JPH10273395A - 層状結晶構造酸化物およびそれを用いたメモリ素子 - Google Patents

層状結晶構造酸化物およびそれを用いたメモリ素子

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JPH10273395A JP9076154A JP7615497A JPH10273395A JP H10273395 A JPH10273395 A JP H10273395A JP 9076154 A JP9076154 A JP 9076154A JP 7615497 A JP7615497 A JP 7615497A JP H10273395 A JPH10273395 A JP H10273395A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗電界の低い層状結晶構造酸化物を提供す
る。 【解決手段】 〔Bi2+a 2 2+〔Me(m-1)(1+b)
m 3m+1+c2-の組成式で表される層状結晶構造酸化
物。Meは第1の元素でNa,K,Ca,Ba,Sr,
PbおよびBiのうちの少なくとも1種、Rは第2の元
素でFe,Ti,Nb,TaおよびWのうちの少なくと
も1種である。a,b,cは化学量論的な組成からのず
れを表す変数、mは2〜5の整数である。第2の元素
(R)に対するBiの組成比(2+a)/mは化学量論
的な組成比2/mよりも大きい。第1の元素(Me)に
対するBiの組成比(2+a)/(m−1)(1+b)
は化学量論的な組成比2/(m−1)の近傍±0.17
/(m−1)の範囲内である。このような組成の層状結
晶構造酸化物は他の組成のものよりも抗電界が低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるオーリビ
リウス結晶群といわれる層状結晶構造酸化物およびそれ
を用いたメモリ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電体薄膜よりなる不揮発性メ
モリの開発が活発に行われている。それに伴い、不揮発
性ランダムアクセスメモリ(Ferroelectric Random Acc
ess Memories;FeRAM)を構成する強誘電体材料と
して、分極反転による疲労がないことから、ビスマス・
ストロンチウム・タンタレート(Bi2 SrTa
2 9;以下、BiSTaという)が特に注目されてい
る(C. A-Paz de Araujo, J. D. Cuchiaro, L. D. McMi
llan, M. C. Scott and J. F. Scott, Nature, 374 (19
95) 627.;K. Amanuma, T. Hase and Y. Miyasaka, App
l. Phys. Lett., 66 (1995) 221.;S. B. Desu and D.
P. Vijay, Master. Sci. and Eng., B32 (1995)75. な
ど)。
【0003】このBiSTaは、いわゆるオーリビリウ
ス結晶群と呼ばれるものであり、過去において種々研究
されてきている(G. A. Smolenskii, V. A. Isupov and
A.I. Agranovskaya, Soviet Phys. Solid State, 3 (1
961) 651.;E. C. Subbarao, Phys. Rev. 122 (1961) 8
04.;R. E. Newnham, R. W. Wolfe and J. F. Dorrian,
Mater. Res. Bull., 6 (1971) 1029. など)。なお、
オーリビリウス結晶群というのは化学量論的な組成式が
〔Bi2 2 2+〔Mem-1 m 3 m+1 2-で表され
るものである(mは2以上の整数、Meはナトリウム
(Na),カリウム(K),カルシウム(Ca),バリ
ウム(Ba),ストロンチウム(Sr),鉛(Pb),
ビスマス(Bi)からなる群のうちの少なくとも1種、
Rは鉄(Fe),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),
タングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1
種)。
【0004】最近では、BiSTaについてFeRAM
への応用に向けMOCVD(MetalOrganic Chemical Va
por Deposition )法により薄膜の作製に成功したとの
報告もなされているが、まだX線分析の結果からみても
良質の膜は得られていない(T. Ami, K. Hironaka, C.
Isobe, N. Nagel, M. Sugiyama, Y. Ikeda, K. Watanab
e, A. Machida, K. Miura and M. Tanaka, Mater. Res.
Soc. Symp. Proc., 415 (1996) 195.;T. Li, Y. Zhu,
S. B. Desu, C-H. Peng, M. Nagata, Appl. Phys. Let
t., 68 (1996) 616.)。
【0005】ところで、このBiSTaをFeRAMに
応用するためには、その組成と電気的特性との関係が重
要となる。過去においてもその関係を明確にすべく種々
の研究がなされている。例えば、MOD(Metal Organi
c Decomposition )法により作製した多結晶のBiST
a薄膜に関し、原料組成比において化学量論的な組成よ
りもビスマスが過剰の場合に良好な強誘電性を示す薄膜
を得ることができるという報告がある(H. Watanabe,
T. Mihara, H. Yoshimori and C. A. Paz de Araujo, J
pn. J. Appl. Phys., 34 (1995) 5240 )。しかし、こ
れは原料組成と電気的特性との関係を示したものであ
り、薄膜の組成と電気的特性との関係を示すものではな
い。また、この報告によれば、原料組成比においてビス
マス過剰の方がよいのは、成膜中にビスマスが気化し最
終的には化学量論的な組成となるためであると結論づけ
ている。このような考え方は、ビスマスが気化しやすい
物質であることから、従来における一般的な認識となっ
ている。
【0006】また、化学量論的な組成よりもビスマスが
過剰でストロンチウムが不足の原料を用いてゾルゲル法
により作製した多結晶のBiSTa薄膜をEPMA(El
ectron Probe Microanalysis)により分析したところ、
強誘電性を示す組成領域は化学量論的な組成よりもビス
マスが過剰でストロンチウムが不足であったという報告
がある(T. Atuki, N. Soyama, T. Yonezawa and K. Og
i, Jpn. J. Appl, Phys., 34 (1995) 5096 ; Y. Ito,
M. Ushikubo, S. Yokoyama, H. Mtunaga, T. Atuki, T.
Yonezawa and K. Ogi, Jpn. J. Appl. Phys., 35 (199
6) 4295)。
【0007】しかし、別の研究によれば、このようにし
て作製した多結晶のBiSTa薄膜は、結晶粒界に金属
のビスマスやビスマス合金化合物やBiSTa以外のB
i系酸化物などの不純物が残存しているという報告もあ
る(C. D. Gutleben, Y. Ikeda, C. Isobe, A. Machid
a, T. Ami, K.Hironaka and E. Morita, Mat. Res. Sym
p. proc, 415 (1996) 201)。つまり、EPMAの測定
領域の範囲(数μmφ〜50μmφのビーム径)が多結
晶BiSTa薄膜の1つの結晶粒径よりもかなり大きい
ことを考慮すれば、EPMAでは多結晶薄膜の1つの結
晶粒子内における組成を分析することは不可能である。
従って、上記Atuki等による分析結果は結晶粒界に
あるビスマスの不純物を含むものであり、BiSTaの
組成比を示すものではない。
【0008】なお、他にもこの多結晶BiSTa薄膜の
組成をICP(Inductively Coupled Plasma )により
分析したという報告もあるが(T. Noguchi, T. Hase an
d Y.Miyasawa, Jpn. J. Appl. Phys., 35 (1996) 490
0)、これも粒界にある金属ビスマスを含む膜全体につ
いて分析したものである。すなわち、多結晶BiSTa
薄膜によりBiSTaの組成と電気的特性との関係を正
確に知るには限界があり、単結晶による研究が必要であ
る。
【0009】ところが、BiSTaの単結晶に関して
は、NewnhamまたはRaeによる結晶学的研究
(R. E. Newnham, R. W. Wolfe, R. S. Horsey, F. A.
Diaz-Colon and M. I. Kay, Mater. Res. Bull., 8 (19
73) 1183. ; A. D. Rae, J. G.Thompson and R. L. Wi
thers, Acta. Cryst., B48 (1992) 418. )が報告され
ているのみであり、ほとんどなされていない。それも、
2つの論文のうちNewnhamによるものはストロン
チウムの一部をバリウムで置換した物質であって純粋な
BiSTaではなく、出発物質の組成比についても正確
に記載されていない。Raeによるものは定比組成で出
発しているものの2相混合状態でしか板状の単結晶が得
られておらず、単一相としての合成には至っていない。
更に、双方とも得られた単結晶の特性に関する解析につ
いてはほとんどなされていない。
【0010】また、BiSTa以外のオーリビリウス結
晶群についても単結晶の研究はほとんどなく、Dori
annまたはBurtonによるBi4 Ti3 12単結
晶の研究(J. F. Dorrian, R. E. Newnham, D. K. Smit
h and M. I. Kay, Ferroelectrics, 3 (1971) 17. ;
T. M. Bruton, Ferroelectrics, 7 (1974) 259.)が報
告されているのみである。
【0011】従って、BiSTaを初めとするオーリビ
リウス結晶群は強誘電体材料として注目されているもの
の、その組成と電気特性との関係については全く分かっ
ていなかった。よって、組成と電気特性との関係を明ら
かとすることは、今後これらの層状結晶構造酸化物をF
eRAMなどへ応用する上で非常に重要な意味を有す
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
に鑑みてなされたもので、その目的は、良好な強誘電性
を得ることができる層状結晶構造酸化物およびそれを用
いたメモリ素子を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る層状結晶構
造酸化物は、ビスマスと第1の元素と第2の元素と酸素
とからなると共に、第1の元素はナトリウム,カリウ
ム,カルシウム,バリウム,ストロンチウム,鉛および
ビスマスからなる群のうちの少なくとも1種でありかつ
第2の元素は鉄,チタン,ニオブ,タンタルおよびタン
グステンからなる群のうちの少なくとも1種のものであ
って、第2の元素に対するビスマスの組成比が化学量論
的な組成比よりも大きいものである。
【0014】本発明に係るメモリ素子は、ビスマスと第
1の元素と第2の元素と酸素とからなると共に、第1の
元素はナトリウム,カリウム,カルシウム,バリウム,
ストロンチウム,鉛およびビスマスからなる群のうちの
少なくとも1種でありかつ第2の元素は鉄,チタン,ニ
オブ,タンタルおよびタングステンからなる群のうちの
少なくとも1種である層状結晶構造酸化物により構成し
た強誘電体膜に一対の電極を接続したものであって、層
状結晶構造酸化物における第2の元素に対するビスマス
の組成比が化学量論的な組成比よりも大きいものであ
る。
【0015】この層状結晶構造酸化物では、化学量論的
な組成になっておらず、第2の元素に対するビスマスの
組成比が化学量論的な組成比よりも大きくなっている。
これにより、この層状結晶構造酸化物は、抗電界が低い
良好な強誘電性を示す。
【0016】このメモリ素子では、一対の電極間に電圧
が印加されると、強誘電体膜において分極がおこる。こ
の電圧−分極特性にはヒステリシスがあり、このヒステ
リシスを利用してデータの記憶および読み出しが行われ
る。ここでは、強誘電体膜を本発明に係る層状結晶構造
酸化物により構成しているので、抗電界が低く、低電圧
で動作する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0018】(第1の実施の形態)化1は第1の実施の
形態に係る層状結晶構造酸化物の組成式を表すものであ
る。
【化1】 〔Bi2+a 2 2+〔Me(m-1)(1+b)m 3m+1+c2- Me ;第1の元素 R ;第2の元素 a,b,c;化学量論的な組成からのずれを表す変数
(aは0よりも大きな数,bおよびcは任意の数) m ;2,3,4または5のいずれかの整数
【0019】この層状結晶構造酸化物は、ビスマスと第
1の元素Meと第2の元素Rと酸素とからなっている。
第1の元素Meはナトリウム,カリウム,カルシウム,
バリウム,ストロンチウム,鉛およびビスマスからなる
群のうちの少なくとも1種であり、第2の元素Rは鉄,
チタン,ニオブ,タンタルおよびタングステンからなる
群のうちの少なくとも1種である。なお、第1の元素M
eとしてはストロンチウム,鉛,バリウムおよびカルシ
ウムからなる群のうちの少なくとも1種、第2の元素R
としてはニオブおよびタンタルからなる群のうちの少な
くとも1種が好ましい。特には、第1の元素Meがスト
ロンチウムであり第2の元素Rがタンタルのものが最も
好ましい。
【0020】また、この層状結晶構造酸化物は化学量論
的な組成になっておらず、第2の元素Rに対するビスマ
スの組成比(2+a)/mが化学量論的な組成比2/m
よりも大きくなっている。ちなみに、この層状結晶構造
酸化物の化学量論的な組成式は〔Bi2 2 2+〔Me
m-1 m 3m+12-(mは2から5のうちのいずれかの
整数)である。なお、第1の元素Meに対するビスマス
の組成比(2+a)/(m−1)(1+b)は(2±
0.17)/(m−1)の範囲内であることが好まし
い。
【0021】ちなみに、第1の元素Meがストロンチウ
ムで第2の元素Rがタンタルであり化1に示した組成式
におけるmが2のもの(すなわち〔Bi2+a 2
2+〔Sr1+b Ta2 7+c 2-)においては、タンタル
に対するビスマスの組成比(2+a)/2が1よりも大
きく1.08以下の範囲内のものが特に好ましい。ま
た、ストロンチウムに対するビスマスの組成比(2+
a)/(1+b)が1.88以上2.06以下の範囲内
のものが更に好ましい。
【0022】図1は化1に示した組成式におけるmが2
の層状結晶構造酸化物の結晶構造を表すものである。こ
のように、この層状結晶構造酸化物は、[Bi2 2
2+に該当する層11と[MeR2 7 2-に該当する層
12とが交互に積層された結晶構造を有している。な
お、図1は化学量論的な組成を有する完全な結晶の結晶
構造を表したものであり、本実施の形態に係る層状結晶
構造酸化物は、図示しないが、図1に示した結晶構造の
一部に欠陥を有している。
【0023】また、この層状結晶構造酸化物は、a軸の
格子定数とb軸の格子定数とが等しくなく、c軸の面内
において強誘電性を示すという特性を有している。すな
わち、電圧−分極特性にヒステリシスを有する。特に、
この層状結晶構造酸化物は、第2の元素に対するビスマ
スの組成比が化学量論的な組成比の層状結晶構造酸化物
や化学量論的な組成比よりも小さい層状結晶構造酸化物
に比べて、抗電界が低く良好な強誘電性を示す。
【0024】なお、この層状結晶構造酸化物は、図1に
示した結晶構造から類推されるように、異方的なc軸劈
開性を示す(H. Maeda, Y. Tanaka, M. Fukutomi and
T. Asano, Jpn. J. Appl. Phys., 27 (1988) L209. ;
K. Hiraga, M. Hirabayashi,M. Kikuchi and Y. Syono,
Jpn. J. Appl. Phys., 27 (1988) L573. を参照)。
【0025】このような構成を有する層状結晶構造酸化
物は、次のようにして製造することができる。
【0026】まず、適宜な酸化物原料とフラックスとし
ての酸化ビスマス(Bi2 3 )とを混合する。これを
適宜な坩堝に入れたのち、適宜な加熱炉に挿入して加熱
し気化させ、その気相から炉内に設けた析出部において
結晶を析出させる。
【0027】原料の加熱は、まず、原料とフラックスの
混合物の融点以上の温度T1 (例えば1350℃以上1
500℃以下)で所定時間H1 第1の加熱を行い、原料
を完全に融解させる。次いで、融点よりも低い温度T2
(例えば1000℃以上1300℃以下)で所定時間H
2 第2の加熱を行い、融解した原料を気化させる。ま
た、析出部の温度は原料の加熱温度よりも若干(例えば
5℃〜20℃程度)低くする。これにより、析出部に層
状結晶構造酸化物の結晶が析出する。
【0028】次に、本実施の形態に係る層状結晶構造酸
化物が他の組成比の層状結晶構造酸化物よりも抗電界が
低いということを、具体的な実験結果に基づいて示す。
【0029】なお、ここでは、ビスマスとストロンチウ
ム(第1の元素Me)とタンタル(第2の元素R)と酸
素とからなり、化学量論的な組成が化2に示した化学式
で表される層状結晶構造酸化物(すなわちBiSTa)
について実験した。
【化2】〔Bi2 2 2+〔Sr1 Ta2 7 2-
【0030】この層状結晶構造酸化物を2つの方法(気
相法およびセルフ・フラックス法)によりそれぞれ製造
した。原料には、いずれの方法とも酸化ビスマスと炭酸
ストロンチウム(SrCO3 )と酸化タンタル(Ta2
5 )の粉末(いずれも特級試薬;高純度化学研究所
製)を用い、酸化ビスマス79.0,炭酸ストロンチウ
ム10.5,酸化タンタル10.5のモル比でそれぞれ
混合した。すなわち、ここではフラックスとして酸化ビ
スマスを用いた。
【0031】次いで、気相法では、この原料をアルミナ
坩堝の中に収納された白金坩堝の中に入れ、アルミナ坩
堝に蓋を被せて加熱炉により加熱して気化させた。加熱
は、1350℃で20時間第1の加熱を行ったのち、1
200℃で850時間第2の加熱を行った。また、ここ
では、白金坩堝の上部側壁を析出部として気相から結晶
を析出させた。これにより、白金坩堝の上部側壁に複数
の結晶が析出した。
【0032】一方、セルフ・フラックス法では、原料を
アルミナ坩堝の中に収納された白金坩堝の中に入れ、ア
ルミナ坩堝に蓋を被せて加熱炉により熱処理を行い、白
金坩堝の中において液相から結晶を成長させた。熱処理
は、100℃/hourの昇温速度で1400℃まで加
熱し、1400℃で2時間保持したのち、5℃/hou
rの降温速度で1200℃まで徐冷し、そののち室温ま
で炉冷することにより行った。これにより、複数の結晶
が白金坩堝の中において成長した。
【0033】このようにして得られた結晶(気相法K1
〜K3,セルフ・フラックス法S1〜S6)について、
X線回折による同定分析,走査電子顕微鏡(SE
M;Scanning Electron Microscope)による表面観察,
クロスニコル下における偏光顕微鏡による斜方晶系か
否かの観察,EPMAによる化学組成分析および強
誘電性ヒステリシスの観測をそれぞれ行った。その際、
のX線回折にはX線回折装置Rigaku RAD−
IIIBを用いた。のSEMにはHitachi S
−800を用いた。のEPMAにはCAMEBAXS
X−50を用い、波長分散による分析(WDS;Wav
elength DispersiveX−ray S
pectroscopy)を行った。それらの結果を以
下に示す。
【0034】X線回折による分析結果 図2に結晶K1〜K3のうち結晶K1のX線回折パター
ン(XRDP;X−ray Diffraction
Patterns)を代表して示し、図3に結晶S1〜
S6のうち結晶S1のXRDPを代表して示す。ここで
は、結晶(K2,K3,S2〜S6)については図示し
ないが、いずれも同様のXRDPが得られた。なお、図
2および図3には、得られたXRDP(a)と共にリー
トベルト・シミュレーション・パターン(b)を示す。
このリートベルト・シミュレーション・パターンは、得
られたXRDPを比較するBiSTa基準パターンであ
り、Raeらが求めた格子定数(a=0.553065
nm,b=0.553445nm,c=2.49839
nm; A. D. Rae, J. G. Thompson and R. L. Wither
s, Acta. Cryst., B48 (1992) 418. )に基づいてリー
トベルト・シミュレーションにより求めたものである。
ちなみに、このリートベルト・シミュレーションにおい
ては、空間群に関しRaeらが主張する“A21am ”で
はなく、より対象性の高い“Fmmm ”を用いた。
【0035】図2および図3に示したように、得られた
XRDP(a)の回折ピークはいずれの結晶(K1〜K
3,S1〜S6)もリートベルト・シミュレーション・
パターン(b)の回折ピークと一致しており、得られた
結晶は共にBiSTaであることが分かった。また、得
られたXRDP(a)の回折ピーク(006),(00
10)などが共にリートベルト・シミュレーション・パ
ターン(b)に比べて大きいことから、得られた結晶は
共に薄片状であることに起因する強いc軸配向性を有し
ていることが分かる。
【0036】SEMによる表面観察の結果 SEMにより薄片の表面をそれぞれ観察したところ、い
ずれの結晶(K1〜K3,S1〜S6)も表面が滑らか
であることが分かった。のX線回折の結果および図1
に示した結晶構造から分かるようにBiSTaはc軸劈
開性を有するので、この滑らかな表面はc面であると考
えられる。
【0037】クロスニコル下における偏光顕微鏡によ
る観察の結果 クロスニコル状態に配設された一対の偏光子の間の回転
ステージ上に得られた結晶を置き、c面についてステー
ジを回転させることにより同期した明暗の有無を調べた
ところ、いずれの結晶(K1〜K3,S1〜S6)も周
期的な明暗反応が観察された。すなわち、得られた結晶
のa軸とb軸の格子定数は共に等しくないということが
分かった。従って、BiSTaの結晶構造から結晶系は
共に斜方晶系であることが分かった。
【0038】EPMAによる化学組成分析の結果 表1に結晶K1〜K3の分析結果を示し、表2に結晶S
1〜S6の分析結果を示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表1に示したように、結晶K1〜K3は、
タンタルの組成比を化学量論的な組成比の2として計算
すると、ビスマスが化学量論的な組成比の2よりいずれ
も大きかった。すなわち、タンタルに対するビスマスの
組成比が化学量論的な組成比の1よりいずれも大きかっ
た。また、ストロンチウムに対するビスマスの組成比が
いずれも化学量論的な組成比である2の近傍の一定範囲
内であった。
【0042】これに対し、表2に示したように、結晶S
1〜S6は、タンタルの組成比を化学量論的な組成比の
2として計算すると、ビスマスが化学量論的な組成比の
2よりいずれも小さかった。すなわち、タンタルに対す
るビスマスの組成比が化学量論的な組成比の1よりいず
れも小さかった。また、ストロンチウムに対するビスマ
スの組成比が化学量論的な組成比である2の近傍ではな
く、いずれも1.4〜1.5の近傍であった。
【0043】強誘電性ヒステリシスの観測結果 得られた結晶片の一辺の両端に金(Au)の電極を50
0μmの間隔で蒸着し、200℃で10000Vの電圧
をかけて強誘電性ヒステリシスをそれぞれ観測した。そ
の結果、結晶K1〜K3については、図4に示したよう
な強誘電性ヒステリシスループがいずれも観測された。
一方、結晶S1〜S6については、強誘電性ヒステリシ
スループがいずれも観測されなかった。そこで、結晶S
1〜S6について、白金(Pt)の電極を100μmの
間隔で蒸着し、200℃で5000Vの電圧をかけて再
び強誘電性ヒステリシスをそれぞれ観測した。その結
果、図5に示したような強誘電性ヒステリシスループが
いずれも観測された。これらの強誘電性ヒステリシスル
ープを比べてみると、結晶K1〜K3の方が抗電界が低
いことが分かった。
【0044】そこで、の化学組成分析の結果とこの強
誘電性ヒステリシスの観測の結果とに基づき、抗電界と
組成との関係を調べた。図6はタンタルに対するビスマ
スの組成比と抗電界との関係を表すものである。図7は
ストロンチウムに対するビスマスの組成比と抗電界との
関係を表すものである。なお、図6および図7では、結
晶のK1〜K3とS1についてそれぞれ表している。
【0045】その結果、図6から分かるように、タンタ
ルに対するビスマスの組成比が化学量論的な組成比より
も大きい方が抗電界が低かった。また、図7から分かる
ように、ストロンチウムに対するビスマスの組成比が化
学量論的な組成比の近傍の一定範囲内に有る方が抗電界
が低く、ストロンチウムに対するビスマスの組成比が大
きい方がより抗電界が低い傾向があった。なお、図6に
おいては、タンタルに対するビスマスの化学量論的な組
成比の位置を破線で示している。図7においては、スト
ロンチウムに対するビスマスの化学量論的な組成比の近
傍の一定範囲(2±0.17)を梨地で示している。
【0046】以上の実験結果から、タンタルに対するビ
スマスの組成比が化学量論的な組成比よりも大きい方が
抗電界が低いことが分かる。また、ストロンチウムに対
するビスマスの組成比が化学量論的な組成比の近傍の一
定範囲(2±0.17)内にある方が抗電界が低いこと
が分かる。
【0047】なお、このような電気特性の相違は組成の
微妙な相違によるものであり、製造方法の相違によるも
のではない。よって、他の製造方法により製造した層状
結晶構造酸化物であっても、本実施の形態と同一の組成
を有するものであれば、同一の電気特性を得ることがで
きる。
【0048】このように本実施の形態に係る層状結晶構
造酸化物によれば、第2の元素Rに対するビスマスの組
成比(2+a)/mが化学量論的な組成比2/mよりも
大きくなっているので、抗電界が低い良好な強誘電性を
得ることができる。よって、これにより強誘電体不揮発
性メモリ素子を形成すれば、低電圧で動作させることが
でき、品質を改善することができる。
【0049】(第2の実施の形態)図8は本実施の形態
に係るメモリセルの構成を表すものである。このメモリ
セルは、スイッチング用のトランジスタ20とメモリ素
子30とから構成されている。このトランジスタ20は
いわゆるMOS(Metal-Oxide-Semicondtor )トランジ
スタであり、半導体基板(例えばN型シリコン(Si)
半導体基板)41の上にボロン(B)などの不純物が注
入されたPウエル層21が形成されている。Pウエル層
21のうちソース電極形成領域には、燐(P)などの不
純物が注入されたN+ 層よりなるソース電極22が形成
されており、ドレイン電極形成領域には、同じくN+
よりなるドレイン電極23が形成されている。ソース電
極22とドレイン電極23は適宜の間隔をあけて形成さ
れており、その間の上には二酸化珪素(SiO2 )より
なるゲート絶縁膜24を介して多結晶シリコンなどより
なるゲート電極25が形成されている。
【0050】メモリ素子30は、半導体基板41のメモ
リ素子形成領域に、二酸化珪素よりなる層間絶縁膜31
を介してアルミニウム(Al)などの適宜の金属よりな
る下部電極32が形成されている。この下部電極32の
上の一部領域には、本発明に係る層状結晶構造酸化物
(例えば、ビスマスとストロンチウムとタンタルと酸素
とからなりタンタルに対するビスマスの組成比が化学量
論的な組成比よりも大きいもの)よりなる強誘電体膜3
3が形成されている。この強誘電体膜33の上には、ア
ルミニウムなどの適宜の金属よりなる上部電極34が形
成されている。すわなち、このメモリ素子30は、強誘
電体膜33に下部電極32と上部電極34とらなる一対
の電極が接続されている。なお、強誘電体膜33は、単
結晶の層状結晶構造酸化物により構成しても、多結晶の
層状結晶構造酸化物により構成してもよい。但し、層状
結晶構造酸化物相のみにより構成することが好ましく、
金属状のビスマスやビスマス合金化合物や他の酸化物な
どの不純物相を含まない方が好ましい。
【0051】トランジスタ20およびメモリ素子30の
上には、二酸化珪素よりなる層間絶縁膜42が形成され
ている。この層間絶縁膜42には、ドレイン電極23と
コンタクトをとるためのコンタクトホール42a,上部
電極34とコンタクトを取るためのコンタクトホール4
2bおよび下部電極32とコンタクトを取るためのコン
タクトホール42cがそれぞれ開口されている。
【0052】コンタクトホール42aにより露出された
ドレイン電極23の上には、多結晶シリコンなどよりな
る取り出し電極43が形成されている。また、コンタク
トホール42bにより露出された上部電極34と取り出
し電極43の上には、アルミニウムなどの適宜の金属よ
りなる配線44が形成されており、上部電極34と取り
出し電極43(すなわちドレイン電極23)とを電気的
に接続するようになっている。更に、コンタクトホール
42cにより露出された下部電極32の上には、アルミ
ニウムなどの適宜の金属よりなる配線45が形成されて
おり、下部電極32を図示しない他の素子に対して電気
的に接続するようになっている。
【0053】なお、図8においては図示しないが、層間
絶縁膜42にはソース電極22およびゲート電極25に
接続するコンタクトホールがそれぞれ形成されている。
ソース電極22およびゲート電極25には各コンタクト
ホールを介して適宜の配線がそれぞれ接続されており、
ゲート電極25に電圧を加えることによりソース電極2
2とドレイン電極23の間に電流が流れるようになって
いる。
【0054】このような構成を有するメモリセルは、例
えば、次のようにして製造することができる。
【0055】まず、半導体基板41にボロンなどの不純
物を打ち込みPウエル層21を形成する。次いで、ソー
ス電極形成領域およびドレイン電極形成領域に選択的に
燐などの不純物を打ち込み、N+ 層よりなるソース電極
22およびドレイン電極23を形成する。続いて、ソー
ス電極22およびドレイン電極23を形成したPエウル
層21の表面を酸化し、ゲート酸化膜24を形成する。
そののち、ソース電極22とドレイン電極23との間の
上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition )法
により多結晶シリコン膜を選択的に積層し、ゲート電極
25を形成する。これにより、トランジスタ20が形成
される。
【0056】トランジスタ20を形成したのち、表面に
層間絶縁膜31を形成する。次いで、メモリ素子形成領
域にアルミニウムなどよりなる金属膜を選択的に蒸着
し、下部電極32を形成する。続いて、下部電極32の
上の一部領域に本発明に係る層状結晶構造酸化物の薄膜
を選択的に積層し、強誘電体膜33を形成する。なお、
この層状結晶構造酸化物の薄膜は、気相法によって半導
体基板41の表面に層状結晶構造酸化物の結晶を析出さ
せることにより積層することができる。そののち、この
強誘電体膜33の上にアルミニウムなどよりなる金属膜
を選択的に蒸着し、上部電極34を形成する。これによ
り、メモリ素子30が形成される。
【0057】メモリ素子30を形成したのち、このメモ
リ素子30およびトランジスタ20の上に層間絶縁膜4
2を形成し、ドレイン電極23,上部電極34および下
部電極32の一部表面をそれぞれ露出するコンタクトホ
ール42a,42b,42cおよび図示しないがソース
電極22およびゲート電極25の一部表面をそれぞれ露
出するコンタクトホールをそれぞれ開口する。次いで、
コンタクトホール42aに例えばCVD法により多結晶
シリコン層を選択的に積層し、取り出し電極43を形成
する。続いて、アルミニウムなどよりなる金属膜を選択
的に蒸着し、配線44,45などを形成する。これによ
り、トランジスタ20とメモリ素子30が電気的に接続
され、図8に示したメモリセルが形成される。
【0058】このようにして製造されるメモリセルは、
次のように作用する。
【0059】このメモリセルでは、トランジスタ20の
ゲート電極25に電圧が加えられると、トランジスタ2
0のスイッチが“オン”となり、ソース電極22とドレ
イン電極23との間に電流が流れる。これにより、取り
出し電極43および配線44を介してメモリ素子30に
電流が流れ、上部電極34と下部電極32の間に電圧が
加えられる。メモリ素子30では、電圧が加えられると
強誘電体膜33において分極がおこる。この電圧−分極
特性にはヒステリシスがあることから、このヒステリシ
スを利用して“1”または“0”のデータの記憶あるい
は読み出しが行なわれる。この際、この強誘電体膜33
は本発明に係る層状結晶構造酸化物により構成されてい
るので、抗電界が低く、加えられる圧力が低くてもデー
タの記憶あるいは読み出しを行うことができる。
【0060】このように本実施の形態に係るメモリセル
によれば、強誘電体膜33を本発明に係る層状結晶構造
酸化物すなわち抗電界が低い強誘電体により構成するよ
うにしたので、低電圧で動作させることができ、品質を
改善することができる。
【0061】以上、各実施の形態を挙げて本発明を説明
したが、本発明はこれらの各実施の形態に限定されるも
のではなく、その均等の範囲内で種々変形可能である。
例えば、上記第1の実施の形態においては、本発明に係
る層状結晶構造酸化物が他の組成のものに比べて抗電界
が低いことをBiSTaによる具体的な実験例により説
明したが、ビスマスと第1の元素Meと第2の元素Rと
酸素とからなる層状結晶構造酸化物(第1の元素Meは
ナトリウム,カリウム,カルシウム,バリウム,ストロ
ンチウム,鉛およびビスマスからなる群のうちの少なく
とも1種,第2の元素Rは鉄,チタン,ニオブ,タンタ
ルおよびタングステンからなる群のうちの少なくとも1
種)についても同様の結果を得ることができる。
【0062】また、上記第2の実施の形態においては、
トランジスタ20とメモリ素子30とにより構成された
メモリセルについて説明したが、本発明には、強誘電体
膜に一対の電極が接続されると共に、強誘電体膜を本発
明に係る層状結晶構造酸化物により構成したメモリ素子
を有していれば全て含まれる。よって、例えば、トラン
ジスタ20の構成は、MOSトランジスタに限らず、M
ESFET(Metal Semicondauctor Field Effect Tran
sistor)などでもよい。
【0063】更に、上記第2の実施の形態においては、
1つのメモリセルについて説明したが、複数のメモリセ
ルを集積したLSI(Large Scale Integrated Circui
t)メモリについても同様に適用することができる。
【0064】加えて、上記第2の実施の形態において
は、本発明の層状結晶構造酸化物をメモリ素子に用いる
場合について説明したが、メモリ素子以外の容量体に用
いることもできる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る層状結
晶構造酸化物によれば、第2の元素に対するビスマスの
組成比が化学量論的な組成比よりも大きいので、抗電界
が低い良好な強誘電性を得ることができる。よって、こ
れにより強誘電体不揮発性メモリ素子を形成すれば、低
電圧で動作させることができ、品質を改善することがで
きる。
【0066】また、本発明に係るメモリ素子によれば、
第2の元素に対するビスマスの組成比が化学量論的な組
成比よりも大きい層状結晶構造酸化物により強誘電体膜
を構成するようにしたので、低電圧で動作させることが
でき、品質を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る層状結晶構造
酸化物の結晶構造を表す概念図である。
【図2】得られた層状結晶構造酸化物K1の組成を示す
X線回折パターン図(a)であり、リートベルト・シミ
ュレーション・パターン(b)と共に表している。
【図3】得られた層状結晶構造酸化物S1の組成を示す
X線回折パターン図(a)であり、リートベルト・シミ
ュレーション・パターン(b)と共に表している。
【図4】得られた層状結晶構造酸化物K1〜K3の強誘
電性ヒステリシスループを表す特性図である。
【図5】得られた層状結晶構造酸化物S1〜S6の強誘
電性ヒステリシスループを表す特性図である。
【図6】タンタルに対するビスマスの組成比と抗電界と
の関係を表す特性図である。
【図7】ストロンチウムに対するビスマスの組成比と抗
電界との関係を表す特性図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るメモリセルを
表す構成図である。
【符号の説明】
11…[Bi2 2 2+に該当する層、12…[MeR
2 7 2-に該当する層、20…トランジスタ、21…
Pウエル層、22…ソース電極、23…ドレイン電極、
24…ゲート酸化膜、25…ゲート電極、30…メモリ
素子、31,42…層間絶縁膜、32…下部電極、33
…強誘電体膜、34…上部電極、41…半導体基板、4
2a,42b,42c…コンタクトホール、43…取り
出し電極、44,45…配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/8242 H01L 29/78 371 21/8247 29/788 29/792 (72)発明者 鈴木 真之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスマス(Bi)と第1の元素と第2の
    元素と酸素(O)とからなると共に、第1の元素はナト
    リウム(Na),カリウム(K),カルシウム(C
    a),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),鉛
    (Pb)およびビスマス(Bi)からなる群のうちの少
    なくとも1種でありかつ第2の元素は鉄(Fe),チタ
    ン(Ti),ニオブ(Nb),タンタル(Ta)および
    タングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種
    である層状結晶構造酸化物であって、 第2の元素に対するビスマスの組成比が化学量論的な組
    成比よりも大きいことを特徴とする層状結晶構造酸化
    物。
  2. 【請求項2】 第1の元素に対するビスマスの組成比が
    化学量論的な組成比2/(m−1)を含む(2±0.1
    7)/(m−1)の範囲内であり、mは2から5のうち
    のいずれかの整数であることを特徴とする請求項1記載
    の層状結晶構造酸化物。
  3. 【請求項3】 第1の元素はストロンチウムであり、第
    2の元素はタンタルであることを特徴とする請求項1記
    載の層状結晶構造酸化物。
  4. 【請求項4】 タンタルに対するビスマスの化学量論的
    な組成比が1である層状結晶構造酸化物であって、 タンタルに対するビスマスの組成比が1よりも大きく
    1.08以下であることを特徴とする請求項3記載の層
    状結晶構造酸化物。
  5. 【請求項5】 第1の元素はストロンチウムであり、第
    2の元素はタンタルであることを特徴とする請求項2記
    載の層状結晶構造酸化物。
  6. 【請求項6】 ストロンチウムに対するビスマスの化学
    量論的な組成比が2である層状結晶構造酸化物であっ
    て、 ストロンチウムに対するビスマスの組成比が1.88以
    上2.06以下の範囲内であることを特徴とする請求項
    5記載の層状結晶構造酸化物。
  7. 【請求項7】 ビスマス(Bi)と第1の元素と第2の
    元素と酸素(O)とからなると共に、第1の元素はナト
    リウム(Na),カリウム(K),カルシウム(C
    a),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),鉛
    (Pb)およびビスマス(Bi)からなる群のうちの少
    なくとも1種でありかつ第2の元素は鉄(Fe),チタ
    ン(Ti),ニオブ(Nb),タンタル(Ta)および
    タングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種
    である層状結晶構造酸化物により構成した強誘電体膜に
    一対の電極を接続したメモリ素子であって、 前記層状結晶構造酸化物における第2の元素に対するビ
    スマスの組成比が化学量論的な組成比よりも大きいこと
    を特徴とするメモリ素子。
  8. 【請求項8】 前記層状結晶構造酸化物における第1の
    元素に対するビスマスの組成比が化学量論的な組成比2
    /(m−1)を含む(2±0.17)/(m−1)であ
    ることを特徴とする請求項7記載のメモリ素子。
  9. 【請求項9】 前記層状結晶構造酸化物における第1の
    元素はストロンチウムであり、第2の元素はタンタルで
    あることを特徴とする請求項7記載のメモリ素子。
  10. 【請求項10】 タンタルに対するビスマスの化学量論
    的な組成比が1である前記層状結晶構造酸化物により強
    誘電体膜を構成したメモリ素子であって、 前記層状結晶構造酸化物におけるタンタルに対するビス
    マスの組成比が1よりも大きく1.08以下であること
    を特徴とする請求項9記載のメモリ素子。
  11. 【請求項11】 前記層状結晶構造酸化物における第1
    の元素はストロンチウムであり、第2の元素はタンタル
    であることを特徴とする請求項8記載のメモリ素子。
  12. 【請求項12】 ストロンチウムに対するビスマスの化
    学量論的な組成比が2である前記層状結晶構造酸化物に
    より強誘電体膜を構成したメモリ素子であって、 前記層状結晶構造酸化物におけるストロンチウムに対す
    るビスマスの組成比が1.88以上2.06以下の範囲
    内であることを特徴とする請求項11記載のメモリ素
    子。
  13. 【請求項13】 強誘電体膜は前記層状結晶構造酸化物
    の相のみにより構成されたことを特徴とする請求項7記
    載のメモリ素子。
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