JPH10270856A - ボールグリッドアレイパッケージ形半導体部品の実装構造 - Google Patents

ボールグリッドアレイパッケージ形半導体部品の実装構造

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JPH10270856A
JPH10270856A JP9075686A JP7568697A JPH10270856A JP H10270856 A JPH10270856 A JP H10270856A JP 9075686 A JP9075686 A JP 9075686A JP 7568697 A JP7568697 A JP 7568697A JP H10270856 A JPH10270856 A JP H10270856A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 はんだ接続部のボイドの発生を防止し接続の
信頼性を向上する。 【解決手段】 BGA部品21は、はんだバンプをグリ
ッド状に有して構成され、多層配線基板22の第1及び
第2のパッド33及び34に、はんだ接続部25によっ
て接続される。外側2列に位置する第1のパッド33
を、表面導体パターン29と接続される表面べたパッド
とする。内側2列に位置する第2のパッド34を、表面
側絶縁層27を貫通するように形成されたブラインドバ
イアホール35を介して、内層導体パターン30に接続
される構成とする。第2のパッド34は第1のパッド3
3よりも大きくなるが、ソルダレジスト36によりその
露出部分を同等の大きさとする。多層配線基板22をサ
ブトラクティブ法により製造する。第1及び第2のパッ
ド33及び34は共に表面がフラットなので、空気が残
存することなくクリームはんだが印刷される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールグリッドア
レイパッケージ形の半導体部品を、バンプ接続用の複数
個のパッドを有する多層配線基板に実装する構造を改良
したボールグリッドアレイパッケージ形半導体部品の実
装構造に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】ボールグリッドアレイ
パッケージ形の半導体部品1(以下、BGA部品1と省
略する)は、図15(b)に一部を示すように、パッケ
ージ2の実装面(下面)に、ボール形の多数個のはんだ
バンプ3をグリッド状に有して構成されている。従来で
は、このようなBGA部品1の実装構造としては、図1
0及び図11に示すような、スルーホール4を有する多
層配線基板5を用いるものがあった。
【0003】この多層配線基板5の表面には、前記BG
A部品1のはんだバンプ3に対応したパッド6,7が設
けられている。このうち、外側2列に位置するパッド6
は、そのまま表面導体パターン8に接続されるのである
が、外側から3列目以降の内側のパッド7(図10で1
個のみ図示)は、表面導体パターン8に接続する余地
(パターンを引出す部分)がないため、そのパッド7の
近傍に形成されたスルーホール4を介して内層導体パタ
ーン9に接続されるようになっていた。尚、前記BGA
部品1を実装するにあたっては、前記パッド6,7に対
してクリームはんだを印刷した上で、BGA部品1をマ
ウントし、その後リフロー炉を通してはんだを溶融硬化
させて電気的,物理的な接続を行うようになっている。
【0004】ところで、近年では、部品の小形化や実装
密度の高密度化により、前記パッド6,7の直径寸法が
0.4mm以下とされ、その縦横の配置ピッチ(つまりB
GA部品1のはんだバンプ3の形成ピッチ)も、1.0
mm以下、例えば0.8mmと小形化してきている。これに
対し、前記スルーホール4は、機械加工(ドリルによる
穴あけ)によって形成されるために小形化に限度があ
り、その穴の内径寸法が0.3mm、表面導体部の直径寸
法が0.6mm程度が限度であった。このため、図10及
び図11に示す構成では、パッド6,7の配置ピッチが
小さく(1.0mm以下)なると、導体同士間の最小クリ
アランスaが、0.06mm程度となってしまい、絶縁性
の観点からは品質的に問題がある。
【0005】そこで、近年では、例えば特開平8−16
2767号公報に示されるように、凹状バイアホールを
用いることが行われてきてる。このものでは、図12及
び図13に示すように、多層配線基板10は、内側に位
置するパッド11を、断面U字状のいわゆる凹状バイア
ホール11aを介して内層導体パターン9に接続するよ
うにしている。この場合、前記多層配線基板10は、図
14に示すように、感光性絶縁樹脂の層を積上げるよう
にしたビルトアップ法により、次のようにして製造され
る。
【0006】即ち、まず、ベース基板12の上下両面
に、内層導体パターン9,13を形成し(図14(a)
参照)、更にその両面に感光性絶縁樹脂14,14を積
層し、必要個所(後にバイアホール11aとなる位置)
にフォト法により穴14aを形成する(図14(b)参
照)。次に、両面に銅メッキを施し、エッチングにより
表面導体パターン8及びパッド6,11、並びに裏面側
の導体パターン15を形成する(図14(c)参照)。
そして、表面の導体部分にニッケル又は金のメッキを施
して(図14(d)参照)、最後にソルダレジスト16
を形成するのである(図14(e)参照)。
【0007】これによれば、凹状バイアホール11aは
フォト法によって形成されるため、その内径寸法を0.
1mm程度に小さくすることができてパッド11自体の直
径寸法もパッド6と同等に小さくすることができる。従
って、パッド6,11の配置ピッチを小さくしても、導
体同士間の最小クリアランスbを0.15mm程度とする
ことができ、もって十分な絶縁性を確保することができ
るのである。
【0008】しかしながら、上記したような凹状バイア
ホール11aを用いる実装構造では、BGA部品1を実
装した際(図15参照)に、パッド11部分のはんだ接
続部17内にボイドBが含まれてしまう問題が生じてい
た。このようにはんだ接続部17内にボイドBが生ずる
と、ストレスに対する強度が低下して接続の信頼性が低
下してしまう不具合を招く。はんだ接続部17内にボイ
ドBが生ずる要因は、次のようなメカニズムによるもの
と考えられる。
【0009】即ち、図15(a)は、クリームはんだ1
8の印刷時の様子を示しており、多層配線基板10上に
メタルマスク19が密着され、スキージ20がそのメタ
ルマスク19の上面を矢印A方向に移動されることによ
り、メタルマスク19上に供給されたクリームはんだ1
8が、透孔19aを通して基板10(パッド6,11)
上に塗布され、その後メタルマスク19が上昇されるよ
うになっている。ところが、クリームはんだ18がメタ
ルマスク19の透孔19aを通って塗布される際に、そ
のクリームはんだ18が凹状バイアホール11aの開口
部全体を一気に塞ぐようにしながら供給されることにな
り(図15(a)参照)、バイアホール11a内に空気
(気泡)が閉じ込められた状態でクリームはんだ18に
より蓋がされた形態となる。
【0010】そして、図15(b),(c),(d)に
示すように、その状態からBGA部品1が実装される
と、前記クリームはんだ18とはんだバンプ3とが一体
化して溶融し硬化してはんだ接続部17となるのである
が、その際に、バイアホール11a内に残っていた空気
が、その後のリフローの工程ではんだ接続部17内を上
昇するように移動してボイドBとなるのである。
【0011】なお、その他にも、上記のようなビルトア
ップ法により製造された多層配線基板10は、特に穴あ
けのための製造工程が複雑となってコスト高となり、ま
た、パッド11と内層導体パターン13との接続が、バ
イアホール11aの底部のみで行われているため、メッ
キ金属がいわば点接続された状態となって密着強度(ピ
ール強度)が比較的低いといった事情もあった。
【0012】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、はんだ接続部のボイドの発生を防止で
きて接続の信頼性を向上させることができるボールグリ
ッドアレイパッケージ形半導体部品の実装構造を提供す
るにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ボールグ
リッドアレイパッケージ形半導体部品を多層配線基板に
実装した際にはんだ接続部にボイドが生ずる要因は、は
んだ印刷時に凹状バイアホール内に空気が閉じ込められ
て残存することにあるという知見に基づき、従来では凹
状バイアホールとしていたものを、穴が塞がれた形態の
ブラインドバイアホールに置き換えることにより、はん
だ印刷時の空気の残存を未然に防止することができるこ
とを確認したのである。
【0014】即ち、本発明の請求項1のボールグリッド
アレイパッケージ形半導体部品の実装構造は、ボールグ
リッドアレイパッケージ形の半導体部品を、バンプ接続
用の複数個のパッドを有する多層配線基板に対して、前
記パッドに印刷されたはんだを介して実装する構造にあ
って、前記パッドを、前記多層配線基板の表面導体に接
続される第1のパッドと、ブラインドバイアホールを介
して前記多層配線基板の内層導体に接続される第2のパ
ッドとを含んで構成したところに特徴を有するものであ
る。
【0015】これによれば、第2のパッドは、ブライン
ドバイアホールを介して内層導体に接続されるので、そ
の表面を凹凸のないフラットな状態とすることができ
る。また、表面導体に接続される第1のパッドの表面が
フラットとされることは勿論である。従って、はんだ
は、共にフラットな第1及び第2のパッドの表面に印刷
されることになり、空気が残存することはなくなるので
ある。
【0016】この結果、本発明によれば、はんだ接続部
のボイドの発生を防止できて接続の信頼性を向上させる
ことができるという優れた効果を得ることができる。ま
た、このブラインドバイアホールにおいては、穴の端部
の周囲部における広い面積にて内層導体と接続されるよ
うになるので、凹状バイアホールを用いた場合と比較し
て、接続の強度(ピール強度)を大幅に向上させること
ができるのである。
【0017】この場合、ブラインドバイアホールを有す
る多層配線基板を製造するにあたっては、半硬化状の基
材を重ね合わせてプレスするサブトラクティブ法を用い
るようにすれば良く、これにより多層配線基板の製造工
程が簡単となりコストダウンを図ることができるように
なる。ところが、サブトラクティブ基板においては、ブ
ラインドバイアホールを形成するための穴あけ加工がド
リル等による機械加工となってしまい、その内径寸法に
限界があり、ひいては第2のパッドの大きさが、第1の
パッドよりも大きくなってしまうことになる。
【0018】本発明者等は、このように、多層配線基板
をサブトラクティブ基板から構成し、そのために第2の
パッドが第1のパッドよりも大きくなるものにあって
(請求項2の発明)、パッドの配置ピッチを小さくした
場合でも、導体同士間の絶縁に必要なクリアランスを十
分に確保することができることを確認したのである。従
って、請求項2の発明によれば、導体同士間の絶縁性を
確保しながらも、多層配線基板を安価な構成で済ませる
ことができるものである。
【0019】ところで、そのように第1のパッドと第2
のパッドとの大きさが相違すると、第2のパッドのはん
だ接続面(導体部)が第1のパッドのはんだ接続面より
も大きくなり、部品実装後の各はんだ接続部に対するス
トレスのかかり具合が不均等となってしまう虞がある。
ところが、第2のパッドの表面の外周部をソルダレジス
トにより覆うことによって、その露出部分の大きさを第
1のパッドの大きさと均等とする構成とすれば(請求項
3の発明)、各はんだ接続部に対するストレスのかかり
具合が均等となって高い接続強度を得ることができるも
のである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例(請求項
1〜3に対応)について、図1ないし図7を参照しなが
ら説明する。図1及び図2は、ボールグリッドアレイパ
ッケージ形半導体部品21(以下、BGA部品21と省
略する)を、多層配線基板22に実装した様子を示して
いる。
【0021】前記BGA部品21は、図5(b)にも示
すように、矩形状のパッケージ23の実装面(図で下
面)に、ボール状の複数個のはんだバンプ24(後には
んだ接続部25となる)をグリッド状(格子状)に有し
て構成されている。この場合、図2から理解できるよう
に、はんだバンプ24は、パッケージ23の下面うち、
その中央部の矩形状領域を除いた矩形枠状領域に内外方
向に4列に渡って形成されている。また、はんだバンプ
24の縦横方向の形成ピッチ(ひいては後述するパッド
の配置ピッチc)は、1.0mm以下例えば0.8mmと狭
小なものとされている。
【0022】これに対し、前記多層配線基板22は、後
述するように、サブトラクティブ法により製造されるサ
ブトラクティブ基板から構成される。この多層配線基板
22は、図1及び図4に示すように、中間絶縁層26の
表裏(図で上下)両面側に、夫々表面側絶縁層27、裏
面側絶縁層28を有し、これと共に、前記表面側絶縁層
27の表面部に位置して表面導体パターン29、表面側
絶縁層27と中間絶縁層26との間に位置して内層導体
パターン30、前記裏面側絶縁層28の裏面部に位置し
て裏面導体パターン31、裏面側絶縁層28と中間絶縁
層26との間に位置して裏面側内層導体パターン32を
有して構成されている。
【0023】さて、この多層配線基板22(表面側絶縁
層27)の表面部の前記BGA部品21が実装される部
位には、図3にも示すように、前記はんだバンプ24に
対応して複数個のバンプ接続用のパッド33,34が設
けられる。そのうち外側(図1.図4で左側)2列に位
置する第1のパッド33は、前記表面導体パターン29
と一体に形成されるいわゆる表面べたパッドとされてい
る。
【0024】本実施例では、この第1のパッド33は、
直径寸法d(図3参照)が例えば0.4mmの円形状に形
成され、外方に延びる表面導体パターン29に接続され
ている。このとき、外側から2列目の第1のパッド33
に接続される表面導体パターン29は、1列目の第1の
パッド33同士間を通って導出されている。尚、表面導
体パターン29の1本の幅寸法は、例えば0.1mmとさ
れ、第1のパッド33と表面導体パターン29との間の
最小クリアランスe(図3参照)は、例えば0.15mm
とされている。
【0025】そして、この多層配線基板22の表面のう
ちBGA部品21の内側2列のはんだバンプ24に対応
した位置には、第2のパッド34が設けられる。図1及
び図4に示すように、この第2のパッド34は、前記表
面側絶縁層27を貫通するように形成されたブラインド
バイアホール35を介して、前記内層導体パターン30
に接続されている。
【0026】このブラインドバイアホール35は、後述
するような製造方法によって形成され、表面側絶縁層2
7を貫通する穴の内周面部及びその表裏両面側の開口の
周囲部に連続する導体を設け、その穴を絶縁材により塞
いだ形態をなし、前記第2のパッド34は、その表面周
囲部のリング状の導体部に接触して覆う円形状に形成さ
れている。また、表面側絶縁層27の下面側のリング状
の導体部が、前記内層導体パターン30に一体的に接続
されている。
【0027】このとき、図3に示すように、この第2の
パッド34の直径寸法fは例えば0.6mmとされ、前記
第1のパッド33よりも大きいものとなっている。隣合
う第2のパッド34同士間のクリアランスgは、0.2
mmが確保される。なお、図1に示すように、この多層配
線基板22の表裏両面部は、必要部分(パッド33,3
4部分等)を除いて、ソルダレジスト36により覆われ
るようになっている。図3及び図4には、このソルダレ
ジスト36の図示を省略している。
【0028】本実施例では、表面側のソルダレジスト3
6は、第1のパッド33の全体を露出させると共に、第
2のパッド34の外周部を覆ってその露出部分の大きさ
を前記第1のパッド33と同等とするように設けられて
いる。また、前記第1及び第2のパッド33及び34
(露出部分)には、後述するようにペースト状のクリー
ムはんだ37(図6参照)が印刷され、その上でBGA
部品21が実装されるようになっている。
【0029】ここで、前記多層配線基板22の製造方法
(サブトラクティブ法)について述べる。図5は、多層
配線基板22の製造の工程を順に示している。即ち、ま
ず、表面側絶縁層27となる絶縁材の両面に銅箔を貼付
けてなる両面銅張積層板38に(a)、ブラインドバイ
アホール35の形成位置に、ドリルによる穴あけ加工を
行って穴38aを形成する(b)。そして、全面に銅メ
ッキを施すことにより、穴38a内にスルーホール状の
ブラインドバイアホール35の導体を形成し(c)、次
いで、エッチングにより、表面側に、後に表面導体パタ
ーン29及び第1のパッド33並びに第2のパッド34
の一部となる表面導体39を形成すると共に、裏面側に
内層導体パターン30を形成する(d)。これにより、
表面導体39のうち後に第2のパッド34が形成される
部分が、スルーホール40により内層導体パターン30
に接続された形態とされる。
【0030】次に、裏面側絶縁層28となる両面銅張積
層板41にも同様の加工を行い、前記両面銅張積層板3
8とその両面銅張積層板41との間に、中間絶縁層26
となるプリプレグ(半硬化)状の絶縁材42を挟んでプ
レス加工を行う(e)。これにより、表面側絶縁層2
7、中間絶縁層26、裏面側絶縁層28の三者が一体化
し、内層導体パターン30及び裏面側内層導体パターン
32が埋設状態とされた形態の多層基板43とされ、こ
れと共に、絶縁材42の材料の一部がスルーホール39
内に進入して穴が塞がれ、もってブラインドバイアホー
ル35が形成されるようになる。
【0031】そして、この多層基板43の全面に銅メッ
キを施し(f)、次いで、表面のエッチングにより、表
面導体パターン29及び第1のパッド33並びに第2の
パッド34を形成するのである(g)。この後、表面の
導体部分にニッケル又は金のメッキを施して(h)、最
後にソルダレジスト36を形成して(i)、多層配線基
板22が構成されるのである。尚、前記ソルダレジスト
36は、上述のように、第2のパッド34の露出部分の
大きさを第1のパッド33と同等とするように形成さ
れ、例えば露出部分の直径寸法が0.45mmとされてい
る。
【0032】さて、上記のように構成された多層配線基
板22に対して、BGA部品21を実装する手順につい
て、図6及び図7も参照しながら述べる。図6は、多層
配線基板22に対するBGA部品21の実装手順を示し
ている。即ち、まず、図6(a)に示すように、多層配
線基板22(パッド33,34)の上面にクリームはん
だ37を印刷塗布する工程が実行される。この印刷の工
程では、図7に示すようなメタルマスク44が用いられ
る。このメタルマスク44は、前記パッド33,34に
対応した透孔44aが形成されているのであるが、この
とき、第2のパッド34に対応する透孔44aは、その
露出部分のみに対応した直径に形成されている。
【0033】この印刷の工程では、多層配線基板22の
上面にメタルマスク44が密着され、そのメタルマスク
44上にクリームはんだ37が供給された状態で、スキ
ージ45が矢印A方向に摺動しながら移動し、透孔44
a内に充填された状態となる。この後、メタルマスク4
4が上昇されることにより、クリームはんだ37が、透
孔44aを通してパッド33,34の上面に盛り上がっ
た状態に印刷されるのである。
【0034】しかる後、図6(b)に示すように、各パ
ッド33,34とはんだバンプ24とが位置合せされた
状態で、多層配線基板22上にBGA部品21がマウン
トされる。そして、図6(c)に示すように、図示しな
いリフロー炉を通されることにより、はんだバンプ24
とクリームはんだ37とが溶融し一体化して硬化し、は
んだ接続部25となり、もって多層配線基板22に対す
るBGA部品21の電気的,物理的接続がなされるので
ある。
【0035】しかして、このとき、従来例で述べたよう
に、凹状バイアホール11aを用いてパッド11と内層
導体パターン9とを接続するようにしたものでは、凹状
バイアホール11a内に空気が閉じ込められた状態でク
リームはんだ18が印刷されてはんだ接続部17内にボ
イドBが生ずるといった虞があった。ところが、本実施
例では、第1のパッド33の表面がフラットであること
は勿論、第2のパッド34についても、ブラインドバイ
アホール35を介して内層導体パターン30に接続され
るので、その表面を凹凸のないフラットな状態とするこ
とができる。
【0036】従って、本実施例によれば、クリームはん
だ37は、共にフラットな第1及び第2のパッド33及
び34の表面に空気が残存することなく印刷されるよう
になり、はんだ接続部25のボイドの発生を防止でき、
ひいては接続の信頼性を大幅に向上させることができる
という優れた効果を得ることができる。しかも、ブライ
ンドバイアホール35においては、穴の端部の周囲部に
おける広い面積にて内層導体パターン30と接続される
ようになるので、凹状バイアホール11aを用いた場合
と比較して、接続の強度(ピール強度)を大幅に向上さ
せることができるものである。ちなみに、本実施例のブ
ラインドバイアホール35では、凹状バイアホール11
aを用いた場合の約10倍の強度が得られた。
【0037】そして、本実施例では、ブラインドバイア
ホール35を有する多層配線基板22の製造に、サブト
ラクティブ法を採用するようにしたので、従来のような
ビルトアップ法を用いて製造された多層配線基板10と
は異なり、製造工程が簡単となり大幅なコストダウンを
図ることができるようになった。この場合、サブトラク
ティブ法を用いたことにより、ブラインドバイアホール
35を形成する穴38aの内径寸法が比較的大きく
(0.3mm)なってしまう事情があるが、第2のパッド
34が第1のパッド33よりも大きくなっても、導体同
士間の絶縁に必要なクリアランスを十分に確保すること
ができるものである。
【0038】さらに、特に本実施例では、第2のパッド
34の表面の外周部をソルダレジスト36により覆うこ
とによって、その露出部分の大きさを第1のパッド33
の露出部分の大きさと均等とするようにしたので、各は
んだ接続部25の大きさ(パッド33,34との接着面
積)が均等となって、各はんだ接続部25に対するスト
レスのかかり具合が均等となって高い接続強度を得るこ
とができるというメリットも得ることができる。
【0039】図8及び図9は、本発明の他の実施例に係
る多層配線基板51を示すものである。この実施例にお
いては、図8に示すように、バンプ接続用の3列のパッ
ドのうち、外側1列を上記実施例と同様の第1のパッド
33とし、その内側1列を上記実施例と同様の第2のパ
ッド34(ブラインドバイアホール35を介して内層導
体パターン30に接続されている)とし、最も内側の1
列を第3のパッド52としている。
【0040】これら各第3のパッド52は、この第3の
パッド52と共に表面導体パターン29と一体に形成さ
れる細幅の接続部53を介して、パッド33,34,5
2の内側の領域に形成されたスルーホール54に接続さ
れ、そのスルーホール54を介して内層導体パターン3
0(あるいは32)に接続されている。この場合、スル
ーホール54(及び接続部53)の形成位置を設定する
ことによって、導体同士間の0.15mm以上のクリアラ
ンス(例えば寸法hが0.158mm)が確保されるよう
になっている。
【0041】このような多層配線基板51も、上記実施
例と同様にサブトラクティブ法により製造される。この
ときには、図5(d)に示したエッチングによるパター
ン形成時に、表面導体パターン29、第1のパッド3
3、第2のパッド34の一部(スルーホール40)、第
3のパッド52、導体部53となる表面導体、内層導体
パターン30等を形成しておき、積層プレスによって多
層基板55を構成する(以上の工程についての図示は省
略)。
【0042】そして、図9に示すように、その多層基板
55のうちスルーホール54を形成する位置にドリルに
より穴55aを形成し(a)、全面に銅メッキを施すこ
とにより、穴55a内にスルーホール54の導体を形成
し(b)、次いで、エッチングにより不要部を除去する
(c)。これにより、詳しく図示はしていないが、第3
のパッド52が接続部53を介してスルーホール54に
接続された形態に構成される。この後、表面の導体部分
にニッケル及び金のメッキを施して(d)、最後にソル
ダレジスト36を形成して(e)、多層配線基板51が
構成されるのである。
【0043】このような構成においても、第2のパッド
34を設けたことにより、上記第1の実施例と同様の効
果を得ることができる。そして、これと共に、第1のパ
ッド33,第2のパッド34,第3のパッド52の3種
類の異なる形態のパッドを混在させることにより、十分
な絶縁性を確保しつつ合理的な配線を行うための、基板
の設計の自由度をより一層高めることができるものであ
る。
【0044】尚、本発明は、上記した各実施例に限定さ
れるものではなく、例えば同一の列においても、第1の
パッドと第2のパッド(更には第3のパッド)とを混在
させるように設けても良く、また、上記した各部の具体
的な寸法や具体的な製造方法は一例に過ぎず各種の変形
が可能である等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更し
て実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、BGA部品の
基板への実装構造を示す縦断正面図
【図2】BGA部品の基板への実装構造を示す平面図
【図3】パッド部分を示す部分的な平面図
【図4】図3のX−X線に沿う縦断正面図
【図5】多層配線基板の製造工程を示す図
【図6】BGA部品の実装工程を示す図
【図7】メタルマスクの平面図
【図8】本発明の他の実施例を示す図3相当図
【図9】多層配線基板の製造工程を途中から示す図
【図10】従来例を示す図3相当図
【図11】図10のX−X線に沿う縦断正面図(a)及
びY−Y線に沿う縦断正面図(b)を並べて示す図
【図12】他の従来例を示す図3相当図
【図13】図12のX−X線に沿う縦断正面図
【図14】図5相当図
【図15】図6相当図
【符号の説明】
図面中、21はボールグリッドアレイパッケージ形半導
体部品、22,51は多層配線基板、24ははんだバン
プ、25ははんだ接続部、29は表面導体パターン、3
0は内層導体パターン、33は第1のパッド、34は第
2のパッド、35はブラインドバイアホール、36はソ
ルダレジスト、37はクリームはんだを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 晃嘉 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボールグリッドアレイパッケージ形の半
    導体部品を、バンプ接続用の複数個のパッドを有する多
    層配線基板に対して、前記パッドに印刷されたはんだを
    介して実装する構造であって、 前記パッドは、前記多層配線基板の表面導体に接続され
    る第1のパッドと、ブラインドバイアホールを介して前
    記多層配線基板の内層導体に接続される第2のパッドと
    を含んでなることを特徴とするボールグリッドアレイパ
    ッケージ形半導体部品の実装構造。
  2. 【請求項2】 前記多層配線基板は、サブトラクティブ
    基板からなり、前記第2のパッドが、前記第1のパッド
    よりも大きく構成されていることを特徴とする請求項1
    記載のボールグリッドアレイパッケージ形半導体部品の
    実装構造。
  3. 【請求項3】 前記第2のパッドは、表面の外周部がソ
    ルダレジストにより覆われることにより、その露出部分
    の大きさが前記第1のパッドの大きさと均等とされてい
    ることを特徴とする請求項2記載のボールグリッドアレ
    イパッケージ形半導体部品の実装構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN118250897A (zh) * 2024-05-29 2024-06-25 苏州元脑智能科技有限公司 一种焊盘阵列、印刷线路板及其制造方法、板卡、服务器及芯片

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