JPH10259914A - ディーゼルエンジン用グロープラグ - Google Patents
ディーゼルエンジン用グロープラグInfo
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- JPH10259914A JPH10259914A JP6467297A JP6467297A JPH10259914A JP H10259914 A JPH10259914 A JP H10259914A JP 6467297 A JP6467297 A JP 6467297A JP 6467297 A JP6467297 A JP 6467297A JP H10259914 A JPH10259914 A JP H10259914A
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- spiral resistor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 先端を細径部とした二段シースタイプのシー
ズヒータを、耐久性と製造の容易さとを両立させて構成
する。 【解決手段】 シーズヒータ20は、発熱体として機能
する第1の螺旋状抵抗体21と、これに直列に接続され
制御体として機能する第2の螺旋状抵抗体22および第
3の螺旋状抵抗体23を備える。この第3の螺旋状抵抗
体を第2の螺旋状抵抗体よりも固有抵抗の大きい材料に
より形成する。前記各螺旋状抵抗体を耐熱絶縁粉末中に
埋設するシース11を、先端側の細径部11aと後端側
の太径部11bとで構成する。第1の螺旋状抵抗体をシ
ース細径部の先端側部分に、第2の螺旋状抵抗体をシー
ス細径部の後端側部分に配設する。第3の螺旋状抵抗体
をシース太径部に配設する。
ズヒータを、耐久性と製造の容易さとを両立させて構成
する。 【解決手段】 シーズヒータ20は、発熱体として機能
する第1の螺旋状抵抗体21と、これに直列に接続され
制御体として機能する第2の螺旋状抵抗体22および第
3の螺旋状抵抗体23を備える。この第3の螺旋状抵抗
体を第2の螺旋状抵抗体よりも固有抵抗の大きい材料に
より形成する。前記各螺旋状抵抗体を耐熱絶縁粉末中に
埋設するシース11を、先端側の細径部11aと後端側
の太径部11bとで構成する。第1の螺旋状抵抗体をシ
ース細径部の先端側部分に、第2の螺旋状抵抗体をシー
ス細径部の後端側部分に配設する。第3の螺旋状抵抗体
をシース太径部に配設する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディ−ゼルエンジン
の始動性を向上させるために用いるディーゼルエンジン
用グロープラグに関し、特に速熱性および自己温度飽和
性を有し長時間にわたるアフターグローを達成すること
ができる自己温度制御型のディーゼルエンジン用グロー
プラグに関する。
の始動性を向上させるために用いるディーゼルエンジン
用グロープラグに関し、特に速熱性および自己温度飽和
性を有し長時間にわたるアフターグローを達成すること
ができる自己温度制御型のディーゼルエンジン用グロー
プラグに関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの始動性を向上させ
るために用いるグロープラグとして従来から種々の構造
によるものが知られている。本出願人は、たとえば二種
類の材料からなる抵抗体を組合わせて用いることによ
り、速熱型としての機能と発熱部分の過加熱を防ぎ安定
した発熱特性を得ることができる温度飽和機能を備えた
自己温度制御型グロープラグを特開昭57−18202
6号公報や特開平3−99122号公報等により既に提
案している。この種のグロープラグは、発熱体となる第
1の螺旋状抵抗体(以下、発熱コイルという)と、これ
よりも正の抵抗温度係数の大きな材料で形成した第2の
螺旋状抵抗体(以下、制御コイルという)とを直列に接
続し、金属製シース内で耐熱絶縁粉末中に埋設すること
により得られるシーズヒータを備えている。
るために用いるグロープラグとして従来から種々の構造
によるものが知られている。本出願人は、たとえば二種
類の材料からなる抵抗体を組合わせて用いることによ
り、速熱型としての機能と発熱部分の過加熱を防ぎ安定
した発熱特性を得ることができる温度飽和機能を備えた
自己温度制御型グロープラグを特開昭57−18202
6号公報や特開平3−99122号公報等により既に提
案している。この種のグロープラグは、発熱体となる第
1の螺旋状抵抗体(以下、発熱コイルという)と、これ
よりも正の抵抗温度係数の大きな材料で形成した第2の
螺旋状抵抗体(以下、制御コイルという)とを直列に接
続し、金属製シース内で耐熱絶縁粉末中に埋設すること
により得られるシーズヒータを備えている。
【0003】このようなシーズヒータによれば、発熱コ
イルに対して通電直後に大電力を供給することによって
迅速に発熱させる速熱型としての機能が得られるととも
に、所定の時間経過後に制御コイルでの温度上昇による
抵抗値の増大によって発熱コイルへの供給電力を一定ま
たは減少させ、この発熱コイルでの過加熱による溶断を
防止する、いわゆる自己温度制御機能を働かせることが
できる。さらに、このような構造では、グロープラグへ
の通電回路上に供給電力を制御する温度制御手段等を設
けることが不要となるために、予熱装置全体のコストを
低く押えることが可能となる。
イルに対して通電直後に大電力を供給することによって
迅速に発熱させる速熱型としての機能が得られるととも
に、所定の時間経過後に制御コイルでの温度上昇による
抵抗値の増大によって発熱コイルへの供給電力を一定ま
たは減少させ、この発熱コイルでの過加熱による溶断を
防止する、いわゆる自己温度制御機能を働かせることが
できる。さらに、このような構造では、グロープラグへ
の通電回路上に供給電力を制御する温度制御手段等を設
けることが不要となるために、予熱装置全体のコストを
低く押えることが可能となる。
【0004】近年この種のグロープラグによれば、シー
ズヒータの先端での赤熱性を向上させ速熱型として機能
させるとともに、エンジン始動後のアフターグロー時に
発熱温度を最高温度よりも低い温度で一定時間発熱させ
る、いわゆるオーバシュート特性を得られるように構成
することが望まれている。このため、本出願人は、特公
昭63−60289号公報により、上述した二種類の抵
抗体に対し、さらに正の抵抗温度係数の大きな他の一種
類の材料からなる螺旋状抵抗体(以下、第2の制御コイ
ルという)を組合わせた、いわゆる3コイルタイプのシ
ーズヒータを備えたグロープラグを先に提案している。
ズヒータの先端での赤熱性を向上させ速熱型として機能
させるとともに、エンジン始動後のアフターグロー時に
発熱温度を最高温度よりも低い温度で一定時間発熱させ
る、いわゆるオーバシュート特性を得られるように構成
することが望まれている。このため、本出願人は、特公
昭63−60289号公報により、上述した二種類の抵
抗体に対し、さらに正の抵抗温度係数の大きな他の一種
類の材料からなる螺旋状抵抗体(以下、第2の制御コイ
ルという)を組合わせた、いわゆる3コイルタイプのシ
ーズヒータを備えたグロープラグを先に提案している。
【0005】このような構造をもつグロープラグでは、
エンジン始動時には発熱コイルへの通電制御を第1の制
御コイルによって行うとともに、エンジン始動後はこの
第1の制御コイルよりもさらに時間的に遅延して温度上
昇する第2の制御コイルによる通電制御によって、発熱
コイル、第1の制御コイルでの発熱温度を制御し、グロ
ープラグ全体としての供給電力を適切に制御することが
できる。
エンジン始動時には発熱コイルへの通電制御を第1の制
御コイルによって行うとともに、エンジン始動後はこの
第1の制御コイルよりもさらに時間的に遅延して温度上
昇する第2の制御コイルによる通電制御によって、発熱
コイル、第1の制御コイルでの発熱温度を制御し、グロ
ープラグ全体としての供給電力を適切に制御することが
できる。
【0006】このような構成によれば、第1、第2の制
御コイルの存在によって、発熱コイルへの通電制御を時
間差をもって適切に行い、速熱性に優れた発熱特性を安
定して得ることができるとともに、長時間にわたるアフ
ターグローへの対応も可能となる。
御コイルの存在によって、発熱コイルへの通電制御を時
間差をもって適切に行い、速熱性に優れた発熱特性を安
定して得ることができるとともに、長時間にわたるアフ
ターグローへの対応も可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のグロープラグに
おける3コイルタイプのシーズヒータによれば、上述し
た利点がある反面、以下のような問題があった。すなわ
ち、上述したシーズヒータでは、上述した発熱コイルと
第1、第2の制御コイルとを直列に接続した状態で耐熱
絶縁粉末中に埋設するシースが、長手方向にわたって同
一の径寸法をもつストレート形状であるために、発熱コ
イルに対し、第1、第2の制御コイルを埋設した部分で
の熱容量が略等しく、またこれら第1、第2の制御コイ
ル間での正の抵抗温度係数や固有抵抗の大、小に関する
配慮もなしていない。このために、これらの温度上昇は
あまり時間差を生じることなく通電制御を行なうように
機能してしまう。したがって、発熱温度を低下させて抵
抗体等の耐久性を確保しつつ長時間にわたるアフターグ
ローを行うグロープラグとしての適切な発熱特性を得る
ためには不充分であった。
おける3コイルタイプのシーズヒータによれば、上述し
た利点がある反面、以下のような問題があった。すなわ
ち、上述したシーズヒータでは、上述した発熱コイルと
第1、第2の制御コイルとを直列に接続した状態で耐熱
絶縁粉末中に埋設するシースが、長手方向にわたって同
一の径寸法をもつストレート形状であるために、発熱コ
イルに対し、第1、第2の制御コイルを埋設した部分で
の熱容量が略等しく、またこれら第1、第2の制御コイ
ル間での正の抵抗温度係数や固有抵抗の大、小に関する
配慮もなしていない。このために、これらの温度上昇は
あまり時間差を生じることなく通電制御を行なうように
機能してしまう。したがって、発熱温度を低下させて抵
抗体等の耐久性を確保しつつ長時間にわたるアフターグ
ローを行うグロープラグとしての適切な発熱特性を得る
ためには不充分であった。
【0008】また、上述した従来のディーゼルエンジン
用グロープラグにおいて、先端を小径に絞ることにより
細径部と太径部とで形成したシース内に、発熱コイルと
第1、第2の制御コイルを配設することによりシーズヒ
ータを形成するにあたって、以下のような問題がある。
すなわち、この種のグロープラグは、ディーゼルエンジ
ンのシリンダヘッドに穿設したプラグ保持孔に取付け、
この保持孔の先端に形成した挿入孔を介してシーズヒー
タの先端を、燃焼室または副燃焼室に所定の突き出し量
をもって臨ませた状態で装着されるが、最近はこの挿入
孔の孔径をできるだけ小さくし、しかも長さも長くなる
傾向にある。
用グロープラグにおいて、先端を小径に絞ることにより
細径部と太径部とで形成したシース内に、発熱コイルと
第1、第2の制御コイルを配設することによりシーズヒ
ータを形成するにあたって、以下のような問題がある。
すなわち、この種のグロープラグは、ディーゼルエンジ
ンのシリンダヘッドに穿設したプラグ保持孔に取付け、
この保持孔の先端に形成した挿入孔を介してシーズヒー
タの先端を、燃焼室または副燃焼室に所定の突き出し量
をもって臨ませた状態で装着されるが、最近はこの挿入
孔の孔径をできるだけ小さくし、しかも長さも長くなる
傾向にある。
【0009】これは、近年ディーゼルエンジンには排ガ
ス規制への対応を図ることが求められており、その一環
として給、排気弁を多くする必要があることによる。す
なわち、グロープラグが装着されるシリンダヘッド上に
は多くの給、排気弁が設けられ、しかもこれらの弁口の
面積を最大限に確保するためには、グロープラグの取付
け部が狭くなる。また、シリンダヘッド等の強度を確保
する必要もある。したがって、このようなシリンダヘッ
ドでのグロープラグを装着する保持孔、特にシーズヒー
タの先端を挿入するための挿入孔をできるだけ小さく、
しかも長さを長くする必要がある。
ス規制への対応を図ることが求められており、その一環
として給、排気弁を多くする必要があることによる。す
なわち、グロープラグが装着されるシリンダヘッド上に
は多くの給、排気弁が設けられ、しかもこれらの弁口の
面積を最大限に確保するためには、グロープラグの取付
け部が狭くなる。また、シリンダヘッド等の強度を確保
する必要もある。したがって、このようなシリンダヘッ
ドでのグロープラグを装着する保持孔、特にシーズヒー
タの先端を挿入するための挿入孔をできるだけ小さく、
しかも長さを長くする必要がある。
【0010】これに対処するためには、グロープラグに
おけるシースの先端での細径部の長さを、従来に比べて
長くしなければならない。しかし、従来のシーズヒータ
の構造では、細径部に発熱体である第1の螺旋状抵抗体
を、テーパ状部や太径部に制御体である第2、第3の螺
旋状抵抗体を配置することが一般的であり、上述した細
径部を単純に延長するだけでは、シーズヒータとしての
所望の発熱特性を得ることができない。すなわち、従来
のシーズヒータにおいて、シースの細径部を延長しかつ
第1の螺旋状抵抗体をこの細径部の先端側に配置すると
ともに、この第1の螺旋状抵抗体を、テーパ状部や太径
部に配置させた第2、第3の螺旋状抵抗体に直線状の接
続部によって所定の間隙をおいて接続した場合、この間
隙の大きさによって第2、第3の螺旋状抵抗体による供
給電力の制御機能が遅れ過ぎるため、シーズヒータの発
熱温度が高くなり過ぎるおそれがある。
おけるシースの先端での細径部の長さを、従来に比べて
長くしなければならない。しかし、従来のシーズヒータ
の構造では、細径部に発熱体である第1の螺旋状抵抗体
を、テーパ状部や太径部に制御体である第2、第3の螺
旋状抵抗体を配置することが一般的であり、上述した細
径部を単純に延長するだけでは、シーズヒータとしての
所望の発熱特性を得ることができない。すなわち、従来
のシーズヒータにおいて、シースの細径部を延長しかつ
第1の螺旋状抵抗体をこの細径部の先端側に配置すると
ともに、この第1の螺旋状抵抗体を、テーパ状部や太径
部に配置させた第2、第3の螺旋状抵抗体に直線状の接
続部によって所定の間隙をおいて接続した場合、この間
隙の大きさによって第2、第3の螺旋状抵抗体による供
給電力の制御機能が遅れ過ぎるため、シーズヒータの発
熱温度が高くなり過ぎるおそれがある。
【0011】また、たとえば特開昭57−87535号
公報で提案されているシーズヒータのように、シースの
細径部内に第1の螺旋状抵抗体を配置し、太径部に第2
の螺旋状抵抗体を配置するとともに、シースの細径部と
太径部との間を接続するテーパ状部付近で両抵抗体を接
続すると、第1の螺旋状抵抗体で長尺な細径部を発熱さ
せることになるから、効率のよいシース先端での赤熱化
を図れないばかりでなく、第1、第2の螺旋状抵抗体の
接続部が細径部を形成する際に寸法がばらつき易いテー
パ状部に位置することから、このシーズヒータでの発熱
特性もばらつき性能が不安定となる。
公報で提案されているシーズヒータのように、シースの
細径部内に第1の螺旋状抵抗体を配置し、太径部に第2
の螺旋状抵抗体を配置するとともに、シースの細径部と
太径部との間を接続するテーパ状部付近で両抵抗体を接
続すると、第1の螺旋状抵抗体で長尺な細径部を発熱さ
せることになるから、効率のよいシース先端での赤熱化
を図れないばかりでなく、第1、第2の螺旋状抵抗体の
接続部が細径部を形成する際に寸法がばらつき易いテー
パ状部に位置することから、このシーズヒータでの発熱
特性もばらつき性能が不安定となる。
【0012】たとえばシース先端の細径部の長さを長く
した場合に、単純にはこの細径部内に第1の螺旋状抵抗
体をピッチをあけて均等に配置することが考えられる
が、このようにすると、第1の螺旋状抵抗体での発熱温
度が細径部全域にわたって分散するため、細径部での発
熱温度が低くなってしまう。また、この種のグロープラ
グにおいて、シーズヒータでの発熱温度を最高温度とす
るところは、シース先端からシース径程度の長さ位置ま
でであるが、上述した構成を採用すると、長尺となった
細径部の中央位置が最高温度となり、グロープラグの発
熱特性にとって重要なシース先端での温度分布が悪くな
り、先端の赤熱化を図ることができないといった機能面
での問題がある。このような抵抗体の配置による問題
は、第2の螺旋状抵抗体に第3の螺旋状抵抗体を制御体
として加えて用いた場合に、より一層著しいものであ
る。
した場合に、単純にはこの細径部内に第1の螺旋状抵抗
体をピッチをあけて均等に配置することが考えられる
が、このようにすると、第1の螺旋状抵抗体での発熱温
度が細径部全域にわたって分散するため、細径部での発
熱温度が低くなってしまう。また、この種のグロープラ
グにおいて、シーズヒータでの発熱温度を最高温度とす
るところは、シース先端からシース径程度の長さ位置ま
でであるが、上述した構成を採用すると、長尺となった
細径部の中央位置が最高温度となり、グロープラグの発
熱特性にとって重要なシース先端での温度分布が悪くな
り、先端の赤熱化を図ることができないといった機能面
での問題がある。このような抵抗体の配置による問題
は、第2の螺旋状抵抗体に第3の螺旋状抵抗体を制御体
として加えて用いた場合に、より一層著しいものであ
る。
【0013】また、この種のグロープラグへの供給電圧
としては12Vのものが一般的であるが、24Vのもの
もあり、このような24Vに対応する場合に増加する供
給電圧に伴って長時間にわたるアフターグロー時の耐酸
化性について、対応不足を生じている。すなわち、前述
した3コイルタイプのシーズヒータにおいて、発熱コイ
ルにはFe−Cr系合金あるいはNi−Cr系合金等を
用いる一方、第1、第2の制御コイルにはNiあるいは
低炭素鋼等を用いている。
としては12Vのものが一般的であるが、24Vのもの
もあり、このような24Vに対応する場合に増加する供
給電圧に伴って長時間にわたるアフターグロー時の耐酸
化性について、対応不足を生じている。すなわち、前述
した3コイルタイプのシーズヒータにおいて、発熱コイ
ルにはFe−Cr系合金あるいはNi−Cr系合金等を
用いる一方、第1、第2の制御コイルにはNiあるいは
低炭素鋼等を用いている。
【0014】しかしながら、上述した構造によるディー
ゼルエンジン用グロープラグを24Vの電圧電源に接続
して使用する場合において、前記第2の制御コイルにた
とえば低炭素鋼等のような固有抵抗の大きい材料を用い
ると、耐酸化性のうえで問題をもち、エンジン始動後に
おける長時間にわたるアフターグローに対応することが
できない。
ゼルエンジン用グロープラグを24Vの電圧電源に接続
して使用する場合において、前記第2の制御コイルにた
とえば低炭素鋼等のような固有抵抗の大きい材料を用い
ると、耐酸化性のうえで問題をもち、エンジン始動後に
おける長時間にわたるアフターグローに対応することが
できない。
【0015】また、この第2の制御コイルに耐酸化性の
ある材料、たとえばニッケル(Ni)系やコバルト(C
o)系を用いると低炭素鋼等に比べて固有抵抗が小さく
なるため、コイル長が非常に長くなり、シーズヒータ構
造の中に収めることができない。さらに、この第2の制
御コイルにおけるコイル長さを短くするために線径を細
くすると、コイリング加工やハンドリング等のような製
造上での問題が発生し、製造が困難となり、グロープラ
グを構成することが実質上不可能に近い状態となる。
ある材料、たとえばニッケル(Ni)系やコバルト(C
o)系を用いると低炭素鋼等に比べて固有抵抗が小さく
なるため、コイル長が非常に長くなり、シーズヒータ構
造の中に収めることができない。さらに、この第2の制
御コイルにおけるコイル長さを短くするために線径を細
くすると、コイリング加工やハンドリング等のような製
造上での問題が発生し、製造が困難となり、グロープラ
グを構成することが実質上不可能に近い状態となる。
【0016】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、固有抵抗の大きい制御体をシースの太径部に配
置することにより必要な抵抗量を、線径を必要以上に細
くすることなく得ることができるようにし、耐久性を確
保するとともに製造の容易さを両立させ、従来製造が不
可能に近かった3コイルタイプのディーゼルエンジン用
グロープラグを得ることを目的とする。
もので、固有抵抗の大きい制御体をシースの太径部に配
置することにより必要な抵抗量を、線径を必要以上に細
くすることなく得ることができるようにし、耐久性を確
保するとともに製造の容易さを両立させ、従来製造が不
可能に近かった3コイルタイプのディーゼルエンジン用
グロープラグを得ることを目的とする。
【0017】また、本発明は、シーズヒータによる速熱
型、自己温度制御型としての機能を確保しつつ、シーズ
ヒータ先端の細径部を従来に比べて長くし、これにより
排ガス規制への対応を図ったディーゼルエンジンの多弁
化に対処できるディーゼルエンジン用グロープラグを得
ることを目的としている。
型、自己温度制御型としての機能を確保しつつ、シーズ
ヒータ先端の細径部を従来に比べて長くし、これにより
排ガス規制への対応を図ったディーゼルエンジンの多弁
化に対処できるディーゼルエンジン用グロープラグを得
ることを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明に係るディーゼルエンジン用グロープラグ
は、発熱体として機能する第1の螺旋状抵抗体と、その
一端に直列に接続され制御体として機能する第2、第3
の螺旋状抵抗体と、先端側の細径部と後端側の太径部と
によって構成するとともに前記第1、第2および第3の
螺旋状抵抗体を耐熱絶縁粉末中に埋設した状態で被覆す
るシースとを備え、前記第3の螺旋状抵抗体を前記第2
の螺旋状抵抗体よりも固有抵抗の大きい材料により形成
するとともに、前記第1の螺旋状抵抗体を前記シースの
細径部の先端側部分に、第2の螺旋状抵抗体を前記シー
スの細径部の後端側部分に配設し、前記第3の螺旋状抵
抗体を前記シースの太径部に配設したものである。
ために本発明に係るディーゼルエンジン用グロープラグ
は、発熱体として機能する第1の螺旋状抵抗体と、その
一端に直列に接続され制御体として機能する第2、第3
の螺旋状抵抗体と、先端側の細径部と後端側の太径部と
によって構成するとともに前記第1、第2および第3の
螺旋状抵抗体を耐熱絶縁粉末中に埋設した状態で被覆す
るシースとを備え、前記第3の螺旋状抵抗体を前記第2
の螺旋状抵抗体よりも固有抵抗の大きい材料により形成
するとともに、前記第1の螺旋状抵抗体を前記シースの
細径部の先端側部分に、第2の螺旋状抵抗体を前記シー
スの細径部の後端側部分に配設し、前記第3の螺旋状抵
抗体を前記シースの太径部に配設したものである。
【0019】本発明によれば、発熱体となる第1の螺旋
状抵抗体への通電制御を、まずこの第1の螺旋状抵抗体
に近接している第2の螺旋状抵抗体により行ない、迅速
な発熱と適切な飽和温度での温度制御を行なうととも
に、その後第1の螺旋状抵抗体から離れている第3の螺
旋状抵抗体が徐々に温度上昇して制御機能を働かせ、こ
れにより通電電力が低減されて発熱温度を低下させ、長
時間にわたるアフターグローを可能とするものである。
状抵抗体への通電制御を、まずこの第1の螺旋状抵抗体
に近接している第2の螺旋状抵抗体により行ない、迅速
な発熱と適切な飽和温度での温度制御を行なうととも
に、その後第1の螺旋状抵抗体から離れている第3の螺
旋状抵抗体が徐々に温度上昇して制御機能を働かせ、こ
れにより通電電力が低減されて発熱温度を低下させ、長
時間にわたるアフターグローを可能とするものである。
【0020】また、本発明によれば、第2の螺旋状抵抗
体よりも固有抵抗の大きい第3の螺旋状抵抗体を、熱影
響が小さいシース太径部に配設することにより、第2の
制御体としての必要な抵抗量を線径を必要以上に細くす
ることなく得ることができる。さらに、本発明によれ
ば、熱影響が大きい細径部に、第3の螺旋状抵抗体より
も耐酸化性に優れた第2の螺旋状抵抗体を配設すること
により、長時間にわたるアフタグローを可能とする。
体よりも固有抵抗の大きい第3の螺旋状抵抗体を、熱影
響が小さいシース太径部に配設することにより、第2の
制御体としての必要な抵抗量を線径を必要以上に細くす
ることなく得ることができる。さらに、本発明によれ
ば、熱影響が大きい細径部に、第3の螺旋状抵抗体より
も耐酸化性に優れた第2の螺旋状抵抗体を配設すること
により、長時間にわたるアフタグローを可能とする。
【0021】シース細径部におけるシース径D1を、シ
ース後端側の太径部におけるシース径D2との比率(D
2/D1)を1.3〜2の範囲にあるように小さく設定
している。シース細径部における長さL1を、シースの
突出長さLの1/2以上に設定する。
ース後端側の太径部におけるシース径D2との比率(D
2/D1)を1.3〜2の範囲にあるように小さく設定
している。シース細径部における長さL1を、シースの
突出長さLの1/2以上に設定する。
【0022】発熱体となる第1の螺旋状抵抗体を、Fe
−Cr系合金またはNi−Cr系合金等によって形成す
る。第1の制御体となる第2の螺旋状抵抗体を、Co系
合金またはNi系合金等によって形成する。第2の制御
体となる第3の螺旋状抵抗体を、前記第2の螺旋状抵抗
体よりも固有抵抗ρの大きい低炭素鋼(Fe)等によっ
て形成する。ここで、第1の螺旋状抵抗体を、第2、第
3の螺旋状抵抗体よりも正の抵抗温度係数の小さい材料
で形成することにより、第1の螺旋状抵抗体を発熱体と
して機能させるとともに、第2、第3の螺旋状抵抗体を
制御体として機能させるように構成している。
−Cr系合金またはNi−Cr系合金等によって形成す
る。第1の制御体となる第2の螺旋状抵抗体を、Co系
合金またはNi系合金等によって形成する。第2の制御
体となる第3の螺旋状抵抗体を、前記第2の螺旋状抵抗
体よりも固有抵抗ρの大きい低炭素鋼(Fe)等によっ
て形成する。ここで、第1の螺旋状抵抗体を、第2、第
3の螺旋状抵抗体よりも正の抵抗温度係数の小さい材料
で形成することにより、第1の螺旋状抵抗体を発熱体と
して機能させるとともに、第2、第3の螺旋状抵抗体を
制御体として機能させるように構成している。
【0023】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は本発明に係るデ
ィーゼルエンジン用グロープラグの一つの実施の形態を
示し、これらの図において、全体を符号10で示すディ
ーゼルエンジン用グロープラグの構成の概要を図2を用
いて説明する。
ィーゼルエンジン用グロープラグの一つの実施の形態を
示し、これらの図において、全体を符号10で示すディ
ーゼルエンジン用グロープラグの構成の概要を図2を用
いて説明する。
【0024】図中符号11は後述するような耐熱金属材
からなるシース、12はこのシース11を先端部に保持
する筒状ハウジングで、このハウジング12の後端部に
は絶縁ブッシュ13を介して電極棒14が同心状に取付
けられ、この電極棒14の先端部14aはシース11内
に挿入されている。なお、図2中符号15は前記電極棒
14の一部、この実施の形態では段付き部に嵌装した絶
縁チューブ、16は前記電極棒14の外方端側のねじ部
に螺合しているナットである。
からなるシース、12はこのシース11を先端部に保持
する筒状ハウジングで、このハウジング12の後端部に
は絶縁ブッシュ13を介して電極棒14が同心状に取付
けられ、この電極棒14の先端部14aはシース11内
に挿入されている。なお、図2中符号15は前記電極棒
14の一部、この実施の形態では段付き部に嵌装した絶
縁チューブ、16は前記電極棒14の外方端側のねじ部
に螺合しているナットである。
【0025】前記シース11は、先端側が細径部11
a、後端側が太径部11bとなる二段シースタイプとな
っている。ここで、図中17は前記シース11内に充填
したマグネシア(MgO)等の耐熱絶縁粉末である。
a、後端側が太径部11bとなる二段シースタイプとな
っている。ここで、図中17は前記シース11内に充填
したマグネシア(MgO)等の耐熱絶縁粉末である。
【0026】前記シース11の細径部11aにおける先
端側内部空間には、図1および図2に示すように、たと
えば鉄クロム系合金材料(Fe−Cr系合金材料)また
はニッケルクロム系合金材料(Ni−Cr系合金材料)
のような正の抵抗温度係数αが比較的小さい導電材料で
形成された発熱体として機能する第1の螺旋状抵抗体2
1(以下、発熱コイル21という)が軸線方向に沿って
配設され、その一端は前記シース11内で先端側内壁に
電気的に接続されている。
端側内部空間には、図1および図2に示すように、たと
えば鉄クロム系合金材料(Fe−Cr系合金材料)また
はニッケルクロム系合金材料(Ni−Cr系合金材料)
のような正の抵抗温度係数αが比較的小さい導電材料で
形成された発熱体として機能する第1の螺旋状抵抗体2
1(以下、発熱コイル21という)が軸線方向に沿って
配設され、その一端は前記シース11内で先端側内壁に
電気的に接続されている。
【0027】また、前記シース11の細径部11aにお
ける後端側内部空間には、この発熱コイル21に連続し
てその他端に直列に接続されこの発熱コイル21への通
電電力を制御する第1の制御体として機能する第2の螺
旋状抵抗体22(以下、第1の制御コイル22という)
が軸線方向に沿って配設されている。この第1の制御コ
イル22は、たとえばコバルト鉄系合金材料(Co−F
e系合金材料)またはニッケル系材料(Ni系材料)の
ように前記発熱コイル21よりも正の抵抗温度係数αが
大きい材料で形成されている。
ける後端側内部空間には、この発熱コイル21に連続し
てその他端に直列に接続されこの発熱コイル21への通
電電力を制御する第1の制御体として機能する第2の螺
旋状抵抗体22(以下、第1の制御コイル22という)
が軸線方向に沿って配設されている。この第1の制御コ
イル22は、たとえばコバルト鉄系合金材料(Co−F
e系合金材料)またはニッケル系材料(Ni系材料)の
ように前記発熱コイル21よりも正の抵抗温度係数αが
大きい材料で形成されている。
【0028】さらに、前記シース11の太径部11bの
内部空間には、前記第1の制御コイル22とシース11
の後端側に差し込まれる電極棒先端部14aとの間に、
前記第1の制御コイル22とともに発熱コイル21への
通電電力の制御を行う第2の制御体として機能する第3
の螺旋状抵抗体23(以下、第2の制御コイル23とい
う)が軸線方向に沿って配設されている。
内部空間には、前記第1の制御コイル22とシース11
の後端側に差し込まれる電極棒先端部14aとの間に、
前記第1の制御コイル22とともに発熱コイル21への
通電電力の制御を行う第2の制御体として機能する第3
の螺旋状抵抗体23(以下、第2の制御コイル23とい
う)が軸線方向に沿って配設されている。
【0029】この第2の制御コイル23は、たとえば低
炭素鋼のような鉄系材料(Fe系材料)のように、前記
第1の制御コイル22よりも固有抵抗ρが大きく、しか
も正の抵抗温度係数αは発熱コイル21よりも大きい導
電材料で形成されている。前記第1の制御コイル22
は、このような材料で形成された第2の制御コイル23
よりも耐酸化性に優れている。
炭素鋼のような鉄系材料(Fe系材料)のように、前記
第1の制御コイル22よりも固有抵抗ρが大きく、しか
も正の抵抗温度係数αは発熱コイル21よりも大きい導
電材料で形成されている。前記第1の制御コイル22
は、このような材料で形成された第2の制御コイル23
よりも耐酸化性に優れている。
【0030】このような構成によれば、発熱コイル21
への通電制御を、まずこの発熱コイル21に近接してい
る第1の制御コイル22により行ない、迅速な発熱と適
切な飽和温度での温度制御を行なうとともに、その後に
発熱コイル21から離れている第2の制御コイル23が
徐々に温度上昇して制御機能を働かせ、これにより通電
電力が低減されて発熱温度を低下させ、長時間にわたる
アフタグローを可能とすることができる。
への通電制御を、まずこの発熱コイル21に近接してい
る第1の制御コイル22により行ない、迅速な発熱と適
切な飽和温度での温度制御を行なうとともに、その後に
発熱コイル21から離れている第2の制御コイル23が
徐々に温度上昇して制御機能を働かせ、これにより通電
電力が低減されて発熱温度を低下させ、長時間にわたる
アフタグローを可能とすることができる。
【0031】また、このような構成によれば、固有抵抗
の大きい第2の制御コイル23を、熱影響が小さいシー
ス11の太径部11bに配設することにより、第2の制
御コイル23としての必要な抵抗量を線径を必要以上に
細くすることなく得ることができる。さらに、上述した
構成によれば、熱影響が大きいシース11の細径部11
aに、第2の制御コイル23よりも耐酸化性に優れた第
1の制御コイル22を配設することにより、耐酸化性の
点でも優れ、長時間にわたるアフタグローが適切に行え
る。
の大きい第2の制御コイル23を、熱影響が小さいシー
ス11の太径部11bに配設することにより、第2の制
御コイル23としての必要な抵抗量を線径を必要以上に
細くすることなく得ることができる。さらに、上述した
構成によれば、熱影響が大きいシース11の細径部11
aに、第2の制御コイル23よりも耐酸化性に優れた第
1の制御コイル22を配設することにより、耐酸化性の
点でも優れ、長時間にわたるアフタグローが適切に行え
る。
【0032】すなわち、本発明によれば、熱影響が大き
い細径部11aに耐酸化性に優れた材料からなる第1の
制御コイル22を設け、その制御機能を有効に活用でき
るように構成したものである。また、熱影響が小さい太
径部11bに抵抗値を得ることができる第2の制御コイ
ル23を設けることにより、エンジン始動後における長
時間にわたるアフタグロー時の通電制御を適切に行える
ようにしている。
い細径部11aに耐酸化性に優れた材料からなる第1の
制御コイル22を設け、その制御機能を有効に活用でき
るように構成したものである。また、熱影響が小さい太
径部11bに抵抗値を得ることができる第2の制御コイ
ル23を設けることにより、エンジン始動後における長
時間にわたるアフタグロー時の通電制御を適切に行える
ようにしている。
【0033】そして、このような構成を採用することに
より、従来問題となっていた耐久性の確保と製造の容易
さという相反する要請を両立することができる。これを
詳述すると、このような本発明によれば、24Vを電圧
電源とするタイプのディーゼルエンジン用グロープラグ
10において、第2の制御コイル23に耐酸化性のうえ
で問題をもつ材料を用いるにあたって、これをシース1
1の太径部11bに配設することから、コイル径やコイ
ル長さを確保でき、所要の抵抗を確保することができ
る。さらに、このような太径部11bは、発熱部となる
シース11の先端から離れているために所要の時間遅れ
をもって発熱させることができ、特にエンジン始動後に
おける長時間にわたるアフターグローに対処することが
できる。
より、従来問題となっていた耐久性の確保と製造の容易
さという相反する要請を両立することができる。これを
詳述すると、このような本発明によれば、24Vを電圧
電源とするタイプのディーゼルエンジン用グロープラグ
10において、第2の制御コイル23に耐酸化性のうえ
で問題をもつ材料を用いるにあたって、これをシース1
1の太径部11bに配設することから、コイル径やコイ
ル長さを確保でき、所要の抵抗を確保することができ
る。さらに、このような太径部11bは、発熱部となる
シース11の先端から離れているために所要の時間遅れ
をもって発熱させることができ、特にエンジン始動後に
おける長時間にわたるアフターグローに対処することが
できる。
【0034】ここで、上述したシーズヒータによれば、
シース11の細径部11aにおけるシース径をD1、シ
ース11の後端側の太径部11bにおけるシース径をD
2としたときに、その比率(D2/D1)を1.3〜2
の範囲にあるように小さくするように設定するとよい。
また、シース11の細径部11aにおける長さをL1、
シース11のハウジング12からの突出長さをLとした
ときに、L1/Lを1/2以上に設定するとよい。
シース11の細径部11aにおけるシース径をD1、シ
ース11の後端側の太径部11bにおけるシース径をD
2としたときに、その比率(D2/D1)を1.3〜2
の範囲にあるように小さくするように設定するとよい。
また、シース11の細径部11aにおける長さをL1、
シース11のハウジング12からの突出長さをLとした
ときに、L1/Lを1/2以上に設定するとよい。
【0035】さらに、上述した発熱コイル21の長さは
以下の通りである。たとえば細径部11aの径寸法はφ
3.5mm程度で、長さは25mm程度にした場合に、
発熱時に最高温度が必要な部分は先端から3〜4mm程
度の位置までであることから、発熱コイル21の長さ
は、シース11の細径部11aの1〜3倍程度の長さと
すればよい。なお、φ3.5mmであるときは3.5m
m〜10.5mm程度となる。このようにすれば、発熱
時においてシーズヒータでの所要の温度分布を得ること
ができる。
以下の通りである。たとえば細径部11aの径寸法はφ
3.5mm程度で、長さは25mm程度にした場合に、
発熱時に最高温度が必要な部分は先端から3〜4mm程
度の位置までであることから、発熱コイル21の長さ
は、シース11の細径部11aの1〜3倍程度の長さと
すればよい。なお、φ3.5mmであるときは3.5m
m〜10.5mm程度となる。このようにすれば、発熱
時においてシーズヒータでの所要の温度分布を得ること
ができる。
【0036】また、第1の制御コイル22はシース11
の細径部11aの発熱コイル21の埋設部を除いてテー
パ部までの長さにわたって設けるとよい。ここで、発熱
コイル21と第1の制御コイル22との間は、所定の間
隔をおいて接続するように直線状部等の接合によって間
隙を設けておくことが望ましい。このような構成とすれ
ば、太径部11bに埋設する第2の制御コイル23まで
に作用する熱影響を少なくすることができ、耐久性に優
れている。なお、この第1の制御コイル22と第2の制
御コイル23との間も、上述した間隙を開けて接続する
ことが望ましい。
の細径部11aの発熱コイル21の埋設部を除いてテー
パ部までの長さにわたって設けるとよい。ここで、発熱
コイル21と第1の制御コイル22との間は、所定の間
隔をおいて接続するように直線状部等の接合によって間
隙を設けておくことが望ましい。このような構成とすれ
ば、太径部11bに埋設する第2の制御コイル23まで
に作用する熱影響を少なくすることができ、耐久性に優
れている。なお、この第1の制御コイル22と第2の制
御コイル23との間も、上述した間隙を開けて接続する
ことが望ましい。
【0037】なお、上述したような間隙の長さは適宜の
条件に応じて定められるものであるが、これらは従来か
ら広く知られている通りで、具体的な説明は省略する。
条件に応じて定められるものであるが、これらは従来か
ら広く知られている通りで、具体的な説明は省略する。
【0038】このような構成としたシーズヒータ20を
用いたグロープラグ10における時間に対する温度特性
を図3に示し、本発明によれば同図中aで示すように迅
速な温度上昇と所定時間経過後におけるアフターグロー
時の温度特性とを得ることができる。特に、12Vから
24V用として使用するとき、供給電圧は2倍となり、
グロープラグ10の抵抗値は約4倍程度必要となること
が、次式から明らかである。すなわち、 P=V・I=V2 /R P:エネルギ V:電圧 I:電流 R:抵抗 上記式のVに12Vまたは24Vを代入することによ
り、上述した電圧と抵抗値との関係は明らかとなる。こ
のような関係によって、固有抵抗を前述したように構成
するとよいことが理解される。なお、図3中bは従来例
として前述した特公昭63−60289号公報の特性を
示す。
用いたグロープラグ10における時間に対する温度特性
を図3に示し、本発明によれば同図中aで示すように迅
速な温度上昇と所定時間経過後におけるアフターグロー
時の温度特性とを得ることができる。特に、12Vから
24V用として使用するとき、供給電圧は2倍となり、
グロープラグ10の抵抗値は約4倍程度必要となること
が、次式から明らかである。すなわち、 P=V・I=V2 /R P:エネルギ V:電圧 I:電流 R:抵抗 上記式のVに12Vまたは24Vを代入することによ
り、上述した電圧と抵抗値との関係は明らかとなる。こ
のような関係によって、固有抵抗を前述したように構成
するとよいことが理解される。なお、図3中bは従来例
として前述した特公昭63−60289号公報の特性を
示す。
【0039】また、前述した発熱コイル21は、たとえ
ばFe−Cr系合金またはNi−Cr系合金等によって
形成するとよい。Fe−Cr(約25%)−Al(約5
%)系合金では固有抵抗は1.42μΩ・m、Ni−C
r(約20%)系合金では1.08μΩ・mとなる。ま
たこれらの材料では、800℃での抵抗の増加率が1.
04〜1.06倍程度である。
ばFe−Cr系合金またはNi−Cr系合金等によって
形成するとよい。Fe−Cr(約25%)−Al(約5
%)系合金では固有抵抗は1.42μΩ・m、Ni−C
r(約20%)系合金では1.08μΩ・mとなる。ま
たこれらの材料では、800℃での抵抗の増加率が1.
04〜1.06倍程度である。
【0040】これに対し、第1の制御コイル22は、た
とえばCo系合金またはNi系合金等によって形成する
とよい。ここでのCo−Fe(約8%)系合金であると
きは0.08μΩ・m、Niは0.09μΩ・mであ
る。さらに、第2の制御コイル23は、前記第1の制御
コイル22よりも固有抵抗ρの大きい低炭素鋼(Fe)
等によって形成するとよい。このようなFe系材料は
0.12μΩ・m程度の固有抵抗をもち、上述した発熱
コイル21や第1の制御コイル22との相違は明らかで
ある。
とえばCo系合金またはNi系合金等によって形成する
とよい。ここでのCo−Fe(約8%)系合金であると
きは0.08μΩ・m、Niは0.09μΩ・mであ
る。さらに、第2の制御コイル23は、前記第1の制御
コイル22よりも固有抵抗ρの大きい低炭素鋼(Fe)
等によって形成するとよい。このようなFe系材料は
0.12μΩ・m程度の固有抵抗をもち、上述した発熱
コイル21や第1の制御コイル22との相違は明らかで
ある。
【0041】なお、本発明は上述した実施の形態での構
造に限定されず、グロープラグ10各部の形状、構造等
を、適宜変形、変更することは自由で、たとえばシーズ
ヒータ20以外のグロープラグ10の構造としては、従
来から広く知られているように種々の変形例が考えられ
る。
造に限定されず、グロープラグ10各部の形状、構造等
を、適宜変形、変更することは自由で、たとえばシーズ
ヒータ20以外のグロープラグ10の構造としては、従
来から広く知られているように種々の変形例が考えられ
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、発
熱コイルへの通電制御を、これに近接している第1の制
御コイルにより行い、迅速な発熱と適切な飽和温度での
温度制御を行うとともに、その後発熱コイルから離れて
いる第2の制御コイルが徐々に温度上昇してその制御機
能を働かせ、通電電力を低減させて発熱温度を低下させ
ることができるから、長時間にわたるアフターグローが
可能となる。
熱コイルへの通電制御を、これに近接している第1の制
御コイルにより行い、迅速な発熱と適切な飽和温度での
温度制御を行うとともに、その後発熱コイルから離れて
いる第2の制御コイルが徐々に温度上昇してその制御機
能を働かせ、通電電力を低減させて発熱温度を低下させ
ることができるから、長時間にわたるアフターグローが
可能となる。
【0043】また、本発明によれば、固有抵抗の大きい
第2の制御コイルを、熱影響が小さいシース太径部に配
設することにより、第2の制御コイルとしての必要な抵
抗量を線径を必要以上に細くすることなく稼ぐことがで
きる。さらに、本発明によれば、熱影響が大きい細径部
に、第2の制御コイルよりも耐酸化性に優れた第1の制
御コイルを配設することにより、長時間にわたるアフタ
グローを可能とすることができる。
第2の制御コイルを、熱影響が小さいシース太径部に配
設することにより、第2の制御コイルとしての必要な抵
抗量を線径を必要以上に細くすることなく稼ぐことがで
きる。さらに、本発明によれば、熱影響が大きい細径部
に、第2の制御コイルよりも耐酸化性に優れた第1の制
御コイルを配設することにより、長時間にわたるアフタ
グローを可能とすることができる。
【0044】さらに、本発明によれば、発熱コイル(第
1の螺旋状抵抗体)を長く形成したシースの細径部先端
に配置することにより、速熱性およびシース先端の赤熱
性を得られるとともに、シースを細径部と太径部との間
を連結するテーパ状部付近での寸法がばらついたとして
も、その近傍に発熱コイルや第1の制御コイル(第2の
螺旋状抵抗体)がないため、発熱特性への影響を比較的
小さくすることができる。
1の螺旋状抵抗体)を長く形成したシースの細径部先端
に配置することにより、速熱性およびシース先端の赤熱
性を得られるとともに、シースを細径部と太径部との間
を連結するテーパ状部付近での寸法がばらついたとして
も、その近傍に発熱コイルや第1の制御コイル(第2の
螺旋状抵抗体)がないため、発熱特性への影響を比較的
小さくすることができる。
【0045】また、本発明によれば、第2の螺旋状抵抗
体を小径部の後端側に、第3の螺旋状抵抗体を大径部側
に配設するように構成し、かつこれらの間の連結部をシ
ースの細径部から太径部に移行した部分よりも後端側に
位置させることによって、シースの細径部や太径部に至
るテーパ状部内での抵抗体のコイル径が小径であるた
め、この第2の抵抗体がシースに接触して短絡する等の
不具合は生ぜず、グロープラグとしての性能が安定す
る。ここで、この第2の螺旋状抵抗体における電力制御
のために有効な部分を、シースの細径部に配置し、第1
の抵抗体への供給電力を制御するようにすることによっ
て、この第2、さらに第3の抵抗体の電力制御によって
グロープラグを速熱型として、さらに自己温度制御型と
して機能させることができる。
体を小径部の後端側に、第3の螺旋状抵抗体を大径部側
に配設するように構成し、かつこれらの間の連結部をシ
ースの細径部から太径部に移行した部分よりも後端側に
位置させることによって、シースの細径部や太径部に至
るテーパ状部内での抵抗体のコイル径が小径であるた
め、この第2の抵抗体がシースに接触して短絡する等の
不具合は生ぜず、グロープラグとしての性能が安定す
る。ここで、この第2の螺旋状抵抗体における電力制御
のために有効な部分を、シースの細径部に配置し、第1
の抵抗体への供給電力を制御するようにすることによっ
て、この第2、さらに第3の抵抗体の電力制御によって
グロープラグを速熱型として、さらに自己温度制御型と
して機能させることができる。
【0046】さらに、このような本発明によれば、第3
の螺旋状抵抗体における太径部によって、シースの細径
部内に配置した第2の螺旋状抵抗体とともに、制御コイ
ルとしての機構を得られ、シースの細径部、太径部のそ
れぞれのマスに見合った設計とすることができ、充分な
制御力と耐久性を確保することができる。また、シース
後端から差し込まれる電極棒との接続に関し、このよう
な大径部を形成すると、電極棒を他の形式のグロープラ
グと共通化することができる。
の螺旋状抵抗体における太径部によって、シースの細径
部内に配置した第2の螺旋状抵抗体とともに、制御コイ
ルとしての機構を得られ、シースの細径部、太径部のそ
れぞれのマスに見合った設計とすることができ、充分な
制御力と耐久性を確保することができる。また、シース
後端から差し込まれる電極棒との接続に関し、このよう
な大径部を形成すると、電極棒を他の形式のグロープラ
グと共通化することができる。
【0047】したがって、このような本発明によれば、
シーズヒータによる速熱型、自己温度制御型としての機
能と耐久性を確保しつつ、シーズヒータ先端の細径部を
従来に比べて長くし、これにより排ガス規制への対応を
図ったディーゼルエンジンの多弁化に対処することがで
きる。
シーズヒータによる速熱型、自己温度制御型としての機
能と耐久性を確保しつつ、シーズヒータ先端の細径部を
従来に比べて長くし、これにより排ガス規制への対応を
図ったディーゼルエンジンの多弁化に対処することがで
きる。
【図1】 本発明に係るディーゼルエンジン用グロープ
ラグの一つの実施の形態を示し、要部であるシーズヒー
タの拡大断面図である。
ラグの一つの実施の形態を示し、要部であるシーズヒー
タの拡大断面図である。
【図2】 図1のシーズヒータを用いたディーゼルエン
ジン用グロープラグの全体の構成を説明するための側断
面図である。
ジン用グロープラグの全体の構成を説明するための側断
面図である。
【図3】 本発明に係るディーゼルエンジン用グロープ
ラグの発熱特性を説明するための特性図である。
ラグの発熱特性を説明するための特性図である。
10…ディーゼルエンジン用グロープラグ、11…シー
ス、11a…細径部、11b…太径部、12…筒状ハウ
ジング、14…電極棒、14a…電極棒先端部、17…
耐熱絶縁粉末、20…シーズヒータ、21…発熱コイル
(第1の螺旋状抵抗体)、22…第1の制御コイル(第
2の螺旋状抵抗体)、23…第2の制御コイル(第3の
螺旋状抵抗体)。
ス、11a…細径部、11b…太径部、12…筒状ハウ
ジング、14…電極棒、14a…電極棒先端部、17…
耐熱絶縁粉末、20…シーズヒータ、21…発熱コイル
(第1の螺旋状抵抗体)、22…第1の制御コイル(第
2の螺旋状抵抗体)、23…第2の制御コイル(第3の
螺旋状抵抗体)。
Claims (2)
- 【請求項1】 発熱体として機能する第1の螺旋状抵抗
体と、その一端に直列に接続され制御体として機能する
第2、第3の螺旋状抵抗体と、これら第1、第2および
第3の螺旋状抵抗体を耐熱絶縁粉末中に埋設した状態で
被覆するシースとを備え、このシースを、先端側の細径
部と後端側の太径部とによって構成しているディーゼル
エンジン用グロープラグにおいて、 前記第3の螺旋状抵抗体を前記第2の螺旋状抵抗体より
も固有抵抗の大きい材料により形成するとともに、 前記第1の螺旋状抵抗体を前記シースの細径部の先端側
部分に、第2の螺旋状抵抗体を前記シースの細径部の後
端側部分に配設し、前記第3の螺旋状抵抗体を前記シー
スの太径部に配設したことを特徴とするディーゼルエン
ジン用グロープラグ。 - 【請求項2】 請求項1記載のディーゼルエンジン用グ
ロープラグにおいて、 第2の螺旋状抵抗体を第3の螺旋状抵抗体よりも耐酸化
性に優れた材料で形成したことを特徴とするディーゼル
エンジン用グロープラグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6467297A JPH10259914A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | ディーゼルエンジン用グロープラグ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6467297A JPH10259914A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | ディーゼルエンジン用グロープラグ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10259914A true JPH10259914A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=13264913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6467297A Pending JPH10259914A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | ディーゼルエンジン用グロープラグ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10259914A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013157266A1 (ja) * | 2012-04-20 | 2013-10-24 | 日本特殊陶業株式会社 | グロープラグ |
-
1997
- 1997-03-18 JP JP6467297A patent/JPH10259914A/ja active Pending
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Legal Events
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