JPH10267578A - 伝熱管およびそれを用いた熱交換器 - Google Patents
伝熱管およびそれを用いた熱交換器Info
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- JPH10267578A JPH10267578A JP6796497A JP6796497A JPH10267578A JP H10267578 A JPH10267578 A JP H10267578A JP 6796497 A JP6796497 A JP 6796497A JP 6796497 A JP6796497 A JP 6796497A JP H10267578 A JPH10267578 A JP H10267578A
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Abstract
熱性能の向上した伝熱管およびそれを用いた熱交換器を
提供する。 【解決手段】 管内周面に複数の突条3を管軸方向に対
して螺旋状に形成し、突条3を、山頂角が10度〜60
度の範囲内で断面山形状に形成した先端部と、管内周面
と突条側面とのなす角が30度〜90度の範囲内で断面
矩形状に形成した軸部とにより構成したものである。
Description
用いられる熱交換器と、その熱交換器の蒸発管および凝
縮管として主に使用される伝熱管とに関するものであ
る。
類であるHCFC−22などの冷媒を作動流体とする従
来の冷凍・空調装置の熱交換器に用いられる伝熱管とし
ては、管内周面に複数の突条が螺旋状に形成された螺旋
溝付管、または、管内周面に螺旋方向が異なる2つの突
条が2つ組み合わされて螺旋状に複数形成された溝付管
(以下、ダブル溝付管という)などがある。
器の模式図、図9は熱交換器に用いられている従来の伝
熱管の斜視図、その斜視図のC−C1展開図および斜視
図D部分の拡大断面図である。図において、11はほぼ
中間点においてU字状に折り曲げられた(折り曲げ部1
1c)螺旋溝付管11aまたはダブル溝付管11bであ
る伝熱管、12は縦に所定間隔をおいて平行に複数枚配
列されたフィンで、伝熱管11はフィン12に対して垂
直にかつ隣接して設置され、各フィン12を貫通してい
る。13は隣接する伝熱管11の端部を結合するU字型
ベンドで、伝熱管11、フィン12およびベンド13に
よって熱交換器1が構成されている。そして、冷媒は伝
熱管11およびベンド13の内部を流れてフィン12間
を流れる空気との間で熱交換し、伝熱管11内において
は冷媒の蒸発あるいは凝縮の相変化が起こる。
は、図9(b),(c)に示すように、その管内周面に
複数の突条14が管軸方向に対して螺旋状に多数形成さ
れており、伝熱管11であるダブル溝付管11bは、図
9(d),(e)に示すように、管内周面に螺旋方向が
異なる2つの突条16が2つ組み合わされて管内周全体
でほぼW字状になるように管軸方向に対して螺旋状に複
数形成されている。そして、螺旋溝付管11aおよびダ
ブル溝付管11bは、造管および溶接加工を経て形成さ
れ、図9(b),(d)に示すように、造管加工前の平
板状の伝熱面(造管加工後の管内周面)において溝加工
を施した後、伝熱面の両端部18a,18bを溶接して
平板状から管状に造管する。
交換器1においては、その伝熱管11である螺旋溝付管
11aまたはダブル溝付管11b内を流れる冷媒とフィ
ン12間を流れる空気との間で熱交換されるとき、蒸発
熱および凝縮熱が発生するが、これらの熱の伝達率は大
きければ大きいほど螺旋溝付管11aまたはダブル溝付
管11bである伝熱管11の伝熱性能が高くなることに
なる。
ダブル溝付管11bの平均蒸発熱伝達率および平均凝縮
熱伝達率を示す線図で、曲線aが螺旋溝付管11a、曲
線bがダブル溝付管11bを示している。図10,11
から明らかなように、螺旋溝付管11aは、質量速度の
大きな高流量域あるいは質量速度の小さな低流量域のい
ずれでも蒸発熱伝達率および凝縮熱伝達率がダブル溝付
管11bに比べて低くなっており、螺旋溝付管11aと
ダブル溝付管11bとではダブル溝付管11bを伝熱管
11として用いることが好ましいことがわかる。しかし
ながら、ダブル溝付管11bは、質量速度の大きな高流
量域では螺旋溝付管11aよりも大きな熱伝達率を示す
ものの、質量速度の小さな低流量域では螺旋溝付管11
aとほぼ等しい熱伝達率まで低下してしまう。この傾向
は単一冷媒や混合冷媒に関わらず同様である。なお、図
11においてダブル溝付管11bの凝縮熱伝達率が低流
量域においても螺旋溝付管11aより大きな値を示すの
は、図9(c),(e)に示すように、この場合のダブ
ル溝付管11bの突条16が螺旋溝付管11aの突条1
4に比べて凝縮に有利な高くて細い形状であるためであ
る。
図9(d),(e)に示すように、高流量域では突条1
6間の溝部17に沿って流れる冷媒の液膜の速度が速い
ため、隣接する螺旋方向が異なる溝部17a,17bと
の交差部17cで液膜同志が衝突して伝熱促進に寄与す
る乱れが発生するが、低流量域では液膜の速度が遅くな
りこのような液膜の衝突効果が小さくなるため、熱伝達
率が低下してしまうという問題があった。また、螺旋溝
付管11aにおいては、図9(b),(c)に示すよう
に、突条14間の溝部15で螺旋溝付管11aの底部の
液膜を頂部へ引き上げようとする毛細管力が生じ、これ
が伝熱を促進する。すなわち、冷媒の蒸発では毛細管力
によって引き上げられた冷媒と管内周面が接する有効伝
熱面積が増大して熱伝達率が促進され、凝縮では毛細管
力によって引き上げられた冷媒の液膜で埋もれない突条
14の先端部14aで非常に高い凝縮熱伝達率が得られ
る。しかしながら、ダブル溝付管11bにおいては隣接
する螺旋方向が異なる溝部17a,17bとの交差部1
7cで溝幅G2が他の部分より大きくなるため、この交
差部17cで毛細管力が非常に小さくなり、高い熱伝達
率を示す領域が減少して熱伝達率が低下してしまうとい
う問題があった。
めになされたもので、全流量域に渡って高い熱伝達率が
得られる伝熱性能の向上した伝熱管およびそれを用いた
熱交換器を提供することを目的としたものである。
伝熱管は、管内周面に複数の突条を管軸方向に対して螺
旋状に形成し、突条を、山頂角が10度〜60度の範囲
内で断面山形状に形成した先端部と、管内周面と突条側
面とのなす角が30度〜90度の範囲内で断面矩形状に
形成した軸部とにより構成したものである。
ぼ菱形状またはほぼ矢印状としたものである。
面に、複数の突条を管軸方向に対して螺旋状に形成する
とともに、熱交換器に設置したときの底部および頂部に
突条が形成されていない平滑部をあらかじめ設定された
幅で管軸方向に設けて2つの突条部を形成し、突条部の
一方の螺旋方向を他方の突条部の螺旋方向と異なるよう
にしたものである。
面に、複数の突条を管軸方向に対して螺旋状に形成する
とともに、突条が形成されていない平滑部をあらかじめ
設定された幅で管軸方向に対して垂直または螺旋状に設
けて複数の突条部を形成したものである。
面に、複数の突条を管軸方向に対して螺旋状に形成する
とともに、突条の螺旋方向が他の螺旋方向と異なる方向
の突条部を管軸方向に対して垂直または螺旋状に少なく
とも1つ設けたものである。
らかじめ設定された幅で管軸方向に対して垂直または螺
旋状に設けて複数の突条部を形成したものである。
て形成された突条先端線の延長線が隣接する突条部の突
条間の溝部に位置するように形成したものである。
面に、螺旋方向が異なる2つの突条をこの突条間の溝部
の幅が熱交換器に設置したときの底部で最大、頂部で最
小になるように管軸方向に対して螺旋状に複数形成した
ものである。
隔毎に突条が形成されていない平滑部をあらかじめ設定
された幅で管軸方向に対して垂直または螺旋状に設けて
複数の突条部を形成したものである。
熱管を備えこの伝熱管内に冷媒を流して外部空気と熱交
換する熱交換器において、上述の伝熱管を少なくとも一
部に用いたものである。
す斜視図、図2はそのB部分の拡大断面図である。図に
おいて、2は図8で説明した熱交換器1に用いられる伝
熱管で、管内周面に複数の突条3が管軸方向に対して螺
旋状に形成されている。また、突条3は、図2に示すよ
うに、山頂角θが10度〜60度の範囲内で断面山形状
に形成された先端部3aと、管内周面と突条側面とのな
す角αが30度〜90度の範囲内で断面矩形状に形成さ
れた軸部3bとから構成され、突条3の高さHは、伝熱
管2の管内径Rが7mm〜13mmの範囲内にあるとき
0.15mm以上管半径r以内になるように形成されて
いる。そして、伝熱管2は、図8に示すように、そのほ
ぼ中間部においてU字状に折り曲げられ(折り曲げ部2
a)、フィン12に対して垂直にかつ隣接して設置され
て各フィン12を貫通し、隣接する伝熱管2の端部をベ
ンド13によって結合させて熱交換器1を構成する。
伝熱管2およびベンド13の内部に冷媒を流すと、その
冷媒とフィン12間を流れる空気との間で熱交換が行わ
れ、伝熱管2内においては冷媒の凝縮および蒸発の相変
化が起こる。そして、冷媒の凝縮では、突条3の先端部
3aで凝縮した冷媒が先端部3aから流れ落ち、軸部3
bを伝って突条3間の溝部4に流れ込む。この時、軸部
3bの側面と管内周面とのなす角αが30度〜90度の
範囲内であるため、冷媒は溝部4内に容易に流れ込み、
突条3の先端部3aが冷媒の液膜に埋もれない状態が維
持されて、冷媒と伝熱管2の外部空気とが熱交換され
る。また、冷媒の蒸発では、凝縮の場合と同様に冷媒が
先端部3aから流れ落ち、軸部3bを伝って突条3間の
溝部4に流れ込む。この時、軸部3bの側面と管内周面
とのなす角αが30度〜90度の範囲内であるため、図
9に示した従来の伝熱管11の突条14,16の場合と
比較して突条3間の溝部4内に冷媒が保持されやすくな
り、沸騰が促進されるとともに冷媒と管内周面が接する
有効伝熱面積が増大し、冷媒は蒸発しつつ冷媒と伝熱管
2の外部空気との間で熱交換される。
aをその山頂角θが10度〜60度の範囲内で断面山形
状に形成し、突条3の軸部3bをその側面と管内周面と
のなす角αが30度〜90度の範囲内で断面矩形状に形
成したので、熱交換時において伝熱管2での冷媒の凝縮
では、突条3の先端部3aで凝縮した冷媒は先端部3a
から流れ落ちて突条3間の溝部4内に容易に流れ込み、
先端部3aが冷媒の液膜に埋もれない状態が維持されて
常に高い凝縮熱伝達率が得られ、伝熱性能を向上させる
ことができる。また、冷媒の蒸発では、冷媒が突条3間
の溝部4内で保持されて沸騰が促進されるとともに、冷
媒と管内周面が接する有効伝熱面積を増大させることが
でき、伝熱性能が向上した伝熱管2を得ることができ
る。
60度を越えた大きさに形成すると、先端部3aで凝縮
した冷媒が突条3間の溝部4内に流れにくくなるため先
端部3aにとどまってしまい、先端部3aが冷媒の液膜
に埋もれてしまって高い凝縮熱伝達率が得られない。ま
た、突条3の軸部3bの側面と管内周面とのなす角αを
90度を越えた大きさに形成すると、溝部4内に冷媒が
保持されにくくなり、30度より小さく形成すると、冷
媒が溝部4内に流れ込みにくくなるため、毛細管力が小
さくなって有効伝熱面積が減少し、高い蒸発熱伝達率が
得られない。したがって、山頂角θは10度〜60度の
範囲内が好ましく、軸部3bの側面と管内周面とのなす
角αは30度〜90度の範囲内が好ましい。
3を山頂角θが10度〜60度の範囲内で断面山形状に
形成された先端部3aと、側面と管内周面とのなす角α
が30度〜90度の範囲内で断面矩形状に形成された軸
部3bにより構成し、突条3の断面形状を先端山形状に
形成した場合を示したが、図3(a)に示すように、突
条3の断面形状がほぼ菱形状になるように形成してもよ
く、図3(b)に示すように、突条の断面形状がほぼ矢
印状になるように形成してもよい。これらの場合も同様
の効果を奏する。
態の一部を示すA−A1展開図およびA−A断面図で、
この実施形態は、第1の実施形態の伝熱管2(図1参
照)において、管内周面に複数の突条3を管軸方向に対
して螺旋状に形成するとともに、熱交換器1に設置した
ときの底部および頂部に突条3が形成されていない平滑
部5をあらかじめ設定された幅で管軸方向に設けて2つ
の突条部6A,6Bを形成し、一方の突条部6Aの螺旋
方向を他方の突条部6Bの螺旋方向と異なるように構成
したものである。
も、第1の実施形態で説明した場合と同様に、熱交換器
1に設置された伝熱管2およびベンド13の内部に図4
の矢印Xの方向(管軸方向)に冷媒を流すと、冷媒は伝
熱管2の底部から頂部に向かって突条3間の溝部4に沿
いかつ左右両側に旋回流を形成しながら流れて、フィン
12間を流れる空気との間で熱交換が行われ、伝熱管2
内においては冷媒の凝縮および蒸発の相変化が起こる。
冷媒の凝縮では、突条3の先端部3aで凝縮した冷媒が
先端部3aから流れ落ち、軸部3bを伝って突条3間の
溝部4に流れ込んで溜まるとともに、平滑部5で多量に
保持されて、冷媒と伝熱管2の外部空気とが熱交換され
る。そして、旋回流によって溝部4に挟まれた冷媒の液
膜は頂部に引き上げられて底部の液膜を薄くする。ま
た、冷媒の蒸発では、凝縮の場合と同様に冷媒が先端部
3aから流れ落ち、軸部3bを伝って突条3間の溝部4
に流れ込んで平滑部5に多量に保持されるとともに、溝
部4に挟まれた冷媒の液膜は頂部に引き上げられて底部
の液膜を薄くし、冷媒と管内周面が接する有効伝熱面積
を増大して冷媒と伝熱管2の外部空気が熱交換される。
伝熱管2のU字曲げ加工→フィン12への挿入→ベンド
13の取り付けの順に行われるため、伝熱管2はそのU
字曲げ部2a(図8参照)を中心に底部と頂部が逆転す
ることになる。しかしながら、この実施形態に係る伝熱
管2は底部と頂部の2個所に平滑部5を設けているの
で、底部と頂部が逆転して設置されても常に伝熱管2の
底部と頂部には平滑部5が位置し、この平滑部5に多量
の冷媒が保持される。
軸方向に対して螺旋状に形成するとともに、底部および
頂部に平滑部5を管軸方向に設けて2つの突条部6A,
6Bを形成し、一方の突条部6Aの螺旋方向を他方の突
条部6Bの螺旋方向と異なるように構成したので、底部
から頂部に向かう冷媒の旋回流が溝部4に沿って左右両
側に形成され、突条3間の溝部4に挟まれた冷媒の液膜
が頂部へ引き上げられ易くなる。これにより、冷媒の蒸
発では、冷媒と管内周面が接する有効伝熱面積が増大し
て熱伝達率が促進され、凝縮の場合も底部の液膜が薄く
なって突条3の先端部3aの冷媒の液膜により埋もれて
いない領域が増加し、高い凝縮熱伝達率が得られて伝熱
性能を向上することができる。また、凝縮の場合、底部
に設けた平滑部5に多量の冷媒が保持されるので、側部
では突条3間の溝部4の液膜が薄くなって突条3の先端
部3aの液膜により埋もれていない領域が増加し、高い
凝縮熱伝達率を得ることができる。
態の一部を示すA−A1展開図で、この実施形態は、第
1の実施形態のA−A1で展開した伝熱管2において、
管内周面に複数の突条3を管軸方向に対して螺旋状に形
成するとともに、突条3が形成されていない平滑部5を
あらかじめ設定された幅で管軸方向に対して垂直に設け
て複数の突条部6を形成し、各突条部6を、突条3の先
端部3aによって形成された突条先端線の延長線7が隣
接する突条部6の突条3間の溝部4に位置するように形
成したものである。
も、第1の実施形態で説明した場合と同様に、熱交換器
1に設置された伝熱管2およびベンド13の内部に図5
の矢印Xの方向(管軸方向)に冷媒を流すと、冷媒は突
条3間の溝部4に沿って旋回流を形成しながら流れてフ
ィン12間を流れる空気との間で熱交換が行われ、伝熱
管2内においては冷媒の凝縮および蒸発の相変化が起こ
る。この時、突条部6を流れる冷媒は各突条3において
伝熱抵抗である温度境界層8を形成する。この温度境界
層8は高い熱伝達率を得るために薄くする必要がある
が、突条部6の入口6aでは非常に薄くなっているもの
の突条3に沿って流れるにしたがって連続的に発達して
厚くなる(以下、前縁効果という)。そして、1つの突
条部6を通過する間に充分発達した冷媒の温度境界層8
は平滑部5を経て次の突条部6に流入される。この時、
各突条部6は突条先端線の延長線7が隣接する突条部6
の突条3間の溝部4に位置するように形成されているの
で、次の突条部6に流れる冷媒はその入口6a付近で混
合して乱れ、各突条3で発達した冷媒の温度境界層8は
破壊される。
軸方向に対して螺旋状に形成するとともに、平滑部5を
あらかじめ設定された幅で管軸方向に対して垂直に設け
て複数の突条部6を形成し、各突条部6を突条先端線の
延長線7が隣接する突条部6の突条3間の溝部4に位置
するように形成しているので、冷媒の蒸発では、冷媒が
突条3間の溝部4内に保持され毛細管力が大きくなり、
冷媒と管内周面が接する有効伝熱面積が増大して熱伝達
率が促進され、凝縮の場合も平滑部5に多量の冷媒が保
持されて突条3の先端部3aの冷媒の液膜により埋もれ
ていない領域が増加し、高い凝縮熱伝達率が得られて伝
熱性能を向上することができる。また、前縁効果によっ
て各突条3で発達し厚くなった冷媒の温度境界層8は、
次の突条部6の入口6a付近で冷媒が混合してその流れ
に乱れが生じることによって破壊され、次の突条部6で
は薄くなるため、高い熱伝達率が得られて伝達性能の向
上した伝熱管2を得ることができる。
旋方向を同一にした場合を示したが、図6に示すよう
に、各突条部6のうち少なくとも1つの突条部6の螺旋
方向を他の突条部と異なるように構成してもよく、さら
に平滑部5を省略したものとしてもよい。これらの場
合、各突条部6で形成された冷媒の流れが異なるため、
次の突条部6の入口6a付近で流れの乱れが生じ、各突
条3で形成された温度境界層8が破壊されて熱伝達率の
促進を図ることができる。また、図6に示す伝熱管2に
おいて、各突条部6を突条先端線の延長線7が隣接する
突条部6の突条3間の溝部4に位置するように形成して
もよく、この場合も同様の効果を奏する。さらに、平滑
部5を管軸方向に対して螺旋状に設けてもよく、この場
合も同様に効果を奏する。
態の一部を示すA−A1展開図で、この実施形態は、第
1の実施形態のA−A1で展開した伝熱管2において、
管内周面に螺旋方向が異なる2つの突条3A,3Bを突
条3間の溝部4の幅G1が熱交換器1に設置したときの
底部で最大、頂部で最小になるように管軸方向に対して
螺旋状に複数形成し、管軸方向のあらかじめ設定された
間隔毎に突条3が形成されていない平滑部5をあらかじ
め設定された幅で管軸方向に対して垂直に設けて複数の
突条部6を形成したものである。なお、伝熱管2はその
造管工程のU字曲げ加工時において、伝熱管2のU字曲
げ部2aを中心に底部と頂部が逆転するが、各伝熱管2
はベンド13によってそれぞれ結合されたときに底部と
頂部は元の位置にもどるため、この伝熱管2を熱交換器
1全体に用いることができる。
も、第1の実施形態で説明した場合と同様に、熱交換器
1に設置された伝熱管2およびベンド13の内部に図7
の矢印Xの方向(管軸方向)に冷媒を流すと、冷媒は伝
熱管2の底部から頂部に向かって突条3間の溝部4に沿
いかつ左右両側に旋回流を形成しながら流れ、フィン1
2間を流れる空気との間で熱交換が行われる。伝熱管2
内においては冷媒の凝縮および蒸発の相変化が起こる。
この時、突条3間の溝部4の冷媒の液膜は、その重力と
底部から頂部に引き上げる毛細管力とがつり合う高さま
で引き上げられる。この毛細管力は溝部4の幅G1が小
さいほど大きくなり、底部から頂部に向かうほど大きな
毛細管力が生じる。また、各突条3では冷媒の温度境界
層8が形成されるが、冷媒は平滑部5と突条部6の入口
6a付近で混合して流れが乱れ、発達した冷媒の温度境
界層8が破壊される。
2つの突条3A,3Bを突条3間の溝部4の幅G1が熱
交換器1に設置したときの底部で最大、頂部で最小にな
るように管軸方向に対して螺旋状に複数形成しているの
で、毛細管力が頂部に向かうにしたがって大きくなり、
冷媒の蒸発では伝熱に寄与する有効伝熱面積が増大して
熱伝達率が促進され、冷媒の凝縮でも高い凝縮熱伝達率
が得られる突条3の先端部3aの冷媒の液膜により埋も
れていない領域が増加して伝熱性能を向上させることが
できる。また、管軸方向のあらかじめ設定された間隔毎
にあらかじめ設定された幅の平滑部5を管軸方向に対し
て垂直に設けて複数の突条部6を形成しているので、前
縁効果によって発達し厚くなった冷媒の温度境界層8
は、平滑部5および次の突条部6の入口6a付近で混合
された冷媒の流れの乱れによって破壊され、次の突条部
6では薄くなるため、高い熱伝達率が得られて伝達性能
の向上した伝熱管2を得ることができる。
場合、乾き度の大きな領域では冷媒の流動状態が環状流
または半環状流となり、薄い液膜が管内周面全域に渡っ
て形成されるので大きな熱伝達率が得られるが、乾き度
の小さな領域では流動状態が分離流となり易く、冷媒と
管内周面が接する有効伝熱面積が減少して熱伝達率が低
下する。このような場合、特に乾き度の小さな蒸発器の
上流部に上述した伝熱管2を適用すると、毛細管力が増
大し、伝熱に寄与する有効伝熱面積が増加して熱伝達率
の促進が得られる。
方向に対して垂直に設けた場合を示したが、管軸方向に
対して螺旋状に設けてもよく、平滑部5を省略してもよ
い。これらの場合も同様の効果を奏する。
熱管2の管内周面に設けた突条3を図2に示した形状で
構成した場合を示したが、突条3の形状はこれに限定す
るものではなく、例えば図3(a),(b)に示したも
のでもよく、また、図9に示した従来の突条14,16
としてもよい。これらの場合も同様の効果を奏する。
熱管は、管内周面に複数の突条を管軸方向に対して螺旋
状に形成し、突条を、山頂角が10度〜60度の範囲内
で断面山形状に形成した先端部と、管内周面と突条側面
とのなす角度が30度〜90度の範囲内で断面矩形状に
形成した軸部とにより構成し、突条の断面形状を、先端
山形状、ほぼ菱形状またはほぼ矢印状としたので、伝熱
管内に冷媒を流して外部空気との熱交換が行われると、
冷媒の凝縮では突条間の溝部に冷媒が容易に流れ込んで
突条の先端部が冷媒の液膜によって埋もれない状態が維
持され、常に高い凝縮熱伝達率を得ることができるとと
もに、冷媒の蒸発では突条間の溝部に冷媒が保持されや
すくなって沸騰が促進され、冷媒と管内周面が接する有
効伝熱面積が増大して伝熱性能の向上した伝熱管を得る
ことができる。
面に、複数の突条を管軸方向に対して螺旋状に形成する
とともに、熱交換器に設置したときの底部および頂部に
突条が形成されていない平滑部をあらかじめ設定された
幅で管軸方向に設けて2つの突条部を形成し、突条部の
一方の螺旋方向を他方の突条部の螺旋方向と異なるよう
にしたので、伝熱管内に冷媒を流して外部空気との熱交
換が行われると、伝熱管の底部から頂部に向かう旋回流
が形成され、突条間の溝部の冷媒の液膜が頂部へ引き上
げられやすくなり、冷媒の蒸発では冷媒と管内周面が接
する有効伝熱面積が増大して高い熱伝達率が得られ、冷
媒の凝縮でも底部の冷媒の液膜が薄くなって伝熱性能の
向上した伝熱管を得ることができる。
面に、複数の突条を管軸方向に対して螺旋状に形成する
とともに、突条が形成されていない平滑部をあらかじめ
設定された幅で管軸方向に対して垂直または螺旋状に設
けて複数の突条部を形成したので、伝熱管内に冷媒を流
して外部空気との熱交換が行われると、冷媒の蒸発では
冷媒が突条間の溝部内に保持され毛細管力が大きくな
り、冷媒と管内周面が接する有効伝熱面積が増大して熱
伝達率が促進され、冷媒の凝縮でも平滑部に多量の冷媒
が保持されて突条の先端部の冷媒の液膜により埋もれて
いない領域が増加し、底部の冷媒の液膜が薄くなって伝
熱性能の向上した伝熱管を得ることができる。
面に、複数の突条を管軸方向に対して螺旋状に形成する
とともに、突条の螺旋方向が他の螺旋方向と異なる方向
の突条部を管軸方向に対して垂直または螺旋状に少なく
とも1つ設けた、または、突条が形成されていない平滑
部をあらかじめ設定された幅で管軸方向に対して垂直ま
たは螺旋状に設けて複数の突条部を形成した、あるい
は、各突条部を突条の先端部によって形成された突条先
端線の延長線が隣接する突条部の突条間の溝部に位置す
るように形成したので、前縁効果によって各突条で発達
し厚くなった冷媒の温度境界層を次の突条部の入口付近
で冷媒が混合してその流れに乱れが生じることによって
破壊することができ、高い熱伝達率が得られて伝達性能
の向上した伝熱管を得ることができる。
面に、螺旋方向が異なる2つの突条をこの突条間の溝部
の幅が熱交換器に設置したときの底部で最大、頂部で最
小になるように管軸方向に対して螺旋状に複数形成した
ので、伝熱管の頂部に向かうにしたがって毛細管力が大
きくなり、冷媒の蒸発では伝熱に寄与する有効伝熱面積
が増大して熱伝達率が促進され、冷媒の凝縮でも突条の
先端部の冷媒の液膜により埋もれていない領域が増加し
て伝熱性能を向上させることができる。
隔毎に突条が形成されていない平滑部をあらかじめ設定
された幅で管軸方向に対して垂直または螺旋状に設けて
複数の突条部を形成したので、前縁効果によって各突条
で発達し厚くなった冷媒の温度境界層を平滑部および次
の突条部の入口付近で混合された冷媒の流れの乱れによ
って破壊することができ、高い熱伝達率が得られて伝達
性能の向上した伝熱管を得ることができる。
熱管を備えこの伝熱管内に冷媒を流して外部空気と熱交
換する熱交換器において、上述の伝熱管を少なくとも一
部に用いたので、全流領域に渡って冷媒側の熱伝達率を
高く維持することができ、伝熱性能の向上した熱交換器
を得ることができる。
である。
形例の拡大断面図である。
1展開図およびA−A断面図である。
1展開図である。
を示すA−A1展開図である。
1展開図である。
図である。
視図、その斜視図のC−C1展開図および斜視図D部分
の拡大断面図である。
発熱伝達率を示す線図である。
縮熱伝達率を示す線図である。
a 先端部、3b 軸部、4 溝部、5 平滑部、6,
6A,6B 突条部、7 突条先端線の延長線、12
フィン、13 ベンド、θ 山頂角、α 管内周面と突
条側面とのなす角。
Claims (11)
- 【請求項1】 管内周面に複数の突条を管軸方向に対し
て螺旋状に形成し、前記突条を、山頂角が10度〜60
度の範囲内で断面山形状に形成した先端部と、前記管内
周面と突条側面とのなす角が30度〜90度の範囲内で
断面矩形状に形成した軸部とにより構成したことを特徴
とする熱交換器用伝熱管。 - 【請求項2】 突条の断面形状を、先端山形状、ほぼ菱
形状またはほぼ矢印状としたことを特徴とする請求項1
記載の熱交換器用伝熱管。 - 【請求項3】 管内周面に、複数の突条を管軸方向に対
して螺旋状に形成するとともに、熱交換器に設置したと
きの底部および頂部に前記突条が形成されていない平滑
部をあらかじめ設定された幅で管軸方向に設けて2つの
突条部を形成し、該突条部の一方の螺旋方向を他方の突
条部の螺旋方向と異なるようにしたことを特徴とする熱
交換器用伝熱管。 - 【請求項4】 管内周面に、複数の突条を管軸方向に対
して螺旋状に形成するとともに、前記突条が形成されて
いない平滑部をあらかじめ設定された幅で管軸方向に対
して垂直または螺旋状に設けて複数の突条部を形成した
ことを特徴とする熱交換器用伝熱管。 - 【請求項5】 管内周面に、複数の突条を管軸方向に対
して螺旋状に形成するとともに、前記突条の螺旋方向が
他の螺旋方向と異なる方向の突条部を管軸方向に対して
垂直または螺旋状に少なくとも1つ設けたことを特徴と
する熱交換器用伝熱管。 - 【請求項6】 突条が形成されていない平滑部をあらか
じめ設定された幅で管軸方向に対して垂直または螺旋状
に設けて複数の突条部を形成したことを特徴とする請求
項5記載の熱交換器用伝熱管。 - 【請求項7】 各突条部を、前記突条の先端部によって
形成された突条先端線の延長線が隣接する前記突条部の
突条間の溝部に位置するように形成したことを特徴とす
る請求項4,5または6記載の熱交換器用伝熱管。 - 【請求項8】 管内周面に、螺旋方向が異なる2つの突
条を該突条間の溝部の幅が熱交換器に設置したときの底
部で最大、頂部で最小になるように管軸方向に対して螺
旋状に複数形成したことを特徴とする熱交換器用伝熱
管。 - 【請求項9】 管軸方向のあらかじめ設定された間隔毎
に前記突条が形成されていない平滑部をあらかじめ設定
された幅で管軸方向に対して垂直または螺旋状に設けて
複数の突条部を形成したことを特徴とする請求項8記載
の熱交換器用伝熱管。 - 【請求項10】 突条を請求項1または2のいずれかに
記載の形状に構成したことを特徴とする請求項3,4,
5,6,7,8または9記載の熱交換器用伝熱管。 - 【請求項11】 フィンおよび伝熱管を備え該伝熱管内
に冷媒を流して外部空気と熱交換する熱交換器におい
て、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または
10のいずれかに記載の伝熱管を少なくとも一部に用い
たことを特徴とする熱交換器。
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---|---|---|---|
JP06796497A JP3811909B2 (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 伝熱管およびそれを用いた熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP06796497A JP3811909B2 (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 伝熱管およびそれを用いた熱交換器 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10267578A true JPH10267578A (ja) | 1998-10-09 |
JP3811909B2 JP3811909B2 (ja) | 2006-08-23 |
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Family Applications (1)
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JP06796497A Expired - Lifetime JP3811909B2 (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 伝熱管およびそれを用いた熱交換器 |
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JP (1) | JP3811909B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1997-03-21 JP JP06796497A patent/JP3811909B2/ja not_active Expired - Lifetime
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