JPH1026588A - フッ化物イオンの分析方法及び分析試薬 - Google Patents
フッ化物イオンの分析方法及び分析試薬Info
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- JPH1026588A JPH1026588A JP18311096A JP18311096A JPH1026588A JP H1026588 A JPH1026588 A JP H1026588A JP 18311096 A JP18311096 A JP 18311096A JP 18311096 A JP18311096 A JP 18311096A JP H1026588 A JPH1026588 A JP H1026588A
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Abstract
分析法よりも簡便な操作で高感度の分析が行える分析方
法および分析試薬を提供する。 【解決手段】 フッ化物イオンの測定に蛍光光度法を用
い、新規な分析試薬を用い、pH調整,加熱温度,加熱
時間について定められた操作方法を用いることにより、
高感度な測定を行う。分析試薬は、金属イオンとしては
アルミニウム,セリウム,ランタンの3価陽イオンの何
れかであり、配位子として2−メチルアミノ−4,5−
ジフェニルイミダゾールを有している。この配位子が、
被検液中で分析対象であるフッ化物イオンと置換反応し
て遊離するので、この蛍光強度を測定することにより、
フッ化物イオン濃度を算出する。
Description
ンの分析方法及び、その方法に用いる分析試薬に関する
ものである。
までに多くの方法が開発されている。しかしながら、そ
の多くは感度,精度,簡便性の何れかの点で不十分であ
り、必ずしも満足できる方法とは言えなかった。
として用いる吸光光度法が開発された(R.Belch
er et. al.,J.Chem.Soc.,19
59,3577.)。本分析法は、これまでの分析法と
比較して多くの点で優れているため、広く利用されるよ
うになった。
ンとの錯体を用いる分析法は、工業用水試験法(JIS
−K0101),工場排水試験法(JIS−K010
2)および排ガス中フッ素化合物分析法(JIS−K0
105)等に規定されている。
ンとの反応を高温下で行うことにより、分析時間の短
縮,分析下限や分析精度の改善等の効果を獲得したフッ
素イオンのフローインジェクション分析方法が特開昭6
1ー100641号公報に開示されている。
分析法である、ランタンとアリザリンコンプレキソンと
の錯体を分析試薬として使用する方法は、現在広く利用
されており、また、多くの改良法が開発されている。
でも数十ナノグラム程度であり、また、分析試薬を加え
てから呈色反応が完了するまで20〜60分程度を要す
ること、分析精度が相対誤差±5〜20%と低いことな
どが欠点である。
ッ化物イオンの分析方法及び分析試薬を提供することに
ある。
め、本発明に係るフッ化物イオンの分析方法は、フッ化
物イオンとの置換反応で分析試薬から遊離する蛍光物質
の蛍光強度を測定することにより、フッ化物イオン濃度
を求めるものである。
[1]で示される、フッ化物イオンの分析試薬である。
ン3価陽イオン,アルミニウム3価陽イオンの何れかを
示す。一般式[1]中、A1,A2,A3及びA4は、
それぞれ互いに同一であっても異なっていても良い置換
基を表す。置換基としては、水素原子,ハロゲン基,水
酸基,エーテル基,アルコキシ基,カルボニル基,カル
ボキシル基またはその金属錯化合物,カルボン酸エステ
ル,チオール基,スルフィド基,スルホン酸基またはそ
の金属錯化合物,アミノ基またはその金属錯化合物,複
素環基、またはこれらの置換基を有していても良い、ア
ルキル基もしくはアリール基を表す。また、A1とA2
が1個のシクロヘキサン環を形成していても良く、同様
にA3とA4が1個のシクロヘキサン環を形成していて
も良い。一般式[1]中、B1,B2及びB3は、フェ
ニル基またはその誘導体を示す。フェニル基誘導体を形
成する置換基は、それぞれ互いに同一であっても異なっ
ていても良く、フェニル基のどの位置にあっても良く、
フェニル基1個あたり単数でも複数でも良い。置換基の
種類としては、ハロゲン基,水酸基,エーテル基,アル
コキシ基,カルボニル基,カルボキシル基または、その
金属錯化合物,カルボン酸エステル,チオール基,スル
フィド基,スルホン酸基または、その金属錯化合物,ア
ミノ基または、その金属錯化合物,複素環基または、こ
れらの置換基を有していても良い、アルキル基もしくは
アリール基である。〕
て、酸またはアルカリにより、そのpHを7.0から1
0.5の範囲に調整し、請求項2記載の分析試薬を推定
されるフッ化物イオンに対して当量モル以上加え、当該
溶液の加熱温度を20から100℃の範囲に調整し、加
熱時間を1から60分の範囲に調整するものである。
ン,アルミニウム3価陽イオンは、フッ化物イオンと安
定な配位結合を形成する。従って、これらの金属イオン
に、より不安定な配位子である2−メチルアミノ−4,
5−ジフェニルイミダゾールが結合している場合には、
フッ化物イオンがこの配位子と置き換わる、いわゆる置
換反応が生起する。
−メチルアミノ−4,5ジフェニルイミダゾールは、そ
の電子状態が変化するために、蛍光スペクトルの波長領
域や強度が変化する。金属と結合していた時には蛍光強
度がゼロであり、金属から遊離した後に蛍光が観測され
る波長領域(例えば424nm)で、その蛍光強度を測
定することにより、置換反応したフッ化物イオン、すな
わち被検液中に存在していたフッ化物イオンの濃度を算
出することができる。
定が可能であるが、本発明においても、吸光分析法であ
るアリザリンコンプレキソン法と比較して、定量下限は
100倍程度と低い、すなわち高感度分析が可能であ
る。
について説明するが、本発明は、これらの実施形態に限
定されるものではない。
原理は、金属イオンから脱離すると蛍光を発する物質を
配位子として有する金属錯体を分析試薬として用い、分
析対象であるフッ化物イオンとの置換反応によって脱離
した蛍光物質の蛍光強度からフッ化物イオン濃度を算出
するものである。
の分析方法は、フッ化物イオンの測定に蛍光光度法を用
い、新規な分析試薬を用い、pH調整,加熱温度,加熱
時間について定められた操作方法を用いることにより、
高感度な測定を行うものであり、その分析試薬は、金属
イオンとしてはアルミニウム,セリウム,ランタンの3
価陽イオンの何れかであり、配位子として2−メチルア
ミノ−4,5−ジフェニルイミダゾールを有している。
この配位子が、被検液中で分析対象であるフッ化物イオ
ンと置換反応して遊離するので、この蛍光強度を測定す
ることにより、フッ化物イオン濃度を算出する。
下記一般式[1]で示される、フッ化物イオンの分析試
薬を用いている。
ン3価陽イオン,アルミニウム3価陽イオンの何れかを
示す。一般式[1]中、A1,A2,A3及びA4は、
それぞれ互いに同一であっても異なっていても良い置換
基を表す。置換基としては、水素原子,ハロゲン基,水
酸基,エーテル基,アルコキシ基,カルボニル基,カル
ボキシル基またはその金属錯化合物,カルボン酸エステ
ル,チオール基,スルフィド基,スルホン酸基またはそ
の金属錯化合物,アミノ基またはその金属錯化合物,複
素環基、またはこれらの置換基を有していても良い、ア
ルキル基もしくはアリール基を表す。また、A1とA2
が1個のシクロヘキサン環を形成していても良く、同様
にA3とA4が1個のシクロヘキサン環を形成していて
も良い。一般式[1]中、B1,B2及びB3は、フェ
ニル基またはその誘導体を示す。フェニル基誘導体を形
成する置換基は、それぞれ互いに同一であっても異なっ
ていても良く、フェニル基のどの位置にあっても良く、
フェニル基1個あたり単数でも複数でも良い。置換基の
種類としては、ハロゲン基,水酸基,エーテル基,アル
コキシ基,カルボニル基,カルボキシル基または、その
金属錯化合物,カルボン酸エステル,チオール基,スル
フィド基,スルホン酸基または、その金属錯化合物,ア
ミノ基または、その金属錯化合物,複素環基または、こ
れらの置換基を有していても良い、アルキル基もしくは
アリール基である。〕
法では、フッ化物イオンを含む水溶液に対して、酸また
はアルカリにより、そのpHを7.0から10.5の範
囲に調整し、上述した分析試薬を推定されるフッ化物イ
オンに対して当量モル以上加え、当該溶液の加熱温度を
20から100℃の範囲に調整し、加熱時間を1から6
0分の範囲に調整するものである。
オンの定量。
セリウム3価陽イオン,A1,A2,A3及びA4がメ
チル基、B1,B2及びB3がフェニル基である、[ビ
ス(2,3−ブタンジオンジオキシマト)(2−メチル
アミノ−4,5−ジフェニルイミダゾール)トリフェニ
ルフォスフィンセリウム(III)]を用いた。
含有)を0〜5ml段階的にとり、その各々について
0.1M水酸化ナトリウム水溶液でpH=8.5に調整
した。これらの溶液に100pg/ml濃度の分析試薬
水溶液を各々1ml加えて60℃で10分間保ち、室温
まで冷却後、純水で10mlに定容し、蛍光強度を測定
した。蛍光強度の測定条件は、励起光波長330nm,
測定波長424nmとした。発光強度とフッ化物イオン
濃度との関係を(検量線)を図1に示す。
ロピルアルコール50mlで溶解し、この溶液中のフッ
化物イオンを純水5mlで抽出した。水相を分離採集
し、これに検量線作成におけるpH調整以降の操作と同
様の操作を行い、純水で10mlに被検液の蛍光強度を
測定した。分析値は、以下の表の通りであった。
は、10ピコグラムであった。
定量。 実施形態で記載した分析試薬のうち、Mがアルミニウム
3価陽イオン,A1,A2,A3及びA4がフェニル
基,B1,B2及びB3が3−メトキシフェニル基であ
る。[ビス(1,2−ジフェニルエタンジオンジオキシ
マト)(2−メチルアミノ−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール)トリ(3−メトキシフェニル)フォスフインア
ルミニウム(III)]を用いた。
但し、分析試薬として、実施例2記載の分析試薬を用い
た。検量線を図2に示す。
同様の操作を行った。分析値は、以下の表の通りであっ
た。
1.2ピコグラムであった。
定量。 実施形態で記載した分析試薬のうち、Mがランタン3価
陽イオン,A1,A2及びA3,A4がそれぞれシクロ
ヘキサン基,B1,B2及びB3が3−フェノール基で
ある、[ビス(1,2−シクロヘキサンジオンジオキシ
マト)(2−メチルアミノ−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール)トリ(3−フェノール)フォスフインランタン
(III)]を用いた。
し、分析試薬として、実施例3の分析試薬を用いた。検
量線を図3に示す。
と同様の操作を行った。分析値は以下の表の通りであっ
た。
15ピコグラムであった。
属錯体を分析試薬として使用する蛍光光度法を用いてお
り、この蛍光光度法では、従来のアリザリンコンプレキ
サン分析試薬による吸光光度法と比較して、分析下限を
50〜100倍,分析精度を10倍に向上させることが
でき、さらに分析時間を短縮できる等の効果を有してお
り、分析性能を大幅に向上させることができるという効
果がある。
量線である。
量線である。
量線である。
Claims (3)
- 【請求項1】 フッ化物イオンとの置換反応で分析試薬
から遊離する蛍光物質の蛍光強度を測定することによ
り、フッ化物イオン濃度を求めることを特徴とするフッ
化物イオンの分析方法。 - 【請求項2】 下記一般式[1]で示される、フッ化物
イオンの分析試薬。 【式1】 〔一般式[1]中、Mはセリウム3価陽イオン,ランタ
ン3価陽イオン,アルミニウム3価陽イオンの何れかを
示す。一般式[1]中、A1,A2,A3及びA4は、
それぞれ互いに同一であっても異なっていても良い置換
基を表す。置換基としては、水素原子,ハロゲン基,水
酸基,エーテル基,アルコキシ基,カルボニル基,カル
ボキシル基またはその金属錯化合物,カルボン酸エステ
ル,チオール基,スルフィド基,スルホン酸基またはそ
の金属錯化合物,アミノ基またはその金属錯化合物,複
素環基、または、これらの置換基を有していても良い、
アルキル基もしくはアリール基を表す。また、A1とA
2が1個のシクロヘキサン環を形成していても良く、同
様にA3とA4が1個のシクロヘキサン環を形成してい
ても良い。一般式[1]中、B1,B2及びB3は、フ
ェニル基または、その誘導体を示す。フェニル基誘導体
を形成する置換基は、それぞれ互いに同一であっても異
なっていても良く、フェニル基のどの位置にあっても良
く、フェニル基1個あたり単数でも複数でも良い。置換
基の種類としては、ハロゲン基,水酸基,エーテル基,
アルコキシ基,カルボニル基,カルボキシル基またはそ
の金属錯化合物,カルボン酸エステル,チオール基,ス
ルフィド基,スルホン酸基またはその金属錯化合物,ア
ミノ基または、その金属錯化合物,複素環基、または、
これらの置換基を有していても良い、アルキル基もしく
はアリール基である。〕 - 【請求項3】 フッ化物イオンを含む水溶液に対して、
酸またはアルカリにより、そのpHを7.0から10.
5の範囲に調整し、請求項2記載の分析試薬を推定され
るフッ化物イオンに対して当量モル以上加え、当該溶液
の加熱温度を20から100℃の範囲に調整し、加熱時
間を1から60分の範囲に調整することを特徴とするフ
ッ化物イオンの分析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8183110A JP3033494B2 (ja) | 1996-07-12 | 1996-07-12 | フッ化物イオンの分析方法及び分析試薬 |
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1026588A true JPH1026588A (ja) | 1998-01-27 |
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Family
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---|---|---|---|
JP8183110A Expired - Fee Related JP3033494B2 (ja) | 1996-07-12 | 1996-07-12 | フッ化物イオンの分析方法及び分析試薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3033494B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1310028C (zh) * | 2004-03-17 | 2007-04-11 | 白莉 | 氟化物测定液及其比色测定管 |
CN102241698A (zh) * | 2011-05-23 | 2011-11-16 | 中国科学院理化技术研究所 | 星形三芳基硼烷类化合物及其制备方法和用途 |
CN109238984A (zh) * | 2018-09-06 | 2019-01-18 | 哈尔滨医科大学 | 一种用于检测微量样本中氟离子含量的检测方法 |
WO2024042756A1 (ja) * | 2022-08-23 | 2024-02-29 | 国立大学法人信州大学 | フッ素イオン濃度測定用試薬、フッ素イオン濃度測定方法、フッ素イオン濃度測定装置 |
-
1996
- 1996-07-12 JP JP8183110A patent/JP3033494B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN109238984A (zh) * | 2018-09-06 | 2019-01-18 | 哈尔滨医科大学 | 一种用于检测微量样本中氟离子含量的检测方法 |
WO2024042756A1 (ja) * | 2022-08-23 | 2024-02-29 | 国立大学法人信州大学 | フッ素イオン濃度測定用試薬、フッ素イオン濃度測定方法、フッ素イオン濃度測定装置 |
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