JPH10274245A - 鉄道車両用車軸軸受ユニット - Google Patents

鉄道車両用車軸軸受ユニット

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JPH10274245A
JPH10274245A JP7761097A JP7761097A JPH10274245A JP H10274245 A JPH10274245 A JP H10274245A JP 7761097 A JP7761097 A JP 7761097A JP 7761097 A JP7761097 A JP 7761097A JP H10274245 A JPH10274245 A JP H10274245A
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JP
Japan
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axle
lubricant
bearing unit
rear cover
contact
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JP7761097A
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Inventor
Shoji Matsuoka
章二 松岡
Yasuhiro Shimizu
康宏 清水
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車軸と後ろ蓋との間の摩耗を抑制できる簡単
な構成の軸受ユニットを提供する。 【解決手段】 軸受1の内輪4に隣接して設けられる後
ろ蓋3と車軸20の外周の間に、グリース16等の潤滑
剤を介在させる。後ろ蓋3には、内径面3aに潤滑剤溜
り溝14を設け、この溝14内にグリース16を封入す
ると共に、後ろ蓋3の内径面3aと車軸20との間に生
じる空隙部分15にグリース16を封入する。空隙部分
15に対応する後ろ蓋3の内径面部分3aaは、勾配面
とする。後ろ蓋3の幅面が車軸20の段面20eに接す
る形式のものでは、これら後ろ蓋3の幅面と車軸断面2
0eの接触面にも、潤滑剤溜め凹部を形成して潤滑剤を
封入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄道車両の車軸
に用いられる軸受ユニットに関し、特にその油切りまた
は後ろ蓋となる付属部品と車軸との間に生じる摩耗の抑
制構造に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両の車軸軸受ユニットでは、図6
に示すように、軸受51の内輪52の両側に油切り54
および後ろ蓋55が設けられる。これら油切り54およ
び後ろ蓋55は、軸受51の位置決めの他に、外輪53
に設けられたオイルシール56と対として用いられて軸
受内部の潤滑油またはグリースを保持する役目がある。
油切り54および後ろ蓋55の材質は、主に機械構造用
炭素鋼でオイルシール56のリップとの接触面には高周
波焼入を施すのが一般的である。油切り54の形状は、
同図に示すものに他に、図7に示すように幅面を車軸5
0の段面50aに当て、位置決めするタイプのものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車軸50には軸受51
を介して車体重量が負荷され、撓みが発生する。この状
態で車軸50が回転すると、車軸50と後ろ蓋55との
接触面a,bに隙間が生じ、その繰り返しにより、長時
間運転されると前記接触面a,bで車軸50および後ろ
蓋55に摩耗が発生する。図6の形式のものでは、後ろ
蓋55は内径面における断面円弧状の斜面部55aとそ
の大径側の円筒面部55bで車軸50と接するようにな
っており、これらの部分55a,55b、特に斜面部5
5aでの接触面aに摩耗が発生し易い。また、図7の形
式のものでは、後ろ蓋55の幅面と車軸50の段面50
aとの接触面cでも摩耗が発生し易い。現在のところ、
この摩耗は実用上の問題となっていないが、軸受の小型
化に伴い、軸径が細くなってきており、これに伴い、前
記の車軸50の撓みによる摩耗の発生が問題となる。摩
耗対策として、後ろ蓋54と内輪52との接触面に対す
るものは当社でも提案したが(例えば特開平8−128
451号公報)、車軸50と後ろ蓋54との間の対策は
なされていない。
【0004】この発明は、上記の課題を解消するもので
あり、車軸と油切りまたは後ろ蓋となる付属部品との間
の摩耗を抑制できる簡単な構成の鉄道車両用車軸軸受ユ
ニットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の鉄道車両用車
軸軸受ユニットは、軸受の内輪に隣接して油切りまたは
後ろ蓋となる付属部品を車軸の外周に設けた鉄道車両用
車軸軸受ユニットにおいて、前記付属部品と車軸との間
に潤滑剤を介在させたものである。潤滑剤は、グリース
であっても、固形潤滑剤であっても良い。このように潤
滑剤を介在させることにより、車軸の回転により、潤滑
剤またはその中に含まれる油が、摩耗の発生する接触面
に流動し、この接触面の潤滑を良くして摩耗を抑制す
る。
【0006】上記構成において、前記付属部品の内径面
に潤滑剤溜り溝を設け、この溝内に潤滑剤を封入しても
良い。このように潤滑剤溜り溝を設けることより、封入
される潤滑剤量を増やし、長期にわたって潤滑による摩
耗抑制機能を得ることができる。また、これらの構成に
おいて、前記付属部品が、車軸の外径面との間に空隙を
形成する内径面部分を有するものである場合に、前記内
径面部分を軸受から遠ざかる方向に大径となる勾配面に
形成し、前記空隙に潤滑剤を封入しても良い。このよう
に付属部品の潤滑剤を封入する内径面部分に勾配を持た
せることにより、潤滑剤が流動し易くなり、潤滑性が向
上して一層確実な摩耗防止が行える。
【0007】これらの構成において、前記付属部品は、
車軸の軸方向に向く段面に幅面が接するものであっても
良い。この場合、この互いに接する付属部品の幅面およ
び車軸の段面の両方または片方に潤滑剤収容凹部を設
け、この潤滑剤収容凹部に潤滑剤を封入する。このよう
に車軸の段面に付属部品を接触させて位置決めする構成
とした場合、この接触部分で摩耗が生じやすくなるが、
このように接触面に潤滑剤収容凹部を設けて潤滑剤を封
入することにより、接触面の摩耗が抑制される。前記の
ように、車軸の軸方向に向く段面に付属部品の幅面を接
触させる構成とした場合に、この互いに接する付属部品
の幅面および車軸の段面の両方または片方に表面硬化層
を設けても良い。表面硬化層は、例えば高周波焼入れに
より形成される。このように表面硬化層を設けることに
よっても、摩耗の抑制効果が期待できる。表面硬化層が
高周波焼入れ層である場合は、その硬化処理が容易であ
り、量産性が良い。これらの各構成において、封入する
潤滑剤は、グリースの基油を含ませた発泡体としても良
い。このような固形潤滑剤を用いた場合も、基油を微量
ずつ連続して安定供給でき、効果的な摩耗防止が行え
る。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図1と共
に説明する。この軸受ユニットは鉄道車両の車軸20に
用いられるものであり、軸受1とその内輪4の両側に各
々接して設けられた付属部品である油切り2および後ろ
蓋3とで構成される。軸受1は、ころ軸受、詳しくは複
列の円すいころ軸受からなり、各列のころ6,6に対し
て設けた分割形の内輪4,4と、一体型の外輪5と、前
記ころ6,6と、保持器7と、前記両内輪4,4間に設
けられた内輪間座8とで構成される。軸受1の内外輪
4,5は軸受鋼製のものであり、油切り2および後ろ蓋
3は焼ならしを施した炭素鋼製のものである。
【0009】油切り2は、車軸20に取付けられて外周
にオイルシール9を摺接させるものであり、オイルシー
ル9は外輪5に幅方向に突出して取付けられたリング状
のシールカバー10の内周に取付けられている。後ろ蓋
3は、車軸20に軸受1よりも長さ方向の中央側で取付
られて外周にオイルシール11を摺接させるものであ
り、オイルシール11は外輪5に幅方向に突出して取付
けられたリング状のシールカバー12の内周に取付けら
れている。このシールカバー12および前記油切り2側
のシールカバー10は、外輪1を取付けるハウジング
(図示せず)に取付けられたものであっても良い。
【0010】この鉄道車両用車軸軸受ユニットは、この
前提構造の軸受ユニットにおいて、図1(B)に拡大し
てクロスハッチッグで示すように、後ろ蓋3の内径面3
aに潤滑剤溜り溝14を設け、この溝14内と、後ろ蓋
3の内径部の空隙部分15に潤滑剤としてグリース16
を封入したものである。車軸20の軸頭付近の形状は、
小径軸頭部20aから、断面が凹円弧状となる斜面部2
0bを介して次第に拡径し、中間径の円筒面部20cお
よび大径側の断面凹円弧状の斜面部20d、および段面
20eを介して通常径部20fに続く形状とされてい
る。後ろ蓋3は、小径軸頭部20aの基端の近傍から、
前記中間径の円筒面部20cにわたって被さる長さのも
のであり、その内径面3aは、次の各内径面部分3aa
〜3adからなる。すなわち、内径面3aは、車軸20
の小径軸頭部20aに遊嵌する内向きの鍔状となった最
小径部3aaと、この最小径部3aaから車軸20の斜
面部20bの中間まで続いて車軸20の外径面との間に
前記空隙部分15を形成する空隙部内径面部分3ab
と、車軸20の斜面部20bの中間から最大径部までの
箇所に嵌合する断面円弧状の斜面部3acと、車軸20
の円筒面部20cに嵌合する円筒面部3adとからな
る。前記潤滑剤溜り溝14は前記円筒面部3adの内端
に設けてある。前記空隙部内径面部分3abは、軸中間
部側へ次第に拡径する勾配面に形成してある。この空隙
部内径面部分3abの勾配は、例えば5°程度とする。
【0011】この構成の軸受ユニット1によると、この
ように後ろ蓋3と車軸20の間にグリース16を封入し
たため、車軸20の回転に伴って封入グリース16が後
ろ蓋3と車軸20との接触面a,bに流動し、その潤滑
作用により、車軸20および後ろ蓋3の摩耗が抑制され
る。そのため、従来行われていた再使用時のペーパーラ
ップ等による修正が不要となる。グリース16は、この
種の後ろ蓋3内の小径側に一般に設けられる空隙部分1
5を利用すると共に、大径側に潤滑剤溜り溝14を設け
て充填したため、後ろ蓋3の内径面3aの全体にわた
り、良好な潤滑効果による摩耗抑制効果が得られる。す
なわち、車軸20の摩耗の生じ易い斜面部20bおよび
円筒面部20cの良好な摩耗抑制効果が得られる。空隙
部分15に対応する後ろ蓋3の内径面部分3abは、前
記のように勾配面としたため、グリース16の流動性が
良くなり、特に、車軸20の斜面部20bにおける接触
面aの潤滑効果が一層向上する。そのため、摩耗の生じ
易い前記斜面部20bの摩耗抑制効果が良好となる。こ
の斜面部20bは、後ろ蓋3を車軸20に対して軸方向
に位置決めする係止面ともなるため、この斜面部20b
の摩耗が抑制されることにより、軸受1の軸方向の精度
が保たれ、軸受寿命の低下が避けられる。したがって車
両の信頼性の向上、メンテナンスフリー化に繋がる。
【0012】なお、前記実施形態では潤滑剤としてグリ
ース16を用いたが、グリース16の代わりに、含油発
泡体等の固形潤滑剤を用いても優れた潤滑効果が得られ
る。このような含油発泡体によると、長期間油膜を形成
し、さらに接触面の全体に均一な油分の供給を可能とす
ることができる。含油発泡体に含ませる油としては、グ
リースの基油等が用いられる。発泡体としては、例えば
東レダウコーニングシリコン株式会社のSEF10等が
使用できる。この種の発泡体は、2液を混合,攪拌する
だけで、発泡硬化フォームとなり、加熱の必要がなく、
取扱いが簡便である。この含油発泡体等の固形潤滑剤
は、以下に示す各実施形態においてもグリースに代えて
使用することができる。
【0013】図2はこの発明の他の実施形態を示す。こ
の例は、後ろ蓋3Aが、車軸20の段面20eに接する
形状のものである場合に適用した例である。後ろ蓋3A
の幅面と車軸20の段面20eとの接触面において、こ
れら後ろ蓋3Aおよび車軸20に円周溝状の潤滑剤収容
凹部17,18を対向して設け、この凹部17,18内
にグリース16を封入してある。後ろ蓋3Aおよび車軸
20の潤滑剤収容凹部17,18は、いずれか片方のみ
を設けても良い。車軸20の軸頭部付近は、図1の例と
同様に、小径軸頭部20aから、曲面状の斜面部20
b,中間径の円筒面部20c,大径側の曲面状の斜面部
20d,および段面20eを介して通常径部20fに続
いている。後ろ蓋3Aの内径面3Aaは、この例では、
最小径部3Aaと、車軸20の斜面部20bに遊嵌する
空隙部内径面部分3Abと、車軸20の中間円筒面部2
0cに嵌合する円筒面部3Aacと、車軸20の大径側
斜面部20dに遊嵌する空隙部内径面部3Aadとで形
成されている。
【0014】この構成の場合、後ろ蓋3Aと車軸20の
段面20eとの接触面cに設けた潤滑剤収容凹部17,
18内の封入潤滑剤16が、車軸20の回転に伴って流
動することで、前記接触面cにおける車軸20と後ろ蓋
3Aの摩耗が、潤滑剤16の潤滑作用で抑制される。こ
のように後ろ蓋3Aが車軸20の段面20eに接する形
式のものでは、この接触面cで後ろ蓋3Aの位置決めが
成されるが、この接触面cに摩耗が防止されることによ
り、軸受1の軸方向の精度が保たれ、軸受寿命の低下が
避けられる。
【0015】車軸20の段面20eに対応して後ろ蓋3
Aおよび車軸20に設けられる潤滑剤収容凹部17,1
8は、円周溝状のものに限らず、種々の形状のものとで
き、周方向複数箇所に設けたものであっても良い。例え
ば、潤滑剤収容凹部17,18は、図3(A)に示すよ
うに、径方向に延びるスリットからなるものとしても良
い。この例では、後ろ蓋3Aの幅面に設ける潤滑剤収容
凹部17は、内径面から外径面の付近まで延び、外径面
に未開通のスリット形状としてある。車軸20の段面2
0eに設ける潤滑剤収容凹部18は、段面20eの最小
径部から外径側へ延び、外径面に未開通のスリット形状
としてある。このように構成した場合も、前記と同様に
潤滑による摩耗抑制効果が得られる。
【0016】また、車軸段面20eに対応して後ろ蓋3
Aまたは車軸20に設けられる潤滑剤収容凹部17,1
8は、図4に示すように渦巻き状の溝としても良い。こ
の場合、後ろ蓋3または車軸20のいずれか片方だけに
潤滑剤収容凹部17,18を設けることが好ましい。ま
た、潤滑剤収容凹部17,18に充填する潤滑剤16
は、前記の含油発泡体が好ましい。
【0017】図3(B)はさらに他の実施形態を示す。
この例は、図2と共に前述した実施形態において、潤滑
剤収容凹部17,18を設けずに、車軸20の段面20
eの付近における後ろ蓋3Aの内径面部分(斜面部3A
ad)と車軸20の外径面(斜面部20d)との間の空
隙19にグリース16等の潤滑剤を介在させたものであ
る。このように構成した場合も、空隙19のグリース1
6が、回転に伴って車軸20の段面20eと後ろ蓋3A
との接触面cに流れることにより、この接触面cの潤滑
による摩耗抑制効果を得ることができる。この空隙19
に潤滑剤を介在させる構成は、図2や図3(A)の構成
と併用することもできる。
【0018】図3(C)はさらに他の実施形態を示す。
この例は、図2と共に前述した実施形態において、潤滑
剤収容凹部17,18を設けずに、車軸20の段面20
eとこの段面20eに接する後ろ蓋3Aの幅面とに、表
面硬化層21,22を設けたものである。車軸20およ
び後ろ蓋3Aは、焼ならしを施した炭素鋼製のものであ
り、これに高周波焼入れで表面硬化層21,22を形成
してある。表面硬化層21,22は、高周波焼入れ層の
他、浸炭、浸炭窒化、窒化、または火炎焼入れによる硬
化層、あるいは物理気相成長法(PVD)や化学気相成
長法(CVD)等による薄膜の硬化層であっても良い。
【0019】このように表面硬化層21,22を設けた
場合も、後ろ蓋3と車軸段面20eとの接触面における
摩耗が防止され、これにより軸受1の隙間過大を無くす
ことができ、軸受1の信頼性を向上させることができ
る。表面硬化層21,22を高周波焼入れで形成する場
合、局部的な硬化処理が簡単に製造効率良く行え、硬化
処理に伴うコスト増加が少なくて済む。この表面硬化層
21,22の形成と、図2や図3(A),(B)等の前
記各実施形態におけるグリース16等の潤滑剤の封入構
造とは併用しても良い。
【0020】図5は、前記各実施形態において、後ろ蓋
3と軸受内輪4との間に設ける摩耗防止構造の例を示
す。この例では、後ろ蓋3の内輪4と接する幅面に、渦
巻き状の溝からなる潤滑剤収容凹部23を設けている。
この潤滑剤収容凹部23は、図4(A),(B)の実施
形態における潤滑剤収容凹部17,18と同様な渦巻き
形状としてある。ただし、潤滑剤収容凹部23の加工始
点および終点となる渦巻きの内径側端および外径側端
は、後ろ蓋3の内径面および外径面にそれぞれ開通させ
ることが望ましい。また、潤滑剤収容凹部23に封入す
る潤滑剤は、グリースでも良いが、この例では、前記の
含油発泡体を用いている。この構成の場合、渦巻き状の
溝からなる潤滑剤収容凹部23に充填された発泡体から
グリースの基油が後ろ蓋3の幅面全体に微量ずつ連続し
て安定供給されることにより、後ろ蓋3と内輪4との接
触面dにおける摩耗が抑制される。この渦巻き状の潤滑
剤収容凹部23は、図1の例における油切り2と内輪4
との間に適用することもできる。
【0021】なお、前記各実施形態は、付属部品が後ろ
蓋3である場合につき説明したが、この発明は、油切り
2(図1)と車軸20との間の摩耗防止にも適用するこ
とができる。
【0022】
【発明の効果】この発明の鉄道車両用車軸軸受ユニット
は、軸受の内輪に隣接して油切りまたは後ろ蓋となる付
属部品を車軸の外周に設けた軸受ユニットにおいて、前
記付属部品と車軸との間に潤滑剤を介在させたため、車
軸の撓み等でこれら車軸と付属部品の間に生じる摩耗を
潤滑により抑制することができる。この発明の請求項2
記載の軸受ユニットは、付属部品の内径面に潤滑剤溜り
溝を設け、この溝内に潤滑剤を封入したため、封入可能
な潤滑剤量が増え、長期にわたって摩耗抑制効果が得ら
れる。この発明の請求項3記載の軸受ユニットは、付属
部品が、車軸の外径面との間に空隙を形成する内径面部
分を有するものである場合に、この内径面部分に勾配を
付したため、潤滑剤が流れ易く、一層良好な摩耗抑制効
果が得られる。この発明の請求項4記載の軸受ユニット
は、付属部品を車軸の段面と接する構成とした場合に、
互いに接する付属部品の幅面および車軸の段面の両方ま
たは片方に潤滑剤収容凹部を設けたため、摩耗の生じや
すい付属品幅面と車軸段面との接触部の摩耗を良好に抑
制することができる。この発明の請求項5記載の軸受ユ
ニットは、付属部品が車軸の段面と接するものである場
合に、その互いに接する付属部品の幅面および車軸の段
面の両方または片方に表面硬化層を設けたため、その硬
質の材質によって摩耗が抑制される。この発明の請求項
6記載の軸受ユニットは、潤滑剤として、グリースの基
油を含ませた発泡体を用いたため、潤滑性および取扱い
性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態にかかる軸受ユ
ニットの断面図、(B)はその後ろ蓋の拡大断面図であ
る。
【図2】(A)はこの発明の他の実施形態にかかる軸受
ユニットの部分断面図、(B)は同図(A)のB部分の
拡大断面図である。
【図3】(A)〜(C)は各々この発明のさらに他の実
施形態にかかる軸受ユニットの部分断面図である。
【図4】(A)はこの発明のさらに他の実施形態にかか
る軸受ユニットの後ろ蓋の幅面図、(B)は同図(A)
のB部分の拡大断面図である。
【図5】この発明のさらに他の実施形態における後ろ蓋
と軸受内輪との接触部を示す拡大断面図である。
【図6】従来例の断面図である。
【図7】他の従来例の部分断面図である。
【符号の説明】
1…軸受 15…空隙部分 2…油切り(付属部品) 16…潤滑剤 3…後ろ蓋(付属部品) 17,18…潤滑
剤収容凹部 4…軸受内輪 21,22…表面
硬化層 14…潤滑剤溜り溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受の内輪に隣接して油切りまたは後ろ
    蓋となる付属部品を車軸の外周に設けた鉄道車両用車軸
    軸受ユニットにおいて、前記付属部品と車軸との間に潤
    滑剤を介在させたことを特徴とする鉄道車両用車軸軸受
    ユニット。
  2. 【請求項2】 前記付属部品の内径面に潤滑剤溜り溝を
    設け、この溝内に潤滑剤を封入した請求項1記載の鉄道
    車両用車軸軸受ユニット。
  3. 【請求項3】 前記付属部品は、車軸の外径面との間に
    空隙を形成する内径面部分を有し、この内径面部分を前
    記軸受から遠ざかる方向に大径となる勾配面に形成し、
    前記空隙に潤滑剤を封入した請求項1または請求項2記
    載の鉄道車両用車軸軸受ユニット。
  4. 【請求項4】 前記付属部品は、車軸の軸方向に向く段
    面に幅面が接するものであり、この互いに接する付属部
    品の幅面および車軸の段面の両方または片方に潤滑剤収
    容凹部を設け、この潤滑剤収容凹部に潤滑剤を封入した
    請求項1記載の鉄道車両用車軸軸受ユニット。
  5. 【請求項5】 前記付属部品は、車軸の軸方向に向く段
    面に幅面が接するものであり、この互いに接する付属部
    品の幅面および車軸の段面の両方または片方に表面硬化
    層を設けた請求項1記載の鉄道車両用車軸軸受ユニッ
    ト。
  6. 【請求項6】 前記潤滑剤として、グリースの基油を含
    ませた発泡体を用いた請求項1ないし請求項5のいずれ
    かに記載の鉄道車両用車軸軸受ユニット。
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Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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