JPH10263661A - 線棒条材用圧延機のガイド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 出入口ガイドをレストバーに強固に固定で
き、オンライン内での出入口ガイドの取付け、取外し作
業を不要とする。 【解決手段】 ロールスタンド８間に設けたレストバー
７上に載置した出入口ガイド６を、ロールスタンド外の
スライド台２上をパスライン44方向に前後に摺動する固
定治具４を介して油圧シリンダ３で押圧してレストバー
７に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、線棒条材用圧延機
に用いる圧延材のガイド装置の技術分野に属するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】線材、棒材および条材用の圧延機におい
ては、周知のようにその圧延ロールの入口側および出口
側に圧延材のガイド装置を設ける。このガイド装置の圧
延機への固定方法は、大別すると、ロールスタンドに設
けたレストバーにガイドを固定する方法と、ロールスタ
ンドの外部に設けたガイド取付け台に、ガイドを移動可
能に固定する方法とがある。

【０００３】例えば、実公昭53-19154号公報に開示され
ているガイドの固定方法は、図３に示すように、２重式
水平形圧延機と２重式垂直形圧延機との間に案内装置基
台31を設け、この案内装置基台31上に、保持台32と保持
台33が摺動自在に支承され、出口ガイド34は保持台32
に、入口ガイド35は保持台33に保持され、保持台32およ
び33に連結されたシリンダ36および37の駆動により出口
ガイド34および入口ガイド35が図示左右に移動するよう
になっている。

【０００４】また、実公昭61-24325号公報に開示されて
いるガイドの固定方法は、図４に示すように、ロールス
タンド８の両側内壁面に固定され、後方に延在した案内
部材（レストレール）38、38にガイド装置39のレストバ
ー40が遊嵌保持され、このレストバー40にガイド41が挿
嵌されボルト42で固定され、レストバー40に取付けられ
た油圧シリンダの駆動によりガイド41が前後方向（パス
ライン44方向）に移動するようになっている。油圧シリ
ンダを駆動して、ガイド41を所定の位置関係に保持させ
たのち、振動等で容易に位置ずれが起きないようにレス
トバー40の両端部をロールスタンド８の後面にボルト45
で取り付けた押板46で保持している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、実公昭53-191
54号公報に開示されているガイドの固定方法は、ガイド
保持台がロールスタンドから独立しているため、ガイド
保持台がロールスタンド側に片持ち梁の構造となり、ガ
イド保持台の剛性が十分に取れず、圧延材をロール10に
誘導するガイド34、35をロール10に対して強固に一定位
置で保持することができないという問題がある。したが
って、製品の断面形状精度も十分なものとは言えない。

【０００６】また、実公昭61-24325号公報に開示されて
いるガイドの固定方法は、ガイド41はガイド装置39のレ
ストバー40にボルト42で固定されているものの、レスト
バー40が直接ロールスタンド８に固定されている分けで
はなく、案内部材（レストレール）38、38に遊嵌保持さ
れ、油圧シリンダと押板46で保持されているため、レス
トバー40の剛性は十分とは言えない。

【０００７】また、上記二例とも、ガイドの取付け、取
外し作業がオンライン内の作業となるため、ガイド取付
け、取外し作業中は圧延を一時停止することになり、こ
の間、生産性が低下するという問題がある。

【０００８】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、ロールスタンドに設けたレストバー上に
載置した出入口ガイドを、油圧シリンダで押圧してレス
トバーに固定でき、かつ、パスラインに直交する方向に
水平に移動可能とし、さらに、パスライン方向に後退可
能とすることによって、出入口ガイドをレストバーに強
固に固定でき、ロールスタンドの組み替え、カリバ替え
が短時間で可能で、オンライン内での出入口ガイドの取
付け、取外し作業が不要となる線棒条材用圧延機のガイ
ド装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】その要旨は、ロールスタ
ンドがパスラインに直交する方向に水平に移動可能な線
棒条材用圧延機において、ロールスタンド間に設けたレ
ストバー上に載置した出入口ガイドを、ロールスタンド
外のスライド台上をパスライン方向に前後に摺動する固
定治具を介して油圧シリンダで押圧してレストバーに固
定する線棒条材用圧延機のガイド装置である。

【００１０】出入口ガイドが固定治具に嵌合し、かつ着
脱可能なピンで出入口ガイドと固定治具が連結可能な上
記の線棒条材用圧延機のガイド装置である。

【００１１】スライド台がパスラインに直交する方向に
水平に移動可能な上記の線棒条材用圧延機のガイド装置
である。

【００１２】また、ロールスタンド間に設けたレストバ
ー上に載置した出入口ガイドをパスライン方向に前後に
移動する手段を、ロールスタンド外のスライド台に設け
た上記の線棒条材用圧延機のガイド装置である。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態例につ
いて説明する。図１および２は本発明に係わる線棒条材
用圧延機のガイド装置を示す図で、図１(a) は平面図、
(b) は部分断面正面図、図２は側面図である。図１およ
び２は、ロールスタンドがパスラインに直交する方向に
水平に移動可能な２重式水平形圧延機の例で、ロールス
タンドから独立した支持台23上部のソールプレート９上
に架台１を固定した状態で設け、この架台１上にはパス
ラインに直交する方向に水平に摺動するスライド台２が
設けてある。スライド台２の摺動は架台１に設けたウオ
ームジャッキ11によって、架台１の上面とスライド台２
の下面に設けた摺動ガイド24との間で行われる。そし
て、ボルト25とナット26によって、スライド台２は架台
１に固定することができる。

【００１４】ウオームジャッキ11には、ウオームジャッ
キ11を駆動するためのハンドル12とスライド台２の摺動
距離を明示する目盛盤13があり、ウオームジャッキ11の
出力軸27はピン14によってスライド台２に連結されてい
る。

【００１５】スライド台２の上面には、出入口ガイド６
をレストバー７に固定する固定治具４が嵌合してパスラ
イン44方向に前後に摺動する摺動ガイド16があり、固定
治具４はスライド台２の内部に設けた油圧シリンダ３に
よって摺動ガイド16内をパスライン方向に前後に摺動す
る。なお、油圧シリンダ３のシリンダ側はスライド台２
に揺動可能に取付けられ、ロッド側は固定治具４下面の
連結板30にピン15によって連結されている。

【００１６】固定治具４のロールスタンド８側には、上
方から見て出入口ガイド６が嵌合する２本のフォーク状
の保持ガイド17が設けてあり、また、ロールスタンド８
側の固定治具４の下面には、出入口ガイド６の楔形の突
起21b を押さえ込んでレストバー７に固定する斜面20が
設けてある。さらに、固定治具４の保持ガイド17にはピ
ン５を装着して出入口ガイド６と固定治具４とを連結す
るためのＵ字状の溝18a が設けてある。

【００１７】出入口ガイド６は、２本のロールスタンド
８間に設けたレストバー７上に載置され、固定治具４に
よって押圧されレストバー７に固定される。このため、
ロール10側の出入口ガイド６のレストバー７に接する面
のコーナには、レストバー７に設けた切り欠22に係止す
る楔形の突起21a が、反ロール側の出入口ガイド６のレ
ストバー７に接する面のコーナには、楔形の突起21b が
設けてある。また、反ロール側の出入口ガイド６には、
出入口ガイド６と固定治具４を連結するためのＵ字状の
溝18b が、固定治具４で出入口ガイド６を押圧してレス
トバー７に固定した状態で、固定治具４の保持ガイド17
に設けてあるＵ字状の溝18a に対応する位置に設けてあ
る。なお、出入口ガイド６には、出入口ガイド本体28を
装着固定するための孔29が設けてある。

【００１８】油圧シリンダ３を作動させ、固定治具４で
出入口ガイド６をレストバー７に固定すると、スライド
台２には架台１を反ロールスタンド側に転倒させる力が
作用するため、架台１の転倒を防ぐためにレストバー７
とスライド台２を係止する留め具19a 、19b が、レスト
バー７とスライド台２に設けてある。留め具19a はロー
ルスタンド８をオンラインに組み込む時点で、スライド
台２の留め具19b に係止する。

【００１９】ロールスタンド８をオンラインに組み込む
場合は、油圧シリンダ３をＢの方向に作動させ固定治具
４の先端を（イ）の位置まで後退させ、その後、ロール
スタンド８に設けたレストバー７上に、出入口ガイド本
体28を装着固定した出入口ガイド６を使用するカリバに
合わせて載置した状態で、ロールスタンド８を組替装置
（図示せず）でオフラインからオンラインに移動する。
そして、出入口ガイド６がパスライン位置に合致したと
ころでロールスタンド８を固定する。ロールスタンド８
が固定されると、油圧シリンダ３をＡの方向に作動させ
固定治具４で押圧して出入口ガイド６をレストバー７に
固定する。この時、出入口ガイド６の楔形の突起21a が
レストバー７に設けた切り欠22に係止し、反ロール側の
出入口ガイド６の楔形の突起21b が固定治具４に設けた
斜面20によって押さえ込まれ、出入口ガイド６はレスト
バー７に強固に固定される。

【００２０】このように、出入口ガイド６は事前にレス
トバー７に載置してあるため、オンライン内でのレスト
バー７への出入口ガイド６の取付け作業が不要となり、
オンライン内での作業は、ただ油圧シリンダ３を作動さ
せ出入口ガイド６をレストバー７に強固に固定するのみ
である。したがって、圧延の停止時間がその分短縮され
る。

【００２１】現在使用しているカリバが磨耗して新しい
次のカリバに変更するカリバ替えの場合は、固定治具４
の保持ガイド17と出入口ガイド６に設けてあるＵ字状の
溝18a 、18b にピン５を装着して固定治具４と出入口ガ
イド６を連結し、その後、油圧シリンダ３をＢの方向に
作動させ固定治具４の先端を（イ）の位置まで後退させ
る。この状態で、ロールスタンド８をシフト装置（図示
せず）で、パスラインに直交する方向に水平に移動し、
新しい次のカリバが出入口ガイド６に合致した位置でロ
ールスタンド８を固定する。そして、油圧シリンダ３を
Ａの方向に作動させ固定治具４で押圧して出入口ガイド
６をレストバー７に強固に固定する。

【００２２】この時、新しいカリバ位置に対して出入口
ガイド６の位置が僅かにずれることがあり、この場合
は、油圧シリンダ３の圧力を抜いて出入口ガイド６をレ
ストバー７から自由にしてやり、次に、ボルト25とナッ
ト26を緩めスライド台２が架台１上を摺動できる状態に
する。その後、ウオームジャッキ11の目盛盤13を見なが
らハンドル12を回し、ずれ量だけスライド台２をパスラ
インに直交する方向に水平に移動させ、新しいカリバ位
置に出入口ガイド６の位置を合致させることができる。
すなわち、固定治具４はスライド台２上面の摺動ガイド
16に嵌合しているため、スライド台２の移動とともに固
定治具４も移動し、出入口ガイド６は固定治具４の保持
ガイド17に嵌合しているため、出入口ガイド６もスライ
ド台２の移動とともにレストバー７上をパスラインに直
交する方向に水平に移動する。

【００２３】このようにして、出入口ガイド６の位置と
新しいカリバ位置とが合致した時点で、ボルト25とナッ
ト26を締めスライド台２を架台１に固定し、次に、油圧
シリンダ３をＡの方向に作動させ固定治具４で押圧して
出入口ガイド６をレストバー７に固定する。なお、ピン
５は出入口ガイド６をパスライン方向に後退移動させる
時のみ必要で、油圧シリンダ３を作動させ固定治具４で
押圧して出入口ガイド６をレストバー７に固定する時
は、ピン５は取り外しておく。

【００２４】古いロールスタンド８を新しいロールスタ
ンド８に組み替える場合は、油圧シリンダ３をＢの方向
に作動させ固定治具４の先端を（イ）の位置まで後退さ
せた状態で、組替装置（図示せず）でロールスタンド８
をオンラインからオフラインに引き出す。この時、出入
口ガイド６はロールスタンド８に設けたレストバー７上
に載置した状態で、ロールスタンド８とともにオフライ
ンに引き出される。したがって、オンライン内での出入
口ガイド６の取外し作業が不要となり、ロールスタンド
８の組み替え時間も短縮される。

【００２５】上記の説明では、スライド台２の内部に設
けた油圧シリンダ３でレストバー７上に載置した出入口
ガイド６のレストバー７への固定とパスライン方向の前
後への移動とを行っているが、固定手段と移動手段を分
けることも可能である。すなわち、スライド台２にレス
トバー７上に載置した出入口ガイド６をパスライン44方
向に前後に移動する手段を設けることによって、出入口
ガイド６と固定治具４とを連結するために設けた出入口
ガイド６のＵ字状の溝18b 、固定治具４の保持ガイド17
のＵ字状の溝18a およびピン５は不要となる。ただし、
この場合は出入口ガイド６とスライド台２に設けた移動
手段とを連結可能にしておく。

【００２６】

【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明に係わる線棒条材用圧延機のガイド装置は、出入
口ガイドがロールスタンドに設けたレストバーに強固に
固定されるため、圧延材を一定位置でロールに誘導する
ことができ、製品の断面形状精度も向上する。また、ロ
ールスタンドの組み替え、カリバ替えの際のオンライン
内での出入口ガイドの取付け、取り外し作業が不要とな
り、その分圧延停止時間が短縮され生産性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる線棒条材用圧延機のガイド装置
を示す図で、図１(a) は平面図、(b) は部分断面正面図
である。

【図２】本発明に係わる線棒条材用圧延機のガイド装置
を示す図で、図１に示すガイド装置の側面図である。

【図３】従来技術におけるガイド固定方法の一例を示す
図である。

【図４】従来技術におけるガイド固定方法の一例を示す
図である。

【符号の説明】

１…架台、２…スライド台、３…油圧シリンダ、４…固
定治具、５…ピン、６…出入口ガイド、７…レストバ
ー、８…ロールスタンド、９…ソールプレート、10…ロ
ール、11…ウオームジャッキ、12…ハンドル、13…目盛
盤、14…ピン、15…ピン、16…摺動ガイド、17…保持ガ
イド、18a …Ｕ字状の溝、18b …Ｕ字状の溝、19a …留
め具、19b …留め具、20…斜面、21a …楔形の突起、21
b …楔形の突起、22…切り欠、23…支持台、24…摺動ガ
イド、25…ボルト、26…ナット、27…出力軸、28…出入
口ガイド本体、29…孔、30…連結板、31…案内装置基
台、32…保持台、33…保持台、34…出口ガイド、35…入
口ガイド、36…シリンダ、37…シリンダ、38…案内部
材、39…ガイド装置、40…レストバー、41…ガイド、42
…ボルト、43…中間トラフ、44…パスライン、45…ボル
ト、46…押板。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロールスタンドがパスラインに直交する
   方向に水平に移動可能な線棒条材用圧延機において、ロ
   ールスタンド間に設けたレストバー上に載置した出入口
   ガイドを、ロールスタンド外のスライド台上をパスライ
   ン方向に前後に摺動する固定治具を介して油圧シリンダ
   で押圧してレストバーに固定することを特徴とする線棒
   条材用圧延機のガイド装置。
2. 【請求項２】 出入口ガイドが固定治具に嵌合し、かつ
   着脱可能なピンで出入口ガイドと固定治具が連結可能な
   請求項１記載の線棒条材用圧延機のガイド装置。
3. 【請求項３】 スライド台がパスラインに直交する方向
   に水平に移動可能な請求項３記載の線棒条材用圧延機の
   ガイド装置。
4. 【請求項４】 ロールスタンド間に設けたレストバー上
   に載置した出入口ガイドをパスライン方向に前後に移動
   する手段を、ロールスタンド外のスライド台に設けた請
   求項１記載の線棒条材用圧延機のガイド装置。