JPH10277296A - スチームアイロン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水を滴下させるノズルに付着する気泡を除去
するとともに、気泡がノズルに付着するのを防止して、
スチームを安定して噴出させる。 【解決手段】 ベース２に形成した気化室３にタンク５
内の水を供給するノズル８を有し、このノズル８に設け
た孔部９を開閉装置１０により開閉して気化室３への水
の供給を制御する。開閉装置１０は、操作部１１の手動
操作により孔部９をタンク５側から開閉する開閉桿１３
と、この開閉桿１３の先端部に摺動自在に設けた開閉部
１５を有し、アイロンをヒールレストに設置したとき、
錘１４により開閉部１５をノズル８側へ付勢するように
変位させ、孔部９を気化室３側から閉塞するようにした
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は衣類等のしわ伸ばし
を行うスチームアイロンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のスチームアイロンは、図
５に示すように構成していた。以下、その構成について
説明する。

【０００３】図に示すように、ヒータ２０を有するベー
ス２１に気化室２２を形成し、ベース２１の上方に水タ
ンク２３を配置し、この水タンク２３内の水をノズル２
４を通して気化室２２に供給するようにしている。そし
て、前記ノズル２４の孔部２５を開閉する開閉桿２６を
スチーム釦２７の操作により上下動させ、気化室２２へ
の水の供給と停止を制御していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の構造のものでは、次のような問題点を有していた。
すなわち、衣類等のしわ伸ばしを行うとき、しわが伸び
やすいようにスチーム釦２７を操作して、スチームを噴
出させながらアイロンがけを行う場合、水タンク２３内
の水は、ノズル２４を通ってベース２１の気化室２２に
供給されるが、高温に加熱されているベース２１からの
熱によりノズル２４の温度が高くなってくると、ノズル
２４の表面に気泡が発生する。

【０００５】この気泡は、ノズル２４の穴部２５より上
面に発生した場合は、浮力によりノズル２４の表面から
離れて消滅するが、ノズル２４の孔部２５より下面に発
生すると、浮力により上方に移動しようとするが穴部２
５で妨げられ、ノズル２４の穴部２５近傍に付着したま
まになる。

【０００６】このように気泡がノズル２４の穴部２５近
傍に付着すると、水タンク２３内の水を気化室２２に供
給するのを妨げ、水が円滑に滴下しなくなって噴出する
スチーム量が少なくなるとともに、安定したスチームの
噴出が得られなくなるという問題があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のスチームアイロ
ンは、操作部の手動操作によりノズルの孔部をタンク側
から開閉する開閉桿と、この開閉桿の先端部に摺動自在
に設け、把手の後部を下にして設置したときに錘により
変位させて、前記ノズルの孔部を気化室側から閉じる開
閉部とを有する開閉装置によりノズルを開閉するもので
ある。

【０００８】これにより、気泡がノズルの孔部より下面
に発生し、ノズルの孔部近傍に付着しても、把手の後部
を下にして設置する、いわゆるアイロンをヒールレスト
にする度に、開閉部がノズル側に付勢されてノズルの孔
部近傍に付着した気泡をノズルの孔部よりタンク側へ押
し出して気泡を排除することができ、安定したスチーム
を噴出させることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、ヒータによって加熱するベースと、このベースに形
成した気化室と、この気化室へ供給する水を貯えるタン
クと、このタンク内の水を前記気化室へ供給するノズル
と、このノズルを開閉する開閉装置と、この開閉装置を
操作する操作部とを具備し、前記開閉装置は、操作部の
手動操作によりノズルに形成した孔部をタンク側から開
閉する開閉桿と、この開閉桿の先端部に摺動自在に設け
た開閉部とを有し、前記開閉部は、把手の後部を下にし
て設置したときに錘により変位させ、前記孔部を気化室
側から閉じるようにしたものであり、気泡がノズルの孔
部より下面に発生し、ノズルの孔部近傍に付着しても、
アイロンがけ作業中の小休止時にアイロンをヒールレス
トにする度に、開閉部がノズル側に付勢されてノズルの
孔部近傍に付着した気泡をノズルの孔部よりタンク側へ
押し出して気泡を排除することができ、安定したスチー
ムを噴出させることができる。

【００１０】請求項２に記載の発明は、請求項１記載の
発明において、開閉部は、ノズルの閉成時に孔部の下面
側に接触させるとともに、その頂部が孔部を貫通してタ
ンク側へ突出するように設けたものであり、気泡をノズ
ルの孔部よりタンク側へ押し出して、確実に排除するこ
とができ、安定したスチームを噴出させることができ
る。

【００１１】請求項３に記載の発明は、請求項１または
２記載の発明において、錘は、開閉部によりノズルを閉
成したときに孔部より下方に位置するように設けたもの
であり、開閉部をノズル側に付勢して孔部を確実に閉塞
することができ、規定水位をノズルの位置より上方に設
定することができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。図１〜図４に示すように、ヒータ
１はベース２を加熱するもので、このベース２に気化室
３を形成し、気化室蓋４により気化室３を覆っている。
ベース１の上方には、水を貯えるタンク５をパッキング
６を介して把手７の前方に着脱自在に取り付けている。

【００１３】タンク５は、底部にノズル８を設け、この
ノズル８に形成した孔部９を開閉装置１０により開閉す
る。開閉装置１０は、タンク５の上面より突出させた操
作部１１により手動操作して、気化室３への水の供給と
停止を制御する。

【００１４】開閉装置は１０は、操作部１１の手動操作
によりノズル８に形成した孔部９をタンク５側から開閉
する開閉桿１３と、この開閉桿１３の先端部に摺動自在
に設けるとともに、把手７の後部を下にしてヒールレス
トに設置したときに、例えば比重の大なる耐食性の金属
魂からなる錘１４により変位させて、前記ノズル８の孔
部９を気化室３側から閉じる開閉部１５とを有してい
る。

【００１５】開閉桿１３の先端部には、開閉部１５の軸
部１５ａを嵌入する摺動穴１３ａが設けてあり、開閉桿
１３に切り欠いて形成した溝部１３ｂから、軸部１５ａ
に固着した錘１４を突出させている。溝部１３ｂの長さ
は、錘１４とともに軸部１５ａが変位する摺動ストロー
ク以上に設定するとともに、摺動穴１３ａは開閉部１５
の軸部１５ａが円滑に摺動する大きさに設けられてい
る。

【００１６】軸部１５ａの先端に形成した開閉部１５
は、ゴム等の材料で形成してあり、軸部１５ａをノズル
８に形成した孔部９を貫通させて気化室側３に設け、孔
部９より下面と一致する形状を有するとともに、この開
閉部１５により孔部９を気化室３側から閉塞したとき、
開閉部１５の頂部が孔部９を貫通して孔部９から上方へ
突出するように構成している。

【００１７】上記構成において、次にその動作を説明す
ると、スチームを利用してアイロンがけを行う場合、操
作部１１を操作して、開閉桿１３を引き上げた状態に保
持すると、図２に示すように、開閉桿１３の下端に設け
た開閉部１５と錘１４は自重で下方に位置し、孔部９が
開かれてタンク５内の水が気化室３に滴下し、スチーム
が発生する。

【００１８】気化室３で発生したスチームは、ノズル８
に接触したときや、ノズル８の温度が高くなっていると
きに滴下した水がノズル８部で蒸発して気泡が発生し、
ノズル８の表面に付着する。孔部９の下面に気泡が付着
するととれにくくなる。そして、アイロンがけ作業中の
小休止時に、把手７の後部を下にしてアイロンをヒール
レスト状態に設置すると、図４に示すように錘１４は矢
印イ方向へ変位し、この錘１４に連結した軸部１５ａが
摺動穴１３ａを摺動し、開閉部１５が孔部９をノズル８
の気化室３側から閉塞する。

【００１９】したがって、孔部９の下面に付着した気泡
は、開閉部１５により押し上げられて孔部９を通過し、
その後は浮力によりノズル８から離れて除去される。こ
の動作はアイロンがけ作業中の小休止時に、アイロンを
ヒールレスト状態に設置する度に行われるため、ノズル
８に気泡が付着した状態が続くことがなく、水を円滑に
滴下させて、常時安定したスチームを噴出させることが
できる。

【００２０】また、開閉部１５は、ノズル８の穴部９よ
り下面の形状と合致するように形成し、ノズル８の閉成
時に孔部９の下面側に接触させるとともに、その頂部
は、孔部９を貫通してタンク５側へ突出するように設け
ているため、確実に気泡を排除することができ、安定し
たスチームを噴出させることができる。

【００２１】また、アイロンをヒールレストに設置し
て、錘１４が開閉部１５によりノズル８の孔部９を閉成
したときに、錘１４が同孔部９の位置Ａより下方に位置
するように設けているため、アイロンをヒールレストに
したときに、開閉部１５の孔部９側への付勢力を強めて
確実に閉塞することができ、タンク５内の水が気化室３
側へ流出するのを確実に止めることができるとともに、
規定満水位置Ｂを孔部９の位置Ａより上方に設定できる
ようになり、タンクに貯える水量を増加させて、連続使
用時間を長くして効率よくアイロンがけが行えるもので
ある。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１に記載の
発明によれば、ヒータによって加熱するベースと、この
ベースに形成した気化室と、この気化室へ供給する水を
貯えるタンクと、このタンク内の水を前記気化室へ供給
するノズルと、このノズルを開閉する開閉装置と、この
開閉装置を操作する操作部とを具備し、前記開閉装置
は、操作部の手動操作によりノズルに形成した孔部をタ
ンク側から開閉する開閉桿と、この開閉桿の先端部に摺
動自在に設けた開閉部とを有し、前記開閉部は、把手の
後部を下にして設置したときに錘により変位させ、前記
孔部を気化室側から閉じるようにしたから、気泡がノズ
ルの孔部より下面に付着しても、アイロンがけ作業中の
小休止時にアイロンをヒールレストにする度に、開閉部
がノズル側に変位して付着した気泡をノズルの孔部より
タンク側へ押し出して気泡を排除することができ、安定
したスチームを噴出させることができる。

【００２３】また、請求項２に記載の発明によれば、開
閉部は、ノズルの閉成時に孔部の下面側に接触させると
ともに、その頂部が孔部を貫通してタンク側へ突出する
ように設けたから、気泡をノズルの孔部からタンク側へ
押し出して、確実に排除することができ、安定したスチ
ームを噴出させることができる。

【００２４】また、請求項３に記載の発明によれば、錘
は、開閉部によりノズルを閉成したときに孔部より下方
に位置するように設けたから、開閉部をノズル側へ付勢
するように変位させて、孔部を確実に閉塞することがで
き、タンクに貯える水の規定水位をノズルの位置より上
方に設定することができる。したがって、タンクに貯え
る水量を増加させて、連続使用時間が長くなり効率よく
アイロンがけが行えるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のアイロンをヒールレストに
した要部断面図

【図２】同アイロンを水平にしてノズルを開成した要部
断面図

【図３】同アイロンを水平にしてノズルを閉成した要部
断面図

【図４】同アイロンをヒールレストにしてノズルを閉成
した要部断面図

【図５】従来のアイロンの一部切欠した要部断面図

【符号の説明】

１ ヒータ ２ ベース ３ 気化室 ５ タンク ８ ノズル ９ 孔部 １０ 開閉装置 １１ 操作部 １３ 開閉桿 １４ 錘 １５ 開閉部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヒータによって加熱するベースと、この
   ベースに形成した気化室と、この気化室へ供給する水を
   貯えるタンクと、このタンク内の水を前記気化室へ供給
   するノズルと、このノズルを開閉する開閉装置と、この
   開閉装置を操作する操作部とを具備し、前記開閉装置
   は、操作部の手動操作によりノズルに形成した孔部をタ
   ンク側から開閉する開閉桿と、この開閉桿の先端部に摺
   動自在に設けた開閉部とを有し、前記開閉部は、把手の
   後部を下にして設置したときに錘により変位させ、前記
   孔部を気化室側から閉じるようにしたスチームアイロ
   ン。
2. 【請求項２】 開閉部は、ノズルの閉成時に孔部の下面
   側に接触させるとともに、その頂部が孔部を貫通してタ
   ンク側へ突出するように設けた請求項１記載のスチーム
   アイロン。
3. 【請求項３】 錘は、開閉部によりノズルを閉成したと
   きに孔部より下方に位置するように設けた請求項１また
   は２記載のスチームアイロン。