JPH1027382A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH1027382A
JPH1027382A JP8179335A JP17933596A JPH1027382A JP H1027382 A JPH1027382 A JP H1027382A JP 8179335 A JP8179335 A JP 8179335A JP 17933596 A JP17933596 A JP 17933596A JP H1027382 A JPH1027382 A JP H1027382A
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recording
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light
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JP8179335A
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Tomoya Yamaho
智也 山舗
Futoshi Okuyama
太 奥山
Gentaro Obayashi
元太郎 大林
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Toray Industries Inc
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザスポットの小径化に伴い、基板上に形成
されたプリピット部の再生状況を良好にし、同時に光記
録媒体の記録層部分での記録・再生状況を維持できるよ
うな光記録媒体を提供すること。 【解決手段】基板上に形成された記録層に光を照射する
ことにより、情報の記録、消去、再生が可能であり、情
報の記録および消去が、非晶相と結晶相の間の相変化に
より行われる光記録媒体において、トラックを設けた基
板の上に、少なくとも、第1誘電体層および記録層をこ
の順に設け、かつ、第1誘電体層膜厚L1 が、再生を行
う光の波長をλ、光学系の開口数をN.A.、光記録媒
体の基板トラック深さをd、トラック側面の傾斜角度を
θ、第1誘電体層の波長λでの屈折率をnL1とした時
に、下記の式1の範囲にあることを特徴とする光記録媒
体。 【数1】 (Lt :記録層が非晶相のときと結晶相のときの光吸収
量が同じになるときの第1誘電体層の膜厚)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に
関するものである。特に、本発明は、記録情報の消去、
書換機能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可
能な光ディスク、光カード、光テープなどの書換可能相
変化型光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の書換可能相変化型光記録媒体の技
術は、以下の如きものである。上記光記録媒体は、テル
ルを主成分とする記録層を有し、記録時は、結晶状態の
記録層に集中したレーザ光パルスを短時間照射し、記録
層を部分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急
冷され、固化し、アモルファス状態の記録マークが形成
される。この記録マークの光線反射率は、結晶状態より
低く、光学的に記録信号として再生可能である。また、
消去時には、記録マーク部分にレーザ光を照射し、記録
層の融点以下、結晶化温度以上の温度に加熱することに
よって、アモルファス状態の記録マークを結晶化し、も
との未記録状態に戻す。これらの書換可能相変化型光記
録媒体の記録層としては、Ge2 Sb2 Te5 などの合
金(N.Yamada et al.Proc.Int.Symp. on Optical Memor
y 1987 p61-66)が知られている。
【0003】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形の1ビームによる高速のオーバーライトが可能
である。これらの記録層を使用した光記録媒体では、通
常、記録層の両面に耐熱性と透光性を有する誘電体層を
設け、記録時に記録層に変形、開口が発生することを防
いでいる。さらに、光ビーム入射方向と反対側の誘電体
層に、光反射性のAl等の金属反射層を積層して設け、
光学的な干渉効果により再生時の信号コントラストを改
善するとともに、冷却効果により、非晶状態の記録マー
クの形成を容易にし、かつ消去特性、繰返し特性を改善
する技術が知られている。
【0004】こうした光記録媒体を実用するには、ディ
スク状に製造し、記録再生を行うことが通常である。こ
の際、ディスク上にトラックを作り、それぞれの部分に
位置を示すアドレス信号がプリフォーマットされる。
【0005】ディスク状に製造された光記録媒体に、レ
ーザ光を集光するには、あらかじめ定められた、ディス
ク板面と光ピックアップ間の距離を一定に保つために、
フォーカシング・エラー検出系を必要とする。フォーカ
シング・エラー検出系の代表的な方法としては、ナイフ
エッジ法と非点収差法の2つがある。これらの方法によ
り、ビームの形状を判定して、フォーカス誤差検出を行
ない、常に安定したところで光記録媒体に集光すること
ができる。これらの方法については、「光ディスク技
術」p80〜85(尾上守夫、村山登、小出博、山田和
作、国兼真 著、ラジオ技術社、1992)に詳しい。
上記の手法によるフォーカス距離の判定方法は、ビーム
形状の非対称性をもとにしたものであり、ビームの焦点
位置が光記録媒体の記録層部に存在するように、そのフ
ォーカスサーボ系を調整すればよい。
【0006】一方、通常、記録媒体を担持するためのポ
リカーボネートやガラスなどの基板上に、ディスク上の
アドレスを指定するための、プリピットと呼ばれる凹凸
が予め形成されている。これらのプリピットは、図1に
示すように、その凹凸間におこるレーザビーム光の干渉
により信号の明暗を判定して、その干渉光の変化を2値
化したのち、ディスク上のアドレス情報などを読み取
る。
【0007】この際、この凹凸を読み取るためには、記
録再生に使用しているビーム光を使用する。しかしなが
ら、通常、前述したように、ビームの焦点位置は記録層
近傍に存在している。
【0008】したがって、プリピット信号の明暗は、理
想的にはフォーカス調整が行われながら再生されるはず
であるが、高速回転のためサーボ系が追随できず、実質
的には、焦点位置から若干外れた位置のビーム光によっ
て検出されていることになる。この状態でのプリピット
信号の再生は、トラック幅が比較的広く、また光学系の
開口数が小さいときには、ビーム光の焦点深度が比較的
大きいので、多少の焦点位置からのずれがあっても、再
生には支障がなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】最近、相変化記録方式
による光記録媒体の、使用レーザ波長は、記録量の高密
度化を目的として、短波長化する傾向にある。特に、レ
ーザ波長が、現在主流となっている780〜830nm
付近の近赤外光から685nm付近の赤色光、さらに6
00nm以下の緑〜青色光領域へと短波長化されると、
光学的に高い開口数(N.A.)を設定することで、集
光スポットを小さくすることが可能であり、そうするこ
とによって記録密度を高めることが可能となる。しか
し、このように集光スポットが小さくされると、同時
に、光学系の持つビームの焦点深度は小さくなる。
【0010】従って、上記にあるように、ビームの焦点
位置が、光記録媒体の記録層近傍に存在する場合、プリ
ピット部からアドレス信号を検出するためには、焦点か
ら外れた位置でビーム光を使用するため、データ部の信
号の記録再生状況の最もよいフォーカス距離位置と、プ
リピット信号の再生状況が最もよいフォーカス距離位置
との間に差が生じてしまう。たとえ、記録層に焦点を合
わせた記録・再生ができたとしても、プリピット部から
の信号が読取り難くなるために、ヘッダ読取り率が低下
し、記録媒体として機能しなくなる可能性がある。逆
に、プリピット部に最適化したフォーカス系を使用した
としても、今度は記録層部分に焦点が合わないために、
記録・再生状況に変化をきたしてしまうという問題があ
った。
【0011】即ち、本発明が解決しようとする課題は、
基板上に形成されたプリピット部の再生状況を良好に
し、かつ、光記録媒体の記録層部分での記録・再生状況
を良好に維持できるような、光記録媒体を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は下記の構成よりなる。
【0013】すなわち、本発明は、基板上に形成された
記録層に光を照射することにより、情報の記録、消去、
再生が可能であり、情報の記録および消去が、非晶相と
結晶相の間の相変化により行われる光記録媒体におい
て、トラックを設けた基板の上に、少なくとも、第1誘
電体層および記録層をこの順に設け、かつ、第1誘電体
層膜厚L1 が、再生を行う光の波長をλ、光学系の開口
数をN.A.、光記録媒体の基板トラック深さをd、ト
ラック側面の傾斜角度をθ、第1誘電体層の波長λでの
屈折率をnL1とした時に、下記の式1の範囲にあること
を特徴とする光記録媒体に関するものである。
【0014】
【数2】 (Lt :記録層が非晶相のときと結晶相のときの光吸収
量が同じになるときの第1誘電体層の膜厚)
【0015】
【発明の実施の形態】本発明にいう記録層の材料の組
成、構成については、特に限定するものではないが、G
e−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、N
b−Ge−Sb−Te合金、Ni−Ge−Sb−Te合
金、Co−Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−
Sb−Te合金、In−Sb−Te合金、Ag−In−
Sb−Te合金、In−Se合金などがある。
【0016】特にPd−Ge−Sb−Te合金、Nb−
Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te
合金は、消去時間が短く、かつ多数回の記録消去の繰り
返しが可能であり、C/N、消去率などの記録特性に優
れていることから好ましく、とりわけPd−Nb−Ge
−Sb−Te合金が、前述の特性に優れることから好ま
しい。
【0017】また、本発明にいう基板とは、使用する光
源の波長に対して透明なものであれば何でもよいが、例
えば、透明な各種の合成樹脂、透明ガラスなどが使用で
きる。ほこりや基板の傷などの影響を避ける目的で、透
明基板を用い、収束した光ビームで基板側から記録を行
うこととなる。このような透明基板としては、ガラス、
ポリカーボネート、ポリメチル・メタクリレート、ポリ
オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが
あげられる。特に、光学的複屈折が小さく、吸湿性が小
さく、成形が容易であることからポリカーボネート樹
脂、アモルファス・ポリオレフィン樹脂が好ましい。ま
た、耐熱性が要求される場合にはエポキシ樹脂が好まし
い。
【0018】基板はフレキシブルなものでもよいし、リ
ジッドなものでもよい。フレキシブルな基板は、テープ
状、シート状、カード状で使用する。リジッドな基板
は、カード状あるいはディスク状で使用する。また、こ
れらの基板は、記録層などを形成した後、2枚の基板を
用いて、エアーサンドイッチ構造、エアーインシデント
構造、密着張合わせ構造としてもよい。
【0019】基板の厚さは、特に限定するものではない
が、0.01mm以上、5mm以下が実用的である。
0.01mm未満では、基板側から収束した光ビームで
記録する場合でも、ごみの影響を受けやすくなり、5m
m以上では、対物レンズの開口数を大きくすることが困
難となり、照射光ビームスポットサイズが大きくなるた
め、記録密度をあげることが困難となる。
【0020】また、本発明にいうトラックとは、基板上
に形成された案内溝のことを指す。予め平坦に形成され
た基板面を切削することによって作製されたものでもよ
いし、あるいはフォトレジストなどにより形成してもよ
い。あるいは、凹凸を予め形成しておいた型を転写する
ことで形成されたものでもよい。
【0021】また、本発明にいうトラック深さdとは、
トラックを形成された基板の凸部(以後、ランド部と呼
ぶ)の頂点と、基板の凹部(以後、グルーブ部と呼ぶ)
の最深部の間の深さを指す。
【0022】また、本発明にいうトラック側面の傾斜角
度θとは、ランド部とグルーブ部間の傾斜部の平均斜度
のことを指す。それぞれの部位を説明する図として、図
2を示す。
【0023】また、本発明にいう、第1誘電体層とは、
基板上に製膜される第1層のことを指す。この誘電体層
の材質は特に限定されるものではないが、ZnS、Si
2のいずれかひとつを少なくとも含有する成分からな
るものであれば、好ましい。なぜなら、実質的に透明で
あり、その屈折率が、透明基板の屈折率より大きく、記
録層の屈折率より小さいため、この層を使用したフォー
カス系の操作が比較的容易に行われる上に、膜の残留応
力が小さいことから安定に使用することができるからで
ある。
【0024】また、本発明においていうN.A.とは、
光記録媒体上に記録・再生ビームを絞りこむときの光学
系の開口数のことをさす。開口数とは、光学系の集光度
を指す指標であって、通常、開口数0.4以上の、比較
的集光性の高い光学系が使用される。
【0025】本発明において、第1誘電体層L1 の厚み
は以下の式1の範囲にある。すなわち、
【数3】 (Lt :記録層が非晶相のときと結晶相のときの光吸収
量が同じになるときの第1誘電体層の膜厚)である。L
t の設定は、前述したように、吸収量補正の効果によっ
て、記録膜が記録時(非晶状態)と未記録時(結晶状
態)での記録膜部での光吸収量が実質的に同じになるよ
うに行なわれる。光記録媒体を構成する層の厚みを変化
させることで、各層に入るレーザ光の光量を変化させる
ことができるが、その際に生じる各層境界での反射光と
の干渉により、記録膜部に存在するレーザ光光量を調節
することができる。
【0026】Lt の決定は、具体的には、使用する光記
録媒体の各構成層の、使用光波長に対する屈折率および
消衰係数、膜厚から、記録層が結晶状態の時と非晶状態
の時での、記録層部に入るビーム光量を計算すればよ
い。こうした計算から、記録層部が結晶状態と非晶状態
とで、実質的に等しい光吸収量となる第1誘電体層の膜
厚を決定することができる。
【0027】本発明者らは、前述したように、予めトラ
ックおよびプリピットが作製された基板上に、結晶相と
非晶相の相変化を利用した記録層を構成層のひとつとし
て形成した光記録媒体において、光源の短波長化および
光学系の高開口数化に伴って、データの記録再生とプリ
ピットの再生を両立することが困難になることについて
検討を行った。通常、記録層に記録される記録マークや
プリピットの大きさに比べて、集光されたビームスポッ
ト径は大きく、焦点から外れた位置において再生する必
要があるプリピット信号においては、トラック側面の傾
斜部の影響を大きく受ける。そこで、予めトラック側面
の傾斜角を考慮した上で、再生ビームの径が干渉の影響
を最小限におさえることができるかどうかを検討した。
その結果、前述したように、トラック側面の傾斜角とト
ラック深さ、および光学系の開口数によって規定される
量だけ、第1保護層の厚みを上記式1に示した範囲内と
することで、プリピットの再生とデータの記録再生を両
立することができることを見出した。
【0028】具体的には、記録再生に伴って、プリピッ
トの信号再生状態を示す数値であるヘッダ読取り率をよ
り高く、およびデータ部へ記録された信号の再生誤り率
であるバイトエラーレートをより小さくすることが可能
である。さらには、記録再生装置中のフォーカス誤差検
出系においても、干渉などの悪影響を最小限に抑えるこ
とで、サーボ系を安定して動作させることが可能とな
り、記録再生装置全体での安定性にもつながる。
【0029】本発明の構成は、上記の条件を満たしてい
れば、特に限定されないが、例えば次のような構成が挙
げられる。すなわち、(a) 基板上に第1誘電体層、記録
層を形成した上に、第2誘電体層を形成し、さらに反射
層を形成して構成するものや、(b) 基板上に第1誘電体
層、記録層を形成した上に、第2誘電体層を形成し、次
に、吸収量補正層を構成し、さらに必要ならば反射層を
形成して構成するものである。
【0030】また、本発明にいう吸収量補正層とは、光
記録媒体、特に記録層部において、非晶状態での光吸収
量と結晶状態の光吸収量を調整する機能をもつ層のこと
を指す。記録マークが形成された部分をオーバーライト
消去する際に、マーク部である非晶領域とその回りの結
晶領域での光吸収量を実質的に同じにすることが可能と
なる機能を有する層のことを指す。
【0031】光吸収量補正機能は、前述した光記録媒体
における構成層のうち、少なくとも1層にその機能を有
するようにしてもよいし、吸収量補正層として独立して
新たに設けてもよい。好ましくは、光吸収による発熱の
可能性があることから、吸収量補正層として設けたほう
が、ディスクの構成の設計を行う上で、容易になる。吸
収量補正層の構成材料としては、特に限定するものでは
ないが、好ましくは、少なくともNb、Mo、W、T
i、Te、Cr、Ni、Zr、Y、Hf、Mn、Fe、
Co、Pd、Pt、Au、Alからなる群より選ばれた
少なくとも1種を必須成分とするものが好適に使用され
る。なぜなら上記の材料群は、比較的、屈折率および消
衰係数が大きく、記録層が結晶相と非晶相のときとで生
じる光吸収量差を容易に小さくすることが可能であるか
らである。
【0032】
【実施例】以下、本発明について、実施例により説明す
る。ただし、本発明は以下の実施例により限定されるも
のではない。
【0033】吸収量補正層、記録層、反射層の組成は、
ICP発光分析(セイコー電子工業(株)製)により確
認した。また、(2−7)変調方式による信号記録・再
生法を使用して、プリピット信号および記録マーク信号
を再生したのち、2値化回路を経て、プリピット信号は
ヘッダ読取り率、記録マーク信号は、バイトエラーレー
トに換算して、測定を行った。
【0034】(実施例1)厚さ0.6mm、直径86m
m、0.9μmピッチのスパイラルグルーブ付ポリカー
ボネート製基板を40rpmで回転させながら、高周波
スパッタ法により、記録層、誘電体層、および吸収量補
正層を形成した。この際、使用した基板のトラック深さ
は原子間力顕微鏡の測定結果から65nm、またトラッ
ク側面傾斜角は、39.1度であった。また、ランド部
の幅は0.37μm、グルーブ部の幅は0.37μmで
あった。
【0035】まず、真空容器内を1×10-5Paまで排
気した後、2×10-1PaのArガス雰囲気中でSiO
2 を20mol%添加したZnSをスパッタし、基板上
に膜屈折率約2.2の厚さ210nmの第1誘電体層を
形成した、続いて、Pd、Nb、Ge、Sb、Teから
なる合金ターゲットをスパッタして、膜厚25nmの記
録層を形成した。さらに、第1誘電体層と同じ材質の第
2誘電体層を10nm形成し、この上に膜厚60nmの
吸収量補正層を形成した。この材質としては、Tiを選
択した。さらに、反射層としてAlHfPd合金を30
nm形成した。この際、第1誘電体層の厚みは210n
mで、結晶状態と非晶状態で光吸収量差が0となるよう
に調整されている。
【0036】上記の構成に加えて、第1誘電体層の厚み
を、2.5nm刻みで、207.5nm、205nm、
202.5nm、200nm、197.5nm、195
nm、192.5nmと変化させたものを作製した。
【0037】請求項1に示したような関係式より、この
実施例では、 195.9≦L1 <210(nm) となる。
【0038】さらに、これらの光記録媒体を真空容器よ
り取り出した後、この吸収量補正層上にアクリル系紫外
線硬化樹脂をスピンコートし、紫外線照射により硬化さ
せて、膜厚10μmの樹脂層を形成し、さらに同一構成
の光記録媒体とホットメルト接着剤で、貼り合せて、本
発明の光記録媒体を得た。
【0039】この光記録媒体を回転数3000rpmに
て回転させ、半径39mmのトラックに、対物レンズの
開口数0.6、半導体レーザの波長680nmの光学ヘッ
ドを使用して、最高周波数12.6MHz(パルス幅2
0nsec)で(2−7)変調による記録信号を、ピー
クパワー12.5mW、ボトムパワー6mWにて変調し
た半導体レーザ光で100回オーバーライトした後、再
生パワー1mWの半導体レーザ光を照射してプリピット
信号のヘッダ読取り率およびバイトエラーレートを測定
した。再生測定に際しては、ビームのフォーカスを第1
誘電体層と記録層の界面にあうように固定して行った。
【0040】その結果、第1誘電体層の膜厚変化による
影響は以下の通りとなった。光記録媒体の記録・再生特
性は以下の表1の通りとなった。
【0041】
【表1】 ヘッダ読み取り率は、99%以上で良好に使用すること
ができる。また、バイトエラーレートは、4×10-5
下であれば、通常使用できる。このような基準と、表1
の結果から、ヘッダ読取り率とバイトエラーレートの両
立が可能な第1誘電体層厚みは、上記に計算した結果の
ように、210nm未満、197.5nm以上までの範
囲が適当であることがわかった。
【0042】(実施例2)実施例1で使用した基板に替
わり、トラック深さを55nm、トラック側面傾斜角を
44度とする基板を使用して、実施例1と同じ構成から
なる光記録媒体を作製した。請求項1に示した計算結果
から、 199.96≦L1 <210(nm) と計算された。実施例1と同様に光記録媒体の再生状況
を第1保護層の厚み変化により比較したところ、以下の
表2のような結果を得た。
【0043】
【表2】 上記の結果から、ヘッダ読取り率とバイトエラーレート
の両立が可能な第1誘電体層厚みは、上記に計算した結
果のように、210nm未満、200nm以上の範囲が
適当であることがわかった。
【0044】(実施例3)実施例1で使用した基板に替
わり、トラック深さを65nm、トラック側面傾斜角を
36.1度とする基板を使用して、実施例1と同じ構成
からなる光記録媒体を作製した。請求項1に示した計算
結果から、 194.28≦L1 <210(nm) と計算された。実施例1と同様に光記録媒体の再生状況
を第1保護層の厚み変化により比較したところ、以下の
表3のような結果を得た。
【0045】
【表3】 上記の結果から、ヘッダ読取り率とバイトエラーレート
の両立が可能な第1誘電体層厚みは、上記に計算した結
果のように、210nm未満、195nm以上の範囲が
適当であることがわかった。
【0046】
【発明の効果】本発明の光記録媒体により、基板上に形
成されたプリピット部の再生状況を良好にし、かつ、光
記録媒体の記録層部分での記録・再生状況を良好に維持
することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基板に形成されたプリピット形状を示す図面
【図2】 トラック深さとトラック傾斜角を示す図面
【符号の説明】
1:ランド部 2:グルーブ部 3:プリピット(凹凸) 4:レーザスポット 5:トラック深さ 6:トラックの傾斜角度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された記録層に光を照射する
    ことにより、情報の記録、消去、再生が可能であり、情
    報の記録および消去が、非晶相と結晶相の間の相変化に
    より行われる光記録媒体において、トラックを設けた基
    板の上に、少なくとも、第1誘電体層および記録層をこ
    の順に設け、かつ、第1誘電体層膜厚L1 が、再生を行
    う光の波長をλ、光学系の開口数をN.A.、光記録媒
    体の基板トラック深さをd、トラック側面の傾斜角度を
    θ、第1誘電体層の波長λでの屈折率をnL1とした時
    に、下記の式1の範囲にあることを特徴とする光記録媒
    体。 【数1】 (Lt :記録層が非晶相のときと結晶相のときの光吸収
    量が同じになるときの第1誘電体層の膜厚)
  2. 【請求項2】さらに、Nb、Mo、W、Ti、Te、C
    r、Ni、Zr、Y、Hf、Mn、Fe、Co、Pd、
    Pt、Au、Alからなる群より選ばれた少なくとも1
    種を必須成分とする吸収量補正層を有することを特徴と
    する請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】第1誘電体層が、ZnS、SiO2 のいず
    れかひとつを少なくとも含有する成分からなることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の光記録媒体。
JP8179335A 1996-07-09 1996-07-09 光記録媒体 Pending JPH1027382A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999044199A1 (fr) * 1998-02-24 1999-09-02 Sony Corporation Support d'enregistrement optique

Cited By (2)

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