JPH10278176A - 軟弱地盤対策杭とその施工方法 - Google Patents

軟弱地盤対策杭とその施工方法

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JPH10278176A
JPH10278176A JP9218097A JP9218097A JPH10278176A JP H10278176 A JPH10278176 A JP H10278176A JP 9218097 A JP9218097 A JP 9218097A JP 9218097 A JP9218097 A JP 9218097A JP H10278176 A JPH10278176 A JP H10278176A
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pipe pile
corrosion
heavy
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JP9218097A
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Yoshihisa Kayazono
義久 仮屋園
Yoshihiro Miyajima
義洋 宮嶋
Hiroyuki Mimura
博幸 三村
Hirotaka Sato
弘隆 佐藤
Shinichi Funatsu
真一 船津
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 礫の混入や腐食性土壌の地層がある軟弱地盤
に打ち込む際に、被覆の貫通疵の発生を防止して防食性
を維持できる軟弱地盤対策杭とその施工方法を提供す
る。 【解決手段】 鋼管杭、ポリエチレン被覆鋼管杭または
ウレタンエラストマー被覆鋼管杭の外面に歴青質からな
る粘弾性物質層を介してカットされたガラスロービング
とポリエステルまたはウレタンエラストマーのいずれか
一方からなる保護層を積層した重防食被覆鋼管杭と、該
鋼管杭に犠牲防食性の金属や合金からなる補強バンドや
保護金具を装着して杭打ちしたあと杭内部の土壌を除去
し、さらには内部にモルタルを充填して施工する。 【効果】 従来の重防食被覆鋼管杭に比較して、杭打ち
時の保護層の礫に対する耐疵性が優れるので、保護層の
貫通疵が発生せず、素材にポリエチレン被覆鋼管杭また
はウレタンエラストマー被覆鋼管杭を用いれば腐食性地
盤での防食性も優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軟弱地盤の上に構造
物を建設する工法で使用する外面に防食被覆が施された
鋼管杭であって、礫の混入した軟弱地盤および腐食性の
軟弱地盤に打ち込む際に被覆疵が防止でき、防食性が優
れた重防食被覆鋼管杭とその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】海岸地帯の埋立地や火山灰の多量に積も
った丘陵地帯などの軟弱地盤に、ビル、高速道路や鉄道
などの構造物を建設して都市開発しなければならない場
合がある。特に、深い軟弱地盤を貫いて下の支持地盤に
杭を打ち込み上部の構造物を支持させる工法では、軟弱
地盤が沈下すると杭の外周面に下向きの負の摩擦力、い
わゆるネガティブフリクッションが発生し、杭基礎に有
害な沈下を生じる場合がある。ネガティブフリクッショ
ンの対策としては、例えば特開昭60−223521号
公報に提案されているように、図5に示す如く、鋼管杭
1の外面に歴青質層2を介してポリエチレンまたはウレ
タンエラストマーの保護層4を積層した重防食被覆鋼管
杭が使用できる。この従来の重防食被覆鋼管杭は、歴青
質層の粘弾性特性を利用して、地盤の沈下が発生すると
歴青層が粘性流動し、保護層が地盤とともに杭表面をす
べることによってネガティブフリクッションを低減する
ので、軟弱地盤の構造物建設に適している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の重防食被覆鋼管
杭は、礫が少ない通常の軟弱地盤に打ち込む場合には、
ポリエチレンやウレタンエラストマーの保護層の耐疵性
は十分で、優れたネガティブフリクッションの低減効果
を発揮する。しかし、地盤に礫が多く含まれると、ポリ
エチレンやウレタンエラストマーの保護層の耐疵性が不
足して貫通疵が発生する場合がある。この場合には、予
め礫の多い地層部分までオーガーなどの掘削機によって
地中に孔を開け、この中に重防食被覆鋼管杭を落とし込
んで打ち込む方法によって被覆の貫通疵発生を防止する
措置などが利用されるが、工事が大変複雑になる。ま
た、地盤に礫が多く、火山地帯の地盤のように一部の地
層が酸性土壌であったり、海岸地帯の埋立地で埋立てた
廃棄物の関係で地盤の地層によって水素イオン濃度(p
H)が異なる場合には、地盤の異なる地層にまたがった
杭表面間でマクロセルが形成されて腐食電流が発生し、
被覆貫通疵、杭の接続部分や杭内面で腐食が起こる場合
がある。ポリエチレンやウレタンエラストマーの保護層
を有する従来の重防食被覆鋼管杭では、このような特殊
な地盤では、被覆の礫に対する耐疵性の向上と、杭の内
面や接続部分の無被覆部分の防食対策が望まれていた。
【0004】本発明は、従来の重防食鋼管杭に比較し
て、礫の混入した軟弱地盤および腐食性の軟弱地盤に打
ち込む際に被覆疵が防止でき、防食性が優れた重防食被
覆鋼管杭とその施工方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決すべく鋭意検討した。その結果、(1)礫の
多い軟弱地盤には、図1に示す如く、鋼管杭1の外面
に、歴青質からなる粘弾性物質層2および長さ4〜10
0mmに切断したガラスロービングと任意の色彩に着色さ
れたポリエステルまたはウレタンエラストマーのいずれ
か一方で構成された保護層3が積層された重防食被覆鋼
管杭を用い、図3に示す如く、該重防食被覆鋼管杭の先
端の無被覆部分に、鋼製の補強バンド5を装着し、かつ
保護層の下端に鋼製の保護金具6を装着して軟弱地盤に
打ち込む工法で施工すること、(2)礫が多くかつ腐食
性の地盤には、図2に示す如く、鋼管杭1の外面にポリ
エチレンまたはウレタンエラストマーの防食層4を有す
る防食鋼管杭の外面に、歴青質からなる粘弾性物質層2
および長さ4〜100mmに切断したガラスロービングと
任意の色彩に着色されたポリエステルまたはウレタンエ
ラストマーのいずれか一方で構成された保護層3が積層
された重防食被覆鋼管杭を用い、図4に示す如く、該重
防食被覆鋼管杭の先端の無被覆部分に、鋼材に対して犠
牲防食作用のある金属または合金でできた補強バンド1
1を装着し、かつ保護層の下端に鋼材に対して犠牲防食
作用のある金属または合金でできた保護金具12を装着
して地盤に打ち込んだあと、該鋼管杭の内面土壌を除去
する工法で施工すること、(3)礫が多く腐食性であっ
てかつ地下水がわき出す地盤には、図2に示す如く、鋼
管杭1の外面にポリエチレンまたはウレタンエラストマ
ーの防食層4を有する防食鋼管杭の外面に、歴青質から
なる粘弾性物質層2および長さ4〜100mmに切断した
ガラスロービングと任意の色彩に着色されたポリエステ
ルまたはウレタンエラストマーのいずれか一方で構成さ
れた保護層3が積層された重防食被覆鋼管杭を用い、図
4に示す如く、該重防食被覆鋼管杭の先端の無被覆部分
に、鋼材に対して犠牲防食作用のある金属または合金で
できた補強バンド11を装着し、かつ保護層の下端に鋼
材に対して犠牲防食作用のある金属または合金でできた
保護金具12を装着して軟弱地盤に打ち込んだあと、該
鋼管杭の内面土壌を除去して内部にモルタルを充填する
工法で施工することによって上述の課題が解決できるこ
とを見出し本発明に至った。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の鋼管杭には炭素鋼やステ
ンレス鋼でできた製品を使用するが、炭素鋼でできた鋼
管杭の内面や外面にステンレス鋼やチタン、アルミニウ
ムなどの金属あるいはニッケル−クロム−モリブデンな
どの合金を積層したクラッド鋼管杭、炭素鋼でできた鋼
管杭の内面や外面に亜鉛、アルミニウム、クロムなどの
めっき、亜鉛−鉄、亜鉛−ニッケル、亜鉛−アルミニウ
ムなどの合金めっきを施しためっき鋼管杭なども使用で
きる。さらに、杭をディーゼルハンマー、ドロップハン
マーやバイブロハンマーなどの杭打ち機にセットし易い
ように、杭管端の外面の少なくとも1箇所以上にパッド
を取り付けた鋼管杭など杭打ち施工に必要なアクセサリ
ー類を取り付けたものおよび、鋼管杭の上部にコンクリ
ートフーチングなどのコンクリート構造を接続するため
に杭頭の管端外面に鋼製リングを溶接した鋼管杭、上部
構造の建設を容易にするために予め鋼管杭の杭頭の管端
外面にブラケット類などを取り付けたものなども使用で
きる。
【0007】本発明では、礫が多くかつ腐食性の地盤に
対しては、上述の鋼管杭の代わりに、鋼管杭の外面をポ
リエチレンまたはウレタンエラストマーで被覆した防食
被覆鋼管を素材として用いる。これらの防食被覆鋼管
は、図2に示す如く、鋼管杭1の外面にポリエチレンま
たはウレタンエラストマーの防食層4を有する防食鋼管
杭であるが、鋼管杭1と防食層4の間に接着に必要な接
着剤やプライマーなどが介在されているものなど、一般
のポリエチレン被覆鋼管杭やウレタンエラストマー被覆
鋼管杭などが利用できる。この場合、ポリエチレンやウ
レタンエラストマーの被覆厚みは1mm以上あれば、防食
性は十分である。
【0008】本発明では、鋼管杭、ポリエチレン被覆鋼
管杭やウレタンエラストマー被覆鋼管杭などの防食被覆
鋼管杭の外面に、図1や図2に示す如く、歴青質からな
る粘弾性物質層2を被覆する。歴青質からなる粘弾性物
質としては、一般にスリップレイヤーコンパウンドとし
て販売されている各グレードが利用でき、その膜厚は、
1.5mm以上あれば、地盤沈下の際に発生するネガティ
ブフリクッションの低減効果は十分である。歴青質から
なる粘弾性物質の塗布方法としては、ブラシやへらでし
ごいて塗布する方法やロールで塗布する方法などが使用
できる。
【0009】本発明では、歴青質からなる粘弾性物質層
の外面に、図1や図2に示す如く、長さ4〜100mmに
切断したガラスロービングと任意の色彩に着色されたポ
リエステルまたはウレタンエラストマーのいずれか一方
で構成された混合物からなるガラス繊維強化ポリエステ
ルまたはガラス繊維強化ウレタンエストマーを吹きつけ
塗装して保護層3を積層する。ガラス繊維強化ポリエス
テルまたはガラス繊維強化ウレタンエストマーのスプレ
ー塗装は、ガラスロービングを回転刃で連続的に長さ4
〜100mmに切断して、ポリエステルまたはウレタンエ
ラストマーの樹脂液をスプレー塗装するノズルの霧化流
れに合流させて行う。保護層の構成用件のうち、ガラス
ロービングおよびポリエステルまたはウレタンエラスト
マーのうちのいずれか一つが欠けると、礫混入地盤への
杭打ちの際に、保護層に貫通疵が入る。そして、保護層
中のガラスロービングとポリエステルまたはウレタンエ
ラストマーの合計重量に対するガラス繊維の混入重量が
5〜50重量%であって、かつ保護層の膜厚が1mm以上
あると礫混入地盤への杭打ちの際に、保護層の耐疵性が
飛躍的に向上する。保護層の膜厚の上限は、地盤の礫の
混入量などを勘案して設定する。
【0010】ガラスロービングとしては、一般市販のも
のでガラス繊維の糸状になったものや該糸状の繊維の束
などであれば利用できるが、回転刃で切断したあとの繊
維の長さは4mm以上とする。ガラスロービングを4mm未
満で切断して塗装すると、礫混入地盤への杭打ちの際
に、保護層の耐疵性が不足する。また、ガラスロービン
グの切断長さの上限は、経済性の面から100mm程度と
考えられる。ポリエステルとしては、一般市販の不飽和
ポリエステル樹脂やエポキシアクリレート樹脂とも呼ば
れるビニールエステル樹脂などで液状のものが利用でき
る。また、ウレタンエラストマーとしては、例えば一般
市販のポリオールをイソシアネート系硬化剤で硬化させ
る2液硬化型ウレタンエラストマーなどのポリウレタン
樹脂塗料などで液状のものであれば利用できる。
【0011】本発明の重防食被覆鋼管杭の識別のため
に、被覆を各種の色彩に着色する必要がある場合には、
図1や図2に示す長さ4〜100mmに切断したガラスロ
ービングとポリエステルまたはウレタンエラストマーの
いずれか一方で構成された保護層3を着色することによ
って達成できる。その方法としては、保護層3の構成用
件であるポリエステルまたはウレタンエラストマーに予
め有機や無機の顔料を配合して調色してスプレー塗装す
れば良い。
【0012】本発明の重防食被覆鋼管杭の施工方法は、
つぎの通りである。 (1)礫が多い軟弱地盤には、図1に示す如く、鋼管杭
1の外面に、歴青質からなる粘弾性物質層2および長さ
4〜100mmに切断したガラスロービングと任意の色彩
に着色されたポリエステルまたはウレタンエラストマー
のいずれか一方で構成された保護層3が積層された重防
食被覆鋼管杭を用い、図3に示す如く、該重防食被覆鋼
管杭の先端の無被覆部分に、鋼製の補強バンド5を装着
し、かつ保護層の下端に鋼製の保護金具6を装着して軟
弱地盤に打ち込む工法で施工する。該補強バンド5や保
護金具6は保護層の礫による疵深さを低減する効果があ
る。
【0013】(2)礫が多くかつ腐食性の地盤には、図
2に示す如く、鋼管杭1の外面にポリエチレンまたはウ
レタンエラストマーの防食層4を有する防食鋼管杭の外
面に、歴青質からなる粘弾性物質層および長さ4〜10
0mmに切断したガラスロービングと任意の色彩に着色さ
れたポリエステルまたはウレタンエラストマーのいずれ
か一方で構成された保護層3が積層された重防食被覆鋼
管杭を用い、図4に示す如く、該重防食被覆鋼管杭の先
端の無被覆部分に、鋼材に対して犠牲防食作用のある金
属または合金でできた補強バンド11を装着し、かつ保
護層の下端に鋼材に対して犠牲防食作用のある金属また
は合金でできた保護金具12を装着して地盤に打ち込ん
だあと、該鋼管杭の内面土壌を除去する工法で施工す
る。補強バンド11や保護金具12には、亜鉛、アルミ
ニウムのほか、アルムニウムとマグネシウムの合金、亜
鉛とアルミニウムの合金など鋼に対して犠牲防食作用の
ある金属や合金であれば何でも利用でき、打ち込んだあ
との腐食性土壌による杭本体の無被覆部分の腐食が防止
できる。さらに、杭の内面土壌を除去して内面の鋼と腐
食性土壌の接触を回避すれば、内面の腐食が防止でき
る。軟弱地盤の深さが深く、本発明の重防食鋼管杭を複
数本接続して打ち込む必要がある場合には、図4に示す
如く、溶接接合部にポリエチレンの熱収縮スリーブまた
は熱収縮チューブを用いて被覆し、補修13を行う。
【0014】(3)礫が多く腐食性であってかつ地下水
がわき出す地盤には、図2に示す如く、鋼管杭1の外面
にポリエチレンまたはウレタンエラストマーの防食層4
を有する防食鋼管杭の外面に、歴青質からなる粘弾性物
質層および長さ4〜100mmに切断したガラスロービン
グと任意の色彩に着色されたポリエステルまたはウレタ
ンエラストマーのいずれか一方で構成された保護層3が
積層された重防食被覆鋼管杭を用い、図5に示す如く、
該重防食被覆鋼管杭の先端の無被覆部分に、鋼材に対し
て犠牲防食作用のある金属または合金でできた補強バン
ド11を装着し、かつ保護層の下端に鋼材に対して犠牲
防食作用のある金属または合金でできた保護金具12を
装着して軟弱地盤に打ち込んだあと、該鋼管杭の内面土
壌を除去して内部にモルタルを充填する。この杭内部に
モルタルを充填することによって、内面の鋼と地下水と
の接触を遮断すれば、地下水による腐食も防止できる。
【0015】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳細に説明す
る。図1は本発明の重防食被覆鋼管杭の被覆構成の一例
を示す図面、図2は本発明の重防食被覆鋼管杭の被覆構
成の一例を示す図面、図3は本発明の重防食被覆鋼管杭
の施工の一例を示す図面、図4は本発明の重防食被覆鋼
管杭の施工の一例を示す図面、図5は従来の重防食被覆
鋼管杭の被覆構成を示す図面である。
【0016】〔実施例1〕鋼管杭(外径400A×55
00mm長さ×5.8mm厚み)の外面をブラスト処理し、
スリップレイヤーコンパウンド(Sグレード)を膜厚が
1.5mmになるようにブラシでしごいて塗布し、ポリエ
ステルの樹脂液をスプレー塗装するスプレーノズルの霧
化流れに、ガラスロービングを回転刃で連続的に切断し
て合流させ、吹き付け塗装する方法で保護層を被覆し
た。その際、保護層中のガラスロービングとポリエステ
ルの合計重量に対するガラス繊維の混入量を5重量%、
カットしたガラスロービングの長さを20mmとしたが、
保護層の膜厚を1mm、2.5mm、5mmと10mmに変えて
被覆し、各保護層の膜厚毎に4本ずつ図1の被覆構成の
本発明の重防食被覆鋼管杭を製造した。これらの重防食
被覆鋼管杭を保護層の膜厚別に各4本溶接接合しなが
ら、図3のようにして合計22mの長さ、海岸地帯の礫
が混入した軟弱地盤に打ち込んだ。当該地盤は埋立地で
地表から−3mの深さの埋土の層に多量の礫が投棄され
ていた。杭打ち後、バイブロハンマーで引き抜き、被覆
表面を調査した。その結果、本発明のいずれの膜厚の保
護層でも、保護層の貫通疵の発生はなく、表面に深さ
0.5mm以下のすり疵が見られた程度で、良好な結果が
得られた。本発明の重防食被覆鋼管杭の保護層の膜厚
は、1mm以上あれば良好な結果が得られる。
【0017】比較例として、上記のスリップレイヤーコ
ンパウンド(Sグレード)を膜厚が1.5mmになるよう
にブラシでしごいて塗布した鋼管杭の表面に、保護層と
してポリエチレンまたはウレタンエラストマーを膜厚が
2.5mmになるように被覆し、図5の被覆構成の特開昭
60−223521号公報に該当する従来の重防食被覆
鋼管杭を各4本製造した。これらの重防食被覆鋼管杭を
保護層の種類別に各4本溶接接合しながら合計22mの
長さ、同じ海岸地帯の礫が混入した軟弱地盤に打ち込ん
た。杭打ち後、バイブロハンマーで引き抜き、被覆表面
を調査しだ。その結果、従来の重防食被覆鋼管では保護
層にポリエチレンとウレタンエラストマーを使用したい
ずれの保護層でも、保護層の貫通疵が発生し、その多く
が鋼面にまで達していた。
【0018】〔実施例2〕実施例1と同じ本発明の重防
食被覆鋼管杭の製造工程で、鋼管杭をポリエチレン被覆
鋼管杭およびウレタンエラストマー被覆鋼管杭に変え
て、図2に相当する本発明の重防食被覆鋼管杭を製造し
た。その際、ポリエチレンおよびウレタンエラストマー
の被覆厚みは1mmで、保護層中のガラスロービングとポ
リエステルの合計重量に対するガラス繊維の混入量を5
重量%、カットしたガラスロービングの長さを20mm、
保護層の膜厚を1.5mmとし、各4本ずつ製造した。こ
れらの重防食被覆鋼管杭を各4本ずつ溶接接合しながら
図4のようにして合計22mの長さ、同じ海岸地帯の礫
が混入した軟弱地盤に打ち込んだ。杭打ち後、バイブロ
ハンマーで引き抜き、被覆表面を調査した。その結果、
本発明の重防食被覆鋼管杭は、鋼管杭の代わりにポリエ
チレン被覆鋼管杭やウレタンエラストマー被覆鋼管杭を
使ったいずれの場合でも保護層の貫通疵の発生はなく、
表面に深さ0.5mm以下のすり疵が見られた程度で、良
好な結果が得られた。本発明の重防食被覆鋼管杭の鋼管
杭には、素材としてポリエチレン被覆鋼管杭やウレタン
エラストマー被覆鋼管杭が利用できる。
【0019】〔実施例3〕実施例1の保護層の形成に用
いるポリエステルをウレタンエラストマーに変えて、本
発明の重防食被覆鋼管杭を製造した。これらの重防食被
覆鋼管杭を保護層の膜厚別に各4本溶接接合しながら図
3のようにして合計22mの長さ、海岸地帯の礫が混入
した軟弱地盤に打ち込んだ。地盤は地表からー3mの深
さの埋土の層に多量の礫が投棄されていた。杭打ち後、
バイブロハンマーで引き抜き、被覆表面を調査した。そ
の結果、本発明のいずれの膜厚の保護層でも、保護層の
貫通疵の発生はなく、表面に深さ0.5mm以下のすり疵
が見られた程度で、良好な結果が得られた。本発明の重
防食被覆鋼管杭の保護層の形成にウレタンエラストマー
を用いた場合でも、ポリエステルを用いた場合と同様、
良好な結果が得られ、この場合も保護層の膜厚は1mm以
上あれば良好な結果が得られる。
【0020】〔実施例4〕実施例1と実施例3の保護層
の形成に用いるガラス繊維の混入量を5重量%、20重
量%と50重量%に変えて、本発明の重防食被覆鋼管杭
を製造した。その際、保護層の膜厚は2.5mmとした。
これらの重防食被覆鋼管杭を保護層のガラス繊維の混入
量別に各4本溶接接合しながら図3のようにして合計2
2mの長さ、同じ海岸地帯の礫が混入した軟弱地盤に打
ち込んだ。杭打ち後、バイブロハンマーで引き抜き、被
覆表面を調査した。その結果、いずれの保護層でも、保
護層の貫通疵の発生はなく、表面に深さ0.5mm以下の
すり疵が見られた程度で、良好な結果が得られた。本発
明の重防食被覆鋼管杭の保護層の形成には、ガラス繊維
の混入量を5〜50重量%の範囲で加えれば、打ち込み
時の保護層の貫通疵発生を防止できる。
【0021】〔実施例5〕実施例1と実施例3の保護層
の形成に用いるガラスロービングのカット長さを4mm、
20mmと100mmに変えて、本発明の重防食被覆鋼管杭
を製造した。その際、保護層の膜厚は2.5mmとした。
これらの重防食被覆鋼管杭を保護層のガラスロービング
のカット長さ別に各4本溶接接合しながら図3のように
して合計22mの長さ、同じ海岸地帯の礫が混入した軟
弱地盤に打ち込んだ。杭打ち後、バイブロハンマーで引
き抜き、被覆表面を調査した。その結果、いずれの保護
層でも、保護層の貫通疵の発生はなく、表面に深さ0.
5mm以下のすり疵が見られた程度で、良好な結果が得ら
れた。本発明の重防食被覆鋼管杭の保護層の形成には、
ガラスロービングのカット長さを4〜100mmの範囲と
すれば打ち込み時の保護層の貫通疵発生を防止できる。
【0022】
【発明の効果】本発明の重防食被覆鋼管杭は、鋼管杭の
外面に歴青質からなる粘弾性物質層を介して4〜100
mmの長さに切断されたガラスロービングとポリエステル
またはウレタンエラストマーのいずれか一方で構成され
た保護層を有するので、従来の重防食被覆鋼管杭に比較
して、礫が混入した軟弱地盤に打ち込んでも保護層の貫
通疵が入らず、さらに素材として鋼管杭の代わりにその
表面にポリエチレン被覆やウレタンエラストマー被覆を
施した防食鋼管杭を使用して杭打ちしたのち杭内面の土
壌を除去し、その内部にモルタルを充填する施工を行え
ば腐食性の地盤でも優れた防食性が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重防食被覆鋼管杭の被覆構成の一例を
示す図面である。
【図2】本発明の重防食被覆鋼管杭の被覆構成の一例を
示す図面である。
【図3】本発明の重防食被覆鋼管杭の施工の一例を示す
図面である。
【図4】本発明の重防食被覆鋼管杭の施工の一例を示す
図面である。
【図5】従来の重防食被覆鋼管杭の被覆構成を示す図面
である。
【符号の説明】
1 鋼管杭 2 歴青質からなる粘弾性物質 3 任意の色彩に着色された、長さ4〜100mmに切断
したガラスロービングとポリエステルまたはウレタンエ
ラストマーのいずれか一方で構成された保護層 4 ポリエチレンまたはウレタンエラストマーの被覆 5 鋼管杭の先端の無被覆部分の鋼製補強バンド 6 保護層先端の鋼製保護金具 7 鋼管杭と鋼管杭の溶接接合部分 8 礫の混入した軟弱地盤 9 地盤の支持層 10 地表面 11 鋼管杭の先端の鋼材に対して犠牲防食作用のある
金属または合金でできた無被覆部分の補強バンド 12 鋼管杭の先端の鋼材に対して犠牲防食作用のある
金属または合金でできた無被覆部分の保護金具 13 鋼管杭と鋼管杭の溶接接合部分にポリエチレン収
縮スリーブまたはポリエチレン収縮チューブで補修した
部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 弘隆 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 船津 真一 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管杭の外面に、歴青質からなる粘弾性
    物質層および長さ4〜100mmに切断したガラスロービ
    ングと任意の色彩に着色されたポリエステルまたはウレ
    タンエラストマーのいずれか一方で構成された保護層が
    積層されたことを特徴とする重防食被覆鋼管杭。
  2. 【請求項2】 ポリエチレン被覆鋼管杭またはウレタン
    エラストマー被覆鋼管杭の外面に、歴青質からなる粘弾
    性物質層および長さ4〜100mmに切断したガラスロー
    ビングと任意の色彩に着色されたポリエステルまたはウ
    レタンエラストマーのいずれか一方で構成された保護層
    が積層されたことを特徴とする重防食被覆鋼管杭。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の重防食被覆鋼管杭の先端
    の無被覆部分に、鋼製の補強バンドを装着し、かつ保護
    層の下端に鋼製の保護金具を装着して軟弱地盤に打ち込
    むことを特徴とする重防食被覆鋼管杭の施工方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の重防食被覆鋼管杭の先端
    の無被覆部分に、鋼材に対して犠牲防食作用のある金属
    または合金でできた補強バンドを装着し、かつ保護層の
    下端に鋼材に対して犠牲防食作用のある金属または合金
    でできた保護金具を装着して軟弱地盤に打ち込んだあ
    と、該鋼管杭の内面土壌を除去することを特徴とする重
    防食被覆鋼管杭の施工方法。
  5. 【請求項5】 重防食被覆鋼管杭の内面土壌を除去した
    あと、該鋼管杭の内面にモルタルを充填することを特徴
    とする請求項4記載の重防食被覆鋼管杭の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102644807A (zh) * 2012-04-27 2012-08-22 华创天元实业发展有限责任公司 无缝螺旋波纹中低压输送复合管道及成型方法

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