JPH10276636A - 両軸受リールの制動装置 - Google Patents

両軸受リールの制動装置

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Publication number
JPH10276636A
JPH10276636A JP8637197A JP8637197A JPH10276636A JP H10276636 A JPH10276636 A JP H10276636A JP 8637197 A JP8637197 A JP 8637197A JP 8637197 A JP8637197 A JP 8637197A JP H10276636 A JPH10276636 A JP H10276636A
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JP
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spool shaft
spool
reel
bearing
shaft
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JP8637197A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Hirayama
広和 平山
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Shimano Inc
Original Assignee
Shimano Inc
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Publication date
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Publication of JPH10276636A publication Critical patent/JPH10276636A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプール軸が高速回転しても押圧部材とスプ
ール軸との焼き付きを生じにくくする。 【解決手段】 キャスティングコントロール機構22
は、リール本体1に回転自在に支持されたスプール軸1
6の端面に接触してスプール軸16の回転を制動するも
のであって、キャップ52と1対の摩擦プレート51と
を備えている。キャップ52は、スプール軸16の軸方
向に移動可能にリール本体1のボス部29に装着されて
いる。1対の摩擦プレート51は、一方がキャップ52
に他方がリール本体1に固定されたブレーキケース65
にそれぞれ装着され、スプール軸16の両端を挟持可能
に配置された耐熱非金属製の部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動装置、特に、
リール本体に回転自在に支持されたスプール軸の端面に
接触して前記スプール軸の回転を制動する両軸受リール
の制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、両軸受リールは、リール本体
と、リール本体に回転自在に装着されたスプールと、ス
プールを回転させるためのハンドルとを備えている。リ
ール本体は、所定の間隔をあけて対向するように配置さ
れた1対の側板を有している。スプールにはスプール軸
が貫通しており、スプールはスプール軸に固定され、ス
プール軸がリール本体に回転自在に支持されている。ハ
ンドルとスプールとの間には、ハンドルからの回転力を
スプールに伝達するメインギアとピニオンギアとからな
る回転伝達機構と、ピニオンギアとスプール軸との間で
回転力を伝達・遮断するクラッチ機構とが設けられてい
る。
【0003】メインギアは、ハンドルの回転軸に設けら
れている。ピニオンギアは、メインギアに噛み合ってお
り、その中心を側板から外方に延びるスプール軸が貫通
している。ピニオンギアはスプール軸と同芯に配置され
スプール軸に軸方向に移動自在かつ回転自在に支持され
ている。このピニオンギアの一端とスプール軸の周部に
設けられた係合部とでクラッチ機構が構成されており、
ピニオンギアがスプール軸の軸方向に移動して係合部に
係合・離脱することで回転力が伝達・遮断される。
【0004】また、スプールの自由回転時のバックラッ
シュを抑えるためのキャスティングコントロール機構が
スプール軸に設けられている。キャスティングコントロ
ール機構は、スプール軸の軸方向に移動可能にリール本
体に装着された移動部材と、一方が移動部材に他方がリ
ール本体にそれぞれ装着され、スプール軸の両端を挟持
可能に配置された1対の押圧部材とを備えている。移動
部材は、スプール軸の一端のリール本体にネジ止めされ
るキャップからなり、押圧部材はキャップ及びリール本
体に装着された金属製の薄板であり、特に、キャップ側
に装着される押圧部材は、銅やりん青銅等の金属薄板が
使用される。これは、金属薄板の弾性により押圧部材の
移動量と制動力との間にゆるやかな比例関係を与えるた
めである。このキャスティングコントロール機構では、
キャップに装着された押圧部材によりスプール軸の一端
を他端側に押圧し、リール本体とキャップとでスプール
軸を挟持することでスプールを制動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、ルアーの飛距離
を延ばすために、両軸受リールのスプールの回転性能が
大幅に向上している。スプールの回転性能が向上する
と、スプールの自由回転時の回転数が大幅に上がる。し
かし、前記従来の金属製の押圧部材では、制動のために
スプール軸の両端に押圧部材が接触すると、スプールの
回転速度が上がったときに押圧部材とスプール軸との接
触部分が焼き付きを起こすおそれがある。
【0006】本発明の課題は、スプール軸が高速回転し
ても押圧部材とスプール軸との焼き付きを生じにくくす
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明1に係る両軸受リー
ルの制動装置は、リール本体に回転自在に支持されたス
プール軸の端面に接触してスプール軸の回転を制動する
装置であって、移動部材と1対の押圧部材とを備えてい
る。移動部材は、スプール軸の軸方向に移動可能にリー
ル本体に装着されている。1対の押圧部材は、一方が移
動部材に他方がリール本体にそれぞれ装着され、スプー
ル軸の両端を挟持可能に配置された耐熱非金属製の部材
である。
【0008】この制動装置では、移動部材をスプール軸
側に移動させると、スプール軸が1対の押圧部材に挟持
され、移動部材の移動量に応じた制動力で制動される。
この押圧部材は、耐熱非金属製であるので、スプール軸
との間で焼き付きを起こすおそれが少ない。発明2に係
る両軸受リールの制動装置は、発明1に記載の装置にお
いて、1対の押圧部材は、炭素繊維の積層板により形成
されている。この場合には、熱伝導率が大きく耐熱性が
高い炭素繊維によりスプール軸と押圧部材との摩擦によ
る温度の上昇を抑制できる。
【0009】発明3に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1に記載の装置において、1対の押圧部材は、熱硬
化性樹脂により形成されている。ここで、熱硬化性樹脂
とは、熱又は触媒の作用を受けて分子間架橋による硬化
反応を起こし、不溶不融性の三次元網目構造をとる樹脂
をいい、具体的には、フェノール樹脂(ベークライ
ト)、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、けい素樹脂、ポリウレタン樹脂、
ジアリルフタレート樹脂等の樹脂をいう。このような熱
硬化性樹脂は、成形工程で硬化反応を完成し、力学的、
化学的、熱的に強い押圧部材になる。
【0010】発明4に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1に記載の装置において、1対の押圧部材は、繊維
の積層板に熱硬化性樹脂を含浸させて硬化させた樹脂素
材により形成されている。この場合には、たとえば、綿
等の繊維の積層板に前述したような熱硬化性樹脂が含浸
させて硬化させた樹脂素材により押圧部材が形成されて
いるので、押圧部材が熱硬化性樹脂製のものに比べて強
度的にさらに強いものになる。
【0011】発明5に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1から4のいずれかに記載の装置において、一方の
押圧部材と移動部材との間に介装された弾性部材をさら
に備える。この場合には、移動部材と押圧部材との間に
介装された、たとえば、皿バネ等の金属弾性体や、B
R,SBR,CR,NBR等の合成ゴム等の樹脂弾性体
で形成された弾性部材の圧縮により、移動部材の移動量
と制動力との間に緩やかな比例関係が得られ、制動力を
細かく調整できる。
【0012】発明6に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1から5のいずれかに記載の装置において、移動部
材は回動により軸方向に移動し、かつその移動量は1回
転当たり0.1mmから0.5mmである。この場合に
は、1回転当たりの移動量が少ないので、移動部材の移
動量と制動力との間に緩やかな比例関係が得られ、制動
力を細かく調整できる。なお、弾性体との組み合わせに
より制動力をさらに細かく調整できる。
【0013】
【発明の実施の形態】実施形態1 図1は、本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの
平面図である。図に示す両軸受リールは、ベイトリール
であり、リール本体1と、リール本体1の側方に配置さ
れたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール
本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3と
を備えている。ハンドル2は、板状のアーム部2aと、
アーム部2aの両端に回転自在に装着された把手2bと
を有するダブルハンドル形のものである。アーム部2a
の外側面はつなぎ目がない滑らかな面で構成されてお
り、釣り糸が絡みにくい構造となっている。
【0014】図2に示すように、リール本体1は、フレ
ーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバ
ー6及び第2側カバー7とを有している。フレーム5
は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置され
た1対の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する
複数の連結部10とを有している。側板8,9の対向す
る内面には、円柱状のスプール格納空間14がそれぞれ
形成されている。第1側カバー6は、側板8の前端部に
配置された揺動軸11により側板8に揺動自在かつ軸方
向に所定距離移動可能に装着されている。これにより、
第1側カバー6は、側板8に対して開閉自在となってい
る。第1側カバー6は、コイルバネ4により側板8から
離れる方向に付勢されている。なお、第1側カバー6
は、後述する遠心ブレーキ機構23のブレーキケース6
5に設けられたバヨネット構造により側板8に対してロ
ック及びロック解除される。
【0015】1対のフレーム5内には、スプール12
と、スプール12内に均一に釣り糸を巻くためのレベル
ワインド機構15と、サミングを行う場合の親指の当て
となる、クラッチレバーを兼ねたサムレスト17とが配
置されている。またフレーム5と第2カバー7との間に
は、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベル
ワインド機構15に伝えるためのギア機構18と、クラ
ッチ機構13と、クラッチ機構13の係脱を行うための
クラッチ係脱機構19と、サムレスト17の操作に応じ
てクラッチ機構13の係脱を制御するための係脱制御機
構20と、ドラグ機構21と、スプール12の回転時の
制動力を回転速度に応じて調整するためのキャスティン
グコントロール機構22とが配置されている。また、フ
レーム5と第1カバー6との間には、キャスティング時
のバックラッシュを抑えるための遠心ブレーキ機構23
が配置されている。
【0016】スプール12は、両側部に皿状のフランジ
部12aを有しており、両フランジ部12aの間に筒状
の糸巻き胴部12bを有している。また、スプール12
は、糸巻き胴部の内周側の軸方向の実質的に中央部に一
体で形成された筒状のボス部12cを有しており、ボス
部12cを貫通するスプール軸16にたとえばセレーシ
ョン結合により回転不能に固定されている。この固定方
法はセレーション結合に限定されず、キー結合やスプラ
イン結合等の種々の結合方法を用いることができる。
【0017】フランジ部12aの周縁部は、図3に示す
ように、スプール格納空間14の内周部に隙間C1をあ
けて配置されている。この隙間C1は、たとえば0.2
mm程度であり、スプール格納空間14によってフラン
ジ部12aの周縁部を径方向外方から僅かな隙間C1を
あけて覆うことで、スプール12からスプール軸16側
に釣り糸が侵入ししにくくなり、スプール軸16に釣り
糸が絡むことが少なくなる。また、糸巻き胴部12bに
は軽量化のために複数の抜き孔12dが形成されてい
る。抜き孔12dは、たとえば円形の孔であり、糸巻き
胴部12bの軸方向に間隔の隔てた2つの円周上に周方
向に間隔を隔てて形成されている。このようにスプール
12を軽量化することで、自由回転時にスプール12の
回転効率が向上する。
【0018】スプール軸16は、側板9を貫通して第2
側カバー7の外方に延びている。その延びた一端は、第
2側カバー7に形成されたボス部29に軸受24aによ
り回転自在に支持されている。またスプール軸16の他
端は、遠心ブレーキ機構23内で軸受35より回転自在
に支持されている。これらの軸受はシールドボールベア
リングである。スプール軸16は、スプール12が固定
される中央部の大径部分16aと、その両端に形成され
た2つの小径部分16b,16cとを有している。
【0019】大径部分16aは、スプール12の糸巻き
胴部12bの内部の空間12e内に配置されており、そ
の中央部外周面にはスプール12を固定するためのセレ
ーション16dが形成されている。また、図3左端外周
面には、遠心ブレーキ機構23の回転部66を回転不能
に連結するためのセレーション16eが形成されてい
る。大径部分16aの図3右端は、スプール12のボス
部12cに近接して配置されており、そこにはクラッチ
機構13を構成する係合ピン16fが固定されている。
係合ピン16fは、直径に沿って大径部分16aを貫通
しており、その両端が径方向に突出している。
【0020】左側の小径部分16cは、軸受35により
ブレーキケース65に支持されている。右側の小径部分
16bには、階段状に2つの段差部16g,16hが形
成されている。各段差部16g,16hの段差はたとえ
ば、0.1mm〜0.3mmの範囲である。段差部16
gの左側は小径部分16bの大径部16iとなってお
り、右側は中径部16jとなっており、段差部16hの
右側は小径部16kとなっている。小径部16kの右側
は太径の軸支部16lとなっており,軸受24aにより
支持される。この軸支部16lの軸方向長さは軸受24
aの軸方向長さより短くなっており、回転抵抗を減少さ
せるようになっている。また、軸支部16lの右側は脱
落防止用の小径の溝部16m及びそれより大径の係止部
16nとなっている。溝部16mの周囲においてボス部
29の内周部には、リング状のバネ部材29aが配置さ
れている。バネ部材29aの内径は係止部16nより小
さく、スプール軸12が軸方向に移動すると、バネ部材
29aが係止部16nに係止するようになっている。こ
れにより、側カバー6を開けたときに、スプール12及
びスプール軸16が直ちに脱落しないようになってい
る。なお、スプール軸16の両端は回転抵抗の増加を抑
えるために球状面になっている。
【0021】レベルワインド機構15は、図2に示すよ
うに、1対の側板8,9間に固定されたガイド筒25
と、ガイド筒25内に回転自在に支持されたウォームシ
ャフト26と、ラインガイド27とを有している。ウォ
ームシャフト26の端部には、ギア機構18を構成する
ギア28aが固定されている。またウォームシャフト2
6には螺旋状の溝26aが形成されており、ラインガイ
ド27の一部がこの螺旋状溝26aに噛み合っている。
このため、ギア機構18を介してウォームシャフト26
が回転させられることにより、ラインガイド27はガイ
ド筒25に沿って往復動する。このラインガイド27内
に釣り糸が挿通されて釣り糸がスプール12に均一に巻
き付けられる。
【0022】ギア機構18は、ハンドル軸30に固定さ
れたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状
のピニオンギア32と、前述のウォームシャフト26端
部に固定されたギア28aと、ハンドル軸30に回転不
能に固定され、ギア28aに噛み合うギア28bとを有
している。ピニオンギア32は、図3に示すように、側
板9の外方から内方に延び、中心にスプール軸16が貫
通する筒状部材であり、スプール軸16に軸方向に移動
自在に装着されている。また、ピニオンギア32は、軸
受24bにより側板9に回転自在かつ軸方向移動自在に
支持されている。この軸受24bもシールドボールベア
リングである。
【0023】ピニオンギア32は、図3右端側外周部に
形成されメインギア31に噛合する歯部32aと、他端
側に形成された噛み合い部32bと、歯部32aと噛み
合い部32bとの間に形成されたくびれ部32cとを有
している。噛み合い部32bは、ピニオンギア32の端
面に直径に沿って形成された凹溝33からなり、そこに
スプール軸16を貫通して固定された係合ピン16fが
係止される。ここではピニオンギア32が外方に移動し
てその噛み合い部32bの凹溝33とスプール軸16の
係合ピン16fとが離脱すると、ハンドル軸30からの
回転力はスプール12に伝達されない。この噛み合い部
32bの凹溝33と係合ピン16fとによりクラッチ機
構13が構成される。ここでは、クラッチ機構13がス
プール12のボス部12cの近傍に配置されているの
で、ピニオンギア32からスプール軸16を介してスプ
ール12に回転力が伝達される際に、スプール軸16の
ねじれが少なくなり、トルク伝達効率が向上し、操作フ
ィーリングが向上する。また、係合ピン16fと凹溝3
3とが係合すると、スプール軸16より大径のピニオン
ギア32から直接スプール軸16にトルクが伝達される
ので、ねじれ変形がより少なくなり、トルク伝達効率が
さらに向上する。
【0024】ピニオンギア32の内周面には2つの段差
部32d,32eが形成されている。図4左側の段差部
32dの左側は大径内面32fとなっており、その右側
は中径内面32gとなっている。段差部32eの右側は
小径内面32hとなっている。ここで、ピニオンギア3
2の中径内面32gは、スプール軸16の小径部分16
bの大径部16iの外周面に接触可能であり、小径内面
32hは、中径部16jの外周面に接触可能である。ま
た、大径内面32fの長さは大径部16iより短く、中
径内面32gの長さは、中径部16jと実質的に同じで
ある。
【0025】一方、ピニオンギア32の噛み合い部32
b側の外周面には、軸受24bに接触可能な軸支部32
iと、軸支部32iより僅かに小径の離反部32jとが
形成されている。離反部32jと、軸支部32iとの間
にはC2だけ段差が形成されている。このため、軸受2
4bと離反部32jとの間には隙間C2が形成されてい
る。この隙間C2は、たとえば、0.1mm程度であ
り、スプール12のフランジ部12aの隙間C1より小
さい。この離反部32jは、クラッチオンのときに軸受
24bに対向する外周面に形成されている。ここでは、
歯部32aと軸支部32iとが別に形成されるので、軸
支部32iの軸受精度が高くなる。また、軸支部32i
より先端側にある噛み合い部32bには必然的に歯が形
成されていないので、その部分の肉厚を厚くすることが
でき、噛み合い部32bの強度が向上する。
【0026】これにより、噛み合い部32bが係合ピン
16fに係合したクラッチオン状態では、図4(A)に
示すように、中径内面32gが大径部16iの外周面に
接触し、小径内面32hが中径部16jの外周面に接触
する。また、ピニオンギア32と軸受24bとの間には
隙間C2が形成されるので、ピニオンギア32はスプー
ル軸16により回転自在かつ軸方向移動自在に支持され
る。ここでは、スプール軸16に対して2箇所でピニオ
ンギア32が支持されているので、巻き上げ回転時等に
力が作用してもピニオンギア32が傾くことがなくな
り、メインギア31との歯当たり不良が生じにくい。
【0027】一方、ピニオンギア32が図4右方に移動
し噛み合い部32bが係合ピン16fから離脱したクラ
ッチオフ状態では、図4(B)に示すように、中径内面
32gが大径部16iの外周面から離反し、小径内面3
2hが中径部16jの外周面から離反する。このため、
ピニオンギア32はスプール軸16から離反しスプール
軸16によって支持されない。しかし、このときには、
外周面の軸支部32iが軸受24bに接触し、軸受24
bによりピニオンギア32が回転自在かつ軸方向移動自
在に支持される。このため、自由回転時にピニオンギア
32が傾いてこぜることがなく、スプール軸16に接触
することもない。従って自由回転時にピニオンギア32
とスプール軸16とが接触して回転抵抗が増加すること
がない。
【0028】また、巻き上げ時にスプール12に力が作
用してスプール軸16が撓んでも、軸受24bにピニオ
ンギア32が接触するとそれにより支持され、隙間C2
以上にスプール軸16が撓むことはない。この隙間C2
は隙間C1より小さいので、スプール12に力が作用し
てもフランジ部12aがフランジ収納部14の端面に接
触するスプールタッチ現象は生じにくい。
【0029】サムレスト17は、図2に示すように、1
対の側板8,9間の後部でスプール12後方に配置され
ている。フレーム5の側板8,9には長孔(図示せず)
が形成されており、サムレスト17の回転軸17aがこ
の長孔に回転自在に支持されている。このため、サムレ
スト17は長孔に沿って上下方向にスライドすることも
可能である。
【0030】クラッチ係脱機構19は、図3に示すよう
に、クラッチヨーク40を有している。クラッチヨーク
40は、スプール軸16の外周側に配置されており、2
本のピン41(一方のみ図示)によってスプール軸16
の軸心と平行に移動可能に支持されている。なお、スプ
ール軸16はクラッチヨーク40に対して相対回転が可
能である。すなわち、スプール軸16が回転してもクラ
ッチヨーク40は回転しないようになっている。またク
ラッチヨーク40はその中央部にピニオンギア32のく
びれ部32cに係合する係合部40aを有している。ま
たクラッチヨーク40を支持する各ピン41の外周で、
クラッチヨーク40と第2カバー7との間にはスプリン
グ42が配置されており、クラッチヨーク40はスプリ
ング42によって常に内方に付勢されている。
【0031】このような構成で、通常状態では、ピニオ
ンギア32は内方のクラッチ係合位置に位置しており、
その噛み合い部32bとスプール軸16の係合ピン16
fとが係合してクラッチオン状態となっている。一方、
クラッチヨーク40によってピニオンギア32が外方に
移動した場合には、噛み合い部32bと係合ピン16f
との係合が外れクラッチオフ状態となる。
【0032】ドラグ機構21は、図2に示すように、メ
インギア31に押圧される摩擦プレート45と、スター
ドラグ3の回転操作によって摩擦プレート45をメイン
ギア31に所定の力で押圧するための押圧プレート46
とを有している。キャスティングコントロール機構22
は、図3に示すように、スプール軸16の両端を挟むよ
うに配置された1対の摩擦プレート(押圧部材の一例)
51と、摩擦プレート51によるスプール軸16の挟持
力を調節するためのキャップ(移動部材の一例)52と
を有している。
【0033】摩擦プレート51は、たとえば、フェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂を綿の繊維からなる積層板に含
浸させた樹脂素材からなる耐熱非金属製の薄板の円板部
材である。右側の摩擦プレート51はキャップ52内の
底部に装着され、左側の摩擦プレート51は、リール本
体1に係止されたブレーキケース65内に装着されてい
る。キャップ52は有底筒状の部材であり、ボス部29
の外周に形成された雄ネジ部29bに螺合する雌ネジ部
52aが内周面に形成されている。このキャップ52を
回動させることで、それに装着された摩擦プレート51
をスプール軸16の軸方向に往復移動させることが可能
である。この摩擦プレート51の往復移動により、摩擦
プレート51に挟持されたスプール軸16に対する制動
力を調整できる。なお、雄ネジ部29b及び雌ネジ部5
2aのピッチは、キャップ52が1回転当たり0.1〜
0.5mmの範囲で移動するように設定されている。
【0034】右側の摩擦プレート51とキャップ52の
底部との間には、たとえば、ネオプレンゴム(商標),
NBR等の合成ゴムの弾性体からなる弾性部材53が介
装されている。弾性部材53は、圧縮することでキャッ
プ52の移動量と制動力との比例関係を緩やかにし制動
力を細かく調整できるようにするために介装されてい
る。また、キャップ52の移動量も1回転当たり0.1
〜0.5mmの範囲であるため、移動量と制動力との比
例関係がさらに緩やかになり、制動力をさらに細かく調
整できる。
【0035】遠心ブレーキ機構23は、図3に示すよう
に、ブレーキケース65と、ブレーキケース65内に設
けられた回転部66と、回転部66に周方向に間隔を隔
てて配置され径方向に移動自在に装着された摺動子67
とを有している。ブレーキケース65は、側板8に形成
された円形の開口8aにバヨネット構造により着脱自在
に装着されている。また、ブレーキケース65は、図2
に示すように、円錐コイルバネ4bにより第1側カバー
6の外方側に付勢されている。ブレーキケース65は、
第1側カバー6の外側に露出する着脱把手69に固定さ
れ、着脱把手69を回転させることで側板8から外れ
て、第1側カバー6とともに図2左側に飛び出す。この
状態で第1側カバー8を揺動させると、スプール12を
スプール軸16とともに取り出し可能になる。
【0036】ブレーキケース65の中心部には、軸受3
5を装着するための筒状の軸受装着部65aが形成され
ている。また、その中心部にキャスティングコントロー
ル機構22の摩擦プレート51が配置されている。ブレ
ーキケース65の周縁部内周には制動用のライナー68
が設けられている。回転部66は、セレーション結合に
よりスプール軸16に回転不能に連結されており、スプ
ール軸16と一体で回転する。摺動子67は、遠心力に
よりブレーキケース65内のライナー68に摺接する。
【0037】次に動作について説明する。通常の状態で
は、クラッチヨーク40はスプリング42によって内方
(図3左方)に押されており、これによりピニオンギア
32は、図4(A)に示すように係合位置に移動させら
れている。この状態ではピニオンギア32の噛み合い部
32bとスプール軸16の係合ピン16fとが噛み合っ
てクラッチオン状態となっており、ハンドル2からの回
転力は、ハンドル軸30、メインギア31、ピニオンギ
ア32及びスプール軸16を介してスプール12に伝達
される。このときキャスティングコントロール機構22
のキャップ52の締め付け量を調整することにより、ス
プール軸16の回転時の制動力を調整することが可能で
ある。この制動力は、スプール12の回転速度に比例し
て大きくなる。また、キャップ52の締め付け量に応じ
て大きくなる。
【0038】このクラッチオン状態では、中径内面32
gが大径部16iの外周面に接触し、小径内面32hが
中径部16jの外周面に接触する。また、ピニオンギア
32と軸受24bとの間には隙間C2が形成されるの
で、ピニオンギア32はスプール軸16により回転自在
かつ軸方向移動自在に支持される。ここでは、スプール
軸16に対して2箇所でピニオンギア32が支持されて
いるので、巻き上げ回転時等に力が作用してもピニオン
ギア32が傾くことがなくなり、メインギア31との歯
当たり不良が生じにくい。また、クラッチオン状態での
巻き上げ時にスプール12に力が作用してスプール軸1
6が撓んでも、ピニオンギア32が軸受24bに接触す
るとそれによりピニオンギア32が支持され、スプール
軸16が隙間C2以上に撓みにくくなる。この隙間C2
は隙間C1より小さいので、スプール12に力が作用し
てもフランジ部12aがフランジ収納部14の端面に接
触するスプールタッチ現象は生じにくい。しかも、クラ
ッチ機構13がスプール12のボス部12cの近傍に配
置されているので、ピニオンギア32からスプール軸1
6を介してスプール16に回転力が伝達される際に、ス
プール軸16のねじれが少なくなり、トルク伝達効率が
向上し、操作フィーリングが向上する。
【0039】キャスティングを行う場合には、バックラ
ッシュを抑えるためにキャップ52により制動力を調整
する。そして、サムレスト17を下方に押す。ここで
は、サムレスト17は、側板8,9の長孔に沿って下方
の離脱位置に移動する。そしてサムレスト17の移動に
より、クラッチヨーク40が外方に移動し、クラッチヨ
ーク40に係合したピニオンギア32も同方向に移動さ
せられる。この状態では、ピニオンギア32の噛み合い
部32bとスプール軸16の係合ピン16fとのかみあ
いが外れ、クラッチオフ状態となる。この状態では、ハ
ンドル軸30からの回転はスプール12及びスプール軸
16に伝達されず、スプール12は自由回転状態にな
る。クラッチをオフ状態として、サムレスト17におい
た親指でスプールをサミングしながらスプール軸16が
鉛直面に沿うようにリールを軸方向に傾けて釣り竿を振
ると、ルアーが投げられスプール12が糸繰り出し方向
に勢いよく回転する。
【0040】このような状態では、図4(B)に示すよ
うに、中径内面32gが大径部16iの外周面から離反
し、小径内面32hが中径部16jの外周面から離反す
る。このため、ピニオンギア32はスプール軸16から
離反しスプール軸16によって支持されない。しかし、
このときには、外周面の軸支部32iが軸受24bに接
触し、軸受24bによりピニオンギア32が回転自在か
つ軸方向移動自在に支持される。このため、自由回転時
にピニオンギア32が傾いてこぜることがなく、スプー
ル軸16に接触することもない。したがって自由回転時
にピニオンギア32とスプール軸16とが接触して回転
抵抗が増加することがない。このようなキャスティング
時にスプール12が高速回転しても、摩擦プレート51
が耐熱非金属製であるので、スプール軸16との間で焼
き付きを起こすおそれが少ない。このため、焼き付けに
よる回転不良を防止できる。
【0041】〔他の実施形態〕 (a) 摩擦プレート51の材質は、熱硬化性樹脂を含
浸させた繊維の積層板に限定されるものではなく、グラ
ファイト板や炭素繊維の積層板や熱硬化性樹脂の成形品
等の耐熱非金属素材であればどのような材質でもよい。 (b) 弾性部材53の材質は、合成ゴムに限定される
ものではなく、金属製の弾性体や樹脂製の弾性体等の弾
性を有するものであればどの様なものでもよい。
【0042】(c) 摩擦プレート51を移動させる構
成はキャップ52の螺合による構成に限定されるもので
はなく、カムを用いて移動させる構成等の他の構成でも
よい。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、押圧部材が耐熱非金属
製であるので、スプール軸との間で焼き付きを起こすお
それが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの
平面図。
【図2】その横断面図。
【図3】そのスプール軸部分の断面拡大図。
【図4】クラッチ動作時のスプール軸端部の断面部分
図。
【符号の説明】
1 リール本体 12 スプール 16 スプール軸 22 キャスティングコントロール機構 51 押圧部材 52 キャップ 53 弾性部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体に回転自在に支持されたスプー
    ル軸の端面に接触して前記スプール軸の回転を制動する
    両軸受リールの制動装置であって、 前記スプール軸の軸方向に移動可能に前記リール本体に
    装着された移動部材と、 一方が前記移動部材に、他方が前記リール本体にそれぞ
    れ装着され、前記スプール軸の両端を挟持可能に配置さ
    れた耐熱非金属製の1対の押圧部材と、を備えた両軸受
    リールの制動装置。
  2. 【請求項2】前記1対の押圧部材は、炭素繊維の積層板
    により形成されている、請求項1に記載の両軸受リール
    の制動装置。
  3. 【請求項3】前記1対の押圧部材は、熱硬化性樹脂によ
    り形成されている、請求項1に記載の両軸受リールの制
    動装置。
  4. 【請求項4】前記1対の押圧部材は、繊維の積層板に熱
    硬化性樹脂を含浸させて硬化させた樹脂素材により形成
    されている、請求項1に記載の両軸受リールの制動装
    置。
  5. 【請求項5】前記一方の押圧部材と前記移動部材との間
    に介装された弾性部材をさらに備える、請求項1から4
    のいずれかに記載の両軸受リールの制動装置。
  6. 【請求項6】前記移動部材は回動により前記軸方向に移
    動し、かつその移動量は1回転当たり0.1mmから
    0.5mmである、請求項1から5のいずれかに記載の
    両軸受リールの制動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001095441A (ja) * 1999-09-02 2001-04-10 Doyo Engineering:Kk 釣り用両軸受形リールのスプール自由回転誘導構造
WO2001052645A1 (fr) * 2000-01-19 2001-07-26 Shimano Inc. Rondelle de frein pour moulinet de peche et moulinet pourvu d'une telle rondelle de frein

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