JPH10274701A - 反射防止用フィルム - Google Patents

反射防止用フィルム

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JPH10274701A
JPH10274701A JP9080965A JP8096597A JPH10274701A JP H10274701 A JPH10274701 A JP H10274701A JP 9080965 A JP9080965 A JP 9080965A JP 8096597 A JP8096597 A JP 8096597A JP H10274701 A JPH10274701 A JP H10274701A
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孝 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた反射防止性を有し、薄い上、ごみの発
生がなく、光学機器、特にカメラの内面壁の反射防止用
として適した反射防止用フィルムを提供する。 【解決手段】 基材フィルムの一方の面に、合成樹脂マ
トリックスに(A)平均粒径15〜30μmの非凝集性
樹脂微粒子、(B)平均粒径15〜30μmの凝集性樹
脂微粒子及び(C)平均粒径1μm以下のカーボンブラ
ック微粒子を、(A)成分と(B)成分との配合割合
が、重量比で10:1ないし1:2に、かつ(C)成分
の配合量が、(A)成分と(B)成分の合計重量に基づ
き3〜50重量%になるように分散させて成る、厚さ1
0〜100μmの反射防止層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種光学装置の遮
光用として有用な反射防止用フィルム、特にカメラの内
面壁に設けてレンズを通して入射した低角度の光の入射
を防止し、遮光効果を高めるために好適な反射防止用フ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、カメラ、複写機、現像機などの
光学装置においては、入射光の反射による種々の障害が
問題となっている。例えば、カメラの場合、入射光が内
面鏡で反射してフィルムに悪影響を与えたり、光源から
の光がカメラ内面鏡で反射し、ファインダー光路中に入
射してファインダー視野画像を見にくくしたりする。ま
た、レンズも、カメラ内に内蔵され、レンズ部を伸縮可
能に設け、標準撮影とズーム撮影が可能なものが多く出
てきている。この場合、レンズ部の筒部から光が入射
し、筒内でレンズから入射した光を混合したり、筒部か
ら入射した光がレンズを駆動させるために設けられてい
るフレキシブルプリント基板の表面で光を反射し、撮影
写真にハレーションやゴーストを発生させたりする。ま
た、複写機においては、感光体に画像を形成する際、複
写機内から発生する光が機内で反射し、感光体の画像を
不鮮明にする場合がある。一方、現像機においては、入
射光が内面壁で反射して、現像中のフィルムに感光した
り、あるいは印画紙への焼き付けの際には、写真の焦点
がぼけて不鮮明になるという問題が生じる。
【0003】したがって、このような問題を解決するた
めに、これまで、各種光学機器、特にカメラでは、カメ
ラ本体、シャッターケース、カバーなどを黒色艶消しの
プラスチック材料により形成したり、フレキシブルプリ
ント基板の表面や光学機器の内部に、植毛紙を貼付する
ことが行われていた。
【0004】しかしながら、光学機器の内面壁を黒色艶
消しプラスチック材料で形成する方法は、設計段階では
予想できない光の反射に関係する部分については、その
個所のみを加工するために、技術的に煩雑となり、コス
ト高になるのを免れず、しかも低角度で入射する光に対
して満足しうる反射防止効果が得られないなどの欠点を
有する。また、植毛紙を貼付する手段では、全面的に厚
くなる上、周囲のごみの付着や、植毛紙から抜け落ちた
毛の再付着による汚染を生じるなどの欠点がある。
【0005】一方、近年、カメラなどにおいては、その
小型化の傾向に伴って、各部分に対する小型化への要求
も一段と高まってきており、その結果、反射防止用の内
壁面については、薄くかつごみの発生のないものが要望
されるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、優れた反射防止法を有し、薄い上、ごみ
の発生がなく、光学機器、特にカメラの内面壁の反射防
止用として適した反射防止用フィルムを提供することを
目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、反射防止
性、遮光性が良好で、植毛紙のような抜け毛、ごみの付
着による汚染を生じない反射防止用フィルムを開発する
ために、鋭意研究を重ねた結果、基材フィルム上に、特
定の成分から成る反射防止層を設けることにより、その
目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、基材フィルムの一方
の面に、厚さ10〜100μmの反射防止層を有する反
射防止用フィルムにおいて、該反射防止層が、合成樹脂
マトリックスに(A)平均粒径15〜30μmの非凝集
性樹脂微粒子、(B)平均粒径15〜30μmの凝集性
樹脂微粒子及び(C)平均粒径1μm以下のカーボンブ
ラック微粒子を含み、かつ(A)成分と(B)成分との
配合割合が重量比で10:1ないし1:2であり、
(C)成分の配合量が(A)成分と(B)成分との合計
重量に基づき3〜50重量%の範囲であることを特徴と
する反射防止用フィルムを提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の反射防止用フィルムは、
基材フィルム及び反射防止層から構成されるが、上記基
材フィルムは、透明なものでも、不透明なものでもよい
が、不透明なもので遮光性を有するものが好ましい。こ
の基材フィルムには、例えば、ポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリアミドなどの合成樹脂を用いることがで
き、また、これらには遮光性をもたせるためにあらかじ
めカーボンブラックやアニリンブラックのような黒色顔
料を練り込んだものがあるが、特に黒色顔料を練り込ん
で光学濃度10以上の高遮光性にしたものが好適であ
る。また、合成樹脂フィルムには必要に応じその片面又
は両面にマット加工を施すことができる。このマット加
工は、例えば化学的エッチング法やサンドブラスト法、
合成樹脂と粗面化形成材からなるケミカルマット法によ
り行うことができる。
【0010】基材の厚さは25〜200μmの範囲が適
当である。これよりも厚さが小さいと十分な反射防止性
を得ることができないし、またこれよりも厚さが大きい
と軽量化の点で不利になる。
【0011】本発明フィルムにおいては、通常この上に
アンカー層が施される。このアンカー層は、基材フィル
ムと反射防止層との間の接着性を向上させるためのもの
であって、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹
脂などから構成されている。そして、例えばウレタン系
樹脂の場合はポリイソシアネートとジアミン、ジオール
のような活性水素含有化合物を含む溶液を、また尿素系
樹脂、メラミン系樹脂の場合は、水溶性尿素系樹脂又は
水溶性メラミン系樹脂を含む溶液を基材表面に塗布し、
硬化させて厚さ0.5〜2.0g/m2程度の層とする
ことにより形成される。
【0012】また、本発明フィルムにおける反射防止層
は、例えばマトリックスを構成する合成樹脂のエマルシ
ョン又は溶液に、(A)非凝集性樹脂微粒子、(B)凝
集性樹脂微粒子及び(C)カーボンブラック微粒子を懸
濁させて調製した塗工液を、前記の基材フィルム又はア
ンカー層の上に塗布し、乾燥、硬化させ厚さ10〜10
0μmの層とすることによって形成される。この際用い
られるマトリックスを構成する合成樹脂としては、例え
ば熱や光などにより硬化する硬化性樹脂や熱可塑性樹脂
などが用いられる。
【0013】このマトリックスを構成する合成樹脂の中
で、熱硬化性樹脂としては、例えばアクリル系、ウレタ
ン系、フェノール系、メラミン系、尿素系、ジアリルフ
タレート系、ポリエステル系、エポキシ系、アルキド系
などの熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。これらは単
独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。これらの中で、特に熱硬化性アクリルエマルショ
ンが耐熱性、耐湿性、耐溶剤性及び表面硬度などに優れ
るので好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、熱可塑
性アクリル樹脂や、塩化ビニル樹脂、ブチラール樹脂、
スチレン/ブタジエン樹脂などが挙げられる。
【0014】このマトリックスを構成する合成樹脂に
は、所望により、架橋剤を含有させることができる。こ
の架橋剤としては、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、
イソシアネート樹脂、アジリジン樹脂、オキサゾリン樹
脂などが挙げられ、特にメラミン樹脂が、耐熱性、耐溶
剤性及び塗膜硬度などに優れるので好ましい。架橋剤の
配合割合は、マトリックスを構成する合成樹脂に対し、
通常10〜50重量%の範囲である。これよりも少ない
と所望の特性が得られず、また、これより多いと塗膜が
硬すぎてもろくなる。
【0015】さらに、架橋剤を用いる場合は、その反応
を促進するために、反応触媒を併用するのが好ましい。
この反応触媒としては、例えばアンモニアや塩化アンモ
ニウムなどが挙げられる。反応触媒の配合割合は、架橋
剤に対し通常0.1〜10重量%の範囲である。
【0016】次に、反射防止層の(A)成分である非凝
集性樹脂微粒子は、平均粒径が15〜30μmの範囲に
あるものが用いられ、特に20〜30μmのものが低角
度での反射防止性に優れるので好ましい。この非凝集性
樹脂微粒子は、合成樹脂の組成を選択して非凝集性に調
整してもよいし、凝集性微粒子を分散剤例えば界面活性
剤等で処理して非凝集性にしてもよい。
【0017】また(B)成分である凝集性樹脂微粒子
は、平均粒径が15〜30μmの範囲にあるものが用い
られる。一般に樹脂を微粉化すると水中において凝集す
るようになるのでこれをそのまま用いてもよい。この凝
集性樹脂微粒子としては、水中において、50〜200
μmの平均粒径のアグロメレートを形成するものが好ま
しい。この凝集性樹脂微粒子は、マトリックスを構成す
る合成樹脂、(A)成分及び後述する(C)成分を含有
する反射防止層形成塗工液中で凝集して、前記(A)成
分の平均粒径より大きいアグロメレートを形成するのが
好ましく、これによりさらに低角度での反射防止性が向
上する。この凝集性樹脂微粒子としては、通常ウレタン
系樹脂微粒子が好ましく用いられる。
【0018】前記(A)成分及び(B)成分の樹脂微粒
子の形状については特に制限はないが、球状のものが、
塗工液の流動特性及び塗布性を向上させ、かつ低角度で
の光の反射防止性が向上するので好ましい。
【0019】一方、(C)成分として用いられるカーボ
ンブラック微粒子は、重量平均粒径が1μm以下である
ことが必要である。重量平均粒径が1μmを越えると、
(A)成分や(B)成分との粒径差が小さくなるととも
に、表面積が小さくなり、カーボンブラックの充てん密
度が低下するため、光吸収能力が低下し、反射防止性が
悪くなる。反射防止性の面から、このカーボンブラック
微粒子の特に好ましい重量平均粒径は0.5μm以下で
ある。
【0020】本発明フィルムの反射防止層における各成
分の配合割合については、(A)成分と(B)成分との
配合割合は、重量比で10:1ないし1:2の範囲であ
る。(A)成分の量がこの範囲より少ないと高角度での
反射防止性が低下するし、この範囲より多いと反射防止
層表面の中心線平均粗さが小さくなるため、低角度での
反射防止性が低下する。高角度及び低角度での反射防止
性の面から、(A)成分と(B)成分との配合割合は、
重量比で7:1ないし1:2の範囲が好ましい。
【0021】また、(C)成分の配合量は、(A)成分
と(B)成分との合計重量に基づき、3〜50重量%の
範囲である。(C)成分の配合量が3重量%未満では、
高角度での反射防止性が低下するし、50重量%を超え
ると塗膜表面の乱反射効率が悪くなり、低角度での反射
防止性が低下する。反射防止性の面から、この(C)成
分の配合量は、(A)成分と(B)成分との合計重量に
基づき、5〜30重量%の範囲が好ましい。
【0022】また、本発明においては、(A)成分、
(B)成分及び(C)成分は、その合計量が、前記マト
リックスを構成する合成樹脂100重量部に対し、50
〜700重量部になるような割合で配合することが好ま
しい。この配合量が50重量部未満では基材フィルムや
アンカー層との密着性が悪く、反射率が高くなるおそれ
があるし、700重量部を越えると塗膜がもろくなりや
すい。塗膜物性及び反射防止性の面から、(A)成分、
(B)成分及び(C)成分は、その合計量が、マトリッ
クスを構成する合成樹脂100重量部に対して、100
〜300重量部の範囲にあるのが、特に好ましい。
【0023】本発明フィルムにおいては、この反射防止
層の厚さは10〜100μmの範囲にあることが必要で
ある。この反射防止層の厚さが10μm未満であると反
射防止性が悪くなるし、100μmを越えるとフィルム
全厚が厚くなり、軽量化の有効性が失われる。反射防止
性及びフィルム厚の面から、反射防止層の厚さは、20
〜60μmの範囲が好ましい。
【0024】本発明の反射防止用フィルムは、JIS
B0601に従い測定した中心線平均粗さ(Ra)が、
通常4.00〜10.00μm、好ましくは4.00〜
8.00μm程度になっており、これによって低角度で
の光の反射防止効果が得られている。さらに、本発明の
反射防止用フィルムの反射防止層の反射濃度は1.60
以上であることが好ましい。反射濃度が1.60未満で
あると、高角度での光の反射防止性が低下するおそれが
ある。
【0025】この反射防止用フィルムの反射防止層を形
成させるために塗工液としては、マトリックスを構成す
る合成樹脂、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を
水や有機溶媒、又は水と有機溶媒との混合物に懸濁させ
て調製することができる。この際、必要に応じ、従来使
用されている各種添加剤、例えば、増粘剤、分散剤、着
色剤、消泡剤などを配合することができる。特に、水溶
性アクリル系樹脂は塗工液に対し、優れた増粘効果及び
分散効果をもたらすので、好ましい。この水溶性アクリ
ル系樹脂を配合する場合、その配合割合は、マトリック
スを構成する樹脂、(A)成分、(B)成分及び(C)
成分との合計重量に基づき、0.5〜5重量%の範囲が
好ましい。この配合量が0.5重量%未満では増粘効果
が不十分で、塗布性の向上が十分発揮されないおそれが
あるし、5重量%を越えると液粘度が高くなりすぎ、塗
布性が低下する傾向にある。
【0026】本発明の反射防止用フィルムにおいては、
反射防止層とは反対側の基材フィルム表面の全面又は部
分的に粘着層を介して離型シートを積層することもでき
る。そして使用時にはこの離型シートを剥がし、粘着層
により、容易に装置内へ貼着することができる。この貼
着層の厚さとしては、通常10〜25g/m2、好まし
くは12〜20g/m2の範囲で選ばれる。
【0027】この粘着層を構成する粘着剤としては、例
えば天然ゴム、天然ゴムとスチレンブタジエンゴムとの
混合物、アクリル系共重合体、ブタジエン又はイソプレ
ンとスチレンとの共重合体、ビニルエーテル共重合体、
シリコーンゴムなどを基材とし、これらにロジン系、石
油系又はテルペン系などの粘着性付着剤、粘着調製剤、
接着改良剤、老化防止剤、安定剤、着色剤などの成分を
添加したものを用いることができるが、特にアクリル酸
エステル系樹脂を主成分とする基材からなるものが好適
である。また、断面などにおいて側方からの入射光に基
づく反射をできるだけ防止するために、濃色着色剤を含
有させるのが有利である。
【0028】
【発明の効果】本発明の反射防止用フィルムは、遮光
性、反射防止性、特に低角度の入射光に対する光の反射
防止に優れ、植毛紙に比べ薄く、しかも植毛紙のように
抜け毛やごみの付着による汚染を生じないので、各種光
学機器の内面壁及びフレキシブルプリント基板などに貼
着する内面反射防止用フィルムとして好適である。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、各例中の物性は以下の方法に
よって測定したものである。 (1)光沢度(%):JIS Z8741に従い光沢度
計を用いて入射光60度、75度、85度に対する光沢
度を測定。 (2)表面粗さ(Ra):JIS B0601に従い中
心線平均粗さとして測定。 (3)反射濃度:デジタル反射濃度計マクベス(Mac
bath)RD−918により測定。 (4)凝集性:水100ml中に樹脂微粒子1gを加
え、1000rpmで均一に分散させたのち、5分間静
置し、形成されたアグロメレートの有無を顕微鏡により
観察した。
【0030】実施例1 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ130μ
m)の片面に塗膜厚さ7g/m2のウレタンアンカー層
を設けた。別に熱硬化性アクリルエマルション(ヘキス
ト合成社製、商品名モビニール747、固形分濃度43
重量%)16.4重量部、平均粒径1μm以下のカーボ
ンブラック微粒子(御国色素社製、商品名GPブラック
#4613、固形分濃度12重量%)9.1重量部、重
量平均粒径20μmの非凝集性アクリル樹脂粒子(積水
化成工業社製、商品名テクポリマーMBX−20B)1
5.0重量部、重量平均粒径20μmの凝集性ウレタン
樹脂粒子(大日本インキ化学工業社製、商品名バーノッ
クCFB−600C)6.3重量部、水溶性アクリル樹
脂(日本純薬社製、商品名ジュリマーAC−10H、固
形分濃度20重量%)3.0重量部、架橋剤としてメラ
ミン樹脂(住友化学工業社製、商品名スミテックレジン
M−3、固形分濃度80重量%)3.8重量部、5%ア
ンモニア水溶液4.0重量部、20%塩化アンモニウム
水溶液0.8重量部、エタノール8.3重量部及び水3
3.3重量部を混合して反射防止層形成塗工液を調製し
た。
【0031】次に、前記基材上に設けたウレタンアンカ
ー層上に、上記反射防止層形成塗工液を塗布し、厚さ4
1μmの塗膜を形成させ、反射防止用フィルムを作製し
た。このようにして得た全厚95μmの反射防止用フィ
ルムの物性を表2に示す。
【0032】実施例2、3 実施例1における反射防止層形成塗工液において、各成
分の配合割合を表1に示すように変えた以外は、実施例
1と同様にして反射防止用フィルムを作製した。その物
性を表2に示す。
【0033】比較例1 実施例1において、アクリル樹脂の平均粒径を10μm
にした以外は、実施例1と同様にして反射防止用フィル
ムを作製した。このものの物性を表2に示す。
【0034】比較例2、3 実施例1において、反射防止層形成塗工液として表1に
示す組成のものを用いた以外は、実施例1と同様にして
反射防止用フィルムを作製した。このものの物性を表2
に示す。なお、表1中のかっこ内の数値は固形分換算値
である。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表2から、比較例1〜3はいずれの角度に
おいても光沢度が高いか、または高角度では低くても低
角度では光沢度が高くなっている。これに対し、本発明
の実施例1〜3は低角度及び高角度での光沢度が低いこ
とが分かる。
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】実施例1 ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ130μ
m)の片面に塗膜厚さ7g/m2のウレタンアンカー層
を設けた。別に熱硬化性アクリルエマルション(ヘキス
ト合成社製、商品名モビニール747、固形分濃度43
重量%)16.4重量部、平均粒径1μm以下のカーボ
ンブラック微粒子(御国色素社製、商品名GPブラック
#4613、固形分濃度12重量%)9.1重量部、重
量平均粒径20μmの非凝集性アクリル樹脂粒子(積水
化成工業社製、商品名テクポリマーMBX−20ブラッ
ク)15.0重量部、重量平均粒径20μmの凝集性ウ
レタン樹脂粒子(大日本インキ化学工業社製、商品名バ
ーノックCFB−600C)6.3重量部、水溶性アク
リル樹脂(日本純薬社製、商品名ジュリマーAC−10
H、固形分濃度20重量%)3.0重量部、架橋剤とし
てメラミン樹脂(住友化学工業社製、商品名スミテック
レジンM−3、固形分濃度80重量%)3.8重量部、
5%アンモニア水溶液4.0重量部、20%塩化アンモ
ニウム水溶液0.8重量部、エタノール8.3重量部及
び水33.3重量部を混合して反射防止層形成塗工液を
調製した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 信一 東京都中央区銀座四丁目11番2号 ソマー ル株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの一方の面に、厚さ10〜
    100μmの反射防止層を有する反射防止用フィルムに
    おいて、該反射防止層が、合成樹脂マトリックスに
    (A)平均粒径15〜30μmの非凝集性樹脂微粒子、
    (B)平均粒径15〜30μmの凝集性樹脂微粒子及び
    (C)平均粒径1μm以下のカーボンブラック微粒子を
    含み、かつ(A)成分と(B)成分との配合割合が重量
    比で10:1ないし1:2であり、(C)成分の配合量
    が(A)成分と(B)成分との合計重量に基づき3〜5
    0重量%の範囲であることを特徴とする反射防止用フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 基材フィルムの反射防止層と反対の面に
    粘着層を介して離型シートを積層させた請求項1記載の
    反射防止用フィルム。
  3. 【請求項3】 (B)成分が、(A)成分の平均粒径よ
    り大きいアグロメレートを形成している請求項1又は2
    記載の反射防止用フィルム。
  4. 【請求項4】 基材フィルムが黒色遮光性フィルムであ
    る請求項1、2又は3記載の反射防止用フィルム。
  5. 【請求項5】 粘着層が濃色着色剤を含有するものであ
    る請求項2、3又は4記載の反射防止用フィルム。
  6. 【請求項6】 粘着層が、アクリル酸エステル系樹脂を
    主成分とする粘着剤から成る層である請求項2ないし5
    のいずれかに記載の反射防止用フィルム。
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