で表される陽イオン性高
分子の分子量は、100〜5000000の範囲にあ
り、窒素密度は1.0〜3.0%の範囲にある。さら
に、この陽イオン性高分子の1%水溶液の粘度は、10
〜100000cpsの範囲にある。
【0038】また、上記のように代表的なこのカチオン
化グアーガムの市販品として、大日本製薬(株)のKT
−8900シリーズ、MAYHALL社のジャガー(Ja
guar)系グアガム(例えば、Jaguar C-13-S ,同C14-S
,同C-15, 同C-17,同C-162、HI-CARE 1000等)等を挙
げることができる。
【0039】なお、このカチオン化グアーガムは、マメ
科のグアー植物(Cyamopsis tetragonalobus)の種子の
主成分であるグアーガム〔市販品:ラボールガムCG−
M(大日本製薬株式会社製)等〕の水酸基〔グアーガム
の分枝は,事実上直鎖マンナンであり,きわめて規則的
な間隔で枝分かれして,マンノース単位1つおきに1員
ガラクトース単位を有する。このマンノース単位はβ
(1−4)結合により互いに結合している。また,ガラ
クトース分枝はα(1−6)結合により形成される。〕
と、反応性第4級アンモニウム化合物とを反応させるこ
とにより得ることができる(以上、カチオン化グアーガ
ムの製造法については、特公昭58−35640号公報
参照のこと。)。
【0040】本発明化粧料は、これらのリン酸エステル
変性シリコーン及び陽イオン性高分子とを組み合わせて
配合することで調製することができる。本発明化粧料中
において、上記両成分は各々独立に存在しており、両者
が何らかの形態で複合体を形成するものではない。すな
わち、上記両成分を静電気的結合させることにより両者
の複合体が形成されるが、本発明化粧料はこのような製
造過程を経ることなく製造されるものである。
【0041】「複合体を形成しない」という要素によ
り、本発明化粧料はこの複合体が配合された化粧料より
も疎水性が強くなって、両成分の髪の毛や皮膚への付着
性が向上して化粧料中に配合される他の界面活性剤の刺
激を、皮膚が一層受けにくくなるという利点が生ずる。
【0042】本発明化粧料における、リン酸エステル変
性シリコーンと陽イオン性高分子の混合比(モル比)
は、0.1/1以上、1/0.01以下の範囲であり、
好ましくは0.1/1以上、5/1以下の範囲である。
【0043】この混合比が0.1/1未満の場合は、例
えばこれらを配合した毛髪化粧料に付与されるリンス効
果が十分でなく,乾燥後のサラサラした感触やツルツル
した感触が不十分であり好ましくない。また、混合比が
1/0.01を超える場合は、すすぎ時の指とおりのな
めらかさが十分満足のゆくものでなくなり好ましくな
い。
【0044】なお、陽イオン性高分子は、化粧料全体の
0.1重量%以上、同5.0重量%以下の範囲で配合す
ることが好ましい。
【0045】本発明化粧料が採り得る形態は特に限定さ
れるものではなく、毛髪用化粧料,洗顔料,化粧水,乳
液,クリーム,ジェル,エッセンス(美容液),パッ
ク,マスク等の形態をも採ることが可能であり、かかる
場合のこれらの本発明化粧料は、毛髪又は皮膚のさらさ
らした感触やつるつるした感触を著しく向上させる特徴
を有するものである。
【0046】また、メーキャップ化粧品であれば、ファ
ンデーション,口紅等の形態をも採ることが可能であ
り、かかる場合のこれらの本発明化粧料は、化粧効果と
して、なじみ及びのびを著しく向上させ、べたつきを著
しく改善するという特徴を有するものである。
【0047】そして、本発明化粧料の剤型も、水溶液
系,可溶化系,乳化系,粉末系,油液系,ゲル系,エア
ゾール系,水−油2層系,水−油−粉末3層系等、幅広
い剤型を採り得る。なお、本発明化粧料中には、上記両
成分を配合したことによる、本発明の所期の効果を損な
わない限り、通常化粧料中に配合される一般的な成分を
配合し得ることは勿論である。
【0048】すなわち、保湿剤,美白剤,消炎剤,紫外
線防御剤,動植物抽出物,ビタミン類,液体油脂,固体
油脂,ロウ類,炭化水素油,高級脂肪酸,高級アルコー
ル,合成エステル油,シリコーン類,界面活性剤,防腐
剤,キレート剤,水溶性高分子,増粘剤,粉末成分,色
素,香料,水,低級アルコール等を必要に応じて本発明
化粧料中に適宜配合することができる。
【0049】なお、上記した本発明化粧料の性質を鑑み
ると、上記化粧料として採り得る形態の代表的な態様
が、毛髪用化粧料である。以下に、特に本発明化粧料の
優れた性質を最大限活用した、上記両成分と特定成分を
組み合わせて配合した毛髪用化粧料についての実施の形
態を説明する。なお、本発明において「毛髪化粧料」と
は、文字通り毛髪に使用する任意の化粧料を意味する
が、特に毛髪にコンディショニング効果を付与すること
が意義ある化粧料、例えばシャンプー、ヘアリンス、ヘ
アトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアパック
等の水によるすすぎ工程の入る化粧料を主に意味する。
【0050】B.上記両成分並びに陰イオン性界面活性
剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤からなる
群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤を含んで
なる毛髪用化粧料〔本発明毛髪用化粧料(1)〕につい
ての実施の形態:
【0051】上記両成分を組み合わせて配合することに
より、毛髪用化粧料中において優れた特性を発揮し得る
ものであるが、これのみの配合では起泡力及び洗浄力に
劣り、企図する化粧料の形態(例えばシャンプー等の毛
髪用化粧料)によっては使用者に十分な満足感を与える
ことが困難である傾向がある。
【0052】そこで、本発明者は、上記両成分に加え
て、さらに陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び
非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種又は
2種以上の界面活性剤を配合成分とすることにより、上
記両成分のみの配合に伴う上記の問題点を克服した毛髪
用化粧料を見出した。
【0053】本発明毛髪用化粧料(1)中に上記両成分
と共に配合される陰イオン性界面活性剤は、通常の化粧
料に配合され得る陰イオン性界面活性剤であれば特に限
定されるものではない。例えば、アルキル硫酸塩、アル
キルリン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエ
ーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエ
ーテルカルボン酸塩、N−長鎖アシルアミノ酸塩、直鎖
アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸塩、N−アルコイルサルコ
シン酸塩、脂肪酸石鹸、ヒドロキシエーテルカルボン酸
塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルコハク酸
塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミ
ドエーテル硫酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル
アミド硫酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキルアリ
ルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ア
ルキロイルアルキルタウリン塩、アルカリールスルホン
酸塩、N−アシル加水分解コラーゲンペプチドアルカリ
金属塩(このアルカリ金属塩としては、特にナトリウム
塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、モノ−エタノー
ルアミン塩、ジエタノールアミン塩又はトリエタノール
アミン塩が好ましい。また、その炭化水素基は、一般に
炭素数が8〜18である不飽和炭化水素基である。)、
アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、
アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸塩、ヒドロキシエーテルカ
ルボン酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アル
キルアミドエーテル硫酸塩(1分子当たり1〜10個の
酸化エチレン、または酸化プロピレン単位を含有し、好
ましくは1分子当たり2〜3個の酸化エチレン単位を含
有する。)等を挙げることができる。
【0054】上記のうち、本発明毛髪化粧料(1)中に
好ましく配合され得る陰イオン性界面活性剤としては、
オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸
ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン
酸トリエタノールアミンおよびナトリウム、N−ラウリ
ルサルコシネートが挙げられる。さらに特に好ましく配
合され得る陰イオン性界面活性剤としては、ラウリル硫
酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(1E
O,2EO又は3EO)、ヤシ油脂肪酸エーテルモノエ
タノールアミド硫酸ナトリウム(1EO,2EO,3E
O,4EO又は5EO)、ヒドロキシエーテルカルボン
酸、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムが挙げられ
る。
【0055】本発明毛髪用化粧料(1)中に上記両成分
と共に配合される両性界面活性剤は、通常の化粧料に配
合され得る両性界面活性剤であれば特に限定されるもの
ではない。例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒ
ドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリニ
ウムナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウム
ヒドロキシド−1−カルボキシエチルオキシ−2−ナト
リウム等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタ
デシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチル
イミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢
酸ベタイン等のベタイン系両性界面活性剤;各種のアミ
ノカルボン酸系両性界面活性剤;アルキルベタイン、ア
ミノベタイン、アミドベタイン、アミンオキサイド、ス
ルホベタイン等を例示することができる。
【0056】また、本発明毛髪用化粧料(1)中に上記
両成分と共に配合される非イオン性界面活性剤は、通常
の化粧料に配合され得る非イオン性界面活性剤であれば
特に限定されるものではない。例えば、親油性非イオン
性界面活性剤として、ソルビタンモノオレート,ソルビ
タンモノイソステアレート,ソルビタンモノラウレー
ト,ソルビタンモノステアレート,ソルビタンセスキオ
レート,ソルイビタントリオレート,ペンタ−2−エチ
ルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン,テトラ−2−
エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビ
タン脂肪酸エステル類;モノ綿実油脂肪酸グリセリン,
モノエルカ酸グリセリン,セスキオレイン酸グリセリ
ン,モノステアリン酸グリセリン,α,α’−オレイン
酸ピログルタミン酸グリセリン,モノステアリン酸グリ
セリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸
類;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピ
レングリコール脂肪酸エステル類;硬化ヒマシ油誘導
体、グリセリンアルキルエーテル等を例示することがで
きる。
【0057】また、親水性非イオン性界面活性剤として
は、POEソルビタンモノオレート,POEソルビタン
モノステアレート,POEソルビタンモノオレールエー
テル,POE・POP水添ラノリン,POE・POPグ
リセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル
類;テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチ
レンジアミン縮合物類;POEヒマシ油,POE硬化ヒ
マシ油,POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート,P
OE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステア
リン酸ジエステル,POE硬化ヒマシ油マレイン酸等の
POEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体;POEソルビット
ミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体;ヤシ油
脂肪酸ジエタノールアミド,ラウリン酸モノエタノール
アミド,脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノー
ルアミド;POEプロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、POEアルキルアミン、POE脂肪族アミド、ショ
糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、POEノニル
フェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルメトキシジ
メチルアミンオキサイド、トリオレイルリン酸塩等を例
示することができる。
【0058】本発明毛髪用化粧料(1)においては、上
記陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン
性界面活性剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上
の界面活性剤を選択して配合することができる。
【0059】本発明毛髪用化粧料(1)中における、上
記界面活性剤の配合量は、特に限定されるべきものでは
ないが、一般的には化粧料全体に対して2.0重量%以
上,80重量%以下であり、好ましくは同5.0重量%
以上,40重量%以下である。
【0060】また、上記の各界面活性剤を組み合わせて
本発明毛髪用化粧料(1)中に配合する場合は、各々の
界面活性剤の総和が化粧料全体に対して30重量%以下
であることが好ましい。例えば、アミドエーテルサルフ
ェート(15%),ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイ
ン(5%)及びポリオキシエチレン20EO付加ラウリ
ルエーテル(4%)の組み合わせを挙げることができ
る。また、ラウリルエーテルサルフェート(10%),
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(8%)とC8
アルキルグルコシド(10%)等の組合せが挙げられ
る。
【0061】上記した陰イオン性界面活性剤,両性界面
活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤の配合量の上限
を超えて、これらの界面活性剤を本発明毛髪用化粧料
(1)中に配合する場合は、頭皮に対する刺激が強くな
り過ぎる傾向にあり好ましくない。逆に、これらの界面
活性剤の配合量が、化粧料全体の2.0重量%未満であ
ると、起泡力及び/又は洗浄力を向上させるという所期
の効果を達成することが困難になり好ましくない。
【0062】なお、本発明毛髪用化粧料(1)中におけ
る、上記界面活性剤/上記リン酸エステル変性シリコー
ンの重量比を、1/0.00125〜1/49の範囲に
なるようにそれぞれを配合することが、適切なリンス効
果を付与し得るという点において好ましい。
【0063】これらの必須成分を含む本発明毛髪用化粧
料(1)の製造方法は、特に限定されるものではない
が、例えば陽イオン性高分子を系に溶解後,界面活性
剤,その他の成分の順で順次加えてゆき,最後にリン酸
エステル変性シリコーン(1)を添加するという手順
で、本発明毛髪陽イオン性界面活性剤化粧料(1)を製
造することができる。
【0064】このようにして調製されるリン酸エステル
変性シリコーン及び陽イオン性高分子並びに陰イオン性
界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤
からなる群より選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤
を含んでなる本発明毛髪用化粧料(1)は、例えば毛髪
用化粧料として非常に優れた特性を有している。
【0065】すなわち、本発明毛髪用化粧料(1)は、
洗髪時の、洗浄性が良好であることは勿論、さらさらし
た使用感触を有して、泡立ちも良好である。また、すす
ぎ時のきしみも認められず、使用後は毛髪がつるつるし
た感触を与えることができる。また、前述のようにリン
酸エステル変性シリコーン及び陽イオン性高分子が複合
体を形成せずに解離した状態で本発明毛髪用化粧料
(1)中において存在するために、これらの成分の皮膚
への付着性が良好であり、さらに安全性に優れた毛髪用
化粧料が提供される。
【0066】よって、本発明毛髪用化粧料(1)は、上
記した毛髪用化粧料の形態を広く採り得る。具体的に
は、シャンプー,リンス,リンスインシャンプー,ヘア
パック等の形態を採り得る。
【0067】C.リン酸エステル変性シリコーン、陽イ
オン性高分子、陽イオン性界面活性剤及び脂肪族高級ア
ルコールを含んでなる化粧料〔本発明毛髪用化粧料
(2)〕についての実施の形態:本発明毛髪用化粧料
(2)は、使用中のべたつき抑制効果に優れ、毛髪に充
分な滑らかさおよび光沢を付与することができ、更にブ
ラッシング等の物理的刺激から毛髪を保護する効果にも
優れる化粧料である。
【0068】すなわち、リン酸エステル変性シリコーン
と陽イオン性高分子を、陽イオン性界面活性剤と脂肪族
高級アルコールとを混合して配合しても、元来陽イオン
性界面活性剤と脂肪族高級アルコールとを組み合わせて
配合したことにより発揮される効果(前記従来技術の欄
参照のこと)に悪影響を受けることなく、しかも配合さ
れた毛髪化粧料におけるリンス効果を相乗的に高めるこ
とを見い出した。
【0069】本発明毛髪用化粧料(2)中にリン酸エス
テル変性シリコーン及び陽イオン性高分子と共に配合さ
れる陽イオン性界面活性剤は、通常の化粧料に配合され
得る陽イオン性界面活性剤であれば特に限定されるもの
ではない。例えば、モノ−長鎖アルキル第4級アンモニ
ウム塩,ジ−長鎖アルキル第4級アンモニウム塩,イミ
ダゾリニウム第4級アンモニウム塩又はEO付加体陽イ
オン性界面活性剤等を挙げることができる。
【0070】さらに、上記陽イオン性界面活性剤の具体
的な例としては、下記一般式(VII)で表されるモノ長鎖
アルキル第4級アンモニウム塩を挙げることができる。
【化7】 (式中、R5 は炭素数が14〜22のアルキル基又は同
ヒドロキシアルキル基を表し、R6 は炭素数1〜3のア
ルキル基又は同ヒドロキシアルキル基であり、それぞれ
が同一でも異なってもよく、Xは前記と同じくハロゲン
原子である。)
【0071】R5 において、炭素数が14〜22のアル
キル基としては、テトラデシル基,ペンタデシル基,ヘ
キサデシル基,ヘプタデシル基,オクタデシル基,ノナ
デシル基,イコサデシル基,ヘンイコサデシル基,ドコ
サデシル基等を挙げることができる。また、炭素数が1
4〜22のヒドロキシアルキル基としては、12−ヒド
ロキシステアリル基等を挙げることができる。R5 とし
ては、ヘキサデシル基,ヘプタデシル基,オクタデシル
基,ノナデシル基,イコサデシル基,ヘンイコサデシル
基,ドコサデシル基が好ましく、特にオクタデシル基,
ドコサデシル基が好ましい。
【0072】R6 において、炭素数が1〜3のアルキル
基としては、メチル基,エチル基,プロピル基を挙げる
ことができる。また、炭素数が1〜3のヒドロキシアル
キル基としては、ヒドロキシメチル基、およびヒドロキ
シエチル基が挙げられる。
【0073】具体的に好ましいモノ長鎖アルキル第4級
アンモニウム塩(VII)の好適なものとして、塩化セチル
トリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルア
ンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩
化ベヘニルジメチルベンジルアンモニウム、セチルトリ
エチルアンモニウムメチルサルフェート等を挙げること
ができる。なお、特に好ましくは塩化ステアリルトリメ
チルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウ
ム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、又
はこれらの混合物が挙げられる。
【0074】本発明毛髪用化粧料(2)中にリン酸エス
テル変性シリコーンと陽イオン性高分子共に配合される
脂肪族高級アルコールは、通常の化粧料に配合され得る
脂肪族高級アルコールであれば特に限定されるものでは
ないが、炭素数14〜22の直鎖アルキル基を有する高
級アルコールが好ましい。特に好ましくは、炭素数16
〜22の直鎖高級アルコール、例えばセチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等を挙
げることができる。
【0075】本発明毛髪用化粧料(2)は、前記の各成
分「リン酸エステル変性シリコーン及び陽イオン性高分
子」「陽イオン性界面活性剤」及び「脂肪族高級アルコ
ール」が、それぞれ特定の比率で配合されていることが
必要である。
【0076】前記モノ長鎖アルキル第4級アンモニウム
塩の1種又は2種以上の配合量は化粧料全体の0.1重
量%以上,5.0重量%以下の範囲、好ましくは同0.
6以上,3.0重量%以下の範囲である。化粧料全体の
0.1重量%未満の配合量では、所望するリンス効果が
充分に得られない。化粧料全体の5.0重量%を越える
配合量では、化粧料の粘度が高くなりすぎるので好まし
くない。
【0077】また、脂肪族高級アルコールに対するモノ
長鎖アルキル第4級アンモニウム塩のモル比は、モノ長
鎖アルキル第4級アンモニウム塩/脂肪族高級アルコー
ル=1/3〜1/15の範囲で配合するのが好ましい。
特に、モノ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩/脂肪族
高級アルコール=1/3.5〜1/10で配合するのが
特に好ましい。
【0078】これらの必須成分を含む本発明毛髪用化粧
料(2)の製造方法は、特に限定されるものではない
が、例えば陽イオン性界面活性剤を水に溶解し,次に脂
肪族高級アルコールを加えて攪拌混合する。続いて別容
器中で予め水に溶解させておいた陽イオン性高分子を加
える。その後,その他の添加物をさらにその系に加えて
攪拌混合し、最後にリン酸エステル変性シリコーンを加
えて攪拌混合することにより、本発明毛髪用化粧料
(2)を製造することができる。
【0079】このようにして調製される、リン酸エステ
ル変性シリコーン、陽イオン性高分子、モノ長鎖アルキ
ル第4級アンモニウム塩及び脂肪族高級アルコールを含
んでなる本発明毛髪用化粧料(2)は、例えば毛髪用化
粧料として好ましい特性を有している。
【0080】すなわち、本発明毛髪用化粧料(2)が、
毛髪化粧料としての形態をとる場合には、すすぎ時のべ
たつき抑制効果に優れ、毛髪に十分な滑らかさ及び光沢
を付与することが可能で、さらにブラッシング等の物理
的刺激から毛髪を保護する効果に優れた化粧料である。
また、前述のようにリン酸エステル変性シリコーン及び
陽イオン性高分子が複合体を形成せずに解離した状態で
本発明毛髪用化粧料(2)中において存在するために、
これらの成分の皮膚への付着性が良好であり、さらに安
全性に優れた毛髪用化粧料が提供される。
【0081】よって、本発明毛髪用化粧料(2)は、上
記した毛髪用化粧料の形態を広く採り得る。具体的に
は、リンス,ヘアパック,ヘアコンディショナー等を採
り得る。そして、本発明毛髪用化粧料(2)の剤型も、
水溶液系,可溶化系,乳化系,粉末系,油液系,ゲル
系,エアゾール系,水−油2層系,水−油−粉末3層系
等、幅広い剤型を採り得る。
【0082】D.本発明毛髪用化粧料(1),(2)
は、共にこれらの毛髪用化粧料の所期の効果を損なわな
い範囲で、上記した必須成分の他に、一般の化粧料に配
合される任意成分を配合することができる。
【0083】すなわち,高級アルコール(本発明毛髪用
化粧料(2)においては、脂肪族高級アルコール以外の
高級アルコールのみ),シリコーン油,流動パラフィ
ン,エステル油等の油分;メチルセルロース,ヒドロキ
シエチルセルロース等の水溶性高分子;プロピレングリ
コール,グリセリン等の保湿剤;POE硬化ヒマシ油,
POEアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤及び
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシ
エチルイミダゾリニウムベタイン,トリアルキルアミン
酢酸ベタイン等の両性界面活性剤(本発明毛髪用化粧料
(2)のみ);
【0084】カンゾウ,パブリカ,ムイアブアマ,メ
ギ,メラルーカ,ヤドリギ,ウスベニアオイ,エキナ
シ,エビスグサ,ヒバマタ,トクサ,エンバク,オーク
モス,ミドリハッカ,ナツカワ,ニレ,ヒキオコシ,ヘ
ンルータ,ベイベリ,オグルマベニノキ,カイカ,ヘイ
フラワー,ハクセン,ニワトコ,ホコリタチ,ガマ,パ
イナップル,キャベツ,ハクトウオウ,ハナショウガ,
マフノリ,クロモジ,パパイヤ,ミレシア,ミカン,ク
ワ,クロバナヒキオコシ,クララ,クスノキ,バリン
シ,チチノリ,バナナ,コウホネ,コクサギ,ハコベ,
アラリア,ドクダミ,アズキ,イヌザクラン,イエロー
ドッグ,ナス,サクランボ,ジュニバー,シバリギ,シ
ア,アイリス,スイカズラ,スイパ,セイヨウボダイジ
ュ,センダン,セロリ,ゼラニウム,タマサキツヅラ,
オランダイチゴ,チンサン,ハイマツ,ウコン,オドリ
コソウ,チャ,オレンジ,セージ,セイヨウキズタ,セ
イヨウニワトコ,セイヨウネズエ,セイヨウノコギリソ
ウ,セイヨウハッカ,セイヨウヤドリギ,ゼニアオイ,
センキュウ,タチジャコウソウ,センブリ,タイム,チ
ョウジ,チンピ,海藻,クロレラ,トウキエキス,トウ
キセンカ,トウヒ,
【0085】トマト,オトギリソウ,コボタンズル,ト
ルメンチラ,ニンジン,ニンニク,ノバラ,バーチ,パ
セリ,グンチアナ,ハッカ,オノニス,ハマメリス,ウ
ィキョウ,スギナ,サフラン,オランダカラン,サボン
ソウ,サンザシ,ゲンノショウコウ,ビワ,サンシチソ
ウ,ブッチャーブルーム,ブドウ,ブドウリーフ,ベ
イ,アイビー,ヘチマ,水溶性ヨクイニン,イラクサ,
ボダイジュ,ホップ,サンショウ,シイタケ,マツカ
サ,マロニエ,ミツガシワ,ムクロジ,メリッサ,メリ
ロート,モモ,ヤクルマギク,ユーカリ,ジオウ,シコ
ン,ユキノシタ,油溶性アルニカ,油溶性カレンドラ,
油溶性セイヨウボダイジュ,油溶性ノバラ,褐藻,カノ
コソウ,油溶性ヨクイニン,ユリ,ヨウ化ニンニク,ヨ
モギ,シソ,シナノキ,カモミラ,シモツケ,リンゴ,
カラス麦,シャクヤク,アンズ,レタス,ローズマリ
ー,レモン,ローマカミツレ,ショウキョウ,エイジ
ツ,ワレモコウ,シラカバ,キノチゴ,ステビア,水溶
性アルニカ,オウゴン,キズタ,キナ,キューカンバ
ー,アロエ,ゴボウ,クチナシ,グレープフルーツ,オ
ウバク,オウレン,アンソッコウ,アカブドウ,アセン
ヤク,アルテア,アマチャ,ショウキョウ,トウガラシ
チンキ,ロジン,天然ゴムラテックス,アラビアゴム,
イクタモール,カンタリスチンキ,ブクリョウ,サルノ
コシカケ,チョレイ,カキ,コラーゲン,ビフィズス菌
ペクチン,酵母,ローヤルゼリー,水溶性プラセンタエ
キス,ハチミツ,セラック等の動植物の天然エキスおよ
びその誘導体;
【0086】パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステ
ル,ジプロピレングリコールサリシレート,メトキシケ
イ皮酸オクチル,カンファー誘導体,ウロカニン酸,オ
キシベンゾン,4−メトキシ−4’−tert−ブチルジベ
ンゾイルメタン等の紫外線防御剤;クエン酸,乳酸等の
有機酸;塩化ナトリウム,塩化カリウム等の無機塩;エ
チルパラベン,メチルパラベン等の防腐剤;EDTA−
3Na等のキレート剤;抗菌剤、フケ防止剤、起泡増進
剤、真珠光沢剤、増粘剤、各種タンパク質、各種高分
子、緩衝剤、香料、色素等を配合し得る。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。なお、本発明は、これらの実施例によって、そ
の技術的範囲が限定的に解釈されるべきものではない。
また、本実施例中、配合量は全て重量%である。
【0088】以下の各実施例には、上述した製造法に従
って製造した下記〜のリン酸エステル変性シリコー
ンを用いた。
【化8】
【0089】〔実施例A〕本発明毛髪用化粧料(1) 本発明毛髪用化粧料(1)についての効果の評価は、以
下の試験法及び評価法に従って行った。 使用性の評価 ハーフヘッド法に従い、専門パネラー15名による、本
発明毛髪用化粧料(1)についての官能評価(すすぎ後
のぬめり感並びに乾燥後のサラサラ感及びツルツル感)
を行なった。ここで、乾燥後の感覚は25℃、50RH
%中に30分以上安静にした後に行なった。なお、対照
品としては、陽イオン性高分子のみを、並びにリン酸エ
ステル変性シリコーンのみをそれぞれ配合したシャンプ
ー組成物を用いた。
【0090】判定基準(ぬめり感は少ない方が好まし
く、乾燥後のサラサラ感及びツルツル感は感じられた方
が好ましいという前提で判定した。) ○:対照品と同等以上の評価が10名以上 △:対照品と同等以上の評価が6〜9名 ×:対照品と同等以上の評価が5名以下
【0091】外観安定性の評価 本発明毛髪用化粧料(1)についての外観安定性は、試
料を50℃で1ヵ月放置した後の外観で評価した。 ○:変化なし ×:変化有り
【0092】起泡性の評価 本発明毛髪用化粧料(1)についての起泡性の評価は、
人工硬水(CaCO370ppm )で、試料濃度1%の溶
液を400ml調製し、温度40℃で、撹拌機付き円筒形
シリンダーを用いて、起泡力を測定した。 ○:泡立ち良好 泡量 2000ml以上 △:泡立ち普通 泡量 1500ml以上 2000ml
未満 ×:泡立ち不良 泡量 1500ml未満
【0093】洗浄性の評価 本発明毛髪用化粧料(1)についての洗浄性の評価は、
人工硬水(CaCO370ppm )で、試料濃度1%の溶
液を調製し、シーロンフィルムを用いた人工皮脂汚垢板
を洗浄した。温度40℃で、ターゴトメーター(JIS
K−3371)を用いて洗浄し、洗浄前後の反射率よ
り洗浄効果を求めた。
【0094】なお、洗浄性の評価の指標となる「洗浄効
率」は、以下の式により算出される。 洗浄効率(%)=(RV −RS /R0 −RS )×100 R0 :原板(白色板にシーロンフィルムのみ貼付けたも
のの反射率) RS :汚垢板の反射率 RV :洗浄後の汚垢板の反射率
【0095】 ○:洗浄性良好 洗浄効率 80%以上 △:洗浄性普通 洗浄効率 60%以上 80%未満 ×:洗浄性不良 洗浄効率 60%未満
【0096】総合評価 上記の各試験の結果を、以下の基準により、総合的に評
価した。 ○:全ての評価が○の場合 △:1つでも△の評価がある場合 ×:2つ以上△の評価があるか、1つでも×の評価があ
る場合
【0097】〔実施例A1〜A14,比較例A1,A
2〕第1表,第2表及び第3表内に記載した配合組成よ
りなる毛髪用化粧料(すべて、シャンプー)を調製し、
上記した各評価項目についての評価を同表中に示した。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】これらの結果から明らかなように、本発明
のシャンプー組成物はすすぎ時のぬめり感がなく、起泡
性及び洗浄性に優れ、しかも乾燥後のサラサラ,ツルツ
ル感にも優れていることが明らかになった。
【0102】〔実施例B〕本発明毛髪用化粧料(2) 本発明毛髪用化粧料(2)についての効果の評価は、以
下の試験法及び評価法に従って行った。 毛髪保護効果の評価 各試料1g を、長さ15cmの毛髪束(500〜600
本)に塗布し、40℃の温水300ml中で振とうすすぎ
(100サイクル)を2回繰り返した後、この毛髪束を
乾燥させる。この乾燥させた毛髪束に一定の力で2万回
のブラッシングを行なった後に発生した枝毛、切れ毛の
数をカウントし、毛髪の全数に対する枝毛、切れ毛の発
生率を算出する。未処理毛での枝毛、切れ毛の発生率X
%に対し、各サンプル処理毛での発生率Y%を比較しY
/Xの値により以下のように評価した。
【0103】 Y/Xの値 < 0.5 ・・・・・・・・A 毛髪保護効果 大 0.5 ≦ Y/Xの値 < 0.8 ・・・・・・・・B 毛髪保護効果 中 0.8 ≦ Y/Xの値 < 1.0 ・・・・・・・・C 毛髪保護効果 小 1.0 ≦ Y/Xの値 ・・・・・・・・D 毛髪保護効果 なし
【0104】毛髪への吸着量測定 各試料2g を完全脱脂後の毛髪束4gに塗布し、1l の
温水(40℃)中で振とうすすぎ(100サイクル)を
2回繰り返した後、この毛髪束を乾燥させる。それぞれ
の乾燥させた毛髪束より吸着物をソックスレー抽出(ジ
クロロメタン/メタノール=92/8 容量%、5時間
抽出)し、その重量より毛髪1g 当たりの試料吸着量を
算出した。各試料の毛髪への吸着性は以下のように評価
した。
【0105】 1g 当たりの試料吸着量 評価 30mg以上 ・・・・・・・・・・・・ A 毛髪への吸着性 大 10〜30mg ・・・・・・・・・・・・B 毛髪への吸着性 中 10mg以下 ・・・・・・・・・・・・ C 毛髪への吸着性 小
【0106】毛髪へのツヤ付与効果の評価 各試料1g を長さ15cmの毛髪束(500〜600本)
に塗布し、40℃の温水300ml中で振とうすすぎ(1
00サイクル)を2回繰り返した後、この毛髪束を乾燥
させる。この乾燥させた毛髪束から任意に10本の毛髪
を選び変角光度計GP-IR[(株)村上色彩研究所製]
で入射された光に対する毛髪の反射光分布を測定し、毛
髪の光沢度(ツヤ)を次の式により求めた。
【0107】G=s/d G:光沢度,s:正反
射光量,d:拡散反射光量 以上の方法で求められた光沢度Gにより各試料の毛髪へ
のツヤ付与効果を以下のように評価した。 評価 15以上 ・・・・・・・・・・・・A ツヤ付与効果 大 10〜15 ・・・・・・・・・・・・B ツヤ付与効果 中 5〜10 ・・・・・・・・・・・・C ツヤ付与効果 小 5以下 ・・・・・・・・・・・・D ツヤ付与効果 なし
【0108】均一コート性の評価 毛髪のツヤの評価における方法と同じ方法で調製した
毛髪サンプルの走査型電子顕微鏡(SEM) 写真より均一コ
ート性を評価した。すなわち、各試料で処理された毛髪
のSEM写真(400〜1,000倍)を判定者15名が、未処
理毛髪のSEM写真と比較して、均一コート性が「良
好」、「同程度」の2段階で評価した。
【0109】その判定結果より以下のように評価した。 判定結果 評価 15名全員が「良好」と答えたもの ・・・・・・・・・・ A 15名中、8〜14名が「良好」と答えたもの ・・・・・・・・・・ B 15名中、7名以下が「良好」と答えたもの ・・・・・・・・・・ C
【0110】毛髪に対する効果の官能評価 パネルとしては、19才から36才の女性15名を選ん
だ。各パネルは市販ヘアシャンプー(通常のアルキルリ
ン酸エステル塩系シャンプー)で洗浄後の毛髪に、サン
プル各12g ずつを塗布し、約40℃の温水ですすぎ洗
いしてから、ドライヤー処理中、およびドライヤー乾燥
後の毛髪の感触を対照用試料(塩化ステアリルトリメチ
ルアンモニウム1.0%,セトステアリルアルコール
1.5%,プロピレングリコール5.0%,及び水9
2.5%からなるもの)と比較して、「著しく良好」、
「良好」、「同程度」、および「劣っている」の4段階
で評価した。
【0111】その判定結果から以下のように評価した。 判定結果 評価 15名中、12名以上が「著しく良好」、又は「良好」と答えたもの・・・・ A 15名中、8〜11名が「著しく良好」、又は「良好」と答えたもの・・・・ B 15名中、4〜7名が「著しく良好」、又は「良好」と答えたもの ・・・・ C 15名中、3名以下が「著しく良好」、又は「良好」と答えたもの ・・・・ D
【0112】〔実施例B1〜B7,比較例B1〜B4〕
第4表に記載した配合組成よりなるヘアリンスを調製
し、上記に従って評価した結果を一緒に示す。
【0113】
【表4】
【0114】第4表から、本発明においては陽イオン性
界面活性剤/高級アルコールのモル比が1/3〜1/1
5の範囲にあることも必要であることが判明した。すな
わち、たとえリン酸エステル変性シリコーンと陽イオン
性高分子とが配合されていても、前記のモル比が1/3
〜1/15をはずれた場合(比較例B1〜B4)は、滑
らかさおよび毛髪保護効果が発揮されていないことが明
らかであった。
【0115】以下に、種々の剤型の本発明毛髪用化粧料
(2)の配合例を実施例として説明する。なお、各毛髪
用化粧料とも優れた毛髪保護効果,すすぎ時の滑ら
かさ,乾燥後の滑らかさ,毛髪への吸着性,毛髪
へのツヤ付与効果及び均一コート性を示した(その詳
細は後述する)。
【0116】 〔実施例B8〕 ヘアリンス 重量% 塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.6 セトステアリルアルコール(C16/C18=6/4) 0.4 ヒドロキシエチルセルロース・塩化ヒドロキシプロピル トリメチルアンモニウムエーテル*1 0.2 リン酸エステル変性シリコーン(未中和) 3.2 水酸化ナトリウム(試薬特級96%) 0.11 グリセロールモノステアレート 1.0 ステアリン酸 0.5 グリセリン 5.0 プロピレングリコール 5.0 黄色−4号(色素) 適 量 香料 適 量 EDTA−3Na(キレート剤) 適 量 メチルパラベン 適 量 イオン交換水 残 量 *1;カチナールHC−200(東邦化学工業製)等
【0117】<製法>一部のイオン交換水に塩化セチル
トリメチルアンモニウムを添加して加熱溶解した。予め
混合加熱したセトステアリルアルコール,グリセリルモ
ノステアレート,ステアリン酸等の混合物を加えて攪拌
混合し、ホモミキサー処理を行った。次に、グリセリン
とプロピレングリコールを添加して攪拌混合を行った。
これに別の容器で一部のイオン交換水に溶解させたヒド
ロキシエチルセルロース,塩化ヒドロキシプロピルトリ
メチルアンモニウムエーテルを加えて加熱混合した。ま
た、別の容器に一部のイオン交換水とリン酸エステル変
性シリコーンを混合分散させたものに水酸化ナトリウム
を加えて混合溶解させて、全体を透明に溶解させた。こ
の溶解物を上記混合系に加えてよく攪拌した。そしてこ
れに、少量のイオン交換水に溶解した色素とメチルパラ
ベンを加え、香料をさらに加えてよく攪拌混合を行っ
た。これを室温まで冷却して、上記ヘアリンスを調製し
た。
【0118】このヘアリンスは、陽イオン性界面活性剤
/高級アルコールのモル比が1/8.4、かつリン酸エ
ステル変性シリコーンが有効分で3.2%配合されてお
り、安定性に優れ、官能試験評価においても従来にない
優れた滑らかさを示し、さらに、毛髪に対して優れた保
護効果を付与するものであった。
【0119】 〔実施例B9〕 ヘアトリートメントクリーム 重量% 塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 3.0 セトステアリルアルコール(C16/C18=7/3) 6.5 ベヘニルアルコール 2.0 ヒドロキシエチルセルロース・塩化ヒドロキシプロピル トリメチルアンモニウムエーテル*1 0.2 リン酸エステル変性シリコーン(未中和) 4.0 水酸化ナトリウム(試薬特級96%) 0.14 2−オクチルドデカノール 2.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体 0.3 (エチレンオキシド60モル付加物) ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.0 (エチレンオキシド4モル付加物) 大豆レシチン 0.5 グリセリン 10.0 ジプロピレングリコール 5.0 黄色−4号(色素) 適 量 香料 適 量 メチルパラベン 適 量 イオン交換水 残 量 *1;カチナールHC−200(東邦化学工業製)など
【0120】<製法>一部のイオン交換水に塩化ベヘニ
ルトリメチルアンモニウムを添加して加熱溶解した。予
め混合加熱したベヘニルアルコール,2−オクチルドデ
カノール,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体,ポ
リオキシエチレンステアリルエーテル,大豆レシチン等
の混合物を加えて攪拌混合し、ホモミキサー処理を行っ
た。次に、グリセリンとジプロピレングリコールを加え
攪拌混合した。これに別の容器で一部のイオン交換水に
溶解させたヒドロキシエチルセルロース,塩化ヒドロキ
シプロピルトリメチルアンモニウムエーテルを加えて加
熱混合した。また、別の容器に一部のイオン交換水とリ
ン酸エステル変性シリコーンを混合分散させたものに水
酸化ナトリウムを加えて混合溶解させて、全体を透明に
溶解させた。この溶解物を上記混合系に加えてよく攪拌
した。そしてこれに、少量のイオン交換水に溶解した色
素とメチルパラベンを加え、香料をさらに加えてよく攪
拌混合を行った。これを室温まで冷却して、上記ヘアト
リートメントクリームを調製した。
【0121】このトリートメントクリームは、特に傷ん
だ毛髪に対し、優れた滑らかさを与え、毛髪保護効果の
良好なものであった。
【発明の効果】洗髪後の毛髪の櫛通りが良好で、かつ乾
燥後の毛髪のサラサラ感やツルツル感が十分に実感でき
るリンス効果を付与されたシャンプー系毛髪用化粧料が
提供され、使用中のべたつき抑制効果に優れ、毛髪に十
分な滑らかさ及び光沢を付与することが可能であり、更
にブラッシング等の物理的刺激からも毛髪を保護する効
果に優れたリンス系毛髪用化粧料が提供される。さらに
はこれらの毛髪用化粧料に付与することのできる機能か
ら導き出せる機能を有する化粧料も提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 難波 富幸 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内 (72)発明者 日根野 照彦 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸エステル変性シリコーン及び陽イオ
    ン性高分子を含んでなる化粧料。
  2. 【請求項2】リン酸エステル変性シリコーン及び陽イオ
    ン性高分子並びに陰イオン性界面活性剤、両性界面活性
    剤及び非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1
    種又は2種以上の界面活性剤を含んでなる毛髪用化粧
    料。
  3. 【請求項3】リン酸エステル変性シリコーン、陽イオン
    性高分子、陽イオン性界面活性剤及び脂肪族高級アルコ
    ールを含んでなる毛髪用化粧料。
JP9844397A 1997-03-31 1997-03-31 化粧料 Withdrawn JPH10279445A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1584665A1 (en) * 2004-04-08 2005-10-12 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Anti-kogation additives compatible with cationic polymers for fixer-based printing systems

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1584665A1 (en) * 2004-04-08 2005-10-12 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Anti-kogation additives compatible with cationic polymers for fixer-based printing systems
US7388040B2 (en) 2004-04-08 2008-06-17 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Anti-kogation additives compatible with cationic polymers for fixer-based printing systems

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