JPH10265404A - ヒト成長ホルモンを含有する医薬製剤 - Google Patents

ヒト成長ホルモンを含有する医薬製剤

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JPH10265404A
JPH10265404A JP9012525A JP1252597A JPH10265404A JP H10265404 A JPH10265404 A JP H10265404A JP 9012525 A JP9012525 A JP 9012525A JP 1252597 A JP1252597 A JP 1252597A JP H10265404 A JPH10265404 A JP H10265404A
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khgh
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growth hormone
water
human growth
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JP9012525A
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English (en)
Inventor
Akira Fukuhara
彰 福原
Hideki Kobayashi
英樹 小林
Tsutomu Sato
勉 佐藤
Mihoko Aoki
美穂子 青木
Yukio Miyama
裕喜雄 深山
Hiroshi Uchida
博司 内田
Teruo Ito
照夫 伊藤
Nobumi Kusuhara
信海 楠原
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、分子量約20000のヒト成長ホ
ルモンを含有し、凍結乾燥再溶解後の水溶液中での溶解
性及び安定性を向上させた医薬製剤を提供する。 【解決手段】 分子量約20000のヒト成長ホルモン
の水溶液にクレアチニン、アセチルトリプトファンナト
リウム及びニコチンアミドから選ばれる少なくとも1種
以上の水溶性複素環化合物、塩基性アミノ酸もしくはそ
の塩及び非イオン性界面活性剤を加え、凍結乾燥製剤を
製造する。 【効果】 本発明により、分子量約20000のヒト成
長ホルモンを医薬品として適した濃度含有し、かつ凍結
乾燥再溶解後も安定に維持できる、注射剤として使用す
るに適した医薬製剤が提供可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子量約2000
0のヒト成長ホルモン(以下20khGH)を含有する
医薬製剤に関するものであり、詳しくは20khGHを
含有する溶液を凍結乾燥した後再溶解した場合不溶物が
なく、貯蔵安定性に優れた凍結乾燥製剤及びその製造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒト成長ホルモンは分子量が約2200
0(22khGH)のものと約20000(20khG
H)のものがあることが知られている。22khGHは
遺伝子組み換え技術により製造され、小児科領域におい
て下垂体性小人症の治療に用いられている。20khG
Hはまだ工業的レベルで製造されたことがなく、医療用
として用いられたことがない。
【0003】20khGHは分子量約20000の単鎖
のポリペプチドで、等電点を約5.5付近に有し、中性
のpHの水溶液中では安定しているが、酸性及びアルカ
リ性のpH領域では不安定である。pH範囲が弱酸性か
ら弱アルカリ性での20khGHの溶解性は約1mg/
ml以下であり、凍結保存後の再融解時には不溶物を生
じるなど、非常に溶解性の低い蛋白質といえる。さらに
弱酸性から弱アルカリ性のpH範囲の水溶液中では、2
0khGHは非常に二量体を形成しやすく、既に報告さ
れているヒト下垂体由来の20khGHにおいても20
khGH分子同士あるいは分子量約22000のヒト成
長ホルモンと二量体を形成しやすいことが報告されてい
る(Chapman et al.,J.Biolo.
Chem.Vol.256,pp.2395−240
1,1981)。これらのことから、20khGHの溶
解性が低い原因は蛋白質の疎水性相互作用によるもので
あることが推察される。
【0004】疎水性の高い蛋白質の溶解性を向上させる
一般的な方法としては、非常に強い界面活性作用をもつ
ドデシル硫酸ナトリウムや変性剤、例えば尿素、塩酸グ
アニジン等が用いられる。しかし、これらは蛋白質の構
造を破壊するものであり、蛋白質の本来の機能を喪失あ
るいは低減させる。すなわち、蛋白質を医薬製剤として
使用することを目的にした場合には、これらの一般的な
方法は決して好ましくない。
【0005】一方、蛋白質の溶解性を向上させる為に溶
解助剤を使用する例として、正の電荷を有するヒスチジ
ン及びクレアチニンと負の電荷を有するクエン酸を等モ
ルずつ添加して組織プラスミノーゲンアクチベーター
(以下tPA)改変体の溶解性を向上させる方法(PC
T公開WO90/08557号)が知られている。tP
A及びtPA改変体は、中性のpHでの溶解性は極端に
低いものの、酸性のpHでは優れた溶解性を示す蛋白質
である。すなわちtPA及びtPA改変体の溶解性の低
さは蛋白質の等電点沈澱によるものであり、この方法
は、正の電荷を有するヒスチジン及びクレアチニンと負
の電荷を有するクエン酸を添加することにより、等電点
沈澱を抑制するものである。
【0006】現在市販されている分子量約22000の
ヒト成長ホルモンを含む医薬製剤の処方は下記表1(表
1)のとおりである。これらは通常皮下投与あるいは筋
肉内投与される。また、これら22khGHの製剤は基
本的にはグリシンまたはマンニトールを含んでおり、5
℃保存で1年間安定である。
【0007】
【表1】 表1 市販されている22khGH凍結乾燥製剤の処方 ──────────────────────────────────── 製品名 添加物 再溶解液 ──────────────────────────────────── ジェノトロピン 4IU グリシン:24mg 注射用水 1ml ノルジトロピン 4IU グリシン:24mg D−マンニトール:2.4mg 注射用水 1mlヒューマトローフ゜ 4IU グリシン:1.48mg D−マンニトール:7.4mg 生理食塩水 2ml サイゼン 4IU D−マンニトール:20mg 生理食塩水 1ml グロウジェクト 4IU D−マンニトール:40mg 生理食塩水 1ml ──────────────────────────────────── 本発明者らの検討によれば、このような処方で20kh
GHの凍結乾燥製剤を製造しても安定な製剤は得られな
かった。
【0008】20khGHをこれらと同様の投与方法・
処方で使用する場合に、十分な濃度を有する安定な水溶
液が得られないとすれば、それは投与容量の増大を招
く。このようなことは20khGHの注射剤としての使
用に際し極めて不都合であると考えられる。
【0009】ヒト成長ホルモンの溶液中の安定化方法と
してはこれまでにいくつかの技術が知られている。例え
ば、22khGH水溶液の安定化剤としてアルギニンと
EDTAを含む製剤処方(特表平8−502021)、
22khGH溶液の不溶物の生成と溶解物の活性を維持
するために多価アルコールやアミノ酸を添加する処方
(EP303746)、22khGH水溶液の類縁物の
増加を抑制するために安定化剤としてヒスチジンを加え
る処方(特表平7−502516)が報告されている。
とは言え、これらの処方はいずれも溶液中での22kh
GHの安定化方法として検討されたものであり、22k
hGH凍結乾燥品の安定化作用は記載されていない。ま
た20khGHの凍結乾燥製剤の安定化に関しては何も
知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは20kh
GHの溶解性及び安定性について検討した。その結果、
以下表2(表2)に示すように、20khGHは22k
hGHと比較すると、分子量が小さいだけでなく、生理
活性及び安定性、溶解性等の物理化学的性質が大きく異
なることが判明した。特に20khGHの原体は凍結乾
燥しても不安定であり、5℃のような低温で凍結乾燥製
剤を保存しても20khGHのAsnが脱アミドされて
Aspとなった脱アミド体やMetがoxMetとなっ
たスルホキシド体のような類縁物質及び高分子量重合物
が経時的に増加する。類縁物質とは20khGHの例え
ばAsn134が脱アミドされてAsp134となったモノ脱
アミド体、Asn134に加えAsn137も脱アミドされた
ジ脱アミド体、Met14がoxMet14となったスルホ
キシド体を指している。また原体を溶解させた溶液中で
例えばヒペット操作のようなハンドリングで容易に蛋白
が会合し、不溶物が析出する。即ち水溶液中の安定性が
低い。後述するように20khGHの溶液に塩基性アミ
ノ酸を添加しても不溶物や類縁物質の生成は抑制されな
い。前述したように20khGHは疎水性が高く、その
ため22khGHよりも不溶物が析出しやすいことが考
えられる。
【0011】
【表2】 表2 20khGHと22khGHとの物理化学的性質の違い ───────────────────────────── 物理化学的性質 20khGH 22khGH ───────────────────────────── 等電点 pH5.51 pH5.11 二量体形成 形成しやすい2 形成しにくい2 疎水性 強い3 弱い3 水に対する溶解度 低い3 高い3 凍結乾燥された原体の 低い3 高い大3 の安定性 溶解した時の安定性 低い3 高い 大3 ───────────────────────────── 1:Endocrine Reviews,(1991), vol.12, pp.314-324. 2:J Biol.Chem., (1981), vol.256, pp.2395-2401. 3:本発明データ
【0012】以上述べたとおり、20khGHの生理学
的活性を維持したままで優れた溶解性及び安定性を有す
る水溶液を得るためには、22khGHの製剤処方を単
に踏襲するだけではその達成は非常に困難であり、注射
剤として適した濃度を維持しかつ安定である20khG
Hの新たな処方の医薬製剤が強く望まれていた。また、
20khGHを凍結乾燥しても類縁物質及び高分子量重
合物の生成は防止できないことから、類縁物質や高分子
量重合物の生成の少ない、安定な20khGHを含有す
る凍結乾燥医薬製剤の提供が望まれていた。
【0013】従って本発明の目的は、水に溶解した場合
20khGHに由来する不溶物の析出がない20khG
Hを含む医薬製剤を提供することであり、また他の目的
は再溶解後の類縁物質及び高分子量重合物の生成が抑制
された20khGHを含む凍結乾燥製剤を提供すること
である。
【0014】また、本発明の別の目的は、20khGH
を含む医薬製剤における20khGHの不溶化を防止
し、安定性を向上させる方法、20khGHを含む凍結
乾燥製剤の経時的な類縁物質や高分子量重合物の生成を
抑制する方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題である20khGHの溶解性及び安定性の向上と凍結
乾燥した時に安定な20khGHの製剤処方を得ること
を目的に鋭意研究を進めた。その結果、優れた20kh
GHの溶解性と安定性を有する20khGHを含む医薬
製剤の製造に成功した。また、20khGHを含む凍結
乾燥製剤に塩基性アミノ酸と非イオン性界面活性化剤を
添加すると凍結乾燥製剤の類縁物質の生成が抑制され安
定性が向上し、該凍結乾燥製剤は水に再溶解した場合に
不溶物を生じないことを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0016】即ち本発明は、分子量約20000のヒト
成長ホルモンまたはその類縁体と水溶性複素環化合物を
含む医薬製剤、分子量約20000のヒト成長ホルモン
またはその類縁体を含む医薬製剤に水溶性複素環化合物
を添加することにより、該ヒト成長ホルモンまたはその
類縁体の不溶化を防止し、安定性を向上させる方法、1
種類または2種類の塩基性アミノ酸またはその塩及び非
イオン性界面活性剤を添加することにより、分子量約2
0000のヒト成長ホルモンまたはその類縁体を含有す
る凍結乾燥剤の経時的な類縁物質の生成を抑制する方法
である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る成長ホルモンは分子
量約20000のヒト成長ホルモンであって、該ヒト成
長ホルモンは天然あるいは遺伝子組み換え技術で得られ
るいずれのものでもよい。本発明に係わる20khGH
の例としては、配列番号1及び配列番号2に記載のアミ
ノ酸配列を含有するものが挙げられるが、配列番号1ま
たは配列番号2に記載のアミノ酸全配列の中の一つまた
は数個のアミノ酸が異なっていてもよく、20khGH
の生理学的特徴を保持している限り、本発明の範疇であ
る。
【0018】本発明の20khGHを含有する医薬製剤
に含まれる20khGHの濃度は、凍結乾燥前の溶液状
態において0.5〜10.0mg/mlであり、好まし
くは1.0〜3.0mg/ml、さらに好ましくは1.
5〜2.5mg/mlである。また凍結乾燥された製剤
の再溶解後の20khGHの濃度は10mg/ml以下
が有効である。
【0019】本発明の20khGHを含有する医薬製剤
は、溶液状の製剤及び凍結乾燥された製剤の再溶解後の
20khGHの溶解性を向上させるために水溶性複素環
化合物を含有する。本発明に用いられる水溶性複素環化
合物としては、クレアチニン、アセチルトリプトファン
ナトリウム等のアセチルトリプトファンの塩及びニコチ
ンアミドの中から少なくとも1種類以上が選ばれるが、
好ましくはクレアチニンである。該水溶性複素環化合物
濃度は溶液状の製剤及び凍結乾燥後の再溶解液において
0.1%〜10%であり、好ましくは0.3%〜5%で
ある。
【0020】本発明の20khGHを含む医薬製剤のp
Hは5〜8の範囲であり、好ましくは6.0〜7.8、
より好ましくは6.5〜7.6である。特にpHを7.
6にすることにより通常の目視では判別しにくい、60
00ルクス程度の光源の下で目視で確認できる、極微細
な不溶物までも減少ないし消失させることができる。p
H調整を必要とする場合は、単にpH調整剤、例えば塩
酸、リン酸及び硫酸等を用いるか、または緩衝液、例え
ばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リン酸、
マレイン酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、ヒスチジン又
はその塩を用いることが可能である。好ましくはリン酸
又はその塩である。該緩衝液濃度は0.1mM〜100
mMであり、好ましくは5mM〜50mMである。
【0021】本発明の20khGHを含む凍結乾燥製剤
に使用される塩基性アミノ酸としては、リジン、ヒスチ
ジン、アルギニンまたはその塩等が挙げられる。塩基性
アミノ酸の添加量は20khGH1重量部に対し1〜2
0重量部であり、好ましくは2〜15重量部である。
【0022】また本発明の20khGHを含む凍結乾燥
製剤は、該凍結乾燥製剤の再溶解後の20khGHの安
定性を向上させるために非イオン性界面活性剤を含有す
る。本発明に用いられる非イオン性界面活性剤はポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレングリコール、或いは
ポリソルベートであり、例えばポリオキシエチレン(1
60)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリ
ソルベート20、ポリソルベート80であり、好ましく
はポリソルベート20またはポリソルベート80もしく
はその両方である。さらに好ましくはポリソルベート8
0である。該非イオン性界面活性剤濃度は、凍結乾燥後
の再溶解液において0.02%〜1%であり、好ましく
は0.02%〜0.2%である。
【0023】さらに本発明の20khGHを含む凍結乾
燥製剤は、凍結乾燥したときの外観及び成形性向上のた
めに賦形剤を配合することができる。賦形剤のひとつと
しては糖アルコール、例えばマンニトールがあげられ
る。該賦形剤の濃度は、凍結乾燥後の再溶解液において
0.1%〜5%であり、好ましくは0.5%〜2%であ
る。本発明の医薬製剤は上述の水溶性複素環化合物を添
加した水溶液に20khGHの希薄溶液を加えた後pH
を調整すればよい。
【0024】また、本発明の医薬製剤は凍結乾燥品とす
ることが望ましく、凍結乾燥品の製造方法及び条件等に
ついて、特に限定されることはない。凍結乾燥は例え
ば、上記濃度範囲の水溶性複素環化合物、所定量の塩基
性アミノ酸、非イオン性界面活性化剤、必要により賦形
剤を添加した水溶液に20khGHの希薄溶液を加えた
後pHを調整された調製溶液を、−30℃〜−80℃で
凍結させ、常法により減圧乾燥を行なう。
【0025】さらに本発明の医薬製剤を注射剤として使
用する場合には、凍結乾燥品を適切な注射用水、あるい
は浸透圧調節剤例えば塩化ナトリウム、ブドウ糖、マン
ニト−ルなどの糖アルコ−ルを含む水溶液にて再溶解す
ればよい。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により何等限定されるもの
ではない。
【0027】[実施例1] クレアチニンの添加による
20khGHの溶解性の検討 実施例1〜9で用いられる20khGHは遺伝子操作に
より調製されたものであり、詳しくは、形質転換株MT
−10765(本菌株は受託番号FERM BP−50
20として通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究
所にブダペスト条約に基づいて寄託されている)を用い
て特開平6−269292に記載された方法に従った。
すなわち、20khGHをコードする遺伝子を有する発
現・分泌プラスミドを大腸菌に導入して得られた形質転
換株MT−10765を、ポリペプトン、酵母エキス及
びグリセロール等で構成される培養液を用いて培養す
る。培養終了後、遠心分離操作により菌体を集菌し、浸
透圧ショック法により、菌体外膜を破裂させ、ペリプラ
ズム画分のみを回収する。ペリプラズム画分からの20
khGHの分離・精製方法は、公知の方法及びそれに準
じた手法により実施した。
【0028】上記より得られた約0.2mg/ml〜
0.4mg/ml濃度の20khGH水溶液に尿素を添
加し、約8mg/mlまで濃縮した後、0%、0.3%
(27.8mM)、0.6%(55.5mM)、1.2
5%(111mM)、2.5%(221mM)、5%
(442mM)の各濃度のクレアチニンを含む20mM
リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)で満たされたゲ
ル濾過カラムの各々に上記濃縮液を添加した。ゲル濾過
により、尿素が除かれ、さらに上記各々の濃度のクレア
チニンを含む20mMリン酸ナトリウム緩衝液に置換さ
れて溶出される精製画分を分取し、その得られた精製画
分中の蛋白濃度の測定及び溶液状態の変化を目視で評価
した。クレアチニンの添加による効果を表3(表3)に
示す。表3(表3)より、溶液中にクレアチニンが存在
することで20khGHの溶解性を向上させることが可
能となり、さらにクレアチニン濃度の増加に伴いゲル濾
過法で得られる精製画分中の20khGHの濃度が上昇
することも確認された。同様に、本発明において用いら
れる他の複素環化合物であるアセチルトリプトファンナ
トリウム、ニコチンアミドについても評価したところ、
クレアチニンにおける場合と同様の効果が認められた。
【0029】また、形質転換株MT−10712(本菌
株は受託番号FERM BP−4361として通商産業
省工業技術院生命工学工業技術研究所にブダペスト条約
に基づいて寄託されている)から上記と同様の操作によ
り得られた20khGHを用いた実験を行ったところ、
上記と同様の結果を得た。
【0030】これらの実験結果、クレアチニンの添加効
果の発現はクレアチニンと等モルの負の電荷を有する化
合物を必要としなかった。このことは20khGHの溶
解性に及ぼすクレアチニンの作用は等電点沈澱の防止と
は異なった作用であることを示している。
【0031】
【表3】 注:×;沈殿を生じる。 −;澄明
【0032】[実施例2] ポリソルベート80の添加
による20khGH凍結溶解後の溶液状態の検討 表3(表3)に記載のクレアチニン濃度1.25%(1
11mM)を基本に0、0.005、0.01、0.0
2、0.05、0.1、0.2%濃度のポリソルベート
80(商品名;Tween80)を各々添加したとき
の、凍結・融解前後の20khGH水溶液の溶液状態変
化を4面硝子容器に入れて、6000ルクスの蛍光灯下
で目視で判定した。この時の20khGH濃度は約2m
g/mlであった。ポリソルベート80の添加による効
果を表4(表4)に示す。0.02%以上のポリソルベ
ート80を添加することにより、凍結・融解操作で生じ
る微量の20khGHの不溶物の生成が防止され、安定
した溶液状態を維持することわかった。
【0033】
【表4】 注:−;澄明 +;僅かな不溶物 ++;はっきりした不溶物
【0034】[実施例3] マンニトールの添加による
20khGH凍結乾燥ケーキの外観、成形性及び再溶解
後の溶液状態の検討 表4(表4)に記載のポリソルべート80濃度が0.0
5%及び0.2%であり、どちらもクレアチニン濃度が
1.25%(111mM)である20khGH水溶液
に、賦形剤として0、1.0、5.0%濃度のマンニト
ールを各々加えてバイアル瓶に入れた。バイアル瓶を5
℃から−40℃まで冷却し、−40℃で5時間冷却し
た。−40℃から−25℃まで減圧下温度を上げ、−2
5℃で更に60時間減圧乾燥した。減圧下に15℃まで
昇温し、この温度で6時間乾燥した。凍結乾燥ケーキの
外観及び成形性を観察した後、さらに注射用蒸留水1m
lを加えて再溶解したときの溶解性を6000ルクスの
蛍光灯下で観察した。マンニトールの添加による効果を
表5(表5)に示す。凍結乾燥したケーキの外観及び成
形性はマンニトールを添加しないものに比べて、マンニ
トールを添加することでさらに向上することが可能とな
った。また、再溶解後の溶液状態も非常に良好であるこ
とが確認された。
【0035】
【表5】 注:−;澄明 +;僅かな不溶物 ++;はっきりした不溶物 △;やや不良 ○;良好 ◎;極めて良好
【0036】[実施例4]20khGH凍結乾燥製剤の
再溶解後の不溶物の生成に対する塩基性アミノ酸とマン
ニトールの添加効果 所定量の塩基性アミノ酸またはその塩酸塩、1.25%
(111mM)クレアチニン 、2.5%マンニトール、
0.05%ポリソルベート80を含み、リン酸二水素ナ
トリウムと水酸化ナトリウムでpHを7.6に調節した
20khGHを2mg/ml含む水溶液1mlをバイア
ル瓶に入れた。バイアル瓶を5℃から−40℃まで冷却
し、−40℃で5時間冷却した。−40℃から−25℃
まで減圧下温度を上げ、−25℃で更に60時間減圧乾
燥した。減圧下に15℃まで昇温し、この温度で6時間
乾燥した。得られた凍結乾燥製剤を注射用蒸留水1ml
で復水(再溶解)し、5℃で7日間保存した。試験開始
時と7日後の溶状を6000ルクスの蛍光灯下で観察し
た。結果を表6(表6)に示す。
【0037】
【表6】 第6表 塩基性アミノ酸の溶液中の不溶物生成に対する効果 ────────────────────────────── 塩基性アミノ酸/マンニトール 溶液状態 ─────────── アミノ酸 添加量(mg) pH 開始時 7日後 ────────────────────────────── − 0 6.5 − + − 0 7.6 − − アルキ゛ニン塩酸塩 4.2 7.6 − + アルキ゛ニン塩酸塩 6.0 7.6 − + アルキ゛ニン塩酸塩 4.2 7.6 − − +マンニトール アルキ゛ニン塩酸塩 6.0 7.6 − − +マンニトール ヒスチシ゛ン 6.0 7.6 − + リシ゛ン塩酸塩 6.0 7.6 − + ────────────────────────────── 注:−;澄明 ±;極僅かな不溶物 +;僅かな不溶物 ++;はっきりした不溶物
【0038】表6(表6)から明らかなように塩基性ア
ミノ酸は20khGH溶液の不溶物の生成を抑制せず、
むしろ増悪させる傾向があった。不溶物の生成はマンニ
トールを添加しpHを調整することで抑制されることが
わかった。
【0039】[実施例5]20khGH凍結乾燥製剤の
再溶解後の溶液中の類縁物質の増加に対する塩基性アミ
ノ酸の添加効果 20khGHを含む水溶液のpHを7.6に調節した以
外は実施例4と同様の実験を行い、試験開始時と7日後
の類縁物質(脱アミド体とスルホキシド体)量を液体ク
ロマトグラフィーで定量した。結果を表7(表7)に示
す。
【0040】
【表7】 表7 塩基性アミノ酸の類縁物質生成に対する効果 ─────────────────────────────────── 塩基性アミノ酸添加 類縁物質量(%) ──────────────── アミノ酸 添加量(mg) pH 開始時 7日後 増加分 ─────────────────────────────────── − 0 7.6 5.1 5.4 0.3アルキ゛ニン 塩酸塩 4.2 7.6 5.1 5.5 0.4アルキ゛ニン 塩酸塩 6.0 7.6 5.1 5.5 0.4ヒスチシ゛ン 6.0 7.6 5.2 5.5 0.3リシ゛ン 塩酸塩 6.0 7.6 5.2 5.6 0.4 ─────────────────────────────────── 表7(表7)から明らかなように、塩基性アミノ酸の添
加は溶液中の類縁物質の増減には影響しなかった。
【0041】[実施例6] 20khGH凍結乾燥製剤
中の類縁物質の増加に対するアルギニン及び塩酸アルギ
ニンの添加効果 アルギニンまたは塩酸アルギニン所定量、1.25%
(111mM)クレアチニン 、0.05%ポリソルベー
ト80を含みリン酸二水素ナトリウムと水酸化ナトリウ
ムでpHを7.6に調節した20khGHを2mg/m
l含む水溶液1mlをバイアル瓶に入れた。バイアル瓶
を5℃から−40℃まで冷却し、−40℃で5時間冷却
した。−40℃から−25℃まで減圧下温度を上げ、−
25℃で更に60時間減圧乾燥した。減圧下に15℃ま
で昇温し、この温度で6時間乾燥した。得られた凍結乾
燥製剤を40℃で2週間保存した。試験開始時と2週間
後の類縁物質の含量を液体クロマトグラフィーで測定し
た。結果を表8(表8)に示す。表8に示すようにアル
ギニンまたは塩酸アルギニンの添加により類縁物質の生
成が抑制されることが明らかになった。
【0042】
【表8】 表8 凍結乾燥製剤中の類縁物質の生成に対するアルギニンまたは塩酸アルギニ ンの添加効果 ───────────────────────────────── 塩基性アミノ酸 類縁物質量(%) ────────────────── アミノ酸 添加量(mg) 開始時 2週間後 増加分 ───────────────────────────────── − 0 3.9 10.7 6.8 塩酸アルギニン 1.05 3.7 7.0 3.3 塩酸アルギニン 4.20 3.8 5.6 2.2 塩酸アルギニン 6.00 3.7 5.5 1.8 塩酸アルギニン 26.7 7.6 8.2 0.6 アルギニン 4.96 3.9 7.0 3.1 ─────────────────────────────────
【0043】[実施例7]20khGH凍結乾燥製剤中
の類縁物質の増加に対するリジン塩酸塩及びヒスチジン
の添加効果 リジン塩酸塩またはヒスチジンを所定量、1.25%ク
レアチニン 、0.05%ポリソルベート80を含みリン
酸二水素ナトリウムと水酸化ナトリウムでpHを7.6
に調節した20khGHを2mg/ml含む水溶液1m
lをバイアル瓶に入れた。バイアル瓶を5℃から−40
℃まで冷却し、−40℃で5時間冷却した。−40℃か
ら−25℃まで減圧下温度を上げ、−25℃で更に60
時間減圧乾燥した。減圧下に15℃まで昇温し、この温
度で6時間乾燥した。得られた凍結乾燥製剤を40℃で
2週間保存した。試験開始時と2週間後の類縁物質の含
量を液体クロマトグラフィーで測定した。結果を表9
(表9)に示す。表9に示すように塩基性アミノ酸及び
その塩であるヒスチジン及びリジン塩酸塩にも上記アル
ギニン及びアルギニン塩酸塩と同様に類縁物質の生成を
抑制する効果が認められた。
【0044】
【表9】 表9 凍結乾燥製剤中の類縁物質の生成に対する塩基性アミノ酸の添加効果 ───────────────────────────────── 塩基性アミノ酸 類縁物質量(%) ────────────────── アミノ酸 添加量(mg) 開始時 2週間後 増加分 ───────────────────────────────── − 0 3.9 10.7 6.8 ヒスチジン 4.4 3.8 5.8 2.0 リジン塩酸塩 5.2 3.9 5.6 1.8 ─────────────────────────────────
【0045】[実施例8] 20khGH凍結乾燥製剤
中の高分子量重合物の増加に対する塩基性アミノ酸の添
加効果 塩基性アミノ酸所定量、1.25%(111mM)クレ
アチニン 、0.05%ポリソルベート80を含みリン酸
二水素ナトリウムと水酸化ナトリウムでpHを7.6に
調節した20khGHを2mg/ml含む水溶液1ml
をバイアル瓶に入れた。バイアル瓶を5℃から−40℃
まで冷却し、−40℃で5時間冷却した。−40℃から
−25℃まで減圧下温度を上げ、−25℃で更に60時
間減圧乾燥した。減圧下に15℃まで昇温し、この温度
で6時間乾燥した。得られた凍結乾燥製剤を40℃で2
週間保存した。試験開始時と2週間後の高分子量重合物
の含量を電気泳動法(SDS-PAGE)にて分析した。すなわ
ち凍結乾燥製剤を注射用水で溶解し、還元剤(メルカプ
トエタノール)存在下あるいは非存在下で沸騰水浴中で
3分間加熱し、この試料溶液をポリアクリルアミドグラ
ジエントゲルに1ウェルあたり10μg添加し定電流で
泳動後、銀染色した。結果を表10(表10)に示す。
表10に示すように塩基性アミノ酸の添加により高分子
量重合物の生成が抑制されることが明らかになった。
【0046】
【表10】 表10 凍結乾燥製剤中の高分子量重合物の生成に対する塩基性アミノ酸の添加 効果 ───────────────────────────────── 塩基性アミノ酸 高分子量重合物(2週間後) ────────────────── アミノ酸 添加量(mg) 非還元 還元 ───────────────────────────────── 無添加 0 +++ ++ 塩酸アルギニン 2.1 ++ + 塩酸アルギニン 4.20 + ± 塩酸アルギニン 6.00 ± − 塩酸アルギニン 26.7 − − アルギニン 6.0 + ± リジン塩酸塩 5.2 + ± ヒスチジン 4.4 + ± ───────────────────────────────── SDS-PAGE上での高分子量分解物のバンドの濃さ。+++:濃く見える。++:は っきり見える。 +:見える。 ±:極薄く見える。 −:見えない。
【0047】[実施例9]20khGH凍結乾燥製剤 凍結して保存してあった20khGH(2mg/m
l)、クレアチニン(1.25%(111mM))、ポ
リソルベート(0.05%)含む溶液560mlを流水
中にて静置したまま融解し、0.22μmのフィルター
にて濾過した。この濾液510mlにD−マンニトール
15g及び塩酸アルギニン5.52gを添加し、氷上に
て攪拌子を用いて溶解させた。さらに、氷上にてこの溶
液に0.5Nの水酸化ナトリウム溶液約14mlを添加
し、pHを7.6に調整した後、新たに精製水を加え、
全量を正確に600mlとした。この溶液を注射用バイ
アル充填器を用い、2mlのガラス製バイアル瓶に1m
l充填し、凍結乾燥に供した。凍結乾燥は棚温度5℃か
ら−40℃まで急速冷凍し、−40℃にて5時間予備凍
結させた。減圧下にて棚温度を−25℃に制御し、約5
0時間乾燥させた後、減圧下にて棚温度を15℃に制御
し、6時間乾燥させ、凍結乾燥製剤を得た。得られた凍
結乾燥製剤のケーキの性状は良好で、注射用蒸留水を加
え再溶解した時、溶液は澄明であった。この凍結乾燥製
剤を40℃で2カ月間保存し、外観、復水した時の溶
状、及び類縁物質の量を測定した。結果を表11(表1
1)に示す。その結果、この製剤は長期保存後も外観が
良好であり、水に再溶解した場合不溶物が生成せず、ま
た類縁物質の生成も抑制された、安定な20khGHを
含有する凍結乾燥製剤であることが確認された。
【0048】
【表11】 表11 製剤の安定性試験 ─────────────────────────── 外観 再溶解後の溶状 類縁物質(%) ─────────────────────────── 試験開始時 良好 澄明 3.9 4週間経過後 良好 澄明 5.6 8週間経過後 良好 澄明 6.2 ───────────────────────────
【0049】
【発明の効果】本発明者らは、通常の生理活性物質に用
いられる緩衝液では薬剤として適当な濃度が得られない
20khGHに、クレアチニン等の水溶性複素環化合物
を所定の濃度で加えることにより、20khGHの溶解
性を向上させることを見出した。また、20khGHの
水溶液のpHを調整することで極微量の不溶物の生成を
防止することが出来る。また、ポリソールベート80等
の非イオン性界面活性剤を添加することにより、凍結溶
解における溶液での安定性を向上させることが可能とな
り、さらに、塩基性アミノ酸と糖アルコールであるマン
ニトールを添加することで、凍結乾燥時の安定性の向上
及び再溶解時の安定的溶解を可能とすることを見出し
た。これらより、20khGHを含有し、凍結乾燥後、
再溶解した水溶液を注射剤として使用するに適した医薬
製剤が、容易かつ大量に提供可能となった。
【0050】
【配列表】
【0051】配列番号 :1 配列の長さ:176 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖型 配列の種類:タンパク質 配列 Phe Pro Thr Ile Pro Leu Ser Arg Leu Phe Asp Asn Ala Met Leu 1 10 15 Arg Ala His Arg Leu His Gln Leu Ala Phe Asp Thr Tyr Gln Glu 20 25 30 Phe Asn Pro Gln Thr Ser Leu Cys Phe Ser Glu Ser Ile Pro Thr 35 40 45 Pro Ser Asn Arg Glu Glu Thr Gln Gln Lys Ser Asn Leu Glu Leu 50 55 60 Leu Arg Ile Ser Leu Leu Leu Ile Gln Ser Trp Leu Glu Pro Val 65 70 75 Gln Phe Leu Arg Ser Val Phe Ala Asn Ser Leu Val Tyr Gly Ala 80 85 90 Ser Asp Ser Asn Val Tyr Asp Leu Leu Lys Asp Leu Glu Glu Gly 95 100 105 Ile Gln Thr Leu Met Gly Arg Leu Glu Asp Gly Ser Pro Arg Thr 110 115 120 Gly Gln Ile Phe Lys Gln Thr Tyr Ser Lys Phe Asp Thr Asn Ser 125 130 135 His Asn Asp Asp Ala Leu Leu Lys Asn Tyr Gly Leu Leu Tyr Cys 140 145 150 Phe Arg Lys Asp Met Asp Lys Val Glu Thr Phe Leu Arg Ile Val 155 160 165 Gln Cys Arg Ser Val Glu Gly Ser Cys Gly Phe 170 175
【0052】配列番号 :2 配列の長さ:176 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖型 配列の種類:タンパク質 配列 Phe Pro Thr Ile Pro Leu Ser Arg Leu Phe Asp Asn Ala Ser Leu 1 10 15 Arg Ala His Arg Leu His Gln Leu Ala Phe Asp Thr Tyr Gln Glu 20 25 30 Phe Asn Pro Gln Thr Ser Leu Cys Phe Ser Glu Ser Ile Pro Thr 35 40 45 Pro Ser Asn Arg Glu Glu Thr Gln Gln Lys Ser Asn Leu Glu Leu 50 55 60 Leu Arg Ile Ser Leu Leu Leu Ile Gln Ser Trp Leu Glu Pro Val 65 70 75 Gln Phe Leu Arg Ser Val Phe Ala Asn Ser Leu Val Tyr Gly Ala 80 85 90 Ser Asp Ser Asn Val Tyr Asp Leu Leu Lys Asp Leu Glu Glu Gly 95 100 105 Ile Gln Thr Leu Met Gly Arg Leu Glu Asp Gly Ser Pro Arg Thr 110 115 120 Gly Gln Ile Phe Lys Gln Thr Tyr Ser Lys Phe Asp Thr Asn Ser 125 130 135 His Asn Asp Asp Ala Leu Leu Lys Asn Tyr Gly Leu Leu Tyr Cys 140 145 150 Phe Arg Lys Asp Met Asp Lys Val Glu Thr Phe Leu Arg Ile Val 155 160 165 Gln Cys Arg Ser Val Glu Gly Ser Cys Gly Phe 170 175
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 美穂子 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 深山 裕喜雄 千葉県茂原市東郷1900番地の1 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 内田 博司 千葉県茂原市東郷1144番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 伊藤 照夫 千葉県茂原市東郷1900番地の1 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 楠原 信海 千葉県茂原市東郷1144番地 三井東圧化学 株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量約20000のヒト成長ホルモン
    またはその類縁体と水溶性複素環化合物を含む医薬製
    剤。
  2. 【請求項2】 水溶性複素環化合物がクレアチニン、ア
    セチルトリプトファンの塩、ニコチンアミドから選ばれ
    る少なくとも1種類のものであることを特徴とする請求
    項1に記載の医薬製剤。
  3. 【請求項3】 水に溶解した場合のpHがpH5〜8で
    ある請求項1あるいは2に記載の医薬製剤。
  4. 【請求項4】 pHがpH調整剤あるいは緩衝液により
    調整されている請求項3に記載の医薬製剤。
  5. 【請求項5】 1種類または2種類の塩基性アミノ酸も
    しくはその塩及び非イオン性界面活性剤を含み、凍結乾
    燥剤である請求項3に記載の医薬製剤。
  6. 【請求項6】 分子量約20000のヒト成長ホルモン
    1重量部に対して1〜20重量部の塩基性アミノ酸また
    はその塩を含む請求項5に記載の医薬製剤。
  7. 【請求項7】 非イオン性界面活性剤がポリソルベート
    20又はポリソルベート80あるいはその両方である請
    求項6に記載の医薬製剤。
  8. 【請求項8】 賦形剤を含むことを特徴とする請求項5
    に記載の医薬製剤。
  9. 【請求項9】 賦形剤が糖アルコールである請求項8に
    記載の医薬製剤。
  10. 【請求項10】 分子量約20000のヒト成長ホルモ
    ンまたはその類縁体を含む医薬製剤に水溶性複素環化合
    物を添加することにより、該ヒト成長ホルモンまたはそ
    の類縁体の不溶化を防止し、安定性を向上させる方法。
  11. 【請求項11】 水溶性複素環化合物がクレアチニン、
    アセチルトリプトファンの塩、ニコチンアミドから選ば
    れる少なくとも1種類以上のものであることを特徴とす
    る請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 水に溶解した場合のpHをpH5〜8
    とすることを特徴とする請求項10または11に記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 1種類または2種類の塩基性アミノ酸
    またはその塩及び非イオン性界面活性剤を添加すること
    により、分子量約20000のヒト成長ホルモンまたは
    その類縁体を含有する凍結乾燥剤の経時的な類縁物質の
    生成を抑制する方法。
  14. 【請求項14】 賦形剤を含有することを特徴とする請
    求項13に記載の方法。
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