JPH10277621A - 圧延方法および圧延装置 - Google Patents

圧延方法および圧延装置

Info

Publication number
JPH10277621A
JPH10277621A JP8831397A JP8831397A JPH10277621A JP H10277621 A JPH10277621 A JP H10277621A JP 8831397 A JP8831397 A JP 8831397A JP 8831397 A JP8831397 A JP 8831397A JP H10277621 A JPH10277621 A JP H10277621A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
rolled material
deflector roll
slip
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8831397A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Okada
和憲 岡田
Masayoshi Okamoto
雅好 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP8831397A priority Critical patent/JPH10277621A/ja
Publication of JPH10277621A publication Critical patent/JPH10277621A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)
  • Winding, Rewinding, Material Storage Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延材表面に傷を発生させることなく、デ
フレクターロールと圧延材とのスリップ発生を抑制し、
張力制御などの圧延制御を確実に行うことができる圧延
方法を提供する。 【解決手段】 圧延ロール3の下流側で、圧延材5をデ
フレクターロール7により案内しつつ、テンションリー
ル2に巻き取るとともに、圧延材5の速度に基づき圧延
制御を行うようにした圧延方法および圧延装置におい
て、デフレクターロール7と圧延材5とのスリップ発生
を検出する手段11、12、13を設け、スリップ発生
検出時に、デフレクターロール7により圧延材5の巻き
付け角度を制御し、圧延材のスリップを抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延方法および圧
延装置に関し、特に圧延機の下流側にデフレクターロー
ルを配置して、圧延材をデフレクターロールにより案内
しながら、テンションリールに巻き取るとともに、デフ
レクターロールの回転数から圧延材の速度を求めて圧延
制御を行うようにした、圧延方法および圧延装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】金属板の圧延、例えば冷間圧延において
は、図4に代表的な例を示すように、圧延機1の入側と
出側に各々ペイオフリール4とテンションリール2とが
配置され、ペイオフリール4から巻き出された金属板5
はワークロール3により圧延され、出側のテンションリ
ール4に巻き取られる。この際、ペイオフリール4から
の巻き出しとテンションリール4に巻き取りの案内は、
圧延機1の入側と出側に配置されたデフレクターロール
6、7により行われる。
【0003】このような冷間圧延、特にアルミ板乃至ア
ルミ箔等の板厚が薄く、かつ板厚や形状精度の要求が厳
しい高級軟質材料圧延材の、しかも高効率の高速圧延で
は、板厚や形状の精度を出すために、圧延機の巻き戻し
側(ペイオフリール)、巻き取り側(テンションリー
ル)とも、張力を一定に制御して圧延することが重要で
ある。
【0004】この張力を一定に制御するためには、前記
圧延機出側のデフレクターロールが重要な役割を果た
す。即ち、張力制御に必要なコイル径の算出に、デフレ
クターロールによる圧延材の速度の正確な検出が不可欠
となるためである。
【0005】この点をより具体的に説明する。テンショ
ンリールの張力は次式1の通り、T e =2・T/D(k
g)〔但し、Te ;張力、T;トルク(kg・m)、
D;コイル直径(m)〕で表される。したがって、テン
ションリールの張力を一定に制御するためには、テンシ
ョンリールに巻き取られるコイル径の変化にしたがっ
て、テンションリールのトルクを変化させる必要があ
る。
【0006】このテンションリールのトルク自体は次式
2の通り、T=K1 ・φ・Ia (kg・m)〔但し、K
1 ;定数、φ;界磁磁束(Wb)、Ia ;電機子電流
(A)〕で表されるから、この式2と前記式1とから、
テンションリールの張力は次式3の通り、Te ∝(φ/
D)・Ia で表すことができる。この式3において、電
機子電流は一定に制御されるため、テンションリールの
駆動モーターのφ(界磁磁束)を、コイル径の変化に追
随させれば、テンションリールの張力は一定に制御でき
る。
【0007】一方、前記式1や3の通り、張力制御のた
めには、テンションリールに巻き取られるコイル径Dを
求めることが必要になる。この圧延中刻々変化するコイ
ル径を求める方法として、タッチロール等で直接コイル
に接触して測定する方法がある。しかし、この直接接触
方法では、前記アルミなど軟質圧延材料の場合、圧延材
料表面に傷が発生する等の問題があり実際には採用でき
ない。
【0008】したがって、これに代わるものとして演算
によってコイル径を求める方法がある。この演算方式
は、前記圧延機出側に配置された圧延材案内用の既存の
デフレクターロールを利用し、このデフレクターロール
により検出した圧延材の速度とテンションリールの回転
数とから、テンションリールに巻き取られるコイル径を
算出していくものである。
【0009】より具体的にコイル径の算出方法を説明す
ると、圧延材の速度Vは次式4より、V=N2 ・π・d
2 (m/min)〔N2 ;デフレクターロール回転数
(RPM)、d2 ;デフレクターロール直径(m)〕で
表され、デフレクターロールの回転数を測定することに
より求められる。
【0010】同様に、テンションリールにおける圧延材
の速度Vは次式5より、V=N1 ・π・D(m/mi
n)〔N1 ;テンションリール回転数(RPM)、D;
コイル直径(m)〕で表され、したがって、前記式4よ
り圧延材の速度Vが分かれば、前記式5より求めるコイ
ル径は、D=V/N1 ・π(m)で求めることができ、
結果として前記デフレクターロール回転数から求められ
る圧延材の速度Vと、テンションリール回転数N1 から
算出できる。
【0011】このように、冷間圧延、特にアルミ板乃至
アルミ箔の高級板材の高速冷間圧延では、圧延機出側の
デフレクターロールは、圧延材のガイドという圧延操業
上に必要なだけではなく、コイル径の演算やコイル長さ
の表示、そして特に張力一定制御など、圧延材の板厚や
形状精度を出すための圧延制御のトラッキング上、不可
欠な存在になっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記デフレク
ターロール回転数から圧延材の速度を間接的に演算によ
り求めると、その演算結果に誤差が生じる場合がある。
これは、デフレクターロールと圧延材とがスリップする
場合(デフレクターロールと圧延材との間ですべりが発
生した場合)である。即ち、このスリップが生じると、
定常状態では対応しているデフレクターロール回転数N
2 と、実際の圧延材の速度Vとが対応しなくなり、算出
される圧延材の速度が不正確となって、トラッキングが
ずれ、張力一定制御などの圧延制御自体が不正確になっ
てしまう。
【0013】通常、このスリップは、定常の圧延状態で
は発生することはないが、圧延開始や終了時に、圧延材
の圧延速度を大きく加減速する際、即ち、テンションリ
ールやペイオフリールの張力が大きく変化する際に生じ
やすい。
【0014】このスリップの発生し易さは、デフレクタ
ーロールに巻きつく圧延材の巻き付け角度にも影響を受
け、この巻き付け角度が大きいほど、スリップは発生し
にくい。したがって、前記圧延材の圧延速度を加減速す
る際、このデフレクターロールによる巻き付け角度を大
きくして、スリップを防止することが考えられる。この
手法は、特公平6 −45046 号公報などで具体的に提案さ
れている。同公報では、帯鋼のカローゼル型巻き取り装
置において、デフレクターロールに昇降装置を設けて、
圧延中、テンションリール(巻き取りハウジング)の巻
き胴の上昇に伴い(巻き付け角度の減少に伴い)、この
巻き胴の上昇と同調させて、デフレクターロールを前記
昇降装置により上昇させ、巻き付け角度を一定の範囲に
保持して(巻き付け角度を減少させずに)スリップを防
止する技術が開示されている。
【0015】しかし、同公報は帯鋼の圧延に関するもの
で、同公報が対象とする帯鋼や鋼板のような比較的硬い
圧延材料、或いは圧延材の表面品質が比較的問題となら
ない圧延材料や用途であれば、同公報のように巻き付け
角度を大きくしても何ら問題は生じない。しかしなが
ら、特に高速圧延の場合に、巻き付け角度を大きくする
と、圧延材とデフレクターロールとの接触面積や接触圧
力が大きくなり、また、巻き胴の上昇と同調させて、デ
フレクターロールを昇降させる方式であるため、接触面
積や接触圧力が大きいままでの圧延材とデフレクターロ
ールとの接触時間も長くなる。この結果、圧延材表面に
傷が発生する可能性が大きい。この傷発生の傾向は、特
にアルミ板乃至アルミ箔の軟質材料において顕著であ
り、これら軟質材料や表面性状などの要求が厳しい高級
圧延材料などでは圧延材の品質上大きな問題となる。例
えば、その表面に発生した傷が例え微小なものであって
も、アルミ箔において、あるいはアルミ板でも電子材料
用など用途によっては、圧延材につく傷そのものが品質
保証上問題となる。
【0016】また、スリップの発生し易さは、デフレク
ターロール表面の摩擦抵抗にも影響を受けるため、ロー
ル表面をコーティングや被覆により粗面化して摩擦抵抗
を大きくすることが考えられる。しかし、ロール表面を
粗面化して摩擦抵抗を大きくすると、やはり前記巻き付
け角度を大きくする場合と同様に、圧延材表面に傷が発
生する問題がある。
【0017】したがって、デフレクターロールの側から
の、スリップ発生防止対策には大きな制約がある。また
一方、圧延材の圧延速度を制御して、圧延の始めと終わ
りの加減速を緩やかに行うなど、圧延操業の側からの改
善にも、圧延効率を落とすなどの問題から制約がある。
ゆえに、このスリップ発生防止対策には、今まで有効な
手段が無かったのが実情である。
【0018】本発明は、上記従来の問題点を解消するた
めになされたのもので、圧延材表面に傷が発生するなど
の新たな問題を生じることなく、デフレクターロールと
圧延材とのスリップ発生を抑制し、板厚や形状精度を出
すための張力制御などの圧延制御を確実に行うことがで
きる圧延方法および圧延装置を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、圧延機の下流側に配置された
デフレクターロールにより、圧延材を案内しながらテン
ションリールに巻き取るとともに、前記デフレクターロ
ールで検出した圧延材の速度に基づいて圧延制御を行う
圧延方法において、デフレクターロールと圧延材とのス
リップを検出する手段を設け、該スリップ検出時に、デ
フレクターロールに巻きつく圧延材の巻き付け角度を、
圧延材に傷が発生しない範囲でデフレクターロールによ
り制御し、スリップを抑制する圧延方法と圧延装置と
を、その要旨とする。
【0020】本発明においては、デフレクターロールに
より圧延材に傷が発生しない範囲で圧延材の巻き付け角
度を制御することが必須である。即ち、圧延材に傷が発
生させないためには、デフレクターロールにおける圧延
材の巻き付け角度が大きくなり、圧延材とデフレクター
ロールとの接触面積や接触圧力が大きくなりすぎては不
可であり、その状態が長時間続いても不可である。一
方、スリップ発生を抑制するためには、デフレクターロ
ールにおける圧延材の巻き付け角度を大きくする必要が
あり、結果として圧延材とデフレクターロールとの接触
面積や接触圧力が大きくなる。したがって、この両者の
兼ね合いが問題となる。
【0021】圧延材に傷を発生させず、しかもスリップ
発生を抑制するためには、スリップ発生時のみ、圧延材
の巻き付け角度を大きくする、言い換えると、圧延材の
巻き付け角度を大きくする回数乃至タイミング自体を最
小限に抑える必要がある。そしてまた、圧延材の巻き付
け角度を大きくする場合にも、スリップ発生を抑制する
に足る最少時間、あるいは圧延材とデフレクターロール
との最少接触面積や接触圧力で圧延材の巻き付け角度を
大きくすることが必要である。
【0022】したがって、本発明では、まず、スリップ
発生を迅速に、かつ正確に検出することが必須となる。
この点、スリップの検出自体は、デフレクターロールに
おける圧延材の速度と圧延機ワークロールの回転速度
(圧延速度)とを比較することにより行うことが好まし
い。デフレクターロールにおける圧延材の速度と圧延機
ワークロールの回転速度との比、V/Vm は、定常圧延
状態では常に一定であり、この比の変化を検出すること
により、スリップ発生のタイミングとスリップ量とを迅
速かつ正確に計ることができる。この他のスリップ検出
手段として、非接触式の圧延材の速度検出器を設け、設
定速度との差を比較する方法もあるが、現状では速度検
出器自体が高価であることや応答性乃至信頼性の問題が
ある。
【0023】更に、圧延材に傷を発生させないよう、圧
延材の巻き付け角度を大きくする回数乃至タイミング自
体を最小限に抑えるためには、前記圧延材の巻き付け角
度の制御が、圧延制御に影響するスリップ発生時にのみ
行われることが望ましい。このため、圧延制御に影響す
るスリップのみを検出するか、または検出したスリップ
を評価し、圧延制御に影響するスリップ発生時にのみ圧
延材の巻き付け角度の制御を行うようにすることが望ま
しい。このためには、板厚や寸法制御などの圧延制御に
影響する圧延材のスリップの最少限の量を考慮し、前記
V/Vm の定常範囲量を設定する。言い換えると、本発
明では、圧延材のスリップ発生全てに対応して、圧延材
の巻き付け角度制御を行うのでは無く、圧延制御に影響
するスリップのみに対応するとともに、圧延制御に影響
しないスリップには対応しないようにすることが好まし
い。
【0024】また、前記した通り、圧延材に傷を発生さ
せずにスリップ発生を抑制するためには、デフレクター
ロールにより圧延材の巻き付け角度を、迅速にかつ最小
限に制御することが必要である。このためには、デフレ
クターロールに、ジャッキ等の昇降装置を設けて上下に
昇降させる手段が好ましい。
【0025】図2(a)に、このスリップ抑制機構の原
理を示す。図2(a)において、圧延材5が、デフレク
ターロール7を回す摩擦力fは、圧延材とデフレクター
ロール間の摩擦係数μとラジアル力Fとの積で表される
(f=μF)。このラジアル力Fは、圧延材の張力Tと
圧延材の巻き付け角度αからF=2Tsin1/2αで
表され、圧延材の巻き付け角度αが大きくなると、圧延
材5がデフレクターロール7を回す摩擦力fが大きくな
って、圧延材のスリップが抑制される。
【0026】このように、圧延材の巻き付け角度を制御
するためには、基本的に、デフレクターロールとテンシ
ョンリールとの相対的な位置を変えることにより制御可
能である。このため、他の方法として、例えば、テンシ
ョンリール側を昇降乃至移動させる方法が考えられる。
しかし、この方法では、コイルを含めたテンションリー
ルを昇降乃至移動させるために、大きな昇降乃至移動装
置を必要とするとともに、圧延材の巻き付け角度を、迅
速にかつ最小限に制御するための応答性が低いという問
題があり、実用的ではない。
【0027】また、デフレクターロールに移動装置を設
けて水平方向に移動させる等の手段もあり、前記テンシ
ョンリールを昇降乃至移動させる手段よりも、小規模の
機械的手段で済み、応答性も良い。しかし、前記デフレ
クターロールに昇降装置を設けて上下に昇降させる手段
に比べると、圧延設備のスペース上の制約や設備改善コ
スト上の制約がある。
【0028】なお、以上述べた、スリップ発生を迅速に
かつ正確に検出し、デフレクターロールにより圧延材の
巻き付け角度を、スリップ発生時のみ、しかも圧延材に
傷を発生させないように迅速にかつ最小限に制御する点
が、本発明と前記特公平6 −45046 号公報などとの最大
の相違点であり、これらの従来技術には、これら本発明
の技術思想が無いため、圧延材の傷付きを防止できな
い。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る圧延方法およ
び圧延装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は本発明に用いる冷間圧延設備の構成配置および作
動の1実施例を示す概要図である。
【0030】図1に示す本実施例の冷間圧延設備は、シ
ングルスタンドの冷間圧延機3の出側に、デフレクター
ロール7、テンションリール2を順次配している。デフ
レクターロール7には、デフレクターロールの回転数を
カウントするパルスジェネレーター11が設けられてい
る。またテンションリール8には、テンションリールの
駆動モーター9の回転数をカウントするパルスジェネレ
ーター10が設けられている。
【0031】また、パルスジェネレーター11からデフ
レクターロール7の回転数信号およびパルスジェネレー
ター10からテンションリール2の回転数信号を受け
て、コイル8の径を演算し、張力制御に必要なコイル8
の径やコイル長さを算出する演算器12が設けられてい
る。また、演算器12は、デフレクターロールにおける
圧延材の速度と、圧延機のワークロール3に設けられた
パルスジェネレーター13からのワークール3の回転数
信号に基づく、ワークロールの回転速度(圧延速度)と
を比較することにより、スリップが発生したか否かの検
出を行う。そして、スリップを検出した場合に、デフレ
クターロール7を、図2(b)に示す昇降装置14によ
り上昇させ、圧延材5のデフレクターロール7への侵入
方向と、圧延材5のテンションリール2への巻き取り方
向とのなす角度θを、θ1 からθ2へと大きくして、圧
延材5のデフレクターロール7への圧延材の前記図2
(a)の巻き付け角度αを変化させ(巻き付け角度αを
大きくして)、スリップを抑制させる機能を有する。
【0032】また、図2(b)の例で示すデフレクター
ロール7の昇降装置14は、デフレクターロール7の軸
受け15に設けた電動または油圧式のジャッキであり、
このジャッキの駆動により、軸受け15(デフレクター
ロール7)を、図示しないガイドに沿って、徐々に上昇
乃至下降させる。また、前記パルスジェネレーター1
0、11、13は、例えば、600pulse/rotationの仕
様であれば、1回転当たり600パルスの信号が出力さ
れる一般的なセンサーである。したがって、時間内のパ
ルスをカウントすることにより、回転数を計ることがで
きる。
【0033】前記演算器12の演算手順について、フロ
ーチャート図3を用いて、以下に説明する。即ち、まず
図3のステップ1(図3の)において、圧延材の速度
を求める。圧延材の速度Vは、前記式5より、V=N2
・π・d2 (m/min)〔N2 ;デフレクターロール
回転数(RPM)、d2 ;デフレクターロール直径
(m)〕で表され、デフレクターロールの回転数を測定
することにより求めることができる。
【0034】次に、ステップ2(図3の)において、
圧延機のワークロールの回転速度から、圧延速度Vm
求め、デフレクターロールにおける圧延材の速度Vと比
較する。Vm は、次式6より、Vm =Nm ・π・d
m (m/min)〔Nm ;ワークロール回転数(RP
M)、dm ;ワークロール直径(m)〕と求められる。
このVm とデフレクターロールにおける圧延材の速度V
とを比較して、V/Vm が、定常圧延状態の一定(設
定)の範囲内にあるかどうかを検出し、設定範囲から逸
脱した程度により、スリップ発生のタイミングとスリッ
プ量とを計る。
【0035】V/Vm が、定常圧延状態の一定(設定)
の範囲内にある場合には、ステップ1に戻り、ステップ
1からステップ2への演算処理を繰り返す。そして、V
/V m が、設定範囲よりずれた場合にはスリップ発生と
して、ステップ3に移る。
【0036】ステップ3(図3の)においては、スリ
ップ発生のタイミングとスリップ量とに応じて、デフレ
クターロール7を、図2(b)に示す昇降装置(ジャッ
キ)14により上昇させ、圧延材の巻き付け角度をθ1
からθ2 へと大きくして、スリップを抑制する。この
際、前記した圧延材の傷付きの問題から、圧延材の巻き
付け角度を大きくする量(デフレクターロール7の昇降
量)を最小限とし、またその制御時間も最少時間とす
る。この点、予め圧延材の傷付きの点から、圧延材料特
性や圧延条件に応じて、巻き付け角度変更量(デフレク
ターロール7の昇降量)と変更時間の上限を設定してお
き、この範囲内で、圧延材の巻き付け角度を制御するこ
とが好ましい。
【0037】次にステップ4(図3の)において、圧
延停止(非常停止や圧延作業の終了時)の場合には、演
算処理を終了するとともに、それ以外の場合は、再びス
テップ1に戻って、スリップが抑制されたか否かを、ス
テップ1から順に繰り返し演算処理していく。
【0038】本発明は、冷間圧延、特にアルミ板乃至ア
ルミ箔等の板厚が薄く、かつ板厚や形状精度の要求が厳
しい高級圧延材の、しかも高効率の高速圧延に適用され
て好適である。しかし、圧延機の下流側に、デフレクタ
ーロールとテンションリールとを順次配置した圧延機で
あれば、熱間圧延機であっても、また圧延機がシングル
乃至タンデムあるいはリバース式乃至非リバース式であ
っても、本発明の課題がある圧延であれば、適用可能で
ある。更に圧延対象も、前記アルミ板乃至アルミ箔以外
にも、鋼やSUSあるいは銅、チタンなど他の金属のの
板や箔の圧延にも適用可能である。
【0039】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る圧延
方法および圧延装置によれば、圧延材表面に傷が発生す
るなどの新たな問題を生じることなく、デフレクターロ
ールと圧延材とのスリップ発生を抑制し、板厚や形状精
度を出すための張力制御などの圧延制御を確実に行うこ
とができる。したがって、高速圧延におけるアルミ板乃
至アルミ箔等の板厚が薄く、かつ板厚や形状精度の要求
が厳しい高級圧延材の圧延効率を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す概要図である。
【図2】図2(a)は本発明における圧延材のスリップ
抑制原理を示し、図2(b)は圧延材のスリップ抑制の
ためのデフレクターロールの動作機構を示す概要図であ
る。
【図3】本発明における圧延制御の一態様を示すフロー
チャート図である。
【図4】従来の冷間圧延機の構成を示す概要図である。
【符号の説明】
1--圧延機 2--テンションリール 3--ロール 4--ペイオフリール 5--圧延材 6、7--デフレクター
ロール 8--コイル 9--モーター 10、11、13--PLG 12--- 演算器 14--ジャッキ 15--軸受け

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延機の下流側に配置されたデフレクタ
    ーロールにより、圧延材を案内しながらテンションリー
    ルに巻き取るとともに、前記デフレクターロールで検出
    した圧延材の速度に基づいて圧延制御を行う圧延方法に
    おいて、デフレクターロールと圧延材とのスリップを検
    出する手段を設け、該スリップ検出時に、デフレクター
    ロールに巻きつく圧延材の巻き付け角度を、圧延材に傷
    が発生しない範囲でデフレクターロールにより制御し、
    スリップを抑制することを特徴とする圧延方法。
  2. 【請求項2】 前記スリップの検出を、デフレクターロ
    ールにおける圧延材の速度と圧延機ワークロールの回転
    速度とを比較することにより行う請求項1に記載の圧延
    方法。
  3. 【請求項3】 前記圧延材の巻き付け角度の制御が、圧
    延制御に影響するスリップ発生時にのみ行われるもので
    ある請求項1または2に記載の圧延方法。
  4. 【請求項4】 前記デフレクターロールに昇降装置を設
    け、デフレクターロールの昇降により圧延材の巻き付け
    角度を制御する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    圧延方法。
  5. 【請求項5】 前記圧延制御が、張力一定制御による圧
    延材の板厚制御を含む請求項1乃至4のいずれか1項に
    記載の圧延方法。
  6. 【請求項6】 前記圧延機がアルミ板またはアルミ箔の
    冷間圧延用である請求項1乃至5のいずれか1項に記載
    の圧延方法。
  7. 【請求項7】 圧延機の下流側にデフレクターロールお
    よびテンションリールを配置し、圧延材をデフレクター
    ロールにより案内しながらテンションリールに巻き取る
    とともに、デフレクターロールで検出した圧延材の速度
    に基づいて圧延制御を行う手段を設けた圧延装置におい
    て、デフレクターロールと圧延材とのスリップを検出す
    る手段を設け、該スリップ検出時に、デフレクターロー
    ルに巻きつく圧延材の巻き付け角度をデフレクターロー
    ルにより制御する手段を設け、スリップを抑制すること
    を特徴とする圧延装置。
JP8831397A 1997-04-07 1997-04-07 圧延方法および圧延装置 Pending JPH10277621A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8831397A JPH10277621A (ja) 1997-04-07 1997-04-07 圧延方法および圧延装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8831397A JPH10277621A (ja) 1997-04-07 1997-04-07 圧延方法および圧延装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10277621A true JPH10277621A (ja) 1998-10-20

Family

ID=13939453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8831397A Pending JPH10277621A (ja) 1997-04-07 1997-04-07 圧延方法および圧延装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10277621A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5839053B2 (ja) 圧延装置およびその制御方法
JP2010240731A (ja) 圧延装置およびその制御方法
JPH10277621A (ja) 圧延方法および圧延装置
JP2776245B2 (ja) ストリップのスリップ防止方法
JP7020445B2 (ja) 巻取装置の尾端停止位置制御方法、尾端停止位置制御装置及び巻取装置
JP3313313B2 (ja) 金属帯コイルの巻き取りまたは払い出し方法および装置
JP6828625B2 (ja) ストリップの蛇行防止方法及びストリップの蛇行防止装置
JP5298711B2 (ja) 金属帯巻取り張力の低下検出方法および装置
JPH09300019A (ja) 板圧延における巻戻し側コイル板残長の検出方法
JP2594928B2 (ja) ストリツプコイルの層間スリツプ検出方法
JP2759055B2 (ja) ペイオフリールの自動減速制御方法
JP3845352B2 (ja) 金属帯の蛇行矯正巻取方法および金属帯の蛇行矯正巻取装置
JP2710105B2 (ja) 巻取リールに巻着された圧延箔の形状測定方法およびその測定装置
JP2012045627A (ja) 圧延装置の制御方法
JPS6117324A (ja) ホツトストリツプミル巻取設備のテレスコ−プ防止装置
JPH11277135A (ja) コイル払い出し方法および装置
JPH11277205A (ja) 連続鋳造装置のガイドロール回転検出装置
JP2559809B2 (ja) 巻取リールに巻着された圧延箔等の形状測定方法
JPH07100522A (ja) 熱延ランアウトテーブル高速通板装置及び高速通板方法
JPH08155543A (ja) コイル内捲部の共ずれ疵認識方法
KR100779675B1 (ko) 냉연강판 코일 권취상태 판정 방법 및 장치
JPH0212647B2 (ja)
KR20010061664A (ko) 강판의 후단부 권취제어장치 및 그 제어방법
JPH09276917A (ja) 圧延機の運転制御装置
JP5452576B2 (ja) 圧延装置およびその制御方法