JPH10273396A - 層状結晶構造酸化物の製造方法 - Google Patents

層状結晶構造酸化物の製造方法

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JPH10273396A
JPH10273396A JP9076155A JP7615597A JPH10273396A JP H10273396 A JPH10273396 A JP H10273396A JP 9076155 A JP9076155 A JP 9076155A JP 7615597 A JP7615597 A JP 7615597A JP H10273396 A JPH10273396 A JP H10273396A
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layered crystal
structure oxide
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Naomi Nagasawa
直美 長沢
Akio Machida
暁夫 町田
Takaaki Ami
隆明 網
Masayuki Suzuki
真之 鈴木
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな層状結晶構造酸化物の結晶を容易に製
造する。 【解決手段】 原料MのBi2 3 とSrCO3 とTa
2 5 とを混合しBi23 をフラックスとして加え坩
堝10に入れる。これを加熱炉20に挿入して融点以上
の温度(例えば1350℃以上1500℃以下)で所定
時間加熱し原料Mを完全に融解させる(第1の加熱工
程)。そののち、融点よりも低い温度(例えば1000
℃以上1300℃以下)で所定時間加熱し気化させる
(第2の加熱工程)。加熱炉20は縦方向に温度勾配を
有しており、坩堝10の上部側壁11aの温度は原料M
の加熱温度よりも低くなっている。これにより、坩堝1
0の上部側壁11aにBiとSrとTaとOとからなる
層状結晶構造酸化物(化学量論的な組成式はBi2 Sr
1 Ta2 9 )の結晶が析出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるオーリビ
リウス結晶群や超伝導材料などの層状結晶構造酸化物を
製造する層状結晶構造酸化物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電体薄膜よりなる不揮発性メ
モリの開発が活発に行われている。それに伴い、不揮発
性ランダムアクセスメモリ(Ferroelectric Random Acc
ess Memories;FeRAM)を構成する強誘電体材料と
して、分極反転による疲労がないことから、ビスマス・
ストロンチウム・タンタレート(Bi2 SrTa
2 9;以下、BiSTaという)が特に注目されてい
る(C. A-Paz de Araujo, J. D. Cuchiaro, L. D. McMi
llan, M. C. Scott and J. F. Scott, Nature, 374 (19
95) 627.;K. Amanuma, T. Hase and Y. Miyasaka, App
l. Phys. Lett., 66 (1995) 221.;S. B. Desu and D.
P. Vijay, Master. Sci. and Eng., B32 (1995)75. な
ど)。
【0003】最近では、このBiSTaについてFeR
AMへの応用に向け薄膜の作製に成功したとの報告もな
されているが、まだX線分析の結果からみても良質の膜
は得られていない(T. Ami, K. Hironaka, C. Isobe,
N. Nagel, M. Sugiyama, Y. Ikeda, K. Watanabe, A. M
achida, K. Miura and M. Tanaka, Mater. Res. Soc.Sy
mp. Proc., 415 (1996) 195.;T. Li, Y. Zhu, S. B. D
esu, C-H. Peng, M. Nagata, Appl. Phys. Lett., 68
(1996) 616.)。
【0004】ところで、このBiSTaは、いわゆるオ
ーリビリウス結晶群と呼ばれるものである。このオーリ
ビリウス結晶群に関しては過去において種々研究されて
きている(G. A. Smolenskii, V. A. Isupov and A. I.
Agranovskaya, Soviet Phys. Solid State, 3 (1961)
651.;E. C. Subbarao, Phys. Rev. 122 (1961) 804.;
R. E. Newnham, R. W. Wolfe and J. F. Dorrian, Mate
r. Res. Bull., 6 (1971) 1029. など)。なお、オーリ
ビリウス結晶群というのは組成式が〔Bi2 2
2+〔Mem-1 m 3 m+1 2-で表されるものである
(mは2以上の整数、Meはナトリウム(Na),カリ
ウム(K),カルシウム(Ca),バリウム(Ba),
ストロンチウム(Sr),鉛(Pb),ビスマス(B
i)からなる群のうちの少なくとも1種、Rは鉄(F
e),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),タングステ
ン(W)からなる群のうちの少なくとも1種)。
【0005】ところが、これらの単結晶の作製に関して
は、NewnhamまたはRaeによるBiSTa単結
晶の結晶学的研究(R. E. Newnham, R. W. Wolfe, R.
S. Horsey, F. A. Diaz-Colon and M. I. Kay, Mater.
Res. Bull., 8 (1973) 1183.; A. D. Rae, J. G. Thomp
son and R. L. Withers, Acta. Cryst., B48 (1992)41
8. )や、DoriannまたはBurtonによるB
4 Ti3 12単結晶の研究(J. F. Dorrian, R. E. N
ewnham, D. K. Smith and M. I. Kay, Ferroelectrics,
3 (1971) 17. ; T. M. Bruton, Ferroelectrics, 7
(1974) 259.)が報告されているのみで、他にはほとん
どなされていない。
【0006】また、BiSTaに関する2つの論文のう
ちNewnhamによるものはストロンチウムの一部を
バリウムで置換した物質であって純粋なBiSTaでは
なく、出発物質の組成比についても正確に記載されてい
ない。Raeによるものは定比組成で出発しているもの
の2相混合状態でしか板状の単結晶が得られておらず、
単一相としての合成には至っていない。更に、双方とも
得られた単結晶の特性に関する解析については殆どなさ
れていない。
【0007】一方、最近になってオーリビリウス結晶群
のm=4の組成であるBi4 BaTi4 15単結晶につ
いてその異方性と層状構造との関係が報告されている
(S-K.Kim, M. Miyayama and H. Yanagida, J. Ceram.
Soc. Japan, 102 (1994) 722.)。この異方性に関する
研究は、このオーリビリウス結晶群の潜在能力を知る上
でFeRAMへの応用に向け重要である。また、Dia
zにより、非線型光学特性、特に第2高周波発生(SH
G)に関する調査報告(F.A.Diaz and L.E.Cross.,Ferr
oelectrics,17(1977)405. )がなされており、オーリビ
リウス結晶群の光学デバイスへの応用も期待される。
【0008】そこで、最近、このオーリビリウス結晶群
の単結晶を製造する研究が進められている。結晶の製造
方法としては原料を融解して固化するのが最も単純であ
るが、オーリビリウス結晶群のうちBiSTaについて
はDTA(Differential Thermal Analysis )および単
純融解固化実験の結果から分解溶融化合物であることが
報告されており(本間健祐,和田正信,エレクトロ・セ
ラミックス,8(1973)9)、単純な融解固化によっては結
晶を得ることができない。このような場合、その他の方
法としては、フラックス法やTSSG(Top-Seeded Sol
ution Growth)法が考えられる。これらは、原料にフラ
ックス(融剤)を加えて融解し液相から結晶を成長させ
る方法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化ビ
スマス(Bi2 3 )をセルフ・フラックスとして用い
TSSG法によりBiSTaを製造しようとしても、フ
ラックスを加えた原料の融点が1300℃以上と高温な
ので、融点まで加熱すると液面が見えなくなるほど酸化
ビスマスが激しく蒸発してしまい、結晶を成長させるこ
とが難しい。また、オーリビリウス結晶群のうち完全融
解する化合物のBi3 TiNbO9 を引上げ法により製
造したという報告もあるが、酸化ビスマスの蒸発によっ
て第2の物質が生成してしまい、それが結晶内に取り込
まれ良質な結晶を得ることができない(多草川大久,本
間健祐,和田正信,東北大学電通談話会記録,第3巻,
第2号(1974)71 )。すなわち、TSSG法においては
酸化ビスマスの蒸発により良質な結晶を得ることが難し
いという問題があった。
【0010】一方、フラックス法によればBiSTaを
製造することができるが、BiSTaはc面劈開性を有
しているので、c軸方向における結晶成長速度が遅く、
1〜2mm角の薄い板状結晶しか得ることができない
(特願平8−283072)。また、オーリビリウス結
晶群のうち分解溶融化合物であるBi4 Ti3 12をフ
ラックス法により製造したという報告もあるが、この場
合もc軸方向には成長しにくく薄い板状の透明結晶しか
得られていない(内藤初彦,坂田好一郎,本間健祐,大
原儀作,チタバリ研究会資料,No.XVI-93-649(168)174
)。すなわち、フラックス法においては薄い板状の結
晶しか得ることができず、厚さが薄いために取扱が困難
であり、実用化が難しいという問題があった。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、容易に大きな層状結晶構造酸化物の
結晶を製造することができる層状結晶構造酸化物の製造
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る層状結晶構
造酸化物の製造方法は、原料を加熱し気化させた気相か
ら結晶を析出部において析出させることにより層状結晶
構造酸化物を製造するものである。
【0013】この層状結晶構造酸化物の製造方法では、
原料を加熱し気化させる。析出部ではその気相から結晶
が析出する。これにより、層状結晶構造酸化物が得られ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0015】本実施の形態に係る層状結晶構造酸化物の
製造方法は、化1に示した化学量論的な組成式により代
表されるいわゆるオーリビリウス結晶群の層状結晶構造
酸化物を製造するものである。
【0016】
【化1】[Bi2 2 2+[Mem-1 m 3m+12- Me;第1の元素 R ;第2の元素 m ;2,3,4または5のいずれかの整数
【0017】この層状結晶構造酸化物は、ビスマスと第
1の元素(Me)と第2の元素(R)と酸素とから構成
されており、第1の元素はナトリウム,カリウム,カル
シウム,バリウム,ストロンチウム,鉛およびビスマス
からなる群のうちの少なくとも1種であり、第2の元素
は鉄,チタン,ニオブ,タンタルおよびタングステンか
らなる群のうちの少なくとも1種である。
【0018】なお、本実施の形態においては、化1にお
ける第1の元素(Me)がストロンチウムであり第2の
元素(R)がタンタルでありかつm=2の層状結晶構造
酸化物(すなわちBiSTa;Bi2 Sr1 Ta
2 9 )により代表され、図1に示したような結晶構造
を有するものを製造する場合について説明する。
【0019】本実施の形態では、まず、酸化物原料とし
て酸化ビスマス(Bi2 3 )と炭酸ストロンチウム
(SrCO3 )と酸化タンタル(Ta2 5 )とをそれ
ぞれ用意し、酸化ビスマス30〜80,炭酸ストロンチ
ウム10〜30,酸化タンタル10〜30のモル比で混
合する。なお、好ましくは酸化ビスマス46.6〜7
9.0,炭酸ストロンチウム10.5〜14.3,酸化
タンタル10.5〜14.3であり、最も好ましくは酸
化ビスマス79.0,炭酸ストロンチウム10.5,酸
化タンタル10.5である。
【0020】ここでは酸化ビスマスをフラックスとして
用いるので、酸化ビスマスのモル比が高くなっている。
このように、ビスマスを含む層状結晶構造酸化物を製造
する場合には、酸化ビスマスをフラックスとして用いる
のが好ましい。
【0021】次いで、フラックスとして酸化ビスマスを
加えた原料を適宜な坩堝に入れたのち、それを適宜な加
熱炉に挿入して加熱し原料を気化させ、その気相から炉
内に設けた析出部において結晶を析出させる。
【0022】図2は原料を入れる坩堝の一構成例を表す
ものである。この坩堝10は、原料Mを入れる白金坩堝
11と、白金坩堝11を収納するアルミナ坩堝11とを
備えている。白金坩堝11とアルミナ坩堝12との間に
は保温性を高めるために複数のアルミナボール13が充
填されている。アルミナ坩堝12の上にはアルミナ製の
蓋14を被せるようになっている。
【0023】図3は原料Mを加熱する加熱炉の一構成例
を表すものである。この加熱炉20は内壁に沿ってカン
タルヒータ21が配設されており、昇温すると炉内は縦
方向に所定の温度勾配(例えば、図4に示したような温
度分布)を有するようになっている。炉内の温度制御
は、炉壁に配設した熱電対22によって炉内の所定位置
における温度を検出し、それを予め測定しておいた炉内
縦方向温度分布と照らし合わせることにより行うように
なっている。なお、図4は熱電対22による検出温度が
1100℃の時の炉内縦方向温度分布を示している。
【0024】加熱炉20の内部には、また、結晶を析出
させるための析出部が設けられている。図3に示した例
においては、白金坩堝11の上部側壁11aが析出部と
なっている。なお、ここにおいては図示しないが、析出
部として原料Mの上方にBiSTaの種結晶や例えばS
rTiO3 の単結晶よりなる基板を配置するようにして
もよい。すなわち、析出部は析出させる結晶の形状に応
じて適宜選択することができる。
【0025】析出部の温度は原料Mの加熱温度よりも5
℃以上20℃以下の範囲内において低いことが好まし
く、析出部の原料Mに対する相対的位置は炉内の温度分
布に応じて決定される。ちなみに、析出部の位置が原料
Mからあまり離れると結晶に不純物が混入しやすいの
で、析出部の位置は原料Mから10mm以上30mm以
下の範囲内において離れていることが好ましい。なお、
炉内における坩堝10の位置を炉内縦方向温度分布に応
じて調節できるように、坩堝10は坩堝10の載置台2
3が設けられている。
【0026】図5は原料Mを加熱する際の加熱条件を表
すものである。このように、本実施の形態においては、
まず、原料Mを融点以上の温度T1 (例えば1350℃
以上1500℃以下、好ましくは1400℃以上150
0℃以下)で所定時間H1 (例えば1時間以上)加熱
し、原料Mを完全に融解させる(第1の加熱工程)。次
いで、原料Mを融点よりも低い温度T2 (例えば100
0℃以上1300℃以下、好ましくは1150℃以上1
250℃以下で所定時間H2 (例えば100時間以上)
加熱し、融解した原料Mを気化させる(第2の加熱工
程)。
【0027】ここで、第1の加熱工程において原料Mを
融点以上の温度T1 で加熱したのち第2の加熱工程にお
いて融点よりも低い温度T2 で加熱するのは、融点以上
の温度で加熱し続けたのでは原料Mの蒸発量が多すぎて
結晶が析出しにくいからである。なお、融点というのは
原料Mにフラックスを加えた混合物の融点を意味してい
る。従って、ここでは、第1の加熱工程における温度T
1 は酸化ビスマスをフラックスとした原料Mの融点13
30℃よりも高く、第2の加熱工程における温度T2
原料Mの融点よりも低くなっている。
【0028】また、原料Mの加熱は、図5に示したよう
に、第1の加熱工程に引き続き連続して第2の加熱工程
を行ってもよく、図6に示したように、第1の加熱工程
ののち一旦冷却し時間をあけて第2の加熱工程を行うよ
うにしてもよい。
【0029】これにより、析出部(例えば白金坩堝11
の上部側壁11c)に大きな層状結晶構造酸化物の結晶
が析出する。なお、この製造方法によれば、化2に示し
たように、タンタルに対するビスマスの組成比が化学量
論的な組成比よりも若干大きく、ストロンチウムに対す
るビスマスの組成比が2±0.17の層状結晶構造酸化
物が得られる。この層状結晶構造酸化物はc面内におい
て抗電界が低い良好な強誘電性を示す。
【0030】
【化2】Bi2+a Sr1+b Ta2 9+c なお、a>0,(2+a)/(1+b)=2±0.1
7,cは任意の数
【0031】このように本実施の形態に係る層状結晶構
造酸化物の製造方法によれば、混合した原料Mを加熱し
て気化させた気相から結晶を析出部において析出させる
ようにしたので、大きな層状結晶構造酸化物の結晶を容
易に得ることができる。よって、FeRAMの材料や光
学素子の材料として層状結晶構造酸化物の実用化を図る
ことができる。
【0032】また、析出部を種結晶や基板など適宜選択
することにより、種々の用途に応じた種々の形状の結晶
を得ることができる。よって、この層状結晶構造酸化物
を種々の用途に容易に適用することができる。
【0033】
【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について図面
を参照して詳細に説明する。
【0034】なお、以下の実施例においても、上記実施
の形態と同様に、ビスマスとストロンチウムとタンタル
と酸素とからなる層状結晶構造酸化物を製造する場合に
ついて説明する。
【0035】(第1の実施例)本実施例では、まず、原
料として酸化ビスマスと炭酸ストロンチウムと酸化タン
タルの粉末(いずれも特級試薬;高純度化学研究所製)
をそれぞれ用意し、酸化ビスマス79.0,炭酸ストロ
ンチウム10.5,酸化タンタル10.5のモル比で混
合した。ここではフラックスとして酸化ビスマスを用い
た。
【0036】次いで、図2に示した坩堝10を用意し、
内側の白金坩堝11の中に混合した原料Mを40g入
れ、外側のアルミナ坩堝12に蓋14を被せた。なお、
白金坩堝11には50ccの大きさのものを用いた。続
いて、この坩堝10を図3に示した加熱炉20の中に挿
入し、1350℃で20時間加熱して原料Mを完全に融
解したのち(第1の加熱工程)、続けて1200℃で8
50時間加熱した(第2の加熱工程)。
【0037】これにより、白金坩堝11の上部側壁11
cには原料Mから30mm程度離れた位置に結晶が析出
していた。この結晶が析出した位置における析出時の温
度(すなわち原料Mから30mm離れた位置の温度)
は、予め測定した炉内の温度分布によれば、原料Mの加
熱温度よりも10℃程度低い温度であった(図4参
照)。得られた結晶はほぼ無色透明であり、形状には剣
状や板状など種々のものがあった。結晶の大きさは、最
大のもので剣状では12mm×2.2mm×20μm程
度、板状では5.6mm×5.3mm×20μm程度で
あった。なお、BiSTaの純粋な単結晶は無色透明で
ある。
【0038】これらの得られた結晶についてX線回折
による同定分析,ラウエ斑点の観察,クロスニコル
下における偏光顕微鏡による斜方晶系か否かの観察,
EPMA(Electron Probe Micro
analysis)による化学組成分析および強誘電
性ヒステリシスの観測をそれぞれ行った。それらの結果
を以下に示す。
【0039】X線回折による分析結果 図7に得られた結晶のX線回折パターン(XRDP;X
−ray Diffraction Pattern
s)(a)をリートベルト・シミュレーション・パター
ン(b)と共に示す。なお、このリートベルト・シミュ
レーション・パターン(b)は、得られたXRDPを比
較するBiSTa基準パターンであり、Raeらが求め
た格子定数(a=0.553065nm,b=0.55
3445nm,c=2.49839nm; A. D. Rae,
J. G. Thompson and R. L. Withers, Acta. Cryst., B4
8 (1992) 418. )に基づいてリートベルト・シミュレー
ションにより求めたものである。ちなみに、このリート
ベルト・シミュレーションにおいては、空間群に関しR
aeらが主張する“A21am ”ではなく、より対象性の
高い“Fmmm ”を用いた。
【0040】図7に示したように、得られたXRDP
(a)の回折ピークはリートベルト・シミュレーション
・パターン(b)の回折ピークと一致しており、得られ
た結晶はBiSTaであることが分かった。また、得ら
れたXRDP(a)の回折ピーク(006),(001
0)などがリートベルト・シミュレーション・パターン
(b)に比べて大きいことから、得られた結晶は薄片状
であることに起因する強いc軸配向性を有していること
が分かる。
【0041】ラウエ斑点の観察結果 ラウエ斑点を観察したところラウエ斑点が観察された。
よって、得られた結晶は単結晶であることが分かった。
【0042】クロスニコル下における偏光顕微鏡によ
る観察の結果 クロスニコル状態に配設された一対の偏光子の間の回転
ステージ上に得られた結晶を置き、c面についてステー
ジを回転させることにより同期した明暗の有無を調べた
ところ、周期的な明暗反応が観察された。すなわち、こ
の結晶のa軸とb軸の格子定数は等しくないということ
が分かった。従って、BiSTaの結晶構造から結晶系
は斜方晶系であることが分かった。
【0043】EPMAによる化学組成分析の結果 表1に複数の結晶に関する分析結果を示す。なお、ここ
では波長分散による分析(WDS;Wavelengt
h Dispersive X−ray Spectr
oscopy)を行った。表1に示したように、得られ
た結晶の組成は化学量論的な組成からわずかにずれてお
り、タンタルに対するビスマスの組成比が化学量論的な
組成比よりも大きかった。また、ストロンチウムに対す
るビスマスの組成比はそれぞれ1.88,2.02,
2.06であり、化学量論的な組成比である2から一定
の範囲内の値であった。
【0044】
【表1】
【0045】ヒステリシスの観測結果 結晶片の一辺の両端に金(Au)の電極をそれぞれ蒸着
し、250℃において強誘電性ヒステリシスを観測し
た。高温において測定を行ったのは、この層状結晶構造
酸化物は抗電界が高く、室温では観測しにくいと思われ
るからである。図8にその結果を示す。このように、強
誘電性ヒステリシスが観測され、この層状結晶構造酸化
物は強誘電性を示すことが分かった。
【0046】なお、上記第1の実施例においては原料M
を1350℃の温度で20時間加熱(第1の加熱工程)
したのち1200℃の温度で850時間加熱(第2の加
熱工程)して層状結晶構造酸化物を製造したが、原料M
を1350℃以上1500℃以下の温度で適宜の時間第
1の加熱をしたのち1000℃以上1300℃以下の温
度で適宜の時間第2の加熱をしても同様に層状結晶構造
酸化物を製造することができ、同様の結晶を得ることが
できる。これは、第1の実施例のように第1の加熱工程
と第2の加熱工程を連続して行っても、第1の加熱工程
ののち時間をあけて第2の加熱工程を行っても同様であ
る。
【0047】(第2の実施例)本実施例では、第1の実
施例と同一の原料Mを用意し、この原料Mを第1の実施
例と同一の配合比で混合した。次いで、図9に示した坩
堝30および加熱炉40を用い、40gの原料Mを加熱
した。ここで用いた坩堝30は、図2に示した坩堝10
と同じように、アルミナ坩堝32の中に白金坩堝31が
アルミナボール33を介して収納されており、アルミナ
坩堝32の上に蓋34が被せられている。なお、白金坩
堝31には50ccの大きさのものを用いた。加熱炉4
0は、図3に示した加熱炉20と同じように、カンタル
ヒータ41によって加熱され縦方向に所定の温度勾配を
有するようになっており、炉内の温度制御は炉壁に配設
された熱電対42により行うようになっている。
【0048】また、第1の実施例においては白金坩堝1
1の上部側壁11cを析出部としたが、本実施例におい
ては種結晶51を白金坩堝31の上方に配置し析出部と
した。種結晶51には第1の実施例によって得られたB
iSTaの単結晶を用い、坩堝30の蓋34から白金線
52により吊り下げた。種結晶51と白金線52は、無
機接着剤(例えば東亜化学製のアロンセラミックス)で
固定した。種結晶51と原料Mとの間の距離は、種結晶
51の温度が原料Mの加熱温度よりも10℃程度低くな
るように2〜5cmとした。
【0049】原料Mの加熱は、1400℃で20時間行
い原料Mを完全に融解したのち(第1の加熱工程)、連
続して1200℃で850時間行った(第2の加熱工
程)。これにより、種結晶51の表面に結晶が析出し
た。この結晶について第1の実施例と同様にして分析を
行ったところ、第1の実施例において得られた結晶と同
様のものであった。
【0050】なお、上記第2の実施例においては原料M
を1400℃の温度で20時間加熱(第1の加熱工程)
したのち1200℃の温度で850時間加熱(第2の加
熱工程)して層状結晶構造酸化物を製造したが、原料M
を1350℃以上1500℃以下の温度で適宜の時間加
熱したのち1000℃以上1300℃以下の温度で適宜
の時間加熱しても同様に層状結晶構造酸化物を製造する
ことができ、同様の結晶を得ることができる。また、上
記第2の実施例においては種結晶51を原料Mの加熱温
度よりも10℃程度低い温度となる位置に配置したが、
原料Mの加熱温度よりも5℃以上20℃以下の範囲内に
おいて低い温度となる位置に配置しても同様に層状結晶
構造酸化物を製造することができ、同様の結晶を得るこ
とができる。これらは、第2の実施例のように第1の加
熱工程と第2の加熱工程を連続して行っても、第1の加
熱工程ののち時間をあけて第2の加熱工程を行っても同
様である。
【0051】(第3の実施例)本実施例では、第1の実
施例と同一の原料Mを用意し、この原料Mを第1の実施
例と同一の配合比で混合した。次いで、第2の実施例と
同一の坩堝30および加熱炉40を用い、40gの原料
Mを加熱した。但し、第2の実施例においては白金坩堝
31の上方に配置した種結晶51を析出部としたが、本
実施例においては図10に示したように基板53を白金
坩堝31の上方に配置して析出部とした。基板53には
板状のSrTiO3 単結晶を用い、坩堝30の蓋34か
ら白金線52によって吊り下げた。基板53と白金線5
2は、無機接着剤(例えば東亜化学製のアロンセラミッ
クス)で固定した。基板53と原料Mとの間の距離は、
基板53の温度が原料Mの加熱温度よりも10℃程度低
くなるように2〜5cmとした。
【0052】原料Mの加熱は、第2の実施例と同様に、
1400℃で20時間行い原料Mを完全に融解したのち
(第1の加熱工程)、連続して1200℃で850時間
行った(第2の加熱工程)。これにより、基板53の表
面に結晶が析出した。この結晶について第1の実施例と
同様にして分析を行ったところ、第1の実施例において
得られた結晶と同様のものであった。
【0053】なお、上記第3の実施例においては原料M
を1400℃の温度で20時間加熱(第1の加熱工程)
したのち1200℃の温度で850時間加熱(第2の加
熱工程)して層状結晶構造酸化物を製造したが、原料M
を1350℃以上1500℃以下の温度で適宜の時間加
熱したのち1000℃以上1300℃以下の温度で適宜
の時間加熱しても同様に層状結晶構造酸化物を製造する
ことができ、同様の結晶を得ることができる。また、上
記第3の実施例においては基板53を原料Mの加熱温度
よりも10℃程度低い温度となる位置に配置したが、原
料Mの加熱温度よりも5℃以上20℃以下の範囲内にお
いて低い温度となる位置に配置しても同様に層状結晶構
造酸化物を製造することができ、同様の結晶を得ること
ができる。これらは、第3の実施例のように第1の加熱
工程ののち第2の加熱工程を連続して行っても、第1の
加熱工程ののち時間をあけて第2の加熱工程を行っても
同様である。
【0054】以上の各実施例の結果から、酸化ビスマス
をフラックスとして加えた原料Mを融点以上の温度で加
熱して融解したのち、融点よりも低い温度で加熱して気
化させることにより、原料Mの加熱温度よりも温度を低
くした析出部においてその気相から層状結晶構造酸化物
の結晶を析出させることができることが分かった。ま
た、析出部を適宜選択することにより、用途に応じた種
々の形状で結晶を析出させることができることも分かっ
た。
【0055】以上、実施の形態および各実施例を挙げて
本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態およ
び各実施例に限定されるものではなく、その均等の範囲
内で種々変形可能である。例えば、上記実施の形態およ
び各実施例においては、ビスマスとストロンチウムとタ
ンタルと酸素とからなる層状結晶構造酸化物を製造する
場合について説明したが、本発明の方法によれば、化1
において示した化学式で代表されるこれ以外のいわゆる
オーリビリウス結晶群の層状結晶構造酸化物についても
同様にして製造することができる。
【0056】その中でも特に、化1に示した化学式にお
けるmが2により代表されると共に、第1の元素(M
e)がストロンチウム,鉛,バリウムおよびカルシウム
からなる群のうちの少なくとも1種でありかつ第2の元
素(R)がニオブおよびタンタルからなる群のうちの少
なくとも1種の層状結晶構造酸化物を製造するのに適し
ている。
【0057】また、他のオーリビリウス結晶群について
も具体的に説明すれば、化1に示した化学式におけるm
が2のBi2 BiTiNbO9 やBi2 BiTiTaO
9 により代表される層状結晶構造酸化物、mが3のBi
4 Ti3 12により代表される層状結晶構造酸化物、m
が4のBi2 Bi2 CaTi4 15 ,Bi2 Bi2
rTi4 15 ,Bi2 Bi2 BaTi4 15 ,Bi
2 Bi2 PbTi4 15 ,Bi2 Bi2.5 Na0.5
4 15やBi2 Bi2.5 0.5 Ti4 15により代表
される層状結晶構造酸化物、mが5のBi2 Bi2 Sr
2 Ti5 18,Bi2 Bi2 Ba2 Ti5 18やBi2
Bi2 Pb2 Ti5 18により代表される層状結晶構造
酸化物についても同様にして製造することができる。
【0058】なお、BiSTa以外の層状結晶構造酸化
物を製造する際には、原料として、酸化ビスマス,炭酸
ストロンチウム,酸化タンタル,炭酸ナトリウム(Na
2 CO3 ),炭酸カリウム(K2 CO3 ),炭酸カルシ
ウム(CaCO3 ),炭酸バリウム(BaCO3 ),一
酸化鉛(PbO),三酸化二鉄(Fe2 3 ),酸化チ
タン(TiO2 ),酸化ニオブ(Nb2 5 ),酸化タ
ングステン(WO3)などから組成に応じて適宜選択し
用いる。
【0059】また、本発明によれば、いわゆるオーリビ
リウス結晶群のみでなく化3に示した化学式で表され超
伝導材料として知られる層状結晶構造酸化物についても
同様にして製造することができる。これは、いわゆるB
i系超伝導層状酸化物といわれるものであり、結晶構造
がオーリビリウス結晶群と類似関係にある。特に、層間
がBi−Oで仕切られていることが異方性の点で酷似し
ている。
【0060】
【化3】 Bi2 Sr2 Can-1 Cun 2n+4 (n≦4)
【0061】更に、上記実施の形態および各実施例にお
いては、酸化ビスマスをフラックスとして用いる場合に
ついてのみ説明したが、本発明は、フラックスとして他
の物質を用いる場合についても適用することができる。
但し、フラックスには層状結晶構造酸化物の組成の一部
を構成する物質を用いることが好ましい。
【0062】加えて、上記実施の形態および各実施例に
おいては、原料Mを融点以上の温度で加熱したのち(第
1の加熱工程)融点よりも低い温度で加熱(第2の加熱
工程)する場合についてのみ説明したが、原料の加熱条
件はフラックスの種類や製造する層状結晶構造酸化物の
組成などにより適宜変化する。すなわち、本発明は、混
合した原料を加熱して気化させた気相から析出部におい
て結晶を析出させて層状結晶構造酸化物を製造する場合
を広く含んでいる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る層状結
晶構造酸化物の製造方法によれば、混合した原料を加熱
して気化させた気相から結晶を析出部において析出させ
るようにしたので、大きな層状結晶構造酸化物の結晶を
容易に得ることができる。よって、FeRAMの材料や
光学素子の材料として層状結晶構造酸化物の実用化を図
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る層状結晶構造酸化
物の製造方法により製造する層状結晶構造酸化物の結晶
構造を表す概念図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る層状結晶構造酸化
物の製造方法において用いる坩堝の一例を表す構成図で
ある。
【図3】本発明の一実施の形態に係る層状結晶構造酸化
物の製造方法において用いる加熱炉の一例を表す構成図
である。
【図4】図3に示した加熱炉の炉内温度分布を示す特性
図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る層状結晶構造酸化
物の製造方法における原料の加熱条件を表す図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る層状結晶構造酸化
物の製造方法における原料の他の加熱条件を表す図であ
る。
【図7】本発明の第1の実施例において得られた層状結
晶構造酸化物の組成を示すX線回折パターン図(a)で
あり、リートベルト・シミュレーション・パターン
(b)と共に表している。
【図8】本発明の第1の実施例において得られた層状結
晶構造酸化物の強誘電性ヒステリシスを表す特性図であ
る。
【図9】本発明の第2の実施例において用いた坩堝およ
び加熱炉を表す構成図である。
【図10】本発明の第3の実施例において用いた坩堝お
よび加熱炉を表す構成図である。
【符号の説明】
10,30…坩堝、11,31…白金坩堝、12,32
…アルミナ坩堝、13,33…アルミナボール、14,
34…蓋、20,40…加熱炉、21,41…カンタル
ヒータ、22,42…熱電対、23…載置台、51…種
結晶、52…白金線、53…基板、M…原料
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 27/10 451 H01L 27/10 451 27/108 39/24 ZAAB 21/8242 27/10 651 39/24 ZAA (72)発明者 鈴木 真之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料を加熱し気化させた気相から結晶を
    析出部において析出させることにより層状結晶構造酸化
    物を製造することを特徴とする層状結晶構造酸化物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 析出部の温度を原料の加熱温度よりも5
    ℃以上20℃以下の範囲内において低くすることを特徴
    とする請求項1記載の層状結晶構造酸化物の製造方法。
  3. 【請求項3】 析出部を原料から10mm以上30mm
    以下の範囲内において離れた位置に設けることを特徴と
    する請求項1記載の層状結晶構造酸化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 種結晶を析出部として層状結晶構造酸化
    物の結晶を析出させることを特徴とする請求項1記載の
    層状結晶構造酸化物の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板を析出部として層状結晶構造酸化物
    の結晶を析出させることを特徴とする請求項1記載の層
    状結晶構造酸化物の製造方法。
  6. 【請求項6】 原料を坩堝に入れて加熱すると共に、原
    料を入れた坩堝の上部側壁を析出部として層状結晶構造
    酸化物の結晶を析出させることを特徴とする請求項1記
    載の層状結晶構造酸化物の製造方法。
  7. 【請求項7】 原料に酸化物を用いることを特徴とする
    請求項1記載の層状結晶構造酸化物の製造方法。
  8. 【請求項8】 原料にフラックスを加えて加熱すること
    を特徴とする請求項1記載の層状結晶構造酸化物の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 酸化ビスマスをフラックスとして少なく
    ともビスマスを含む層状結晶構造酸化物を製造すること
    を特徴とする請求項8記載の層状結晶構造酸化物の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 ビスマス(Bi)と第1の元素と第2
    の元素と酸素(O)とからなると共に、第1の元素はナ
    トリウム(Na),カリウム(K),カルシウム(C
    a),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),鉛
    (Pb)およびビスマス(Bi)からなる群のうちの少
    なくとも1種でありかつ第2の元素は鉄(Fe),チタ
    ン(Ti),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),タン
    グステン(W)および銅(Cu)からなる群のうちの少
    なくとも1種である層状結晶構造酸化物を製造すること
    を特徴とする請求項1記載の層状結晶構造酸化物の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 ビスマス(Bi)と第1の元素と第2
    の元素と酸素(O)とからなると共に、第1の元素はス
    トロンチウム(Sr),鉛(Pb),バリウム(Ba)
    およびカルシウム(Ca)からなる群のうちの少なくと
    も1種でありかつ第2の元素はニオブ(Nb)およびタ
    ンタル(Ta)からなる群のうちの少なくとも1種であ
    る層状結晶構造酸化物を製造することを特徴とする請求
    項1記載の層状結晶構造酸化物の製造方法。
  12. 【請求項12】 強誘電性を示す層状結晶構造酸化物を
    製造することを特徴とする請求項11記載の層状結晶構
    造酸化物の製造方法。
  13. 【請求項13】 原料を融点以上の温度で加熱する第1
    の加熱工程と、 この第1の加熱工程ののち原料を融点よりも低い温度で
    加熱する第2の加熱工程とを含むことを特徴とする請求
    項1記載の層状結晶構造酸化物の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の加熱工程ののち連続して第
    2の加熱工程を行うことを特徴とする請求項13記載の
    層状結晶構造酸化物の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第1の加熱工程ののち時間をおい
    て第2の加熱工程を行うことを特徴とする請求項13記
    載の層状結晶構造酸化物の製造方法。
  16. 【請求項16】 原料にフラックスを加えて加熱するこ
    とを特徴とする請求項13記載の層状結晶構造酸化物の
    製造方法。
  17. 【請求項17】 酸化ビスマスをフラックスとして少な
    くともビスマスを含む層状結晶構造酸化物を製造するこ
    とを特徴とする請求項16記載の層状結晶構造酸化物の
    製造方法。
  18. 【請求項18】 第1の加熱工程における加熱温度を1
    350℃以上1500℃以下とすると共に、第2の加熱
    工程における加熱温度を1000℃以上1300℃以下
    とすることを特徴とする請求項17記載の層状結晶構造
    酸化物の製造方法。
  19. 【請求項19】 原料に酸化物を用いることを特徴とす
    る請求項13記載の層状結晶構造酸化物の製造方法。
  20. 【請求項20】 ビスマス(Bi)と第1の元素と第2
    の元素と酸素(O)とからなると共に、第1の元素はナ
    トリウム(Na),カリウム(K),カルシウム(C
    a),バリウム(Ba),ストロンチウム(Sr),鉛
    (Pb)およびビスマス(Bi)からなる群のうちの少
    なくとも1種でありかつ第2の元素は鉄(Fe),チタ
    ン(Ti),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),タン
    グステン(W)および銅(Cu)からなる群のうちの少
    なくとも1種である層状結晶構造酸化物を製造すること
    を特徴とする請求項13記載の層状結晶構造酸化物の製
    造方法。
  21. 【請求項21】 ビスマス(Bi)と第1の元素と第2
    の元素と酸素(O)とからなると共に、第1の元素はス
    トロンチウム(Sr),鉛(Pb),バリウム(Ba)
    およびカルシウム(Ca)からなる群のうちの少なくと
    も1種でありかつ第2の元素はニオブ(Nb)およびタ
    ンタル(Ta)からなる群のうちの少なくとも1種であ
    る層状結晶構造酸化物を製造することを特徴とする請求
    項13記載の層状結晶構造酸化物の製造方法。
  22. 【請求項22】 強誘電性を示す層状結晶構造酸化物を
    製造することを特徴とする請求項21記載の層状結晶構
    造酸化物の製造方法。
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US09/048,050 US6174463B1 (en) 1997-03-27 1998-03-26 Layer crystal structure oxide, production method thereof and memory element using the same
US09/149,712 US6106616A (en) 1997-03-27 1998-09-09 Layer crystal structure oxide, production method thereof, and memory element using the same

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JP2001358347A (ja) * 2000-06-16 2001-12-26 Canon Inc 光電変換装置およびその製造方法
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