JPH10259989A - 空気分離方法および空気分離装置 - Google Patents

空気分離方法および空気分離装置

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JPH10259989A
JPH10259989A JP9114077A JP11407797A JPH10259989A JP H10259989 A JPH10259989 A JP H10259989A JP 9114077 A JP9114077 A JP 9114077A JP 11407797 A JP11407797 A JP 11407797A JP H10259989 A JPH10259989 A JP H10259989A
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gas
heater
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tower
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Toshihiro Wakai
稔弘 若井
Masayuki Tanaka
正幸 田中
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気分離装置における空気圧縮機の出口圧力
を低減し、設備全体としての動力効率を高め得る様な空
気分離法を提供すること。 【解決手段】 予冷された圧縮空気を不純成分吸着部お
よび主熱交換器を経て精留塔へ供給し、精留塔上塔から
抽気される粗窒素ガスを前記主熱交換器に通して前記圧
縮空気の冷却に利用した後、加熱器で昇温して上記不純
成分吸着部の再生に利用する空気分離方法において、前
記粗窒素ガスを加圧してから前記加熱器へ送給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気分離方法および
装置に関し、特に、原料空気中に含まれる水分、炭酸ガ
ス、炭化水素ガス等の除去に用いられるモレキュラシー
ブ吸着器の再生効率を高め、併せて空気分離設備の動力
性能を高めることのできる空気分離方法および装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】空気を窒素ガスと酸素ガスに分離する空
気分離装置は、製鉄、化学、電子工業等の広範な分野で
使用されている。この様な空気分離装置については、分
離効率の向上、ランニングコストの低下、操業安定性の
向上等を目的として様々の研究が進められている。
【0003】図2は、その様な状況の下で開発された空
気分離装置を例示するフロー図であり、原料空気中の不
純成分(水分、炭酸ガス等)の除去に不純成分吸着部を
用いた例を示している。原料空気は、エアフィルタ1、
原料空気圧縮機2、冷却器3等を経て所望の圧力、温
度、湿度の空気(以下、圧縮空気ということがある)と
され、吸着器6へ導かれる。図の吸着器6は2基1対の
切換え方式であり、該吸着器6内では、ゼオライト等の
吸着作用によって上記圧縮空気中の水分、炭酸ガス、炭
化水素ガス等がほゞ完全に除去される。上記吸着器6か
ら管路6aを通して導出された圧縮空気は、主熱交換器
7へ導かれ、後述する戻りガスとの熱交換によって液化
点付近まで冷却され、精留塔8の下塔8a下部へ導入さ
れる。
【0004】上記下塔8aに導入された圧縮空気は、下
塔8a内を上昇していく過程で冷却されつつ蒸留分離が
進行していき、下塔8a上部からは低沸点の窒素リッチ
液(液体窒素)9として取り出され、一方下部において
は高沸点の酸素リッチ液10が貯留される(以下粗留工
程ということがある)。上部窒素リッチガスは管路13
によって主凝縮器8bへ導かれ、ここで液化され管路1
4を下降して下塔8a上部に戻る。下塔8a上部の窒素
リッチ液は、管路15により過冷却器12を経て上塔8
cの頂部へ導かれる。
【0005】一方上記酸素リッチ液10は、管路25に
よって過冷却器12を経て上塔8cの中段へ導かれる。
また下塔8aの中段からは、粗留工程中期の液体窒素が
管路11により過冷却器12を経て上塔8cの上段へ導
かれる。この様に上塔8cの中段、上段及び頂部から導
入されて上塔8c内を降下する低温の液体窒素及び酸素
リッチ液10は、上塔8c内を上昇するガスとの間で物
質移動が行なわれることによって精留が進行する。
【0006】こうした各工程が繰り返されることによっ
て、上塔8cの頂部においては高純度窒素ガスが精製さ
れ、一方上塔8cの下部には高純度液体酸素が貯留さ
れ、これらは、管路16及び17を経由し前記戻りガス
となって主熱交換器7へ導かれ、吸着器6から導出され
る圧縮空気との間で熱交換を行なって寒冷を利用した
後、高純度窒素及び高純度酸素として製品化される。
【0007】このとき、前記吸着器6で浄化された圧縮
空気の一部は、主熱交換器7へ導入される前で分岐さ
れ、膨張タービン5の入側の加圧器5aで加圧されてか
ら主熱交換器7へ導入され、主熱交換器7の高温側で冷
却された後その途中から抜き出して膨張タービン5へ返
送され、ここで断熱膨張されることにより更に冷却され
てから上塔8cの中段へ導入される。また上塔8cの上
段部よりやや下側の位置からは、管路20を経て粗窒素
ガスが抜き出され、過冷却器12から主熱交換器7を経
て戻りガスとして熱交換により寒冷を利用した後、熱交
換後の引き抜きガスは再生用加熱器29を経て吸着器6
へ送ってその再生に利用され、余剰の引き抜きガスは管
路21から蒸発クーラー4へ供給し、冷却器3の冷却に
利用される冷却水の冷却に利用された後放出される。上
記吸着器6の再生加熱後は、バルブV1 ,V2 の切り替
えによって前記引き抜きガスを該再生加熱後の吸着器6
へ供給してこれを冷却し、吸着工程への切り替え準備を
終える。尚、吸着器6の再生に利用された引き抜きガス
は逐次系外へ放出される。
【0008】ところでこの様な空気分離装置において
は、空気圧縮機の動力が即当該装置の動力性能となる
が、該空気圧縮機の出口圧力が低ければ低いほど空気圧
縮機の動力は小さくなり、空気分離装置全体としての性
能は高くなることが知られており、性能向上手段として
空気圧縮機の出口圧力を下げる方向で種々検討が進めら
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
事情に着目してなされたものであって、その目的は、空
気分離装置における空気圧縮器の出口圧力を低減し、設
備全体としての動力効率を高め得る様な空気分離装置お
よび空気分離方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る空気分離方法は、予冷された圧縮
空気を不純成分吸着部および主熱交換器を経て精留塔へ
供給し、精留塔上塔から抽気される粗窒素ガスを前記主
熱交換器に通して前記圧縮空気の冷却に利用した後、加
熱器で昇温して上記不純成分吸着部の再生に利用する空
気分離方法において、前記粗窒素ガスを加圧してから前
記加熱器へ送給するところに要旨がある。
【0011】また本発明に係る空気分離装置とは、上記
方法を実施するのに好ましく用いられる装置であって、
原料空気圧縮機、不純成分吸着器、主熱交換器、精留塔
を備え、予冷された圧縮空気を、不純成分吸着器、主熱
交換器を経て精留塔へ供給し、精留塔上塔から抽気され
る粗窒素ガスを前記主熱交換器に通して前記圧縮空気の
冷却に利用した後、加熱器で昇温して上記不純成分吸着
器の再生を行なう様にした空気分離装置において、前記
加熱器の入側ラインに、精留塔上塔から抽気される前記
粗窒素ガスを加圧するための加圧機が設けられていると
ころに要旨が存在する。
【0012】
【発明の実施の形態】前述の如く空気分離装置において
は、空気圧縮機の動力が即当該装置の動力性能となり、
該空気圧縮機の出口圧力が低ければ低いほど空気圧縮機
の動力は小さくなって空気分離装置全体としての性能は
向上する。そして空気圧縮機の出口圧力を低下させるた
めの手段として最も有効なのは、空気分離装置における
低圧系統、即ち前記図2に示した精留塔上塔8cから過
冷却器12、主熱交換器7および吸着器6を経て大気へ
放出される排出側ラインの圧力損失をできるだけ小さく
することである。
【0013】そして本発明者らが確認したところによる
と、該排出側ラインの圧力を例えば0.1kg/cm2G 低減
することは、空気圧縮機の出口圧力を約0.3kg/cm2G
低下させることにつながる。これは、空気分離装置内に
主凝縮器8bが設けられており、ここで精留塔上塔底部
の酸素と下塔頂部の窒素との間で熱交換が行なわれ、こ
こで酸素−窒素の各圧力下の沸点により、低圧系統の差
圧が高圧系統の差圧に関係してくるからである。
【0014】たとえば精留塔上塔底部の酸素の沸点は、
約1.4kg/cm2A で−180℃であり、この酸素は、下
塔頂部における5.4kg/cm2A で−178.2℃の窒素
によって蒸発する(即ち、酸素は窒素によって蒸発し、
窒素は凝縮する)が、精留塔上塔底部の酸素の圧力が
0.1kg/cm2A 下がって約1.3kg/cm2A になると温度
は−180.7℃となり、下塔頂部における5.05kg
/cm2A で−179℃の窒素によって蒸発する。即ち、低
圧系統すなわち上塔からの出側圧力を0.1kg/cm2A 下
げれば、高圧系統すなわち下塔への入側圧力は0.35
kg/cm2A (5.4−5.05kg/cm2A )下がることにな
る。
【0015】このことからも明らかである様に、空気分
離装置における空気圧縮機の出口圧力を小さくするに
は、高圧系統(即ち、精留塔までの入側ライン)の圧力
を抑えるよりも、低圧系統(即ち、精留塔上塔からの抜
き出しライン)の圧力を抑える方が極めて効果的とな
る。
【0016】本発明は上記の様な確認結果を基に、特に
低圧系統、即ち精留塔上塔からの抜き出しラインにおけ
る圧力を低減することによって、前記空気圧縮機の出口
圧力を低くする方向で研究を進めてきた。
【0017】そして、図2に示した様な空気分離装置で
吸着器の再生に利用された粗窒素ガスは大気に放出され
る。このため、吸着器6へ再生用として送給される粗窒
素ガスの圧力は、吸着塔での差圧を考えると少なくとも
0.1kg/cm2G 程度以上を確保する必要があり、これ以
上に圧力を低くすると吸着器6に再生ガスが流せなくな
り、吸・脱着繰返し操業に支障をきたす。そのため、低
圧系統の圧力を十分に低くすることができない。
【0018】ところが、図1に本発明の特徴部分を抜粋
して示す如く(即ち、他の部分の構成や機能等は前記図
2に示したのと実質的に変わらない)、再生用加熱器2
9の入側ライン(即ち、精留塔上塔8cから管路20を
通して再生用加熱器29および吸着器6方向へ粗窒素ガ
スを抜き出す管路20)に再生用加圧機30を配置し、
該加圧機30で加圧した後に再生用加熱器29により加
熱してから吸着器6へ再生ガスとして送給する様にすれ
ば、上記で指摘した様な問題が極めて簡単に解消され、
空気分離装置全体としての操業効率を効果的に高め得る
ことが確認された。その理由は次の通りである。
【0019】即ち従来の空気分離装置では、前述の如く
再生ガスとしての要求圧力を確保することの必要上、再
生用加熱器29の入側圧力を0.1kg/cm2G 程度以下に
下げることは好ましくなく、これが律速となるため粗窒
素ガス抜き出し管路20の圧力をこれ以下に抑えること
は望ましくない。ところが、上記の様に再生用加熱器2
9の入側ラインに再生用加圧機30を設け、該加圧機3
0で再生ガスを再生に必要な圧力にまで昇圧させ得る様
にしておけば、この部分での昇圧を予定して抜き出し管
路20内の粗窒素ガス圧力を低めに抑えることができる
のである。
【0020】例えば、上記抜き出し管路20を含めた低
圧系統の圧力を0.05kg/cm2G 程度まで下げたとして
も、上記再生用加圧器30で再生ガス(粗窒素ガス)圧
を再生に必要な0.1kg/cm2G 程度以上にまで簡単に高
めることができる。尚この昇圧に要する動力は極く僅か
であり、また再生に用いられる粗窒素ガスはこの加圧に
よって昇温し(たとえば、20℃×0.05kg/cm2G の
粗窒素ガスを0.1kg/cm2G 程度に加圧すると、その温
度は70℃程度まで昇温する)、再生用加熱器29での
加熱エネルギーを低減できるので、設備全体としてのエ
ネルギー消費量の増大は実用上殆んど問題とはならな
い。尚、本発明で使用される上記再生用加圧機30は、
それほど加圧性能の高いものである必要はなく、所謂ブ
ロワー程度の加圧性能を有するものであれば支障なく用
いることができる。
【0021】そして、本発明により低圧系統の圧力を
0.05kg/cm2G 低下させ得るということは、高圧系統
の圧力、ひいては空気圧縮機の出口圧力で0.17kg/c
m2G 程度に下げ得ることを意味しており、空気分離装置
としての動力性能を大幅に高めることが可能になるので
ある。
【0022】なお吸着器6の再生末期には、先に説明し
た様にバルブV1 を閉じ、V2 を開くことにより、再生
用加圧機30と再生用加熱器29を迂回して低温の粗窒
素ガスを直接吸着器6へ送給することによりこれを冷却
し、次回の吸着工程への切り替えに備えるが、再生用加
圧機30は、上記迂回管路の分岐位置20’と再生用加
熱器29の間に設置することが好ましい。しかして、再
生用加圧機30を上記分岐位置20’よりも主熱交換器
7側とすると、該加圧機30によって加圧され昇温した
粗窒素ガスの一部が蒸発クーラー4方向へ送られること
になり、再生効率が低下するばかりでなく蒸発クーラー
4の冷却効率も低下させるからである。
【0023】上記の様に本発明では、再生用加熱器29
の入側ラインに再生用加圧機30を設け、該加圧機30
で昇圧してから再生用加熱器29へ送給する構成とする
ことにより、精留塔上塔8cからの出側ライン(低圧系
統)の圧力を低く抑えることが可能となり、その結果高
圧系統の圧力、ひいては空気圧縮機2の出口圧力を低く
抑えることが可能となり、空気分離装置としての動力低
減を図ることが可能となる。しかも、再生に用いられる
粗窒素ガスは再生用加圧機30による加圧によって昇温
し、再生用加熱器29での加熱に要するエネルギーを低
減することができるので、設備全体としての動力エネル
ギーの増大は殆んど無視し得る程度に抑えることがで
き、低圧系統の圧力低下による動力性能向上効果を実用
規模で有効に発揮させることが可能となる。
【0024】図3は、本発明にかかる空気分離装置の他
の例を示す一部説明図であり、精留塔上塔と下塔の周辺
のみを示しており、その他の部分は前記図1の構成を付
加した図2の例と同様と考えればよい。
【0025】前記図2の例では、精留塔上塔8c底部の
液体酸素の加熱に、下塔8a頂部に粗分離される窒素ガ
スを利用し、該液体酸素の液面の上部側壁から抜き出さ
れる酸素リッチガスをライン17から製品酸素ガスとし
て取り出している。
【0026】これに対し本例では、図3に示す如く、精
留塔上塔8c底部の液体空気をライン34から液体のま
まで抜き出して蒸発器31へ導入する。該蒸発器31に
は加熱用熱交換器32が内装されており、この加熱用熱
交換器32には、主熱交換器7で冷却されてから精留塔
下塔8aへ供給される圧縮空気の一部が分岐して供給さ
れる様に構成されている。そして、精留塔上塔8cから
抜き出された液体酸素を蒸発器31で加熱することによ
って蒸発させ、ライン33から前記と同様に主熱交換器
7で寒冷を回収してから製品酸素ガスとして抜き出す一
方、加熱用熱交換器32で蒸発エネルギーを与えて冷却
された圧縮空気は、精留塔下塔8aの下部へ送給され
る。この方法を採用することによってもたらされる利益
としては、下記〜が挙げられる。
【0027】製品酸素ガスの圧力を増大できる。即
ち、図示する如く蒸発器31を精留塔上塔8cにおける
液体酸素の液面Lよりも下方に設けた場合、蒸発器31
における液体酸素の液面L1 は上記液面Lよりも下方と
なり、該蒸発器31へ供給される液体酸素の圧力は、上
塔8c内における液体酸素の液面Lと蒸発器31内にお
ける液体酸素の液面L1 との液頭差(ヘッド差)Hdに
相当する分だけ高くなる。そして該圧力上昇分だけ沸点
は上昇するが、該蒸発器31内の加熱用熱交換器32に
は、精留塔上塔8cの主凝縮器8bへ供給される粗窒素
ガスよりも高温の圧縮空気が分岐送給されているので、
該蒸発器31内の液体空気は圧力上昇にも拘らず蒸発に
充分な熱を受けて蒸発する。そして、蒸発する酸素ガス
の圧力は上記液頭差(ヘッド差)Hd分だけ高圧の状態
で抜き出されることになる。一般に製品酸素ガスは圧縮
機で加圧して製品化されるが、抜き出しラインの最終段
階で圧縮機に通して加圧されるため、この部分で酸素ガ
スの圧力が高められることは、該圧縮機の昇圧エネルギ
ーを低減できることにつながり、設備全体としての動力
低減に寄与できる。
【0028】製品酸素ガスの純度アップが図れる。即
ち前記図2に示した如く、精留塔上塔8cにおける液体
酸素の液面よりもやや上方から酸素ガスを抜き出す場
合、上塔8c内での気液平衡から、酸素ガスの純度を液
体酸素の純度以上に高めることは不可能であり、例えば
液体酸素の酸素濃度が90%である場合は、抜き出され
る酸素ガスの純度は87〜88%程度とならざるを得な
い。ところが、本例の様に上塔8c底部の液体酸素を液
体状態のままで蒸発器31に抜き出してから加熱蒸発さ
せる方法を採用し、蒸発器31における圧力を温度を適
正に制御すると、上塔8c底部の液体酸素純度を維持し
た酸素ガスを製品ガスとして抜き出すことが可能とな
る。即ち、蒸発器31内の温度圧力条件を制御し、最初
に揮発する窒素含量の高いガスを放出させることによっ
て気相の酸素濃度が入側(即ち上塔8c内から送られて
くる)液体酸素と同じ濃度となる気液平衡状態(例えば
気相の酸素濃度が90%、液相の酸素濃度が92%)を
確保し、この状態を維持しながら、液体酸素の導入と気
体酸素の抜き出しを連続的に行うと、90%濃度の酸素
ガスを製品ガスとして連続的に得ることが可能となる。
【0029】精留塔下塔8aへの圧縮空気の導入圧力
の低減、即ち原料空気圧縮器の動力低減が可能となる。
即ち上記で説明した様に、蒸発器31を併設した操業
によって製品酸素ガスの純度が高められるということ
は、精留塔上塔8cの底部に溜る液体酸素の純度を相対
的に下げ得ることを意味しており、当該液体酸素の純度
が低くなるとその沸点は低下し、より低温で蒸発可能と
なる。従って、該上塔8c内の液体酸素を蒸発させるた
めの加熱源となる窒素ガス(下塔8aの頂部から主凝縮
器8bへ送り込まれるガス)についても、より低圧(低
圧になると、窒素の凝縮する温度は低くなる)で操業す
ることができるようになる。その結果、下塔8aの圧力
を低めに設定した操業が可能となり、ひいては原料空気
圧縮機の動力低減に寄与することができる。
【0030】なお上記図3に示した構成は、本発明を実
施する際に付随的に付加することのできる好ましい構成
を示したものであり、上記の様に本発明の空気分離法お
よび空気分離装置では、再生加熱器の入側ラインに再生
用加圧機を設けて前述の如き効果が得られる様にしたと
ころに特徴を有するものであるから、空気分離装置のそ
の他の機器、例えば空気圧縮機、冷却器、吸着器、精留
塔上・下塔など、更にはそれらの配管・接続構造等は特
に制限的でなく、この種の空気分離装置に適用される機
器や配管・接続法などを適宜に選択して適用することが
でき、具体的には、吸着器6としてモレキュラシーブ型
以外の清浄化機能を備えた吸着器を用いることも勿論可
能であり、また精留塔については、従来の棚段式精留塔
はもとより、ラシヒリング、ポールリング、バールサド
ル、インタクロスサドルその他の構造充填材を充填して
圧力損失の低減を図った精留塔などにも勿論有効に活用
することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、再
生用加熱器の入側ラインで、再生に用いられる粗窒素ガ
スを加圧してから再生用加熱器29へ送給する構成とす
ることにより、吸着部の再生効率を下げることなく精留
塔上塔8cからの出側ライン(低圧系統)の圧力を低く
抑えることが可能となる。その結果、高圧系統の圧力、
ひいては空気圧縮機2の出口圧力を低く抑えることがで
き、空気分離装置としての動力低減が図れる。しかも本
発明によれば、再生に用いられる粗窒素ガスは再生用加
圧機30による加圧によって昇温し、再生用加熱器29
での加熱に要するエネルギーを低減することができるの
で、設備全体としての動力エネルギーの増大も軽微であ
り、低圧系統の圧力低下による動力性能向上効果を実用
規模で有効に発揮させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気分離法および空気分離装置の
特徴的部分を抜粋して示す要部フロー図である。
【図2】従来の空気分離法および空気分離装置を説明す
るための全体フロー図である。
【図3】本発明を実施する際に好ましく採用される方法
と装置の特徴的部分を抜粋して示す要部フロー図であ
る。
【符号の説明】
1 エアフィルタ 2 原料空気圧縮機 3 冷却器 4 蒸発クーラ− 5 膨張タービン 6 (モレキュラシーブ型)吸着器 7 主熱交換器 8 精留塔 8a 下塔 8b 主凝縮器 8c 上塔 9 窒素リッチ液 10 酸素リッチ液 29 再生用加熱器 30 再生用加圧機 31 蒸発器 32 加熱用熱交換器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予冷された圧縮空気を不純成分吸着部お
    よび主熱交換器を経て精留塔へ供給し、精留塔上塔から
    抽気される粗窒素ガスを前記主熱交換器に通して前記圧
    縮空気の冷却に利用した後、加熱器で昇温して上記不純
    成分吸着部の再生に利用する空気分離方法において、前
    記粗窒素ガスを加圧してから前記加熱器へ送給すること
    を特徴とする空気分離方法。
  2. 【請求項2】 原料空気圧縮機、不純成分吸着器、主熱
    交換器、精留塔を備え、予冷された圧縮空気を、不純成
    分吸着器、主熱交換器を経て精留塔へ供給し、精留塔上
    塔から抽気される粗窒素ガスを前記主熱交換器に通して
    前記圧縮空気の冷却に利用した後、加熱器で昇温して上
    記不純成分吸着器の再生を行なう様にした空気分離装置
    において、前記加熱器の入側ラインに、精留塔上塔から
    抽気される前記粗窒素ガスを加圧するための加圧機が設
    けられていることを特徴とする空気分離装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014240056A (ja) * 2013-06-12 2014-12-25 株式会社公害防止機器研究所 脱硝方法及び脱硝装置
CN115265092A (zh) * 2022-07-27 2022-11-01 安徽马钢气体科技有限公司 一种低温液体吸附器冷却工艺及装置

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