JPH10274595A - 継手装置の検査方法およびその装置 - Google Patents

継手装置の検査方法およびその装置

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JPH10274595A
JPH10274595A JP9078481A JP7848197A JPH10274595A JP H10274595 A JPH10274595 A JP H10274595A JP 9078481 A JP9078481 A JP 9078481A JP 7848197 A JP7848197 A JP 7848197A JP H10274595 A JPH10274595 A JP H10274595A
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祐二 高橋
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弘 谷中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】測定装置に固定して測定された継手装置の測定
結果と自動車に搭載して測定された場合のそれぞれの測
定結果の相関関係を高くすることが可能で、測定結果の
信頼性を向上させることが可能な継手装置の検査方法お
よびその装置を提供する。 【解決手段】継手装置の入力軸の回転速度を徐々に上昇
させる。次に、マイクロフォンによって継手装置から発
生する騒音の音圧を音圧信号として検出し、同時に振動
検出器によって継手装置の振動の大きさを振動信号とし
て検出する。また、測定者はヘッドホンから聴感により
継手装置の騒音を測定する。前記音圧信号および振動信
号は継手装置の回転速度に対応して1次、2次、3次、
5次のトラッキング解析が施され、この結果得られた音
圧および振動の大きさに所定の演算が施され、総合レベ
ルが計算される。そして、総合レベルにより継手装置の
良否が判断される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の
トランスファ装置等の継手装置の製造工程において、該
継手装置を回転させて発生する騒音を検査し、当該継手
装置の良否を判断するための継手装置の検査方法および
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば、自動車のトランスミ
ッションから回転駆動力を車軸に伝達する際、継手装置
が用いられる。この継手装置の製造工程では、継手装置
を自動車に搭載された場合と同等の条件で回転させ、こ
のとき発生する騒音から該継手装置を構成する複数の歯
車の噛合状態を確認する等の検査が行われ、継手装置の
良否が判断される。この場合、継手装置から発生する騒
音を測定者が聴感により判断する検査方法が考えられる
が、この方法では、測定者が代わると判断結果が異なる
ことがあり、また、測定環境等により誤差が大きくなる
という問題があった。
【0003】そこで、予め継手装置を所定の測定装置に
固定して該継手装置を回転させ、当該継手装置から発生
する振動のトラッキング解析を行い、一方、継手装置を
自動車に搭載させた状態で回転させた場合に発生する騒
音を聴感で判断し、継手装置を測定装置に固定した場合
と自動車に搭載された場合の両者の結果から互いの相関
関係を求め、この相関関係から継手装置を所定の測定装
置に固定して測定した場合の騒音の音圧レベルのしきい
値を決定し、製造工程において継手装置の騒音が前記し
きい値より大きいか小さいかにより、該継手装置の品質
を判断する方法がある。
【0004】また、特開昭59−164938号公報に
開示された発明「歯車異常音検出装置」(以下、従来例
1という)では、ギアユニットから発生する騒音をマイ
クロホンで検出し、一方、該ギアユニットの回転速度を
速度検出器で検出し、該回転速度に比例した周波数の成
分のみを前記マイクロホンの出力信号から抽出して回転
速度または周波数対音圧の特性図をXY記録計で記録
し、該記録に基づいてギアユニットの品質を判定してい
る。
【0005】さらに、特開平8−43258号公報に開
示された発明「歯車の検査装置」(以下、従来例2とい
う)は、予め、所定の振動発生部位と、当該振動発生部
位において発生する振動周波数との関係がテーブルとし
て格納手段に格納されており、オートトランスミッショ
ンを回転させたときに検出手段により検出された異音の
周波数から、前記テーブルに基づいてオートトランスミ
ッションの振動発生部位を確認して、オートトランスミ
ッションの品質を判断するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、継手装置を
実際に自動車に搭載して聴感で騒音を判断する場合、多
くの不快音が総合的に判断されているのに対し、前記の
従来技術のように、継手装置を測定装置に固定して測定
した場合や、前記従来例1および従来例2の装置によっ
て測定して判定する場合、判定のための振動または騒音
の測定は、振動や、回転速度または周波数に対する音
圧、または異音の周波数を単独で測定しているので、測
定結果に基づく判定結果と聴感に基づく判定結果との相
関関係を高くすることが困難であり、測定結果と聴感で
判断した結果とが異なることがある。また、自動車の車
室内の静粛性が高まり、継手装置にも低い騒音レベルが
要求されるようになると、低い騒音レベルにおける前記
相関関係が一層小さくなる。このため、前記従来例の測
定結果が必ずしも実際の自動車が発生する騒音と一致す
るものではなく、測定結果の信頼性が低下するという問
題があった。
【0007】本発明は前記の課題を解決すべくなされた
ものであって、測定装置に固定して測定された継手装置
の測定結果と実際の自動車に搭載して測定された場合の
それぞれの測定結果の相関関係を高くし、換言すれば、
測定装置に固定して測定された継手装置の測定結果が、
実際の自動車に搭載された継手装置が発生する騒音に可
及的に近づくように種々の条件設定を行って、測定結果
に基づく判定結果が誤判定とならないようにすることが
可能な継手装置の検査方法およびその装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、回転駆動中の継手装置から発生する騒
音に基づいて継手装置を検査する方法であって、継手装
置の入力軸を回転させる回転駆動工程と、前記継手装置
から発生する騒音の音圧および振動を前記継手装置近傍
に設けられた音圧センサと振動センサによって検出する
検出工程と、前記検出工程で検出した前記音圧および振
動の中、前記継手装置の回転速度に比例した周波数の成
分をトラッキング解析により測定するトラッキング解析
工程と、前記トラッキング解析の結果から得られた前記
音圧および振動の大きさと、複数に区分された音圧設定
値と振動設定値とを比較して前記音圧および振動の大き
さに応じた所定の音圧レベル設定値と振動レベル設定値
を選択し、このレベル設定値に予め設定された定数を乗
じて音圧レベル値と振動レベル値を得るレベル設定工程
と、前記検出工程とトラッキング解析工程とレベル設定
工程とが行われる一方、前記回転駆動工程の後に前記継
手装置の騒音レベルを聴感により判断して該騒音レベル
に応じた所定の騒音レベル設定値を選択し、この騒音レ
ベル設定値に予め設定された定数を乗じて騒音レベル値
を得る騒音レベル設定工程と、前記音圧レベル値、振動
レベル値および騒音レベル値を加算し、この加算値に基
づいて前記継手装置の良否を判断する判定工程と、を有
することを特徴とする。
【0009】本発明によれば、騒音と振動のトラッキン
グ解析の結果から、複数に区分されたレベル設定値のい
ずれか1つを選択し、このレベル設定値に予め設定され
た定数を乗じて騒音の大きさを判断するため、この定数
を適当な値に設定することにより、継手装置を測定装置
に固定して測定した場合の測定結果と自動車に搭載して
測定した場合のそれぞれの測定結果の相関関係を高くす
ることができ、従って、継手装置の検査方法として好適
である。
【0010】この場合、前記トラッキング解析工程で、
前記継手装置の回転速度に比例した周波数が、前記継手
装置に設けられた歯車の歯数と、あらかじめ設定された
所定の整数値とを前記回転速度に乗じて得られる周波数
であり、前記所定の整数値は複数設定され、それぞれの
整数値に対応して前記音圧および振動の大きさが測定さ
れると、複数の整数値による測定結果によって継手装置
の品質が判断されるため、測定精度が向上し、継手装置
の検査方法として一層好適である。
【0011】また、本発明は、回転駆動中の継手装置か
ら発生する騒音に基づいて継手装置を検査する装置にお
いて、継手装置の入力軸に係合し、該入力軸を回転させ
る回転駆動手段と、前記継手装置に近接して設けられ、
該継手装置の入力軸が前記回転駆動手段の付勢作用下に
回転しているときに当該継手装置から発生する騒音の音
圧を検出する音圧センサと、前記継手装置に近接して設
けられ、該継手装置の入力軸が前記回転駆動手段の付勢
作用下に回転しているときに該継手装置の振動を検出す
る振動センサと、前記音圧センサで検出した前記継手装
置の騒音を測定者が聞くための音響再生器と、前記音圧
センサで検出した音圧および前記振動センサで検出した
振動の中、前記継手装置の回転速度に比例した周波数の
成分をトラッキング解析により測定するトラッキング解
析器と、前記トラッキング解析器によって得られた前記
音圧および振動の大きさと、複数に区分された音圧設定
値と振動設定値とを比較して前記音圧および振動の大き
さに応じた所定の音圧レベル設定値と振動レベル設定値
を選択し、このレベル設定値に予め設定された定数を乗
じて音圧レベル値と振動レベル値を得て、一方、前記継
手装置の騒音レベルを聴感により判断して該騒音レベル
に応じた所定の騒音レベル設定値を選択し、この騒音レ
ベル設定値に予め設定された定数を乗じて騒音レベル値
を求め、前記音圧レベル値、振動レベル値および騒音レ
ベル値を加算し、この加算値に基づいて前記継手装置の
良否を判断する演算装置と、を備えることを特徴とす
る。
【0012】本発明によれば、前記回転駆動手段により
前記継手装置の入力軸をその回転速度を変化させながら
回転させ、このときの前記継手装置から発生する騒音の
音圧を前記音圧センサで検出すると共に、前記継手装置
の振動を前記振動センサにより検出する。さらに、前記
騒音を前記音声再生器により再生し、測定者は聴感によ
りこの騒音を測定する。前記音圧および前記振動から、
トラッキング解析器により前記継手装置の回転速度に比
例した周波数の音圧および振動の大きさをトラッキング
解析して前記演算装置に入力する。該演算装置では前記
トラッキング解析された音圧および振動の大きさから所
定のレベル設定値が選択され、このレベル設定値に予め
設定された所定の定数を乗じて音圧レベル値および振動
レベル値を得る。さらに、前記測定者が聴感によって測
定した騒音の大きさから所定のレベル設定値が選択さ
れ、このレベル設定値に所定の定数を乗じて騒音レベル
値を求め、この騒音レベル値と前記音圧レベル値および
前記振動レベル値とを加算し、この加算された結果から
前記継手装置の良否を判断する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る継手装置の検査方法
について、それを実施する装置との関係において、好適
な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳
細に説明する。
【0014】図1において、参照符号10は、本実施の
形態に係る継手装置の検査装置を示す。この検査装置1
0は略L字状に形成されたテーブル12を備え、該テー
ブル12の上部には継手装置であるトランスファ装置1
4が載置位置決めされる測定台16が固着される。前記
テーブル12の上部には回転駆動源であるモータ18が
設けられ、該モータ18の回転軸20は前記トランスフ
ァ装置14の入力軸56と同軸的に延在している。前記
回転軸20は前記トランスファ装置14の入力軸56に
連結ロッド24によって連結されている。前記テーブル
12には回転トルク検出器26が設けられ、該回転トル
ク検出器26の回転軸28の一端部は前記トランスファ
装置14の出力軸70に連結部材30によって連結され
ている。前記回転トルク検出器26の回転軸28の他端
部にはブレーキ装置32が設けられ、該ブレーキ装置3
2は前記出力軸70にかかるトルクが一定となるように
制御される。
【0015】前記測定台16には前記トランスファ装置
14の振動を検出する振動センサ34が配置される。該
振動センサ34は、図示しない弾性部材、例えば、コイ
ルスプリング等によって前記トランスファ装置14に押
圧固定されるように構成してもよい。また、前記テーブ
ル12には前記トランスファ装置14の入力軸56の延
長線上に音圧センサであるマイクロフォン36が設けら
れる。前記振動センサ34および前記マイクロフォン3
6は増幅器38に電気的に接続され、該増幅器38には
音響再生器であるヘッドホン40が接続される。該ヘッ
ドホン40には前記マイクロフォン36で検出された前
記トランスファ装置14の騒音が前記増幅器38によっ
て増幅されて入力される。前記増幅器38には汎用トラ
ッキング解析器42が接続され、該汎用トラッキング解
析器42には演算装置であるコンピュータ44が接続さ
れる。
【0016】本実施の形態に係る継手装置の検査装置1
0は、基本的には以上のように構成されるものであり、
次に本実施の形態に係る検査方法で使用されるトランス
ファ装置14について、図2を参照して説明する。
【0017】このトランスファ装置14は略L字状に形
成された中空のケーシング50を備え、該ケーシング5
0には孔部50a〜50dが画成され、2つの孔部50
a、50bは蓋部材52、54によって閉蓋される。前
記ケーシング50の内部には入力軸56がベアリング5
8、60によって回転自在に支持される。該入力軸56
の一方の端部には歯車62が形成され、該歯車62は前
記ケーシング50の孔部50cから外方に突出してい
る。前記入力軸56の他端部には傘歯車64が固着さ
れ、該傘歯車64はベアリング66によって前記ケーシ
ング50に回動自在に支持される。
【0018】前記ケーシング50の内部には前記入力軸
56と直交して出力軸70が設けられ、該出力軸70は
ベアリング72、74によって回転自在に支持される。
前記出力軸70の一端部には傘歯車76が形成され、該
傘歯車76は前記傘歯車64に歯合する。前記出力軸7
0の他端部は前記孔部50dから突出して前記出力軸7
0と図示しない車軸等とを接続するためのコンパニオン
フランジ78が固着される。該コンパニオンフランジ7
8と前記孔部50dを形成する壁部との間にはオイルシ
ール80が設けられ、該オイルシール80は前記トラン
スファ装置14内部に導入された潤滑油等が該トランス
ファ装置14から漏洩することを防止している。
【0019】本実施の形態の検査方法に使用されるトラ
ンスファ装置14は以上のように構成されるものであ
り、次に、本実施の形態に係る継手装置の検査方法につ
いて、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0020】先ず、検査装置10の測定台16にトラン
スファ装置14が載置位置決めされる(図1参照)。こ
の場合、入力軸56はモータ18の主軸に連結ロッド2
4を介して係合し、一方、出力軸70は回転トルク検出
器26に対し連結部材30を介して連結されている。こ
のため、入力軸56はモータ18の回転軸20と一体的
に回転し、一方、出力軸70は回転トルク検出器26の
回転軸28と一体的に回転する。
【0021】次に、モータ18を付勢して入力軸56を
回転させ(ステップS1)、該入力軸56の回転速度を
徐々に上昇させる。トランスファ装置14の内部では、
前記のように入力軸56が回転すると傘歯車64が入力
軸56と一体的に回転し、このため傘歯車76を介して
出力軸70が回転する(図2参照)。出力軸70が回転
すると、回転トルク検出器26の回転軸28が回転して
出力軸70にかかるトルク(負荷)を測定する。ブレー
キ装置32はこのトルクが所定の値となるように制御さ
れ、従って、出力軸70には特定のトルクがかかる。
【0022】次いで、マイクロフォン36によってトラ
ンスファ装置14から発生する騒音の音圧を検出して
(ステップS2)、音圧信号として電気信号に変換し、
該音圧信号を増幅器38で増幅する。この増幅された音
圧信号は汎用トラッキング解析器42とヘッドホン40
に入力される。
【0023】同時に振動センサ34によってトランスフ
ァ装置14の振動を振動信号として検出して(ステップ
S3)これを電気信号に変換し、該振動信号を増幅器3
8で増幅する。この増幅された振動信号は前記汎用トラ
ッキング解析器42に入力される。
【0024】汎用トラッキング解析器42では、入力さ
れた音圧信号および振動信号からトランスファ装置14
の回転速度に比例した周波数の成分を測定する(ステッ
プS5、S6)。詳細に説明すると、トランスファ装置
14の入力軸56が回転すると、傘歯車64の1つの歯
が傘歯車76の1つの歯に噛み合い、これを繰り返して
傘歯車64の回転力が傘歯車76に伝達される。従っ
て、それぞれの歯が噛み合う周期に応じて騒音および振
動が発生し、入力軸56が回転するときに発生する騒音
および振動には、傘歯車64と傘歯車76のそれぞれの
歯が噛み合う周期に応じた周波数の成分と、この周波数
の整数倍の成分が多く含まれる。すなわち、入力軸56
の回転速度をi、傘歯車64の歯数をKとすると、前記
騒音および振動には、 f=h・K・i で表される周波数fの成分が多く含まれることになる。
ここで、hは1、2、3、5等の予め設定された所定の
整数値であり、次数という。
【0025】入力軸56の回転速度iに対する音圧につ
いて、図5にグラフで表す。このグラフは、入力軸56
の回転速度iが変化したときの音圧信号を周波数分析し
た結果であり、例えば、回転速度i1 のとき、音圧信号
には周波数f1 とf2 の成分が多く含まれていることを
示す。
【0026】そこで、汎用トラッキング解析器42で
は、該汎用トラッキング解析器42に入力された音圧信
号および振動信号から、次数hが1、2、3、5のとき
の回転速度iに対する周波数f=h・K・iの成分を測
定する。例えば、1次の音圧信号、すなわち、次数h=
1の場合について、説明すると、汎用トラッキング解析
器42は、周波数f=K・iを表す直線(図5中、直線
M)上の騒音の音圧(平面N)を測定し、この測定結果
は、図6Aに示すように、回転速度iに対する音圧aと
して表される。
【0027】このようにして得られたトラッキング解析
の結果から、音圧信号のピーク値a 1 を検出し、コンピ
ュータ44に入力する(図4中、ステップS51)。該
コンピュータ44では、該ピーク値a1 を複数の区分さ
れた音圧設定値Ba 〜Bc と比較し、音圧のピーク値に
応じた所定のレベル設定値c1 を選択する(ステップS
52)。例えば、レベル設定値c1 が0〜Ba なら1、
a 〜Bb なら2、B b 〜Bc なら3、Bc 以上なら4
と設定されている場合、音圧ピーク値a1 がB b 〜Bc
ならばレベル設定値c1 として3を選択する。
【0028】この選択されたレベル設定値c1 に重み付
けとして設定された所定の定数N1を乗じてレベル値d1
を求める(ステップS53)。この場合、音圧信号と
振動信号の各次数毎に定数N1 〜N8 が設けられてお
り、定数N1 〜N8 の値は、予めトランスファ装置14
を自動車に搭載して音圧と振動の大きさを測定した結果
によって設定された値である。
【0029】同様にして、音圧信号の2次、3次、5
次、および振動信号の1次、2次、3次、5次のそれぞ
れのトラッキング解析の結果について、音圧信号と振動
信号のピーク値a2 〜a8 からレベル設定値c2 〜c8
を選択し、このレベル設定値c 2 〜c8 に所定の定数N
2 〜N8 を乗じてレベル値d2 〜d8 を求める(図6B
〜図6Dおよび図7A〜図7D参照)。
【0030】一方、測定者はヘッドホン40から聴感に
より騒音を測定する(ステップS4)。この場合、測定
者は騒音に含まれる長周期の音(うなり)、ベアリング
等から発生する不規則な音等を聞き取り、このような音
が聞こえた場合にはレベル設定値c9 を4としてコンピ
ュータ44に入力し、このような音が聞こえない場合に
は、騒音の大きさ、音色等によって判断して1〜3のい
ずれかをレベル設定値c9 としてコンピュータ44に入
力する(ステップS71)。そして、このレベル設定値
9 に重み付けとして設定された定数N9 を乗じてレベ
ル値d9 が得られる(ステップS72)。このようにし
て求められたレベル値d1 〜d9 は全て加算されて合計
値Dが求められる。
【0031】コンピュータ44は、全ての前記レベル設
定値c1 〜c9 が最低レベルの1である場合、このトラ
ンスファ装置14は異常なしと判断する(ステップS8
1)。
【0032】一方、レベル設定値c1 〜c9 に1つでも
2以上の値がある場合、前記合計値Dと総合レベル設定
値Ea 〜Ec とを比較して総合レベルgが決定される。
総合レベル設定値Ea 〜Ec は、Ea <Eb <Ec であ
り、合計値Dが総合レベル設定値Ea 未満では総合レベ
ルgとして1を、合計値Dが総合レベル設定値Ea 〜E
b であれば2を、合計値Dが総合レベル設定値Eb 〜E
c であれば3を、合計値Dが総合レベル設定値Ec 以上
であれば4を選択する(ステップS82)。そして、総
合レベルgが1であればこのトランスファ装置14は異
常なしと判断され(ステップS91)、モータ18を滅
勢して入力軸56と出力軸70の回転を停止させる(図
3、ステップS11)。そして、トランスファ装置14
は次の工程に搬送され、自動車に組み付けられる(ステ
ップS13)。一方、総合レベルgが2〜4であればこ
のトランスファ装置14は異常ありと判断される(ステ
ップS91)。そして、入力軸56と出力軸70の回転
を停止させた後(ステップS10)、このトランスファ
装置14は製造工程から取り除かれる(ステップS1
2)。
【0033】以上のように、トラッキング解析により回
転速度に同期した周波数の騒音および振動の大きさを精
度よく測定してトランスファ装置14の良否を判断する
と共に、聴感により歯車等の歯面上の傷、歯面の振れに
よる周期的な音、ベアリングから発生する異音など、ト
ラッキング解析により検出することが困難な騒音につい
て判断することができ、トランスファ装置14の騒音検
査が精度よく遂行される。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る継手装置の検査方法および
その装置によれば、以下のような効果ならびに利点が得
られる。
【0035】継手装置の騒音の音圧と振動の大きさを音
圧センサと振動センサにより検出し、この音圧と振動の
大きさからトラッキング解析器によりトラッキング解析
を行い、この結果から複数に区分されたレベル設定値の
いずれか1つを選択し、このレベル設定値に予め設定さ
れた定数を乗じて騒音の大きさを判断するため、この定
数を適当な値に設定することにより、継手装置を測定装
置に固定して測定した場合の測定結果と自動車に搭載し
て測定した場合のそれぞれの測定結果の相関関係を高く
することが可能となり、また、聴感による測定も行い、
測定装置によって検出することができない騒音を検出す
るため、測定結果の信頼性を向上させることができる。
【0036】さらに、トラッキング解析工程では予め複
数の所定の整数値が設定され、それぞれの整数値毎に音
圧レベル値および振動レベル値が求められ、このレベル
値によって継手装置の良否が判断されるため、前記相関
関係を一層高くすることができ、従って、測定精度が一
層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査装置
を示す概略平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査方法
に使用されるトランスファ装置の概略横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査方法
のフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートのトラッキング解析工程
を示す詳細フローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査方法
の説明図であり、継手装置の回転速度に対する騒音の大
きさの周波数解析結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査方法
によってトラッキング解析された回転速度対音圧信号の
グラフであり、図6Aは1次の音圧信号を示し、図6B
は2次の音圧信号を示し、図6Cは3次の音圧信号を示
し、図6Dは5次の音圧信号を示す。
【図7】本発明の実施の形態に係る継手装置の検査方法
によってトラッキング解析された回転速度対振動信号の
グラフであり、図7Aは1次の振動信号を示し、図7B
は2次の振動信号を示し、図7Cは3次の振動信号を示
し、図7Dは5次の振動信号を示す。
【符号の説明】
10…検査装置 14…トランスファ
装置 18…モータ 56…入力軸 26…回転トルク検出器 32…ブレーキ装置 34…振動センサ 36…マイクロフォ
ン 42…汎用トラッキング解析器 44…コンピュータ 70…出力軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転駆動中の継手装置から発生する騒音に
    基づいて継手装置を検査する方法であって、 継手装置の入力軸を回転させる回転駆動工程と、 前記継手装置から発生する騒音の音圧および振動を前記
    継手装置近傍に設けられた音圧センサと振動センサによ
    って検出する検出工程と、 前記検出工程で検出した前記音圧および振動の中、前記
    継手装置の回転速度に比例した周波数の成分をトラッキ
    ング解析により測定するトラッキング解析工程と、 前記トラッキング解析の結果から得られた前記音圧およ
    び振動の大きさと、複数に区分された音圧設定値と振動
    設定値とを比較して前記音圧および振動の大きさに応じ
    た所定の音圧レベル設定値と振動レベル設定値を選択
    し、このレベル設定値に予め設定された定数を乗じて音
    圧レベル値と振動レベル値を得るレベル設定工程と、 前記検出工程とトラッキング解析工程とレベル設定工程
    とが行われる一方、前記回転駆動工程の後に前記継手装
    置の騒音レベルを聴感により判断して該騒音レベルに応
    じた所定の騒音レベル設定値を選択し、この騒音レベル
    設定値に予め設定された定数を乗じて騒音レベル値を得
    る騒音レベル設定工程と、 前記音圧レベル値、振動レベル値および騒音レベル値を
    加算し、この加算値に基づいて前記継手装置の良否を判
    断する判定工程と、 を有することを特徴とする継手装置の検査方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の継手装置の検査方法におい
    て、 前記トラッキング解析工程で、前記継手装置の回転速度
    に比例した周波数は、前記継手装置に設けられた歯車の
    歯数と、あらかじめ設定された所定の整数値とを前記回
    転速度に乗じて得られる周波数であり、前記所定の整数
    値は複数設定され、それぞれの整数値に対応して前記音
    圧および振動の大きさが測定されることを特徴とする継
    手装置の検査方法。
  3. 【請求項3】回転駆動中の継手装置から発生する騒音に
    基づいて継手装置を検査する装置において、 継手装置の入力軸に係合し、該入力軸を回転させる回転
    駆動手段と、 前記継手装置に近接して設けられ、該継手装置の入力軸
    が前記回転駆動手段の付勢作用下に回転しているときに
    当該継手装置から発生する騒音の音圧を検出する音圧セ
    ンサと、 前記継手装置に近接して設けられ、該継手装置の入力軸
    が前記回転駆動手段の付勢作用下に回転しているときに
    該継手装置の振動を検出する振動センサと、 前記音圧センサで検出した前記継手装置の騒音を測定者
    が聞くための音響再生器と、 前記音圧センサで検出した音圧および前記振動センサで
    検出した振動の中、前記継手装置の回転速度に比例した
    周波数の成分をトラッキング解析により測定するトラッ
    キング解析器と、 前記トラッキング解析器によって得られた前記音圧およ
    び振動の大きさと、複数に区分された音圧設定値と振動
    設定値とを比較して前記音圧および振動の大きさに応じ
    た所定の音圧レベル設定値と振動レベル設定値を選択
    し、このレベル設定値に予め設定された定数を乗じて音
    圧レベル値と振動レベル値を得て、一方、前記継手装置
    の騒音レベルを聴感により判断して該騒音レベルに応じ
    た所定の騒音レベル設定値を選択し、この騒音レベル設
    定値に予め設定された定数を乗じて騒音レベル値を求
    め、前記音圧レベル値、振動レベル値および騒音レベル
    値を加算し、この加算値に基づいて前記継手装置の良否
    を判断する演算装置と、 を備えることを特徴とする継手装置の検査装置。
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