JPH10278483A - 筆記具のクリップ飾り - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 飾り部材をクリップのクリップ片に取り付け
るために手間がかかることを解消すると共にプレート状
の薄い飾り部材でもクリップへの取り付けを可能とする
こと。 【解決手段】 筆記具のクリップ飾りにおいて、合成樹
脂の飾り部材３の裏面にクリップ２を取り付けるための
クリップ収容部３ａを形成し、このクリップ収容部３ａ
に筆記具のクリップ２を配すると共に合成樹脂のシール
片４を超音波溶着により飾り部材３に固着することによ
って前記飾り部材３をクリップ２に取り付けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ボールペン、シ
ャープペンシル、万年筆等の筆記具のクリップ飾りに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種筆記具のクリップ飾りとし
ては、図８に示すようにクリップ片１１ａと取り付けリ
ング１１ｂとからなるクリップ１１にビス（ネジ釘）１
２で比較的厚い基材の飾り部材１３を取り付けて固定し
ていた。なお、図中符号１１ｃはクリップ片１１ｃの先
端部裏側に形成された押圧突部である。

【０００３】しかしながら、この従来例ではビス１２を
必要とするため部品点数が多く、ねじ込みにより取り付
けなければならないので手間がかかるという不都合があ
った。

【０００４】さらに、筆記具のクリップ１１はクリップ
片１１ａと軸筒との間に洋服のポケット等を挟持して使
用されるので本来余り間隔がない構造である。一方従来
例では、ビス１２を使うので、飾り部材１３の形状、特
にビス１２の下端が飾り部材１３の表面に突出しないた
めには飾り部材１３が十分な厚みを必要とした。そこ
で、ねじ込みに適しない極めて硬い素材で作られている
場合には、無理なねじ込みが困難であり、無理にねじ込
むことによって飾り部材１３を破損してしまう恐れがあ
った。

【０００５】また、逆に飾り部材１３が柔らかい素材の
場合には、ビス１２のねじ込みが十分に効かないで使用
中にビス１２が飾り部材１３から抜け落ちてしまった
り、また飾り部材１３が薄い場合にはビス１２が飾り部
材１３の表面に突き抜けてしまうという問題点があっ
た。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は上
記従来の欠点を解消したものであって、部品点数を少な
くすると共にワンタッチで簡単かつ確実に比較的薄い基
材の飾り部材を筆記具のクリップに取り付けることを可
能とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば合成樹脂の飾り部材の裏面にクリ
ップを取り付けるためのクリップ収容部を形成し、この
クリップ収容部に筆記具のクリップを配すると共に合成
樹脂のシール片を超音波溶着により上記飾り部材に固着
することによって上記飾り部材をクリップに取り付けて
なる筆記具のクリップ飾りが得られる。

【０００８】さらに、合成樹脂の飾り部材の裏面に筆記
具のクリップを取り付けるための突起を形成し、この突
起が嵌合される嵌合孔をクリップに形成すると共に前記
突起をこの嵌合孔に嵌合・固定することによって飾り部
材をクリップに取り付けてなる筆記具のクリップ飾りが
得られる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、添付の図面を用いてこの発
明の実施の形態による筆記具のクリップ飾りの実施の形
態を詳細に説明する。図１〜図３はこの発明の実施の形
態を示す図であって、ボールペン、シャープペンシル、
万年筆等の筆記具の軸筒１の後部にクリップ片２ａと取
り付けリング２ｂとからなるいわゆる抱きクリップ２が
後端から嵌合・装着されている。そして、このクリップ
２には合成樹脂のいわゆるスマイルマークが２つ連続し
てなる飾り部材３として固着されている。なお、図中符
号２ｃはクリップ片２ｂの先端部裏側に形成された押圧
突部である。

【００１０】より詳しく述べると、この飾り部材３のク
リップ２のクリップ片２ａへの取り付けを図２と図３と
を用いて説明する。飾り部材３の裏側は、その輪郭はエ
ンボス部３ａを形成し、飾り部材３の長手方向ほぼ中央
部にはクリップ片２ａの形状に合わせて上端縁から下方
に向かって次第に幅狭とされたクリップ収容部３ｂが形
成されている。

【００１１】また、符号４は合成樹脂製のシール片を示
し、図に示すようにこのシール片４は超音波溶着によっ
て飾り部材３の溶着部に固着し易いように矩形のチップ
の両側端縁を折曲して起立部４ａが形成されている。な
お、図１において符号５で示すのはこの筆記具の繰り出
し用の後端ノック部材である。

【００１２】このような構成の飾り部材３をクリップ２
に取り付けるには、まずクリップ飾り部材３のクリップ
収容部３ｂにクリップ片２ａの先部を配置・収容し、そ
の後でシール片４の起立部４ａをクリップ２に向けて押
し付けクリップ２を跨いで飾り部材３に起立部４ａが当
接するようにセットする。そしてこの起立部４ａと飾り
部材３とを超音波溶着によって接着してシール片４と飾
り部材３とをクリップ２のクリップ片２ａに固着する。

【００１３】なお、この超音波溶着は、超音波周波数
（２０〜４０ｋｃ／ｓ）の機械的振動圧力によって加熱
を行い熱可塑性プラスチックを溶接する方法をいう。変
換器によって電気エネルギーを超音波振動に変え、これ
をラッパによって溶接するべき部分に向けると、接合面
においては振動摩擦によって局部的に熱が発生するが、
他の部分には熱は発生しない。軟質プラスチックにおい
ては振動エネルギーが急速に散逸するので、この方法は
硬質および半硬質プラスチックに用いられる。超音波溶
着は、高周波溶接をすることができない無極性材料（ポ
リエステルやナイロン）の溶接に重要である。

【００１４】次に、図４及び図５は、この発明の他の実
施の形態によるクリップ飾りを示すものであって、この
形態の飾り部材３は熊の形をしており、この飾り部材３
の裏面は、上端縁から下方に向けてクリップ２を収容す
るためのクリップ収容部としての縦溝３ｃが形成されて
いる。そしてこの縦溝３ｃに直交してシール片収容部と
しての横溝３ｄが形成されている。

【００１５】さらに、これら縦溝３ｃと横溝３ｄとが交
叉する箇所にはクリップ嵌合部３ｅが形成されている。
なお、このクリップ嵌合部３ｅの高さ（厚さ）は飾り部
材３の厚さとほぼ同じで十分である。また、クリップ２
のクリップ片２ａには、このクリップ嵌合部３ｅの形状
及び大きさに合わせた嵌合孔２ｄが形成されている。な
お、図中符号４は上記実施の形態と同様な合成樹脂製の
シール片である。

【００１６】このような構成の飾り部材３をクリップ２
に取り付けるには、まず飾り部材３の裏面の嵌合部３ｅ
に嵌合孔２ｄを合わせて飾り部材３のクリップ収容部３
ｃにクリップ片２ａの先部を配置し、その後でシール片
４の起立部４ａをクリップ２に向けて押し付けクリップ
２を跨いで飾り部材３に起立部４ａが当接するようにセ
ットする。そしてこの起立部４ａと飾り部材３とを超音
波溶着によって接着してシール片４と飾り部材３とをク
リップ２のクリップ片２ａに固着する。

【００１７】次に、図６及び図７は、この発明の更に他
の実施の形態によるクリップ飾りを示すものであって、
この形態の飾り部材３は猫の形をしており、この飾り部
材３の裏面には、クリップ取り付け用の二組の嵌合突起
が夫々形成されている。

【００１８】即ち、上位の対向するクリップ挟持突起３
ｆは、クリップ２の幅よりほんの少し幅狭に配されてお
り、クリップ片２ａをセットした時に各突起方向（内側
に）にクリップ片２ａを押えつけるように作用する。

【００１９】他方、下位の対向するクリップ嵌合突起３
ｇは、クリップ片２ａに形成された嵌合孔２ｅに挿入さ
れてると嵌合孔２ｄを外方に付勢するのでクリップ片２
ａを強く嵌合・固設するために上記嵌合孔２ｄの幅より
もやや広い間隔で対向配置されている。

【００２０】そこで、このように構成されたこの実施の
形態によれば、飾り部材３のクリップ嵌合突起３ｇをク
リップ片２ａの嵌合孔２ｄに圧入してセットすると、自
動的にクリップ挟持突起３ｆがクリップ片２ａの側部を
挟持・固定するので飾り部材３がクリップ２に確実に取
り付けられる。なお、この実施の形態によればクリップ
嵌合突起３ｇが嵌合孔２ｄを貫通して突出するので、こ
の突出部分が上記各実施の形態のクリップ片２ａの先端
部裏側に形成された押圧突部２ｃと同様の機能も有す
る。従って、この実施の形態では特に押圧突部２ｃを形
成する必要がない。

【００２１】

【発明の効果】この発明は、以上説明したような形態で
実施され、以下に述べるような効果を奏する。

【００２２】合成樹脂の飾り部材を超音波溶着によりシ
ール片を用いてクリップに取り付けるのでビス等の部品
を用いることなくクリップにワンタッチで簡単かつ容易
に比較的薄い飾り部材でも取り付けることが可能であ
る。

【００２３】飾り部材にクリップ収容部としてエンボス
を形成したので取り付けの際の位置決めが容易であり、
かつガタツキがないので取り付けが強固となる。

【００２４】飾り部材の裏面にクリップ取り付け用の対
向する突起を設けたのでクリップへの取り付けが極めて
簡単かつ確実である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態による飾り部材を筆記具
のクリップに取り付けた状態を示めす斜視図である。

【図２】図１のクリップとクリップ飾りのみの拡大背面
斜視図である。

【図３】図２の分解斜視図である。

【図４】この発明の他の実施の形態による飾り部材を筆
記具のクリップに取り付けた状態を示す斜視図である。

【図５】図４の分解斜視図である。

【図６】この発明の更に他の実施の形態によるクリップ
とクリップ飾りのみの拡大背面斜視図である。

【図７】図６の分解斜視図である。

【図８】従来例による筆記具のクリップ飾りを示す背面
斜視図である。

【符号の説明】

１ 軸筒 ２ クリップ ３ 飾り部材 ４ シール片 ５ ノック部材

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂の飾り部材の裏面にクリップを
   取り付けるためのクリップ収容部を形成し、このクリッ
   プ収容部に筆記具のクリップを配すると共に合成樹脂の
   シール片を超音波溶着により上記飾り部材に固着するこ
   とによって上記飾り部材をクリップに取り付けてなるこ
   とを特徴とする筆記具のクリップ飾り。
2. 【請求項２】 前記飾り部材のクリップ収容部がエンボ
   スである請求項１記載の筆記具のクリップ飾り。
3. 【請求項３】 前記飾り部材のクリップ収容部に嵌合部
   が形成され、この嵌合部が嵌合される嵌合孔が前記クリ
   ップのクリップ片に形成されてなる請求項１記載の筆記
   具のクリップ飾り。
4. 【請求項４】 前記飾り部材の裏面には更にシール片収
   容部が形成されてなる請求項１記載の筆記具のクリップ
   飾り。
5. 【請求項５】 合成樹脂の飾り部材の裏面に筆記具のク
   リップを取り付けるための突起を形成し、この突起が嵌
   合される嵌合孔をクリップに形成すると共に前記突起を
   この嵌合孔に嵌合・固定することによって飾り部材をク
   リップに取り付けることを特徴とする筆記具のクリップ
   飾り。
6. 【請求項６】 前記飾り部材の突起が二股に形成されて
   なる請求項５記載の筆記具のクリップ飾り。
7. 【請求項７】 前記飾り部材の突起とは別にクリップ挟
   持突起を更に設けてなる請求項５又は６記載の筆記具の
   クリップ飾り。