JPH1027729A - コンデンサの製造方法 - Google Patents

コンデンサの製造方法

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JPH1027729A
JPH1027729A JP18042996A JP18042996A JPH1027729A JP H1027729 A JPH1027729 A JP H1027729A JP 18042996 A JP18042996 A JP 18042996A JP 18042996 A JP18042996 A JP 18042996A JP H1027729 A JPH1027729 A JP H1027729A
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JP
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thin film
dielectric thin
capacitor
electrode
polyimide
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JP18042996A
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English (en)
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Toshiharu Saito
俊晴 斎藤
Sachiko Maeda
幸子 前田
Motoi Kitano
基 北野
Junichiro Umeda
純一郎 梅田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏れ電流が小さく、耐圧が高く、なおかつ信
頼性の高い小型・大容量のコンデンサの製造方法を提供
する。 【解決手段】 粗面化した電極1表面上に気相中で高分
子誘電体薄膜2を形成した後、高分子誘電体薄膜2表面
上に対極3,5,6を形成する。このように、粗面化し
た電極1表面上に気相中で高分子誘電体薄膜2を形成す
るので、純度の高い目的組成物を電極1表面上に形成す
るのに好都合であり、かつ電極1の酸化防止にも有効で
ある。その結果、漏れ電流が小さく、耐圧が高く、無極
性で、高周波特性の優れた信頼性の高い小型・大容量コ
ンデンサを製造できる。また、高分子誘電体薄膜2はス
パッタリング法により形成するか、あるいはスパッタリ
ング法により高分子誘電体薄膜2を形成した後、電着法
で高分子誘電体薄膜7を形成することにより、さらに特
性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気機器、電子
機器、音響機器の電子回路などに用いるコンデンサの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、機器の小型化、薄型化、軽量化、
および電気機器回路の高密度化、デジタル化に伴い、電
子部品に対する小型化、高性能化、高信頼性化の要望が
ますます高まってきている。そのような情勢の中で、コ
ンデンサも同様に小型で大容量を有し、かつ高周波領域
でのインピーダンスが低いものが要求されている。
【0003】高周波領域でインピーダンスが低いコンデ
ンサには、種々のセラミックスや有機フィルムを誘電体
としたセラミックコンデンサやフィルムコンデンサなど
があるが、高い静電容量を得るためには、形状が大きく
なり、価格も高くなるため実用化するのは困難であっ
た。一方、アルミニウムやタンタルの酸化被膜を誘電体
とした電解コンデンサは、比較的小型で大容量を有する
が、高周波領域におけるインピーダンスや誘電特性が前
記のセラミックコンデンサやフィルムコンデンサに比べ
て劣るという欠点がある。そこで、高周波特性を改善す
るために、電解コンデンサの電解液部分をそれよりも導
電性の高い二酸化マンガンやポリピロールなどに置き換
えた固体型の電解コンデンサが開発されている。
【0004】さらに、エッチドアルミニウム箔表面上に
誘電体層としてアルミニウムの酸化被膜ではなく、電着
法によりポリイミド薄膜を形成させ、前記薄膜表面上に
対極として導電性高分子のポリピロールを付着させた新
しいタイプの小型で大容量を有するフィルムコンデンサ
の製造方法が提案されている(例えば、特開平4−87
312号公報)。
【0005】図5に、提案されたコンデンサの断面図を
示す。このコンデンサは、エッチドアルミニウム箔1
に、電着法によりポリイミド薄膜7が形成され、その表
面上に対極となるポリピロール8および導電材料(コロ
イダルカーボンまたは銀ペースト)9が積層された構造
を有している。このコンデンサは、電極表面積が大き
く、誘電体膜厚が従来のフィルムコンデンサよりも薄く
できることから、比較的小型で大容量を有している。さ
らに、有機誘電体薄膜の諸特性および対極である導電性
高分子の高い導電率が反映して、高周波において低いイ
ンピーダンスを示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電着法は、複雑な形状をした導電体に追従して膜を
形成する方法としては適しているが、湿式法であるた
め、形成された高分子薄膜中には、不純物が混入する可
能性が高い。さらに、高分子構造中にカルボキシル基を
有するポリアミック酸やポリアクリル酸などのアニオン
性の高分子を含む溶液を用いて陽極で電着を行う場合
は、エッチドアルミニウム箔自身の酸化を防ぐことが困
難で、酸化アルミニウムや水酸化アルミニウムが膜中に
混入したり、膜の下にそれらの層が形成されやすかっ
た。
【0007】そのために、電着法によって形成した高分
子薄膜を誘電体にしてコンデンサを構成した場合は、膜
中の不純物の影響や、誘電体膜と下地の酸化アルミニウ
ムや水酸化アルミニウム層との界面の影響で漏れ電流が
大きく、耐圧も低かった。また、これらのアニオン性の
電着溶液には、アミン類などの塩基性の物質を加えてい
るため、エッチドアルミニウム箔表面に水酸化アルミニ
ウム層が形成されやすく、これらの水酸化物層が空気中
の水分と水素結合を形成しやすかった。そのために、非
常に吸湿性が高く、電気的にも不安定であり、劣化しや
すかった。
【0008】したがって、この発明の目的は、上記従来
の問題点を解決するもので、電着法のみで形成した誘電
体で構成された従来のコンデンサよりも漏れ電流が小さ
く、耐圧が高く、なおかつ信頼性の高い小型・大容量の
コンデンサの製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のコンデン
サの製造方法は、粗面化した電極表面上に気相中で高分
子誘電体薄膜を形成した後、高分子誘電体薄膜表面上に
対極を形成することを特徴とするものである。このよう
に、粗面化した電極表面上に気相中で高分子誘電体薄膜
を形成するので、純度の高い目的組成物を電極表面上に
形成するのに好都合であり、かつ電極の酸化防止にも有
効である。その結果、漏れ電流が小さく、耐圧が高く、
無極性で、高周波特性の優れた信頼性の高い小型・大容
量コンデンサを製造できる。
【0010】請求項2記載のコンデンサの製造方法は、
請求項1において、高分子誘電体薄膜をスパッタリング
法で形成するものである。このように、スパッタリング
法により形成される高分子誘電体薄膜は純度が高く、か
つ電極を酸化させる恐れがない。この場合、スパッタリ
ング装置の陽極側に電極をセットし、陰極にターゲット
となる高分子誘電体薄膜を設置する。放電を行いプラズ
マ中の正イオンがターゲット表面に衝突し、ターゲット
原子がはじき出されて電極表面上に高分子誘電体薄膜を
形成することができる。
【0011】請求項3記載のコンデンサの製造方法は、
請求項1において、高分子誘電体薄膜の形成に用いるス
パッタリング装置の陰極と陽極間にバイアス電圧をかけ
るものである。このように、高分子誘電体薄膜の形成に
用いるスパッタリング装置の陰極と陽極間にバイアス電
圧をかけるので、電極表面に対する高分子誘電体薄膜の
被覆率が向上するとともに、膜面の平坦化効果が改善さ
れ、さらに良好な特性のコンデンサを製造できる。
【0012】請求項4記載のコンデンサの製造方法は、
粗面化した電極表面上にスパッタリング法で高分子誘電
体薄膜を形成し、さらにその表面上に電着法で高分子誘
電体薄膜を形成した後、高分子誘電体薄膜表面上に対極
を形成することを特徴とするものである。このように、
粗面化した電極表面上にスパッタリング法で高分子誘電
体薄膜を形成し、さらにその表面上に電着法で高分子誘
電体薄膜を形成するので、スパッタリング法のみでは高
分子誘電体薄膜を堆積できなかった欠落部分や、その工
程において生じた膜厚の不均一部分を電着法により補修
することができる。その結果、請求項1よりも欠陥や膜
厚の不均一部分の少ない高分子誘電体薄膜を形成するこ
とができ、漏れ電流、誘電損失、耐圧の点で優れた効果
を得ることができる。
【0013】請求項5記載のコンデンサの製造方法は、
請求項1または4において、高分子誘電体薄膜にポリイ
ミドを用いるものである。このように、高分子誘電体薄
膜にポリイミドを用いたので、ポリイミドは樹脂のなか
でも耐熱性が高く、ポリイミドの前駆体であるボリアミ
ック酸塩溶液を用いて電着した後、熱処理して脱水縮合
すれば得ることができることから、例えば請求項4にお
いてはこのような高分子を予めスパッタリング法で電極
に形成しておけば、電着法によって同種のもので欠陥部
を補修することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施の形態のコ
ンデンサの製造方法を図1および図2に基づいて説明す
る。図1はこの実施の形態のコンデンサの製造方法を表
すフローチャート、図2はこの実施の形態の製造方法に
より製造したコンデンサの断面図である。
【0015】まず、目的とするコンデンサの構成を図2
を用いて以下に詳細に説明する。図中の1はエッチング
した細孔の平均孔径が2μmで、表面積が約30倍に粗
面化されたエッチドアルミニウム箔電極である。この電
極1の表面形状に追従させて高分子誘電体であるポリイ
ミド誘電体薄膜2がスパッタリング法により形成してあ
る。また、エッチドアルミニウム箔電極1の対極は、導
電性高分子のポリピロール層3,5と集電するために付
着させた集電体6とで構成されている。ポリピロール層
3はポリイミド誘電体薄膜2の表面上に化学重合により
形成され、この化学重合層を前駆層として電解重合を行
ってポリピロール層5が形成される。集電体6はコロイ
ダルカーボンや銀塗料等の導電材料からなる。4は電極
間を絶縁するために付着させたエポキシ樹脂である。そ
して、この図で示した2つの電極にリード線を設けて、
エポキシ樹脂で外装すれば、この実施の形態の目的のコ
ンデンサの構成となる。
【0016】つぎに、上記構成のコンデンサの製造方法
を図1のフローチャートを用いて以下に詳細に説明す
る。まず、ステップ1の工程を説明する。最初に、20
×10mmの大きさに切断したエッチドアルミニウム箔
電極1の上端10×10mmの部分を、コンデンサ完成
時の電極とするためにマスクをかけて、マグネトロンス
パッタリング装置の陽極側にセットし、陰極にはターゲ
ットとなるポリイミドフィルムを設置する。その後、ス
パッタリング装置の真空槽内を1×10-1Torrのア
ルゴン雰囲気に保って、電極間に2kVのバイアス電圧
をかけながら、スバッタリング装置を30分間作動させ
ることにより、エッチドアルミニウム箔電極1に、厚さ
約0.1μmのポリイミド誘電体薄膜2を形成させた。
このとき、プラズマ中の正イオンがターゲット表面に衝
突してターゲット原子がはじき出されて電極1表面上に
ポリイミド誘電体薄膜2が形成される。これをコンデン
サ用素子とした。
【0017】つぎに、ステップ2で、その素子を1.0
mol/lのピロールのエタノール溶液と1.0mol
/lの過硫酸アンモニウム水溶液に交互に2分間ずつ浸
漬する操作を3回繰り返してポリピロールの化学酸化重
合膜であるポリピロール層3を形成させた。なお、この
操作の際に、ポリイミド薄膜2が形成されていない電極
箔の残りの部分にピロールが形成されてしまうと、コン
デンサとした場合にショートする危険性があるので、あ
らかじめその危険性があるような箔の中央部分(下端か
ら約10〜15mm部分)にエポキシ樹脂4などを塗布
して絶縁化した後に、化学酸化重合を行った。
【0018】つぎに、ステップ3で、このポリピロール
層3が形成された素子を、ピロール1部、支持電解質と
して40wt%ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム
水溶液1部、蒸留水40部を混合した溶液に浸漬して陽
極とし、円筒形のステンレス容器を陰極として、両者の
電極間に電流密度1mA/cm-2の一定電流で30分間
電解重合してポリピロール層5を形成した。
【0019】つぎに、ステップ4で、この素子をコロイ
ダルカーボンや銀ペーストなどの導電材料を塗布するこ
とにより集電体6を形成する。これにより、集電体6に
より集電されたポリピロール層3,5からなる対向電極
を形成させる。そして、最後にステップ5において、両
電極にリード線を設けて、エポキシ樹脂で外装すること
により第1の実施の形態のコンデンサが完成する。
【0020】この実施の形態によれば、粗面化したエッ
チドアルミニウム箔電極1表面上に気相中でポリイミド
誘電体薄膜2を形成するので、純度の高い目的組成物を
電極1表面上に形成するのに好都合であり、かつ電極1
の酸化防止にも有効である。その結果、漏れ電流が小さ
く、耐圧が高く、無極性で、高周波特性の優れた信頼性
の高い小型・大容量コンデンサを製造できる。また、ス
パッタリング法により形成されるポリイミド誘電体薄膜
2は純度が高く、かつ電極1を酸化させる恐れがない。
【0021】さらに、ポリイミド誘電体薄膜2の形成に
用いるスパッタリング装置の陰極と陽極間にバイアス電
圧をかけるので、電極1表面に対するポリイミド誘電体
薄膜2の被覆率が向上するとともに、膜面の平坦化効果
が改善され、さらに良好な特性のコンデンサを製造でき
る。なお、スパッタリングの際にバイアス電圧を印加し
なかった場合、ポリイミド薄膜2のエッチドアルミニウ
ム箔電極1に対する被覆率が低下してコンデンサの特性
に影響を与える。
【0022】この発明の第2の実施の形態のコンデンサ
の製造方法を図3および図4に基づいて説明する。図3
はこの実施の形態のコンデンサの製造方法を表すフロー
チャートである。この実施の形態では、第1の実施の形
態において、ステップ1を行った後、ステップ2の前に
ステップ1aの電着およびステップ1bの乾燥・熱処理
を行うことにより、第1の実施の形態で製造したコンデ
ンサより欠陥や膜厚の不均一部分の少ないポリイミド誘
電体薄膜を形成することを目的としている。以下に、ス
テップ1aおよびステップ1bで行った工程を詳しく説
明する。
【0023】まず、ステップ1a工程において、ポリア
ミック酸7wt%のN−メチルピロリドン溶液1部と
N,N' −ジメチルホルムアミド40部とメタノール8
0部とトリエチルアミン0.05部を、30分間、40
〜50℃で混合・攪拌したものを電着用ポリアミック酸
溶液とする。つぎに、前記電着溶液を、直径10cm、
高さ10cmの円筒形ステンレス製容器に入れ、その容
器を陰極とし、ステップ1で製造した素子を溶液中に浸
漬し陽極として、80Vという電圧で1分間電圧を印加
して電着を行って、図4に示すように、ポリイミド誘電
体薄膜2の欠陥や膜厚の不均一部分にポリイミド誘電体
薄膜7を形成する。
【0024】なお、ここでいうポリアミック酸とは、ジ
アミン類とテトラカルボン酸無水物を等モルずつN−メ
チルピロリドン中に溶解させて、室温で5〜8時間攪拌
させることにより合成することが可能である。つぎに、
ステップ1b工程において、ステップ1a工程を終えた
素子を、80℃で30分間乾燥させた後、250〜30
0℃で熱処理することにより、ポリアミック酸を脱水縮
合させてイミド化して、エッチドアルミニウム箔電極1
の形状に追従し、なおかつ厚みの均一なポリイミド誘電
体薄膜2を形成する。
【0025】ここで説明したステップ1a,1b以外の
ステップ1〜5の工程は第1の実施の形態と同様な方法
で第2の実施の形態のコンデンサを製造する。この実施
の形態によれば、粗面化したエッチドアルミニウム箔電
極1表面上にスパッタリング法でポリイミド誘電体薄膜
2を形成し、さらにその表面上に電着法でポリイミド誘
電体薄膜7を形成するので、スパッタリング法のみでは
ポリイミド誘電体薄膜2を堆積できなかった欠落部分
や、その工程において生じた膜厚の不均一部分を電着法
により補修することができる。その結果、第1の実施の
形態よりも欠陥や膜厚の不均一部分の少ないポリイミド
誘電体薄膜を形成することができ、漏れ電流、誘電損
失、耐圧の点で優れた効果を得ることができる。
【0026】また、高分子誘電体としては、ポリイミド
のようにスパッタリング法と電着法で同組成の薄膜を形
成できる材料を選択することが望ましい。すなわち、ポ
リイミドは樹脂のなかでも耐熱性が高く、上記のように
ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸塩溶液を用い
て電着した後、熱処理して脱水縮合すれば得ることが可
能である。このような高分子をスパッタリング法で予め
粗面化された電極1に形成しておけば、電着法によって
同種のもので欠陥部を補修することができる。
【0027】表1は第1の実施の形態と第2の実施の形
態で得られたコンデンサの特性を比較例と比較したもの
である。ここで、比較例は、第2の実施の形態で用いた
電着溶液を用いて、エッチドアルミニウム箔電極1の表
面に電着法のみで、ポリイミド薄膜を形成させたこと以
外は第1の実施の形態と同様な方法でコンデンサを製造
した。この際の電着電圧は、10Vから10Vずつ段階
的に10分おきに上昇させて、最終電圧80Vとした。
このような、印加電圧プログラムで薄膜を形成させる
と、第1および第2の実施の形態とほぼ同じ容量のコン
デンサとなった。
【0028】表1から明らかなように、第1および第2
の実施の形態によるコンデンサは、誘電損失(tan
δ)、漏れ電流、耐圧の点で比較例で示す電着法のみで
製造したポリイミド誘電体を有するコンデンサよりも優
れた効果が得られる。なお、比較例のコンデンサは、電
着膜に不純物や下地に水酸化アルミニウムが生成してい
たために、第1および第2のコンデンサよりも漏れ電流
や、誘電損失が大きく、耐圧が低かった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】この発明の請求項1記載のコンデンサの
製造方法によれば、粗面化した電極表面上に気相中で高
分子誘電体薄膜を形成するので、純度の高い目的組成物
を電極表面上に形成するのに好都合であり、かつ電極の
酸化防止にも有効である。その結果、漏れ電流が小さ
く、耐圧が高く、無極性で、高周波特性の優れた信頼性
の高い小型・大容量コンデンサを製造できる。
【0031】請求項2では、スパッタリング法により形
成される高分子誘電体薄膜は純度が高く、かつ電極を酸
化させる恐れがない。この場合、スパッタリング装置の
陽極側に電極をセットし、陰極にターゲットとなる高分
子誘電体薄膜を設置する。放電を行いプラズマ中の正イ
オンがターゲット表面に衝突し、ターゲット原子がはじ
き出されて電極表面上に高分子誘電体薄膜を形成するこ
とができる。
【0032】請求項3では、高分子誘電体薄膜の形成に
用いるスパッタリング装置の陰極と陽極間にバイアス電
圧をかけるので、電極表面に対する高分子誘電体薄膜の
被覆率が向上するとともに、膜面の平坦化効果が改善さ
れ、さらに良好な特性のコンデンサを製造できる。この
発明の請求項4記載のコンデンサの製造方法によれば、
粗面化した電極表面上にスパッタリング法で高分子誘電
体薄膜を形成し、さらにその表面上に電着法で高分子誘
電体薄膜を形成するので、スパッタリング法のみでは高
分子誘電体薄膜を堆積できなかった欠落部分や、その工
程において生じた膜厚の不均一部分を電着法により補修
することができる。その結果、請求項1よりも欠陥や膜
厚の不均一部分の少ない高分子誘電体薄膜を形成するこ
とができ、漏れ電流、誘電損失、耐圧の点で優れた効果
を得ることができる。
【0033】請求項5では、高分子誘電体薄膜にポリイ
ミドを用いたので、ポリイミドは樹脂のなかでも耐熱性
が高く、ポリイミドの前駆体であるボリアミック酸塩溶
液を用いて電着した後、熱処理して脱水縮合すれば得る
ことができることから、例えば請求項4においてはこの
ような高分子を予めスパッタリング法で電極に形成して
おけば、電着法によって同種のもので欠陥部を補修する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態のコンデンサの製
造方法を示すフローチャート図。
【図2】この発明の第1の実施の形態で製造したコンデ
ンサの断面図。
【図3】この発明の第2の実施の形態のコンデンサの製
造方法を示すフローチャート図。
【図4】第2の実施の形態において電着法でポリイミド
誘電体薄膜を形成した状態の模式図。
【図5】比較例の電着法によって形成したポリイミド誘
電体薄膜を有するコンデンサの断面図。
【符号の説明】
1 エッチドアルミニウム箔電極 2 スパッタリング法で形成されたポリイミド誘電体
薄膜 3 化学酸化重合によるポリピロール層(対極) 4 エポキシ樹脂 5 電解重合によるポリピロール層(対極) 6 コロイダルカーボン、銀ペースト(集電体) 7 電着法で形成したポリイミド誘電体薄膜 8 ポリピロール(対極) 9 導電材料(集電体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 純一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化した電極表面上に気相中で高分子
    誘電体薄膜を形成した後、前記高分子誘電体薄膜表面上
    に対極を形成することを特徴とするコンデンサの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 高分子誘電体薄膜をスパッタリング法で
    形成する請求項1記載のコンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 高分子誘電体薄膜の形成に用いるスパッ
    タリング装置の陰極と陽極間にバイアス電圧をかける請
    求項2記載のコンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 粗面化した電極表面上にスパッタリング
    法で高分子誘電体薄膜を形成し、さらにその表面上に電
    着法で高分子誘電体薄膜を形成した後、前記高分子誘電
    体薄膜表面上に対極を形成することを特徴とするコンデ
    ンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 高分子誘電体薄膜にポリイミドを用いる
    請求項1または4記載のコンデンサの製造方法。
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