JPH10273177A - 穀類の鮮度保持方法 - Google Patents

穀類の鮮度保持方法

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JPH10273177A
JPH10273177A JP9077121A JP7712197A JPH10273177A JP H10273177 A JPH10273177 A JP H10273177A JP 9077121 A JP9077121 A JP 9077121A JP 7712197 A JP7712197 A JP 7712197A JP H10273177 A JPH10273177 A JP H10273177A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱酸素剤を用いた包装形態の精米直後の米等
の穀類の優れた鮮度保持方法を提供すること。 【解決手段】 精米等の穀類を、脱酸素剤と共に、酸素
透過度30cc/m2 /24hr以下で、透湿度10g
/m2 /24hr以下の厚み40μm以上の複層バリア
フィルムからなる軟包装袋に整形包装し、24〜96時
間で脱酸素状態とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精米直後の米等の
穀類を脱酸素剤と共に用いる、包装された穀類の鮮度保
持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスバリアー性の穀類等の保存袋
内の一隅に脱酸素剤を封入してなる保存袋(実開昭59
−143971号、実開昭60−50171号)や、穀
類等の保存袋をガスバリアー性の外袋と酸素透過性の内
袋から構成し、外袋と内袋との間に脱酸素剤を入れ、脱
酸素剤を保存袋に残したまま穀類等の収納物を保存袋か
ら取り出し得るようにした保存袋(特開昭63−672
75号公報)や、穀類等の保存袋をガスバリアー性の内
袋と比較的丈夫で日光遮断性のクラフト紙等からなる外
袋から構成し、内袋の中に脱酸素剤と酸素検知剤を収納
して、外袋に設けられた窓部から酸素検知剤を目視によ
り確認できるようにした保存袋(特開昭61−2033
78号公報)が知られている。
【0003】また、ポテトチップスや米、麦等の食品
を、その内部を脱気すると共に、酸素を吸収しかつ炭酸
ガス発生機能を有する薬剤を充填した、プラスチックフ
ィルム製の密封袋体に収納し、発生する炭酸ガスにより
密封袋体の外的変形を抑制することが知られている(特
開平4−201878号公報)。
【0004】そしてまた、ポリエチレンに鱗片状の無機
物添加剤を加え、ポリエチレンの分子間の隙間に鱗片状
の無機物添加剤が入り込み、その隙間が狭くなった材料
で成形された袋体に穀物を入れ、それを真空包装機にか
けるか、又は袋体に脱酸素剤を入れて、包装することに
より、包装した後に形崩れしない程度の真空度が保持さ
れる包装方法が知られている(特開平3−162268
号公報)。
【0005】さらに、穀類を、脱酸素剤組成物をガーレ
ー式透気度(JISP8117)200〜100000
秒/空気100mlの通気性包材に密封してなる脱酸素
剤とともに実質的に非通気性の包材または気密容器に密
封し、酸素濃度0.1%以下で5〜20℃に保持し、穀
類に付着した害虫卵を死滅させ開封後のふ化を防止する
穀類の害虫防除方法が知られている(特公昭64−77
39号公報)。
【0006】他方、近年の米の流通経路の変化に伴い、
米は5kg、10kg等の単位で、予め通気性をもたせ
るために小孔が多数穿設された樹脂製材料で軟包装(フ
レキシブルパック)した状態で市販されることが多くな
ってきているが、これらの軟包装米は、小孔が多数穿設
されているため脱酸素剤は用いられていなかった。
【0007】
【発明が解決すべき課題】最近、本当においしい米を食
べたいという消費者嗜好の高まりから、特定品種かつ特
定産地、場合によっては特定生産者の良質米の精米直後
の米を、5kg、10kg等の単位で軟包装し、産地や
生産者から消費者のもとへ直送・宅配する販売方法も増
えてきつつある。しかし、かかる包装米を開封・炊飯す
るまでの間に、良質米の品質が少なからず劣化し、香味
等において通常の店頭販売のものと変わらなくなり、産
地直送のメリットが生かされないという問題があった。
【0008】本発明者らは、これら精米直後の良質米の
鮮度保持の観点から、脱酸素剤の適用について検討した
ところ、開封後及び炊飯時における精米時の良質米の香
りが消失したり、精米直後の米粒の食味に比較して不味
くなったり、包材からの異臭が包装精米に付加されたり
して、通常の脱酸素剤による穀類の酸化防止、殺虫・殺
菌等を目的とする場合に比べて、精米等の品質に関する
解決しなければならない諸問題があることがわかった。
加えて、精米等を包装した枕状の軟包装袋の貯留・搬
送、例えばパレットに10〜15段積み上げての貯留・
搬送に際して、積み上げた米包装袋が崩れて転倒した
り、積み上げられた米包装袋の一番下のものが破袋する
という実用上大きな問題があることがわかった。
【0009】本発明の課題は、上記精米等の品質に関す
る問題や貯留・搬送に際しての実用上の問題を同時に全
て解決する、脱酸素剤を用いた包装形態の精米直後の米
等の穀類の優れた鮮度保持方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、軟包装袋の包材の種類・性能、脱酸素剤の使用条
件、精米等の充填時における軟包装袋の包装方法等につ
いて鋭意研究したところ、特定の包材、脱酸素剤の特定
の使用条件、充填時における軟包装袋の特定の包装方法
等、特定の組み合わせを採用した場合、初めて精米直後
の米等の穀類の優れた鮮度保持が可能となることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、穀類を、脱酸素剤と
共に、酸素透過度30cc/m2 /24hr以下で、透
湿度10g/m2 /24hr以下の厚み40μm以上の
複層バリアフィルムからなる軟包装袋に整形包装し、2
4〜96時間で脱酸素状態とすることを特徴とする精米
直後の米等の穀類の鮮度保持方法に関する。
【0012】また、本発明は、穀類を、脱酸素剤と共
に、酸素透過度30cc/m2 /24hr以下で、透湿
度10g/m2 /24hr以下の厚み40μm以上の複
層バリアフィルムからなる軟包装袋に、減圧下に包装
し、開封部を密封した後、軟包装袋に小孔をあけ、該軟
包装袋内の気圧を大気圧とした後、再度該小孔を閉塞す
る工程からなる整形包装を行い、24〜96時間で脱酸
素状態とすることを特徴とする精米直後の米等の穀類の
鮮度保持方法に関する。
【0013】同じく、本発明は、穀類を、脱酸素剤と共
に、酸素透過度30cc/m2 /24hr以下で、透湿
度10g/m2 /24hr以下の厚み40μm以上の複
層バリアフィルムからなる軟包装袋に、剛性の整形ホル
ダーを用いて、軟包装袋に米を充填後、可及的に空気を
排除してシールする工程からなる整形包装を行い、24
〜96時間で脱酸素状態とすることを特徴とする精米直
後の米等の穀類の鮮度保持方法に関する。
【0014】さらに、本発明は、上記穀類の鮮度保持方
法において、上記脱酸素剤が、透気度3000〜120
00秒の通気性包材に収納された鉄系脱酸素剤を用いる
鮮度保持方法や、上記脱酸素剤が、0.05〜5重量%
の活性炭等の吸着剤を含むものを用いる鮮度保持方法
や、上記複層バリアフィルムが、厚み40〜150μm
で、少なくともポリプロピレンフィルム層及び/又はア
ルミ箔層を含み、酸化臭のないものを用いる穀類の鮮度
保持方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、穀類としては、
米、大麦(裸麦を含む)、小麦、ライ麦、えんばく、と
うもろこし、ひえ、あわ、もろこし、きびなどの禾穀類
の他に大豆を主体とする豆類、及びそばを例示すること
ができる。また、本発明においては、乾茸、茶等の酸化
により品質の劣化する固体状の食品素材についても、便
宜上穀類と称する。
【0016】本発明の鮮度保持方法が、特に適している
のは、精米直後の米、より望ましくは米粒食味値70以
上の良質米であり、本包装により精米時の鮮度が開封後
及び炊飯時までそのまま保たれることが確認された。な
お、米粒食味値とは、食味分析計により測定され、標準
米の食味値を70とする、米の食味を表す指標である。
【0017】本発明において、脱酸素剤とは、空気と接
触して酸素を吸収する組成物を通気性小袋や小容器等の
包材に収納したものであり、かかる組成物としては、例
えば、鉄、炭化鉄などの鉄粉、亜硫酸塩、第一鉄塩など
の還元性の無機塩、ヒドロキノン、カテコール、ピロガ
ロール、没食子酸などのポリフェノール類、グルコース
などの還元性糖類、アスコルビン酸、エリソルビン酸な
どの還元性多価アルコール類等の還元剤を主たる有効成
分とするものを例示することができるが、その中でも、
鉄粉と電解質、例えば鉄粉とハロゲン化金属を含有する
鉄系脱酸素組成物が好ましい。
【0018】脱酸素剤は、穀類等の整形包装後の軟包装
袋内が24〜96時間、望ましくは24〜48時間で脱
酸素状態となるように、脱酸素剤による発熱を抑制した
状態で用いることが必要である。24時間未満で脱酸素
状態にする場合、脱酸素反応により発生する発熱によっ
て、精米等の穀類の品質が低下することになる。また、
脱酸素状態になるのに96時間を超えるような条件で脱
酸素剤を用いる場合は、脱酸素状態になるまでの間に精
米等の穀類の品質が劣化する恐れがある。
【0019】脱酸素剤として、脱酸素組成物の他に、活
性炭、ゼオライト等の吸着剤を0.05〜5重量%含有
するものを用いることができる。脱酸素剤として、例え
ば0.05〜5重量%の活性炭を含むものを用いると、
穀類の好ましくない臭気の他に、複層バリアフィルムに
由来する酸化臭をも脱臭することができる。
【0020】脱酸素組成物は、透気度3000〜120
00秒の通気性包材に収納するのが好ましい。透気度3
000〜12000秒の通気性包材に、例えば鉄系脱酸
素組成物を収納した脱酸素剤を、精米2〜10kgを充
填後整形包装した軟包装袋に適用すると、軟包装袋内は
24〜96時間で脱酸素状態になる。
【0021】ここで、透気度とは、通気性包材のガーレ
ー式透気度を意味し、透気度3000〜12000秒の
通気性包材としては、具体的に、有孔(ポリエチレンテ
レフタレート/ポリエチレン)/耐水耐油紙/有孔ポリ
エチレン等からなる樹脂フィルムを例示することができ
る。
【0022】本発明において、軟包装袋の包材である複
層バリアフィルムとしては、酸素透過度30cc/m2
/24hr以下、好ましくは20cc/m2 /24hr
以下で、透湿度10g/m2 /24hr以下、好ましく
は5g/m2 /24hr以下の厚み40μm以上、好ま
しくは40〜150μmのものを用いることができる。
酸素透過度が30cc/m2/24hrを越えると、軟
包装袋の中に酸素が浸透し、脱酸素状態を保持しづらく
なり、また、酸素透過度が20cc/m2 /24hr以
下のものでは、脱酸素状態を確実に達成することができ
る。また、透湿度が10g/m2 /24hrを越える
と、軟包装袋の中に水分が湿気として浸入し穀類の鮮度
をおとす原因となったり、逆に精米等の水分が逸散し精
米等が乾燥して炊飯米の粘りがなくなる等の問題が生じ
ることになるが、透湿度が10g/m2 /24hr以下
のものでは、その恐れがほとんどない。そして、複層バ
リアフィルムの厚みが、40μm未満であると包材とし
ての強度不足の恐れがあり、流通過程において軟包装袋
が破損したりピンホールが生じる恐れがあり、150μ
mを越えると、強度の面では十分であるが、硬くて扱い
にくい上に材料費がかさむことになる。
【0023】本発明における複層バリアフィルムの材質
としては、二軸延伸ポリプロピレン(OP)、ポリ塩化
ビニリデンコート二軸延伸ポリプロピレン(KOP)、
アルミ箔やアルミ蒸着などのアルミ(Al)、延伸ナイ
ロン(ON)、ポリ塩化ビニリデンコート延伸ナイロン
(KON)、ナイロン(NY)、未延伸ポリプロピレン
(CPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリ塩化ビニリデンコートポリエチレンテレフタレート
(KPET)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニリ
デンコートポリエチレン(KPE)、直鎖状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)などを挙げることができ、積層
構造として具体的には、ON/PE、KPET/PE、
KON/PE、KOP/PE、KOP/NY/PE/L
LDPE、PET/PE/紙/PE、ON/PE/紙/
PE、KPET/PE/紙/PE、KON/PE/紙/
PE、KOP/PE/紙/PE、紙/PE/ON/P
E、紙/PE/KPET/PE、紙/PE/KコートO
N/PE、紙/PE/KOP/PE、紙/PE/塩化ビ
ニリデン/PE、PET/PE/Al/PE、ON/P
E/Al/PE、OP/PE/Al/PE、OP/NY
/PE/LLDPE等の複層バリアフィルムを例示する
ことができるが、PET/PE/Al/PE、KOP/
NY/PE/LLDPE、OP/NY/PE/LLDP
E等の複層バリアフィルムが望ましい。
【0024】本発明における複層バリアフィルムとして
要求される特性としては、上記の他に、良好なシール性
や酸化臭がないことが挙げられる。収納する穀類が精米
直後の良質米のように、香味等において特に新鮮度が要
求される場合には、複層バリアフィルムとして酸化臭の
ないものが用いることが望ましいが、ここでいう酸化臭
とは、ラミ臭又はポリ臭とも呼ばれるもので、複層バリ
アフィルムの製造過程において、ラミネート加工時に溶
融したプラスチックの熱劣化により生じるもので、フィ
ルムポリマーの酸化物に起因する異臭をいう。
【0025】本発明において、軟包装袋とは、フレキシ
ブルパックとも呼ばれ、あらかじめ形状を固定したコン
テナと異なり、複層バリアフィルムからなる包装材料に
て形成された袋に穀類を収納した包装袋を意味する。
【0026】本発明において、整形包装とは、米粒と米
粒との隙間等穀類間の空気は残すが、その他の袋内の余
分な空気をできるだけ追い出し、軟包装袋内に穀類がほ
ぼ満たされた状態とする包装をいい、これを例えば10
〜15段積み上げたときに崩れることがないような包装
方法をいう。この整形包装は、脱酸素剤を適用すると、
包装袋内に存在する空気の20%を占める酸素が吸収さ
れることから、その分を見込んで従来行われている含気
包装とは異なる。含気包装では、包装直後、例えば10
〜15段積み上げようとしても不安定となり、崩れたり
転倒することがあるばかりか、無理に積み上げた場合に
は下の方の包装袋が破袋することが多い。また、包装時
に脱気工程を有する脱気減圧包装とも異なる。あらかじ
め脱気したものは脱酸素後の脱気が著しく、カチカチに
なり、破袋、シール不良の原因となることが多い。
【0027】本発明における整形包装の一例として、軟
包装袋に精米等の穀類を減圧下、少なくとも1気圧未満
の状態で充填・包装し、開封部を密封した後、軟包装袋
に小孔を1個以上穿け、該小孔から空気を自然に流入さ
せ、軟包装袋内の気圧を大気圧とした後、再度該小孔を
シール等により閉塞する工程からなる包装方法を例示す
ることができる。
【0028】また、上記のような減圧包装装置を用いな
い場合、充填後の軟包装袋の形状とほぼ等しい、例えば
縦と横と高さの寸法を有する、長方形の上部が開口した
木製、プラスチック製、金属製の剛性の整形ホルダーを
予め作製しておき、この整形ホルダー内にて軟包装袋に
米を充填後、可及的に空気を排除して開封部を密閉する
工程からなる包装方法を例示することができる。
【0029】
【実施例】以下に、実施例を掲げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に
限定されるものではない。 (実施例1)透気度8000秒の通気性包材に収納され
た、主成分として還元鉄粉を脱酸素組成物とする脱酸素
剤(空気容量2500cc対応品)と共に、精米直後の
秋田こまち(米粒食味値80)5kgを精米直後に、O
P/NY/PE/LLDPEからなる複合バリアフィル
ム(酸素透過度25cc/m2 /24hr、透湿度2g
/m2 /24hr、厚み100μm)で製袋した軟包装
袋に充填し、脱気密封した。密封後、軟包装袋に小孔を
1個穿け、該軟包装袋内の気圧を大気圧とした(この
時、包装袋内の空気容量は2100ccであった)後、
再度該小孔をシールにより閉塞する整形包装を行った。
この整形包装後の軟包装袋をパレット上に15段積み上
げて貯留搬送したが、その間積み上げた軟包装袋の崩れ
・転倒等はなく、また、破袋するものも見られなかっ
た。
【0030】上記精米が充填された軟包装袋は約48時
間で脱酸素状態になり、3ヶ月保存後開封し手に取った
ところ、見た目では緩く固まっていた米粒がさらさらと
一粒毎に分離し、精米時の良質米の香りがした。開封直
後及び開封2日後にこの精米を炊飯したところ、両者と
も精米直後の炊飯米と同様な優良米の香りと呈味があっ
た。
【0031】(比較例1)実施例1において、負圧下に
開封部を密封後、軟包装袋に小孔を穿つことなく減圧包
装をしたままのものを用いる他は実施例1と同様に行っ
た。この軟質包装袋をパレット上に15段積み上げて貯
留搬送したが、その間積み上げた軟包装袋の崩れ・転倒
等はなく、また、破袋するものも見られなかったが、3
ヶ月保存後に開封し手に取ったところ、米粒同士が岩お
こし状に堅く固まり、精米時の良質米の香りは維持され
ているものの、外観及び触感において商品価値を喪失し
たものになっていた。
【0032】(比較例2)脱酸素剤による空気中の酸素
の吸着を予め見込んで、整形包装することなく、含気包
装すること以外は実施例1と同様に行った。この軟質包
装袋をパレット上に15段積み上げようとしたが、6〜
7段積み上げたところで不安定となり、崩れてしまうこ
とが多く、また、崩れないように両側にホルダーを設け
て15段積み上げたところ一番下の軟質包装袋が破袋し
た。
【0033】(比較例3)軟質包装袋内が15時間及び
120時間で脱酸素状態になるように、脱酸素剤の用量
が調節されたものを用いた他は実施例1と同様に行っ
た。3ヶ月保存後開封したところ、両者とも精米時の良
質米の香りが消え、炊飯米も精米直後の良質米の香り及
び呈味が失われていた。
【0034】(実施例2)整形包装として、縦と横と高
さの寸法がそれぞれ8×28×40cmの長方形の上部
が開口したプラスチック製の剛性整形ホルダーをもち
い、この整形ホルダー内にて軟包装袋に良質米5kgを
充填後、可及的に空気を排除して開封部を密閉する以外
は、実施例1と同様に行った。
【0035】上記精米が充填された軟包装袋は約50時
間で脱酸素状態になり、3ヶ月保存後開封したところ、
実施例1の場合に比べて少し劣るものの、精米時の良質
米の香りがした。開封直後及び開封2日後にこの精米を
炊飯したところ、実施例1の場合に比べて少し劣るもの
の、両者とも精米直後の炊飯米と同様な優良米の香りと
呈味があった。
【0036】
【発明の効果】本発明によると、殺虫、酸化防止等の従
来の脱酸素剤を用いた効果の他に、精米等の充填された
軟質包装袋の開封後及び炊飯時において、包材からの異
臭の付加がなく、精米等が乾燥しておらず、精米時の良
質米の香りのみならず、精米時の米粒の食味の保持が約
6ヶ月間は可能となる。また、精米等を包装した枕状の
軟包装袋の貯留・搬送の際に、例えばパレットに10〜
15段積み上げての貯留・搬送に際して、積み上げた米
袋が崩れて転倒したり、積み上げられた包装袋の一番下
のものが破袋することがなく、産地直送形態の、貯留・
搬送にも優れた包装形態の精米直後の米等の穀類の実用
的な鮮度保持が可能となる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀類を、脱酸素剤と共に、酸素透過度3
    0cc/m2 /24hr以下で、透湿度10g/m2
    24hr以下の厚み40μm以上の複層バリアフィルム
    からなる軟包装袋に整形包装し、24〜96時間で脱酸
    素状態とすることを特徴とする穀類の鮮度保持方法。
  2. 【請求項2】 整形包装が、減圧下に包装し、開封部を
    密封した後、軟包装袋に小孔を穿け、該軟包装袋内の気
    圧を大気圧とした後、再度該小孔を閉塞する工程からな
    る請求項1記載の穀類の鮮度保持方法。
  3. 【請求項3】 整形包装が、剛性の整形ホルダーを用い
    て、軟包装袋に米を充填後、可及的に空気を排除してシ
    ールする工程からなる請求項1記載の穀類の鮮度保持方
    法。
  4. 【請求項4】 脱酸素剤が、透気度3000〜1200
    0秒の通気性包材に収納された鉄系脱酸素剤である請求
    項1〜3のいずれか記載の穀類の鮮度保持方法。
  5. 【請求項5】 脱酸素剤が、0.05〜5重量%の吸着
    剤を含むものである請求項1〜4のいずれか記載の穀類
    の鮮度保持方法。
  6. 【請求項6】 複層バリアフィルムが、厚み40〜15
    0μmで、少なくともポリプロピレンフィルム層及び/
    又はアルミ箔層を含み、酸化臭のないものである請求項
    1〜5のいずれか記載の穀類の鮮度保持方法。
  7. 【請求項7】 穀類が、精米直後の米である請求項1〜
    6のいずれか記載の鮮度保持方法。
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