JP3028409B2 - 自己温度制御型グロープラグ - Google Patents

自己温度制御型グロープラグ

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JP3028409B2
JP3028409B2 JP9055007A JP5500797A JP3028409B2 JP 3028409 B2 JP3028409 B2 JP 3028409B2 JP 9055007 A JP9055007 A JP 9055007A JP 5500797 A JP5500797 A JP 5500797A JP 3028409 B2 JP3028409 B2 JP 3028409B2
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広二 畑中
一久 飯笹
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ボッシュ ブレーキ システム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
の始動性を向上させるための予熱栓としてのグロープラ
グに関し、特に速熱性および自己温度飽和性を有し長時
間にわたるアフターグローを達成し得る自己温度制御型
グロープラグに関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの始動性を向上させ
るために用いられるグロープラグとしては従来から種々
の構造によるものが知られている。本出願人も、たとえ
ば二種類の材料からなる抵抗体を組合わせて用いること
により、速熱型としての機能と発熱線の過加熱を防ぎ安
定した発熱特性を得ることができる温度飽和機能とを備
えた自己温度制御型グロープラグを特開昭57−182
026号公報等により提案している。
【0003】この種のグロープラグは、発熱体となる第
1の抵抗体とこれに直列接続されかつ第1の抵抗体より
も正の抵抗温度係数の大きな材料で形成された第2の抵
抗体とを、金属製シース内で耐熱絶縁粉末中に埋設した
構造のシーズヒータを備えている。しかも、このグロー
プラグでは、シーズヒータにおいて第1の抵抗体からの
熱伝達に時間遅れを生じさせるための間隙を両抵抗体間
に設けている。そして、第1の抵抗体に対し通電直後に
必要とされる大電力を供給して迅速に発熱させることに
より速熱性を確保している。さらに、所定時間経過後に
おいては、第2の抵抗体側での温度上昇による抵抗値の
増大により第1の抵抗体への供給電力を減少させ、この
第1の抵抗体の過加熱による溶断等を防止しようとする
自己温度飽和機能を働かせるものである。
【0004】このような構造によるグロープラグでは、
このグロープラグへの通電回路上に供給電力を制御する
温度制御手段等を設けることが不要となるために、予熱
装置全体のコストを低く抑えることが可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のグロ
ープラグにおいては、速熱型としての機能と自己温度飽
和機能とはある程度確保することはできても、エンジン
始動後におけるアフターグロー時には発熱温度を低下さ
せる発熱特性をもたせることは困難である。すなわち、
数10秒程度のアフターグローは行なえるも、近年要求
が大きい長時間(10分以上)にわたるアフターグロー
を満足させることができなかった。
【0006】そして、上述した速熱型としての機能を発
揮させるとともに、長時間にわたるアフターグローを発
熱温度を低下させながら行なうためには、グロープラグ
への通電回路上に、発熱時に用いるリレーとアフターグ
ロー時に用いるリレーとを別々に組込むとともにアフタ
ーグロー側の回路には電圧降下用抵抗等をも組込むこと
が必要であった。その結果、このグロープラグでは、回
路構成部品が多くなり、装置全体がコスト高となるもの
であった。
【0007】このようなアフターグローの長時間化を、
回路上への素子の追加なくグロープラグ単独で図るため
には、発熱体への通電電力を自己制御して発熱特性を大
幅に改善しヒータ部分での過加熱を防止するとともに発
熱線の耐久性確保のために飽和温度を適切な温度状態以
下に低下させその温度を維持することができる自己温度
制御機能を有すること等が必要となる。したがって、こ
の種のグロープラグでは、これらの点を考慮することに
より速熱性および自己温度飽和性等を有し、しかも耐熱
強度等の信頼性を向上させることができるヒータ部を備
えたグロープラグの出現が要望されている。
【0008】特に、上述した二種類の発熱線を組合わせ
たシーズヒータを用いているグロープラグにおいて速熱
型としての機能を発揮させるために、発熱部となる先端
側発熱線を埋設したシース先端部分を小径に形成し、制
御部を構成する後端側発熱線を埋設してなる部分との比
較において熱容量を小さくしたものが、たとえば特開昭
54−60630号公報、特開昭57−87535号公
報等により提案されている。
【0009】そして、これらの従来の構造では、通電初
期において先端側発熱線に大電力を供給し、所要の発熱
温度を得て速熱特性を得るうえではある程度の機能を発
揮できる。しかし、この従来のグロープラグでは、発熱
後の一定時間経過後において発熱温度を低下させ、発熱
線等の耐久性を確保しつつ長時間にわたるアフターグロ
ーを行なう際の充分なオーバーシュート機能すなわち一
旦必要とする温度までの発熱させるとともにその発熱温
度を時間の経過と共に充分に温度を低下させて飽和させ
るという特性を得ることはできないものであった。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、速熱型としての機能を発揮させることがで
きるとともに、ピーク温度から充分に低い温度での飽和
特性を得て長時間にわたるアフターグローを行えるオー
バーシュート特性を得ることができ、しかも比較的簡単
に制作できグロープラグとしての所望の発熱特性を発揮
させることができる自己温度制御型グロープラグを得る
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的に応える
ために本発明に係る自己温度制御型グロープラグは、発
熱体となる第1の抵抗体と、その一端に直列接続されか
つ第1の抵抗体よりも正の抵抗温度係数の大きな材料に
より形成される第2の抵抗体と、これら第1および第2
の抵抗体を耐熱絶縁粉末中に埋設した状態で被覆するシ
ースとを備え、このシースを、第1の抵抗体を埋設する
シース径DR が小さい小径部と、第2の抵抗体を埋設す
るシース径DB が大きい大径部と、これらの小径部と大
径部との間に設けたテーパ部とから構成し、このシース
における第1の抵抗体を埋設した小径部のシース径DR
を、第2の抵抗体を埋設した大径部のシース径DB との
比率(DB /DR )が1.3〜2の範囲内にあるように
小さく設定するとともに、両抵抗体を電気抵抗値が小さ
くなるように線径方向に重なる状態で接続し、この電気
抵抗値が小さい接続部をシースのテーパ部に対応する部
位に位置付けたものである。
【0012】ここで、本発明に係る自己温度制御型グロ
ープラグは、第1の抵抗体と第2の抵抗体との間に、少
なくとも第1の抵抗体を埋設した小径部におけるシース
径DR よりも大きい間隙GAP(>DR )を設け、この
間隙内において前記両抵抗体を前記電気抵抗値が小さい
接続部によって接続したものである。
【0013】本発明によれば、発熱体となる第1の抵抗
体を埋設したシース先端部分での熱容量を、制御側であ
る第2の抵抗体を埋設したシース後端部分に比べて充分
に小さくし、速熱型としての機能を発揮させることがで
きるとともに、ピーク温度よりも低い温度での飽和特性
を得て長時間にわたるアフターグローを行えるオーバー
シュート特性を得ることができる。
【0014】また、本発明によれば、発熱体となる第1
の抵抗体を埋設したシース先端部分での熱容量を、制御
側である第2の抵抗体を埋設したシース後端部分よりも
小さくするとともに、発熱体埋設部であるシース先端部
分から所定の間隙GAP(>DR )をおいてシース後端
部分に埋設した制御側の第2の抵抗体を接続することに
より、この制御側である第2の抵抗体による電力制御機
能を適切に働かせ、ピーク温度よりも充分に低い温度で
の飽和特性を得て長時間にわたるアフターグローを行え
るオーバーシュート特性を得ることができる。
【0015】特に、本発明によれば、両抵抗体間を接続
する接続部を、シースの小径部と大径部との間のテーパ
部に対応する部位に位置付けたことにより、次の利点が
ある。すなわち、このような構成では、小径部と大径部
を有するシースを製造時にスェージングすると、小径部
や大径部では径方向から力が均一に作用して縮径される
一方、テーパ部ではテーパ状の治具の送り込み量で変形
することから、このテーパ部内に充填している耐熱絶縁
粉末の充填密度が他の部分と比較してばらつきを生じ易
く、またこの部分に埋設した抵抗体のコイル線径が太く
なったり細くなったりし、ばらつきを生じる結果とな
る。
【0016】たとえば上述したテーパ部での耐熱絶縁粉
末の充填密度が他の部分に比べて相対的に粗となる(耐
熱絶縁粉末の詰まりがあまくなる)と、小径部や大径部
に比べて熱伝導が悪くなり、温度伝達が相対的に遅くな
る。また、このテーパ部での耐熱絶縁粉末の充填密度が
他の部分に比べて密となって、小径部や大径部での抵抗
体からの熱伝達効率に差がでて、シーズヒータとして安
定した特性が得られないという問題を招くおそれもあ
る。このため、このようなテーパ部に抵抗体を配置させ
ると、発熱体としても制御体としても機能し難いという
問題がある。
【0017】一方、このテーパ部に埋設した抵抗体のコ
イル線径が太くなったり細くなったりし、ばらつきを生
じる結果となる。そして、このようにコイル線径がばら
つくと発熱特性等に影響を与え、しかも耐久性がよくな
いという問題を招く。したがって、このようなテーパ部
には、上述したコイル状の発熱体(第1の抵抗体)また
は制御体(第2の抵抗体)を位置付けると特性上からも
耐久性の面からも問題となるが、上述した構成による本
発明ではこのような問題がない。
【0018】すなわち、本発明によれば、このようにス
ェージング時に問題となるシースのテーパ部に、発熱体
や制御体として発熱させる必要がない両抵抗体間を接続
する接続部を位置付けることにより、上述した問題をな
くし、グロープラグとしての発熱特性等の性能を確保す
る。
【0019】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明に係る自
己温度制御型グロープラグの一つの実施の形態を示す。
これらの図において、図1等により全体を符号1で示す
グロープラグの概略構成を簡単に説明すると、図中符号
2はステンレススチール等の耐熱金属材料からなるシー
ス、3はこのシース2を先端部において保持する筒状ハ
ウジングで、このハウジング3の後端部には絶縁ブッシ
ュ4を介して電極棒5が同心状に取付けられ、この電極
棒5先端はシース1内に挿入されている。
【0020】そして、シース2先端側内部空間には、た
とえば鉄クロムあるいはニッケルクロム合金などのよう
に正の抵抗温度係数の小さな導電材料で形成され発熱体
となる第1の螺旋状抵抗体10(以下第1の抵抗体とい
う)が軸線方向に沿って配設され、その一端は前記シー
ス2の先端側に電気的に接続されている。また、前記シ
ース2の後端側内部空間には、この第1の抵抗体10と
連続してシース2後端側の電極棒5との間に、たとえば
鉄系材料またはニッケル等の正の抵抗温度係数の大きな
導電材料で形成された第2の螺旋状抵抗体11 (以下第
2の抵抗体という) とを配設している。すなわち、これ
ら第1の抵抗体10、第2の抵抗体11は、シース2と
電極棒5間で直列に接続している。なお、これら第1お
よび第2の抵抗体10,11は、シース2内に充填され
たマグネシア(MgO)等の耐熱絶縁粉末6により埋設
されている。
【0021】ここで、上述した第2の抵抗体11は、そ
れ自体が発熱源として作用するばかりでなく、前記第1
の抵抗体10に対し通電開始直後において、それ自体の
抵抗値が小さいことから大電力を供給し得る。さらに、
通電時間の経過と共に抵抗値が増大して供給電力を減少
させ、グロープラグ自体の飽和温度を一定温度以下に抑
え、過加熱を防止する温度制御手段としても作用する。
これは、この第2の抵抗体11の正の抵抗温度係数が大
きく、その抵抗値が通電による発熱と共に順次増大する
ためである。
【0022】また、この第2の抵抗体11による電流制
御を適切なものとするために、第1の抵抗体10と第2
の抵抗体11とを、それぞれの螺旋部が所定の間隙GA
Pをおいて対向するようにして接続している。すなわ
ち、これら両抵抗体10,11の螺旋部間に一定の間隙
を設けることで、従来問題となっていた第1の抵抗体1
0からの第2の抵抗体11に対する熱影響に時間的間隔
を保ち、第2の抵抗体11による電流制御を時間的に遅
らせて第1の抵抗体10への大電力の供給時間を延ば
し、この第1の抵抗体10を急速に赤熱させて温度立上
り特性を大幅に向上させることができるように構成して
いる。
【0023】なお、この実施の形態では、両抵抗体1
0,11を、図2に示すように、それぞれの最終螺旋部
端から軸線方向に向って延設した直線状端部10a,1
1aどおしを線径方向において平行に配置して重ね合わ
せ、レーザ溶接等で接続することにより、両抵抗体1
0,11を電気抵抗値が各抵抗体10,11よりも小さ
い接続部12(電気抵抗値が実質的にゼロに近い値とな
る接続部12)によって接続している。
【0024】すなわち、上述した構成による自己温度制
御型グロープラグ1において、シース2における発熱体
となる第1の抵抗体10を埋設した先端部分でのシース
径DR を、制御用の第2の抵抗体11を埋設した後端部
分でのシース径DB との比率(DB /DR )が1.3〜
2の範囲内にあるように小さく設定するとともに、これ
ら第1の抵抗体10と第2の抵抗体11とを前述したよ
うに電気抵抗値が実質的にゼロに近い値となって各抵抗
体10,11よりも電気抵抗値が小さくなる接続部12
によって接続している。
【0025】そして、本発明によれば、両抵抗体10,
11を接続する電気抵抗値が小さい接続部12を、前記
シース2のテーパ部2cに対応する部位に位置付けて配
置したところを特徴としている。特に、このような構成
では、両抵抗体10,11間を接続する電気抵抗値が各
抵抗体10,11よりも小さくなるように構成した接続
部12を、シース2の小径部2aと大径部2bとの間の
テーパ部2cに配設していることから、シース2内への
抵抗体10,11等の組立後に行うスェージング時に、
充填物である耐熱絶縁粉末6が粗になったり密となった
りしてばらつきを生じ易い部分を避けて各抵抗体10,
11をシース2内で安定した状態で密に充填されている
耐熱絶縁粉末6内に埋設することが可能で、グロープラ
グ1としての発熱特性等の性能に影響を与えることがな
い。
【0026】すなわち、このような構成では、小径部2
aと大径部2bを有するシース2を製造時にスェージン
グすると、小径部2aや大径部2bでは径方向から力が
均一に作用して縮径される一方、テーパ部2cではテー
パ状の治具の送り込み量で変形することから、このテー
パ部2c内に充填している耐熱絶縁粉末6の充填密度が
他の部分と比較してばらつきを生じ易く、またこの部分
に埋設した抵抗体のコイル線径が太くなったり細くなっ
たりし、ばらつきを生じる結果となる。そして、たとえ
ばこのテーパ部2cでの耐熱絶縁粉末6の充填密度が他
の部分に比べて相対的に粗となる(耐熱絶縁粉末6の詰
まりがあまくなる)と、小径部2aや大径部2bに比べ
て熱伝導が悪くなり、温度伝達が相対的に遅くなる。ま
た、このテーパ部2cでの耐熱絶縁粉末の充填密度が他
の部分に比べて密となって、小径部2aや大径部2bで
の抵抗体からの熱伝達効率に差がでて、シーズヒータと
して安定した特性が得られないという問題を招くおそれ
もあり、このようなテーパ部2cに上述した抵抗体1
0,11を配置させると、発熱体としても制御体として
も機能し難いが、本発明ではこのような問題を招くこと
はない。
【0027】一方、このテーパ部2cに抵抗体10,1
1を埋設すると、そのコイル線径が太くなったり細くな
ったりし、ばらつきを生じる結果となる。そして、この
ようにコイル線径がばらつくと各抵抗体10,11での
発熱特性等に影響を与え、しかも耐久性がよくないとい
う問題を招く。したがって、このようなテーパ部2cに
は、上述したコイル状の発熱体(第1の抵抗体10)ま
たは制御体(第2の抵抗体11)を位置付けると特性上
からも耐久性の面からも問題となるが、上述した構成に
よる本発明ではこのような問題も一掃することができ
る。
【0028】すなわち、本発明によれば、このようにス
ェージング時に問題となるシース2のテーパ部2cに、
発熱体や制御体として発熱させる必要がない両抵抗体1
0,11間を接続する接続部12を位置付けることによ
り、上述した問題をなくし、グロープラグ1としての発
熱特性等の性能を確保することができる。
【0029】また、この実施の形態では、前述したよう
に両抵抗体10,11間の間隙GAPに対応するシース
2部分を、ラッパ状に形成された径変化部(テーパ部2
c)により構成し、これにより小径な先端部分(小径部
2a)と大径な後端部分(大径部2b)とを連結するよ
うにしている。ここで、上述したような第1、第2の抵
抗体10,11のそれぞれの埋設部分でのシース径DR
,DB としては、DB ≧1.3DR とすることが望ま
しく、特にこれらのシース径DR ,DB 間での比率が、
{DB /DR =1.7}程度が最適であることが、図3
(a),(b)、さらに図6の(a),(b)から明ら
かなように実験により確認されている。たとえばシース
2の後端部分でのシース径DB を5φとしたとき、シー
ス先端部分での小径部2aのシース径DR は3φ程度が
望ましい。
【0030】なお、上述した図3(a)は上述した間隙
GAPを8mmとした場合のDB /DR =1.0、1.
3、1.7とした場合の特性を示し、1.3以上である
ときにオーバーシュート特性が得られ、1.7のときに
ピーク温度やシース径の製造上での理由から最適である
ことが確認されている。勿論、これ以上の比率であると
速熱性はより一層よくなるが、シース先端が細くなり過
ぎ、製造面から問題を生じる。すなわち、必要とするシ
ース2の肉厚、螺旋状抵抗体10の線径などを考慮する
と、先端側の小径部2aでのシース径DR は、比率2.
0程度が製造限界と考えられる。
【0031】換言すると、このような第1、第2の抵抗
体10,11の埋設部分(小径部2a、大径部2b)で
のシース径DR ,DB の比率としては、1.3〜2.0
の範囲にあるように設定すればよい。そして、このよう
なシース径DR ,DB の比率とすれば、図3(a)、図
6(a),(b)等から明らかなように、発熱体となる
第1の抵抗体10を埋設しているシース先端部分での熱
容量を、制御側である第2の抵抗体11を埋設している
シース後端部分に比べて充分に小さくし、速熱型として
の機能を発揮させることができる。さらに、ピーク温度
から充分に低い温度での飽和特性を得るという長時間に
わたるアフターグローを行なえるオーバーシュート特性
を得ることが可能となる。
【0032】すなわち、図6の(a)は上述した間隙G
APを5mmとした場合、図6(b)は間隙GAPを3
mmとした場合の特性を示し、これらの図からも明らか
なように、上述した比率が1.3以上であるときにオー
バーシュート特性が得られ、1.7のときにピーク温度
やシース径の製造上での理由から最適であることが確認
されている。
【0033】以上のようなシース径DR ,DB の比率を
一定の範囲に定めた本発明による構成によれば、発熱体
となる第1の抵抗体10を埋設しているシース2の先端
側の小径部2aの熱容量を、制御側である第2の抵抗体
11を埋設しているシース2の後端側の大径部2bに比
べて充分に小さくし、迅速な赤熱化を得て800℃到達
が5秒以内という速熱型としての機能を発揮させること
ができる。また、シース2後端部分に埋設される制御側
の第2の抵抗体11による電力制御機能を必要かつ適切
に働かせ、エンジン始動後における発熱温度が、105
0℃程度をピーク温度としてこれから200℃程度も充
分に低い850℃程度で飽和温度となるという図4に示
したようなオーバーシュート特性を得ることが可能とな
り、長時間にわたるアフターグローを行なえる。
【0034】なお、図3(b)は上述した第1および第
2の抵抗体10,11間に間隙を設けない場合(ギャッ
プ0mm)での特性を示しており、比率が 1.7程度
であるときには多少のオーバーシュート特性を得られる
ことが確認でき、ある程度の機能は得られるものであ
る。しかし、その特性は実用上からは不充分なものであ
り、本発明によれば、後述するような間隙GAPを両抵
抗体10,11間に設け、これら間の熱伝達を小さく
し、シース径DR を小さくして熱容量を小さくすること
による所要の電力制御を適切に行なうという効果を、よ
り一層発揮させ得るように構成している。
【0035】すなわち、本発明によれば、上述した自己
温度制御型グロープラグ1において、シース2における
発熱体となる第1の抵抗体10を埋設した先端側の小径
部2aでのシース径DR を、制御用の第2の抵抗体11
を埋設した後端側の大径部2bでのシース径DB よりも
小さく設定している。さらに、第1の抵抗体10と第2
の抵抗体11との間に、少なくとも第1の抵抗体埋設部
分(シース先端部分)におけるシース径DR よりも大き
い間隙GAP(>DR )を設け、かつこの間隙GAP内
において両抵抗体10,11を上述したように電気抵抗
値が各抵抗体10,11よりも小さい接続部12によっ
て接続している。
【0036】そして、このような構成によっても、発熱
体となる第1の抵抗体10を埋設しているシース2先端
側の小径部2aでの熱容量を、制御側である第2の抵抗
体11を埋設しているシース2後端側の大径部2bに比
べて小さくし、迅速な赤熱化を得て800℃到達が5秒
以内という速熱型としての機能を発揮させ得る。また、
上述したシース2先端部分の第1の抵抗体10から所定
の間隙GAP(>DR)をおいて接続しているシース2
後端部分に埋設される制御側の第2の抵抗体11による
電力制御機能を必要かつ適切に働かせることが可能とな
る。
【0037】特に、このような効果は、前述した図3
(a)、図6(a),(b)と図3(b)との比較にお
いて容易に理解される。すなわち、図3(b)に示す間
隙GAPが0であると、シース径DR ,DB の比率が
1.7であっても、オーバーシュート特性上での効果は
あまりないが、図6(b)、図6(a)、さらに図3
(a)で示すように間隙GAPが3mm,5mm,8m
mとなると、1.3以上の比率であれば、所要のオーバ
ーシュート特性を得ることができる。このような構成に
よれば、エンジン始動後における発熱温度が、1050
℃程度をピーク温度としてこれから200℃程度も充分
に低い850℃程度で飽和温度となるという図4に示す
ようなオーバーシュート特性を得ることができ、長時間
にわたるアフターグローが可能となる。
【0038】また、本発明によれば、上述したような発
熱特性をグロープラグ1単独で自己制御により得ること
ができるため、従来のようなアフターグロー時用のリレ
ーや電圧降下用抵抗等といった余分な回路部品等は不要
で、予熱装置全体のコスト低減化が図れる。
【0039】ここで、上述したグロープラグ1への通電
制御回路構成を図5(a)を用いて簡単に説明すると、
四本のグロープラグ1(GP)のヒータ部分が並列接続
して設けられ、たとえば12Vのバッテリ電源20から
の定格電圧が、リレー21を介して印加されている。そ
して、各ヒータ部分がそれぞれ発熱することで、ディー
ゼルエンジンの燃焼室または副燃焼室を予熱し、エンジ
ンの始動性を補助するようになっている。なお、上述し
たグロープラグ1はボディアースとなっており、また図
中符号22はエンジンキースイッチ、23はタイマ機能
を有するコントローラ、24はエンジン冷却水温度セン
サ、25は始動タイミング表示器であるが、その動作等
は周知の通りで、具体的な説明は省略する。
【0040】このような本発明によるグロープラグ1に
よれば、その自己温度制御機能により上述した回路構成
でよいが、従来型の場合には、同図(b)で示すよう
に、アフターグロー時の制御用としての別回路を設け、
その制御用リレー26および電圧降下用抵抗27を付設
することが必要であるもので、その回路構成上での相違
は明白である。
【0041】なお、本発明は上述した実施の形態での構
造には限定されず、グロープラグ1各部の形状、構造等
を、適宜変形、変更することは自由であり、またその適
用するグロープラグ構造としても図1および図2に例示
したものに限定されるない。たとえば第1の抵抗体10
と第2の抵抗体11との間を所定の間隙GAPをおいて
接続する接続部12としては、上述した実施の形態のよ
うに各抵抗体10,11から軸線方向に延設した直線状
端部どおしを重ね合わせて接続したものに限らない。要
は、電気抵抗値が各抵抗体10,11よりも小さく、電
気抵抗値が実質的にほぼゼロに近い値となるように両抵
抗体10,11の端部どおしを線径方向において重なる
状態で接続した接続部12をもって接続するとよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る自己温
度制御型グロープラグによれば、第1の抵抗体と第2の
抵抗体とを耐熱絶縁粉末中に埋設した状態で被覆するシ
ースを、第1の抵抗体を埋設するシース径DR が小さい
小径部と、第2の抵抗体を埋設するシース径DB が大き
い大径部と、これらの小径部と大径部との間に設けたテ
ーパ部とから構成するとともに、両抵抗体を電気抵抗値
が各抵抗体よりも小さくなるように両抵抗体の端部どお
しを線径方向において重ね合わせることにより形成した
接続部により接続し、この接続部をシースのテーパ部に
対応する部位に位置付けたので、以下に述べる優れた効
果を奏する。
【0043】すなわち、本発明によれば、両抵抗体間を
接続する電気抵抗値が小さい接続部を、シースの小径部
と大径部との間のテーパ部に配設していることから、ス
ェージング時に充填物である耐熱絶縁粉末が粗になった
り密となったりしてばらつきを生じ易い部分を避け、シ
ース内で安定した状態で密に充填されている耐熱絶縁粉
末内に各抵抗体を埋設することができる。したがって、
比較的簡単にしかも高い信頼性をもってグロープラグを
制作でき、しかもそのグロープラグの発熱特性等の性能
を発揮させることができる。
【0044】特に、小径部と大径部を有するシースを製
造時にスェージングすると、小径部や大径部では径方向
から力が均一に作用して縮径される一方、テーパ部では
テーパ状の治具の送り込み量で変形することから、この
テーパ部内に充填している耐熱絶縁粉末の充填密度が他
の部分と比較してばらつきを生じ易く、またこの部分に
埋設した抵抗体のコイル線径が太くなったり細くなった
りし、ばらつきを生じる結果となる。そして、たとえば
上述したテーパ部での耐熱絶縁粉末の充填密度が他の部
分に比べて相対的に粗となると、小径部や大径部に比べ
て熱伝導が悪くなり、温度伝達が相対的に遅くなる。ま
た、このテーパ部での耐熱絶縁粉末の充填密度が他の部
分に比べて密となって、小径部や大径部での抵抗体から
の熱伝達効率に差がでて、シーズヒータとして安定した
特性が得られないという問題を招くおそれもある。この
ため、このようなテーパ部に抵抗体のいずれかを配置さ
せると、発熱体としても制御体としても機能し難いとい
う問題があるが、本発明によればこのような問題を招く
ことはない。
【0045】一方、上述したテーパ部に埋設した抵抗体
のコイル線径が太くなったり細くなったりし、ばらつき
を生じることから、発熱特性等に影響を与え、耐久性も
よくないという問題を招き、このようなテーパ部に第
1、第2の抵抗体を位置付けると特性上からも耐久性の
面からも問題となるが、本発明では上述した構成を採る
ことによりこのような問題を一掃することができる。
【0046】すなわち、本発明によれば、このようにス
ェージング時に問題となるシースのテーパ部に、発熱体
や制御体として発熱させる必要がない両抵抗体間を接続
する接続部を位置付けることにより、上述した問題をな
くし、グロープラグとしての発熱特性等の性能を確保す
ることができる。
【0047】したがって、本発明によれば、発熱体とな
る第1の抵抗体を埋設しているシース先端部分での熱容
量を、制御側である第2の抵抗体を埋設しているシース
後端部分に比べて充分に小さくし、速熱型としての機能
を発揮させ得る。さらに、ピーク温度から充分に低い温
度での飽和特性を得るという長時間にわたるアフターグ
ローを行なえるオーバーシュート特性を得ることが可能
となる。
【0048】また、本発明によれば、発熱体となる第1
の抵抗体を埋設しているシース先端側の小径部での熱容
量を、制御側である第2の抵抗体を埋設しているシース
後端側の大径部よりも小さくするとともに、発熱体埋設
部であるシース先端部分から所定の間隙GAP(>DR
)をおいてシース後端部分に埋設される制御側の第2
の抵抗体を接続することにより、制御側である第2の抵
抗体による電力制御機能を必要かつ適切に働かせ、ピー
ク温度から充分に低い温度での飽和特性を得るという長
時間にわたるアフターグローが可能なオーバーシュート
特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自己温度制御型グロープラグの
一つの実施の形態を示すグロープラグ全体の概略断面図
である。
【図2】 図1の要部を拡大した断面図である。
【図3】 (a),(b)は先端部発熱温度と時間との
関係を示す間隙を有する場合(ギャップ8mm)と間隙
なしの場合(ギャップ0mm)との特性図である。
【図4】 本発明に係る自己温度制御型グロープラグの
発熱特性を説明するための特性図である。
【図5】 (a),(b)はグロープラグへの通電回路
構成を示す本発明による場合と従来例との回路図であ
る。
【図6】 (a),(b)は図3に対応して先端部発熱
温度と時間との関係を示す間隙(ギャップ)が5mmの
場合と3mmの場合との特性図である。
【符号の説明】
1…自己温度制御型グロープラグ、2…シース、2a…
小径部、2b…大径部、2c…テーパ部、3…ハウジン
グ、5…電極棒、6…耐熱絶縁粉末、10…第1の抵抗
体(発熱体)、11…第2の抵抗体(制御体)、12…
接続部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−60125(JP,A) 特開 昭61−70321(JP,A) 特開 昭57−87535(JP,A) 実開 昭57−82648(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23Q 7/00 F23Q 7/00 605

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱体となる第1の抵抗体と、その一端
    に直列接続されかつ第1の抵抗体よりも正の抵抗温度係
    数の大きな材料により形成される第2の抵抗体と、これ
    ら第1および第2の抵抗体を耐熱絶縁粉末中に埋設した
    状態で被覆するシースとを備えてなり、 このシースを、第1の抵抗体を埋設するシース径DR が
    小さい小径部と、第2の抵抗体を埋設するシース径DB
    が大きい大径部と、これらの小径部と大径部との間に設
    けたテーパ部とから構成し、 このシースにおける第1の抵抗体を埋設した小径部のシ
    ース径DR を、第2の抵抗体を埋設した大径部のシース
    径DB との比率(DB /DR )が1.3〜2の範囲内に
    あるように小さく設定するとともに、 前記両抵抗体を電気抵抗値が小さくなるように線径方向
    において重なる状態で接続し、この電気抵抗値が小さい
    接続部を前記シースのテーパ部に対応する部位に位置付
    けたことを特徴とする自己温度制御型グロープラグ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自己温度制御型グロープ
    ラグにおいて、 第1の抵抗体と第2の抵抗体との間に、少なくとも第1
    の抵抗体を埋設した小径部におけるシース径DR よりも
    大きい間隙GAP(>DR )を設け、 かつこの間隙内において前記両抵抗体を前記電気抵抗値
    が小さい接続部をもって接続したことを特徴とする自己
    温度制御型グロープラグ。
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