JPH10272823A - スタンプ用基材 - Google Patents

スタンプ用基材

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JPH10272823A
JPH10272823A JP7966597A JP7966597A JPH10272823A JP H10272823 A JPH10272823 A JP H10272823A JP 7966597 A JP7966597 A JP 7966597A JP 7966597 A JP7966597 A JP 7966597A JP H10272823 A JPH10272823 A JP H10272823A
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stamp
ink
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sheet
printing plate
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JP7966597A
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Keiji Seo
恵二 瀬尾
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スタンプインキを含浸した多孔性シートの膨
潤を抑制してスタンプ印面が変形することを防止すると
ともに、製造コストを低減することができるスタンプ用
基材を提供すること。 【解決手段】 フラッシュバルブ6が閃光すると、多孔
性樹脂層12aと繊維層12bとが一体に形成されたス
タンプ用基材12のうち、原稿シート11の非透光性部
分11cに対応する部分については赤外線R1が照射さ
れないので、この部分のカーボン等は発熱することはな
い。一方、原稿シート11の非透光性部分11c以外に
対応する部分については赤外線R2が照射されるので、
この部分のカーボン等は発熱する。この結果、スタンプ
用基材12の原稿シート11に当接する面において、連
続気泡を有するそのままの状態のインク滲出部12c
と、多孔性樹脂層12b表面が加熱溶融して連続気泡が
閉塞された非インク滲出部12dとが形成されてスタン
プ印版14が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は連続気泡を有しス
タンプインキを含浸することができる多孔性シートを備
えたスタンプ用基材に関し、特に、スタンプインキを含
浸した多孔性シートの膨潤を抑制してスタンプ印面が変
形することを防止するとともに、製造コストを低減する
ことができるスタンプ用基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来、紙等の印刷媒体に絵、文字等の
所望の印像を印刷するためには、スタンプ等の各種印刷
装置が利用されている。このうち特開平8−11877
1号公報および特開平8−207409号公報には、連
続気泡を有しスタンプインキを含浸可能な多孔性シート
の表面に、所望の印影原稿の鏡像となるインキ滲出部
と、連続気泡を塞いだインキ非滲出部とを備えたスタン
プ印面が形成されたスタンプ印版を使用したスタンプが
提案されている。
【0003】かかるスタンプ印版は、予めスタンプイン
キを含浸させて、スタンプ印面を紙等の印刷媒体に押圧
することにより、スタンプ印面のインキ滲出部からスタ
ンプ印版に含浸されたスタンプインキが滲出する。この
スタンプインキの滲出により、紙等の印刷媒体に印像が
捺印されるのである。よって、スタンプを捺印する場
合、その都度、スタンプ印面にスタンプインキを付着ま
たは塗布する必要がない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前記
スタンプ印版は、製造コストの低減などのために薄板状
に形成されており、スタンプインキを含浸させた場合、
スタンプ印版が膨潤してスタンプ印面が変形するので、
鮮明な捺印をすることができないという問題点があっ
た。
【0005】また、かかる薄板状のスタンプ印版では、
その内部にスタンプインキを充分に含浸することができ
ないので、スタンプインキをスタンプ印版へ供給するた
めに別部材としてのスタンプインキ含浸体が必要とな
る。その結果、スタンプの部品点数が増加してコストア
ップを招来するという問題点があった。
【0006】また、上記スタンプ印版は、その厚さを増
加することにより、スタンプ印版に含浸されるスタンプ
インキの含浸量を増加することができる。しかし、かか
るスタンプ印版は、鮮明な印像を紙等の印刷媒体に捺印
するために、気孔径の小さな気孔が密集した多孔性シー
トを使用しているので、スタンプ印版を厚くした場合、
スタンプ印版にスタンプインキを充分に含浸させるため
には長時間を要するという問題点があった。
【0007】更に、薄板状に形成されたスタンプ印版は
その弾力性が低下しており、紙等の印刷媒体に印像を捺
印する場合、スタンプ印面全体に均一な押圧力を加える
ことができず、印像が不鮮明となる。よって、スタンプ
印版には、別部材としてクッション材が必要となるの
で、部品点数が増加してコストアップを招来するという
問題点があった。
【0008】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、スタンプインキを含浸した多孔性
シートの膨潤を抑制してスタンプ印面が変形することを
防止するとともに、製造コストを低減することができる
スタンプ用基材を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載のスタンプ用基材は、連続気泡を有し
スタンプインキを含浸することができる多孔性シートを
備えており、前記多孔性シートには、前記スタンプイン
キを含浸させた前記多孔性シートの膨潤による変形を抑
制するための変形抑制材が一体に形成されている。この
請求項1記載のスタンプ用基材を使用して製造されたス
タンプ印版の表面には、所望の印影原稿の鏡像となるイ
ンキ滲出部と、連続気泡を塞いだインキ非滲出部とを備
えたスタンプ印面が形成され、スタンプ印版にはスタン
プインキが含浸される。かかるスタンプ印版の多孔性シ
ートにスタンプインキを含浸する場合、この多孔性シー
トと変形抑制材とが一体に形成されているので、多孔性
シートの膨潤が抑制されスタンプ印面の変形は防止され
る。このスタンプ印版のスタンプ印面を紙等の印刷媒体
に押圧することにより、スタンプ印面のインキ滲出部か
らスタンプインキが滲出して、紙等の印刷媒体に印像が
捺印されるのである。
【0010】請求項2記載のスタンプ用基材は、請求項
1記載のスタンプ用基材において、前記変形抑制材は前
記スタンプインキを含浸することができる。請求項2記
載のスタンプ用基材によれば、請求項1記載のスタンプ
用基材と同様に作用する上、製造されたスタンプ印版の
変形抑制材にスタンプインキを含浸させることができ
る。この変形抑制材に含浸されたスタンプインキは、変
形抑制材から多孔性シートへと浸透して、スタンプのス
タンプ印面を紙等の印刷媒体に押圧することにより、ス
タンプ印面のインキ滲出部から滲出する。
【0011】請求項3記載のスタンプ用基材は、請求項
1または2に記載のスタンプ用基材において、前記変形
抑制材は弾性を有している。請求項3記載のスタンプ用
基材によれば、請求項1または2に記載のスタンプ用基
材と同様に作用する上、変形抑制材は弾性を有している
ので、スタンプ用基材に弾力性が付与される。よって、
紙等の印刷媒体に印像を捺印する場合、スタンプ印面全
体に均一な押圧力が加えられる。
【0012】請求項4記載のスタンプ用基材は、請求項
1から3のいずれかに記載のスタンプ用基材において、
前記変形抑制材は不織布または起毛布で構成されてい
る。請求項4記載のスタンプ用基材によれば、請求項1
から3のいずれかに記載のスタンプ用基材と同様に作用
する上、変形抑制材に使用されている不織布または起毛
布は、スタンプインキ等の液体の吸収性が優れている。
【0013】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。図1(a)
は、本発明のスタンプ用基材を使用してスタンプ印版を
製造するためのスタンプユニットの上面図であり、図1
(b)は、図1(a)の側断面図である。図2は透明可
動蓋2bを開放した状態のトレー2の斜視図である。図
3は、透明可動蓋2bを閉塞した状態のトレー2と、そ
のトレー2が取り出されたユニット本体3との斜視図で
ある。
【0014】スタンプユニット1は、後述する原稿シー
ト11、スタンプ用基材12および透明PETシート1
3(以下、「スタンプ用基材12等」という。)を設置
するためのトレー2と、そのトレー2を内部に収納して
スタンプを製造することができるユニット本体3とを備
えている。
【0015】図2に示すように、トレー2は、トレー本
体2aと、透明可動蓋2bと、係合部材2cとを備えて
いる。トレー本体2aの略中央部分には、平面視略矩形
状の凹部2dが凹設されており、この凹部2dには後述
するスタンプ用基材12等が設置される(図5参照)。
このトレー本体2aの一側には透明可動蓋2bが枢着ピ
ン2gを介して開閉自在に枢着されており、他側には閉
塞状態の透明可動蓋2bをトレー本体2aに係合するた
めの係合部材2cが枢着ピン2hを介して回動可能に配
設されている。
【0016】透明可動蓋2bは透光性を有する透明のア
クリル樹脂等により構成されており、透明可動蓋2bの
下面には後述するスタンプ用基材12等を積層して凹部
2dの底面に押圧するための押圧部2eが一体に形成さ
れている。また、透明可動蓋2bの自由端側には、係合
部材2cに係脱するための係合部2fが一体に形成され
ている。よって、凹部2dの底面と押圧部2e下面との
間でスタンプ用基材12等を圧縮しつつ、透明可動蓋2
bを通過したフラッシュバルブ6からの光線をスタンプ
用基材12等に照射することができる(図1(b)、図
5(b)参照)。
【0017】図1(a)および(b)に示すように、ユ
ニット本体3は、中空箱状体のケース4から構成されて
いる。このケース4の左側壁の下方には挿入口4aが穿
設されており(図1(b)中左側)、この挿入口4aか
らトレー2をユニット本体3内部に収納し取り出すこと
ができる。ケース4の上部には平面視略矩形状であって
四角台形状の凹所5が形成されており(図3参照)、こ
の凹所5の各側壁表面にはアルミホイル等の光反射特性
の優れたシート(図示せず)が貼着されている。また、
凹所5の一側壁5aにはフラッシュバルブ6が着脱自在
に配設されており、そのフラッシュバルブ6の右端部分
には接点部材7が配置されている。
【0018】この接点部材7には、フラッシュバルブ6
を閃光させるための電源である乾電池8が接続されてい
る。また、ケース4の一内側壁付近にはスイッチ装置9
が配設されており、挿入口4aから挿入されたトレー2
がユニット本体3内部に収納された場合、スイッチ装置
9が作動してオン状態となりフラッシュバルブ6へ乾電
池8から電力供給されフラッシュバルブ6を閃光させる
ことができる。
【0019】次に、かかるスタンプユニット1を使用し
たスタンプ印版の製造方法およびスタンプ印版の製造方
法に使用する各基材について説明する。図4(a)は製
版前のスタンプ用基材の斜視図であり、図4(b)は図
4(a)の断面図である。図5(a)はスタンプ印版の
製造方法に使用する各基材の積層状態を示す断面図であ
り、図5(b)は光照射時の各基材の積層断面図であ
り、図5(c)は製版後のスタンプ印版の断面図であ
る。図6は、製版後のスタンプ印版の斜視図である。
【0020】まず、スタンプ印版の製造方法に使用され
る各基材について説明する。図5(a)に図示されるよ
うに、原稿シート11は、その基材となる透明シート1
1aと、その透明シート11aの下面に形成されたフォ
トクロミック層11bとを備えている。透明シート11
aは、PET(ポリエチレンテレフタレート)、塩化ビ
ニール、ABS樹脂等の合成樹脂から構成されており、
略均一厚の透明なシート状に形成されている。また、透
明シート11aは、後述するスタンプ用基材12の融点
(例えば、軟質ポリウレタン系樹脂の場合は約120
℃、軟質ポリオレフィン系樹脂の場合は約70℃であ
る。)より高い温度で溶融する性質を有している。例え
ば、PETで構成された透明シート11aの融点は約2
30℃である。よって、原稿シート11と後述するスタ
ンプ用基材12とを積層して加熱した場合、スタンプ用
基材12が加熱されて溶融しても、原稿シート11は溶
融することがない。
【0021】フォトクロミック層11bは、透明シート
11aの表面に形成された薄膜であり、有機フォトクロ
ミックインキ(帝国インキ製)を透明シート11aの表
面に含浸または塗布することにより略均一厚に形成され
ている。このフォトクロミック層11bは通常無色透明
であり、その一部には、ネガフィルム等を積層して、紫
外線を含む光線を照射することにより青色に発色した非
透光性部分11cが形成される。図5には、原稿シート
11の表面にポジ状画像が形成された状態が図示されて
いる。また、フォトクロミック層11bへの紫外線の照
射を遮断して所定時間放置することにより、フォトクロ
ミック層11bは無色透明に変化し、紫外線照射以前の
フォトクロミック層11bと略同一の状態に復帰する。
【0022】よって、この原稿シート11は使い捨てる
ことなく、再利用することができる。例えば、一度利用
された原稿シート11は、所定時間放置した後、別のネ
ガフィルム等を積層して、紫外線を含む光線を照射する
ことにより、再度、原稿シートとして使用することがで
きる。また、この原稿シート11は、フォトクロミック
インキの性質が劣化しない限り多数回再利用することが
可能である。
【0023】図4(a)に示すように、スタンプ用基材
12は、スタンプ印面が形成される多孔性樹脂層12a
と、その多孔性樹脂層12aの下面に一体に形成された
繊維層12bとを備えている。多孔性樹脂層12aは、
連続気泡を有しスタンプインキが含浸可能な多孔性を有
する材料、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の発泡樹脂材等で構
成されている。この多孔性樹脂層12aは、可撓性(軟
質性)を有しており、約0.2mm〜約0.8mm程度
の略均一厚に形成されている。
【0024】この多孔性樹脂層12aには、カーボン等
が分散して含有されており、スタンプ用基材12の表面
側が加熱された場合、その表面が溶融して露出する気孔
が閉塞される性質を備えている。よって、スタンプ用基
材12の表面側が圧縮された状態で溶融し固化するとそ
の部分はインキ非滲出部12dとなり、溶融しなかった
部分は前記気孔が表面に露出したインキ滲出部12cと
なる(図5(c)、図6参照)。
【0025】このスタンプ用基材12に含有されるカー
ボン等の重量比率は、本実施例では、ポリウレタン系発
泡樹脂に対し、カーボンの含有率が1.0重量%〜1.
5重量%である。なお、カーボンの含有率はこれに限定
されるものではなく、0.1重量%〜15重量%の範囲
であれば良い。カーボンの含有率が15重量%より大き
いと、スタンプ用基材12自体が黒色となってしまい、
塗布したスタンプインキが何色か分からなくなり、さら
には、スタンプインキを塗布したかどうかも分からなく
なってしまうからである。一方、0.1重量%より小さ
いと、充分な発熱が得られず、スタンプ用基材12の表
面を溶融することができないからである。
【0026】繊維層12bは、機械的、化学的または熱
的に繊維を固着または絡み合わせて製造されるシート状
の構成物である不織布(例えば、ナイロン繊維、ポリエ
ステル繊維、ポリオレフィン繊維等から製造されたフェ
ルト)または毛羽立った織布である起毛布で構成されて
いる。この不織布で構成された繊維層12bは、その内
部へスタンプインキ等の液体を浸透させても膨潤しない
という性質(非膨潤性)を有しており、その上面には多
孔性樹脂層12aが形成されている。この多孔性樹脂層
12aを構成する発泡樹脂材は、繊維層12bの繊維内
に浸透して、繊維層12b内の繊維に絡み付いた状態で
固化している。よって、多孔性樹脂層12aと非膨潤性
を有する繊維層12bとは相互に固着して、スタンプ用
基材12が一体に形成されている。その結果、繊維層1
2bは、スタンプインキを含浸させた多孔性樹脂層12
aの膨潤によるスタンプ印面の変形を防止することがで
きる。
【0027】また、不織布または起毛布で構成された繊
維層12bは、多孔性樹脂層12aと比較して、スタン
プインキ等の液体を吸収する性質が優れている。よっ
て、スタンプインキを繊維層12bに供給すると、後述
するスタンプ印版14にスタンプインキを短時間で含浸
させることができる。また、従来のスタンプインキ含浸
体を用いたスタンプと同様に、スタンプインキを多孔性
樹脂層12aに供給することができるので、別部材とし
てのスタンプインキ含浸体は不要となる。
【0028】更に、繊維層12bは弾性を有しているの
で、スタンプ用基材12に弾力性を付与することができ
る。よって、スタンプ用基材12を使用して製造された
後述のスタンプ15は弾力性を有するので、捺印する場
合、良好な感触が得られるとともにこのスタンプで捺印
すれば鮮明な印像が得られる。また、従来のクッション
材を用いたスタンプと同様に、紙等の印刷媒体に印像を
捺印する場合、スタンプ印面全体に均一な押圧力を加え
ることができるので、別部材としてのクッション材が不
要となる。
【0029】透明PETシート13は、スタンプ用基材
12の融点(例えば、軟質ポリウレタン系樹脂の場合は
約120℃、軟質ポリオレフィン系樹脂の場合は約70
℃である。)より高い温度で溶融する性質を有してお
り、その融点は約230℃である。また、透明PETシ
ート13の厚さは約0.025mm〜約0.2mm程度
である。よって、透明PETシート13とスタンプ用基
材12とを積層して加熱した場合、スタンプ用基材12
が加熱されて溶融しても、透明PETシート13は溶融
することがない。
【0030】次に、スタンプの製造方法について説明す
る。図3に示すように、ユニット本体3からトレー2を
取り出し、係合部材2cと透明可動蓋2bの係合部2f
との係合状態を解除して、トレー2の透明可動蓋2bを
開放した状態にする(図2参照)。この透明可動蓋2b
が開放されたトレー2の凹部2d内にスタンプ用基材1
2の繊維層12bを下方に向けて載置し、透明PETシ
ート13をスタンプ用基材12における多孔性樹脂層1
2a上面に当接して積層するとともに、この透明PET
シート13上面に原稿シート11のフォトクロミック層
11bを当接して積層する。
【0031】その後、透明可動蓋2bを閉塞し係合部材
2cを係合部2fに係合させて、原稿シート11上面を
透明可動蓋2bの押圧部2eにより押圧して、スタンプ
用基材12等を圧縮する(図3、図5(b)参照)。続
いて、この透明可動蓋2bが閉塞されたトレー2を挿入
口4aからユニット本体3内部に挿入する。トレー2が
ユニット本体3に完全に挿入されるとスイッチ装置9が
作動してオン状態となり、電源である乾電池8から給電
されフラッシュバルブ6が閃光する。
【0032】図5(b)に示すように、フラッシュバル
ブ6が閃光すると、その光成分中の赤外線Rは透明可動
蓋2b及び原稿シート11の透明シート11aを通過
し、フォトクロミック層11bの上面に照射される。こ
のとき、フォトクロミック層11bの非透光性部分11
cに照射された赤外線R1は非透光性部分11cに遮断
され、非透光性部分11c以外のフォトクロミック層1
1bの部分に照射された赤外線R2はフォトクロミック
層11b及び透明PETシート13を通過する。
【0033】これにより、スタンプ用基材12におい
て、原稿シート11の非透光性部分11cに対応する部
分については赤外線R1が照射されないので、この部分
のカーボン等は発熱することはない。一方、原稿シート
11の非透光性部分11c以外に対応する部分について
は赤外線R2が照射されるので、この部分のカーボン等
は発熱する。
【0034】この結果、スタンプ用基材12の多孔性樹
脂層12aが形成された面において、フォトクロミック
層11bの非透光性部分11cに対応する部分は、カー
ボン等が発熱しないことから、連続気泡を有するそのま
まの状態のインキ滲出部12cが形成され、一方、非透
光性部分11c以外の対応する部分は、カーボン等が発
熱することによって、その表面が加熱溶融され連続気泡
が閉塞された非インキ滲出部12dが形成されて、スタ
ンプ印版14が製造される(図5(c)、図6参照)。
【0035】尚、透明可動蓋2b方向から照射された赤
外線R1により非透光性部分11cが加熱され温度上昇
して発熱する。しかしながら、非透光性部分11cに蓄
積された熱は、非透光性部分11cが透明PETシート
13に当接しているので、透明PETシート13へと伝
熱され放熱される。よって、スタンプ用基材12におい
て、フォトクロミック層11bの非透光性部分11cに
対応する部分のカーボン等は発熱しないので、連続気泡
を有するそのままの状態のインキ滲出部12cを形成す
ることができる。
【0036】次に、スタンプ印版14を保持するスタン
プ20について説明する。図7(a)はスタンプ20の
断面図であり、図7(b)は鉤状突起部を有する毛状体
で構成された繊維部23を拡大視した概略断面図であ
り、図7(c)は鏃状突起部を有する毛状体で構成され
た繊維部23を拡大視した概略断面図である。スタンプ
20は、上述したスタンプ印版14と、そのスタンプ印
版14が取着されるスタンプ本体21とを備えている。
スタンプ本体21は、プラスチック、金属等で構成され
たスタンプ印版14を嵌合させるためのケース22を備
えており、ケース22の内壁上面には、繊維部23が固
着されている。
【0037】繊維部23は、合成樹脂等で構成された毛
状体がケース22の内壁上面に多数植毛され形成されて
おり、この毛状体の端部には湾曲した鉤状突起部(図7
(b)参照)または尖矢等の鏃状に形成された鏃状突起
部(図7(c)参照)を形成されている。また、ケース
22の上部には、取っ手部24が取り外し可能に係合さ
れており、その取っ手部24の下方には、スタンプ印版
14スタンプインキを供給するためのインク注入口25
が穿設されている。
【0038】このスタンプ20によれば、繊維部23に
スタンプ印版14の繊維層12bを当接して、スタンプ
本体21側へスタンプ印版14を押圧すると、繊維部2
3の毛状体の端部に形成された鉤状突起部または鏃状突
起部が、繊維層12bを構成する不織布または起毛布等
の繊維に絡み付いて引っ掛かり、繊維部23に繊維層1
2bが取着され、スタンプ印版14がスタンプ本体21
に装着される。次に、取っ手部24を取り外し、インク
注入口25からスタンプインキを供給し、スタンプ印版
14の繊維層12bにスタンプインキを含浸させ、スタ
ンプ20のスタンプ印版14を紙等の印刷媒体に押しつ
けると、スタンプ印版14のインキ滲出部12cからス
タンプインキが滲出して、紙等の印刷媒体に印像を捺印
することができる。
【0039】また、スタンプ印版14を繊維部23から
引き剥がすと、繊維部23の毛状体の端部に形成された
鉤状突起部または鏃状突起部と、繊維層12bを構成す
る不織布または起毛布等の繊維との絡み合いが解かれ
て、繊維層12bが繊維部23から剥がれ、スタンプ印
版14とスタンプ本体21とを分離することができる。
よって、印像の異なる複数のスタンプ印版14を逐次交
換して、スタンプ本体21に取着することにより、所望
の印像を紙等の印刷媒体に捺印することができる。
【0040】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0041】例えば、本実施例では、スタンプ用基材1
2の多孔性樹脂層12aを溶融させる熱源としてフラッ
シュバルブ6を使用した。しかし、熱源の種類はこれに
限られるものではなく、その光成分中に赤外線が含まれ
るキセノン管等の光源、又は、サーマルヘッド等の発熱
体をフラッシュバルブ6に代替しても良い。
【0042】また、本実施例において原稿シート11に
は、フォトクロミック層11bが形成された透明シート
11aを使用した。しかし、原稿シートは、例えば、黒
色、白色、金色、銀色透の任意の色彩の非透光性のイン
キで画像を描かれたトレーシング用原稿用紙を使用して
も良い。即ち、原稿シートは、透光性を有する用紙等に
非透光性の部分を形成することにより画像を描いたもの
であれば良いのである。
【0043】また、本実施例においてスタンプ用基材1
2には、ポリオレフィン系樹脂等の発泡樹脂等が使用さ
れたが、ゴム系の素材を使用しても良い。即ち、スタン
プ用基材は、発泡材料であって多孔性シートに形成した
とき軟質性を有するものであれば良いのである。
【0044】更に、本実施例においてスタンプ用基材1
2にはカーボン等を分散等させて含有させた。しかし、
スタンプ用基材に含有させる素材は、例えば、塩化銀ま
たは臭化銀等の高分子物質または光エネルギー吸収物質
であっても良い。即ち、光線の照射により加熱され発熱
する物質であればよい。
【0045】
【発明の効果】 請求項1記載のスタンプ用基材よれ
ば、スタンプインキを含浸した多孔性シートと変形抑制
材とが一体に形成されているので、スタンプインキを含
浸した多孔性シートの膨潤は、変形抑制材により抑制さ
れる。よって、スタンプ印面の変形を防止することがで
き、紙面上等に鮮明な印像を捺印することができるとい
う効果がある。
【0046】請求項2記載のスタンプ用基材は、請求項
1記載のスタンプ用基材の奏する効果に加え、変形抑制
材はスタンプインキを含浸することができるので、スタ
ンプインキ含浸体としても機能する。よって、従来のス
タンプ印版における別部材としてのスタンプインキ含浸
体が不要となるので、部品点数が減少するとともに製造
コストを低減することができるという効果がある。
【0047】請求項3記載のスタンプ用基材は、請求項
1または2に記載のスタンプ用基材の奏する効果に加
え、変形抑制材は弾性を有しているので、スタンプ用基
材に弾力性が付与される。よって、紙等の印刷媒体に印
像を捺印する場合、スタンプ印面全体に均一な押圧力を
加えることができるという効果がある。その結果、従来
のスタンプ印版における別部材としてのクッション材が
不要となるので、スタンプの部品点数が減少するととも
に製造コストを低減することができるという効果があ
る。
【0048】請求項4記載のスタンプ用基材は、請求項
1から3のいずれかに記載のスタンプ用基材の奏する効
果に加え、変形抑制材にはスタンプインキ等の液体の吸
収性に優れた不織布または起毛布が使用されているの
で、短時間のうちにスタンプインキを充分に含浸するこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の一実施例であるスタンプ
用基材を使用してスタンプ印版を製造するためのスタン
プユニットの上面図であり、(b)は(a)の側断面図
である。
【図2】 透明可動蓋を開放した状態のトレーの斜視図
である。
【図3】 透明可動蓋を閉塞した状態のトレーと、その
トレーが取り出されたユニット本体との斜視図である。
【図4】 (a)は、製版前のスタンプ用基材の斜視図
であり、(b)は、(a)の断面図である。
【図5】 (a)は、スタンプ印版の製造方法における
各基材の積層状態を示す断面図であり、(b)は、光照
射時の各基材の積層断面図であり、(c)は、製版後の
スタンプ印版の断面図である。
【図6】 スタンプ印版の斜視図である。
【図7】 (a)は、スタンプの断面図であり、(b)
は、鉤状突起部を有する毛状体で構成された繊維部を拡
大視した概略断面図であり、(c)は、鏃状突起部を有
する毛状体で構成された繊維部を拡大視した概略断面図
である。
【符号の説明】
11 原稿シート 11a 透明シート 11b フォトクロミック層 12 スタンプ用基材 12a 多孔性樹脂層(多孔性
シート) 12b 繊維層(変形抑制材) 12c インキ滲出部 12d インキ非滲出部 13 透明PETシート 14 スタンプ印版 R,R1,R2 赤外線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続気泡を有しスタンプインキを含浸す
    ることができる多孔性シートを備えたスタンプ用基材に
    おいて、 前記多孔性シートには、前記スタンプインキを含浸させ
    た前記多孔性シートの膨潤による変形を抑制するための
    変形抑制材が一体に形成されていることを特徴とするス
    タンプ用基材。
  2. 【請求項2】 前記変形抑制材は前記スタンプインキを
    含浸可能な材料であることを特徴とする請求項1記載の
    スタンプ用基材。
  3. 【請求項3】 前記変形抑制材は弾性を有していること
    を特徴とする請求項1または2に記載のスタンプ用基
    材。
  4. 【請求項4】 前記変形抑制材は不織布または起毛布で
    構成されていることを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載のスタンプ用基材。
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