JP2021152499A - 異音生成装置および異音生成方法 - Google Patents

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一史 二宮
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英憲 永田
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Abstract

【課題】車両の異音判定用の十分な量の異音データを容易に取得しうる異音生成装置を提供する。【解決手段】異音生成装置10は、予め車両の所定位置に搭載される部品を用いて車両の外部で異音発生試験を行ったときに生じる部品に対応する異音を取得する外部マイクロホン12と、車両の内部に搭載される内部マイクロホン13と、所定位置から内部マイクロホン13に至るまでの間の音の伝達関数を算出する伝達関数算出部32と、外部マイクロホン12により取得された異音データと、伝達関数算出部32により算出された伝達関数と、車両が所定条件で走行したときに内部マイクロホン13により取得された正常音の音データと、に基づいて、車両の走行時に生じる可能性がある異音に対応する異音データを生成するデータ生成部33と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の異音データを生成する異音生成装置および異音生成方法に関する。
従来より、車両走行時における異音の発生の有無を判定するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1記載の装置では、車両走行時に集音された車内の音圧データと、車両の走行速度に応じて予め定められた異音判定用の閾値とを比較し、車両が所定速度で走行しているときの音圧データが閾値を超えると、異音が発生したと判定する。異音判定用の閾値は、車両を実際に走行させたときに生じた異音データを用いて、予めデータベースに登録される。
特許第5345887号公報
しかしながら、車両走行時に異音が生じることは稀であるため、上記特許文献1記載の装置のように、実走行時に得られた異音データを用いて異音判定用の閾値を設定する構成では、十分な量の異音データを取得することができず、異音判定を精度よく行うことが困難である。
本発明の一態様は、車両の異音判定に用いられる異音データを生成する異音生成装置であって、予め車両の所定位置に搭載される部品を用いて車両の外部で異音発生試験を行ったときに生じる部品に対応する異音を取得する外部マイクロホンと、車両の内部に搭載される内部マイクロホンと、所定位置から内部マイクロホンに至るまでの間の車両の内部における音の減衰の程度を算出する算出部と、外部マイクロホンにより取得された異音のデータと、算出部により算出された減衰の程度と、車両が所定条件で走行したときに内部マイクロホンにより取得された正常音の音データと、に基づいて、車両の走行時に生じる可能性がある異音に対応する異音データを生成するデータ生成部と、データ生成部により生成された異音データを記憶する記憶部と、を備える。
本発明の他の態様は、車両の異音判定に用いられる異音データを生成する異音生成方法であって、車両の所定位置に搭載される部品を用いて車両の外部で異音発生試験を行うとともに、異音発生試験を行ったときに生じる前記部品に対応する異音の音データを取得する異音取得工程と、所定位置から車両の内部に搭載された内部マイクロホンに至るまでの間の車両の内部における音の減衰の程度を算出する算出工程と、車両が所定条件で走行したときに内部マイクロホンにより取得された正常音の音データを取得する正常音取得工程と、異音取得工程で取得された異音の音データと、算出工程により算出された減衰の程度と、正常音取得工程により取得された正常音の音データと、に基づいて、車両の走行時に生じる可能性がある異音に対応する異音データを生成するデータ生成工程と、を含む。
本発明によれば、十分な量の異音データを容易に取得することができる。
本発明の実施形態に係る異音生成装置を用いて異音判定を行う場合の流れを概略的に示す図。 本発明の実施形態に係る異音生成装置の要部構成を示すブロック図。 異音発生試験に用いられる異音発生試験機の概略構成を示す図。 異音発生試験により得られた波形データの一例を示す図。 インパルス応答試験により得られた波形データの一例を示す図。 事前走行試験により得られた波形データの一例を示す図。 図2の内部マイクロホンの配置と、インパルス応答試験における異音源の位置との関係を概略的に示す平面図。 本発明の実施形態に係る異音発生方法による手順の一例を示すフローチャート。
以下、図1〜図6を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る異音生成装置は、車両の走行時における異音の発生の有無を判定する基準となる異音データを生成するための装置である。例えば工場で製造された完成車両を出荷するとき、個々の完成車両を実際に走行させて異音の発生の有無を検査する検査工程が必要である。この場合、異音の発生の有無を、完成車両に乗車する作業員自身の聴覚に基づいて判定したのでは、作業員の主観が介在するため、判定結果のばらつきが大きい。
したがって、予め車両走行時に生じ得る異音データを取得し、この異音データと完成車両を走行させたときに得られる走行音データとを、別途判定装置を用いて比較することで、異音の発生の有無を判定するように構成することが、異音の発生の有無の判定精度を高めるためには好ましい。しかしながら、完成車両の検査で異音が発生することは稀である。したがって、異音判定用の種々の異音データを取得するためには、膨大な検査データが必要となり、検査に要する工数が著しく増大する。そこで、本実施形態では、異音データを容易に取得可能とするため、以下のように異音生成装置を構成する。
図1は、車両1の異音判定を行う場合の流れを概略的に示す図である。なお、以下では、検査工程に供される完成車両を、検査車両と呼ぶことがある。図1に示すように、検査車両1の異音判定を行うためには、まず異音生成装置10が、異音判定の基準となる複数の異音データを生成する。例えば検査車両1の車種毎に複数種類の異音データを生成する(異音生成工程)。
異音データの生成にあたっては、予め石畳のような所定路面2(ペルジャン路面)からなる検査コースを、異音が発生しない正常状態の車両1a(基準車両と呼ぶ)に所定速度で走行させる。すなわち、検査車両1と同一車種からなる基準車両1aを事前走行させる。基準車両1aには、車内の所定位置(例えばセンターコンソール)にマイクロホンMC(後述の内部マイクロホン13)が設置されており、基準車両1aの走行音をマイクロホンMCで集音して正常音データを取得する(正常音取得工程)。
次いで、検査工程に供される検査車両1を、正常音取得工程と同様に、所定路面2からなる検査コースを所定速度で走行させる。検査車両1にも、車内の所定位置(例えばセンターコンソール)にマイクロホンMC(後述の内部マイクロホン13)が設置されており、検査車両1の走行音をマイクロホンMCで集音して走行音データを取得する(検査走行工程)。
次いで、異音判定装置20が、異音生成装置10で生成された異音データと、基準車両1aの事前走行により得られた正常音データと、検査車両1の走行試験により得られた走行音データとに基づいて、異音の発生の有無を判定する(異音判定工程)。例えば、複数種類の異音データのいずれかと走行音データとが一致するとき、例えば音の強さ(音圧)、高さ(周波数)および音色(波形)等において一致するとき、異音ありと判定する。一方、走行音データが正常音データに一致するとき、あるいは複数種類の異音データのいずれにも走行音データが一致しないとき、異音なしと判定する。
異音判定装置20による判定結果は、例えばモニタなどの外部装置6に作業員が認識可能な態様で出力される。異音ありと判定された場合には、異音ありと判定された検査車両1の再検査が実施される。再検査では、加振機を用いて検査車両1が加振される。このとき異音の発生が再現される場合には、異音生成装置10により生成された異音データの信頼性および異音判定装置20による異音判定の信頼性が十分に担保されたことになる。
本実施形態に係る異音生成装置10の構成について説明する。図2は、異音生成装置10の要部構成を示すブロック図である。図2に示すように、異音生成装置10は、入力装置11と、外部マイクロホン12と、内部マイクロホン13と、コントローラ30とを有する。入力装置11は、作業員が異音データの生成に関する各種指令を入力するための装置であり、キーボード、マウス、タッチパネル等により構成される。
外部マイクロホン12は、入力された音を電気信号に変換して出力する音響機器であり、単一のマイクロホンにより構成される。外部マイクロホン12は、予め車外の実験室等で実施される異音発生試験によって生じる異音を集音するために用いられる。異音発生試験は、検査車両1に搭載される単一の部品または互いに組み合わされる複数の部品から異音を発生させる試験であり、例えば異音発生試験機を用いて行われる。
図3は、異音発生試験機5の概略構成を示す図である。図3では、検査車両1に互いに隣接して配置される一対の部品、すなわち第1部品3と第2部品4とが示される。第1部品3と第2部品4とは、例えば互いに所定の隙間を空けて配置される部品、あるいは互いに密着した状態で締結される部品である。
図3に示すように、異音発生試験機5は、第1部品3を支持する第1支持部51と、第2部品4を支持する第2支持部52とを有する。第1部品3と第2部品4とは上下方向に互いに対向して配置される。第1支持部51は、不図示のアクチュエータの駆動によって図3の矢印に示すように上下方向および水平方向に移動可能に構成される。第1支持部51が上下方向に移動することで、第1部品3が第2部品4に衝突し、打撃音を発生させることができる。第1支持部51が水平方向に移動することで、第1部品3が第2部品4に対し摺動し、摩擦音を発生させることができる。外部マイクロホン12は、これら打撃音や摩擦音を集音するために、第1部品3と第2部品4の接触部の近傍に配置される。
なお、第2部品4に対し第1部品3が相対移動して異音を発生させるのであれば、異音発生試験機5の構成はいかなるものでもよい。例えば第2支持部52を上下方向および水平方向に移動可能に設けてもよく、第1支持部51と第2支持部52の双方を移動可能に設けてもよい。異音発生試験機5を用いることで、互いに締結される部品の緩みや、部品の脱落および位置ずれ等に起因した音、すなわち正常に組み立てられた検査車両1からは生じ得ない種々のパターンの異音を発生させることができる。
本実施形態では、代表的な異音として以下の第1異音〜第4異音を、異音発生試験機5により発生させる。第1異音は、第1部品3および第2部品4をそれぞれ樹脂材により構成したときの樹脂材同士の打撃音であり、コネクタ音に相当する。第2異音は、第1部品3および第2部品4をそれぞれ金属により構成したときの金属同士の打撃音であり、スチール音に相当する。第3異音は、第1部品3および第2部品4をそれぞれ樹脂材により構成したときの樹脂材同士の摩擦音であり、この場合の音域は低音となる。第4異音は、第1部品3および第2部品4をそれぞれ金属により構成したときの金属同士の摩擦音であり、この場合の音域は高音となる。
なお、異音の発生パターンは上述したものに限らず、異音発生試験機5を用いて、検査車両1から生じ得ると想定される他の異音を発生させるようにしてもよい。例えば、樹脂材の部品と金属の部品とが隣接して配置される状態を想定し、第1部品3を樹脂材により構成し、第2部品4を金属により構成してもよい。
図4Aは、異音発生試験において、外部マイクロホン12により集音された異音データ、すなわち異音源の波形データの一例を示す図である。図4Aは、横軸が時間、縦軸が音圧であり、図中の特性f1は、時間経過に伴い音圧が変化する波形データとして示される。
異音発生試験機5を用いることなく、検査車両1に部品を故意に不良状態に組み付けて異音を発生させるようにしてもよい。例えばシート固定用のボルトに緩みを生じさせた状態で、作業員が検査車両1のシートを加振して、または加振機により検査車両1全体を加振して異音を生じさせ、その異音を異音源(シート)の近傍に配置したマイクロホンで集音するようにしてもよい。インパネ周りの部品にがたつきを生じさせ、そのときの異音をマイクロホンで集音するようにしてもよい。なお、異音発生試験により得られた音データは、異音データの基準となる音データであり、以下ではこれを基準異音データと呼ぶ。
内部マイクロホン13は、複数のマイクロホンを有するマイクロホンアレイからなる音響機器であり、検査車両1と基準車両1aの所定位置(例えばセンターコンソール)に配置される。内部マイクロホン13は、検査車両1または基準車両1aの所定位置から内部マイクロホン13に至るまでの音の伝達関数を求めるために、実験室等で行われるインパルス応答試験に用いられる。さらに内部マイクロホン13は、基準車両1aの走行時の正常音データを取得するために、事前走行試験に用いられる。なお、内部マイクロホン13は、検査走行工程(図1)おいて検査車両1を走行させて走行音データを得るためにも用いられる。
図5は、内部マイクロホン13の配置を概略的に示す平面図である。図5に示すように、内部マイクロホン13は、互いに異なる位置に配置された複数のマイクロホン、例えば周方向8個のマイクロホン131〜138を有する。なお、これら単一のマイクロホン131〜138をそれぞれ第1マイクロホン131〜第8マイクロホン138と呼ぶことがある。第1マイクロホン131は、車幅方向の中央かつインパネに面して配置され、集音の基準となるマイクロホン、すなわち基準マイクロホンを構成する。
インパルス応答試験は、内部マイクロホン13の周囲の複数の音源位置(例えば音源位置P1〜P9)に不図示のスピーカを配置し、スピーカを音源としたインパルス応答を内部マイクロホン13によって測定する試験である。音源位置P1〜P9は、異音発生試験に用いられる第1部品3および第2部品4が検査車両1に実際に搭載される位置に相当する。なお、音源位置P1〜P9は、第1部品3や第2部品4が配置される位置とは異なる位置であってもよい。
図4Bは、インパルス応答試験により得られる音の波形データの一例を示す図である。図4Bは、横軸が時間、縦軸が音圧であり、図中の特性f2は、時間経過に伴い音圧が減少する波形データとして示される。
インパルス応答は、第1マイクロホン131〜第8マイクロホン138でそれぞれ測定される。これら測定された音データをフーリエ変換することで、音源位置P1〜P9から各マイクロホン131〜138に至るまでの伝達経路における音の伝達関数を算出することができる。
図4Aの特性f1に示す基準異音データを入力データとし、この入力データに、インパルス応答で得られた伝達関数を畳み込みすることで、各マイクロホン131〜138で集音される音の出力データを導出できる。この出力データは、異音源から発せられた異音が減衰して各マイクロホン131〜138に伝達されたときの各マイクロホン131〜138で得られる音データに相当する。異音源の基準異音データに伝達関数を乗算することは、基準異音データに音の伝達経路の減衰率を乗算することに対応する。
事前走行試験は、図1の検査走行工程におけるのと同様に実施される走行試験である。事前走行試験により取得する走行音のデータは、検査車両1を所定速度で走行させたときに得られる正常音データである。すなわち、事前走行試験は、異音が生じないことを条件として行われる走行試験である。
図4Cは、事前走行試験により得られる音の波形データの一例を示す図である。図4Cは、横軸が時間、縦軸が音圧であり、図中の特性f0は、時間経過に伴い音圧が変化する波形データとして示される。
事前走行試験により得られた走行音のデータが正常であるか否かの判定は、例えば特性f0の走行音データを周波数解析して周波数と音圧との関係を示すパワースペクトルを求め、このパワースペクトルから、所定の周波数帯域の音圧データが所定の閾値を超えるか否かを判定することで行う。事前走行試験により得られる正常音データは、各マイクロホン131〜138でそれぞれ集音される。
図2に示すように、コントローラ30には、入力装置11と外部マイクロホン12と内部マイクロホン13とがそれぞれ接続され、これらからの信号がコントローラ30にそれぞれ入力される。なお、外部マイクロホン12や内部マイクロホン13からの信号が、無線ユニットを介して無線通信でコントローラ30に入力されるようにしてもよい。コントローラ30は、例えば実験室や解析室に設置されたコンピュータであり、CPU,ROM、RAMおよびその他の周辺回路を有する演算処理装置を含んで構成される。
コントローラ30は、機能的構成として、データ入力部31と、伝達関数算出部32と、データ生成部33と、データ出力部34と、記憶部35とを有する。データ入力部31と伝達関数算出部32とデータ生成部33とデータ出力部34とは、CPUが担う機能であり、記憶部35はメモリが担う機能である。
データ入力部31には、外部マイクロホン12により集音された音データ、すなわち異音発生試験により得られた基準異音データが入力される。このとき、異音の種類の情報として、発生した異音が第1異音〜第4異音のいずれであるかの情報も併せて入力される。さらにデータ入力部31には、内部マイクロホン13により集音された音データ、すなわちインパルス応答試験により得られた音データおよび事前走行試験により得られた正常音データがそれぞれ入力される。インパルス応答試験により得られた音データが入力されるときには、異音の発生位置の情報として、異音が音源位置P1〜P9のいずれで発生したかの情報も併せて入力される。これらの音データは、例えば入力装置11を介して各試験の開始が指令されると、データ入力部31に入力される。データ入力部31に入力されたこれらの音データは、記憶部35に記憶される。
伝達関数算出部32は、データ入力部31を介して入力された音データのうち、インパルス応答試験により得られた音データを用いて、音源位置P1〜P9から各マイクロホン131〜138に至るまでの伝達経路における音の伝達関数を算出する。伝達関数の算出は、例えば入力装置11を介して異音データ生成指令が入力されると開始される。算出された伝達関数は、記憶部35に記憶される。
データ生成部33は、データ入力部31を介して入力された基準異音データと、伝達関数算出部32により算出された伝達関数と、正常音データとに基づいて、異音データを生成する。より具体的には、特性f1(図4A)の基準異音データに、特性f2(図4B)から求まる伝達関数を畳み込み、さらに特性f0(図4C)の正常音データを加算することにより、合成音としての異音データを生成する。この場合、各マイクロホン131〜138が集音した音データに対応して、マイクロホン131〜138毎に算出された伝達関数と、各マイクロホン131〜138により集音された正常音データとを用いることで、各マイクロホン131〜138に対応する異音データが生成される。
これにより、所定速度で走行する検査車両1内の位置P1〜P9を音源として所定パターンの異音が発生したときに、各マイクロホン131〜138で集音されると想定される異音データを生成することができる。異音データの生成は、例えば入力装置11を介して異音データ生成指令が入力されると開始される。生成された異音データには、異音の種類の情報、すなわち第1異音〜第4異音のいずれであるかの情報と、異音源の位置の情報、すなわち異音源が位置P1〜P9のいずれであるかの情報とが付され、この異音データが記憶部35に記憶される。
データ生成部33は、伝達関数を用いて算出した合成音としての異音データを生成するだけでなく、基準車両1aを走行させたときに内部マイクロホン13により得られた走行音のデータを用いて異音データを生成することもできる。すなわち、基準車両1aが走行時に異音を発生したときの走行音のデータを、異音データとして記憶部35に記憶することもできる。この場合の異音データも各マイクロホン131〜138に対応する異音データである。
データ出力部34は、データ生成部33により生成された異音データを、図1の異音判定装置20に出力する。データ出力部34は、データ入力部31を介して入力された事前走行時の正常音データも併せて出力する。異音判定装置20は、この異音データおよび正常音データと、検査走行工程で得られた検査車両1の走行音データとを比較することで、異音の発生の有無を判定する。すなわち、走行音データに一致する異音データがあるとき、異音の発生ありと判定する。
より具体的には、異音データに含まれる最大の音圧と走行音データに含まれる最大の音圧とが一致するか否か、および、異音データに含まれる音源位置P1〜P9と走行音データ(マイクロホン131〜138の位相差のデータ)から推定される異音源の位置(発生方向)とが一致するか否かを判定する。そして、音圧が一致し、かつ、異音源の位置が一致するような異音データがあるとき、異音判定装置20は、検査車両1に異音ありと判定する。
異音判定装置20は、異音発生の有無の判定が完了すると、判定結果を外部装置6に出力する。このとき、単に異音発生の有無の判定結果だけでなく、異音データに含まれる異音の種類(第1異音〜第4異音)の情報と異音の発生位置(位置P1〜P9)の情報とを併せて外部装置6に出力する。これにより作業員は、異音の発生原因を容易に推定することができ、締結部の緩みや部品の脱落等の不具合に容易に対処することができる。
本実施形態に係る異音生成装置10による異音データ生成の手順をまとめると、図6に示すようになる。なお、図6は、本実施形態に係る異音生成方法に対応する。まず、ステップS1で、実際に検査車両1に搭載される部品3,4を用いて異音発生試験を行う(図3)。そして、異音発生試験により生じる異音のデータ、すなわち、部品3,4間の打撃や摩擦等により生じる基準異音データを、外部マイクロホン12を介して取得する(異音取得工程)。
次いで、ステップS2で、検査車両1の車種毎に、複数の音源位置P1〜P9からのインパルス応答試験を行う(図5)。インパルス応答試験では、内部マイクロホン13を介して音源位置P1〜P9からのインパルス応答をそれぞれ測定する。そして、測定されたインパルス応答をフーリエ変換することで、音源位置P1〜P9から内部マイクロホン13に至るまでの伝達経路における伝達関数を算出する(伝達関数算出工程)。
次いで、ステップS3で、予め所定路面2からなる検査コースを基準車両1aに走行させ、事前走行試験を行う。事前走行試験時に内部マイクロホン13を介して得られた正常音データを取得する(正常音取得工程)。
最後に、ステップS4で、ステップS1で取得された基準異音データに、ステップS2で算出された伝達関数の畳み込みを行い、さらに畳み込みを行った値に、ステップS3で取得された正常音データを加算して、異音データを生成する(データ生成工程)。なお、図6の手順は一例に過ぎず、例えば正常音取得工程を異音取得工程の前に行うようにしてもよい。伝達関数算出工程を異音取得工程の前に行うようにしてもよい。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)検査車両1の異音判定に用いられる異音データを生成するための異音生成装置10は、予め検査車両1の所定位置に搭載される第1部品3および第2部品4を用いて検査車両1の外部で異音発生試験を行ったときに生じる第1部品3および第2部品4に対応する異音を取得する外部マイクロホン12と、検査車両1の内部のセンターコンソール等に搭載される内部マイクロホン13と、所定の音源位置P1〜P9から内部マイクロホン13に至るまでの間の検査車両1の内部における音の減衰の程度を表すパラメータとして伝達関数を算出する伝達関数算出部32と、外部マイクロホン12により取得された異音のデータ(基準異音データ)と、伝達関数算出部32により算出された伝達関数と、基準車両1aが所定速度で所定路面2を走行したときに内部マイクロホン13により取得された正常音データと、に基づいて、検査車両1の走行時に生じる可能性がある異音に対応する異音データを生成するデータ生成部33と、データ生成部33により生成された異音データを記憶する記憶部35と、を備える(図2)。
この構成により、検査車両1の走行時に生じることが想定される異音に対応した十分な量の異音データを容易に生成することができる。すなわち、検査車両1に搭載される単一の部品または複数の部品を異音源としたときの、異音源から内部マイクロホン13までの距離や経路に応じた音の減衰の程度と、車両走行時の正常な音データとを考慮して、合成音としての異音データを生成するので、種々のパターンの異音データを容易に生成することができる。このため、異音データを用いて検査車両1の異音判定を精度よく行うことができる。
(2)伝達関数算出部32は、所定の音源位置P1〜P9から内部マイクロホン13に至るまでの間の検査車両1の内部における音の伝達関数を算出する。データ生成部33は、外部マイクロホン12により集音された異音のデータ(基準異音データ)に伝達関数算出部32により算出された伝達関数を乗算した乗算値に、内部マイクロホン13で集音された正常音データを加算して、異音データを生成する。これにより、簡易な数学的手法によって異音データを生成することができ、異音データの生成を迅速に行うことができる。
(3)記憶部35は、検査車両1が所定条件で走行したときに内部マイクロホン13で取得された異音のデータを、さらに異音データとして記憶する。これにより、合成音としての異音データだけでなく、合成音を得るために検査車両1を走行させた際に生じた異音、すなわち事前走行試験により得られた異音も、異音データの一部として記憶部35に記憶される。したがって、車両走行時に想定外の異音が生じた場合が考慮され、異音データをもれなく生成することができる。
(4)内部マイクロホン13は、複数のマイクロホン131〜138を有するマイクロホンアレイにより構成される(図5)。このため、基準マイクロホン(第1マイクロホン131)と他のマイクロホン132〜138との間で、取得する音データに位相差が生じるようになる。したがって、異音データに含まれる位相差のデータを用いることで、車両走行時の異音源の方向を容易に推定することができる。
(5)検査車両1の異音判定に用いられる異音データを生成する異音生成方法は、予め検査車両1の所定位置に搭載される第1部品3および第2部品4を用いて検査車両1の外部で異音発生試験を行うとともに、異音発生試験を行ったときに生じる第1部品3および第2部品4に対応する異音の音データを取得する異音取得工程と、所定の音源位置P1〜P9から検査車両1の内部に搭載された内部マイクロホン13に至るまでの間の検査車両1の内部における音の減衰の程度を表すパラメータとして伝達関数を算出する伝達関数算出工程と、基準車両1aが所定条件で走行したときに内部マイクロホン13により取得された正常音データを取得する正常音取得工程と、異音取得工程で取得された異音の音データと、伝達関数算出工程により算出された伝達関数と、正常音取得工程により取得された正常音データと、に基づいて、検査車両1の走行時に生じる可能性がある異音に対応する異音データを生成するデータ生成工程と、を含む(図6)。これにより、検査車両1の異音判定に用いられる種々のパターンの異音データを、効率よく生成することができる。
なお、上記実施形態では、複数のマイクロホン131〜138を有するマイクロホンアレイによって内部マイクロホン13を構成したが、車両の内部に搭載される内部マイクロホンの構成はこれに限らない。例えば単一のマイクロホンによって内部マイクロホンを構成してもよい。上記実施形態では、伝達関数算出部32により音源位置P1〜P9から内部マイクロホン13までの伝達経路における音の伝達関数を算出するようにしたが、算出部の構成はこれに限らない。すなわち、音の減衰の程度を表す他のパラメータの値を算出部が算出するようにしてもよい。
上記実施形態では、基準異音データと音の伝達関数と正常音データとに基づいて生成された合成音の音データだけでなく、実際の走行により得られた異音のデータを、記憶部35に記憶するようにしたが、合成音の音データのみを異音データとして記憶するようにしてもよい。上記実施形態では、基準車両1aを事前走行させて正常音データを取得するようにしたが、検査車両1を事前走行させて正常音データを取得するようにしてもよい。すなわち、正常音データを得るための車両は、基準車両1aと検査車両1のいずれであってもよい。
上記実施形態では、異音生成装置10が、検査車両1の異音の発生の有無を判定するための異音データを生成するようにしたが、本発明の異音生成装置により生成された異音データは、他の用途に対しても用いることができる。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。
1 検査車両、3 第1部品、4 第2部品、10 異音生成装置、12 外部マイクロホン、13 内部マイクロホン、30 コントローラ、31 データ入力部、32 伝達関数算出部、33 データ生成部、34 データ出力部、35 記憶部

Claims (4)

  1. 車両の異音判定に用いられる異音データを生成する異音生成装置であって、
    予め前記車両の所定位置に搭載される部品を用いて前記車両の外部で異音発生試験を行ったときに生じる前記部品に対応する異音を取得する外部マイクロホンと、
    前記車両の内部に搭載される内部マイクロホンと、
    前記所定位置から前記内部マイクロホンに至るまでの間の前記車両の内部における音の減衰の程度を算出する算出部と、
    前記外部マイクロホンにより取得された異音のデータと、前記算出部により算出された減衰の程度と、前記車両が所定条件で走行したときに前記内部マイクロホンにより取得された正常音の音データと、に基づいて、前記車両の走行時に生じる可能性がある異音に対応する異音データを生成するデータ生成部と、
    前記データ生成部により生成された異音データを記憶する記憶部と、を備えることを特徴とする異音生成装置。
  2. 請求項1に記載の異音生成装置において、
    前記算出部は、前記所定位置から前記内部マイクロホンに至るまでの間の前記車両の内部における音の伝達関数を算出し、
    前記データ生成部は、前記外部マイクロホンにより集音された異音のデータに前記算出部により算出された伝達関数を乗算した乗算値に、前記内部マイクロホンで集音された正常音の音データを加算して、前記異音データを生成することを特徴とする異音生成装置。
  3. 請求項1または2に記載の異音生成装置において、
    前記車両が前記所定条件で走行したときに前記内部マイクロホンで取得された異音のデータを、さらに異音データとして記憶することを特徴とする異音生成装置。
  4. 車両の異音判定に用いられる異音データを生成する異音生成方法であって、
    前記車両の所定位置に搭載される部品を用いて前記車両の外部で異音発生試験を行うとともに、前記異音発生試験を行ったときに生じる前記部品に対応する異音の音データを取得する異音取得工程と、
    前記所定位置から前記車両の内部に搭載された内部マイクロホンに至るまでの間の前記車両の内部における音の減衰の程度を算出する算出工程と、
    前記車両が所定条件で走行したときに前記内部マイクロホンにより取得された正常音の音データを取得する正常音取得工程と、
    前記異音取得工程で取得された異音の音データと、前記算出工程により算出された減衰の程度と、前記正常音取得工程により取得された正常音の音データと、に基づいて、前記車両の走行時に生じる可能性がある異音に対応する異音データを生成するデータ生成工程と、を含むことを特徴とする異音生成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116257651A (zh) * 2023-05-16 2023-06-13 丹纳威奥贯通道系统(青岛)有限公司 一种贯通道渡板异响智能监测系统

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