JPH10116433A - 光学ピックアップ装置 - Google Patents

光学ピックアップ装置

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JPH10116433A
JPH10116433A JP8268406A JP26840696A JPH10116433A JP H10116433 A JPH10116433 A JP H10116433A JP 8268406 A JP8268406 A JP 8268406A JP 26840696 A JP26840696 A JP 26840696A JP H10116433 A JPH10116433 A JP H10116433A
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JP
Japan
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light beam
pickup device
optical pickup
wavelength
optical
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JP8268406A
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English (en)
Inventor
Sadaichirou Oka
禎一郎 岡
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実効的な開口数を簡素な方法で制御する光学
素子が、トラッキング動作やフォーカシング動作の支障
とならずに対物レンズと共に移動するようにし、トラッ
キング動作時の波面収差量の変動を低減させること。 【解決手段】 異なる波長の光ビームを発生する光源を
有し、該光源より出射した光ビームを光記録媒体に導く
ための光学手段を有している光学ピックアップ装置に於
いて、トラッキング動作時に、光ビームの波長によって
透過率分布が変化する光学素子が、対物レンズと共に移
動することを特徴とする光学ピックアップ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学ピックアップ装
置に係り、特に、波長の異なる複数の光ビームで、同一
の対物レンズを共有する光学ピックアップ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光記録媒体の応用範囲の広範化に
伴い、記録密度、基板(保護層)の厚み、基板(保護
層)の材質、記録再生方式、ディスクサイズ等が異なる
多種の光記録媒体が、提供されている。
【0003】そして、これらの記録密度が異なる光記録
媒体を取り扱う光学ピックアップ装置に於いては、光記
録媒体の記録密度に応じて光ビームのスポット(集光ス
ポット)の径(以下、スポット径という。)を変化させ
る必要がある。
【0004】ここで、上記記録密度は、記録マーク長と
トラックピッチによって規定されるが、最短記録マーク
長が0.8μm程度の低密度記録媒体の場合には、スポ
ットの径を1.4μm程度の大きさに、最短記録マーク
長が0.4μm程度の高密度記録媒体の場合には、スポ
ットの径を0.9μm程度の大きさにする必要がある。
【0005】又、スポット径Dは、次式で与えられる。
【0006】D=k・λ/NA ここで、kは光束の強度分布や収差等によって決まる比
例定数であり、λは光ビームの波長である。尚、比例定
数は、通常は、 k≒0.82 としている。
【0007】又、NAはレンズの開口数であり、次式で
与えられる。
【0008】NA=n×sinθ この式で、nは屈折率であり、θは図9(レンズ35の
開口数を説明するための説明図)に示したように射出瞳
径に張る角度である。
【0009】これらの式からもわかるように、スポット
径Dを小さくするためには、光ビームの波長λを短くす
るか、又は、レンズの開口数(NA)、つまりθを大き
くする必要がある。
【0010】しかし、レンズの開口数(NA)が大きく
すると、記録媒体の傾きによって生じるコマ収差の量が
著しく増加する。このコマ収差は、数1に示したように
開口数(NA)の3乗と、基板(保護層)の厚みに比例
する。
【0011】
【数1】
【0012】従って、記録媒体の高密度化に伴い、対物
レンズの開口数(NA)が大きくする場合には、基板
(保護層)の厚みを薄くする傾向がある。
【0013】又、上記のような理由により、基板(保護
層)の厚みを変えた場合、基板(保護層)中で発生する
球面収差も変化する。この球面収差は、数2に示したよ
うに開口数(NA)の4乗と、基板(保護層)の厚みに
比例し、通常は、光学ピックアップ装置の光学系(例え
ば、対物レンズ)でその補正がなされている。
【0014】
【数2】
【0015】従って、基板(保護層)の厚みの異なる記
録媒体を同一の光学系で記録再生する場合には、全ての
記録媒体に対して最適な球面収差の補正を行うことはで
きない。この問題を解決する手段として、対物レンズに
入射する光束を絞ることにより、実効的な開口数を変化
させ球面収差の影響を低減する方法が知られている。
【0016】例えば、基板(保護層)の薄い高密度記録
媒体(DVD)と基板(保護層)の厚い低密度記録媒体
(CD)を記録再生する光学ピックアップ装置に於いて
は、光学系をDVD側を優先して構成し、CDを記録再
生するときに実効的な開口数をDVDの場合の(NA
=)0.6から(NA=)0.45に変更し、球面収差
の影響を低減する。
【0017】次に、液晶フィルタを用いて実効的な開口
数を変化させている光学ピックアップ装置(特開平8ー
102079号公報)について図6を参照して説明す
る。
【0018】この光学ピックアップ装置 に於いては、
半導体レーザ31から出射した光ビームは、回折格子3
2で主ビーム(焦点誤差信号用、記録再生信号用)と副
ビーム(トラッキング誤差信号用)に分離した後、コリ
メータレンズ33に入射する。コリメータレンズ33に
入射した光ビームは、発散光から平行光にされ、ビーム
スプリッタ34に入射する。ビームスプリッタ34に入
射した光ビームは対物レンズ35の方向に反射され、液
晶フィルタ51を介して対物レンズ35に入射する。対
物レンズ35に入射した光ビームは平行光から収束光に
され、光記録媒体36の記録面にスポットを形成する。
【0019】この光ビームは、記録面で反射され、その
際、記録面の記録情報に応じて変調される。記録面で反
射された光ビームは、対物レンズ35で再び平行光とさ
れ、ビームスプリッタ34に入射する。ビームスプリッ
タ34に入射した光ビームは、ビームスプリッタ34内
を直進し、集光レンズ37に入射する。集光レンズ37
に入射した光ビームは、平行光から収束光にされ、アナ
モフィックレンズ38に入射する。アナモフィックレン
ズ38に入射した光ビームは、焦点誤差信号検出用の非
点収差を発生し、受光素子39に入射する。受光素子3
9に入射した光ビームは、トラッキング誤差信号、焦点
誤差信号、記録再生信号等の電気信号に変換される。
【0020】上記光学ピックアップ装置で、正確な電気
信号を得るためには、適正なスポットを記録面に結像す
る必要があり、そのためには球面収差の影響を低く抑え
る必要があり、この光学ピックアップ装置では液晶フィ
ルタ51を用いて球面収差の影響を低減している。
【0021】図7及び図8は、液晶フィルタ51を用い
て基板(保護層)の薄い高密度記録媒体と基板(保護
層)の厚い低密度記録媒体に記録再生を行う場合を示し
ている。
【0022】図7((a)液晶フィルタの平面図、
(b)液晶フィルタを透過する光ビームを示した説明
図)は高密度記録媒体を記録再生する場合を示し、液晶
フィルタ51に入射した光ビームは、液晶フィルタ51
中を一様に透過した後、対物レンズ52で収束光とされ
る。又、対物レンズ52を透過する際に、光ビームには
高密度記録媒体の基板(保護層)53aで発生する球面
収差を打ち消す逆向きの球面収差が与えられる(以下、
収差補正という)。このように収差補正がなされた収束
光の光ビームは、基板(保護層)53a中を透過し、記
録面54a上に小さなスポット55aを結像する。
【0023】図8((a)液晶フィルタの平面図、
(b)液晶フィルタを透過する光ビームを示した説明
図)は低密度記録媒体を記録再生する場合を示し、液晶
フィルタ51が光ビームの周辺部を遮断し、中央部の光
ビームのみが対物レンズ52に入射し、対物レンズ52
で収束光とされる。ここで、対物レンズ52を透過する
際に、光ビームには高密度記録媒体の場合と同じ収差補
正がなされる。このように収差補正がなされた収束光の
光ビームは、基板(保護層)53b中を透過し、記録面
54b上にスポット55bを結像するが、θ1>θ2で
あるため実効的な開口数が小さくなり、スポット径は高
密度記録媒体を再生する場合よりも大きくなる。
【0024】又、低密度記録媒体の基板(保護層)53
bは、高密度記録媒体の基板(保護層)53aより厚い
ので、高密度記録媒体の場合と同じ収差補正では、球面
収差が残留するが、低密度記録媒体の場合には、θ2が
小さいため、つまり開口数が小さいため、その影響は小
さくなる。
【0025】つまり、球面収差の発生量は、光ビーム
(光束)の周辺部では大きく、光ビーム(光束)の中央
部では極めて小さいため、周辺部の光ビームを遮断すれ
ば、収差補正が不十分であっても球面収差はほとんど問
題にならない。
【0026】以上のように、液晶フィルタ51を用いた
光学ピックアップ装置では、対物レンズに入射する光ビ
ームの径(実効的な開口数)を制御することにより、低
密度記録媒体と高密度記録媒体の場合のスポット径を変
更すると共に、球面収差の影響を低減していた。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】ところで光学ピックア
ップ装置では、記録再生時に対物レンズがフォーカス方
向(記録媒体の記録面に垂直な方向)やトラッキング方
向(記録媒体の記録面に平行かつトラックと直交する方
向)に移動するが、特開平8ー102079号公報に記
載されている液晶フィルタを用いた光学ピックアップ装
置では、トラッキング動作の際に液晶フィルタと対物レ
ンズの中心軸に位置ずれが生じ、その結果、波面収差量
に変動が生じる。又、トラッキング動作時に対物レンズ
と共に移動する部材に、液晶フィルタを設置すると良好
なトラッキング動作を行うことが困難になる。
【0028】そこで、本発明は、実効的な開口数を簡素
な方法で制御する光学素子が、トラッキング動作やフォ
ーカシング動作の支障とならずに対物レンズと共に移動
するようにし、トラッキング動作時の波面収差量の変動
を低減させた光学ピックアップ装置を提供することを目
的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光学ピッ
クアップ装置は、異なる波長の光ビームを発生する光源
を有し、該光源より出射した光ビームを光記録媒体に導
くための光学手段を有している光学ピックアップ装置に
於いて、トラッキング動作時に、光ビームの波長によっ
て透過率分布が変化する光学素子が、対物レンズと共に
移動することを特徴とするものである。
【0030】請求項2記載の光学ピックアップ装置は、
請求項1記載の光学ピックアップ装置に於いて、上記光
ビームの波長によって透過率分布が変化する光学素子
が、光ビームの波長によって実効的な開口数が変化する
光学素子であることを特徴とするものである。
【0031】請求項3記載の光学ピックアップ装置は、
請求項1又は2記載の光学ピックアップ装置に於いて、
上記光ビームの波長によって透過率分布が変化する光学
素子が、フィルム上に光ビームの波長によって透過率が
変化する色素膜を形成した光学素子であることを特徴と
するものである。
【0032】請求項4記載の光学ピックアップ装置は、
請求項3記載の光学ピックアップ装置に於いて、上記色
素膜がナフタロシアニン又フタロシアニンからなること
を特徴とするものである。
【0033】請求項5記載の光学ピックアップ装置は、
請求項1又は2記載の光学ピックアップ装置に於いて、
上記光ビームの波長によって透過率分布が変化する光学
素子が、干渉フィルタであることを特徴とするものであ
る。
【0034】請求項6記載の光学ピックアップ装置は、
請求項1乃至5記載のいずれかの光学ピックアップ装置
に於いて、上記光ビームの波長によって透過率分布が変
化する光学素子が、対物レンズの縁に固定されているこ
とを特徴とするものである。
【0035】請求項7記載の光学ピックアップ装置は、
請求項1乃至5記載のいずれかの光学ピックアップ装置
に於いて、上記光ビームの波長によって透過率分布が変
化する光学素子が、対物レンズホルダに固定されている
ことを特徴とするものである。
【0036】請求項8記載の光学ピックアップ装置は、
異なる波長の光ビームを発生する光源を有し、該光源よ
り出射した光ビームを光記録媒体に導くための光学手段
を有している光学ピックアップ装置に於いて、対物レン
ズの表面に、光ビームの波長によって透過率分布が変化
する色素膜が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0037】請求項9記載の光学ピックアップ装置は、
請求項8記載の光学ピックアップ装置に於いて、上記光
ビームの波長によって透過率分布が変化する色素膜が、
光ビームの波長によって実効的な開口数が変化する色素
膜であることを特徴とするものである。
【0038】請求項10記載の光学ピックアップ装置
は、請求項8又は9記載の光学ピックアップ装置に於い
て、上記色素膜がナフタロシアニン又はフタロシアニン
からなることを特徴とするものである。
【0039】請求項11記載の光学ピックアップ装置
は、異なる波長の光ビームを発生する光源を有し、該光
源より出射した光ビームを光記録媒体に導くための光学
手段を有している光学ピックアップ装置に於いて、対物
レンズの表面に、光ビームの波長によって透過率分布が
変化する干渉フィルタが形成されていることを特徴とす
るものである。
【0040】請求項12記載の光学ピックアップ装置
は、請求項11記載の光学ピックアップ装置に於いて、
上記光ビームの波長によって透過率分布が変化する干渉
フィルタが、光ビームの波長によって実効的な開口数が
変化する干渉フィルタであることを特徴とするものであ
る。
【0041】請求項13記載の光学ピックアップ装置
は、請求項8乃至12記載のいずれかの光学ピックアッ
プ装置に於いて、上記色素膜又は干渉フィルタが、対物
レンズの曲率の小さい側の面に形成されていることを特
徴とするものである。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の光学ピックアッ
プ装置を図面を参照して説明する。
【0043】まず、図1に示した光学ピックアップ装置
について、低密度記録媒体を記録再生する場合と、高密
度記録媒体を記録再生する場合とに分けて説明する。
【0044】低密度記録媒体の場合には、LD/PDユ
ニット1から出力された発振波長780nmの光ビーム
は、コリメータレンズ2に入射し、発散光から平行光に
され、偏光ビームスプリッタ3にS波として入射する。
S波として偏光ビームスプリッタ3に入射した光ビーム
は、立ち上げミラー4の方向に反射され、立ち上げミラ
ー4で反射された後に、波長選択素子5に入射する。波
長選択素子5に入射した光ビームは、光束の外周部がほ
とんど遮断され、ビーム径が小さくなった光ビームが対
物レンズ6に入射する。対物レンズ6に入射した光ビー
ムは、平行光から収束光にされ、記録媒体14の記録面
にスポットを形成する。
【0045】尚、波長選択素子5と対物レンズ6は、共
に対物レンズホルダに固定されているため、波長選択素
子5はトラッキング動作やフォーカシング動作のとき
に、対物レンズと共に移動する。
【0046】その後、記録媒体14の記録面で反射した
光ビームは、上記と逆の経路、つまり、対物レンズ6、
波長選択素子5、立ち上げミラー4、偏光ビームスプリ
ッタ3、コリメータレンズ2を介してLD/PDユニッ
ト1に入射する。
【0047】尚、上記LD/PDユニット1は、光源
(レーザーダイオード)と受光素子(フォトディテク
タ)を光学的に調整し一体化した光学ユニットであり、
フーコー法によりフォーカス誤差信号を、プッシュプル
法によりトラック誤差信号を検出している。
【0048】高密度記録媒体の場合には、半導体レーザ
7から出力された発振波長650nmの光ビームは、回
折格子8に入射し、主ビーム(焦点誤差信号用、記録再
生信号用)と副ビーム(トラッキング誤差信号用)に分
離した後、コリメータレンズ9に入射する。コリメータ
レンズ9に入射した光ビームは、発散光から平行光とさ
れ、ハーフミラー10に入射する。ハーフミラー10に
入射した光ビームは、偏光ビームスプリッタ3の方向に
反射され、偏光ビームスプリッタ3にP波として入射す
る。P波として偏光ビームスプリッタ3に入射した光ビ
ームは、立ち上げミラー4の方向に透過し、立ち上げミ
ラー4で反射された後に、波長選択素子5に入射する。
波長選択素子5に入射した光ビームは、ほとんど遮断さ
れることなく、対物レンズ6に入射する。対物レンズ6
に入射した光ビームは、平行光から収束光にされ、記録
媒体14の記録面にスポットを形成する。
【0049】その後、記録媒体14の記録面で反射した
光ビームは、上記と逆の経路、つまり、対物レンズ6、
波長選択素子5、立ち上げミラー4、偏光ビームスプリ
ッタ3を介して、ハーフミラー10に入射する。ハーフ
ミラー10に入射した光ビームは、これを透過し、集光
レンズ11に入射する。集光レンズ11に入射した光ビ
ームは、平行光から収束光にされ、アナモフィックレン
ズ12に入射する。アナモフィックレンズ12に入射し
た光ビームは、フォーカス誤差信号を検出するための非
点収差が与えられ、受光素子13上に集光する。
【0050】尚、高密度記録媒体の場合には、非点収差
法によりフォーカス誤差信号を、3ビーム法によりトラ
ック誤差信号を検出している。
【0051】上記光学ピックアップ装置に於いては、光
ビームの波長が650nmであるか、又は780nmで
あるかによって、対物レンズ8の実効的な開口数(対物
レンズ6に入射する光ビームに対する実質的な開口数)
が変化する。この実効的な開口数は、光ビームの波長が
650nmの場合に大きく、光ビームの波長が780n
mの場合に小さくなるように設定されている。
【0052】従って、高密度記録媒体を再生する場合に
は、記録面に小さなスポットが形成され、低密度記録媒
体を再生する場合には、記録面に比較的大きなスポット
が形成される。
【0053】上記光学ピックアップ装置では、実効的な
開口数を波長選択素子5によって制御してている。図2
は、この波長選択素子の構成とその透過特性を示したも
のである。同図の(a)斜視図と(b)断面図((a)
に示したAA’断面)に示したようにこの波長選択素子
は、フィルム21とこのフィルム21上に形成された色
素膜22で構成されている。前記色素膜22は、フィル
ム21の外周部に形成され、この色素膜22に用いられ
ている色素は、波長780nm程度の光ビームを顕著に
吸収する特性を有している。この色素としては、ナフタ
ロシアニン又はフタロシアニン等の有機色素を用いるこ
とができる。
【0054】そして、この波長選択素子のAA’断面に
沿った透過率分布は、波長650nmの光ビームについ
ては図2(c)、波長780nmの光ビームについては
図2(d)のようになる。つまり、波長650nmの光
ビームを用いた場合には、光学素子の全面で透過率がほ
ぼ100%となるが、波長780nmの光ビームを用い
た場合には、光学素子の中央部の透過率だけがほぼ10
0%となり、外周部の透過率はほぼ0%となる。
【0055】尚、色素膜22に用いられている色素は、
波長780nm程度の光ビームを顕著に吸収する特性を
有しているため、この色素の透過率と波長の関係は、図
3に示したような関係になる。ここで、色素膜の厚さが
厚くなると波長650nmの光ビームに対する透過率が
低下し、色素膜の厚さが薄くなると波長780nmの光
ビームに対する遮断率が低下(透過率が上昇)するた
め、両者の関係を考慮して色素膜の厚みを決定する必要
がある。
【0056】又、高密度記録媒体と低密度記録媒体とで
は、通常、基板(保護層)の厚みが異なる(通常、低密
度記録媒体の方が基板(保護層)が厚い)ため、基板
(保護層)で発生する球面収差の量も異なるが、上記光
学ピックアップ装置に於いては、高密度記録媒体に対し
て十分な収差補正が、対物レンズ又はその他の光学素子
でなされるように設定されている。
【0057】従って、低密度記録媒体の場合には、収差
が残留するが、発生する球面収差が小さい対物レンズ中
央部の光線のみが結像に寄与するので、やはり回折限界
近くまで光ビームを絞り込むことができ、使用上問題と
なることはない。
【0058】尚、この光学ピックアップ装置では、高密
度記録媒体の基板(保護層)の厚みを0.6mm、低密
度記録媒体の基板(保護層)の厚みを1.2mmとし、
高密度記録媒体再生時の対物レンズの開口数を0.6、
低密度記録媒体再生時の対物レンズの実質的な開口数を
0.45とした。
【0059】又、本発明に於いて、実効的な開口数を制
御している波長選択素子(フィルム21上に色素膜22
が形成された光学素子)は、図4に示したように対物レ
ンズ6の縁6aに直接接着してもよい。このようにすれ
ば、実効的な開口数を制御している光学素子を対物レン
ズ8に容易に固定することができる。
【0060】又、実効的な開口数を制御している波長選
択素子は、フィルム上に均一な色素膜を形成し、その中
央部を切り取った環状の光学素子であってもよい。
【0061】又、実効的な開口数を制御している波長選
択素子は、干渉フィルタであってもよい。この干渉フィ
ルタとしては、例えば、誘電体多層膜で構成されたフィ
ルタが挙げられ、通常の蒸着プロセス等により作製する
ことができる。
【0062】又、図5に示したように実効的な開口数を
制御するための色素膜22を、対物レンズ6の表面に直
接形成してもよく、その場合、色素膜22は、(b)の
ように曲率の小さい側の面に設けることが好ましい。
【0063】又、干渉フィルタについても対物レンズの
表面に直接形成してもよく、その場合も、干渉フィルタ
は曲率の小さい側の面に設けることが好ましい。
【0064】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の光学ピッ
クアップ装置によれば、トラッキング動作時に、実効的
な開口数を制御する波長選択素子が、対物レンズと共に
移動するようにしたので、トラッキング動作時に波面収
差量の変動がほとんど発生しない。
【0065】又、実効的な開口数を制御する波長選択素
子が、トラッキング動作やフォーカシング動作の負担に
なることもほとんどない。
【0066】又、実効的な開口数を制御する波長選択素
子と同様の働きをする膜を、対物レンズの表面に直接形
成しても同様の効果が得られる。
【0067】又、波長選択素子が干渉フィルタであって
同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学ピックアップ装置の構成を示した
説明図である。
【図2】(a)、(b)は、実効的な開口数を制御する
波長選択素子(フィルム上に色素膜が形成されている光
学素子)を示した斜視図と断面図(AA’断面図)であ
る。(c)、(d)は、AA’断面に沿った透過率分布
である。
【図3】色素の透過率と光ビームの波長との関係を示し
たグラフである。
【図4】フィルム上に色素膜を形成した波長選択素子
を、対物レンズの縁に貼り付けた場合を示した断面図で
ある。
【図5】対物レンズの表面に色素を塗布した場合を示し
た断面図である。
【図6】従来の光学ピックアップ装置の構成を示した説
明図である(液晶フィルタを用いた場合)。
【図7】液晶フィルタの平面図と液晶フィルタを透過す
る光ビームを示した説明図である(高密度記録媒体を再
生するの場合)。
【図8】液晶フィルタの平面図と液晶フィルタを透過す
る光ビームを示した説明図である(低密度記録媒体を再
生するの場合)。
【図9】開口数を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 LD/PDユニット 2、9 コリメータレンズ 3 偏光ビームスプリッタ 4 立ち上げミラー 5 波長選択素子 6 対物レンズ 6a 縁 7 半導体レーザ 8 回折格子 10 ハーフミラー 11 集光レンズ 12 アナモフィックレンズ 13 受光素子 14 記録媒体 21 フィルム 22 色素膜

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる波長の光ビームを発生する光源を
    有し、該光源より出射した光ビームを光記録媒体に導く
    ための光学手段を有している光学ピックアップ装置に於
    いて、トラッキング動作時に、光ビームの波長によって
    透過率分布が変化する光学素子が、対物レンズと共に移
    動することを特徴とする光学ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学ピックアップ装置に
    於いて、上記光ビームの波長によって透過率分布が変化
    する光学素子が、光ビームの波長によって実効的な開口
    数が変化する光学素子であることを特徴とする光学ピッ
    クアップ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光学ピックアップ
    装置に於いて、上記光ビームの波長によって透過率分布
    が変化する光学素子が、フィルム上に光ビームの波長に
    よって透過率が変化する色素膜を形成した光学素子であ
    ることを特徴とする光学ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光学ピックアップ装置に
    於いて、上記色素膜がナフタロシアニン又フタロシアニ
    ンからなることを特徴とする光学ピックアップ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の光学ピックアップ
    装置に於いて、上記光ビームの波長によって透過率分布
    が変化する光学素子が、干渉フィルタであることを特徴
    とする光学ピックアップ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載のいずれかの光学ピ
    ックアップ装置に於いて、上記光ビームの波長によって
    透過率分布が変化する光学素子が、対物レンズの縁に固
    定されていることを特徴とする光学ピックアップ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5記載のいずれかの光学ピ
    ックアップ装置に於いて、上記光ビームの波長によって
    透過率分布が変化する光学素子が、対物レンズホルダに
    固定されていることを特徴とする光学ピックアップ装
    置。
  8. 【請求項8】 異なる波長の光ビームを発生する光源を
    有し、該光源より出射した光ビームを光記録媒体に導く
    ための光学手段を有している光学ピックアップ装置に於
    いて、対物レンズの表面に、光ビームの波長によって透
    過率分布が変化する色素膜が形成されていることを特徴
    とする光学ピックアップ装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の光学ピックアップ装置に
    於いて、上記光ビームの波長によって透過率分布が変化
    する色素膜が、光ビームの波長によって実効的な開口数
    が変化する色素膜であることを特徴とする光学ピックア
    ップ装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の光学ピックアッ
    プ装置に於いて、上記色素膜がナフタロシアニン又はフ
    タロシアニンからなることを特徴とする光学ピックアッ
    プ装置。
  11. 【請求項11】 異なる波長の光ビームを発生する光源
    を有し、該光源より出射した光ビームを光記録媒体に導
    くための光学手段を有している光学ピックアップ装置に
    於いて、対物レンズの表面に、光ビームの波長によって
    透過率分布が変化する干渉フィルタが形成されているこ
    とを特徴とする光学ピックアップ装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の光学ピックアップ装
    置に於いて、上記光ビームの波長によって透過率分布が
    変化する干渉フィルタが、光ビームの波長によって実効
    的な開口数が変化する干渉フィルタであることを特徴と
    する光学ピックアップ装置。
  13. 【請求項13】 請求項8乃至12記載のいずれかの光
    学ピックアップ装置に於いて、上記色素膜又は干渉フィ
    ルタが、対物レンズの曲率の小さい側の面に形成されて
    いることを特徴とする光学ピックアップ装置。
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