JPH10268655A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JPH10268655A
JPH10268655A JP6935497A JP6935497A JPH10268655A JP H10268655 A JPH10268655 A JP H10268655A JP 6935497 A JP6935497 A JP 6935497A JP 6935497 A JP6935497 A JP 6935497A JP H10268655 A JPH10268655 A JP H10268655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
transfer belt
transfer
conductive
intermediate transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6935497A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Hara
幸雄 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP6935497A priority Critical patent/JPH10268655A/ja
Publication of JPH10268655A publication Critical patent/JPH10268655A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電現象による転写画像の白抜けという転写
不良を防止して、良質の画像を安定に得ることのできる
画像形成装置を提供する。 【解決手段】 本発明の画像形成装置は、像担持体1上
に担持されたトナー像が一次転写される中間転写体11
と、中間転写体11上の未定着トナー像を記録媒体Pに
二次転写する転写ベルト5と、転写ベルト5を張架する
複数の回転可能な支持ロール(6a,6b,…)等を備え
る。支持ロールのうち2つは導電性ロール6a,6bで
構成される。転写ベルト5は、二次転写時に導電性ロー
ル6a,6b間の全面にわって、中間転写体11表面に
当接しながら矢印方向に走行する。導電性ロール6a,
6b間には電位差をもたせるよう電圧を印加すると共
に、記録媒体Pが侵入する側の導電性ロール6aまたは
記録媒体Pが排出される側の導電性ロール6bと中間転
写体11とを同電位とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機,
レーザプリンター,ファクシミリ,これらの複合機器等
の電子写真方式を利用した画像形成装置に関する。より
具体的には、転写ベルトを用いて、像担持体または中間
転写体に担持されたトナー像を用紙等の記録媒体に静電
的に転写する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を利用した画像形成装置
は、無機または有機光導電性材料で構成された感光体ド
ラム等からなる像担持体上に一様な電荷を形成し、画像
信号を変調したレーザ光等で静電潜像を形成した後、帯
電したトナーにより静電潜像を現像して可視化されたト
ナー像とする。そして、このトナー像を中間転写体を介
してあるいは直接用紙等の記録媒体に静電的に転写する
ことにより所要の再生画像が得られる。特に、像担持体
上に形成されたトナー像を中間転写体に一次転写し、更
に中間転写体上のトナー像を記録媒体に二次転写する方
式を採用したものでは、導電性のバイアスロールを用い
て記録媒体を中間転写体に押圧し、電界の作用によりト
ナー像を静電的に転写するバイアスロール方式の画像形
成装置が知られている。導電性のバイアスロールに転写
電圧を印加しながら静電転写するバイアスローラ転写法
は、バイアスロールの押圧力を受けると共に転写電流の
通路を形成するバックアップロールを備えている。上記
方式を採用した画像形成装置の従来例としては、例えば
特開平6−95521号公報,特開平6−124049
号公報等に開示されている。
【0003】特開平6−95521号公報に開示された
転写装置の二次転写部において、中間転写体はバックア
ップロールと複数の支持ローラにより張架され、電源か
ら転写電圧が印加されるバイアスロールと、転写電圧に
基づく転写電流の通路を形成するためにバックアップロ
ールに押圧して回転するアースロールを備えている。バ
イアスロールとしては、アルミニウム製の金属ロールが
用いられる。そして、上記電源からバイアスロールとバ
ックアップロールとの間に転写電圧を印加すると、中間
転写体上のトナー像が用紙へ転写される。上記特開平6
−124049号公報には、芯金と体積抵抗率を107
〜1010Ωcmの範囲に設定した弾性部材とでバイアスロ
ール(転写ローラ)を形成した画像形成装置が開示され
ている。さらに、バイアスロール方式の画像形成装置と
しては、例えば導電性スポンジ層を内層としてこれを体
積抵抗率106Ωcm 程度の導電性ゴム層または誘電体フ
ィルムで被覆した中間転写体ドラム(特開平4−287
070号公報)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バイア
スロールとして金属ロールを用いる特開平6−9552
1号公報に開示された転写装置においては、用紙が中間
転写体を介してバイアスロールによりバックアップロー
ルに押圧されるので、電界の作用によりトナー像を静電
的に転写する二次転写部にバイアスロールによる押圧力
の荷重が集中する。そのため、トナーが凝集し、電荷密
度が高くなり、引いてはトナー層内部で放電が発生して
トナーの極性を変化させることがある。このような要因
によって、上記従来の技術では、ライン画像が中抜けす
るホローキャラクタの画質欠陥を発生するという問題が
ある。この問題の対策として、バイアスロールをアスカ
ーC硬度で20〜45°の範囲の低硬度にする必要があ
る。ゴム材料を低硬度にする方法としては、ゴム材料に
低分子量の可塑剤等を配合する方法と、ゴム材料を発泡
体とする方法がある。しかし、前者の可塑剤等を配合す
る方法では、ロール表面から滲み出る可塑剤等が汚染物
質として画質に悪影響を与えるので、好ましくない。後
者のゴム材料を発泡体とする方法では、中間転写体等に
残留したトナーがバイアスロールに転移した場合、発泡
セルに詰まったトナーがその後搬送される記録媒体の裏
面に裏汚れを発生させるという問題がある。
【0005】さらに、特開平6−124049号公報等
に開示されたバイアスロール方式を採用した従来の画像
形成装置では、二次転写部に送り出される転写用紙の搬
送方向と、二次転写部における中間転写ベルトの走行方
向または中間転写ドラムの接線方向とのなす角度が通常
10〜30°位に設定されている。そのため、転写ニッ
プ直前のプレニップ部で転写用紙と中間転写体の間に隙
間が空いてしまい、プレニップ部に転写電界がかかると
放電が発生するようになる。この放電現象により、例え
ば特開平4−287070号公報等の中間転写体上に担
持されたトナーの一部が逆極性となって、転写不良が発
生し、転写用紙上に一部白抜けという画像欠陥が生じ
る。特に表面抵抗の高いOHPシートではこの欠陥が顕
著である。つまり、中間転写体のように表面が半導電性
材料で形成されている場合は、転写用紙と中間転写体の
静電的付着力が非常に小さいので、転写用紙が中間転写
体に密着する部分はバイアスロールが圧接しているニッ
プ領域だけである。すなわち、プレニップ部では転写用
紙が中間転写体に密着しておらず、プレニップ部のギャ
ップ(隙間)で発生する放電現象によって、画像のズ
レ、画像の擦れ等の画像欠陥が生じる。
【0006】図10には放電が発生するギャップと転写
電界の関係が示されている。また、図11は転写時のト
ナーの状態を説明する従来のプレニップ部の拡大図であ
る。転写用紙と中間転写ベルト間のギャップdとパッシ
ェン放電が発生する転写電界Eの関係を示す式 E= 3
12/d+6.2 に従って、転写電界Eがある値以上
(図10の放電領域)になると、分離した+イオンおよ
び−イオンが生成して放電が発生する。生成した+イオ
ンは、電界Eの作用により、マイナスに帯電しているト
ナー粒子T- に結合して、中間転写ベルトに担持されて
いるトナー粒子T- の極性をプラスに変換し、また転写
用紙Pへ移行しつつあるトナー粒子T-の一部が逆極性
(T+)に変化して再び中間転写ベルトに担持される。そ
の結果、転写用紙P側にはプラス極性に変換されなかっ
たトナー粒子T- のみが転写されるので、得られる再生
画像には白抜けという画像欠陥が生じる。これ問題の対
策として、特開平6−95531号公報には、コピーシ
ートの先端をセンサが検知すると、接触向上機構により
コピーシートを感光体ベルトに押圧させ、シートとベル
トとの密着性を高めて転写性を向上させた転写助成装置
が開示されている。しかし、上記機構では、装置の複雑
化によるコスト高,信頼性の低下の他に、押圧部材上昇
時に無端ベルトと転写コロトロンとの距離が変化した
り、無端状の感光体ベルトが揺動していまい、画像のズ
レ、画像の擦れまたは転写不良等の画質欠陥が発生する
という欠点がある。
【0007】このように、従来の画像形成装置では、転
写部のプレニップ部において記録媒体と中間転写体との
間にギャップが生じて放電が発生する。そのため、中間
転写体に担持されたトナーの一部が逆極性に変換して、
記録媒体上に一部白抜けという画像欠陥が発生し、良質
の画像が得られないという問題があった。このような問
題は、中間転写体を感光体ドラム等の像担持体に置き換
えた画像形成装置の転写部においても、同様に発生す
る。そこで、本発明の目的は、上述の問題点を解決しよ
うとするものであって、前述の放電現象による転写画像
の白抜けという転写不良を防止して、良質の画像を安定
に得ることのできる画像形成装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前述の転写
不良を解消すべく鋭意研究を重ねてきたところ、従来の
バイアスロール転写方式に代えて、電位差をもたせた導
電性ロールを含む支持ロールに張架された転写ベルトを
転写部材として用い、更にプレニップ部に続く転写部に
電位差をもたせることなく、記録媒体と転写ベルトとの
密着性を高めることによって、転写画像の白抜けが防止
されるとの知見を得て、本発明をなすに至ったものであ
る。すなわち、本発明の画像形成装置は、画像情報に応
じた静電潜像が形成される像担持体と、像担持体に形成
された静電潜像をトナーによりトナー像として可視化す
る現像装置と、像担持体に担持された未定着トナー像を
記録媒体に転写する転写ベルトと、転写ベルトを張架す
る2以上の回転可能な支持ロールとを備え、該支持ロー
ルのうちの2つのロールは導電性ロールで構成され、こ
の導電性ロールは像担持体に接離可能に配置されてい
て、転写時に、導電性ロール間の全面にわたって上記転
写ベルトが像担持体表面に当接しながら走行すると共
に、2つの導電性ロール間に電圧を印加して電位差をも
たせて、記録媒体が侵入する側または排出される側の導
電性ロールと像担持体とを同電位とすることを特徴とす
る。また、本発明は、上記転写ベルトを備えた中間転写
体方式の画像形成装置に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を主として図面に基
づいて詳細に説明する。本発明の画像形成装置は、転写
部材として転写ベルトを用いるもので、例えば通常のモ
ノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の1つの像担
持体上に多重トナー像を担持するカラー画像形成装置、
中間転写方式のカラー画像形成装置、各色毎の現像器を
備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置した
タンデム型カラー画像形成装置等に適用される。なお、
各図面に示す画像形成装置において、同様の機能を有す
る構成要素には同一の番号を付すことにする。図1は像
担持体に多重トナー像を担持する上記カラー画像形成装
置の概略構成図である。同図において、矢印方向に回転
する感光体ドラムからなる像担持体1の表面が帯電器2
で一様に帯電された後、レーザ光等の画像書込手段3に
より、第1色目の静電潜像が形成される。静電潜像はそ
の色に対応するトナーを収容した現像装置4により可視
化されたトナー像が形成される。以降同様にして、像担
持体1の回転毎に第1色目のトナー像が形成された像担
持体1上に、第2色目,第3色目,第4色目のトナー像
が順次重ね合わせられるように形成され、最終的にフル
カラー多重トナー像が得られる。
【0010】上記現像装置4は、各色の静電潜像に対応
するトナーを収容した複数の現像器41〜44を有する。
すなわち、各現像器には、それぞれ黒(K),イエロー
(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の各色トナーが収容さ
れている。また、後述の転写ベルト5が2以上の回転可
能な支持ロール(6a,6b,…)に張架されていて、
転写時に像担持体1表面に当接する。最後の現像工程が
終了すると、所定のタイミングで記録媒体(以下、用紙
Pで代表する)が給紙トレイ7から転写部に供給され
る。そして、用紙Pが転写部を通過する際に、像担持体
1上に担持された多重トナー像は静電的に用紙Pに一括
転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着装置
8に搬送されて定着処理された後、機外に排出される。
転写後の像担持体1は、クリーニング装置9等により残
留トナーや残留電荷が除去され、次の画像形成プロセス
に備える。
【0011】図2は、中間転写体として中間転写ベルト
を備えた前記カラー画像形成装置の概略構成図である。
図2に示す画像形成装置は、図1に示すカラー画像形成
装置と同様にして、第1色目のトナー像が形成される。
このトナー像は、像担持体1と一次転写器10との間に
発生する電界の作用によって、中間転写ベルト11に一
次転写される。以降同様にして、像担持体1の回転毎に
第2色目,第3色目,第4色目のトナー像が形成され、
中間転写ベルト11に順次一次転写される。中間転写ベ
ルト11は、複数のベルト搬送ロール(12a,12
b,12c)およびバックアップロール13に張架さ
れ、像担持体1表面に当接しながら矢印方向に走行す
る。上記一次転写は、一次転写器10が像担持体1に対
向して配置された一次転写部を像担持体1上のトナー像
が通過する際に行われる。このようにして、未定着の多
重トナー像が中間転写ベルト11上に担持される。上記
バックアップロール13とベルト搬送ロール12a間の
中間転写ベルト11には、前記転写ベルト5が接離可能
に配置されている。バックアップロール13およびベル
ト搬送ロール12bと対向する位置には、中間転写ベル
ト11を介して、それぞれ支持ロール6aおよびベルト
クリーナ14が配置されている。また、バックアップロ
ール13には電極部材15が押設している。一方、転写
ベルト5が中間転写ベルト11に当接する二次転写部
に、給紙トレイ7から用紙Pが所定のタイミングで搬送
される。用紙Pが転写ベルト5と中間転写ベルト11の
間を通過する際に、中間転写ベルト11上に担持された
多重トナー像が用紙Pに二次転写される。多重トナー像
が一括転写された用紙Pは、定着装置8に搬送されて定
着処理され、機外に排出される。一次転写後の像担持体
1はクリーニング装置9等により残留トナーや電荷が除
去され、二次転写後の中間転写ベルト11はベルトクリ
ーナ14により残留トナーが除去されて、次の画像形成
プロセスに備える。
【0012】本発明は、図2に示す中間転写ベルト11
を図3に示す中間転写ドラムに置き換えることもでき、
一次転写器10やバックアップロール13は必ずしも必
要でない。中間転写ドラムを備えたカラー画像形成装置
は、上述の中間転写ベルト方式のものとほぼ同様に作動
する。すなわち、上述と同様に形成された第1色目のト
ナー像は、像担持体1と中間転写体ドラム16とが接触
する一次転写部に到達すると、像担持体1と接地された
中間転写体ドラム16との電位差によって、中間転写体
ドラム16に一次転写される。以降同様にして、像担持
体1上に現像された第2色目,第3色目,第4色目のト
ナー像が、中間転写体ドラム16に順次重ね合わせられ
るように一次転写される。また、転写ベルト5が中間転
写ドラム16に当接する二次転写部を用紙Pが通過する
際に、中間転写ドラム16上に担持された多重トナー像
が用紙Pに一括転写される。二次転写後の中間転写体ド
ラム16は、ドラムクリーナ17により残留トナー等が
除去され、次の画像形成プロセスに備える。図1〜3に
示す画像形成装置において、フルカラー以外の多色画像
を形成する場合は、2個または3個の現像器に多色画像
に対応したトナーを収容することになる。また、単色の
静電潜像が形成されるよう画像処理された画像書込手段
3により、像担持体1上に静電潜像を形成して、その色
に対応するトナーのみを現像装置4に収容した場合、モ
ノカラー画像形成装置に適用することができる。さら
に、感光体ドラム(1)を公知のベルト感光体に置き換え
ることもできる。
【0013】本発明の画像形成装置において、中間転写
体として用いられる中間転写ベルトまたはドラムは、単
層でもあるいは多層構造でもよいが、多層構造のもので
は層間の剥離や経時的に表面層が磨耗する等の問題があ
り、更に生産性やコストからみても単層のものが好まし
い。単層の材料としては、アクリル樹脂,ポリエステル
等の各種樹脂またはゴム材料に導電剤を適量配合させた
フィルムが用いられる。特に中間転写体駆動時の負荷変
動による色ズレの発生を防止するために、ポリイミド,
ポリイミドとポリアミドの共重合体,ポリエーテルスル
ホン,ポリカーボネート等の樹脂に導電剤を分散させた
強度の高いフィルムが好適に用いられる。導電剤として
は、例えばカーボンブラック、グラファイト、アルミニ
ウム,銅合金等の金属または合金、酸化錫,酸化亜鉛,
チタン酸カリウム,酸化錫−酸化インジウムまたは酸化
錫−酸化アンチモン複合酸化物等の導電性金属酸化物な
どの1種または2種以上の微粉末が用いられる。中で
も、コストの点でカーボンブラックが好適である。ま
た、これらの導電剤で硫酸バリウム等の絶縁性微粒子を
被覆したものでもよい。
【0014】場合によっては、支持ロール(6a,6b)
の押圧力に起因する応力の集中によるホローキャラクタ
の発生を防止するために、上記フィルム基材を柔軟性に
富んだ材料からなる表面層で被覆することができる。か
かる材料としては、テトラフルオロエチレン(TFE)
ポリマー,TFE−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(FEP),エチレン−TFE共重合体(ETFE),
ポリイソシアネートで架橋されたポリフルオロエチルビ
ニルエーテル等のフッ素系高分子材料や、ポリエステル
などが好適に用いられる。表面層の厚さは10〜50μ
mの範囲にあることが好ましい。さらに、基材と表面層
の間に弾性材料からなる中間層を介在させて、この中間
層にホローキャラクタの発生を防止する機能を持たせる
こともできる。弾性材料は、フッ素ゴム,シリコーンゴ
ム等の任意のゴム材料を用いることができる。中間層の
厚さは20〜65μmの範囲にあることが好ましい。3
層構造の場合の表面層は、中間層による中間転写体表面
の粘着性を防止できるよう厚さが1μm以上で、中間層
の弾性を損なわない5μm以下の上記フッ素系高分子材
料で構成することが好適である。
【0015】中間転写体として中間転写ドラムを用いる
場合は、ドラムが変形しないよう厚さ3mm以上のアル
ミニウム,ステンレス鋼(SUS),銅等で形成された
円筒状基体の外周面に導電剤分散の各種ゴム材料または
樹脂フィルムが被覆される。その構成材料としては、例
えば単層の場合はフッ素ゴム、2層の場合はフッ素系高
分子材料を被覆した各種発泡ゴムが好適である。また、
2層構造の中間に各種樹脂フィルムを介在させて3層と
することもできる。中間転写体の表面抵抗率は108
1014Ω/□ の範囲、中間転写ドラムの厚さは0.5
〜10mm特に1〜5mmの範囲にあることがそれぞれ
好ましい。バックアップロールは、単層あるいは多層の
いずれの層構造であっもよい。例えば単層構造の場合
は、シリコーンゴム,ウレタンゴム,EPDM(エチレ
ンプロピレンジエンゴム)等にカーボンブラック等の導
電剤が適量配合されたロールで構成される。2層構造の
場合は、体積抵抗率を適宜調節した単層の場合のロール
を下層として、その外周面に例えばフッ素系樹脂を被覆
した導電性の表面層から構成される。フッ素系樹脂とし
ては、FEP,TFE−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA)等が挙げられる。
【0016】前述の転写ベルト5は複数の支持ロール
(6a,6b,…)に張架され、これらの支持ロールのう
ち、2つのロール6a,6bは導電性ロールで構成され
る。この導電性ロール6a,6bは、トナー像担持部材
(1,11,16)に接離可能に配置され、転写時には図
示してない押圧機構によってトナー像担持部材に押圧さ
れる。したがって、転写時に、転写ベルト5は導電性ロ
ール6a,6b間の全面にわたってトナー像担持部材
(1,11,16)に密着するように張架され、その表面
に当接しながら走行する。ここで、転写ベルト5がトナ
ー像担持部材に密着するとは、ベルト5とトナー像担持
部材が用紙Pを介して密着するだけでなく、図10に示
すパッシェン放電領域外にあれば両者間に多少のギャッ
プがあってもよいことを意味する。転写ベルト5は導電
性ロール6a,6bのみに張架されてもよい。また、非
ニップ側の導電性ロール6a,6b間にテンション用支
持ロール等を追加してもよい。このように、テンション
ロール等の支持ロール(6a,6b,…)を3以上配置す
ることにより、転写ベルト5のニップ圧およびニップ幅
を調節することができる。広いニップ幅を得るために
は、導電性ロール6a,6b間の間隔を調節して、ニッ
プ幅を40mm以上確保することが好ましい。
【0017】上記導電性ロール6aは電源に接続し、導
電性ロール6bは接地している。あるいは、導電性ロー
ル6aを接地して導電性ロール6bを電源と接続させて
もよい。より具体的には、導電性ロール6a,6b間お
よび転写ベルト5とトナー像担持部材(1,11,16)
の間に電位差をもたせると共に、用紙Pが侵入するプレ
ニップ側の導電性ロール6aとトナー像担持部材とが同
電位となるように、転写時に両ロール6a,6b間に電
圧が印加される。あるいは、用紙Pが排出されるポスト
ニップ側の導電性ロール6bとトナー像担持部材とが同
電位となるように、ロール6a,6b間に電圧を印加す
ることもできる。この転写電圧の印加に基づく転写電界
の作用により、トナー像担持部材上に担持されたトナー
像が用紙Pに静電的に転写される。本発明においては、
転写時に転写ベルト5が導電性ロール6a,6b間の全
面にわたってトナー像担持部材(1,11,16)に当接
し、かつ導電性ロール6aまたは導電性ロール6bとト
ナー像担持部材の間に電位差がないので、転写部直前の
プレニップ部または直後のポストニップ部でパッシェン
放電が発生することがなく、放電現象による前述の白抜
けという画像欠陥を発生することがない。
【0018】一例として、図2に示す中間転写ベルト方
式の二次転写部を図4に示す。ここで、電源18に接続
した導電性ロール6aおよび接地された導電性ロール6
bは、転写ベルト5を介して中間転写ベルト11に当接
している。また、バックアップロール13には、電源1
9に接続した電極部材(電極ロール)15が押設してい
る。電源18,19から印加される電圧は、導電性ロー
ル6aとバックアップロール13が同電位となるよう
に、同じ値に設定されている。なお、導電性ロール6a
および電極部材15を接地して、ポストニップ側の導電
性ロール6bに電圧を印加することもできる。図4にお
いて、レジストロール(図示せず)から搬送ガイド20
を通って、導電性ロール6aによってバックアップロー
ル13に押圧される転写ベルト5と中間転写ベルト11
の間に用紙Pが侵入してきた時、二次転写ニップ直前に
電位差がなく、しかも導電性ロール6a,6b間の全面
にわたって用紙Pが中間転写ベルト11に密着するの
で、転写不良が発生する恐れがない。
【0019】導電性ロールは、金属または合金、前述の
ような導電剤を分散させた各種の樹脂や剛性をもたせた
ゴム材料からなる体積抵抗率103Ωcm 以下のロールで
構成される。その外径は通常8〜12mmの範囲にあれ
ばよい。2つの導電性ロール間に電位差をもたせる電源
(18)の印加電圧は、転写部のタイプによって異なり、
例えば図1,2に示す画像形成装置では1〜5kVの範
囲にあり、図3に示す中間転写ドラム方式の画像形成装
置では0.5〜2kVの範囲にある。
【0020】転写ベルトは2層以上の層構造からなる。
例えば2層構造の場合は、前述のような導電剤を分散し
たゴム材料で構成される弾性層を下層として、表面層が
導電剤分散の表面エネルギーの小さい材料で構成され
る。3層構造の例としては、上記弾性層裏面の基材層を
柔軟な樹脂フィルムで構成したものが挙げられる。本発
明にかかる転写ベルトにおいて、体積抵抗率は108
1011Ωcm の範囲にあることが好ましい。体積抵抗率
が108Ωcm より低いと、トナーがトナー像担持部材
(1,11,16)との付着力に打ち勝って用紙Pへ転写
するに必要な転写電界を発生する転写電圧を得ることが
できない。一方、体積抵抗率が1011Ωcmより高くなる
と、必要な転写電界を得るための印加電圧が高くなりす
ぎる。そのため、導電性ロール(6b,6a)により押圧
される転写ベルトとトナー像担持部材のニップから用紙
が離れた直後のポストニップ部または直前のプレニップ
部において、トナー像担持部材と用紙の間でパッシェン
放電が発生して、トナーの帯電異常により画質欠陥や転
写効率の低下を引き起こすようになる。転写ベルトの上
記弾性層は厚みが通常0.5〜1.0mmの範囲にある。
この範囲では、トナー像担持部材とのニップ圧を低く抑
えることができるので、ライン画像が中抜けするホロー
キャラクタの画質欠陥が発生しない。
【0021】弾性層を構成するゴム材料としては、例え
ば、水素添加ポリブタジエンゴム,ブチルゴム,イソプ
レンゴム,塩素化イソプレンゴム,クロロプレンゴム,
エピクロルヒドリン系ゴム,アクリルゴム,ウレタンゴ
ム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,SBR(スチレン−
ブタジエンゴム),NBR(アクリロニトリル−ブタジ
エンゴム),EPDM,スチレン−ブタジエン−スチレ
ンゴム等、これらのブレンドゴムが挙げられる。中で
も、互いに相溶性のないブレンドゴム材料が好適に用い
られる。ここで、物質の分子間力を表す指標として、下
記の式(1)で示される溶解度パラメータ(solubility
parameter;SP値)δがある。このSP値は大きいほ
ど極性が高く、その差が小さいほど相溶性があり、差が
大きいほど相溶性のないことが知られている。 δ2 = δ2 d+δ2 p′+δ2 h (1) (式中、δ2d,δ2p′,δ2h は、それぞれ分散力,極
性効果および水素結合に基づくSP値である。)上記S
P値(δ)はまた、凝集エネルギーをE(cal=4.186
8J)、分子容をVm(cm3)とすると、下記の式
(2)で示すことができる。 δ = (E/Vm)1/2[J1/2/cm2/3] (2)
【0022】SP値の高いゴム材料としては、ウレタン
ゴム(SP値:10),塩素化イソプレンゴム(9.3
5),NBR(9.31),クロロプレンゴム(8.7
1)等が挙げられる。また、SP値の低いゴム材料とし
ては、シリコーンゴム(SP値:7.45),ブチルゴ
ム(7.85),EPDM(8.0),水素添加ポリブ
タジエンゴム(8.08)等が挙げられる。これらのゴ
ム材料のポリマー主鎖の側鎖置換基や共重合成分の比率
が異なる場合は、同系のゴム材料でもSP値に幅があ
る。一般に、SP値の高い材料は導電剤と親和性があ
り、SP値の低い材料は導電剤との親和性が乏しい。弾
性層の構成材料としては、SP値の差が1.0以上好ま
しくは1.3以上ある少なくとも2種以上のブレンドゴ
ムが特に好適である。かかるブレンドゴム材料の好まし
い組合せとしてはNBRとEPDMを挙げることができ
る。その組成比(重量)は2:8〜7:3の範囲にある
ことが好ましい。
【0023】非相溶性のブレンドゴム材料に導電剤を分
散させると、図5に示すように、ゴム材料のブレンド比
率の高い海相と同比率の低い島相との界面に導電剤が密
に凝集して、不均一に分散した状態の導電性ゴム相が形
成される。この導電性ゴム相は、導電剤が密に凝集した
部分が導電に寄与するので、安定した導電路を形成する
ことができる。しかも、導電剤の配合量を少なくするこ
とができるので、ゴム相の硬度の上昇を抑制することが
できる。導電剤として用いられるカーボンブラックは、
これを添加したゴム組成物中において連鎖状に結合する
性質があり、かかる連鎖結合の長さに応じてゴム組成物
の抵抗値が異なったものになる。この連鎖結合が長けれ
ば、弾性層の導電性は向上しその抵抗値は低下する。一
方、連鎖結合が短かければ、弾性層の導電性は低下しそ
の抵抗値は高くなる。したがって、長い連鎖結合を形成
するカーボンブラックを添加した場合は、短い連鎖結合
を形成するカーボンブラックを同量添加した場合と比較
して、転写ベルトの抵抗値が大きく変化することにな
る。上記連鎖結合の長さは、カーボンブラックの個々の
粒子の粒径や表面活性度に依存しているが、これを示す
指標の1つとして、ASTM D2414-6TTに定義
されたDBP(ジブチルフタレート)吸油性がある。こ
のDBP吸油性は、カーボンブラック100gに吸収さ
れるDBP量(ml)が多いか少ないかで表される。こ
のDBP吸油性の高いすなわち吸油量の多いカーボンブ
ラックほど、長い連鎖結合を形成するものとされてい
る。
【0024】転写ベルトの製造に際し、DBP吸油性の
高いカーボンブラックのみをブレンドゴムに添加して、
転写ベルトの抵抗値を調整しようとすると、添加量の僅
かな増減でも抵抗値が大きく変化することになる。その
ため、カーボンブラックの添加量を厳密に規定しなくて
は、所定の抵抗値を転写ベルトに付与することができな
い。一方、DBP吸油性の低いカーボンブラックのみを
添加して、転写ベルトの抵抗値を調整すれば、DBP吸
油性の高いカーボンブラックのみを添加した場合より
も、カーボンブラックがゴム組成物中に略均一に分散す
るので、添加量の増減に伴う抵抗値の変化の割合は小さ
くなる。しかし、所定の抵抗値を転写ベルトに付与する
ためには、DBP吸油性の高いカーボンブラックのみを
添加する場合よりも、多量のカーボンブラックを添加す
る必要がある。その結果、ゴム組成物中のカーボンブラ
ックの配合割合が高まることから、ゴム組成物をバンバ
リーミキサー,ニーダー等で混練する際に高粘度となる
ため加工が困難になる。したがって、DBP吸油性の高
いカーボンブラックと吸油性の低いカーボンブラックの
DBP吸油性の異なる2種以上を併用することが好まし
い。
【0025】前記ブレンドゴム材料に添加されるカーボ
ンブラックは、DBP吸油性に差があるものであればよ
いが、かかる差があまりに小さいと、1種類のカーボン
ブラックを添加した場合と同じような結果を生じること
になる。したがって、カーボンブラックとしては、ある
程度DBP吸油量に差のあるものが好ましく、DBP吸
油性の高いカーボンブラックの吸油量が250ml/100g
以上であり、吸油性の低いカーボンブラックの吸油量が
100ml/100g以下であることが好ましい。具体的に
は、吸油性の高いカーボンブラックとしては、例えば吸
油量447ml/100gのHS−500(旭カーボン(株)
製)、吸油量360ml/100gのケッチェンブラック(ラ
イオンアグゾ(株)製)、吸油量288ml/100gの粒状ア
セチレンブラック(電気化学(株)製)、吸油量265ml
/100gのバルカンXC−72(キャボット社製)等のア
セチレンブラックなどが挙げられる。また、吸油性の低
いカーボンブラックとしては、例えば吸油量28ml/10
0gのアサヒサーマルFT、吸油量35ml/100gのアサヒ
サーマルMT(旭カーボン(株)製)等のサーマルブラッ
クなどが挙げられる。
【0026】例えば、DBP吸油性の高いアセチレンブ
ラックと吸油性の低いサーマルブラックの混合物を用い
て、転写ベルトの抵抗値を調整する場合、その混合割合
は重量比で1:0.5〜1:5の範囲にあり、2:3〜
8:25の範囲が好ましい。アセチレンブラックに対す
るサーマルブラックの割合が0.5より少ないと、抵抗
値のバラツキが大きいだけでなく、前者の添加量の増減
により、弾性層ひいては転写ベルトの抵抗値が大きく変
化する。サーマルブラックの割合が5より多いと、前述
したように、混練時のゴム組成物が高粘度となるため弾
性層の成形加工が困難となるだけでなく、弾性層の硬度
も高くなる。このように、DBP吸油性の異なるカーボ
ンブラックの混合割合とゴム材料に対する配合量を調整
することによって、前記した108〜1011Ωcm の領域
内で転写ベルトの抵抗値の急激な変化を抑制することが
できる。同時に、吸油性の低いカーボンブラック単独と
比較して、少量の添加量で抵抗値のバラツキの小さい導
電化が可能となる。したがって、弾性層の構成材料とし
て、2種以上の非相溶性のブレンドゴムとDBP吸油性
の異なる2種以上のカーボンブラックを用いることによ
り、ブレンドゴム界面にカーボンブラックが密に凝集し
て、弾性層中に安定した導電路が形成されるので、弾性
層ならびに転写ベルトの抵抗値の経時変化を大幅に低下
させることが可能となる。
【0027】表面層は、導電剤分散の表面エネルギーの
小さい材料を弾性層表面に通常コーティング加工する塗
布法により形成される。表面エネルギーの小さい材料と
は、同材料で形成された試験片に水を滴下した時、水滴
が試験片平面と90°以上の接触角をなす材料を意味す
る。表面エネルギーの小さい材料としては、シリコーン
樹脂や、TFE樹脂,ポリフッ化ビニリデン,ETF
E,FEP,PFA等のフッ素系樹脂が挙げられる。表
面エネルギーの小さい材料単独では、転写ベルト表面の
弾性が小さく、導電性ロール等の支持ロールにおける圧
接部での繰り返し変形によってクラックを発生する恐れ
があるので、これらの材料をゴム材料で変性することが
好ましい。表面エネルギーの小さい材料を変性するゴム
材料としては、特に限定されるものではないが、ウレタ
ンゴムやフッ素ゴムが好適に用いられる。表面層構成材
料として例えばゴム変性されたフッ素系樹脂を用いた場
合は、柔軟性があるので下層の弾性層の変形に追随で
き、かつトナーの付着力が小さいので転写ベルトから用
紙への転写性が向上し、高品質の転写画像が得られる。
【0028】ゴム変性フッ素系樹脂の市販品としては、
フッ素ゴム変性TFE樹脂を含有する水エマルジョン塗
料にカーボンブラックを分散させたダイキン工業(株)製
のNF−940、同じくウレタン変性の日本アチソン
(株)製のエムラロン345ESD,JYL−601ES
D等が挙げられる。また、例えばTFE樹脂微粉末およ
びカーボンブラックを分散させた導電性ウレタン塗料等
を用いることもでき、上記樹脂としては粒径0.3〜0.
7μmの(株)喜多村製のKTL−500Fを用いること
ができる。前記塗布法としては、刷毛塗り,ディピング
法,スプレー法,ロールコータ法等を採用することがで
きる。塗布法により形成される表面層の膜厚は、一般に
10〜60μm、好ましくは15〜30μmの範囲にあ
る。膜厚が10μm未満であると、転写時に直接または
用紙を介して、転写ベルトは像担持体や中間転写ドラム
または間接的にバックアップロールと圧接および回転が
繰り返されることから、表面層が摩耗し前記弾性層が露
出する恐れがある。また、表面層を塗布法で形成する場
合、均一な膜厚を形成することが困難になる。一方、膜
厚が60μmを超えると、塗布法により弾性層を被覆す
る場合、表面に液ダレが生じやすく、平滑かつ均一な塗
膜を安定して形成することが困難になる。
【0029】本発明の作用は次のとおりである。請求項
1発明の画像形成装置は、像担持体1上に担持された未
定着トナー像を用紙Pに転写する転写部材として転写ベ
ルト5を用い、転写ベルト5が張架される支持ロールの
うちの2つの導電性ロール6a,6b間の全面にわたっ
て、転写ベルト5を像担持体1表面に当接させ、その間
に電圧(電源18)を印加して、用紙Pが侵入する側の導
電性ロール6aまたは用紙Pが排出される側の導電性ロ
ール6bと像担持体1とを同電位としたものである。こ
の請求項1発明によれば、像担持体1と転写ベルト5の
ニップ転写部にギャップがなく、しかも転写部直前また
は直後に電位差をもたせてない。そのため、転写部に用
紙Pが密着してから転写電界を作用させることにより、
プレニップ部またはポストニップ部でパッシェン放電が
発生することがないので、像担持体1から用紙Pへのト
ナーの移動を安定して行うことが可能になる。すなわ
ち、放電現象による像担持体1上のトナーの一部が逆極
性となって転写不良が発生することがなく、用紙P上に
白抜けという画像欠陥の発生を防止することができ、高
品質の転写画像を形成することが可能である。さらに、
導電性ロール6a,6b間の距離を適宜設定することに
より、転写ベルト5の張力とニップ幅を調整することが
できる。そのため、転写部材としてバイアスロールを用
いる場合と比較して、転写部全体のニップ圧を低く抑え
ることが可能であるので、ライン画像が中抜けするとい
うホローキャラクタの画質欠陥が発生する問題がなくな
る。
【0030】請求項2発明の画像形成装置は、中間転写
体(11,16)上に担持された未定着トナー像を用紙P
に転写する二次転写部材として、請求項1発明と同様の
転写ベルト5を用いるものである。この請求項2発明は
請求項1発明における像担持体1を中間転写体(11,
16)に置き換えた構成に相当し、上述の請求項1発明
と同様の作用を奏する。請求項3発明の画像形成装置
は、転写ベルト5の下層を被覆する表面層がゴム変性フ
ッ素系樹脂材料で形成されたものである。この請求項3
発明によれば、低ニップ圧が均一に得られるだけでな
く、ゴム変性された表面層が下層の弾性層の変形に応じ
て追随すると共に、フッ素系樹脂はトナーの付着力が小
さいので、高品質の転写画像が得られる。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 (画像形成装置U1 )図6は本発明の画像形成装置とし
て像担持体上に多重トナー像を担持するデジタルカラー
複写機の全体図である。図6において、プラテン21上
に載置した原稿(図示せず)の下面に沿って移動する原
稿照明用ランプ22から出射して、原稿で反射した光を
移動ミラーユニット23、レンズ24、固定ミラー25
を介して画像読取部のCCDに収束させる。CCDは、
多数の光電変換素子とレッド(R),グリーン(G),ブル
ー(B)の3色のフィルタとにより、上記原稿画像を各色
毎の電気信号に変換する。この電気信号は画像処理回路
26に入力され、画像処理回路26は各色毎に入力され
た原稿画像読取信号をデジタル信号に変換して記憶する
画像メモリを有している。光書込制御装置27は、上記
画像処理回路26の画像データを所定のタイミングで読
み出して、光ビーム書込装置28に出力する。光ビーム
書込装置28は、矢印A方向に回転する感光体ドラムか
らなる像担持体1に各色に対応した静電潜像を書き込
む。これらの番号21〜28から前記画像書込手段3が
構成される。
【0032】像担持体1の周囲には、その表面を一様に
帯電させる帯電器2、像担持体1に書き込まれた静電潜
像を各色のトナー像に現像する現像装置4、各色の多重
トナー像を用紙Pに転写する前記転写ベルト5、クリー
ニングブレードおよび除電器を有するクリーニング装置
9が配置されている。上記現像装置4は、K,Y,M,
Cの各色のトナーを収容した現像器4K,4Y,4M,
4Cを有し、それぞれ各色のトナーで上記静電潜像を現
像して可視化する。転写ベルト5は支持ロール6a,6
b,6cに張架され、支持ロールのうち導電性ロール6
aには前記電源(18)から転写時に像担持体1と同電位
の電圧が印加され、導電性ロール6bは接地している。
画像形成装置U1 本体の下部には抽出自在の給紙トレイ
7が設けられ、その上方にピックアップローラ29が配
置されている。このピックアップローラ29の下流側に
は、搬送ガイド20に案内されながら転写部に給紙され
る用紙Pの重送を防止する一対のフィードロール30と
レジストロール31が順次配置されている。また、転写
ベルト5が像担持体1に当接する転写部の下流側には、
順次、転写されたトナー像を担持した用紙Pを搬送する
搬送ベルト32、用紙P上の未定着トナー像を定着処理
する前記定着装置8、定着画像が形成された用紙Pを機
外に排出する一対の排出ロール33、および排出された
用紙Pを載置する排紙トレイ34が配置されている。
【0033】(画像形成装置U1 の作用)矢印A方向に
回転する像担持体1は、帯電器2により表面が一様に帯
電され、光ビーム書込装置28により静電潜像が書き込
まれる。像担持体1上の静電潜像は現像装置4によりト
ナー像に現像される。このトナー像の形成は、最初に第
1色目のトナー像が形成され、以降像担持体1が1回転
する毎に、第2色目から第4色目までのトナー像が形成
される。本実施例では、K,Y,M,C色のトナー像が
順次形成されるようになっている。ここで、前記光書込
制御装置27では、最初に第1色目のK色に画像処理さ
れたデジタル信号を読出して光ビーム書込装置28に出
力する。この書込装置28は像担持体1表面にK色に対
応した静電潜像を書き込む。K色に対応した静電潜像は
現像装置4内の現像器KによりK色の可視化されたトナ
ー像に現像される。1色目のKトナー像の現像が完了す
ると、Kトナー像の静電潜像書込開始位置と同じ位置
に、光書込制御装置27からの出力によりB光のフィル
タで色分解された光像に対応する静電潜像の書込が開始
される。そして、現像器4Yによって、Kトナー像を担
持した像担持体1上に2色目のYトナー像の現像が行わ
れる。続いてYトナー像の現像と同様に、G光,R光の
フィルタで色分解された光像に対応する静電潜像が現像
器4M,4Cにより現像され、Mトナー像およびCトナ
ー像が可視化される。このようして、各色に重ね合わさ
れた多重トナー像が像担持体1上に形成される。この
間、前記転写ベルト5は、像担持体1から離間した退避
位置に保持されている。
【0034】一方、給紙トレイ7に収容された用紙P
は、ピックアップローラ29により所定のタイミングで
1枚ずつ取り出された後、一対のフィードロール30に
より搬送ガイド20に沿って給紙され、一対のレジスト
ロール31で一旦停止される。用紙Pは、その後像担持
体1上に担持された各色(K,Y,M,C)の多重トナ
ー像が転写部に移動してくるのと同期して、レジストロ
ール31から転写部に搬送される。この時、導電性ロー
ル6a,6b間の転写ベルト5は像担持体1に当接した
状態にある。転写部に搬送されてきた用紙Pは、像担持
体1と転写ベルト5間の圧接搬送によって転写部を通過
する。この際、電源(18)からトナー像の帯電極性と逆
極性の転写電圧を導電性ロール6aに印加することによ
り、像担持体1上に担持されていた多重トナー像が用紙
Pに一括転写される。このようにして、多重トナー像が
転写された用紙Pは、搬送ベルト32に載置されて定着
装置8に搬送される。この定着装置8において、未定着
トナー像を固定して永久画像に定着処理した後、用紙P
は一対の排紙ロール33により排紙トレイ34に排出さ
れる。転写工程が終了すると、像担持体1はクリーニン
グ装置9によりクリーニングされ、次の画像形成プロセ
スに備える。
【0035】(転写部)図6に示したカラー画像形成装
置における転写部の具体的な構成は次のとおりである。
像担持体(1)として、表面がポリカーボネートで被覆さ
れた外径84mmのOPC感光体ドラムを用いた。導電
性ロール(6a,6b)として、外径10.5mmのSU
S製金属ロールを用いた。この導電性ロール(6a,6
b)間には、電源(18)から1.5kVのバイアス電
圧が印加される。転写ベルト(5)として、カーボンブラ
ック分散のNBRとEPDMのブレンドゴム材料で弾性
層を形成し、カーボンブラック分散のウレタン変性TF
E樹脂で表面層を形成した2層構造のゴムベルトを用い
た。この転写ベルト(5)は下記の方法により製造され、
その厚さは0.8mm、周長は264mmであり、体積
抵抗率は109.0Ωcm である。以上のような画像形成装
置U1 において、転写時に転写ベルト5を介して導電性
ロール6a,6bを像担持体1に当接させ、像担持体1
表面に用紙Pを密着させた。また、像担持体1のアルミ
ニウム製基体と導電性ロール6aが同電位となるように
電圧を印加して、像担持体1と用紙Pが侵入する部分の
転写ベルト5の電位差をなくした。したがって、転写プ
レニップ直前には電位差がなく、しかも転写領域内では
転写ベルト5と用紙Pの間にギャップがないため、プレ
ニップ側での異常放電の発生を防止することができた。
その結果、転写部にOHPのような表面抵抗の高い記録
媒体を搬送した場合でも、像担持体1と記録媒体がよく
密着し、白抜け等の画像欠陥のない転写画像が得られ
た。
【0036】(転写ベルトの製造)実施例1に示した転
写ベルトは次のようにして製造された。NBRとEPD
Mを重量比で4:6にブレンドしたゴム材料(NE4
0;日本合成ゴム(株)製)100重量部に対してアセチ
レンブラック(前記粒状アセチレンブラック)10重量
部およびサーマルブラック(前記アサヒサーマルFT)
20重量部の配合割合としたゴム組成物を混練した。得
られた混練物をチューブクロスヘッド押出成形機により
チューブ状に成形した。なお、NBRとEPDMのSP
値の差は1.3である。次いで、成形されたブレンドゴ
ム材料を加硫缶内で温度126℃,圧力1.5kg/cm2
G の加圧蒸気により加熱し加硫して、導電性のベルト
材料を形成した。得られたベルト材料を金属製チューブ
の外側に被せ、表面を研磨加工して、厚さ0.8mm,
周長264mmで体積抵抗率109.5Ωcm の弾性層から
なるゴムベルトを作製した。この弾性層は、図5に示す
ように、カーボンブラックの分散が多いNBR相(島
相)とカーボンブラックの分散が少ないEPDM相(海
相)とに分かれ、ゴム界面にカーボンブラックが密に凝
集した導電性ゴム相が形成されていた。次に、上記方法
によって得られたシームレスゴムベルト表面に、ウレタ
ン変性TFE樹脂を含有するカーボンブラック分散の水
エマルジョン塗料(前記エムラロンJYL−601ES
D)をスプレーコーティングした。その後、100℃で
35分間加熱して、膜厚20μmの表面層を形成した。
このようにして製造された転写ベルトの体積抵抗率は1
9.0Ωcm であった。なお、実施例で計測された体積抵
抗率および表面抵抗率は全て、抵抗計(ハイレスターI
PのHRプローブ;三菱油化(株)製)を用い、500V
の電圧を印加してから30秒後の電流値を読みとること
により求められた。
【0037】実施例2 (画像形成装置U2 )図7は本発明の画像形成装置とし
て中間転写ベルトを備えたデジタルカラー複写機の全体
図である。なお、図6に示す画像形成装置と重複する説
明は省略することにする。図7において、符号1〜15
は図2に示す構成要素から構成され、符号20〜34は
図6に示す構成要素から構成される。また、符号35は
二次転写されたトナー像を担持する用紙Pを中間転写ベ
ルト11から剥がす剥離爪であり、導電性ロール6bと
ベルト搬送ロール12aの間の中間転写ベルト11表面
側に配置されている。
【0038】(画像形成装置U2 の作用)前述した画像
形成装置U1 と同様にして、第1色目のK色のトナー像
に現像され、同トナー像が一次転写部へ移動する。一次
転写部において、一次転写器10にトナー像の帯電極性
と逆極性の転写電圧を印加させることにより、中間転写
ベルト11にK色のトナー像を静電的に吸着させつつ、
中間転写ベルト11の矢印B方向の走行で一次転写させ
る。中間転写ベルト11は、Kトナー像を吸着担持した
まま像担持体1と同一の速度で走行する。K色に対応し
た静電潜像の書込開始から像担持体1が1回転すると、
光書込制御装置27からの出力によりY色に対応した静
電潜像の書込が開始される。この静電潜像は現像器4Y
によってYトナー像に現像される。そして、Kトナー像
を担持した中間転写ベルト11の転写開始位置が一次転
写部に到達すると、一次転写器10によって2色目のY
トナー像の転写が行われる。続いて、M,C色に対応し
た静電潜像が順次現像器4M,4Cにより可視化され、
M,Cトナー像の転写が上記Yトナー像の転写と同様に
行われる。このようして、各色に重ね合わされた多重ト
ナー像が中間転写ベルト11上に形成される。各色のト
ナー像が中間転写ベルト11に一次転写された後に、ク
リーニング装置9のブレードにより像担持体1表面はク
リーニングされる。また、各色のトナー像が転写ベルト
11上に一次転写されるまで、中間転写ベルト11の表
面側に配置された前記転写ベルト5,剥離爪35および
ベルトクリーナ14は、中間転写ベルト11から離間し
た退避位置に保持されている。
【0039】一方、給紙トレイ7から搬送ガイド20に
沿って給紙される用紙Pは、中間転写ベルト11上に転
写された各色(K,Y,M,C)の多重トナー像が二次
転写部に移動してくるのと同期して、前記レジストロー
ル31から二次転写部に搬送される。この時、導電性ロ
ール6a,6bの押圧により、その間の転写ベルト5は
中間転写ベルト11に当接した状態にある。そして、搬
送されてきた用紙Pは、導電性ロール6aとバックアッ
プロール13間の圧接搬送および中間転写ベルト12の
走行によって二次転写部を通過する。この際、電源(1
8,19)から、それぞれ導電性ロール6a、電極ロー
ル15にトナー像の帯電極性と同極性の同一値に設定さ
れた電圧が印加される。この電圧の印加で発生する転写
電界の作用による静電反撥りより、中間転写ベルト11
に吸着担持されていたトナー像が中間転写ベルト11表
面から用紙Pに一括転写される。ここで、単色画像を形
成する場合は、中間転写ベルト11上に一次転写された
例えばK色のトナー像が二次転写部に移動してきた時、
直ちにトナー像は用紙Pに転写される。2色または3色
の画像を形成する場合は、この多色に重ね合わされたト
ナー像が二次転写部に移動してきた時に転写される。こ
のようにして、トナー像が所望の色相に転写された用紙
Pは、剥離爪35の作動により中間転写ベルト11から
剥離され、搬送ベルト32に載置されて定着装置8に搬
送される。その後、定着処理された用紙Pは排紙トレイ
34に排出される。二次転写が完了すると、中間転写ベ
ルト11は、二次転写部の下流に設けられたベルトクリ
ーナ14によりクリーニングされ、次の転写に備える。
【0040】(二次転写部)図7に示した画像形成装置
における二次転写部材の具体的な構成は次のとおりであ
る。中間転写ベルト(11)として、厚さ80μmで表面
抵抗率1012Ω/□のポリイミド樹脂フィルムを用い
た。バックアップロール(13)として、厚さ6.5mm
に成形された外径28mmの導電性シリコーンゴムが用
いられた。その表面抵抗率は109 Ω/□である。電極
部材(15)として外径12mmのSUS製電極ロールが
用いられ、電極ロールに−2kVのバイアス電圧が印加
される。また、導電性ロール(6a,6b)として実施例
1と同じ金属ロールを用い、両ロール間には電極部材
(15)への印加電圧と同じ−2kVの電圧が印加され
る。転写ベルト(5)も実施例1と同じゴムベルトを用い
た。以上のような画像形成装置U2 において、二次転写
時に転写ベルト5を介して導電性ロール6a,6bを中
間転写ベルト11に当接させ、中間転写ベルト11表面
に用紙Pを密着させた。また、電極部材15が押接する
バックアップロール13と導電性ロール6aが同電位と
なるように電圧を印加して、中間転写ベルト11と用紙
Pが侵入する部分の転写ベルト5の電位差をなくした。
したがって、二次転写プレニップ直前には電位差がな
く、しかも二次転写領域内では転写ベルト5と用紙Pの
間にギャップがないため、プレニップ側での異常放電の
発生を防止することができた。その結果、二次転写部に
OHPのような表面抵抗の高い記録媒体を搬送した場合
でも、中間転写ベルト11と記録媒体がよく密着し、白
抜け等の画像欠陥のない転写画像が得られた。
【0041】実施例3 (画像形成装置U3 )図3に示すような本実施例の画像
形成装置U3 は、中間転写体としてドラム16を用い、
一次転写器(10)およびバックアップロール(13)が除
かれている点で、実施例2と構成が相違する。その作用
は実施例2とほぼ同様であり、重複するので説明を省略
することにする。上記中間転写ドラム(16)は、表面に
膜厚20μmのウレタン変性TFE樹脂を被覆した厚さ
4mmの導電性ウレタンゴム層の空洞内に、外径102
mmで10mm厚のアルミニウム製基体を圧入したドラ
ムからなる。その表面抵抗率は1010Ω/□である。導
電性ロール(6a,6b)として実施例1と同じ金属ロー
ルを用い、両ロール間に700Vのバイアス電圧が印加
される。転写ベルト(5)も実施例1と同じゴムベルトを
用いた。このような画像形成装置U3 において、二次転
写時に転写ベルト5を介して導電性ロール6a,6bを
中間転写ドラム16に押圧させ、中間転写ドラム16表
面に用紙Pを密着させた。また、中間転写ドラム16と
ポストニップ側の導電性ロール6bが同電位となるよう
に上記+700Vの電圧を印加して、中間転写ドラム1
6と用紙Pが侵入する部分の転写ベルト5との電位差を
なくした。したがって、二次転写部直前には電位差がな
く、しかも二次転写領域内では転写ベルト5と用紙Pの
間にギャップがないため、プレニップ側での異常放電の
発生を防止することができた。その結果、二次転写部に
OHPのような表面抵抗の高い記録媒体を搬送した場合
でも、中間転写ドラム16と記録媒体がよく密着し、白
抜け等の画像欠陥のない転写画像が得られた。
【0042】(ゴムベルトの体積抵抗特率)ブレンドゴ
ム材料(前記NE40)100重量部に対して、DBP
吸油性の異なるサーマルブラック15重量部(●印)、
20重量部(○印)および25重量部(▲印)とアセチ
レンブラックを6〜13重量部の範囲内で組み合わせた
場合のカーボンブラックの配合量と同カーボンブラック
分散のブレンドゴム材料の体積抵抗率の関係を図8に示
す。上記サーマルブラックとして吸油量28ml/100gで
平均粒径80ミリμmの前記アサヒサーマルFTを用い、
アセチレンブラックとして吸油量288ml/100gで平均
粒径40ミリμmの前記粒状アセチレンブラックを用い
た。図8に示すように、アセチレンブラックの配合量を
変化させても、ブレンドゴム材料の体積抵抗率の変化は
小さい。したがって、前記転写ベルトの体積抵抗率を1
8〜1011Ωcm の領域内で容易に調整することができ
る。
【0043】前記ブレンドゴム材料(NE40)100
重量部に配合されるカーボンブラックの量を変化させた
場合のカーボンブラックの配合量と同カーボンブラック
分散のブレンドゴム材料の体積抵抗率の関係を図9に示
す。上記カーボンブラックとして、吸油量360ml/10
0gで平均粒径30ミリμmの前記ケッチェンブラックを用
いた。このカーボンブラック分散のブレンドゴム材料の
調製を別々に2回ほど行って、一次試作(●印)と二次試
作(○印)毎に抵抗値を測定した。DBP吸油性の高いケ
ッチェンブラック単独を上記ゴム材料に配合した場合、
その配合量の変化に対するゴム材料の抵抗値の変化が大
きく、転写ベルトに所定の抵抗値を付与するためには、
下層の弾性層を形成する際に、DBP吸油性の異なる2
種以上のカーボンブラックを併用することが好ましいこ
とが分かる。
【0044】
【発明の効果】本発明の画像形成装置は、転写時に転写
ニップ直前または直後の位置で、像担持体または中間転
写体と記録媒体の間に電位差がないので、転写ニップ直
前または直後での放電現象による記録媒体上のトナーの
白抜けという転写不良の発生がない。そして、像担持体
または中間転写体に記録媒体が密着してから転写電界を
作用させることにより、像担持体または中間転写体から
記録媒体へのトナーの移動を安定して行うことができ
る。また、転写ベルト表面を表面エネルギーの小さいゴ
ム変性フッ素系樹脂材料で形成することにより、トナー
の付着が少なくかつ付着してもトナーの除去が容易であ
るので、高品質の転写画像が安定して得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置の概略構成図である。
【図2】 本発明の別の画像形成装置の概略構成図であ
る。
【図3】 本発明の更に別の画像形成装置の概略構成図
である。
【図4】 図2に示す画像形成装置における二次転写部
の拡大図である。
【図5】 導電剤の分散状態の概要を示す本発明におけ
る転写ベルト下層の断面図である。
【図6】 本発明の一実施例として示す画像形成装置の
全体図である。
【図7】 本発明の別の実施例として示す画像形成装置
の全体図である。
【図8】 サーマルブラックおよびアセチレンブラック
の配合量とブレンドゴム材料の体積抵抗率の関係を示す
グラフである。
【図9】 1種のカーボンブラックを配合した場合のそ
の配合量とブレンドゴム材料の体積抵抗率の関係を示す
グラフである。
【図10】 パッシェン則を示すグラフである。
【図11】 転写時における従来のプレニップ部の説明
図である。
【符号の説明】
U…画像形成装置、P…記録媒体(用紙)、1…像担持
体、4…現像装置、5…転写ベルト、6a〜6c…支持
ロール、6a,6b…導電性ロール、11,16…中間
転写体。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報に応じた静電潜像が形成される
    像担持体と、像担持体に形成された静電潜像をトナーに
    よりトナー像として可視化する現像装置と、像担持体に
    担持された未定着トナー像を記録媒体に転写する転写ベ
    ルトと、転写ベルトを張架する2以上の回転可能な支持
    ロールとを備え、該支持ロールのうちの2つのロールは
    導電性ロールで構成され、この導電性ロールは像担持体
    に接離可能に配置されていて、転写時に、導電性ロール
    間の全面にわたって上記転写ベルトが像担持体表面に当
    接しながら走行すると共に、2つの導電性ロール間に電
    圧を印加して電位差をもたせて、記録媒体が侵入する側
    または排出される側の導電性ロールと像担持体とを同電
    位とすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 画像情報に応じた静電潜像が形成される
    像担持体と、像担持体に形成された静電潜像をトナーに
    よりトナー像として可視化する現像装置と、像担持体上
    のトナー像が一次転写される中間転写体と、中間転写体
    に担持された未定着トナー像を記録媒体に二次転写する
    転写ベルトと、転写ベルトを張架する2以上の回転可能
    な支持ロールとを備え、該支持ロールのうちの2つのロ
    ールは導電性ロールで構成され、この導電性ロールは中
    間転写体に接離可能に配置されていて、二次転写時に、
    導電性ロール間の全面にわって上記転写ベルトが中間転
    写体に当接しながら走行すると共に、2つの導電性ロー
    ル間に電圧を印加して電位差をもたせて、記録媒体が侵
    入する側または排出される側の導電性ロールと中間転写
    体とを同電位とすることを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記転写ベルトは、その下層の弾性層を
    被覆する表面層がゴム変性フッ素系樹脂材料で形成され
    た請求項1または2記載の画像形成装置。
JP6935497A 1997-03-24 1997-03-24 画像形成装置 Pending JPH10268655A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6935497A JPH10268655A (ja) 1997-03-24 1997-03-24 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6935497A JPH10268655A (ja) 1997-03-24 1997-03-24 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10268655A true JPH10268655A (ja) 1998-10-09

Family

ID=13400147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6935497A Pending JPH10268655A (ja) 1997-03-24 1997-03-24 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10268655A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010002629A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Gunze Ltd 画像形成装置に用いられる多層弾性ベルト
JP2011022410A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Fuji Xerox Co Ltd 導電性部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
US8588637B2 (en) 2010-04-08 2013-11-19 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Image forming apparatus with roller formed in inverted crown shape

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010002629A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Gunze Ltd 画像形成装置に用いられる多層弾性ベルト
JP2011022410A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Fuji Xerox Co Ltd 導電性部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
US8588637B2 (en) 2010-04-08 2013-11-19 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Image forming apparatus with roller formed in inverted crown shape

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3248455B2 (ja) 画像形成装置と同装置に用いられる中間転写ベルトの製造方法
JP3019781B2 (ja) 画像形成装置および中間転写体ベルトとその製造方法
JP3864593B2 (ja) 画像形成装置および転写ロール
JP2000330390A (ja) 画像形成装置
JP4927431B2 (ja) 転写装置及び画像形成装置
JPH11231684A (ja) 画像形成装置、中間転写体および定着用ベルト
JPH10268655A (ja) 画像形成装置
JP2000155476A (ja) 画像形成装置
JP3552001B2 (ja) 画像形成装置とそのバイアスロールおよび同ロールの製造方法
JP3876875B2 (ja) 画像形成装置
JP3139342B2 (ja) 画像形成装置およびそのバイアスロール
JP3435967B2 (ja) 画像形成装置
JP3612893B2 (ja) 画像形成装置
JPH10228188A (ja) 画像形成装置
JP3721677B2 (ja) 画像形成装置
JP2005010499A (ja) 画像形成装置及びその転写バイアス制御方法
JP2003005491A (ja) 画像形成装置
JP3399203B2 (ja) 画像形成装置とそのバックアップロールの製造方法
JP3482802B2 (ja) 画像形成装置
JP3560420B2 (ja) 画像形成装置
JP2000221804A (ja) 画像形成装置
JPH1152755A (ja) 画像形成装置
JP2001324884A (ja) 画像形成装置
JPH1138779A (ja) 画像形成装置
JPH1184913A (ja) 画像形成装置