JPH10261615A - SiC半導体の表面モホロジー制御方法およびSiC半導体薄膜の成長方法 - Google Patents

SiC半導体の表面モホロジー制御方法およびSiC半導体薄膜の成長方法

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JPH10261615A
JPH10261615A JP8451097A JP8451097A JPH10261615A JP H10261615 A JPH10261615 A JP H10261615A JP 8451097 A JP8451097 A JP 8451097A JP 8451097 A JP8451097 A JP 8451097A JP H10261615 A JPH10261615 A JP H10261615A
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sic semiconductor
less
gas
hcl
etching
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Ryuichi Asai
隆一 浅井
Tomoko Endo
知子 遠藤
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SiC半導体を使用した素子の特性を向上さ
せるために、SiC半導体基板およびその上に成長した
膜の表面モホロジーを制御する。 【解決手段】 H2 ガスで0.1%以上かつ5%以下
(体積比)に希釈したHClガス雰囲気中1300℃以
上かつ1500℃以下の温度で、SiC半導体基板また
はSiC半導体基板上にホモエピタキシャル成長したS
iC半導体薄膜を熱気相エッチングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SiC半導体を用
いて半導体素子を作製する際の表面モホロジーの制御方
法およびSiC半導体基板上にSiC半導体薄膜を成長
させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波、大電力の制御を目的として、S
iを用いた電力用半導体素子(以下、パワーデバイスと
称する)では、各種の工夫により高性能化が進められて
いる。しかし、パワーデバイスは高温や放射線等の存在
下で使用されることもあり、そのような条件下ではSi
デバイスは使用できないこともある。また、Siのパワ
ーデバイスより更に高性能のパワーデバイスを求める声
に対して、新しい材料の適用が検討されている。例え
ば、SiCは広い禁制帯幅(6H型で2.93eV)を
持つため、高温での電気伝導度の制御性や耐放射線性に
優れ、またSiより約1桁高い絶縁破壊電圧を持つた
め、高耐圧デバイスへの適用が可能とみられる。さら
に、SiCはSiの約2倍の電子飽和ドリフト速度を持
つので、高周波大電力の制御にも適するものとみられて
いる。
【0003】しかし、このように材質的に優れたSiC
でも、その優れた材料特性をパワーデバイスに応用する
ためには、Siデバイスと同様に、SiC基板の表面を
鏡面に仕上げた後、SiC層をエピタキシャル成長させ
たり、その過程でドナーやアクセプターをドーピングし
たり、金属膜や酸化膜を形成する等の工程が必要とな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】パワーデバイスを指向
するSiCデバイスの基板としては、6H−SiCや4
H−SiCが一般的に用いられている。
【0005】ところで、電気伝導度の大きい(すなわ
ち、高不純物濃度の)6H−SiC単結晶の小片上に電
気伝導度の小さい(すなわち、低不純物濃度の)層をエ
ピタキシャル成長し、表面モホロジーを観察したとこ
ろ、多数の結晶欠陥が認められた。この原因としては、
薄膜成長に用いられるSiC単結晶基板の品質が、現状
ではSi基板に遠く及ばず、表面の研磨傷や積層欠陥等
の結晶欠陥を多く含んでいることが挙げられる。基板の
品質改善には日々努力が払われているが、今のところ大
きな進展は期待できない。
【0006】この状況に対処するために、基板のモホロ
ジーを制御することが必要であるが、一般には研磨、反
応性イオンエッチング(RIE)、酸化等の表面処理の
方法が用いられている。また、本発明に類似した方法と
して、C面に対してはH2 希釈したHCl、Si面に対
してはH2 による気相エッチングが行われている(特開
平7−6971号公報、および Inst. Phys. Conf. Se
r. No. 142, pp. 613616; C.Hallin et al. "Study of
the hydrogen etching of silicon carbaid substrate"
参照)。しかしながら、これらの処理方法は成長前の
基板表面から自然酸化膜を除去することを目的としたプ
ロセスであり、基板の表面モホロジーを制御することは
考慮されていない。従って、基板の表面モホロジーの改
善については多くを期待できない。
【0007】本発明の目的はSiC半導体を使用した素
子の特性を向上させるために、SiC半導体基板および
その上に成長した膜の表面モホロジーを制御する方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は従来行われてい
た方法を詳細に検討することによって、なされたもので
ある。すなわち、本発明によるSiC半導体の表面モホ
ロジー制御方法は、SiC半導体の表面モホロジーを制
御する方法であって、H2 ガスで0.1%以上かつ5%
以下(体積比)に希釈したHClガス雰囲気中1300
℃以上かつ1500℃以下の温度で、SiC半導体基板
またはSiC半導体基板上にホモエピタキシャル成長し
たSiC半導体薄膜を熱気相エッチングしてSiC半導
体の表面モホロジーを制御する。
【0009】ここで、前記SiC半導体が、好ましく
は、そのポリタイプが4Hまたは6Hであり、かつ単結
晶であり、前記希釈したHClガスで熱気相エッチング
される面が、自然面{0001}または{0001}面
から微少角度で傾斜した面である。
【0010】前記HClの希釈率を体積比で0.1〜5
%とし、かつエッチング温度を1300℃以上1350
℃未満とすることが好ましい。
【0011】前記HClの希釈率を体積比で0.1%以
上かつ1%未満とし、かつエッチング温度を1350℃
以上1500℃以下とすること、あるいは、前記HCl
の希釈率を体積比で1%以上かつ2%未満とし、かつエ
ッチング温度を1350℃以上1500℃以下とするこ
と、あるいは、前記HClの希釈率を体積比で2%以上
かつ5%以下とし、かつエッチング温度を1350℃以
上1500℃以下とすることが好ましい。
【0012】本発明によるSiC半導体薄膜の結晶欠陥
および結晶性を制御する方法は、H2 ガスで0.5%以
上かつ5%以下(体積比)に希釈したHClガス雰囲気
中1300℃以上かつ1350℃未満の温度、またはH
2 ガスで0.1%以上かつ5%以下(体積比)に希釈し
たHClガス雰囲気中1350℃以上かつ1500℃以
下の温度でSiC半導体基板を熱気相エッチングして、
該SiC半導体基板上にホモエピタキシャル成長するS
iC半導体薄膜の結晶欠陥および結晶性を制御する。
【0013】さらに、本発明によるSiC半導体薄膜の
成長方法は、H2 ガスで0.5%以上かつ5%以下(体
積比)に希釈したHClガス雰囲気中1300℃以上か
つ1350℃未満の温度、またはH2 ガスで0.1%以
上かつ5%以下(体積比)に希釈したHClガス雰囲気
中1350℃以上かつ1500℃以下の温度でSiC半
導体基板を熱気相エッチングする工程、および該SiC
基板上にSiC半導体薄膜をホモエピタキシャル成長さ
せる工程を有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、SiC半導体
基板およびその上に成長した膜の表面モホロジーを制御
するのに、H2 ガスで希釈されたHClを用いた熱気相
エッチングを採用し、その際、特にH2 ガスによるHC
lの希釈率とエッチング温度を調整してエッチングを行
う。
【0015】また、本発明においては、SiC半導体基
板上にホモエピタキシャル成長するSiC半導体薄膜の
結晶欠陥および結晶性を制御するために、H2 ガスで
0.5%以上かつ5%以下(体積比)に希釈したHCl
ガス雰囲気中1300℃以上かつ1350℃未満の温
度、またはH2 ガスで0.1%以上かつ5%以下(体積
比)に希釈したHClガス雰囲気中1350℃以上かつ
1500℃以下の温度、のいずれかの条件でSiC半導
体基板を熱気相エッチングする。
【0016】さらに、本発明においては、SiC基板上
にSiC半導体薄膜を成長させるに際して、まず、H2
ガスで0.5%以上かつ5%以下(体積比)に希釈した
HClガス雰囲気中1300℃以上かつ1350℃未満
の温度、またはH2 ガスで0.1%以上かつ5%以下
(体積比)に希釈したHClガス雰囲気中1350℃以
上かつ1500℃以下の温度、のいずれかの条件でSi
C半導体基板を熱気相エッチングし、次に、エッチング
によって表面モホロジーを制御された基板上にSiC半
導体薄膜をホモエピタキシャル成長させる。
【0017】以下に図面を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0018】
【実施例】実施例1 HClを用いてSiC半導体基板を熱気相エッチングし
た。エッチング方法を以下に述べる。
【0019】まず、鏡面研磨された6H型SiC単結晶
基板を用意する。基板はダイサーにより5mm角のチッ
プに切り分ける。本実施例では、(000、−1)C面
から〈11、−2、0〉方向に3.5度傾けて研磨した
面を使用した。
【0020】試料の表面を有機溶剤洗浄と酸洗浄で清浄
にする。次にエッチングするC面を上にして、基板をS
iCで被覆した黒鉛のサセプタに載せる。基板を載せた
サセプタを石英反応管内に挿入し、反応管内の圧力が1
Pa以下の真空となるように排気する。
【0021】次に、以下の条件で気相エッチングを行
う。H2 ガスおよびHClガスを、それぞれ毎分1L
(標準状態、以下同じ)および3mLの流量で混ぜた混
合ガス(希釈率は体積比で0.3%)を流しながら、サ
セプタを1300℃で10分間加熱する。サセプタの加
熱方法は高周波誘導加熱である。
【0022】図1(a)は、この様にして得られた試料
の表面モホロジーを観察した原子間力顕微鏡(AFM)
像である。左側が試料を真上から観察した像で、その下
は高さを示すスケールで、最も明るい部分が4.652
3nmである。右は斜め上方から俯瞰した像である。表
面平均粗さRaは0.4nmから0.6nm程度で、高
さ5nm程度の突起状のものがやや目立つ。
【0023】試料の加熱温度、加熱時間をそれぞれ13
00℃、10分間とし、H2 ガスおよびHClガスを、
それぞれ毎分1Lおよび10mLの流量で混ぜた混合ガ
ス(希釈率は体積比で1%)を流しながらエッチングし
て得られた試料の表面モホロジーを観察したAFM像を
図1(b)に示す。表面平均粗さRaは0.4nmから
0.6nm程度で突起状のものはなくなり、筋状の模様
が見られる。
【0024】試料の加熱温度、加熱時間を、同様にそれ
ぞれ1300℃、10分間とし、H2 ガスおよびHCl
ガス、をそれぞれ毎分1Lおよび30mLの流量で混ぜ
た混合ガス(希釈率は体積比で3%)を流しながらエッ
チングして得られた試料の表面モホロジーを観察したA
FM像を図1(c)に示す。図1(b)と同様に、表面
平均粗さRaは0.4nmから0.6nm程度で突起状
のものはなくなり、筋状の模様が見られる。図1
(b)、(c)における筋の方向は〈11、−2、0〉
方向に直交する方向である。この様な筋状の模様が現れ
る原因は、基板が自然面である{0001}面から傾い
た面で研磨され、ステップ密度が大きくなっているため
ではないかと考えられる。
【0025】図1(a)〜図1(c)の比較から、HC
lガスの流量によって、すなわち、H2 ガスによるHC
lガスの希釈率によって、エッチングされた基板の表面
モホロジーが変化していることがわかる。さらに、エッ
チング温度を1300℃以上かつ1350℃未満の範
囲、H2 ガスによるHClガスの希釈率(体積比)を
0.1%以上かつ5%以下の範囲まで広げて熱気相エッ
チングを行い、表面モホロジーを観察した。この温度範
囲では、希釈率0.1%以上かつ0.5%未満のHCl
ガスを用いてエッチングした場合には図1(a)と同様
の表面モホロジーが得られ、希釈率0.5以上かつ5%
以下のHClでエッチングした場合には、図1(b)、
(c)と同様の表面モホロジーが得られた。この様に、
2 ガスによるHClガスの希釈率によって、エッチン
グされた基板の表面モホロジーが変化し、希釈率によっ
て独特の模様を示す。平均粗さRaはこの希釈率の範囲
内では全て0.4nmから0.6nm程度である。この
温度範囲では、H2 ガスによるHClの希釈率が体積比
で0.1%未満ではエッチングが十分でなく、また希釈
率が5%を超えると過エッチングとなり、いずれの場合
も良好な表面平滑度、表面モホロジーを得ることができ
ない。また、エッチング温度が1300℃より低いと良
好な表面モホロジーを得ることができない。
【0026】実施例2 上述した実施例1と異なる条件で熱気相エッチングを行
った。エッチング方法を以下に述べる。
【0027】用いる基板およびその清浄方法と加熱方法
は実施例1と同じである。
【0028】H2 ガスおよびHClガスを、それぞれ毎
分1Lおよび3mLの流量で混ぜた混合ガス(希釈率は
体積比で0.3%)を流しながら、サセプタを1400
℃で10分間加熱し、エッチングを行う。
【0029】図2(a)は、この様にして得られた試料
の表面モホロジーのAFM像である。表面平均粗さRa
は0.4nm程度であり、図1(b)、(c)と違って
真っ直ぐな筋状の模様が見られる。
【0030】試料の加熱温度、加熱時間をそれぞれ14
00℃、10分間とし、H2 ガスおよびHClガスを、
それぞれ毎分1Lおよび10mLの流量で混ぜた混合ガ
ス(希釈率は体積比で1%)を流しながらエッチングし
て得られた試料のAFM観察による表面モホロジーを図
2(b)に示す。表面平均粗さRaは1.2nm程度で
あり、図2(a)と比較して幅の広い筋状の模様が見ら
れる。
【0031】試料の加熱温度、加熱時間を、同様にそれ
ぞれ1400℃、10分間とし、H2 ガスおよびHCl
ガスを、それぞれ毎分1Lおよび30mLの流量で混ぜ
た混合ガス(希釈率は体積比で3%)を流しながらエッ
チングして得られた試料の表面モホロジーを図2(c)
に示す。表面平均粗さRaは0.4nm程度であり、幅
は狭いが図2(a)と異なり、うねった筋状の模様が見
られる。
【0032】この様に、エッチング温度が異なると実施
例1とは異なった表面モホロジーが得られる。また、図
2(a)〜図2(c)の比較から、加熱温度1400℃
の場合でも、HClガスの流量によって、すなわち、H
2 ガスによるHClガスの希釈率によって、エッチング
された基板の表面モホロジーが変化していることがわか
る。さらに、エッチング温度の範囲を1350℃〜15
00℃の範囲、H2 によるHClの希釈率(体積比)を
0.1%〜5%の範囲まで広げてエッチングし、表面モ
ホロジーを観察した。この温度範囲内では、0.1%以
上かつ1%未満の希釈率のHClによるエッチングでは
図2(a)と同様の、1%以上かつ2%未満の希釈率の
HClによるエッチングでは図2(b)と同様の、2%
以上かつ5%以下の希釈率のHClによるエッチングで
は図2(c)と同様の表面モホロジーが得られた。この
様に、1350℃〜1500℃での熱気相エッチングに
よると、H2 ガスによるHClの希釈率によって独特の
表面モホロジーが得られる。平均表面粗さRaは1.2
nmまたはそれ以下と平滑度が高い。1350℃〜15
00℃の温度範囲でも、H2 ガスによるHClの希釈率
が体積比で0.1%未満ではエッチングが十分でなく、
また希釈率が5%を超えると過エッチングとなり、いず
れの場合も良好な表面平滑度、表面モホロジーを得るこ
とができない。また、エッチング温度が1500℃を超
えると過エッチングとなり、良好な表面モホロジーを得
ることができない。
【0033】以上の各実施例では、HClを用いた熱気
相エッチングによってSiC基板の表面モホロジーを制
御した例を説明したが、エッチング温度を1300℃〜
1500℃とし、H2 ガスによって体積比で0.1%〜
5%に希釈されたHClを用いた熱気相エッチングによ
って、SiC基板の上にエピタキシャル成長したSiC
半導体膜の表面モホロジーを成長後に制御することもで
きる。
【0034】また、以上の各実施例では、C面をエッチ
ングする場合について説明したが、Si面のエッチング
においても同じ条件でのエッチングによって、C面に対
するのと同様の結果を得ることができる。
【0035】さらに、以上の各実施例では6H型SiC
半導体基板を用いた例について説明したが、4H型Si
C半導体基板を用いた場合も同様の効果を得ることがで
きる。
【0036】以上の実施例で説明したように、SiC半
導体の表面をHClを用いた熱気相エッチングする際
に、HClの希釈率とエッチング温度を制御することに
よって、SiC半導体の表面モホロジーを制御すること
ができる。
【0037】実施例3 SiC半導体基板上に成膜したSiC半導体薄膜の結晶
欠陥を、SiC半導体基板の表面をH2 ガスで希釈され
たHClを用いて熱気相エッチングすることによって制
御した。その方法を以下に説明する。
【0038】鏡面研磨された6H型SiC単結晶基板を
用意する。基板はダイサーにより5mm角のチップに切
り分ける。本実施例では(0001)Si面から〈1
1、−2、0〉方向に3.5度傾けて研磨した面を使用
した。基板は有機溶剤洗浄と酸洗浄で表面を清浄にす
る。この清浄化されたSiC半導体基板の表面を希釈さ
れたHClガスによって熱気相エッチングを行い、続い
てその上に熱気相成長法によってSiC半導体薄膜を成
長するのである。
【0039】薄膜を成長させるSi面を上にして、Si
Cで被覆した黒鉛製のサセプタに基板を載せる。基板を
載せたサセプタを気相成長装置の反応管内に挿入し、反
応管内の圧力が1Pa以下の真空になるように排気し
て、まず、熱気相エッチングを行う。ここでは、H2
スおよびHClガスを、それぞれ毎分1Lおよびおよび
30mLの流量で混ぜた混合ガス(希釈率は体積比で3
%)を流しながら1400℃で10分間、試料を加熱し
てエッチングする。加熱方法は実施例1、2と同様に高
周波誘導加熱である。続いて試料を1500℃に加熱し
てH2 ガス、SiH4 ガスおよびC38 ガスを、それ
ぞれ毎分3L、0.3mLおよび0.25mLの流量で
混ぜた混合ガスを2時間流す。すると、基板上に厚さが
約4μmの6H型SiC薄膜がエピタキシャル成長す
る。
【0040】この様にして成長したSiC薄膜の表面モ
ホロジーを観察した光学顕微鏡写真を図3(a)に示
す。図からわかるように、非常に平滑であり、傷は見ら
れない。
【0041】図3(b)には、比較のために、H2 ガス
とHClガスをそれぞれ毎分1L、3mLの流量で混ぜ
た混合ガス(希釈率は体積比で0.3%)を流しながら
基板を1300℃で5分間加熱してエッチングした後、
上述したと同じ条件で成長した薄膜の表面モホロジーの
光学顕微鏡観察結果を示す。比較例では、基板表面の研
磨傷が成長した薄膜にも伝播して薄膜の表面にも現れて
いるが、本発明による方法ではこの傷は消え、平滑な表
面を得ることができた。
【0042】実施例1、2と本実施例を比較すると、S
iC半導体基板上に良好なSiC半導体薄膜を成長させ
るためには、単に基板の表面モホロジーを制御するだけ
でなく、より厳密な条件でSiC半導体基板の表面を熱
気相エッチングする必要があることがわかる。その条件
は、H2 ガスで体積比0.5%以上かつ5%以下に希釈
したHClガス雰囲気中1300℃以上かつ1350℃
未満の温度、またはH2 ガスで体積比0.1%以上かつ
5%以下に希釈したHClガス雰囲気中1350℃以上
かつ1500℃以下の温度でSiC半導体基板を熱気相
エッチングすることである。そして、このようにして平
滑化された基板の上にSiC半導体薄膜をホモエピタキ
シャル成長させることによって、良好なSiC半導体薄
膜を得ることができる。
【0043】以上の実施例では、Si面をエッチングす
る場合について説明したが、C面のエッチングにおいて
も同じ条件でのエッチングによって、Si面に対するの
と同様の結果を得ることができる。
【0044】また、以上の実施例では6H型SiC半導
体基板を用いた例について説明したが、4H型SiC半
導体基板を用いた場合も同様の効果を得ることができ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればS
iC半導体基板およびその上に成長したSiC半導体薄
膜の表面モホロジーを再現性よく制御することができ
る。さらに、基板上に成長した薄膜の結晶欠陥やモホロ
ジーを制御することが可能である。また、SiC半導体
基板上に良好なSiC半導体薄膜を成長させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】希釈したHClで熱気相エッチングしたSiC
基板表面の原子間力顕微鏡写真である。
【図2】希釈したHClで熱気相エッチングしたSiC
基板表面の原子間力顕微鏡写真である。
【図3】SiC基板上に成長したSiC薄膜表面の光学
顕微鏡写真である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiC半導体の表面モホロジーを制御す
    る方法であって、H2 ガスで0.1%以上かつ5%以下
    (体積比)に希釈したHClガス雰囲気中1300℃以
    上かつ1500℃以下の温度で、SiC半導体基板また
    はSiC半導体基板上にホモエピタキシャル成長したS
    iC半導体薄膜を熱気相エッチングすることを特徴とす
    るSiC半導体の表面モホロジー制御方法。
  2. 【請求項2】 前記SiC半導体が、そのポリタイプが
    4Hまたは6Hであり、かつ単結晶であることを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記希釈したHClガスで熱気相エッチ
    ングされる面が、自然面{0001}または{000
    1}面から微少角度で傾斜した面であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記HClの希釈率を体積比で0.1〜
    5%とし、かつエッチング温度を1300℃以上135
    0℃未満とすることを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記HClの希釈率を体積比で0.1%
    以上かつ1%未満とし、かつエッチング温度を1350
    ℃以上1500℃以下とすることを特徴とする請求項1
    から3のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記HClの希釈率を体積比で1%以上
    かつ2%未満とし、かつエッチング温度を1350℃以
    上1500℃以下とすることを特徴とする請求項1から
    3のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記HClの希釈率を体積比で2%以上
    かつ5%以下とし、かつエッチング温度を1350℃以
    上1500℃以下とすることを特徴とする請求項1から
    3のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 H2 ガスで0.5%以上かつ5%以下
    (体積比)に希釈したHClガス雰囲気中1300℃以
    上かつ1350℃未満の温度、またはH2 ガスで0.1
    %以上かつ5%以下(体積比)に希釈したHClガス雰
    囲気中1350℃以上かつ1500℃以下の温度でSi
    C半導体基板を熱気相エッチングして、該SiC半導体
    基板上にホモエピタキシャル成長するSiC半導体薄膜
    の結晶欠陥および結晶性を制御する方法。
  9. 【請求項9】 H2 ガスで0.5%以上かつ5%以下
    (体積比)に希釈したHClガス雰囲気中1300℃以
    上かつ1350℃未満の温度、またはH2 ガスで0.1
    %以上かつ5%以下(体積比)に希釈したHClガス雰
    囲気中1350℃以上かつ1500℃以下の温度でSi
    C半導体基板を熱気相エッチングする工程、および該S
    iC基板上にSiC半導体薄膜をホモエピタキシャル成
    長させる工程を有することを特徴とするSiC半導体薄
    膜の成長方法。
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