JP3703943B2 - 低純度酸素の製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低純度酸素の製造方法及び装置に関し、詳しくは、液化水素の冷熱を利用して低温で空気を蒸留分離し、主として低純度酸素を製品として回収する低純度酸素の製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
純度99%以下の低純度酸素は、近年様々な分野において需要が期待されている。この低純度酸素を製造するプロセスとして、高圧塔及び低圧塔からなる複式蒸留塔を備えた空気液化分離装置で空気中の酸素と窒素とを分離して酸素を回収するプロセスが知られている。このようなプロセスにおいて低純度酸素を製造する場合は、高純度酸素を製造する場合に比べてアルゴンと酸素とを分離する必要がほとんどないため、低圧塔のアルゴンと酸素とを分離する部分(回収部)の上昇ガス及び下降液の量を少なくすることができる。このため、原料空気の一部を直接低圧塔に導入することによって動力原単位の削減を図ることが可能となる。
【0003】
図4は、低純度酸素及び窒素を製造する空気液化分離装置の一例を示す系統図であって、経路201を流れる所定圧力の原料空気は、その大半が経路202から主熱交換器203,経路204を経て複式蒸留塔の高圧塔205の下部に導入される。残部の原料空気は、経路201から経路206に分岐し、熱交換器207を経て圧縮機208で昇圧した後、アフタークーラー209,熱交換器207を経て経路210から前記主熱交換器203に導入される。主熱交換器203の中間部から経路211に導出された分岐原料空気は、膨張タービン212で断熱膨張することにより冷熱を発生した後、経路213を通って低圧塔214の中段に導入される。
【0004】
高圧塔205及び低圧塔214に導入された原料空気は、複式蒸留塔における周知の精留作用により、低圧塔214の底部に設けられた主凝縮器215部分の液化酸素と、低圧塔214頂部の窒素ガスとに分離する。低純度酸素は、低圧塔214の下部から経路216に抜き出され、主熱交換器203を経て経路217から回収される。また、窒素は、低圧塔214の塔頂部から経路218に抜き出され、過冷器219,220及び主熱交換器203を経て経路221から回収される。
【0005】
上記プロセスでは、原料空気の一部を膨張タービン212で膨張させて低圧塔214に導入するようにしているが、低圧塔214の上昇ガスと下降液とを得るために原料空気のほとんどを高圧塔205に供給しなければならないので、低圧塔214の回収部における上昇ガス及び下降液の量は、高純度酸素を製造するプロセスとほとんど同じとなる。このため、高純度酸素を製造するプロセスと比較して動力原単位を削減する効果は少なかった。
【0006】
また、特開昭61−38291号公報に記載されているプロセスでは、低圧の原料空気を直接低圧塔に導入することによって上昇ガス及び下降液の量を減少させ、原料空気の圧縮動力を低減するようにしている。しかし、このプロセスでは、低圧及び高圧の2系統の圧縮設備及び前処理設備(精製設備)が必要となり、初期コストが増大する欠点があった。また、低圧の空気から二酸化炭素や水分等を除去するためには、前処理設備において多量の再生動力が必要となり、動力原単位の増大につながる。
【0007】
さらに、このようにして低純度酸素を深冷による空気液化分離装置で製造する場合には、空気をその液化点付近の温度まで冷却して蒸留分離を行うため、多量の冷熱を必要とし、高圧の流体、例えば、上述のように、原料空気の一部を圧縮機208で高圧に昇圧して膨張タービン212で膨張させ、仕事をさせることで冷熱を補っていた。
【0008】
一方、低純度酸素の用途として、水素と酸素とを混合して燃焼させることにより発電するシステムが知られている。このシステムでは、水素を低温の液化水素の状態で輸送するため、燃焼させる前には、液化水素を蒸発させて常温まで加熱する必要があり、液化水素の冷熱を放出させる必要がある。
【0009】
そこで本発明は、前記液化水素の冷熱を空気分離装置で使用することにより、低純度酸素を効率よく製造することができる低純度酸素の製造方法及び装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の低純度酸素の製造方法は、第1の構成として、液化水素の冷熱を利用して原料空気を低温蒸留することにより低純度酸素を製造する方法において、原料空気を圧縮する工程と、圧縮原料空気を予冷する工程と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する工程と、精製原料空気を2系統に分岐し、一方は膨張させ、他方は低温で圧縮する工程と、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気を低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素との熱交換により冷却する工程と、低圧及び高圧原料空気を低温蒸留することにより酸素と窒素とに分離する工程と、低温蒸留で得られた窒素ガスの少なくとも一部を液化水素によって凝縮させる工程と、低温蒸留で得られた酸素の少なくとも一部を製品として回収する工程とを含むことを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明方法の第2の構成は、液化水素の冷熱を利用して原料空気を単蒸留塔で低温蒸留することにより低純度酸素を製造する方法において、原料空気を圧縮する工程と、圧縮原料空気を予冷する工程と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する工程と、精製原料空気を2系統に分岐し、一方は膨張させ、他方は低温で圧縮する工程と、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気を低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素との熱交換により冷却する工程と、冷却された高圧原料空気を凝縮させる工程と、低圧及び高圧原料空気を前記単蒸留塔に導入して低温蒸留することにより酸素と窒素とに分離する工程と、低温蒸留で得られた窒素ガスの少なくとも一部を液化水素によって凝縮させる工程と、低温蒸留で得られた窒素ガスの少なくとも一部を圧縮し、凝縮した後、還流液として単蒸留塔に供給する工程と、低温蒸留で得られた酸素の少なくとも一部を製品として回収する工程とを含むことを特徴としている。
【0012】
また、本発明方法の第3の構成は、液化水素の冷熱を利用して原料空気を高圧塔及び低圧塔を有する蒸留設備で低温蒸留することにより低純度酸素を製造する方法において、原料空気を圧縮する工程と、圧縮原料空気を予冷する工程と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する工程と、精製原料空気を2系統に分岐し、一方は膨張させ、他方は低温で圧縮する工程と、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気を低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素との熱交換により冷却する工程と、低圧原料空気を前記低圧塔に導入するとともに高圧原料空気を前記高圧塔に導入して低温蒸留することにより酸素と窒素とに分離する工程と、低温蒸留で得られた低圧塔上部の窒素ガスの少なくとも一部を液化水素によって凝縮させる工程と、低温蒸留で得られた低圧塔下部の酸素の少なくとも一部を製品として回収する工程とを含むことを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明方法は、上記各構成において、前記低温で圧縮する原料空気を前記原料空気の膨張による仕事を利用して圧縮すること、前記低温で圧縮する原料空気は、前記精製工程を終えた原料空気の温度と、前記低温蒸留を行う温度との間の温度で低温圧縮工程に供給されること、前記膨張させる原料空気を、膨張させる前に加熱すること、前記原料空気と低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素との熱交換は、前記精製原料空気の温度と低温蒸留で得られた窒素ガスとの温端温度差を5℃以上とし、かつ、該窒素ガスを前記圧縮原料空気の予冷に利用すること、前記酸素の回収は、低温蒸留で得られた液化酸素を圧縮し、次いで原料空気の少なくとも一部、あるいは、原料空気の一部及び前記圧縮した窒素ガスのいずれか一方又は双方との熱交換によって蒸発させることにより行うことを特徴としている。
【0014】
加えて、前記第3の構成において、前記低温圧縮した高圧原料空気の一部を更に昇圧し、該昇圧原料空気を低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素との熱交換により液化した後、前記高圧塔に導入すること、特に、前記液化した昇圧原料空気は、前記高圧塔における高圧原料空気の導入位置よりも、少なくとも1理論段上の位置で高圧塔に導入することを特徴としている。
【0015】
また、本発明の低純度酸素の製造装置は、第1の構成として、液化水素の冷熱を利用して原料空気を低温蒸留することにより低純度酸素を製造する装置において、原料空気を圧縮する原料空気圧縮機と、圧縮原料空気を予冷する予冷設備と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する精製設備と、精製原料空気の一部を低温で圧縮する低温圧縮機と、残部の精製原料空気を膨張させるタービンと、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気と低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素とを熱交換させて原料空気を冷却する主熱交換器と、主熱交換器で冷却された原料空気を低温蒸留して窒素と酸素とに分離する蒸留塔と、蒸留塔の頂部から抜き出した窒素ガスの一部を凝縮させる熱交換器と、蒸留塔で生成した酸素の少なくとも一部を製品として回収する経路とを備えていることを特徴としている。
【0016】
さらに、本発明装置の第2の構成は、液化水素の冷熱を利用して原料空気を低温蒸留することにより低純度酸素を製造する装置において、原料空気を圧縮する原料空気圧縮機と、圧縮原料空気を予冷する予冷設備と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する精製設備と、精製原料空気の一部を低温で圧縮する低温圧縮機と、精製原料空気の残りを膨張させるタービンと、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気と低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素とを熱交換させて原料空気を冷却する主熱交換器と、主熱交換器で冷却された原料空気を低温蒸留して窒素と酸素とに分離する単蒸留塔と、単蒸留塔底部の液を蒸発させる熱交換器と、低温蒸留で得られた液化酸素を蒸発させる熱交換器と、単蒸留塔の頂部から抜き出した窒素ガスの一部を凝縮させる熱交換器と、単蒸留塔の頂部から抜き出した窒素ガスの一部を圧縮する圧縮機と、単蒸留塔で生成した酸素の少なくとも一部を製品として回収する経路とを備えていることを特徴としている。
【0017】
また、本発明装置の第3の構成は、液化水素の冷熱を利用して原料空気を低温蒸留することにより低純度酸素を製造する装置において、原料空気を圧縮する原料空気圧縮機と、圧縮原料空気を予冷する予冷設備と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する精製設備と、精製原料空気の一部を低温で圧縮する低温圧縮機と、残部の精製原料空気を膨張させるタービンと、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気と低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素とを熱交換させて原料空気を冷却する主熱交換器と、主熱交換器で冷却された原料空気を低温蒸留して窒素と酸素とに分離する高圧塔及び低圧塔からなる複式蒸留塔と、低圧塔頂部から抜き出した窒素ガスの一部を凝縮させる熱交換器と、低圧塔で生成した酸素の少なくとも一部を製品として回収する経路とを備えていることを特徴としている。
【0018】
さらに、本発明装置は、上記各構成において、タービンと前記低温圧縮機とが同軸上に連結されていること、前記圧縮原料空気と低温蒸留によって得られた流体とを熱交換させて圧縮原料空気を予冷する熱交換器を備えていること、前記タービンで膨張させる原料空気を、膨張前に加熱する熱交換器を備えていること、前記酸素を製品として回収する経路は、低温蒸留によって得られた液化酸素を圧縮するポンプを備えていること、前記蒸留塔が、充填蒸留塔であること、前記主熱交換器は、冷熱を供給する水素の通路と、その他の酸素含有流体の通路との間に、窒素の通路が介在していることを特徴としている。
【0019】
加えて、前記第3の構成において、前記低温圧縮機を導出した高圧原料空気の一部を昇圧する昇圧機と、該昇圧機で昇圧した昇圧原料空気を前記主熱交換器を介して高圧塔に導入する経路とを備えていること、特に、昇圧原料空気を高圧塔に導入する経路は、該高圧塔に導入される前記高圧原料空気の導入位置よりも、少なくとも1理論段上の位置に接続していることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず、図1は、本発明の第1形態例を示す系統図である。この低純度酸素製造装置は、原料空気を圧縮する原料空気圧縮機1と、圧縮後の圧縮原料空気を予冷するための予冷設備である熱交換器(空気予冷器)2と、予冷後の原料空気中に含まれている水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する精製設備3と、精製後の精製原料空気の一部を前記予冷用熱交換器2で加熱してから膨張させる膨張タービン4と、精製原料空気の残部を主熱交換器5で冷却してから圧縮する低温圧縮機6と、膨張タービン4で膨張した低圧原料空気及び低温圧縮機6で圧縮した高圧原料空気を単蒸留塔7での低温蒸留で得られた酸素や窒素等の低温流体及び冷熱を供給する液化水素と熱交換させて原料空気を冷却する前記主熱交換器5と、該主熱交換器5で冷却した原料空気を窒素と酸素とに分離する前記単蒸留塔7と、単蒸留塔7の頂部から抜き出した窒素ガスの一部を液化水素との熱交換により冷却して凝縮させる熱交換器(凝縮器)8と、単蒸留塔7の頂部から抜き出した窒素ガスの一部を過冷器9及び主熱交換器5で昇温後に圧縮する窒素圧縮機10と、単蒸留塔7の底部から抜き出した液化酸素の一部を原料空気の一部で加熱して蒸発させる熱交換器(リボイラー)11と、単蒸留塔7の底部から製品酸素ガス回収経路12に抜き出した液化酸素を圧縮する液化酸素ポンプ13と、該液化酸素を蒸発させる酸素蒸発器14と、液化水素を前記凝縮器8,過冷器9及び主熱交換器5を通して昇温する液化水素蒸発昇温経路15とを備えている。また、前記膨張タービン4と低温圧縮機6とは、軸16により連結されており、膨張タービン4での原料空気の膨張による仕事を低温圧縮機6の駆動源としている。
【0021】
次に、本形態例により、97%O2 の低純度酸素を製造する方法の一例を説明する。まず、10100Nm3 /hの原料空気は、原料空気圧縮機1で3.3kgf/cm2 abs.に圧縮され、導管21を通り、空気予冷器2で4℃に冷却された後、導管22を通って精製設備3に導入される。精製設備3で二酸化炭素や水分等の不純物を除去された精製原料空気は、導管23から導管24と導管25とに分岐する。導管24に分岐した精製原料空気6100Nm3 /hは、前記空気予冷器2で圧縮原料空気と熱交換して54℃に加熱された後、導管26を通って前記膨張タービン4に導入され、該膨張タービン4で1.6kg/cm2 abs.に減圧する。減圧後の低圧原料空気は、導管27から前記主熱交換器5に流入し、低温の戻りガスや低温水素ガスと熱交換を行って露点温度付近まで冷却され、導管28を通って前記単蒸留塔7の中段に導入される。
【0022】
一方、前記導管25に分岐した10℃の精製原料空気3900Nm3 /hは、前記主熱交換器5で−52℃に冷却され、導管28を通り、前記低温圧縮機6で5.1kg/cm2 abs.に圧縮された後、導管29を通って再び前記主熱交換器5に流入し、前記戻りガス等によって露点温度付近まで冷却される。主熱交換器5で冷却されて導管30に流出した高圧原料空気は、導管31と導管32とに分岐し、導管31を通る3100Nm3 /hの高圧原料空気は、前記リボイラー11で冷却されて凝縮し、導管32を通る800Nm3 /hの高圧原料空気は、前記酸素蒸発器14で冷却されて凝縮する。凝縮後の両原料空気は、導管33及び導管34から導管35に合流し、前記過冷器9で更に冷却され、導管36を通って膨張弁17で減圧された後、導管37から単蒸留塔7の中上部に導入される。
【0023】
単蒸留塔7での蒸留操作によって塔上部に分離した窒素ガスは、塔頂部から導管38に抜き出され、一部の窒素ガスが導管39に分岐し、前記凝縮器8で液化水素蒸発昇温経路15を流れる液化水素との熱交換により冷却されて凝縮し、導管40を通って塔頂部に還流として戻される。なお、窒素ガスを液化水素と熱交換させる場合、凝縮器8において温流体である窒素ガスの冷端付近で窒素が固化し、窒素流路が閉塞するおそれがあるが、この閉塞を防ぐためには、設計段階において固化による堆積量を考慮し、窒素流路の通路断面積を大きくするなどの対策を講じればよい。
【0024】
残りの窒素ガスは、前記導管38から導管41に流れ、過冷器9で加熱された後、導管42を通って前記主熱交換器5に導入され、その一部1900Nm3 /hが導管43に分岐して前記窒素圧縮機10で5.9kg/cm2 abs.に低温状態で圧縮される。この圧縮窒素ガスは、導管44を通って主熱交換器5の中間部に導入され、冷却された後、導管45を通って酸素蒸発器14に導入され、冷却されて凝縮し、液化窒素となる。この液化窒素は、導管46から過冷器9に導入されて冷却された後、導管47を通って膨張弁18で減圧された後、導管48から単蒸留塔7の頂部に導入される。
【0025】
前記導管42から主熱交換器5に導入され、前記原料空気と熱交換して0℃に加熱された窒素ガス8005Nm3 /hは、導管49を流れて空気予冷器2に導入され、前記圧縮原料空気の冷却源として用いられる。空気予冷器2から導管50に導出した窒素ガスの一部は、導管51を通って再生加熱器19で更に加熱された後、導管52を通って前記精製設備3の再生ガスとして用いられる。
【0026】
このように、主熱交換器5において精製設備から導出した精製原料空気と単蒸留塔7から抜き出した低温窒素ガスとの温端温度の差を5℃以上にすることにより、窒素ガスに原料空気予冷能力を持たせることができ、冷凍機等の動力を使用することなく圧縮原料空気の予冷を行うことができる。したがって、装置構成の簡略化が図れるとともに、製品低純度酸素ガスの原単位を大幅に低減することができる。
【0027】
一方、前記単蒸留塔7の底部に分離した液化酸素は、塔底部の導管53に抜き出され、その一部が導管54に分岐して前記リボイラー11に導入され、前記高圧原料空気の一部によって加熱されて蒸発し、導管55から単蒸留塔7の底部に導入されて上昇ガスとなる。残りの液化酸素1995Nm3 /hは、前記製品酸素ガス回収経路12を流れ、液化酸素ポンプ13で圧縮された後、導管12aを通って前記酸素蒸発器14に導入され、前記高圧原料空気の一部によって加熱されて蒸発する。蒸発した酸素ガスは、導管12bを通って前記主熱交換器5に流入し、原料空気と熱交換して0℃まで加熱され、導管12cから製品低純度酸素ガスとして回収される。
【0028】
また、前記液化水素蒸発昇温経路15に導入された3990Nm3 /hの液体水素は、前記凝縮器8で前記窒素ガスにより−195℃に加熱されて蒸発し、さらに、導管15a,過冷器9,導管15b,主熱交換器5を流れて−120℃に昇温し、導管15cから抜き出される。
【0029】
本形態例では、単蒸留塔7から抜き出した液化酸素を液化酸素ポンプ13で圧縮し、高圧で製品として回収するようにしているが、液化酸素ポンプ13を省略して低圧で回収することもできる。この場合の本形態例における酸素の製品量に対する必要動力の比(酸素原単位)は、0.32kWh/Nm3 であった。
【0030】
また、本形態例は、酸素流量に対する水素流量の比が1:2の場合の例である。水素の流量をさらに増加させ、単蒸留塔7の還流窒素を水素の寒冷のみで供給することができる場合には、導管48を通って単蒸留塔7に還流を供給する循環窒素は不要となる。
【0031】
上記形態例に示すように、深冷空気分離により酸素を製造するプロセスにおいて、液化水素を装置に導入し、その冷熱を利用して単蒸留塔7の還流液の少なくとも一部を得ることにより、従来のような高圧流体をタービンで膨張させることによる冷熱の供給を不要とすることができる。また、供給原料空気を一系統で圧縮し、前処理(精製)を行い、その後、低圧と高圧との二系統の供給空気に分岐させて蒸留分離を行うことにより、装置の簡略化も図れる。これらの改善を行うことで、従来プロセスと比較して製品回収率に対する動力の比を低減することができる。
【0032】
図2は、本発明の第2形態例を示すもので、高圧塔101及び低圧塔102からなる複式蒸留塔103を備えた蒸留設備で原料空気の低温蒸留を行うことにより低純度酸素を製造するようにした例を示している。以下、本形態例において、95%O2 の低純度酸素を製造する場合に付いて説明する。
【0033】
まず、102210Nm3 /hの原料空気は、原料空気圧縮機104で3.2kgf/cm2 abs.に圧縮され、導管105を通り、空気予冷器106で4℃に冷却された後、導管107を通って精製設備108に導入される。精製設備108で二酸化炭素や水分等の不純物を除去された精製原料空気は、導管109から導管110と導管111とに分岐する。導管110に分岐した精製原料空気48000Nm3 /hは、前記空気予冷器106で圧縮原料空気と熱交換して62℃に加熱された後、導管112を通って膨張タービン113に導入され、該膨張タービン113で1.5kg/cm2 abs.に減圧する。減圧後の低圧原料空気は、導管114から主熱交換器115に流入し、低温の戻りガスや低温水素ガスと熱交換を行って露点温度付近まで冷却され、導管116を通って前記低圧塔102の中段に導入される。
【0034】
一方、前記導管111に分岐した15℃の精製原料空気54210Nm3 /hは、前記主熱交換器115で−140℃に冷却され、導管117から低温圧縮機118に導入されて5.8kg/cm2 abs.に圧縮された後、導管119を通って再び前記主熱交換器115に流入し、前記戻りガス等によって露点温度付近まで冷却され、導管120を通って前記高圧塔101の下部に導入される。この原料空気は、高圧塔101内を上昇し、主凝縮器121で凝縮した液と気液接触を行うことにより、塔頂部の窒素と塔底部の酸素富化液化空気とに分離する。
【0035】
主凝縮器121で凝縮して導管122に抜き出された液化窒素は、過冷器123で冷却された後、導管124を通り、弁125で低圧塔102の運転圧力に減圧された後、導管126を通って低圧塔102の頂部に導入される。
【0036】
高圧塔101の塔底部から導管127に抜き出された酸素富化液化空気は、過冷器123で冷却され、導管128を通って弁129で低圧塔102の運転圧力に減圧された後、低圧塔102の中上段に導入される。
【0037】
低圧塔102では、さらに蒸留が行われて塔頂部の窒素と塔底部の液化酸素とに分離する。塔下部から導管130に抜き出された22355Nm3 /hの酸素ガスは、前記主熱交換器115で原料空気と熱交換して10℃に加熱され、導管131から製品酸素として回収される。
【0038】
塔頂部から導管132に抜き出された窒素ガスの一部は、導管133に分岐して凝縮器134に導入され、導管135から導入される液化水素との熱交換によって凝縮し、導管136を通って前記導管126の液化窒素に合流して低圧塔102に戻される。また、導管132から導管137に進んだ79855Nm3 /hの窒素ガスは、前記過冷器123で寒冷を回収され、導管138を通って主熱交換器115で原料空気と熱交換して0℃に昇温し、導管139に導出する。
【0039】
さらに、この導管139の窒素ガスは、導管140に至り、空気予冷器106で圧縮原料空気と熱交換を行い、圧縮原料空気を冷却するとともに、90℃に加熱される。空気予冷器106から導管141に導出した加熱窒素ガスの一部は、導管142を通って再生加熱器143に導入され、精製設備108の再生ガスとして用いられる。また、導管141の窒素ガスの残部は、導管144に導出される。
【0040】
前記導管135から導入される42500Nm3 /hの液化水素は、凝縮器134で−195℃に加熱され、導管145,過冷器123を通って主熱交換器115に導入され、原料空気と熱交換して−180℃に昇温し、導管146から抜き出される。
【0041】
本形態例における酸素原単位は、0.25kWh/Nm3 となり、図4に示した従来のプロセスと比較して、0.13kWh/Nm3 の削減が図れる。
【0042】
図3は、本発明の第3形態例を示すもので、低純度酸素を高圧で製造するプロセスの一例を示している。なお、前記第2形態例における構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0043】
原料空気圧縮機104で3.3kgf/cm2 abs.に圧縮された106100Nm3 /hの原料空気は、前記第2形態例と同様に、空気予冷器106,精製設備108を経た後、導管110と導管111とに分岐する。導管110に分岐した41150Nm3 /hの精製原料空気は、空気予冷器106で65℃に加熱され、膨張タービン113で1.5kg/cm2 abs.に減圧した後、主熱交換器115で露点温度付近まで冷却されてから低圧塔102の中段に導入される。
【0044】
導管111に分岐した64950Nm3 /h,15℃の精製原料空気は、主熱交換器115で−165℃に冷却され、低温圧縮機118で5.8kg/cm2 abs.に圧縮された後、導管151と導管152とに分岐する。導管151の高圧原料空気は、再び主熱交換器115を経て露点温度付近まで冷却され、導管120を通って高圧塔101の下部に導入される。導管152の高圧原料空気は、昇圧機153で13.0kg/cm2 abs.に昇圧され、導管154によって主熱交換器115に導入され、露点温度付近まで冷却されて液化した後、導管155を通って弁156で高圧塔101の運転圧力に減圧してから高圧塔101の下部に導入される。
【0045】
このとき、液化した昇圧原料空気を高圧塔101に導入する導管155は、高圧原料空気を高圧塔101に導入する導管120の接続位置よりも、少なくとも1理論段上の位置に接続している。このように液化した昇圧原料空気を高圧原料空気より上段に導入することにより、この間の還流比(L/V)を1に近付けることができ、分離効果を向上させることができる。
【0046】
高圧塔101及び低圧塔102では、前記同様の蒸留操作が行われ、低圧塔102の底部に液化酸素が、低圧塔102の頂部に窒素ガスがそれぞれ分離する。低圧塔102の底部から導管157に抜き出された23355Nm3 /hの液化酸素は、液化酸素ポンプ158で35kgf/cm2 abs.に圧縮された後、導管159により主熱交換器115に導入され、10℃で導管160から抜き出される。
【0047】
また、低圧塔102の頂部から導管132に抜き出された窒素ガスは、その一部が凝縮器134で液化水素との熱交換により凝縮して低圧塔102に戻され、導管137に進んだ83255Nm3 /hの窒素ガスは、過冷器123,主熱交換器115を経て導管139に導出し、導管140を通って一部が再生ガスとして用いられ、残部が導管144から導出される。
【0048】
導管135から導入される44300Nm3 /hの液化水素は、凝縮器134で−195℃に加熱され、さらに、主熱交換器115で加熱されて−130℃に昇温し、導管146から抜き出される。
【0049】
本形態例における酸素原単位は、0.28kWh/Nm3 となり、図4に示した従来のプロセスにおいて、導管217に導出した酸素ガスを圧縮機で35kgf/cm2 abs.に圧縮する場合と比較して、0.26kWh/Nm3 の削減が図れる。
【0050】
また、本形態例では、製品酸素を高圧で送り出すため、低圧塔102から酸素を液状で抜き出して液化酸素ポンプ158で圧縮した後に主熱交換器115で気化させるようにしているので、液化酸素の気化潜熱を補償するため、原料空気の一部を昇圧して主熱交換器115で液化させることにより、主熱交換器115の冷端側で温流体と冷流体との温度差が近接しないように、すなわち、適切な温度差を維持できるようにしている。
【0051】
上記各形態例に示すように、深冷空気分離により低純度酸素を製造するプロセスにおいて、液化水素を装置に導入し、その冷熱を利用して蒸留塔の還流液の少なくとも一部を得ることにより、従来のような高圧流体をタービンで膨張させることによる冷熱の供給を不要とすることができる。また、供給原料空気を一系統で圧縮し、前処理(精製)を行い、その後、低圧及び高圧の二系統の供給空気に分岐して蒸留分離を行うことにより、装置の簡略化も図れる。これらの改善を行うことで、従来プロセスと比較して製品回収率に対する動力の比を低減することができる。
【0052】
さらに、各形態例に示すように、主熱交換器には、酸素との反応性が強い水素と酸素含有流体とが熱交換を行うので、主熱交換器の通路構成を、水素が流れる通路と、その他の酸素含有流体、即ち製品酸素や原料空気が流れる通路との間に、前記蒸留塔(単蒸留塔7,低圧塔102)から抜き出した窒素ガスの通路を設けた構成とすることにより、各通路間の仕切板に万一漏洩が発生したとしても、水素と酸素、あるいは、水素と空気とが直接接触することがなくなるので、爆発の危険性を回避することができ、安全性を高めることができる。
【0053】
また、前記各形態例における酸素原単位は、各蒸留塔を多孔板トレイを使用した棚段式で形成した場合の数値であり、各蒸留塔を、あるいは高圧塔及び低圧塔のいずれか一方を充填式の蒸留塔とした場合には、棚段式に比べて圧力損失が少ないので、この圧力損失減少に伴って動力削減効果も更に大きくなる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の低純度酸素の製造方法及び装置によれば、液化水素の冷熱を空気分離の寒冷源として使用するので、効率的な空気分離プロセスが可能となる。この場合、冷熱を補給するためのタービンは不要となり、高圧の流体を全て蒸留に使用できる。
【0055】
また、低純度酸素を製造するプロセスにおいては、蒸留塔下部の酸素を濃縮する部分の下降液及び上昇ガスの量を、高純度酸素ガスを製造するプロセスに比較して少なくすることができるため、原料空気の一部を蒸留塔(単蒸留塔あるいは低圧塔)の中部に低圧で導入することができ、蒸留塔底部におけるリボイル量を減少させることができる。
【0056】
さらに、蒸留塔に導入する高圧の原料空気と低圧の原料空気とを得るため、圧縮、精製後の原料空気の一部をタービンで膨張させ、残りの空気をこのタービンで得られた仕事を利用して圧縮することにより、原料空気圧縮機及び原料空気の精製を行う前処理設備は一系統で、高圧及び低圧の両原料空気を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1形態例を示す系統図である。
【図2】 本発明の第2形態例を示す系統図である。
【図3】 本発明の第3形態例を示す系統図である。
【図4】 従来の低純度酸素製造プラントの一例を示す系統図である。
【符号の説明】
1…原料空気圧縮機、2…空気予冷器、3…精製設備、4…膨張タービン、5…主熱交換器、6…低温圧縮機、7…単蒸留塔、8…凝縮器、9…過冷器、10…窒素圧縮機、11…リボイラー、12…製品酸素ガス回収経路、13…液化酸素ポンプ、14…酸素蒸発器、15…液化水素蒸発昇温経路、16…軸、17,18…膨張弁、19…再生加熱器、101…高圧塔、102…低圧塔、103…複式蒸留塔、106…空気予冷器、108…精製設備、113…膨張タービン、115…主熱交換器、118…低温圧縮機、121…主凝縮器、123…過冷器、134…凝縮器、143…再生加熱器、153…昇圧機、158…液化酸素ポンプ

Claims (22)

  1. 液化水素の冷熱を利用して原料空気を低温蒸留することにより低純度酸素を製造する方法において、原料空気を圧縮する工程と、圧縮原料空気を予冷する工程と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する工程と、精製原料空気を2系統に分岐し、一方は膨張させ、他方は低温で圧縮する工程と、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気を低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素との熱交換により冷却する工程と、低圧及び高圧原料空気を低温蒸留することにより酸素と窒素とに分離する工程と、低温蒸留で得られた窒素ガスの少なくとも一部を液化水素によって凝縮させる工程と、低温蒸留で得られた酸素の少なくとも一部を製品として回収する工程とを含むことを特徴とする低純度酸素の製造方法。
  2. 液化水素の冷熱を利用して原料空気を単蒸留塔で低温蒸留することにより低純度酸素を製造する方法において、原料空気を圧縮する工程と、圧縮原料空気を予冷する工程と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する工程と、精製原料空気を2系統に分岐し、一方は膨張させ、他方は低温で圧縮する工程と、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気を低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素との熱交換により冷却する工程と、冷却された高圧原料空気を凝縮させる工程と、低圧及び高圧原料空気を前記単蒸留塔に導入して低温蒸留することにより酸素と窒素とに分離する工程と、低温蒸留で得られた窒素ガスの少なくとも一部を液化水素によって凝縮させる工程と、低温蒸留で得られた窒素ガスの少なくとも一部を圧縮し、凝縮した後、還流液として単蒸留塔に供給する工程と、低温蒸留で得られた酸素の少なくとも一部を製品として回収する工程とを含むことを特徴とする低純度酸素の製造方法。
  3. 液化水素の冷熱を利用して原料空気を高圧塔及び低圧塔を有する蒸留設備で低温蒸留することにより低純度酸素を製造する方法において、原料空気を圧縮する工程と、圧縮原料空気を予冷する工程と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する工程と、精製原料空気を2系統に分岐し、一方は膨張させ、他方は低温で圧縮する工程と、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気を低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素との熱交換により冷却する工程と、低圧原料空気を前記低圧塔に導入するとともに高圧原料空気を前記高圧塔に導入して低温蒸留することにより酸素と窒素とに分離する工程と、低温蒸留で得られた低圧塔上部の窒素ガスの少なくとも一部を液化水素によって凝縮させる工程と、低温蒸留で得られた低圧塔下部の酸素の少なくとも一部を製品として回収する工程とを含むことを特徴とする低純度酸素の製造方法。
  4. 前記低温で圧縮する原料空気は、前記原料空気の膨張による仕事を利用して圧縮することを特徴とする請求項1,2又は3記載の低純度酸素の製造方法。
  5. 前記低温で圧縮する原料空気は、前記精製工程を終えた原料空気の温度と、前記低温蒸留を行う温度との間の温度で低温圧縮工程に供給されることを特徴とする請求項1,2又は3記載の低純度酸素の製造方法。
  6. 前記膨張させる原料空気を、膨張させる前に加熱することを特徴とする請求項1,2又は3記載の低純度酸素の製造方法。
  7. 前記原料空気と低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素との熱交換は、前記精製原料空気の温度と低温蒸留で得られた窒素ガスとの温端温度差を5℃以上とし、かつ、該窒素ガスを前記圧縮原料空気の予冷に利用することを特徴とする請求項1,2又は3記載の低純度酸素の製造方法。
  8. 前記酸素の回収は、低温蒸留で得られた液化酸素を圧縮し、次いで原料空気の少なくとも一部との熱交換によって蒸発させることにより行うことを特徴とする請求項1又は3記載の低純度酸素の製造方法。
  9. 前記酸素の回収は、低温蒸留で得られた液化酸素を圧縮し、次いで原料空気の一部及び前記圧縮した窒素ガスのいずれか一方又は双方との熱交換によって蒸発させることにより行うことを特徴とする請求項2記載の低純度酸素の製造方法。
  10. 前記低温圧縮した高圧原料空気の一部を更に昇圧し、該昇圧原料空気を低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素との熱交換により液化した後、前記高圧塔に導入することを特徴とする請求項3記載の低純度酸素の製造方法。
  11. 前記液化した昇圧原料空気は、前記高圧塔における高圧原料空気の導入位置よりも、少なくとも1理論段上の位置で高圧塔に導入することを特徴とする請求項10記載の低純度酸素の製造方法。
  12. 液化水素の冷熱を利用して原料空気を低温蒸留することにより低純度酸素を製造する装置において、原料空気を圧縮する原料空気圧縮機と、圧縮原料空気を予冷する予冷設備と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する精製設備と、精製原料空気の一部を低温で圧縮する低温圧縮機と、残部の精製原料空気を膨張させるタービンと、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気と低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素とを熱交換させて原料空気を冷却する主熱交換器と、主熱交換器で冷却された原料空気を低温蒸留して窒素と酸素とに分離する蒸留塔と、蒸留塔の頂部から抜き出した窒素ガスの一部を凝縮させる熱交換器と、蒸留塔で生成した酸素の少なくとも一部を製品として回収する経路とを備えていることを特徴とする低純度酸素の製造装置。
  13. 液化水素の冷熱を利用して原料空気を低温蒸留することにより低純度酸素を製造する装置において、原料空気を圧縮する原料空気圧縮機と、圧縮原料空気を予冷する予冷設備と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する精製設備と、精製原料空気の一部を低温で圧縮する低温圧縮機と、精製原料空気の残りを膨張させるタービンと、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気と低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素とを熱交換させて原料空気を冷却する主熱交換器と、主熱交換器で冷却された原料空気を低温蒸留して窒素と酸素とに分離する単蒸留塔と、単蒸留塔底部の液を蒸発させる熱交換器と、低温蒸留で得られた液化酸素を蒸発させる熱交換器と、単蒸留塔の頂部から抜き出した窒素ガスの一部を凝縮させる熱交換器と、単蒸留塔の頂部から抜き出した窒素ガスの一部を圧縮する圧縮機と、単蒸留塔で生成した酸素の少なくとも一部を製品として回収する経路とを備えていることを特徴とする低純度酸素の製造装置。
  14. 液化水素の冷熱を利用して原料空気を低温蒸留することにより低純度酸素を製造する装置において、原料空気を圧縮する原料空気圧縮機と、圧縮原料空気を予冷する予冷設備と、予冷した原料空気から水分や二酸化炭素等の不純物を除去して精製する精製設備と、精製原料空気の一部を低温で圧縮する低温圧縮機と、残部の精製原料空気を膨張させるタービンと、膨張させた低圧原料空気及び低温圧縮した高圧原料空気と低温蒸留で得られた流体及び冷熱を供給する液化水素とを熱交換させて原料空気を冷却する主熱交換器と、主熱交換器で冷却された原料空気を低温蒸留して窒素と酸素とに分離する高圧塔及び低圧塔からなる複式蒸留塔と、低圧塔頂部から抜き出した窒素ガスの一部を凝縮させる熱交換器と、低圧塔で生成した酸素の少なくとも一部を製品として回収する経路とを備えていることを特徴とする低純度酸素の製造装置。
  15. 前記タービンと前記低温圧縮機とが同軸上に連結されていることを特徴とする請求項12,13又は14記載の低純度酸素の製造装置。
  16. 前記圧縮原料空気と低温蒸留によって得られた流体とを熱交換させて圧縮原料空気を予冷する熱交換器を備えていることを特徴とする請求項12,13又は14記載の低純度酸素の製造装置。
  17. 前記タービンで膨張させる原料空気を、膨張前に加熱する熱交換器を備えていることを特徴とする請求項12,13又は14記載の低純度酸素の製造装置。
  18. 前記酸素を製品として回収する経路は、低温蒸留によって得られた液化酸素を圧縮するポンプを備えていることを特徴とする請求項12,13又は14記載の低純度酸素の製造装置。
  19. 前記蒸留塔が、充填蒸留塔であることを特徴とする請求項12,13又は14記載の低純度酸素の製造装置。
  20. 前記主熱交換器は、冷熱を供給する水素の通路と、その他の酸素含有流体の通路との間に、窒素の通路が介在していることを特徴とする請求項12,13又は14記載の低純度酸素の製造装置。
  21. 前記低温圧縮機を導出した高圧原料空気の一部を昇圧する昇圧機と、該昇圧機で昇圧した昇圧原料空気を前記主熱交換器を介して高圧塔に導入する経路とを備えていることを特徴とする請求項14記載の低純度酸素の製造装置。
  22. 前記昇圧原料空気を高圧塔に導入する経路は、該高圧塔に導入される前記高圧原料空気の導入位置よりも、少なくとも1理論段上の位置に接続していることを特徴とする請求項21記載の低純度酸素の製造装置。
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