JPH1026705A - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JPH1026705A
JPH1026705A JP18320896A JP18320896A JPH1026705A JP H1026705 A JPH1026705 A JP H1026705A JP 18320896 A JP18320896 A JP 18320896A JP 18320896 A JP18320896 A JP 18320896A JP H1026705 A JPH1026705 A JP H1026705A
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JP
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refractive index
lens
variable
optical device
fixed
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JP18320896A
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English (en)
Inventor
Shiro Suyama
史朗 陶山
Kinya Kato
謹矢 加藤
Shigenobu Sakai
重信 酒井
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速で、収差が少ない光学装置を得る。能動
的に光学的性質を連続的に周期的変化できる光学装置を
得る。高速で、収差が少なく、かつ、能動的に光学的性
質を連続的に周期的変化できる可変焦点レンズを得る。 【解決手段】 固定焦点の固定レンズと屈折率可変物質
とを有する層と、該層を挾持する少なくとも一対の電極
とから構成される光学装置において、前記固定レンズの
表面形状あるいは屈折率分布あるいはその双方を、屈折
率可変物質の屈折率可変範囲内のm(≧1)個の屈折率
における可変焦点レンズの収差A1〜Amに対する重みα
1〜αm付き積算Σαi・Ai(i=1〜m)が最小となる
ように構成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印加電圧により焦
点距離を変化できる光学装置に関し、特に、その焦点が
変化した場合にもその収差をできるだけ小さく保つこと
ができる可変焦点レンズに適用して有効な技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の可変焦点レンズとしては、例え
ば、図8〜図10に示すような液晶レンズなどが提案さ
れている(昭和59年度科学研究費補助金研究成果報告
書、No.59850048)。
【0003】この液晶レンズの構造は、図8に示すよう
に、高分子やガラスなどで形成された、例えば平凹レン
ズα1などと、その表面に形成された透明電極α3と、
その透明電極α3の下に形成されたポリイミド等による
配向膜α5と、液晶α2(誘電率異方性が周波数の違い
により逆転しない通常のネマティック液晶)と、これら
に対向した対向基板α10の上に形成された透明電極α
4と、この透明電極α4の上に形成されたポリイミド等
による配向膜α9から構成される。ここで、配向膜α
5、α9は、液晶α2がほぼ平行に整列するように、ホ
モジニアス配向状態にしてある。
【0004】透明電極α3と透明電極α4間に電圧を印
加しない状態においては、配向膜α5、α9の作用で液
晶α2は対向基板α10にほぼ平行に並ぶように配向す
る。この場合、この配向方向に平行な偏光状態の入射
光、例えばα6にとって、液晶α2は平凹レンズα1に
比べ大きな屈折率を有しているように見えるため、光学
装置全体としては平凸レンズとして作用し、出射光α1
1のように集束する。
【0005】一方、透明電極α3と透明電極α4間に適
度な電圧を印加した状態においては、印加電圧の作用に
より、液晶α2は対向基板α10や平凹レンズα1に対
して垂直に配向する。この場合、入射光、例えばα6に
とって、液晶α2は平凹レンズα1とほぼ同じ屈折率を
有しているように見えるため、光学装置全体としては単
なるガラス板と同様な作用しか及ぼさず、出射光α7は
入射光とほぼ同様の方向に出射する。
【0006】このように、従来技術においても、印加電
圧によって光学装置、例えば平凸レンズの光学的性質、
例えば焦点距離を、図9に示すように、連続的に変化す
ることは可能であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0008】前記従来の技術においては、通常のレンズ
と異なってレンズ面と接するのが空気などの気体ではな
く、レンズの屈折率に近い屈折率を有する、例えば液晶
であることにより、惹起される収差を考慮した設計はな
されていなかった。
【0009】すなわち、レンズ面と接するのが空気など
の気体であることを前提として設計された通常のレンズ
を平凹レンズなどの固定レンズとして用いていたため、
種々の収差(例えば、光軸を中心として考えられたザイ
デルの5収差として、球面収差、コマ収差、像面湾曲、
非点収差、歪曲などを含む)は、空気中で用いる場合に
比べて大きくなった。そして、従来技術では、これにつ
いての補正はほとんど行われていなかった。
【0010】さらに、レンズ面と接する液晶の屈折率は
変化するため、前記した収差も変化する。したがって、
液晶の屈折率変化による収差の変化を考慮して、使用す
る範囲全体でのレンズ設計が必要となる。しかしなが
ら、従来技術ではこれらを考慮にいれた設計も行われて
いなかった。
【0011】このため、全体的に通常のレンズに比べて
収差が大きく、かつ、焦点距離が変化するとその収差が
さらに増大するという問題があった。
【0012】また、従来技術においては、電圧を印加し
ない場合の液晶α2の配向を配向膜α5、α9の配向規
制力のみで行っていた。このような光学装置において
は、液晶α2の厚みが数100μm以上と厚くなるた
め、その駆動の際の回復時間が、図10に示すように、
数秒以上と極めて遅くなるという問題があった。しか
も、印加電圧を増加しても、その回復時間にはほとんど
改善は見られず、その短時間化への方策がないのが現状
であった。
【0013】以上のように、従来の屈折率可変物質を用
いた能動的な光学装置は、この光学装置に特有の種々の
収差の発生、長い回復時間など、実用的に用いるには多
くの問題点があった。
【0014】本発明の目的は、高速で、収差が少ない光
学装置を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、能動的に光学的性質
を連続的に周期的変化できる光学装置を提供することに
ある。
【0016】本発明の他の目的は、高速で、収差が少な
く、かつ、能動的に光学的性質を連続的に周期的変化で
きる可変焦点レンズを提供することにある。
【0017】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
にする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。
【0019】(1)固定焦点の固定レンズと屈折率可変
物質とを有する層と、該層を挾持する少なくとも一対の
電極とから構成される光学装置において、前記固定レン
ズの表面形状あるいは屈折率分布あるいはその双方を、
屈折率可変物質の屈折率可変範囲内のm(≧1)個の屈
折率における可変焦点レンズの収差A1〜Amに対する重
みα1〜αm付き積算Σαi・Ai(i=1〜m)が最小と
なるように構成されたものである。
【0020】(2)固定焦点の固定レンズと屈折率可変
物質とを有する層と、該層を挾持する少なくとも一対の
電極とから構成される光学装置において、前記可変焦点
レンズの外側を、前記固定レンズと屈折率可変物質を有
する層より外側に、N(≧1)個の固定補正レンズを含
む組合せ可変焦点レンズとし、かつ、前記固定レンズと
N個の固定補正レンズの表面形状あるいは屈折率分布あ
るいはその双方を、屈折率可変物質の屈折率可変範囲内
のn(≧N+1)個の屈折率における組合せ可変焦点レ
ンズの収差B1〜Bnの重みβ1〜βn付き積算Σβj・Bj
(j=1〜n)が最小となるようにするものである。
【0021】(3)前記手段(1)の光学装置におい
て、屈折率可変物質の屈折率可変範囲の中の1つの屈折
率をとる際に、可変焦点レンズの収差が最小となる前記
固定レンズの表面形状とすること、あるいは、屈折率可
変範囲の中の2つの屈折率をとる際に、可変焦点レンズ
の収差が最小となる前記固定レンズの表面形状と屈折率
分布とするものである。
【0022】(4)前記手段(2)の光学装置におい
て、屈折率可変物質の屈折率可変範囲の中の少なくとも
N+1個の屈折率をとる際に組合せ可変焦点レンズの収
差が最小となる前記固定レンズとN(≧1)個の固定補
正レンズの表面形状あるいは屈折率分布あるいはその双
方とするものである。
【0023】(5)前記手段(1)乃至(4)のうちい
ずれか1つの光学装置において、前記屈折率可変物質
は、誘電率異方性と屈折率異方性を有する液晶を有する
ものである。
【0024】(6)前記手段(6)の光学装置におい
て、前記液晶は、周波数f1と周波数f2の異なる駆動
周波数で、誘電率異方性△εが逆符号となる2周波液晶
を有するものである。
【0025】(7)前記手段(1)乃至(4)のうちい
ずれか1つの光学装置において、前記屈折率可変物質
は、液晶を高分子中に分散させた高分子分散型液晶、あ
るいは高分子を液晶中に分散させた高分子分散型液晶を
有することを特徴とする光学装置である。
【0026】(8)前記手段(7)の光学装置におい
て、前記高分子分散型液晶は、液晶の粒径あるいは高分
子の粒径が可視光の波長よりも小さいものである。
【0027】(9)前記手段(1)乃至(4)のうちい
ずれか1つの光学装置において、前記透明電極は、その
間隔を一定とするものである。
【0028】(10)前記手段(1)乃至(4)のうち
いずれか1つの光学装置において、前記固定レンズある
いは固定補正レンズは、屈折率可変物質側の透明物質の
層の表面形状が、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ
のレンズの曲面、あるいはこれらの組合せによる合成レ
ンズの曲面、あるいは前記レンズあるいは合成レンズ
と、プリズムアレイ、レンズアレイ、レンティキュラレ
ンズ、回折格子との組合せの曲面を有すること、又は前
記固定レンズあるいは固定補正レンズの屈折率分布が、
凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズの屈折率分布、あ
るいはこれらの組合せによる合成レンズの屈折率分布、
あるいは前記レンズあるいは合成レンズと、プリズムア
レイ、レンズアレイ、レンティキュラレンズ、回折格子
との組合せの屈折率分布を有するものである。
【0029】(11)前記手段(1)乃至(10)の光
学装置は、可変焦点レンズもしくは組合せ可変焦点レン
ズである。
【0030】前述した手段によれば、以下の作用効果を
奏する。
【0031】(1)例えば、固定焦点を有する固定レン
ズと、屈折率可変物質を含む層と、これら固定レンズと
屈折率可変物質を含む層とを挾持する少なくとも一対の
透明電極とを含んで構成される可変焦点レンズ(光学装
置)において、固定レンズを屈折率可変物質の屈折率可
変範囲内のいくつかの屈折率をとる際に可変焦点レンズ
の収差が最小となる表面形状あるいは屈折率変化あるい
はその双方とすること、又は前記の可変焦点レンズに固
定補正レンズを組合せた組レンズとして、かつ、この固
定補正レンズを屈折率可変物質の屈折率可変範囲内のい
くつかの屈折率においてこの組レンズの収差が最も小さ
くなる表面形状あるいは屈折率分布あるいはその双方と
することにより、可変焦点レンズあるいは組合せ可変焦
点レンズ(光学装置)において、焦点距離が変化した場
合にもできるだけ小さな収差に保てる利点を有する。
【0032】(2)レンズ機能だけではなく、例えばプ
リズムアレイを組合せることにより、光の偏向機能を併
せて満足することなど、多くの光学素子との組合せ機能
を実現できる。
【0033】(3)屈折率可変物質により構成される一
致のレンズを考慮に入れることにより、可変焦点レンズ
全体の収差をより正確に把握でき、ひいては収差を小さ
く設計できる。
【0034】(4)屈折率可変物質の屈折率可変範囲全
体に収差を小さくでき、かつ焦点距離(屈折率で決ま
る)の重要度も考慮できる利点を有する。
【0035】(5)固定レンズの表面形状だけではな
く、固定レンズの屈折率分布も変化させて設計すれば、
変更パラメータの数が増えるために、収差をより小さく
できる。
【0036】(6)設計する際の変更パラメータとして
固定レンズの表面形状と屈折率分布であるのに対して、
さらに変更パラメータの数を増し、収差を小さくするこ
とができる。
【0037】(7)可変焦点レンズにおける屈折率可変
物質として、誘電率異方性と屈折率異方性を有する液晶
を用いることにより、液晶は他の屈折率可変物質に比べ
て屈折率異方性が大きいため、焦点距離の可変範囲を大
きくすることができる。
【0038】(8)周波数f1と周波数f2の異なる駆
動電圧の周波数で、誘電率異方性が逆符号となる2周波
液晶を用いることにより、駆動電圧の周波数f1、f2
によって誘電率異方性が逆符号となるため、この周波数
の変化のみにより、液晶を電界方向に対して平行/垂直
と変化できる。
【0039】(9)液晶は屈折率異方性を有するため、
屈折率を変化できる。したがって、電界の周波数f1、
f2によって主に屈折率を変化できるため、配向膜の影
響を少なくしたり、駆動を高速化できる。
【0040】(10)高分子分散型液晶は、液晶が高分
子に近い距離で囲まれているため、この高分子の配向規
制力により、液晶の動きが高速化できる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0042】(実施形態1)図1は本発明の光学装置の
実施形態(実施例)1の可変焦点レンズの概略構成を示
す断面図であり、110は可変焦点レンズ(光学装
置)、11は例えば透明な高分子やガラスなどからなる
固定焦点を有する固定レンズ、12は例えば液晶を含む
透明物質などからなる屈折率可変物質、13,14は透
明電極、15は駆動装置、16は入射光、17,18は
出射光、19は配向膜、100は固定レンズ11と屈折
率可変物質12とを有する層である。
【0043】前記可変焦点レンズ110は、図1に示す
ように、固定レンズ11と屈折率可変物質12とを有す
る層100と、該層100を挾んだ、例えばITOやS
nOxよりなる複数(例えば2個)の透明電極13,1
4と、屈折率可変物質12に接して設けられた配向膜1
9、及びこれらを駆動するための駆動装置15から構成
される。
【0044】ここで、可変焦点レンズ110の一例とし
て、例えば焦点距離が可変な平凸レンズ(焦点距離がプ
ラス)の提供を目的とし、かつ、例えば屈折率可変物質
12の屈折率の方が固定レンズ11の屈折率よりも概ね
大きい場合には、屈折率の大きい屈折率可変物質12
を、例えば凸レンズ形状とすればよい。したがって、屈
折率可変物質12側の固定レンズ11の表面形状を、例
えば図1に示すように、概ね凹フレネルレンズ形状とす
るか、あるいは概ね凹レンズ形状などとすればよい。
【0045】勿論、例えば、屈折率可変物質12の屈折
率の方が固定レンズ11の屈折率よりも概ね小さい場合
には、屈折率可変物質12側の固定レンズの層11の表
面形状を、例えば概ね凸フレネルレンズ形状や凸レンズ
形状などとすればよいことは明らかである。さらに、レ
ンズ機能だけではなく、例えばプリズムアレイを組合せ
ることにより、光の偏向機能を併せて満足することな
ど、多くの光学素子との組合せ機能を実現できることは
明らかである。
【0046】また、屈折率可変物質12は、屈折率異方
性と誘電率異方性を有している。例えば液晶を含む透明
物質とする。このようにすると、駆動装置15による電
界の印加状態を変化することにより、誘電率異方性、配
向膜19の配向規制力などの効果によって液晶の分子の
向きを変化できる。液晶分子の向きが変化すると、液晶
は屈折率異方性を有しているため、その屈折率が変化す
る。このようにして、駆動装置15の電界の印加状態を
変化させることにより、屈折率可変物質12の屈折率を
変化できる。
【0047】例えば、固定レンズ11と屈折率可変物質
12がほぼ同じとなると、本発明の光学装置に入射して
きた光16はほとんど変化を受けずに出射光17として
透過する。一方、屈折率可変物質12の屈折率が固定レ
ンズ11の屈折率より大きくなると、屈折率可変物質1
2の部分が例えば凸フレネルレンズ形状であるため、本
発明の光学装置は、屈折率可変物質12の分子長軸と平
行の偏光で入射してきた光16に対しては凸フレネルレ
ンズとして機能し、出射光18のように集束する。
【0048】このように可変焦点レンズ110では、屈
折率可変物質12の屈折率を変化させることにより、レ
ンズの焦点距離を変化させることができる。
【0049】本実施形態1では、電極は透明電極とした
例を示したが、一方が透明でない電極、例えば鏡面を有
する電極(例えばアルミ膜やクロム膜などの金属膜な
ど)であってもよい。
【0050】例えば、図1に示した実施形態1の中で透
明電極14をこのような例えば鏡面を有する電極に代
え、入射光16を透明電極13の方向より入射するとこ
れまでに示したのと同様に固定レンズ11と屈折率可変
物質12との屈折率差に応じて光はレンズ効果を受けた
後、一旦、透明電極14に達する。次に、透明電極14
により光は反射され、再び同様なレンズ効果を受けて透
明電極13の方向に出射することになる。すなわち、こ
のような構成の場合には、本実施形態1の光学装置は焦
点距離の可変なミラーとして作用させることができる。
【0051】前記本実施形態1の可変焦点レンズ110
の収差を算出するには、従来技術とは異なり、固定レン
ズ11に接するのが、例えば空気などの気体(屈折率=
約1)ではなく、屈折率可変物質12であることを考慮
する必要がある。すなわち、屈折率可変物質12の屈折
率で構成される一種のレンズが固定レンズに接して配置
されているとし、屈折率可変物質12の屈折率と表面形
状、及び固定レンズ11の屈折率分布と表面形状などに
より、通常のレンズの場合と同様にスネルの法則を主に
用い幾何光学的手法により、例えばザイデルの5収差
(球面収差、コマ収差、像面湾曲、非点収差、歪曲)な
どとして算出することができる。
【0052】このように、屈折率可変物質により構成さ
れる一種のレンズを考慮に入れることにより、可変焦点
レンズ110全体の収差をより正確に把握でき、ひいて
は収差を小さく設計できる。
【0053】次に、収差を小さくするように設計するに
は、例えば上記した種々の収差の値をRn>0(n=
1、2、…)とした時、どの収差を重要視するかによっ
て例えばこれらに重みαnをつけて、これらの収差の
和:Σαn・Rnをとる。そして、これを最小にするよう
に固定レンズ11の表面形状あるいは屈折率分布あるい
はその双方を設計することにより実現できる。
【0054】しかし、通常のレンズ設計と異なり、可変
焦点レンズ110においては、屈折率可変物質12の屈
折率が変化するため、前記収差の和Σαn・Rnも変化す
るため、通常の方法では解を一意的に決定することが困
難である。
【0055】そこで、本実施形態1では、以下に示す方
法を提案する。まず、屈折率可変物質12の屈折率の可
変範囲を分解し、その屈折率Kp(p=1、2、…)に
対して、前記収差の和(Σαn・RnK=Kpを重みβ
p(その屈折率を用いる場合の重要度による)をつけ
て、例えばΣβp・(Σαn・RnK=Kpと積算する。こ
れを最小とする固定レンズ11の表面形状あるいは屈折
率分布あるいはその双方を探索し、その設計を行うこと
により屈折率が変化した場合においても収差を最小にで
きる解を見いだす。
【0056】この方法は、解を見いだすのに多くの計算
が必要であり、また、ローカルミニマムに陥り易い問題
を有するが、屈折率可変物質12の屈折率可変範囲全体
に収差を小さくでき、かつ焦点距離(屈折率で決まる)
の重要度も考慮できる利点を有する。
【0057】また、固定レンズの表面形状だけではな
く、固定レンズの屈折率分布も変化させて設計すれば、
変更パラメータの数が増えるために、収差をより小さく
できることは明らかである。
【0058】(実施形態2)本実施形態2は、設計する
際の変更パラメータとして固定レンズの表面形状と屈折
率分布であるのに対して、さらに変更パラメータの数を
増やし、収差を小さくする方法である。
【0059】図2は本発明の光学装置の実施形態2の可
変焦点レンズの概略構成を示す断面図であり、210は
可変焦点レンズ、21は例えば透明な高分子やガラスな
どからなる固定焦点を有する固定レンズ、22は例えば
液晶を含む透明物質などからなる屈折率可変物質、2
3,24は透明電極、25は駆動装置、26は入射光、
27,28は出射光、29は配向膜、200は固定レン
ズ21と屈折率可変物質22とを有する層、20N(N
=1,2,3・・・n),20N’(N’=1,2,3
・・・n)は固定補正レンズ、211は組合せ可変焦点
レンズである。
【0060】本実施形態2の可変焦点レンズ210は、
図2に示すように、例えば透明な高分子やガラスなどか
らなる固定焦点を有する固定レンズ21と、例えば液晶
を含む透明物質などからなる屈折率可変物質22と、こ
れら固定レンズ21と屈折率可変物質22を含む層20
0を挾んだ、例えばITOやSnOxよりなる複数(例
えば2種)の透明電極23,24と、屈折率可変物質2
2に接して設けられた配向膜29、及びこれらを駆動す
るための駆動装置25から構成される。この可変焦点レ
ンズ210の外側に、複数個の固定補正レンズ20N,
20N’を配置し、全体として組合せ可変焦点レンズ2
11とする。
【0061】組合せ可変焦点レンズ211の収差を算出
するには、実施形態1と同様に、固定レンズ21に接す
る屈折率可変物質22の屈折率で構成される一種のレン
ズが、固定レンズに接して配置されているとみなし、屈
折率可変物質22の屈折率と表面形状、及び固定レンズ
21の屈折率分布と表面形状、及び固定補正レンズ20
N,20N’の屈折率分布と表面形状などにより、幾何
光学的手法により算出することができる。
【0062】次に、収差を小さくするように設計するに
は、例えば前記した種々の収差の値をRn>0(n=
1、2、…)とした時、どの収差を重要視するかによっ
て例えばこれらに重みαnを付けて、これらの収差の和
Σαn・Rnをとる。そして、これを最小にするように固
定レンズ21の表面形状あるいは屈折率分布あるいはそ
の双方、及び固定補正レンズ20N,20N’の屈折率
分布と表面形状を設計することにより実現できる。
【0063】ここで、前記実施形態1で示したのと同様
に、可変焦点レンズ210においては、屈折率可変物質
22の屈折率が変化するため、前記収差の和Σαn・Rn
も変化するため、通常の方法では解を一意的に決定する
ことが困難である。
【0064】そこで、前記実施形態1で示したのと同様
に、屈折率可変物質22の屈折率の可変範囲を分解し、
その屈折率Kp(p=1、2、…)に対して、前記収差
の和(Σαn・RnK=Kpを重みβp(その屈折率を用い
る場合の重要度による)を付けて例えばΣβp・(Σαn
・RnK=Kpと積算する。これを最小とする固定レンズ
の表面形状あるいは屈折率分布あるいはその双方、及び
固定補正レンズ20N,20N’の屈折率分布と表面形
状を探索し、その設計を行うことにより、屈折率が変化
した場合においても収差を最小にできる解を見いだす。
【0065】このように、本実施形態では、固定レンズ
の表面形状や屈折率分布だけでなく、固定補正レンズ2
0N,20N’の表面形状や屈折率分布をも変化させて
設計できるため、変更パラメータの数が増え、収差をよ
り小さくできる。
【0066】(実施形態3)前記実施形態1,2を用い
ることにより、屈折率可変物質の種々の屈折率に対応し
た設計は可能となるが、収差の最小値を求めるための計
算が一般に複雑となり、また、解として最小点ではなく
極小点(いわゆるローカルミニマム)に陥り易い。
【0067】そこで、本実施形態3の可変焦点レンズ
は、一般の屈折率可変物質はその屈折率の可変範囲が小
さいことに着目し、できるだけ少数の屈折率で代表させ
るものである。
【0068】本実施形態3の可変焦点レンズは、前記実
施形態1,2と同様に、可変焦点レンズ210あるいは
組合せ可変焦点レンズ211の概略の構成は、図1,2
に示した通りである。
【0069】この可変焦点レンズ210あるいは組合せ
可変焦点レンズ211の収差を算出するには、前記実施
形態1,2と同様に、屈折率可変物質22の屈折率で構
成される一種のレンズが固定レンズに接して配置されて
いるとみなし、屈折率可変物質22の屈折率と表面形
状、及び固定レンズ21の屈折率分布と表面形状、及び
固定補正レンズの屈折率分布と表面形状などにより、幾
何光学的手法で算出することができる。
【0070】次に、収差を小さくするように設計するに
は、例えば前記した種々の収差の値をRn>0(n=
1、2、…)とした時、どの収差を重要視するかによっ
て、例えばこれらに重みαnをつけて、これらの収差の
和Σαn・Rnをとる。そして、これを最小にするように
固定レンズ21の表面形状あるいは屈折率分布あるいは
その双方、あるいは固定補正レンズの屈折率分布と表面
形状を設計することにより実現できる。
【0071】ここで、可変焦点レンズ210あるいは組
合せ可変焦点レンズ211においては、屈折率可変物質
22の屈折率が変化するため、前記収差の和Σαn・Rn
も変化するため、通常の方法では解を一意的に決定する
ことは困難である。しかし、一般的に屈折率可変物質2
2の可変屈折率範囲は小さいため、その中の代表的な値
を用いて算出することが考えられる。
【0072】この代表値としては、例えば屈折率可変範
囲の中間の値や屈折率可変範囲の両端の値や、可変焦点
レンズ210あるいは組合せ可変焦点レンズ211の焦
点距離の正負が変化する屈折率近傍の値や、特に収差を
小さくしたい焦点距離における屈折率の値や、これらの
組合せなどが多く考えられることは明らかである。
【0073】このように、屈折率可変物質の屈折率に代
表値を設定することにより、少なくとも屈折率に関する
積算の部分は著しく少なくなり、計算の複雑さが低減で
きる利点を有する。
【0074】本実施形態3の効果が最も著しいのは、考
慮すべき収差が少ない場合である。例えば、変更できる
パラメータ(例えば表面形状や屈折率分布など)の数と
同じに屈折率の代表値の数を設定できるとすると、解析
的に解くことが可能となり、計算時間の大幅な短縮を図
れるとともに、収差を小さくできる利点を有する。
【0075】さらに、本実施形態を用いて解を一旦求
め、これを初期値として実施形態2,3の方法によっ
て、さらに一般的な解を求めることも、極めて有効な方
法であることは明らかである。
【0076】前記実施形態1と本実施形態3に関連する
設計例を以下に示す。この設計例では、説明を簡単化す
るために、収差として球面収差のみを考え、かつ入射光
としては平行光線のみを考える。また、固定レンズの屈
折率が屈折率可変物質の屈折率可変範囲の中にあり、固
定レンズの表面形状のみを設計する場合について示す。
【0077】まず、レンズに接する物質が空気であると
して球面収差を最小にするように設計された、従来のフ
レネルレンズ(空気中での焦点距離:8cm)を固定レ
ンズとして用いた場合の球面収差を図3に示す。図3に
おいて、横軸はフレネルレンズの中心からの距離であ
り、縦軸は中心近傍の焦点距離(近軸と呼ぶ)により規
格化した焦点距離のずれである。屈折率が変化した場合
の違いを点線によって複数示す。このように従来の場合
には、レンズの中心軸からずれるにしたがって、焦点距
離が倍以上にも変化し、極めて大きな球面収差を生じる
ことがわかる。
【0078】次に、本実施形態1の可変焦点レンズ21
0により、設計した場合の収差例を図4に示す。ここ
で、焦点距離は従来技術と同等となるように屈折率可変
物質の屈折率が異常屈折率の場合に30cmとし、設計
において考慮する屈折率としては、屈折率可変物質の屈
折率可変範囲の両端値と中間値の3値を用い、重みは均
等とした。球面収差は、図4に示したように、屈折率の
変化により多少のばらつきは見られるが、従来技術に比
べて、大きな改善が見られることが分かる。
【0079】次に、前記実施形態3の可変焦点レンズに
より、設計した場合の収差例を図5に示す。ここで、設
計時に考慮する屈折率としては1個のみを用い、その屈
折率を、(a)屈折率可変範囲の中で最小屈折率の場
合、(b)中間値の場合、(c)最大屈折率の場合につ
いて示した。
【0080】また、焦点距離は従来技術と同様となるよ
うに各屈折率において設定した。それぞれ設計時に考慮
した屈折率では球面収差がないようになっており、か
つ、従来技術に比べれば、大きな改善が見られているこ
とは明らかである。
【0081】図4に示した設計例と比較すると、設計に
考慮した屈折率が1個であるにも拘らず、小さな収差が
得られることが分かる。但し、設計に考慮する屈折率を
適宜に選択することが重要であり、それにより収差の大
きさが変化することも分かる。最小の収差ではなく、ほ
どほどの収差でよい場合には、経験的に屈折率を選択
し、本実施形態3の可変焦点レンズを用いることが便利
であることが分かる。
【0082】以上の設計例では、固定レンズの表面形状
のみを変化した場合について述べたが、屈折率分布を設
けることは光学的に別なレンズを追加することにほぼ同
義であり、したがって、固定補正レンズを設けることと
ほぼ同じ効果である。但し、可変焦点レンズの大きさが
大きくなり、可変焦点レンズの周辺における臨界角反射
が設計上で問題となる領域においては、その改善策とし
て固定レンズの屈折率分布を変化させ、この臨界角を変
化させることは有効な方法となる。
【0083】(実施形態4)本実施形態4は、前記実施
形態1,2,3の可変焦点レンズにおける屈折率可変物
質として、誘電率異方性と屈折率異方性を有する液晶を
用いたものである。
【0084】前記液晶として、周波数f1と周波数f2
の異なる駆動周波数で、誘電率異方性:△εが逆符号と
なる2周波液晶を用いたものである。
【0085】本実施形態4によれば、結晶は、他の屈折
率可変物質に比べて屈折率異方性が大きいため、これを
可変焦点レンズに用いることは焦点距離の可変範囲を大
きくできる。
【0086】また、図6に示すように、周波数f1と周
波数f2の異なる駆動電圧の周波数で、誘電率異方性が
逆符号となる2周波液晶を用いることにより、以下のよ
うな利点がある。すなわち、駆動電圧の周波数f1、f
2によって誘電率異方性が逆符号となるため、この周波
数の変化のみにより、液晶を電界方向に対して平行/垂
直と変化できる。
【0087】これにより、液晶は屈折率異方性を有する
ため、屈折率を変化できる。したがって、電界の周波数
f1、f2によって主に屈折率を変化できるため、配向
膜の影響を少なくしたり、駆動を高速化できる利点を有
する。
【0088】(実施形態5)本実施形態5は、前記実施
形態1,2,3の可変焦点レンズにおける屈折率可変物
質として、液晶を高分子中に分散させた第1の高分子分
散型液晶、あるいは高分子を液晶中に分散させた第2の
高分子分散型液晶を用いたものである。
【0089】前記高分子分散型液晶として、液晶の粒径
あるいは高分子の粒径が可視光の波長よりも小さくした
ものを用いる。
【0090】図7にその構造を示す。図7(a)及び
(b)において、4a1は固定レンズ、4a2は屈折率
可変物質、4a3,4a4は透明電極、4a6は入射
光、4a7,4a8は出射光、4a9は配向膜、4a1
0は高分子、4a11は液晶、4a12は高分子の網の
目である。
【0091】高分子分散型液晶は、例えば、図7(a)
に示すように高分子4a10中に液晶4a11のドロプ
レットが散在する構造や、(b)に示すように、高分子
の網の目4a12の中に液晶4a11が存在する構造な
どを有している。このように高分子分散型液晶は液晶4
a11が高分子4a10に近い距離で囲まれているた
め、この高分子4a10の配向規制力により、液晶4a
11の動きが高速化できる利点を有している。
【0092】ここで、可変焦点レンズを可視光の範囲で
用いる場合には、この高分子分散型液晶は、ドロプレッ
トのサイズが可視光の波長程度から数倍程度までの場合
には、電界により液晶がある程度配向するまでは複屈折
による散乱の影響で白濁してしまう問題を有している。
これを避けるためには、屈折率の可変範囲が小さくなる
が、電界を一定以下にせずに液晶を一定以上配向させて
おく方法がある。
【0093】(実施形態6)さらに、可変焦点レンズを
可視光の範囲で用いる場合には、ドロプレットのサイズ
を、例えば可視光の波長を小さくする(例えば数100
nm以下と小さくする)方法がある。ドロプレットのサ
イズを小さくすると、散乱理論から散乱は小さくなり白
濁しないようにできる。
【0094】勿論、可変焦点レンズをさらに波長の長
い、例えば赤外線で使用する場合にも、同様のことが考
えられることは明らかである。
【0095】前記固定レンズとして主にフレネルレンズ
構造を用いた場合において説明を行ったが、これが凸レ
ンズや凹レンズやプリズムアレイやレンティキュラレン
ズやレンズアレイや回折格子やこれらの組合せの曲面を
含む場合であっても同様な効果が期待できることは明ら
かである。
【0096】また、前記屈折率可変物質として液晶を用
いた例について主に説明したが、これをPLZTなどの
電気光学結晶などの他の材料を用いた例でも同様な効果
を期待できることは明らかである。
【0097】また、前記液晶の屈折率と固定レンズの屈
折率を、液晶が透明電極に対して垂直に立った場合に両
者がほぼ等しくなる例について主に説明したが、これを
液晶が透明電極に対して平行になった場合に両者がほぼ
等しくなるようにした例、あるいは液晶が透明電極に対
して一定の角度をなした場合に両者がほぼ等しくなるよ
うにした例であっても同様な効果が期待できることは明
らかである。
【0098】また、前記液晶の屈折率が固定レンズの屈
折率よりも、概ね大きい例について主に説明を行った
が、液晶の屈折率を固定レンズの屈折率よりも概ね小さ
くした例、あるいは液晶の屈折率の可変範囲の中に固定
レンズの屈折率の値が位置する例であっても同様な効果
が期待できることは明らかである。
【0099】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、
前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論で
ある。
【0100】
【発明の効果】本願によって開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下
のとおりである。
【0101】(1)光学装置(可変焦点レンズあるいは
組合せ可変焦点レンズ)において、焦点距離が変化した
場合にもできるだけ小さな収差に保持することができ
る。
【0102】(2)高速で、収差が少ない光学装置を得
ることができる。
【0103】(3)能動的に光学的性質を連続的に周期
的変化できる光学装置を得ることができる。
【0104】(4)高速で、収差が少なく、かつ、能動
的に光学的性質を連続的に周期的変化できる光学装置を
得ることができる。
【0105】(5)屈折率可変物質により構成される一
致のレンズを考慮に入れることにより、可変焦点レンズ
全体の収差をより正確に把握でき、ひいては収差を小さ
く設計できる。
【0106】(6)屈折率可変物質の屈折率可変範囲全
体に収差を小さくでき、かつ焦点距離(屈折率で決ま
る)の重要度も考慮できる。
【0107】(7)固定レンズの表面形状だけではな
く、固定レンズの屈折率分布も変化させて設計すれば、
変更パラメータの数が増えるので、収差をより小さくで
きる。
【0108】(8)設計する際の変更パラメータとして
固定レンズの表面形状と屈折率分布であるのに対して、
さらに変更パラメータの数を増し、収差を小さくするこ
とができる。
【0109】(9)可変焦点レンズにおける屈折率可変
物質として、誘電率異方性と屈折率異方性を有する液晶
を用いることにより、液晶は他の屈折率可変物質に比べ
て屈折率異方性が大きいので、焦点距離の可変範囲を大
きくすることができる。
【0110】(10)周波数f1と周波数f2の異なる
駆動電圧の周波数で、誘電率異方性が逆符号となる2周
波液晶を用いることにより、駆動電圧の周波数f1、f
2によって誘電率異方性が逆符号となるので、この周波
数の変化のみにより、液晶を電界方向に対して平行/垂
直と変化できる。
【0111】(11)液晶は屈折率異方性を有するの
で、屈折率を変化できる。したがって、電界の周波数f
1、f2によって主に屈折率を変化できるので、配向膜
の影響を少なくしたり、駆動を高速化できる。
【0112】(12)高分子分散型液晶は、液晶が高分
子に近い距離で囲まれているので、この高分子の配向規
制力により、液晶の動きが高速化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置の実施形態(実施例)1の可
変焦点レンズの概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態2の可変焦点レンズの概略構
成を示す断面図である。
【図3】従来のフレネルレンズ(空気中での焦点距離:
8cm)を固定レンズとして用いた場合の球面収差を示
す図である。
【図4】本実施形態1の可変焦点レンズによる収差例を
示す図である。
【図5】本実施形態3の可変焦点レンズによる収差例を
示す図である。
【図6】本実施形態4における周波数f1と周波数f2
の異なる駆動電圧の周波数で、誘電率異方性が逆符号と
なる特性を示す図である。
【図7】本発明の光学装置の実施形態(実施例)5の可
変焦点レンズの概略構成を示す断面図である。
【図8】従来の可変焦点レンズの概略構成を示す断面図
である。
【図9】従来の可変焦点レンズの問題点を説明するため
の図である。
【図10】従来の可変焦点レンズの問題点を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
110,210…可変焦点レンズ(光学装置)、 211…組合せ可変焦点レンズ(光学装置)、 11,21…固定レンズ、 12,22…屈折率可変物質、 13,14,23,24…透明電極、 15,25…駆動装置、 16,26…入射光、 17,18,27,28…出射光、 19,29…配向膜、 100,200…固定レンズと屈折率可変物質12とを
有する層、 20N,20N’…固定補正レンズ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定焦点の固定レンズと屈折率可変物質
    とを有する層と、該層を挾持する少なくとも一対の電極
    とから構成される光学装置において、前記固定レンズの
    表面形状あるいは屈折率分布あるいはその双方を、屈折
    率可変物質の屈折率可変範囲内のm(≧1)個の屈折率
    における可変焦点レンズの収差A1〜Amに対する重みα
    1〜αm付き積算Σαi・Ai(i=1〜m)が最小となる
    ように構成されていることを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】 固定焦点の固定レンズと屈折率可変物質
    とを有する層と、該層を挾持する少なくとも一対の電極
    とから構成される光学装置において、前記可変焦点レン
    ズの外側を、前記固定レンズと屈折率可変物質を有する
    層より外側に、N(≧1)個の固定補正レンズを含む組
    合せ可変焦点レンズとし、かつ、前記固定レンズとN個
    の固定補正レンズの表面形状あるいは屈折率分布あるい
    はその双方を、屈折率可変物質の屈折率可変範囲内のn
    (≧N+1)個の屈折率における組合せ可変焦点レンズ
    の収差B1〜Bnの重みβ1〜βn付き積算Σβj・Bj(j
    =1〜n)が最小となるようにすることを特徴とする光
    学装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載される光学装置におい
    て、屈折率可変物質の屈折率可変範囲の中の1つの屈折
    率をとる際に、可変焦点レンズの収差が最小となる前記
    固定レンズの表面形状とすること、あるいは、屈折率可
    変範囲の中の2つの屈折率をとる際に、可変焦点レンズ
    の収差が最小となる前記固定レンズの表面形状と屈折率
    分布とすることを特徴とする光学装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載される光学装置におい
    て、屈折率可変物質の屈折率可変範囲の中の少なくとも
    N+1個の屈折率をとる際に組合せ可変焦点レンズの収
    差が最小となる前記固定レンズとN(≧1)個の固定補
    正レンズの表面形状あるいは屈折率分布あるいはその双
    方とすることを特徴とする光学装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記
    載される光学装置において、前記屈折率可変物質は、誘
    電率異方性と屈折率異方性を有する液晶を有することを
    特徴とする光学装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載される光学装置におい
    て、前記液晶は、周波数f1と周波数f2の異なる駆動
    周波数で、誘電率異方性△εが逆符号となる2周波液晶
    を有することを特徴とする光学装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記
    載される光学装置において、前記屈折率可変物質は、液
    晶を高分子中に分散させた高分子分散型液晶、あるいは
    高分子を液晶中に分散させた高分子分散型液晶を有する
    ことを特徴とする光学装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載される光学装置におい
    て、前記高分子分散型液晶は、液晶の粒径あるいは高分
    子の粒径が可視光の波長よりも小さいことを特徴とする
    光学装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記
    載される光学装置において、前記透明電極は、その間隔
    を一定とすることを特徴とする光学装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至4のうちいずれか1項に
    記載される光学装置において、前記固定レンズあるいは
    固定補正レンズは、屈折率可変物質側の透明物質の層の
    表面形状が、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズのレ
    ンズの曲面、あるいはこれらの組合せによる合成レンズ
    の曲面、あるいは前記レンズあるいは合成レンズと、プ
    リズムアレイ、レンズアレイ、レンティキュラレンズ、
    回折格子との組合せの曲面を有すること、又は前記固定
    レンズあるいは固定補正レンズの屈折率分布が、凸レン
    ズ、凹レンズ、フレネルレンズの屈折率分布、あるいは
    これらの組合せによる合成レンズの屈折率分布、あるい
    は前記レンズあるいは合成レンズと、プリズムアレイ、
    レンズアレイ、レンティキュラレンズ、回折格子との組
    合せの屈折率分布を有することを特徴とする光学装置。
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