JPH1027375A - 光学ピックアップ装置 - Google Patents

光学ピックアップ装置

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JPH1027375A
JPH1027375A JP8178198A JP17819896A JPH1027375A JP H1027375 A JPH1027375 A JP H1027375A JP 8178198 A JP8178198 A JP 8178198A JP 17819896 A JP17819896 A JP 17819896A JP H1027375 A JPH1027375 A JP H1027375A
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JP
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light beam
optical
pickup device
light
optical pickup
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JP8178198A
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Hideaki Yokota
英明 横田
Giichi Shibuya
義一 渋谷
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作電源を必要とせず、構成が簡単な光ビー
ム径制御手段を備えた光学ピックアップ装置を提供する
こと。 【解決手段】 異なる波長の光ビームを発生する2以上
の光源を有し、該光源より出射した光ビームを光記録媒
体に導くための光学手段を有している光学ピックアップ
装置に於いて、前記光源から光記録媒体までの光路に、
波長によって透過率の異なる透過率変化部が設けられて
おり、該透過率変化部で、光ビームの断面外周部が主に
遮断されることを特徴とする光学ピックアップ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学ピックアップ装
置に係り、特に、2個以上の光源を有する光学ピックア
ップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光記録媒体の応用範囲の広範化に
伴い、記録密度、基板(保護層)の厚み、基板(保護
層)の材質、記録再生方式、ディスクサイズ等が異なる
多種の光記録媒体が、提供されている。そのため、光学
ピックアップ装置に対しては、記録、再生等の基本機能
に加えて、異なった種類の媒体を扱うことが出来る汎用
性の高さも要求されるようになった。
【0003】以下、従来の光学ピックアップ装置 で、
記録密度、基板(保護層)の厚み等が異なる光記録媒体
を扱うために必要となる構成とその問題点について、図
面を参照して説明する。
【0004】図8は、従来の光学ピックアップ装置の構
成を示した概略図である。
【0005】この光学ピックアップ装置 に於いては、
半導体レーザ31から出射した光ビームは、回折格子3
2で主ビーム(焦点誤差信号用、記録再生信号用)と副
ビーム(トラッキング誤差信号用)に分離した後、コリ
メータレンズ33に入射する。コリメータレンズ33に
入射した光ビームは、発散光から平行光にされ、ビーム
スプリッタ34に入射する。ビームスプリッタ34に入
射した光ビームは対物レンズ35の方向に反射され、対
物レンズ35に入射する。対物レンズ35に入射した光
ビームは平行光から収束光にされ、光記録媒体36の記
録表面にスポットを形成する。
【0006】この光ビームは、記録表面で反射され、そ
の際、記録表面の記録情報に応じて変調される。記録表
面で反射された光ビームは、対物レンズ35で再び平行
光とされ、ビームスプリッタ24に入射する。ビームス
プリッタ24に入射した光ビームは、ビームスプリッタ
24内を直進し、集光レンズ37に入射する。集光レン
ズ37に入射した光ビームは、平行光から収束光にさ
れ、アナモフィックレンズ38に入射する。アナモフィ
ックレンズ38に入射した光ビームは、焦点誤差信号検
出用非点収差を発生し、受光素子39に入射する。受光
素子39に入射した光ビームは、トラッキング誤差信
号、焦点誤差信号、記録再生信号等の電気信号に変換さ
れる。
【0007】ここで、正確な電気信号を得るには、適正
なスポットを記録表面に結像する必要があり、そのため
には光ビームの収差を十分に小さくする必要がある。以
下、光ビームの収差を小さくするための収差補正とその
問題点について説明する。
【0008】図9は、光記録媒体の基板(保護層)中を
透過し記録表面に達する光ビームを示した説明図であ
る。
【0009】同図に示した光記録媒体は、保護層40と
記録表面41とからなり、保護層40には例えばポリカ
ーボネイトが用いられ、記録表面41にはアルミニウム
等の光を反射する膜が用いられる。
【0010】又、保護層40の厚みは例えば1.2mm
の程度であり、記録表面41の表面には深さ120n
m、幅0.5μm程度の微細な凹凸(ピット)が設けら
れている。
【0011】この光記録媒体の記録表面41に適正なス
ポット42を結像する場合、光ビームは回折限界まで小
さく絞り込まれる。そのスポット径は例えば1.4μm
の程度である。このように回折限界まで光ビームを絞り
込むような光学系では、その光ビームの波面収差を十分
に小さくする必要があり、一般的にはマレシャルの基準
と呼ばれる目安が知られてる。この基準によれば、その
波面収差量は0.07λRMSである。
【0012】ここで、結像に寄与する光ビームの波面収
差が小さいということは、波面すなわち光ビームの等位
相面が、スポット42を中心とした球面になっていると
いうことである。
【0013】しかし、適正な収差補正がなされていない
光ビームが光記録媒体に照射された場合、例えば、図9
に示したように保護層40中では光ビームの等位相面が
スポット42を中心とした球面となる(点a、点a’を
結ぶ曲線で示された球面)が、保護層40の外ではスポ
ット42を中心とした球面にならない(点b、点b’、
点b”を結ぶ曲線で示された曲面)。
【0014】このように保護層40の外で光ビームの等
位相面がスポット42を中心とした球面にならないの
は、保護層40の屈折率(例えば、ポリカーボネイトで
は1.55)と空気(真空)の屈折率との差異により、
保護層40中を進行する光ビームの速度と空気(真空)
中を進行する光ビームの速度が異なるためである。
【0015】つまり、屈折率が1.55の保護層40中
を進行する光ビームの速度(dc間の速度)は空気(真
空)中を進行する光ビームの速度(cb”間の速度)よ
りも遅いので、光路長が等しい線分bd(又は線分b’
d)と線分b”dの長さは等しくならない。
【0016】以上説明したように、収束光が屈折率が1
でない平行平板(屈折率が空気の屈折率と異なる平行平
板)内を通過した場合、収差(以下、球面収差と表記す
る)が発生する。従って、光学ピックアップ装置を設計
する場合には、この球面収差を考慮した収差補正を施す
必要があり、さらに詳しくは、光学系に於いて、保護層
40で発生する球面収差と量が同じで向きが反対の収差
をあらかじめ与えておく必要がある。
【0017】ところが、上述のように光記録媒体の多様
化に伴い、特に記録密度を高めた光記録媒体に於いて
は、その基板(保護層)の厚みを薄くする傾向がある。
このように光記録媒体の高密度化に伴い、その基板(保
護層)の厚みが薄くなるのは、次のような理由による。
【0018】一般に、光記録媒体を高密度化した場合、
読み取りに要求されるスポット径も小さくなる。又、ス
ポット径Rは次式で与えられる。
【0019】R=0.61λ/NA この式で、λは光ビームの波長であり、又、NAはレン
ズの開口数であり、次式で与えられる。
【0020】NA=n×sinθ この式で、nは屈折率であり、θは図10(レンズ35
の開口数を説明するための説明図)に示したように射出
瞳径に張る角度である。
【0021】これらの式からもわかるように、スポット
径Rを小さくするためには、光ビームの波長λを短くす
るか、又は、レンズの開口数NA、つまりθを大きくす
る必要がある。
【0022】しかし、レンズの開口数NAが大きくなる
と、基板(保護層)で発生する球面収差が大きくなる。
又、図11に示したように光記録媒体36が光ビームの
光軸に対して傾いた場合に発生するコマ収差も大きくな
る。ここで、光記録媒体が光ビームの光軸に対して傾く
のは、主に光記録媒体の反りが原因であって、例えば
0.7度程度の傾きが生じることは珍しくない。
【0023】従って、光記録媒体の高密度化に対応して
光ビームの波長λを短くし、レンズの開口数NAを大き
くした場合には、上記球面収差やコマ収差を低減するた
めに基板(保護層)の厚みを薄くすることが多い。
【0024】ところで、基板(保護層)の厚みが異なる
光学記録媒体、例えば、基板(保護層)の厚みが1.2
mmの低密度記録媒体と、基板(保護層)の厚みが0.
6mmの高密度記録媒体とでは、基板(保護層)で発生
する球面収差の量が異なるため、光学ピックアップ装置
の収束光線に予め与えておく球面収差の量を変えなけれ
ばならない。
【0025】このため、基板(保護層)の厚みが異なる
光学記録媒体を扱う光学ピックアップ装置では、通常、
対物レンズを共用することができず、基板(保護層)の
厚みに合わせて複数の対物レンズを交換する手段等が設
けられている。
【0026】又、特開平8−102079号公報には、
基板(保護層)の厚みが異なる光学記録媒体を1個の対
物レンズで再生するための手段が示されている。
【0027】図12は、基板(保護層)の厚みが異なる
光学記録媒体を1個の対物レンズで再生するための手段
を示した説明図であり、特開平8−102079号公報
に記載されている手段を簡略化したものである。ここ
で、(a)は、基板(保護層)が薄い高密度記録媒体を
再生する場合を示し、(b)は基板(保護層)が厚い低
密度記録媒体を再生する場合を示している。
【0028】この手段に於いては、高密度記録媒体を再
生する(a)の場合には、液晶素子51に入射した光ビ
ームは、液晶素子51中を一様に透過した後、対物レン
ズ52で収束光とされる。又、対物レンズ52を透過す
る際に、光ビームには高密度記録媒体の基板(保護層)
53aで発生する球面収差を打ち消す逆向きの球面収差
が与えられる(以下、収差補正という)。このように収
差補正がなられた収束光の光ビームは、基板(保護層)
53a中を透過し、記録表面54a上に小さなスポット
55aを結像する。
【0029】一方、低密度記録媒体を再生する(b)の
場合には、液晶素子51が光ビームの周辺部を遮断し、
中央部の光ビームのみが対物レンズ52に入射し、対物
レンズ52で収束光とされる。又、対物レンズ52を透
過する際に、光ビームには高密度記録媒体の場合と同じ
収差補正がなされる。このように収差補正がなられた収
束光の光ビームは、基板(保護層)53b中を透過し、
記録表面54b上にスポット55bを結像するが、θ1
>θ2であるため開口数が小さくなり、スポット径は
(a)の場合よりも大きくなる。
【0030】尚、低密度記録媒体の基板(保護層)53
bは、高密度記録媒体の基板(保護層)53aより厚い
ので、高密度記録媒体の場合と同じ収差補正では、収差
補正が不十分となるが、低密度記録媒体の場合には、θ
2つまり開口数が小さいため、補正しきれない球面収差
は小さく、無視することができる。従って、近似的には
球面収差は補正されていると考えても差し支えがない。
【0031】つまり、球面収差の発生量は、光ビーム
(光束)の周辺部では大きく、光ビーム(光束)の中央
部では極めて小さいため、周辺部の光ビームを遮断すれ
ば、収差補正が不十分であっても球面収差はほとんど問
題にならない。
【0032】以上のように、この従来技術では、対物レ
ンズに入射する光ビームの径を制御することにより、ス
ポット径を変更すると共に、近似的に球面収差を補正し
ていた。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−102079号広報に示されている光ビームの径を
制御する手段には、液晶素子が用いられているが、これ
には以下の問題点があった。
【0034】(1).液晶素子はその構造が複雑で、高
価であるため、これを用いた光学ピックアップ装置は、
コスト高になる。
【0035】(2)液晶素子は、その動作電源が必要と
なるため、光学ピックアップ装置の構造が複雑化し、消
費電力が増加する。
【0036】(3)液晶素子は、液晶と導電性透明膜と
検光子の組み合わせからなっているので光ビームの損失
が大きく、光ビームの利用効率が低下する。従って、高
出力の半導体レーザが必要となり、光学ピックアップ装
置の消費電力が増加する。
【0037】そこで本発明は、上記問題点を解決し、動
作電源を必要とせず、構成が簡単な光ビーム径制御手段
を備えた光学ピックアップ装置を提供することを目的と
する。
【0038】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光学ピッ
クアップ装置は、異なる波長の光ビームを発生する2以
上の光源を有し、該光源より出射した光ビームを光記録
媒体に導くための光学手段を有している光学ピックアッ
プ装置に於いて、前記光源から光記録媒体までの光路
に、波長によって透過率の異なる透過率変化部が設けら
れており、該透過率変化部で、光ビームの断面外周部が
主に遮断されることを特徴とするものである。
【0039】請求項2記載の光学ピックアップ装置は、
請求項1記載の光学ピックアップ装置に於いて、上記透
過率変化部が、波長によって透過率の異なる色素を用い
て構成されていることを特徴とするものである。
【0040】請求項3記載の光学ピックアップ装置は、
請求項2記載の光学ピックアップ装置に於いて、上記色
素が有機色素であることを特徴とするものである。
【0041】請求項4記載の光学ピックアップ装置は、
請求項3記載の光学ピックアップ装置に於いて、上記有
機色素がナフタロシアニン色素であることを特徴とする
ものである。
【0042】請求項5記載の光学ピックアップ装置は、
請求項1乃至4記載のいずれかの光学ピックアップ装置
に於いて、上記透過率変化部に於ける透過率分布が、光
ビームの断面内で同心円状に分布していることを特徴と
するものである。
【0043】請求項6記載の光学ピックアップ装置は、
請求項1乃至5記載のいずれかの光学ピックアップ装置
に於いて、上記透過率変化部が、対物レンズの入射面、
出射面又は入射面と出射面の双方に設けられていること
を特徴とするものである。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施例を
図面を参照して説明する。
【0045】図1は本発明にかかる光学ピックアップ装
置の光路中に設置する光学素子を示した斜視図である。
同図(a)に示した光学素子は、光学ガラスBK7から
なる平行平板状の透明基材1の入射面又は出射面の外周
部に色素2を塗布したものであり、その中央部には色素
2が塗布されていない円形状の領域がある。一方、
(b)に示した光学素子は、同様の透明基材1の入射面
又は出射面の全面に色素2を塗布したものであり、その
中央部には、円形状に色素2の塗布量が少ない部分(色
素2が薄い部分)がある。
【0046】又、上記色素2としては、ナフタロシアニ
ン色素を用いた。この色素の透過率は、図2に示したよ
うに波長780nm付近で急激に低下する。
【0047】図3は、図1(a)に示した光学素子のA
A’断面図と、AA’断面に沿った透過率の分布を示し
たものである((a)断面図、(b)波長780nmの
光ビームに対する透過率の分布、(b)波長650nm
の光ビームに対する透過率の分布)。
【0048】この光学素子は、図3(a)の断面図に示
したように、外周部にのみ色素が塗布され、中央部には
色素が塗布されていない。従って、波長780nmの光
ビームに対する透過率は、図3(b)に示したように、
色素が塗布されている外周部でほぼ0%となり、色素が
塗布されていない中央部でほぼ100%となる。一方、
波長650nmの光ビームに対する透過率は、図3
(c)に示したように、中央部又は外周部を問わず全面
に於いて、ほぼ100%となる。
【0049】図4は、図1(b)に示した光学素子のB
B’断面図と、BB’断面に沿った透過率の分布を示し
たものである((a)断面図、(b)波長780nmの
光ビームに対する透過率の分布、(b)波長650nm
の光ビームに対する透過率の分布)。
【0050】この光学素子は、図4(a)の断面図に示
したように、外周部の色素が厚く、中央部の色素が薄く
なっている。従って、波長780nmの光ビームに対す
る透過率は、図4(b)に示したように、色素の厚い外
周部で0%に近づき、色素の薄い中央部で100%に近
づく。一方、波長650nmの光ビームに対する透過率
は、図4(c)に示したように、中央部又は外周部を問
わず全面に於いて、ほぼ100%となる。
【0051】次に、上記光学素子を用いた2光源の光学
ピックアップ装置について説明する。
【0052】図5は、上記光学素子を用いた2光源の光
学ピックアップ装置の構成を示した説明図である。
【0053】この光学ピックアップ装置は、発振波長6
50nmの半導体レーザー3aと発振波長780nmの
半導体レーザー3bを有しており、半導体レーザー3a
又は半導体レーザー3bから出力された光ビームはビー
ムスプリッタ4を介して回折格子5に入射する。回折格
子5に入射した光ビームは、主ビーム(焦点誤差信号
用、記録再生信号用)と副ビーム(トラッキング誤差信
号用)に分離した後、コリメータレンズ6に入射する。
コリメータレンズ6に入射した光ビームは、発散光から
平行光とされ、ビームスプリッタ7に入射する。ビーム
スプリッタ7に入射した光ビームは、対物レンズ9の方
向に反射され、光学素子8を介して対物レンズ9に入射
する。対物レンズ9にに入射した光ビームは、平行光か
ら収束光とされ、光記録媒体10の記録表面にスポット
を形成する。
【0054】ここで、光学素子8は、図1(a)に示し
たような光学素子であり、図3(b)、(c)に示した
ような透過率分布を有している。従って、波長650n
mの光ビームが使用されている場合、光学素子8は、全
面の光ビームをほぼ100%透過させる。一方、波長7
80nmの光ビームが使用されている場合、光学素子8
は、中央部の光ビームのみをほぼ100%透過させ、外
周部の光ビームはほとんど遮断する。
【0055】又、対物レンズ9は、波長650nmの光
ビームを用いて記録再生を行う高密度記録媒体に対して
開口数や収差補正等が最適化されている。
【0056】従って、波長650nmの光ビームを用い
た場合、対物レンズ9から出射した光ビームは、高い開
口数で結像し、記録表面に小さなスポットを形成する。
一方、波長780nmの光ビームを用いた場合、中央部
の光ビームのみが対物レンズ9に入射され、小さな開口
数で結像する。この場合、波長が長い分と開口数が小さ
い分だけスポット径は大きくなるが、波長780nmの
光ビームが用いられるのは、低密度記録媒体の場合なの
で問題ない。尚、長780nmの光ビームを用いた場合
には、低密度記録媒体に合わせた十分な収差補正がなさ
れないが、中央部の球面収差の発生量が小さな光線のみ
が結像に寄与するので、やはり回折限界程度まで光ビー
ムを絞り込むことができる。
【0057】上述のようにして光記録媒体の記録表面に
スポットを形成した光ビームは、記録表面で反射され、
対物レンズ9に入射する。対物レンズ9に入射した光ビ
ームは、再び平行光とされ、光学素子8を通過し、ビー
ムスプリッタ7を直進して集光レンズ11に入射する。
集光レンズ11に入射した光ビームは平行光から収束光
にされ、アナモフィックレンズ12に入射する。アナモ
フィックレンズ12に入射した光ビームは焦点誤差信号
検出用非点収差を発生し、受光素子13に達する。受光
素子13に達した光ビームは、トラッキング誤差信号、
焦点誤差信号及び記録再生信号に変換される。
【0058】尚、この光学ピックアップ装置では、高密
度記録媒体の基板(保護層)の厚みを0.6mm、低密
度記録媒体の基板(保護層)の厚みを1.2mmとし、
高密度記録媒体再生時の対物レンズの開口数を0.6、
低密度記録媒体再生時の対物レンズの実質的な開口数を
0.35とした。
【0059】次に、上記光学ピックアップ装置で、対物
レンズに入射する光ビームの径を制御していた光学素子
を用いずに、光学ピックアップ装置に用いられているビ
ームスプリッタのの表面に色素を塗布して、図1(a)
に示した光学素子と同様の働きをさせた場合について説
明する。
【0060】図6は、色素が塗布されたビームスプリッ
タにより、対物レンズに入射する光ビームの径を制御す
る光学ピックアップ装置の構成を示した説明図である。
【0061】同図に示した光学ピックアップ装置の基本
的な構成と動作は、図5の場合と同様であるが、対物レ
ンズに入射する光ビームの径を制御していた光学素子が
用いられていない。そして、ビームスプリッタ14の対
物レンズ9側の面には、図1(a)に示した光学素子と
同様の塗布形状で色素14aが塗布されている。
【0062】従って、ビームスプリッタ14の対物レン
ズ9側の面から出射する光ビームについては、波長が6
50nmであれば、全面から一様に出射し、波長が78
0nmであれば、外周部が遮断され、中央部の光ビーム
のみが出射する。このようにして、光ビームの波長を切
り換える(半導体レーザ3aと3bを切り換える)こと
により、対物レンズに入射する光ビームの径が変化し、
図5に示した光学ピックアップ装置の場合と同様に高密
度記録媒体及び低密度記録媒体の記録表面に適正なスポ
ットを形成することができる。
【0063】尚、この場合は、別個に透明基材を設ける
必要がないので、部品点数を削減することができる。
又、ここでは、ビームスプリッタ18の表面を用いた
が、別段この位置である必要はなく、回折格子16、コ
リメータレンズ17、又は、その他の光学素子の表面を
用いてもよい。
【0064】図7は、表面に色素22を塗布した場合を
示した対物レンズ21の断面図である。同図に於いて
は、対物レンズの21光記録媒体側の面に色素22が塗
布されている。
【0065】この対物レンズは、光記録媒体のトラック
に追随するために、サーボ機構を用いて常に動いている
(以下、トラッキング動作という)。対物レンズ以外の
光学素子に色素を塗布し、光ビームの径を制御した場合
には、光ビームの断面内における強度分布が対物レンズ
のトラッキング動作と一体となって動かないが、対物レ
ンズに色素を塗布した場合には、トラッキング動作を行
っても、常に対物レンズの光軸を中心とした同心円状の
強度分布になるので、より好ましいスポットを形成する
ことができる。
【0066】尚、対物レンズ駆動手段上に図1に示した
光学素子を設けても同様の効果を期待できるが、トラッ
キング動作及び焦点合わせ動作をする可動部の質量は軽
い方が望ましいため、別個の光学素子を設けるよりも対
物レンズ表面に直接色素を塗布した方が好ましい。
【0067】以上説明したように、本発明の光学ピック
アップ装置では、装置を構成する光学素子、又は別途設
けた光学素子の表面に、光ビームの波長によって透過率
が異なる色素を塗布して、光ビームの径を制御するよう
にしたものであり、色素を塗布する位置及びその数は、
特に限定されない。従って、例えば、透明基材の両面に
色素を塗布する、3個以上のビーム源を搭載した光学ピ
ックアップ装置に適用する、有限系光学ピックアップ装
置に適用するなどの、広範な利用が可能である。
【0068】又、色素膜の形成方法についても、塗布以
外の方法、例えば、蒸着法等によって形成してもよい。
【0069】又、色素の材料についても、光ビームの波
長に応じて透過率が変化する色素であれば、ナフタロシ
アニン色素以外の色素であってもよい。
【0070】又、色素の膜形状や膜厚分布についても、
特に限定されないが、光記録媒体の記録密度や基板(保
護層)の厚み等を考慮して、適宜これらを設定する必要
がある。
【0071】ここで、高密度記録媒体を扱う場合と低密
度記録媒体を扱う場合の開口数の相対関係については、
低密度記録媒体を扱う場合の対物レンズの開口数は、高
密度記録媒体を扱う場合の40%〜85%の範囲が望ま
しく、より望ましくは50%〜80%の範囲である。
【0072】又、低密度記録媒体を扱う場合の中央部と
外周部(透過部と遮断部)の光強度の比率は、3:1〜
100:1の範囲であることが望ましく、より望ましく
は7:1〜50:1の範囲である。もちろん、理想的には
外周部の光強度は全くない、つまり完全に遮断されるこ
とが望ましいが、波長780nmの場合(低密度記録媒
体を扱う場合)に外周部の光強度を減らすために色素層
の膜厚をあまり厚くすると、波長650nmの場合(高
密度記録媒体を扱う場合)にも外周部の光強度が低下す
るので、高密度記録媒体を扱う場合と低密度記録媒体を
扱う場合の双方を考慮して膜厚を設定することが望まし
い。
【0073】
【発明の効果】本発明は、以上の構成により、次のよう
な効果が得られる。
【0074】(1)液晶素子を使用した場合に比べ、光
学ピックアップ装置の構成が簡単になり、製品コストも
低減される。
【0075】(2)対物レンズに入射する光ビームの径
の制御については、特に切り替え操作等を行う必要がな
いので、光学ピックアップ装置の消費電力が増加させる
ことなく光ビームの径を制御することができる。
【0076】(3)光ビームの利用効率が高いので、出
力の小さい半導体レーザで対応することができ、又、光
学ピックアップ装置の消費電力を低く抑えることができ
る。
【0077】(4)有機色素を用いた書き込み可能型記
録媒体(例えば、CD−WO規格のごときもの)に於い
て、記録表面に塗布された色素に波長依存性がある場合
には、複数の異なる波長の光ビームを出力する光源を用
いる必要が生じることがあるが、そのような場合に、製
品コスト、消費電力をあまり増加させることなく光学ピ
ックアップ装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明基材の入射面又は出射面に塗布された色素
を示した斜視図である。
【図2】色素の透過率と光ビームの波長との関係を示し
たグラフである。
【図3】色素が塗布された光学素子(図1(a)に示し
た光学素子)の断面図(図1(a)に示したAA’断
面)と、その断面に沿った透過率分布である。
【図4】色素が塗布された光学素子(図1(b)に示し
た光学素子)の断面図(図1(b)に示したBB’断
面)と、その断面に沿った透過率分布である。
【図5】本発明の光学ピックアップ装置の構成を示した
説明図である(図1(b)に示した光学素子を用いた場
合)。
【図6】本発明の光学ピックアップ装置の構成を示した
説明図である(色素をビームスプリッタの表面に塗布し
た場合)。
【図7】対物レンズの表面に色素を塗布した場合を示し
た断面図である。
【図8】従来の光学ピックアップ装置の構成を示した説
明図である。
【図9】基板(保護層)で生じる球面収差を説明するた
めの説明図である。
【図10】開口数を説明するための説明図である。
【図11】光記録媒体(光ディスク)の傾きを示した説
明図である。
【図12】対物レンズに入射する光ビームの径が変化し
た場合と、その結像を示した説明図である。
【符号の説明】
1 透明基材 2、22 色素 3a、3b 半導体レーザ 4、7、14 ビームスプリッタ 5 回折格子 6 コリメータレンズ 8 光学素子(色素が塗布された光学素子) 9、21 対物レンズ 10 光記録媒体 11 集光レンズ 12 アナモフィックレンズ 13 受光素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる波長の光ビームを発生する2以上
    の光源を有し、該光源より出射した光ビームを光記録媒
    体に導くための光学手段を有している光学ピックアップ
    装置に於いて、前記光源から光記録媒体までの光路に、
    波長によって透過率の異なる透過率変化部が設けられて
    おり、該透過率変化部で、光ビームの断面外周部が主に
    遮断されることを特徴とする光学ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学ピックアップ装置に
    於いて、上記透過率変化部が、波長によって透過率の異
    なる色素を用いて構成されていることを特徴とする光学
    ピックアップ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光学ピックアップ装置に
    於いて、上記色素が有機色素であることを特徴とする光
    学ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光学ピックアップ装置に
    於いて、上記有機色素がナフタロシアニン色素であるこ
    とを特徴とする光学ピックアップ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載のいずれかの光学ピ
    ックアップ装置に於いて、上記透過率変化部に於ける透
    過率分布が、光ビームの断面内で同心円状に分布してい
    ることを特徴とする光学ピックアップ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載のいずれかの光学ピ
    ックアップ装置に於いて、上記透過率変化部が、対物レ
    ンズの入射面、出射面又は入射面と出射面の双方に設け
    られていることを特徴とする光学ピックアップ装置。
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