JPH10259327A - 汚染付着防止剤および塗料用組成物 - Google Patents

汚染付着防止剤および塗料用組成物

Info

Publication number
JPH10259327A
JPH10259327A JP6432297A JP6432297A JPH10259327A JP H10259327 A JPH10259327 A JP H10259327A JP 6432297 A JP6432297 A JP 6432297A JP 6432297 A JP6432297 A JP 6432297A JP H10259327 A JPH10259327 A JP H10259327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
atom
group
compound
resin
oligomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6432297A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhiko Mori
晴彦 毛利
Yasushi Yonei
康史 米井
Takeshi Nagai
剛 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP6432297A priority Critical patent/JPH10259327A/ja
Publication of JPH10259327A publication Critical patent/JPH10259327A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気中の汚れや雨筋汚れが付着かつ堆積しな
い、防汚染付着性に著しく優れた塗膜を形成しうる塗料
用組成物および該組成物に配合するための汚染付着防止
剤を提供する。 【解決手段】 Si(OR)4(RはO、N、F、Cl
を含んでいてもよい有機基または無機基またはH)で示
されるシリケート化合物と、(X1)nAl(OR1)m
および/または(X2)pZr(OR2)q(X1、X2
O、N、F、Clを含んでいてもよい有機シリケート
基、R1、R2はO、N、F、Clを含んでいてもよい有
機基またはH)で示される有機アルミニウムおよび/ま
たはジルコニウム化合物とのコオリゴマーからなる汚染
付着防止剤、ならびに該防止剤と塗料用樹脂と、要すれ
ば硬化剤および/または硬化触媒とからなる塗料用組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染付着防止剤お
よび塗料用組成物に関する。さらに詳しくは、建築建
材、土木、重防食、自動車などの塗料として好適な塗料
用組成物およびそれに配合するための汚染付着防止剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超耐候性塗料用樹脂として水酸基
やカルボキシル基を有する溶剤可溶なフルオロオレフィ
ン共重合体が使用され実績を伸ばしている。たとえば特
公昭60−21686号公報、特開平3−121107
号公報、特開平4−279612号公報、特開平4−2
8707号公報などに提案されているフルオロオレフィ
ンとビニルエーテルやビニルエステルなどとの共重合体
は通常の塗料用溶剤に可溶で、イソシアネートやメラミ
ンなどの硬化剤と組み合わせることにより、焼付けや常
温で硬化でき、耐候性などに優れた塗膜を形成すること
が知られている。
【0003】しかし、これらの塗膜は屋外に暴露した
際、大気中の汚れや雨筋汚れが付着し堆積しやすい(す
なわち、防汚染付着性がわるい)という問題を有してい
る。カーボン汚れやマジック汚れの拭き取り性(汚染除
去性)などを改良するために、たとえば特開平4−17
3881号公報では、フルオロオレフィン共重合体とシ
ラン化合物との反応物が検討されている。また、米国特
許第3429845号明細書や特開平4−275379
号公報では、シリケート(モノマー)やシリケート縮合
物(オリゴマー)に水と触媒(塩酸など)を添加し、ア
ルコール中で加水分解させてえた加水分解物と水酸基含
有フルオロオレフィン共重合体との組成物が提案されて
いる。しかし、これらの組成物からは前記防汚染付着性
を改良するという効果はえられない。
【0004】このようにシラン化合物を硬化部位として
用いる技術としては、その他に特公昭45−11309
号、特開平5−78612号、特開昭61−25885
2号、特開昭62−116673号、特開昭64−75
575号、特開平2−232221号、特開平2−24
0153号、特開平4−211482号、特開平4−6
5476号、特開平4−292677号各公報などで提
案されているが、アルコール、水を多量に含むため硬化
が不充分である。あるいはあらかじめシリケートが水酸
基を有するためまたは高温焼付けを必要とするためシリ
ケートの表面への移行が抑制される。またシラン化合物
が非加水分解性基を有するため親水性が不充分であるな
どの問題点があり、前記と同様に防汚染付着性は改良さ
れていない。
【0005】また、アクリル、アクリルシリコン、無機
系素材などその他の塗料のばあいも状況はおなじで、著
しく防汚染付着性の改良されたものはほとんど知られて
いない。
【0006】また、重合や顔料分散時の脱水剤としてシ
ラン化合物が利用されることもあるが、製造中にほとん
どのシラン化合物が水分と反応することもあり、これか
ら製造された塗料自体は防汚染付着性の改良にはほとん
ど効果がえられていないのが現状である。
【0007】また、前記防汚染付着性を改良する目的
で、たとえばWO 94/06870号、WO 95/
02645号、特開平7−48540号、特開平7−1
02211号、特開平7−136584号、特開平7−
173429号、特開平7−82520号、特開平7−
109435号、特開平7−60184号各公報などに
有機金属化合物を用いる技術が提案されている。しか
し、これらの技術は、表面親水性およびその再現性、防
汚染付着性、硬化性、相溶性、リコート性、貯蔵安定
性、ポットライフ、色別れ防止性、消泡性、塗装作業
性、塗膜表面の割れなどの点で満足できるものではな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大気
中の汚れや雨筋汚れが付着かつ堆積しない、防汚染付着
性に著しく優れた塗膜を形成しうる塗料用組成物および
該組成物に配合するための汚染付着防止剤を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、つぎの(A)
と(B)とのコオリゴマーからなる汚染付着防止剤に関
する。
【0010】(A)式(I): Si(OR)4 (式中、Rは同一または異なり、酸素原子、窒素原子、
フッ素原子および/もしくは塩素原子を含んでいてもよ
い有機基;酸素原子、窒素原子、フッ素原子、塩素原子
および/もしくは炭素原子を含んでいてもよい無機基;
または水素原子)で示されるシリケート化合物またはそ
のオリゴマー、(B)式(II): (X1)nAl(OR1)m (式中、mは0〜3の整数、nは0〜3の整数、ただし
m+n=3、X1は同一または異なり、酸素原子、窒素
原子、フッ素原子および/もしくは塩素原子を含んでい
てもよい炭素数1〜50の有機キレート基、R1は同一
または異なり、酸素原子、窒素原子、フッ素原子および
/もしくは塩素原子を含んでいてもよい有機基または水
素原子)で示されるアルミニウム化合物またはそのオリ
ゴマー、または式(III): (X2)pZr(OR2)q (式中、pは0〜4の整数、qは0〜4の整数、ただし
p+q=4、X2は同一または異なり、酸素原子、窒素
原子、フッ素原子および/もしくは塩素原子を含んでい
てもよい炭素数1〜50の有機キレート基、R2は同一
または異なり、酸素原子、窒素原子、フッ素原子および
/もしくは塩素原子を含んでいてもよい有機基または水
素原子)で示されるジルコニウム化合物またはそのオリ
ゴマー。
【0011】本発明はまた、前記(B)成分が、m=0
の式(II)のアルミニウム化合物もしくはそのオリゴマ
ー、またはq=0の式(III)のジルコニウム化合物も
しくはそのオリゴマーである前記汚染付着防止剤に関す
る。
【0012】本発明は、前記式(I)、(II)または
(III)で示される化合物の少なくも1つがフッ素原子
を含んでいる前記汚染付着防止剤に関する。
【0013】本発明は、前記(A)と(B)とのコオリ
ゴマーのフッ素含有量が5重量%以上である汚染付着防
止剤に関する。
【0014】前記有機基R、R1および/またはR2が、 CF3CF2CH2−、 H(CF2CF2)aCH2− (a=1〜4の整数)、
もしくは F(CF2CF2)bCH2CH2− (b=3〜6の整
数) の少なくとも1種を含む前記汚染付着防止剤に関する。
【0015】また本発明は、前記(B)成分のX1また
はX2の少なくとも1つがアセチルアセトナート基およ
び/またはエチルアセトアセテート基を含む化合物(た
だし、式(II)においてnが1〜3の整数、式(III)
においてpが1〜4の整数である)またはそのオリゴマ
ーである前記汚染付着防止剤に関する。
【0016】本発明はさらに、(1)前記のいずれかの
汚染付着防止剤、および(2)塗料用樹脂を含む塗料用
組成物に関する。
【0017】該塗料用組成物は、さらに(3)硬化剤お
よび/または硬化触媒を含んでいてもよい。
【0018】前記硬化剤としては、イソシアネート化合
物、ブロックイソシアネート化合物、メラミン樹脂また
はエポキシ樹脂が好ましい。
【0019】また、前記塗料用樹脂としては、溶剤可溶
性で水酸基および/またはカルボキシル基を有するフル
オロオレフィン共重合体、アクリルポリオール樹脂、ア
クリルシリコーン樹脂、フルオロシリコーン樹脂、無機
系素材、官能基を有しないフッ化ビニリデンの単独また
は共重合体、水分散物の形態のフッ化ビニリデン共重合
体とアクリル共重合体混合物、または水分散物の形態の
フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体が好まし
い。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の汚染付着防止剤は、前記
のとおり、式(I)で示されるシリケート化合物または
そのオリゴマー(以下、単に「シリケート化合物」とい
うこともある)である(A)成分と、式(II)または式
(III)で示されるアルミニウム化合物もしくはそのオ
リゴマー(以下、単に「アルミニウム化合物」というこ
ともある)またはジルコニウム化合物もしくはそのオリ
ゴマー(以下、単に「ジルコニウム化合物」ということ
もある)とのコオリゴマーからなる。
【0021】シリケート化合物において、Rは、酸素原
子、窒素原子、フッ素原子および/もしくは塩素原子を
含んでいてもよい有機基;酸素原子、窒素原子、フッ素
原子、塩素原子および/もしくは炭素原子を含んでいて
もよい無機基;または水素原子である。特に、Rの少な
くとも1つがフッ素原子を含む有機基であるのが表面濃
縮性、表面親水化能の点から好ましい。
【0022】有機基としては、たとえば炭素数1〜8の
アルキル基、炭素数1〜12のフルオロアルキル基、炭
素数3〜20のフルオロアルコキシアシル基の1種また
は2種以上があげられ、特にフルオロアルキル基が好ま
しい。
【0023】無機基としては、たとえばアルキルジアル
コキシシリル基、グリシジルアルキルジアルコキシシリ
ル基などがあげられ、これらのうちアルキルジアルコキ
シシリル基が好ましい。
【0024】シリケート化合物の具体例としては、たと
えばSi(OCH34、Si(OC254、Si(O
CH(CH324、Si(OC494、Si(OCH
2CF2CF34、Si(OCH(CF324、Si
(OCH2(CF24H)4、Si(OCH2CH28
174、Si(OCH2CF2CF32(OCH32、S
i(OCH(CF322(OCH32、Si(OCH2
(CF24H)2(OCH32、Si(OCH2CH28
172(OCH32、Si(OCH2CF2CF3
2(OH)2、Si(OCH(CF322(OH)2、S
i(OCH2(CF24H)2(OH)2、Si(OCH2
CH28172(OH)2、Si(OCOCF34、S
i(OCOC254、Si(OCOC8174、Si
(OCOCF32(OCH32、Si(OCOC25
2(OCH32、Si(OCOC8172(OC
32、Si(OCH2CF2CF33(OCH2CH2
hOCH3、Si(OCH(CF323(OCH2
2hOCH3、Si(OCH2(CF24H)3(OC
2CH2hOCH3、Si(OCH2CH2817
3(OCH2CH2hOCH3、Si(OCH2CF2
32(OCH3)(OCH2CH2hOCH3、Si
(OCH(CF322(OCH3)(OCH2CH2h
OCH3、Si(OCH2(CF24H)2(OCH3
(OCH2CH2hOCH3、Si(OCH2CH28
172(OCH3)(OCH2CH2hOCH3、Si(O
CH2CF2CF32(OH)(OCH2CH2hOC
3、Si(OCH(CF322(OH)(OCH2
2hOCH3、Si(OCH2(CF24H)2(O
H)(OCH2CH2hOCH3、Si(OCH2CH2
8172(OH)(OCH2CH2hOCH3、(以上、
h=1〜100)などがあげられる。これらのうち、表
面濃縮性、親水化能の点からSi(OCH2CF2
34、Si(OCH2CH28174が好ましい。
【0025】シリケート化合物(A)は、(B)成分と
のコオリゴマーにおいて塗膜成分となった際、高硬度、
高架橋密度を付与するという作用を果たすものである。
【0026】(B)成分のうち、式(II)のアルミニウ
ム化合物は、X1で示される有機キレート基、R1で示さ
れる有機基もしくは水素原子を有する化合物である。
【0027】有機キレート基X1は、同じかまたは異な
っていてもよく、表面濃縮性、加水分解性、脱離性の点
から炭素数が1〜20であり、2〜10であることが好
ましい。
【0028】本発明においては、このようなキレート化
の能力を有する有機基が結合している汚染付着防止剤を
用いることにより、優れた貯蔵安定性、反応性、溶解
性、相溶性という効果がえられる。
【0029】このようなキレート化の能力を有する有機
基X1になりうる化合物としては、たとえば2,4−ペ
ンタンジオン、2,4−ヘプタンジオンなどのβ−ジケ
トン類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト
酢酸ブチルなどのケトステル類、乳酸、乳酸メチル、乳
酸エチル、乳酸アンモニウム塩、サリチル酸、サリチル
酸メチル、サリチル酸エチル、リンゴ酸、リンゴ酸エチ
ル、酒石酸、酒石酸エチルなどのヒドロキシカルボン酸
類またはそのエステル、塩類、4−ヒドロキシ−4−メ
チル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノ
ン、4−ヒドロキシ−2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ
−4−メチル−2−ヘプタノンなどのケトアルコール
類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、
N−エチルモノエタノールアミン、N,N−ジメチルエ
タノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミンな
どのアミノアルコール類、マロン酸ジエチル、メチロー
ルメラミン、メチロール尿素、メチロールアクリルアミ
ドなどのエノール性活性水素化合物類などが好ましく、
これらの水素原子の全部または一部がフッ素原子および
/または塩素原子で置換された化合物などが表面濃縮性
の点からさらに好ましい。
【0030】またR1のうち有機基としては前記有機基
Rとして例示した有機基があげられる。R1とRは同じ
でも異なっていてもよい。特に好ましい有機基としては
CH2CF2CF3、CH2CH2817などがあげられ
る。
【0031】アルミニウム化合物の具体例としては、た
とえばAl(OC253、Al(OCH(C
323、Al(Osec−C493、Al(OCH
(CH322(CH3COCHCOOC25)、Al
(CH3COCHCOOC253、Al(CH3COC
HCOOC252(CH3COCHCOCH3)、Al
(CH3COCHCOCH33、Al(OCH2CF2
33、Al(OCH(CF323、Al(OCH
2(CF24H)3、Al(OCH2CH28173、A
l(OCH2CF2CF32(OCH3)、Al(OCH
(CF322(OCH3)、Al(OCH2CH28
172(OCH3)、Al(OCH2CF2CF32(O
H)、Al(OCH(CF322(OH)、Al(O
CH2CH28172(OH)、Al(OCH2CF2
32(OH)、Al(OCH(CF322(O
H)、Al(OCH2CH28172(OH)、Al
(OCOCF33、Al(OCOC253、Al(O
COC8173、Al(OCOCF32(OCH3)、
Al(OCOC252(OCH3)、Al(OCOC8
172(OCH3)、Al(CF3COCHCOCF3
3、Al(CF3COCHCOCF32(CH3COCH
COCH3)、Al(CF3COCHCOOC253
Al(CF3COCHCOOC252(CH3COCH
COCH3)、Al(CF3COCHCOCF32(O
H)、Al(CF3COCHCOOC252(OH)な
どがあげられ、これらのうち反応性、表面親水化能の点
から、Al(OCH(CH323、Al(OCH(C
322(CH3COCHCOOC25)、Al(CH
3COCHCOCH33が好ましい。
【0032】式(III)で示されるジルコニウム化合物
は、X2で示される有機キレート基および/またはR2
示される水素原子もしくは有機基を有する化合物であ
る。
【0033】有機キレート基X2としては前記有機キレ
ート基X1として例示したものがあげられ、それらのう
ちCH3COCHCOCH3、CH3COCHCOOC2
5が好ましい。
【0034】R2のうち有機基としては有機基Rとして
例示したものがあげられ、R2とR1および/またはRと
は同じでも異なっていてもよい。
【0035】ジルコニウム化合物の具体例としては、た
とえばZr(OC254、Zr(OCH(C
324、Zr(OC494、Zr(OCH(C
322(CH3COCHCOOC252、Zr(C
3COCHCOOC254、Zr(CH3COCHC
OOC252(CH3COCHCOCH32、Zr(C
3COCHCOCH34、Zr(OCH2CF2CF3
4、Zr(OCH(CF324、Zr(OCH2(C
24H)4、Zr(OCH2CH28174、Zr
(OCH2CF2CF32(OCH32、Zr(OCH
(CF322(OCH32、Zr(OCH2CH28
172(OCH32、Zr(OCH2CF2CF32(O
H)2、Zr(OCH(CF322(OH)2、Zr
(OCH2CH28172(OH)2、Zr(OCH2
2CF32(OH)2、Zr(OCH(CF32
2(OH)2、Zr(OCH2CH28172(O
H)2、Zr(OCOCF34、Zr(OCOC
254、Zr(OCOC8174、Zr(OCOC
32(OCH32、Zr(OCOC252(OC
32、Zr(OCOC8172(OCH32、Zr
(CF3COCHCOCF34、Zr(CF3COCHC
OCF32(CH3COCHCOCH32、Zr(CF3
COCHCOOC254、Zr(CF3COCHCOO
252(CH3COCHCOCH32、Zr(CF3
COCHCOCF32(OH)2、Zr(CF3COCH
COOC252(OH)2などがあげられ、これらのう
ち、Zr(OC494、Zr(OC492(CH3
OCHCOCH32、Zr(CH3COCHCOCH3
2(CH2COCHCOOC252が好ましい。
【0036】前記式(I)、(II)および(III)で示
される化合物は、オリゴマーの形でもよい。オリゴマー
は、直鎖状オリゴマー、分岐鎖状オリゴマー、環状オリ
ゴマー、三次元化オリゴマーなどの形をとっていてもよ
い。
【0037】また、(B)成分の式(II)および式(II
I)で示される化合物はそれぞれ1種または2種以上用
いてもよいし、さらに式(II)のアルミニウム化合物と
式(III)のジルコニウム化合物を併用してもよい。ア
ルミニウム化合物とジルコニウム化合物を併用するばあ
いは、アルミニウム化合物/ジルコニウム化合物(モル
比)が1/9〜9/1とするのが好ましい。
【0038】本発明の汚染付着防止剤は以上の(A)成
分と(B)成分とのコオリゴマーからなる。
【0039】本発明におけるコオリゴマーの重合度とし
ては2〜1000が好ましく、4〜100であることが
さらに好ましい。重合度が小さくなるとコオリゴマーの
沸点が低くなりやすく、塗装時に揮発しやすくなり、塗
膜に取り込まれにくくなる。重合度が1000を超える
と、合成時に重合度の制御が困難となったり、コオリゴ
マーの粘度が高くなりやすく、作業性に劣る傾向があ
る。特に(A)成分がフッ素原子を有しているとき、そ
の重合度は塗膜外観、耐タレ性、耐アルカリ性の点から
10を超え100以下であることが好ましく、たとえば
【0040】
【化1】
【0041】などが好ましい。
【0042】本発明におけるコオリゴマーのGPC分子
量(テトラヒドロフランを溶離液とし、ポリスチレン換
算した値)は、重量平均分子量で500〜10000で
あるのが好ましく、1000〜5000であるのがさら
に好ましい。分子量が小さくなると親水化の効果が下が
り、分子量が10000を超えると合成時および保存中
にゲル化を起こしやすくなる傾向がある。
【0043】前記式(I)、(II)および(III)で示
される有機金属化合物は、該有機金属化合物を構成する
金属(Si、Al、Zr)のハロゲン化物、アルキル金
属、金属アルコキシド、金属キレートなどの1種または
2種以上と該有機金属化合物の有機基に該当するアルコ
ール、カルボン酸、オキシム、β−ジケトン、β−ケト
エステル、アルカリ金属アルコキシド、カルボン酸のア
ルカリ金属塩などの1種または2種以上とを必要により
触媒の存在下、通常は1気圧付近で−20〜100℃、
好ましくは0〜80℃の温度で撹拌下、好ましくは乾燥
した不活性ガスの雰囲気下で反応させる方法により合成
することができる。また反応溶剤を用いてもよい。
【0044】このような合成法において、温度を0〜2
00℃、好ましくは20〜100℃とし、有機金属化合
物に反応溶液がなるべく均一になるように徐々に水を加
えることにより有機金属化合物が水と反応して加水分解
するとほぼ同時に縮合し、各有機金属化合物のオリゴマ
ーがえられる。
【0045】また、このような合成法において式(II)
および(III)で示される(B)成分の有機金属化合物
を2種以上用いることにより(B)成分としてのコオリ
ゴマーがえられる。なお、コオリゴマーはその分子鎖中
に2種以上の金属を含んでいてもよい。
【0046】本発明におけるコオリゴマーの重合度は、
反応させる水と(A)成分および(B)成分とのモル比
により制御できる。たとえば(A)成分および(B)成
分がすべてモノマーの際、[H2O]/[有機金属(S
i、Al、Zr)化合物]=0.4〜0.95の範囲内
のモル比で反応させると、重合度が2〜20程度のコオ
リゴマーがえられる。また、前記モル比を0.94〜
2.0の範囲内とすることにより、重合度が20を超え
るコオリゴマーがえられる。なお、前記コオリゴマーと
して、2種の有機金属化合物を用いてえられるコオリゴ
マーを構成するユニットの組成比(モル比)は1/99
〜99/1であることが好ましい。
【0047】前記触媒としては、たとえば塩酸、硫酸、
酢酸、パラトルエンスルホン酸、アンモニア、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,
8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(D
BU)、(−)−スパルテイン、4−N,N−ジメチル
アミノピリジン、モノエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレン
ジアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水
素ナトリウム、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムエ
トキシド、水酸化テトラメチルアンモニウム、硫酸水素
テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモ
ニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウムなどの酸/
アルカリ類、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズ
アセテート、ジオクチルスズマレエート、テトライソプ
ロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどの有機
金属化合物/有機金属塩類があげられるが、触媒残渣を
生成物から除去しやすいという点から塩酸、アンモニ
ア、トリエチルアミンが好ましい。
【0048】前記反応溶剤としてはメタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノ
ール、オクタノール、2,2,2−トリフルオロエタノ
ール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノー
ルなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサン、テトラヒドロピランなどのエーテル類、ア
セトン、酢酸2−メトキシエチルなどのケトン/エステ
ル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチル
ピロリドン、ポリオキサゾリンなどのアミド類、酢酸、
トリフルオロ酢酸、F(CF28COOHなどのカルボ
ン酸類、トリフルオロメチルベンゼン、m−ビストリフ
ルオロメチルベンゼンなどの含フッ素芳香族類などがあ
げられるが、溶解力が高いという点から2,2,2−ト
リフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロパノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジ
オキサン、テトラヒドロピランが好ましい。
【0049】かくしてえられるコオリゴマーは、防汚染
付着性、低帯電性、防くもり性に優れた汚染付着防止剤
を与えうる。さらに、コオリゴマーがフッ素原子を有し
ていることにより、たとえば優れた表面濃縮性、表面親
水化の再現性という効果がえられる。特にコオリゴマー
中のフッ素原子の含有率が、少なくとも5重量%、好ま
しくは15〜60重量%であることにより、たとえば優
れた表面濃縮性、表面親水化の再現性という効果がえら
れる。
【0050】また、コオリゴマーの重合度が20を超え
100以下であることにより、たとえば優れた塗膜外
観、耐タレ性、耐アルカリ性という効果がえられる。
【0051】本発明の塗料用組成物は、(1)前記いず
れかの汚染付着防止剤と(2)塗料用樹脂からなり、要
すれば(3)硬化剤および/または硬化触媒とからなる
ものである。該組成物からえられる塗膜は著しく優れた
防汚染付着性、低帯電性、防くもり性という効果を奏す
る。
【0052】前記塗料用樹脂としては、たとえば溶剤可
溶性で、水酸基および/またはカルボキシル基を有する
フルオロオレフィン共重合体、アクリルポリオール樹
脂、アクリルシリコーン樹脂、フルオロシリコーン樹
脂、無機系素材または官能基を有していないフッ化ビニ
リデンの単独重合体もしくは共重合体、水分散物の形態
のフッ化ビニリデン共重合体とアクリル共重合体の混合
物、水分散物の形態のフルオロオレフィン−ビニルエー
テル共重合体などがあげられるが、使用実績の点から水
酸基および/またはカルボキシル基を有するフルオロオ
レフィン共重合体、アクリルポリオール樹脂が好まし
い。
【0053】前記塗料用樹脂としてはその他に、官能基
を有しないフッ素樹脂(特公昭43−10363号、特
開平3−28206号、特開平4−189879号など
の各公報に記載のフッ化ビニリデンの単独重合体または
共重合体など)があげられ、前記の官能基を有する樹脂
にブレンドすることもできる。また、官能基を有しない
樹脂を用いるばあいは、本発明の塗料用組成物には硬化
剤や硬化触媒を用いる必要は限らずしもない。
【0054】前記水酸基および/またはカルボキシル基
を有するフルオロオレフィン共重合体としては、たとえ
ば特公昭60−21686号、特開平3−121107
号、特開平4−279612号、特開平4−28707
号、特開平2−232221号などの各公報に記載され
ているようなものがあげられる。該共重合体の数平均分
子量(GPCによる)は、1000〜100000であ
り、1500〜30000が好ましい。前記分子量が1
000未満であれば硬化性、耐候性が不充分になる傾向
があり、100000を超えると作業性、塗装性に問題
が生じる傾向がある。
【0055】前記共重合体の水酸基価としては、0〜2
00(mgKOH/g)であり、0〜150(mgKO
H/g)であることが好ましい。前記水酸基が少なくな
ると硬化不良になりやすい傾向があり、200(mgK
OH/g)を超えると塗膜の可撓性に問題が生じる傾向
がある。
【0056】前記共重合体の酸価としては、0〜200
(mgKOH/g)であり、0〜100(mgKOH/
g)であることがさらに好ましい。前記酸価が少なくな
ると硬化不良となりやすい傾向があり、200(mgK
OH/g)を超えると塗膜の可撓性に問題が生じる傾向
がある。
【0057】なお、前記共重合体のひとつとして、防汚
染付着性、汚染除去性、防錆性の点からテトラフルオロ
エチレン共重合体を用いることもできる。
【0058】前記共重合体としては、たとえばダイキン
工業(株)製ゼッフル、旭硝子(株)製ルミフロン、セ
ントラル硝子(株)製セフラルコート、大日本インキ化
学工業(株)製フルオネート、東亜合成(株)製ザフロ
ンなどの市販品があげられる。
【0059】前記アクリルポリオール樹脂としては、た
とえば下記水酸基含有重合性不飽和単量体(a)および
必要に応じてその他の重合性不飽和単量体(b)を単量
体成分とする重合体であればよい。
【0060】単量体(a)としては、下記式(IV)〜
(VII)で表わされる化合物をあげることができる。
【0061】
【化2】
【0062】[式中、R4は水素原子またはヒドロキシ
アルキル基を示す。]
【0063】
【化3】
【0064】[式中、R4は前記に同じ。]
【0065】
【化4】
【0066】[式中、Zは水素原子またはメチル基を示
し、mは2〜8の整数、pは2〜18の整数、qは0〜
7の整数を示す。]
【0067】
【化5】
【0068】[式中、Zは前記に同じ、T1およびT
2は、同一もしくは異なって、炭素数1〜20の2価の
炭化水素基を示す。sおよびvはそれぞれ0〜10の整
数を示す。ただし、sとvの和は、1〜10である。] 式(IV)および(V)における、ヒドロキシアルキル基
は、アルキル部分の炭素数が1〜6のヒドロキシアルキ
ル基である。具体的には、−C24OH、−C36
H、−C48OHなどをあげることができる。
【0069】式(VII)における炭素数1〜20の2価
の炭化水素基としては、たとえば
【0070】
【化6】
【0071】などをあげることができる。
【0072】式(IV)の単量体成分としては、たとえば CH2=CHOH、 CH2=CHO(CH24OH などをあげることができる。
【0073】式(V)の単量体成分としては、たとえば
【0074】
【化7】
【0075】などをあげることができる。
【0076】式(VI)の単量体成分としては、たとえば
【0077】
【化8】
【0078】などをあげることができる。
【0079】式(VII)の単量体成分としては、たとえ
【0080】
【化9】
【0081】などをあげることができる。
【0082】さらに、前記以外にも前記式(IV)〜(VI
I)で表わされる水酸基含有不飽和単量体とε−カプロ
ラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類との付
加物などが使用できる。
【0083】その他の重合性不飽和単量体(b) 下記(b−1)〜(b−9)のものをあげることができ
る。
【0084】(b−1)オレフィン系化合物:たとえば
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン、クロロ
プレンなど。
【0085】(b−2)ビニルエーテルおよびアリルエ
ーテル:たとえばエチルビニルエーテル、プロピルビニ
ルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニ
ルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ペンチ
ルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、イソヘキ
シルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、4−メ
チル−1−ペンチルビニルエーテルなどの鎖状アルキル
ビニルエーテル類、シクロペンチルビニルエーテル、シ
クロヘキシルビニルエーテルなどのシクロアルキルビニ
ルエーテル類、フェニルビニルエーテル、o−,m−,
p−トリビニルエーテル類などのアリールビニルエーテ
ル類、ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエー
テルなどのアラルキルビニルエーテル類など。
【0086】(b−3)ビニルエステルおよびプロペニ
ルエステル;たとえば酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビ
ニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、イソカプロ
ン酸ビニル、ピバリック酸ビニル、カプリン酸ビニルな
どのビニルエステル類および酢酸イソプロペニル、プロ
ピオン酸イソプロペニルなどのプロペニルエステルな
ど。
【0087】(b−4):アクリル酸またはメタクリル
酸のエステル:たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラ
ウリルなどのアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数1
〜18のアルキルエステル;アクリル酸メトキシブチ
ル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシ
エチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エト
キシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリ
ル酸またはメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシ
アルキルエステル類など。
【0088】(b−5)ビニル芳香族化合物:たとえば
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−
クロルスチレンなど。
【0089】(b−6)その他:アクリロニトリル、メ
タクリルロニトリルなど。
【0090】(b−7)カルボキシル基含有単量体:式
(VIII):
【0091】
【化10】
【0092】(式中、R5、R6およびR7は同じかまた
は異なり、いずれも水素原子、アルキル基、フェニル
基、カルボキシル基またはエステル基であり、nは0ま
たは1である)または式(IX):
【0093】
【化11】
【0094】(式中、R13およびR14は同じかまたは異
なり、いずれも飽和または不飽和の直鎖または環状アル
キル基、nは0または1、mは0または1である)で表
わされるカルボキシル基含有ビニル単量体があげられ
る。具体例としては、たとえばアクリル酸、メタクリル
酸、ビニル酢酸、クロトン酸、桂皮酸、3−アリルオキ
シプロピオン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステ
ル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸
無水物、フマル酸、フマル酸モノエステル、フタル酸ビ
ニル、ピロメリット酸ビニルなどがあげられる。
【0095】(b−8)エポキシ基含有単量体:
【0096】
【化12】
【0097】(b−9)アミノ含有単量体:
【0098】
【化13】
【0099】前記アクリルポリオール樹脂としては、水
酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基を有して
いてもよい。
【0100】前記アクリルポリオール樹脂の水酸基価と
しては0〜200(mgKOH/g)であり、0〜10
0(mgKOH/g)であることが好ましい。前記水酸
基価が少なくなると硬化不良になりやすい傾向があり、
200(mgKOH/g)を超えると塗膜の可撓性に問
題が生じる傾向がある。
【0101】前記アクリルポリオール樹脂の酸価として
は、0〜200(mgKOH/g)であり、0〜100
(mgKOH/g)であることがさらに好ましい。前記
酸価が少なくなると硬化が不良になりやすい傾向があ
り、200(mgKOH/g)を超えると塗膜の可撓性
に問題が生じる傾向がある。
【0102】前記アクリルポリオール樹脂としては、た
とえば三菱レーヨン(株)製ダイヤナール、大日本イン
キ化学工業(株)製アクリディック、日立化成工業
(株)ヒタロイド、三井東圧化学(株)製オレスターな
どの市販品を用いることができる。
【0103】前記アクリルシリコーン樹脂としては、た
とえばつぎにあげるようなアクリルシリコーンモノマー
を式(IV)〜(VII)の化合物および/またはその他重
合性不飽和単量体(b)と共に重合したものであればよ
い。
【0104】該アクリルシリコーンモノマーは、1分子
中に、少なくとも1個のシラン基と、ラジカル重合性不
飽和基とを有する化合物である。ラジカル重合性不飽和
基としては、たとえば
【0105】
【化14】
【0106】[式中、R8は水素原子またはメチル基で
ある]などをあげることができる。
【0107】ラジカル重合性不飽和基が
【0108】
【化15】
【0109】のシラン基含有重合性不飽和単量体として
は、たとえば下記式(X)で表わされる化合物をあげる
ことができる:
【0110】
【化16】
【0111】[式中、R9は炭素数1〜20の炭化水素
基を示し、Yは同一または異なって、水素原子、水酸
基、加水分解性基、炭素数1〜8のアルキル基、アリー
ル基またはアラルキル基を示す。ただし、Yの少なくと
も1個は水素原子、水酸基または加水分解性基であ
る]。
【0112】式(X)で表わされる化合物の具体例とし
ては、たとえばγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
トリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アク
リロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジプロポ
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチ
ルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
ジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルフェニルメチルメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルフェニルメチルエトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルトリシラノール、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルメチルジヒドロキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジヒドロ
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチ
ルヒドロキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピ
ルフェニルメチルヒドロキシシランなどがあげられる。
【0113】前記アクリルシリコーン樹脂は加水分解性
シリル基、水酸基、エポキシ基を有してもよい。
【0114】前記アクリルシリコーン樹脂としては、た
とえば鐘淵化学工業(株)製ゼムラック、三洋化成工業
(株)製クリヤマーなどの市販品を用いることができ
る。
【0115】本発明においては、前記塗料用樹脂として
非含フッ素の非加水分解性基含有金属(Si、Ti、A
lなど)アルコキシド、非含フッ素の非加水分解性基含
有オルガノポリシロキサン、非含フッ素の金属(Si、
Ti、Alなど)アルコキシドなどの無機系素材も用い
られうる。
【0116】前記無機系素材としては、たとえばグンゼ
産業(株)発売エコルトン、日本合成ゴム(株)製グラ
スカ、トウペ(株)製ポーセリン、日本油脂(株)製ベ
ルクリーン、ベルハード、東レ・ダウコーニング・シリ
コーン(株)製SH、SRおよびDCシリーズ、信越化
学工業(株)製KRシリーズ、味の素(株)製プレンア
クト、日本曹達(株)製有機チタネート、川研ファイン
ケミカル(株)製アルミニウムアルコレートおよびアル
ミニウムキレート化合物、北興化学工業(株)製ジルコ
ニウムアルコキサイド、日本ユニカー(株)製複合変性
シリコーンオイルならびにMMCAなどの市販品を用い
ることができる。
【0117】前記フルオロシリコーン樹脂としては、た
とえば特開平4−279612号公報に記載のものなど
があげられる。
【0118】水分散物の形態のフッ化ビニリデン共重合
体とアクリル共重合体の混合物も塗料用樹脂として使用
できる。この例としては、たとえばWO 96/068
87号公報、WO 96/12773号公報記載のもの
などがあげられる。また、水分散物の形態のフルオロオ
レフィン−ビニルエーテル共重合体も使用できる。いず
れのばあいも、固形分濃度は約20〜60重量%程度と
するのが好ましい。
【0119】前記硬化剤としては、たとえばイソシアネ
ート化合物、ブロックイソシアネート化合物、メラミン
樹脂、二塩基酸、非加水分解性基含有シラン化合物、エ
ポキシ樹脂または酸無水物などがあげられるが、耐候
性、耐酸性雨性の点からイソシアネート、ブロックイソ
シアネート、エポキシ樹脂が好ましい。
【0120】前記イソシアネート化合物、ブロックイソ
シアネート化合物としては、たとえば2,4−トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシア
ネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、n−ペンタン−1,4−ジイソシ
アネート、これらの三量体、これらのアダクト体やビュ
ウレット体、これらの重合体で2個以上のイソシアネー
ト基を有するもの、さらにブロック化されたイソシアネ
ート類などがあげられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0121】イソシアネートと塗料用樹脂との混合割合
はNCO/OH(モル比)で0.5〜5.0が好まし
く、さらに0.8〜1.2がより好ましい。また、イソ
シアネートが湿気硬化タイプのばあいは1.1〜1.5
が好ましい。
【0122】前記メラミン樹脂としては、たとえばメラ
ミン樹脂のほか、メラミンをメチロール化したメチロー
ル化メラミン樹脂、メチロール化メラミンをメタノー
ル、エタノール、ブタノールなどのアルコール類でエー
テル化したアルキルエーテル化メラミン樹脂などがあげ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0123】前記エポキシ化合物としては、たとえば
【0124】
【化17】
【0125】などがあげられるがこれらに限定されるも
のではない。
【0126】前記酸無水物としては、たとえば無水フタ
ル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水
1,2−シクロヘキシルジカルボン酸、無水コハク酸、
無水マレイン酸などがあげられるがこれらに限定される
ものではない。
【0127】また、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,2−シ
クロヘキシルジカルボン酸などの二塩基酸も硬化剤とし
て用いられる。
【0128】硬化触媒としては、たとえば有機スズ化合
物、有機酸性リン酸エステル、有機チタネート化合物、
酸性リン酸エステルとアミンとの反応物、飽和または不
飽和の多価カルボン酸またはその酸無水物、有機スルホ
ン酸、アミン系化合物、アルミニウムキレート化合物、
チタニウムキレート化合物、ジルコニウムキレート化合
物などがあげられる。
【0129】前記有機スズ化合物の具体例としては、ジ
ブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジ
オクチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテートな
どがあげられる。
【0130】前記有機酸性リン酸エステルの具体例とし
ては、
【0131】
【化18】
【0132】などがあげられる。
【0133】前記有機チタネート化合物としては、たと
えばテトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタ
ネート、トリエタノールアミンチタネートなどのチタン
酸エステルがあげられる。
【0134】さらに前記アミン系化合物の具体例として
は、たとえばブチルアミン、オクチルアミン、ジブチル
アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グア
ニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N
−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ(5.
4.0)ウンデセン−7(DBU)などのアミン系化合
物、さらにはそれらのカルボン酸などの塩、過剰のポリ
アミンと多塩基酸よりえられる低分量ポリアミド樹脂、
過剰のポリアミンとエポキシ化合物の反応生成物などが
あげられる。
【0135】前記キレート化合物の具体例としてはアル
ミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニ
ウムトリス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテ
トラキス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシ
・ビス(エチルアセトアセテート)チタネートなどがあ
げられる。
【0136】硬化触媒は1種を用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。好ましい硬化触媒としては、有機ス
ズ化合物、アルミニウムキレート化合物があげられる。
【0137】本発明における、前記塗料用樹脂と硬化剤
および/または硬化触媒との組み合わせとしては、とく
に限定されないが好ましい組み合わせとしてはつぎのよ
うなものがあげられる。
【0138】水酸基および/またはカルボキシル基を有
するフルオロオレフィン共重合体またはアクリルポリオ
ール樹脂のばあい、これらが水酸基を有するときの硬化
剤としてはイソシアネート化合物、ブロックイソシアネ
ート化合物またはメラミン樹脂であり、カルボキシル基
を有するときの硬化剤としてはメラミン樹脂またはエポ
キシ化合物である。なお、これらの系においては硬化触
媒も併用できる。
【0139】アクリルシリコーン樹脂、フルオロシリコ
ーン樹脂または無機系素材のばあいは硬化触媒を用いれ
ばよい。
【0140】前記塗料用樹脂と前記汚染付着防止剤との
配合割合については、塗料用樹脂100重量部に対して
汚染付着防止剤が0.1〜50重量部であり、1〜30
重量部であることが好ましい。0.1重量部未満である
と防汚染付着性が低くなる傾向があり、50重量部を超
えると塗膜の外観不良、樹脂との相溶性が低下する傾向
がある。
【0141】本発明においては、前記塗料用組成物に有
機溶剤を配合することができる。
【0142】前記有機溶剤としては、たとえばキシレ
ン、トルエン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、
ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、
酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコール、酢
酸ジエチレングリコールなどのエステル系溶剤、ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エ
チレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコー
ルジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトンなど
のケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N−
メチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メ
チルホルムアミドなどのアミド系溶剤、ジメチルスルホ
キシドなどのスルホン酸エステル系溶剤、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール(重合度3〜100)、CF3CH2OH、F(C
22CH2OH、(CF32CHOH、F(CF23
CH2OH、F(CF2425OH、H(CF22
2OH、H(CF23CH2OH、H(CF24CH2
OHなどのアルコール系溶剤などがあげられるが、相溶
性、塗膜外観、貯蔵安定性の点から低級アルコール、低
級フッ素アルコールなどのアルコール系溶剤が好まし
い。
【0143】前記塗料用樹脂とアルコール系溶剤との配
合割合については、塗料用樹脂100重量部に対してア
ルコールが1〜50重量部であり、硬化性、塗膜外観の
点から1〜25重量部であることがさらに好ましい。
【0144】また、硬化剤が常温硬化型のイソシアネー
トなどのようにアルコールと反応性の高いばあいには、
さらにアルコールは1〜15重量部であるのが好まし
く、アルコールの種類も2級または3級アルコールが好
ましい。
【0145】本発明の塗料用組成物は、溶剤溶解性に優
れ、形成された塗膜は高度の耐候性を有し、防汚染付着
性や耐薬品性、光学的性質、機械的性質、基材への密着
性、耐熱黄変性などに優れたものである。また、該組成
物は、通常の硬化用組成物と同じく建材、内装材などの
屋内用あるいは建材、自動車、航空機、船舶、電車など
の屋外用の塗料として金属、コンクリート、プラスチッ
クなどに直接、あるいはウォッシュプライマー、錆止め
塗料、エポキシ樹脂、アクリル樹脂塗料、ポリエステル
樹脂塗料などの下塗り塗料の上に重ねて塗装することが
できる。さらにシーリング剤やフィルム形成剤としても
使用できる。
【0146】また塗料組成は、クリヤー、ソリッド、充
填剤(フィラー)配合など種々の形態を採用できる。
【0147】塗装方法については、スプレー、ハケ、ロ
ーラ、カーテンフロー、ロール、ディップなど種々の方
法が用いられる。
【0148】本発明の塗料用組成物には、たとえば顔
料、顔料分散剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、造膜
助剤、紫外線吸収剤、HALS、艶消し剤、フィラー、
コロイダルシリカ、防カビ剤、シランカップリング剤、
皮張り防止剤、酸化防止剤、難燃剤、垂れ防止剤、帯電
防止剤、防錆剤、水溶性樹脂(ポリビニルアルコール、
ポリエチレンオキサイドなど)などの塗料用添加剤を配
合することもできる。
【0149】前記顔料としては、たとえば酸化チタン、
酸化鉄、アルミメタリック顔料、カーボンブラック、焼
成顔料、フタロシアニン系顔料、有機顔料、体質顔料な
どがあげられる。
【0150】前記酸化チタンとしては、たとえば石原産
業(株)製タイペークCR−90、CR−93、CR−
95、CR−97などがあげられる。
【0151】前記酸化鉄としては、たとえば戸田工業
(株)製トダカラー120ED、140ED、160E
D、KN−R、KN−V、チタン工業(株)製TARO
XのLL−XLO、HY−100、HY−200、BL
−100、BL−500などがあげられる。
【0152】前記アルミメタリック顔料としては、たと
えば東洋アルミニウム(株)製アルペースト0100M
A、0700M、0200M、0215M、1950
M、1900M、1100M、1109M、1200
M、8820YF、7080N、MG600、1700
Nなどがあげられる。
【0153】前記カーボンブラックとしては、たとえば
三菱化学(株)製MA7、MA11、MA100、OI
L7B、OIL30B、OIL31Bなどがあげられ
る。
【0154】前記焼成顔料としては、たとえば大日精化
(株)製ダイピロキサイド#9510、#9512、#
9410、#9310などがあげられる。
【0155】前記フタロシアニン系顔料としては、たと
えば大日精化(株)製#5195N、#5370などが
あげられる。
【0156】前記体質顔料としては、たとえば、アスベ
ステン、炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、クレ
ー、カオリン、陶土、珪酸アルミニウム、珪藻土、ホワ
イトカーボン、シリカ白、含水微粉珪酸、ベントナイ
ト、タルク、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、バ
ライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウムなどがあ
げられる。
【0157】前記顔料分散剤としては、たとえばビック
ケミー・ジャパン(株)製Anti−Terra−P、
Anti−Terra−U、Anti−Terra−2
03/204、Disperbyk、Disperby
k−101、Disperbyk−110、Dispe
rbyk130、Disperbyk161、Disp
erbyk−164、Disperbyk−170、B
ykumen、BYK−P104/P105、BYK−
104S、BYK−240S、Lactimonなどが
あげられる。
【0158】前記レベリング剤としては、たとえばビッ
クケミー・ジャパン(株)製BYK−300、BYK−
302、BYK−306、BYK−307、BYK−3
35、BYK−310、BYK−320、BYK−32
2、BYK−323、BYK−324、BYK−32
5、BYK−330、BYK−331、BYK−33
3、BYK−344、BYK−370、BYK−35
4、BYK−355、BYK−358などがあげられ
る。
【0159】前記増粘剤としては、たとえば楠本化成
(株)製ディスパロン#6900−20X、#6900
−10S、#4200−20、#4200−10、NL
ケミカルズ(株)製ベントンSD−1、SD−2、SD
−3、#27、#34、#38、MPA−2000Xな
どがあげられる。
【0160】前記消泡剤としては、たとえばビックケミ
ー・ジャパン(株)製BYK−051、BYK−05
2、BYK−053、BYK−055、BYK−05
7、BYK−065、BYK−066、BYK−07
0、BYK−077、BYK−080、BYK−08
8、BYK−141などがあげられる。
【0161】前記紫外線吸収剤としては、たとえばベン
ゾフェノン系およびベンゾトリアゾール系のものが好適
であり、これらのうちでもベンゾフェノン系では、2,
2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェ
ノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メチトキベンゾフ
ェノンおよび2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノンが、ベンゾトリアゾール系では2−(2′
−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾール)、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−ク
ロル−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
5′−フェニルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tertブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtertブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(2′−ヒドロ
キシ−5′−tertオクチルフェニル)ベンゾトリア
ゾールが有効である。
【0162】とくに好適な紫外線吸収剤は、式(XI):
【0163】
【化19】
【0164】(式中、R10およびR11は同じかまたは異
なり、いずれも水素原子、低級アルキル基、なかでも分
岐鎖状の低級アルキル基、またはアリール基、とくにフ
ェニル基を表わし、Xは水素原子またはハロゲン原子、
とくに塩素原子である)で示されるものである。
【0165】前記HALSとしては、たとえばチバ・ガ
イギー(株)製チヌビン−770、292、62212
3、440などがあげられる。
【0166】前記艶消し剤としては、たとえばヘキスト
インダストリー(株)製セリダスト#3620、#96
15A、#9612A、#3715、#3910など、
ヘキストワックスPE520、ホワイトカーボンなどが
あげられる。
【0167】前記シランカップリング剤としては、たと
えばメチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(グリシジル
オキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルイ
ソシアネート、3−トリエトキシシリルプロピルイソシ
アネート、メチルトリス(エチルメチルケトオキシム)
シランなどがあげられ、アルキルケトオキシム基または
イソシアネート基を含有するものが好ましい。
【0168】本発明の塗料用組成物は、各種基材に塗装
することができ、塗装する基材としては、たとえば金属
系基材、セメント系基材、プラスチック系基材などがあ
げられる。
【0169】前記金属系基材としては、たとえば鉄およ
びその化成処理物またはメッキ物、アルミおよびその化
成処理物、ステンレス鋼およびその化成処理物などがあ
げられる。
【0170】前記セメント系基材としては、たとえばセ
メント類、石灰類、セッコウ類、コンクリート、セメン
トモルタル、石綿スレート、石膏ボードなどがあげられ
る。
【0171】前記プラスチック系基材としては、たとえ
ばポリ塩化ビニル類、ポリエステル類、ポリカーボネー
ト類、アクリル類、ポリオレフィン類、ポリスチレン
類、ポリウレタン類、ポリアミド類、ナイロン類、天然
ゴム類、ウレタンゴム類、ABS樹脂類などがあげられ
る。
【0172】基材が金属系基材のばあいは、たとえばつ
ぎのような下塗り塗料、中塗り塗料を塗装したのちに、
本発明の塗料用組成物を塗装するのが、防食性、相間密
着性の点から好ましい。
【0173】このばあい、ジンクリッチペイント塗料が
下塗り塗料として好ましい。
【0174】有機質系のジンクリッチペイントのビヒク
ルとしては、たとえばエポキシ樹脂−ポリアミド樹脂の
組合せ、塩化ゴム、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂
などがあげられる。また無機質系のジンクリッチペイン
トのビヒクルとしてはエチルシリケート、ナトリウムシ
リケート、リチウムシリケート、カリウムシリケート、
アンモニウムシリケートなどがあげられる。とくに本発
明の目的に対して好ましいビヒクルは、エポキシ樹脂−
ポリアミド樹脂の組合せ、エチルシリケート、カリウム
シリケート、リチウムシリケートである。
【0175】その他下塗り塗料、中塗り塗料の例として
は、好ましくはエポキシ樹脂(タール変性、ウレタン変
性を含む)、ビニル系樹脂(タール変性、アクリル樹脂
を含む)、塩化ゴム、ポリウレタン樹脂、およびフェノ
ール樹脂から選ばれた少くとも1種の合成樹脂に、通常
使用される着色顔料、体質顔料、沈殿防止剤、分散剤、
硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、溶剤などを混練してえら
れる塗料である。
【0176】前記エポキシ樹脂は、分子中に2個以上の
エポキシ基を有する、通常塗料用に使用される樹脂であ
る。
【0177】前記エポキシ樹脂のうちは、たとえばビス
フェノール型エポキシ樹脂としては、一般に市販されて
いるシエル化学(株)製の商品名エピコート828、8
34、836、1001、1004、DX−255、チ
バガイギー(株)製の商品名アラルダイトGY−26
0、ダウ・ケミカル(株)製の商品名DER330、3
31、337:大日本インキ化学工業(株)製の商品名
エピクロン800などがあげられる。フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂としては一般に市販されているダウ
・ケミカル(株)製の商品名DEN431、438、ポ
リグリコール型エポキシ樹脂としては、市販されている
チバガイギー(株)製の商品名アラルダイトCT−50
8、ダウケミカル(株)製の商品名DER−732、7
36などがあげられる。また、エステル型エポキシ樹脂
としては、たとえば大日本インキ化学工業(株)製の商
品名エピクロン200、400;線状脂肪族エポキシ樹
脂としては、たとえば日本曹達(株)製の商品名BF−
1000のごときエポキシ化ポリブタジエンなどがあげ
られる。
【0178】さらにこれらの樹脂から、容易に類推され
るエポキシ系化合物、ならびに前記エポキシ樹脂の誘導
体も同様に使用可能であり本発明の技術的範囲内に含ま
れる。
【0179】たとえばポリオール型エポキシ樹脂、脂環
式エポキシ樹脂、ハロゲン含有エポキシ樹脂などが含ま
れる。
【0180】前記エポキシ樹脂には天然アスファルト、
アスファルタイト、アスファルト性パイロビチュメン、
タール、コールタール、人造アスファルト、ピッチなど
の歴青質を混合することができる。
【0181】また、前記エポキシ樹脂の硬化剤として
は、アミンアダクト、ポリアミド樹脂など通常塗料用に
使用されるものが使用可能である。
【0182】前記硬化剤のうち、たとえばポリアミド樹
脂としては一般に市販されている富士化成工業(株)製
商品名トーマイドY−25、245、2400、250
0、第一ゼネラル(株)製商品名ゼナミド2000、バ
ーサミド115、125、三和化学(株)製商品名サン
マイド320、330、X2000、シェル化学(株)
製商品名エピキュアー3255、4255、アミンアダ
クト樹脂として富士化学工業(株)製商品名トーマイド
238、フジキュアー202、旭電化(株)製商品名ア
デカハードナーEH−531などがあげられる。脂肪族
ポリアミンとしては三和化学(株)製商品名サンマイド
T−100、D−100、P−100、複素環状ジアミ
ン誘導体としては味の素(株)製エポメートB−00
2、C−002、S−005などがあげられる。
【0183】前記硬化剤のエポキシ樹脂に対する添加量
は当量前後、すなわちエポキシ樹脂1当量に対して約
0.7〜1.3当量の範囲である。
【0184】また、ポリイソシアネートを前記エポキシ
樹脂の硬化剤として使用することもできる。
【0185】本発明に使用されるビニル系樹脂として
は、たとえば塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、スチレン、ビニルトルエン、
ビニルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸
アルキルエステルなどのモノマーの1種もしくは2種以
上の共重合体であり、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂などがあげられ
る。
【0186】また、本発明に使用される塩化ゴム樹脂は
天然ゴムの塩素化物で通常塩素含量65〜68%の化合
物である。
【0187】塩化ゴムはロジン、クマロン−インデン樹
脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、石油樹脂、ニト
リルゴム、クロロプレンゴム、アルキド樹脂と混合して
使用することができる。
【0188】また、塩化ゴムは塩化パラフィン、塩化ジ
フェニル、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォス
フェートなどの可塑剤と混合して使用される。
【0189】さらに、本発明に使用されるポリウレタン
樹脂は、分子中に2個以上の活性水素を有する化合物、
たとえば多塩基酸と多価アルコールからえられるポリエ
ステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオキ
シアルキレングリコール、アクリルポリオールなどが主
剤であり、前述した分子中に2個以上のイソシアネート
基を有するポリイソシアネートが硬化剤である組成物で
ある。
【0190】基材がセメント系基材のばあいは、たとえ
ばつぎのような下塗り塗料、中塗り塗料を塗装したのち
に、本発明の塗料用組成物を塗装するのが好ましい。
【0191】下塗り塗料としては、未硬化型合成樹脂エ
マルジョン系複層仕上げ塗料、反応硬化形水溶性エポキ
シ樹脂複層模様仕上げ塗料および反応硬化形溶剤系エポ
キシ樹脂複層仕上げ塗料などの複層仕上げ塗料を用いる
ことがとくに好ましい。前記未硬化型合成樹脂エマルジ
ョンの樹脂成分としては、たとえばアクリル系樹脂、酢
酸ビニル系樹脂およびこれらの変性樹脂などが包含され
る。また、前記反応硬化型水性または溶剤系のエポキシ
樹脂の硬化系としては、たとえばエポキシ−ポリアミン
系、エポキシ−ポリアミド系、エポキシ−ポリアミンポ
リアミド系などが包含される。
【0192】下塗り塗料をセメント系基材に塗装する方
法は、たとえば吹付け塗装、ローラー塗装などにより行
うことができる。塗布量は通常0.5〜2.0kg/m
2で充分と思われる。また、乾燥は通常1〜3日行われ
るのが一般的である。
【0193】前記下塗り塗料をセメント系基材に塗装す
る前に、一般的に建築用下地処理に使用されている従来
から公知のプライマー、サーフェサーシーラーなどを塗
装しておくことができる。また、前記下塗り塗料以外に
も溶剤形エポキシ樹脂系などのシーラーに直接もしくは
該シーラーを塗布し、つぎにイソシアネート硬化型樹脂
塗料などで平滑仕上げを行なったものも包含される。
【0194】本発明の塗料用組成物を下塗り塗膜に塗装
する方法は、たとえばローラー塗装、刷毛塗装、吹付け
塗装などにより行うことができる。塗布量は0.05〜
0.5kg/m2、好ましくは0.1〜0.3kg/m2
である。また、乾燥については、常温で1日以上乾燥さ
せることにより硬化塗膜が形成できる。
【0195】改修塗装方法としては、セメント系基材に
塗装した建築外装用塗膜の旧上塗り塗膜に必要に応じて
下地処理を行なったのち、本発明の塗料用組成物を塗装
して改修を行なう方法がある。
【0196】前記方法において旧上塗り塗膜としては、
とくに限定されないが前記の本発明の塗料用組成物に使
用されるような硬化型フッ素塗料、硬化型アクリル塗
料、アクリルシリコン塗料、カルボニル−ヒドラジド硬
化型水性塗料、酢酸ビニル変性アクリル樹脂系塗料など
の非架橋溶剤系塗料およびアクリル樹脂系水性塗料など
の非架橋水性塗料によって形成された塗膜であることが
とくに好ましい。
【0197】また、前記カルボニル−ヒドラジド硬化系
水性塗料としては、カルボニル基含有共重合体水分散液
にジヒドラジド架橋剤およびヒドラジン残基を有する水
性ポリウレタン樹脂を配合してなる塗料(たとえば特願
平4−171683号公報)があげられる。前記旧上塗
り塗膜とセメント系基材とのあいだにはプライマー、サ
ーフェサーが塗装されていてもよく、また、さらにプラ
イマー、サーフェサーの上に複層塗材が塗装されていて
もよい。
【0198】旧上塗り塗膜に必要に応じて行なう下地処
理は、たとえば下記の下地処理剤を塗布することによっ
て実施できる。該下地処理剤としては、たとえばセメン
ト系(たとえばセメント/合成樹脂エマルジョン系な
ど)のフィラーまたはサーフェサー、反応硬化樹脂系
(たとえばエポキシポリアミン系、エポキシポリアミド
系など)の浸透形シーラーなどが好ましい例としてあげ
られる。
【0199】下地処理方法は前記下地処理剤をたとえば
ローラー、刷毛などで塗装することによって実施でき
る。また、下地処理剤の塗布量は、たとえばフィラーの
ものでは0.3〜2.0kg/m2、サーフェサーでは
0.1〜1.0kg/m2、浸透形シーラーでは0.0
1〜0.5kg/m2で充分と考える。
【0200】また、これらの下地処理剤を塗装したの
ち、さらにポリイソシアネート硬化型溶剤系塗料を塗装
することができる。この塗料の塗装は、たとえばローラ
ー、刷毛、吹付けによって行なうことができる。また、
塗布量は0.05〜0.5kg/m2で充分と考える。
前記下地処理剤およびポリイソシアネート硬化型溶剤系
塗料の乾燥は通常1〜3回行なわれる。また、本発明の
塗料用組成物の塗装、乾燥は前記した本発明の塗料用組
成物のばあいと同様の方法で行なうことができる。
【0201】基材がプラスチック系基材であるばあいも
前記金属系基材、セメント系基材に使用される下塗り塗
料、中塗り塗料を塗装したのちに、本発明の塗料用組成
物を塗装することもできる。
【0202】基材がプラスチック系基材のうちでもフィ
ルム、シートであるばあいの塗装方法としては、たとえ
ばグラビアコーティング法、ドクターブレード法、ロー
ルコート法、リバースロール法、エヤーナイフコート法
などがあげられる。これらの塗装方法のばあい、塗装膜
厚としては塗膜外観、塗装性の点から1〜20μm、好
ましくは1〜10μmが適当である。
【0203】本発明の塗料用組成物が塗装された物品の
用途としては、たとえば建築用防水シート、トンネル用
防水シート、農業用ビニールシート、農業用ビニールフ
ィルム、養生シート、建築用保護シート、車両用保護シ
ート、メッシュシート、メッシュスクリーン、ポリカー
ボネート屋根、アクリルボード壁、ポリカーボネート
壁、ガードレール、信号機、トンネル内壁、トンネル内
装板、道路標識、案内板、高速道路側壁、高速道路防音
壁、道路灯、橋梁、橋桁、橋脚、煙突、壁紙、畳、マッ
ト、テーブルクロス、換気扇、マーキングフィルム、ジ
オメンブレン、広告板、郵便ポスト、電柱、テント、自
動車、航空機、船舶、電車などがあげられる。
【0204】つぎに本発明の汚染付着防止剤および塗料
用組成物の好ましい態様を例示する。
【0205】[1]汚染付着防止剤 以下の(A)成分と(B)成分のコオリゴマー。
【0206】(1)(A)成分:少なくとも1つのフル
オロアルキル基を有するシリケート化合物 (B)成分:少なくとも1つのアルコキシド基を有する
アルミニウム化合物 (A)/(B)(モル比):99/1〜50/50 重合度:10〜50 効果:表面親水化能、可撓性、反応性に優れる。
【0207】(2)(A)成分:少なくとも1つのフル
オロアルキル基を有するシリケート化合物 (B)成分:少なくとも1つのアルコキシド基を有する
ジルコニウム化合物 (A)/(B)(モル比):99/1〜50/50 重合度:10〜50 効果:表面親水化能、可撓性、耐薬品性に優れる。
【0208】[2]塗料用組成物 つぎの汚染付着防止剤、塗料用樹脂、硬化剤および/ま
たは硬化触媒の組合せ。「部」は重量部である(以下同
様)。
【0209】 (1)汚染付着防止剤:前記(1)の汚染付着防止剤 1〜15部 塗料用樹脂:溶剤可溶で水酸基および/またはカルボキシル基を有するフルオロ オレフィン共重合体 90〜100部 硬化剤および/または硬化触媒:イソシアネート化合物 10〜50部 効果:防汚染付着性、耐候性、可撓性に優れる。
【0210】 (2)汚染付着防止剤:前記(2)の汚染付着防止剤 1〜15部 塗料用樹脂:フルオロシリコーン樹脂 90〜100部 硬化剤および/または硬化触媒:ジブチル錫ジラウレート 0.01〜0.1部 効果:防汚染付着性、耐候性、可撓性、耐薬品性に優れ
る。
【0211】つぎに本発明を合成例、実施例などにより
具体的に説明するが、本発明はかかる合成例、実施例の
みに限られるものではない。
【0212】合成例1 ガラス製500mlの4つ口フラスコにMe51(コル
コート社製、メチルシリケートの平均約4量体)250
gとAMD(川研ファインケミカル(株)製、モノse
c−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート)38.
7gを仕込む。これに水3.19gとメタノール25g
との混合溶液を滴下漏斗を用いて、約10分間かけて徐
々に加える。この反応溶液を50℃で1時間撹拌したの
ち、フラスコを100℃のオイルバスを用いて加熱し、
揮発成分を留去すると、フラスコ中に液状の生成物が2
51.3gえられた。この生成物を化合物1とする。
【0213】合成例2 ガラス製500mlの4つ口フラスコに合成例1と同様
に製造した化合物1を300gとC81725OHを
98.4g仕込み、フラスコを150℃まで加熱する。
2時間の間に、揮発成分が留去され、フラスコ中に液状
の生成物が387.2gえられた。この生成物にすぐに
酢酸ブチルを1549g加え、濃度20重量%の酢酸ブ
チル溶液とする。この生成物の酢酸ブチル溶液を化合物
2とする。H−NMRの分析より、C81725O/
CH3O(モル比)は0.038であった。
【0214】合成例3 ガラス製500mlの4つ口フラスコに合成例1と同様
に製造した化合物1を300gとH(CF24CH2
Hを98.3g仕込み、フラスコを130℃まで加熱し
1時間撹拌する。さらに170℃まで昇温すると、2時
間の間に揮発成分が留去され、フラスコ中に液状の生成
物が371.4gえられた。この生成物を化合物3とす
る。
【0215】合成例4 ガラス製500mlの4つ口フラスコにMe51(コル
コート社製、メチルシリケートの平均約4量体)100
gとCF3CF2CH2OHを250gおよび硫酸0.2
gを仕込む。この反応溶液を50℃で1時間撹拌したの
ち、フラスコを100℃のオイルバスを用いて加熱し、
揮発成分を留去する。フラスコ中に液状の生成物が16
7.5gえられた。これをH−NMRで分析するとCH
3O/C25CH2O(モル比)は0.41であった。こ
れをさらにダイヤイオンWA20(三菱化学(株)製、
スチレン系弱塩基性陰イオン交換樹脂)を充填したカラ
ムを通して脱酸処理を行なった。この化合物を化合物A
とする。ガラス製500mlの4つ口フラスコに化合物
Aを100gとALCH(川研ファインケミカル(株)
製、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピ
レート)を13.7g仕込む。これに水1.80gとメ
タノール40gの混合物を滴下漏斗より15分間かけて
滴下する。さらにこの反応溶液を50℃で1時間撹拌し
たのち、オイルバスの温度を100℃まで昇温し、2時
間かけて揮発成分を留去すると、フラスコ中に液状の生
成物が96.7gえられた。これをH−NMR分析する
と、C25CH2O/CH3O(モル比)が0.37であ
った。この生成物を化合物4とする。
【0216】合成例5 ガラス製500mlの4つ口フラスコにMe51(コル
コート社製、メチルシリケートの平均約4量体)を20
0gとALCH(川研ファインケミカル(株)製、エチ
ルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート)
を29.2g仕込む。これに水7.19gとメタノール
100gの混合物を滴下漏斗より30分間かけて滴下す
る。さらにこの反応溶液を50℃で1時間撹拌したの
ち、オイルバスの温度を100℃まで昇温し、2時間か
けて揮発成分を留去すると、フラスコ中に液状の生成物
が205.8gえられた。この生成物を化合物5とす
る。
【0217】合成例6 ガラス製500mlの4つ口フラスコに化合物5を20
0gとC81725OHを49.4g仕込み、フラス
コを150℃まで加熱する。2時間の間に、揮発成分が
留去され、フラスコ中に液状の生成物が243.6gえ
られた。この生成物にすぐに酢酸ブチルを985.2g
加え、濃度20重量%の酢酸ブチル溶液とする。この生
成物の酢酸ブチル溶液を化合物6とする。H−NMRの
分析より、C81725O/CH3O(モル比)は0.
028であった。
【0218】合成例7 ガラス製500mlの4つ口フラスコにMe51(コル
コート社製、メチルシリケートの平均約4量体)200
gとテトラブトキシジルコニウム(Zr(On−Bu
O)4、北興化学工業(株)製、濃度2.120モル/
kg)100.4gを仕込む。これに2,4−ペンタン
ジオンを42.6g仕込み、100℃のオイルバスで1
時間加熱撹拌する。つぎに反応物を30℃まで冷却し、
水7.67gとメタノール50gとの混合溶液を滴下漏
斗を用いて、約20分間かけて徐々に加える。この反応
溶液を60℃で1時間撹拌したのち、フラスコを170
℃のオイルバスを用いて加熱し、2時間の間に揮発成分
を留去すると、フラスコ中に液状の生成物が250.5
gえられた。この生成物を化合物7とする。
【0219】合成例8 ガラス製500mlの4つ口フラスコに化合物7を20
0gとC81725OHを78.7g仕込み、フラス
コを150℃まで加熱する。2時間の間に、揮発成分が
留去され、フラスコ中に液状の生成物が265.1gえ
られた。この生成物にすぐに酢酸ブチルを1060g加
え、濃度20重量%の酢酸ブチル溶液とする。この生成
物の酢酸ブチル溶液を化合物8とする。H−NMRの分
析より、C81725O/CH3O(モル比)は0.0
61であった。
【0220】合成例9 ガラス製500mlの4つ口フラスコに合成例7と同様
に製造した化合物7を200gとH(CF24CH2
Hを118.0g仕込み、フラスコを130℃まで加熱
し1時間撹拌する。さらに170℃まで昇温し、2時間
の間に揮発成分を留去すると、フラスコ中に液状の生成
物が212.3gえられた。この生成物を化合物9とす
る。
【0221】実施例1 ゼッフルGK−500(水酸基価60、数平均分子量1
2000、酢酸ブチル溶液、固形分60%)を100
部、酢酸ブチルを150部を混合し、これにタケネート
D−140N(イソホロンジイソシアネート系硬化剤、
ジブチルチンジラウレート配合)25.4部(NCO/
OH=1.0)と化合物1の6部との混合物を加え、よ
く撹拌した。この塗装用組成物をスプレー塗装によりフ
ッ素塗料(白)を下塗料料として予め塗装した(膜厚5
0μm)AM−712処理アルミニウム板(7×15×
0.5cm)に塗装し、室温で1週間乾燥し、膜厚40
μmの塗板とした。これを大阪府下の建築物3階屋上で
南面30°傾斜の条件で3カ月間および6カ月間屋外暴
露したのちに汚染付着性と外観について評価した。汚染
付着性は塗板の初期明度と暴露後の明度の差(ΔL*)
を測定することによりつぎのA〜Eの段階で判定した。
【0222】 A:ΔL*が0〜2未満 B:ΔL*が2〜4未満 C:ΔL*が4〜7未満 D:ΔL*が7〜10未満 E:ΔL*が10以上 外観については、つぎのA〜Cの段階で目視により判定
した。
【0223】 A:異常なし B:多少くすみあり C:異常 同様に塗装した塗板を2時間室温硬化させ、さらに80
℃3時間加熱乾燥した塗板についてつぎの試験を行なっ
た。
【0224】光沢:JIS K−5400に準じて、6
0度の鏡面光沢度を測定した。
【0225】鉛筆硬度:JIS K−5400に準じて
測定した。
【0226】促進耐候性:アイスーパーUVテスター
(岩崎電気(株)製)耐候性試験機で試験し、1000
時間試験後の60度鏡面光沢保持率(%)により耐候性
を評価した。試験条件はつぎのとおり。
【0227】(1)Light:ブラックパネル温度6
3℃、相対湿度70%、11時間、シャワー10秒/1
時間 (2)Dew:ブラックパネル温度30℃、相対湿度1
00%、11時間 (3)Rest:ブラックパネル温度63℃、相対湿度
85%、1時間
【0228】実施例2〜38 実施例1と同様に表1に示す配合で塗膜を形成し、実施
例1と同様にして各種の試験を行なった。結果を表1お
よび表2に示す。
【0229】なお、実施例27〜38では樹脂に専用の
硬化剤を使用した。
【0230】実施例39 GK−500/GK−510白塗料(500/510=
7/3重量比、水酸基価=60、酸価2.7、顔料/樹
脂=0.833重量比、フッ素樹脂固形分30重量%)
100gに、化合物4を1.5g(フッ素樹脂100部
に対し5部)とコロネートHX(日本ポリウレタン
(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤)
の5.10gおよび酢酸ブチル80gを加えた。この塗
装用組成物をスプレー塗装によりAM−712処理アル
ミニウム板(7×15×0.5cm)に塗装し、室温で
1週間硬化乾燥させ塗装膜厚約40μmの塗板とし、実
施例1と同様に各種の試験を行なった。結果を表2に示
す。
【0231】実施例40〜42 実施例39と同様に表2に示す配合で塗膜を形成し、実
施例1と同様にして各種の試験を行なった。結果を表2
に示す。
【0232】なお、実施例で使用した市販品は、つぎの
とおりである。
【0233】ゼッフルGK−500:ダイキン工業
(株)製、溶剤可溶で水酸基を有するフルオロオレフィ
ン共重合体。
【0234】ゼッフルGK−510:ダイキン工業
(株)製、溶剤可溶で水酸基およびカルボキシル基を有
するフルオロオレフィン共重合体。
【0235】ゼッフルLC−941:ダイキン工業
(株)製、フッ化ビニリデン共重合体とアクリル重合体
の混合物。
【0236】アクリディックA−801:大日本インキ
製造(株)製、アクリルポリオール樹脂。
【0237】YC3623:鐘淵化学工業(株)製、ア
クリルシリコーン樹脂。
【0238】エコルトンA−3:グンゼ産業販売
(株)、無機系素材(無機塗料用樹脂)。
【0239】コーポニール1750:日本合成化学工業
(株)製、ハイシリコンアクリル樹脂(アクリルシリコ
ーン−シリケートグラフト樹脂)。
【0240】タケネートD−140N:武田薬品工業
(株)製、イソホロンジイソシアネート系硬化剤。
【0241】コロネートHX:日本ポリウレタン(株)
製、ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤。
【0242】
【表1】
【0243】
【表2】
【0244】
【発明の効果】本発明によれば、大気中の汚れや雨筋汚
れが付着かつ堆積しない、防汚染付着性に著しく優れた
塗膜を形成しうる塗料用組成物、および該性質を付与し
うる汚染付着防止剤を提供できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 つぎの(A)と(B)とのコオリゴマー
    からなる汚染付着防止剤。 (A)式(I): Si(OR)4 (式中、Rは同一または異なり、酸素原子、窒素原子、
    フッ素原子および/もしくは塩素原子を含んでいてもよ
    い有機基;酸素原子、窒素原子、フッ素原子、塩素原子
    および/もしくは炭素原子を含んでいてもよい無機基;
    または水素原子)で示されるシリケート化合物またはそ
    のオリゴマー、(B)式(II): (X1)nAl(OR1)m (式中、mは0〜3の整数、nは0〜3の整数、ただし
    m+n=3、X1は同一または異なり、酸素原子、窒素
    原子、フッ素原子および/もしくは塩素原子を含んでい
    てもよい炭素数1〜50の有機キレート基、R1は同一
    または異なり、酸素原子、窒素原子、フッ素原子および
    /もしくは塩素原子を含んでいてもよい有機基または水
    素原子)で示されるアルミニウム化合物またはそのオリ
    ゴマー、または式(III): (X2)pZr(OR2)q (式中、pは0〜4の整数、qは0〜4の整数、ただし
    p+q=4、X2は同一または異なり、酸素原子、窒素
    原子、フッ素原子および/もしくは塩素原子を含んでい
    てもよい炭素数1〜50の有機キレート基、R2は同一
    または異なり、酸素原子、窒素原子、フッ素原子および
    /もしくは塩素原子を含んでいてもよい有機基または水
    素原子)で示されるジルコニウム化合物またはそのオリ
    ゴマー。
  2. 【請求項2】 前記(B)成分が、m=0の式(II)の
    アルミニウム化合物もしくはそのオリゴマー、またはq
    =0の式(III)のジルコニウム化合物もしくはそのオ
    リゴマーである請求項1記載の汚染付着防止剤。
  3. 【請求項3】 前記式(I)、(II)または(III)で
    示される化合物の少なくも1つがフッ素原子を含んでい
    る請求項1または2記載の汚染付着防止剤。
  4. 【請求項4】 前記(A)と(B)とのコオリゴマーの
    フッ素含有量が5重量%以上である請求項3記載の汚染
    付着防止剤。
  5. 【請求項5】 有機基R、R1および/またはR2が、 CF3CF2CH2−、 H(CF2CF2)aCH2− (a=1〜4の整数)、
    もしくは F(CF2CF2)bCH2CH2− (b=3〜6の整
    数) の少なくとも1種を含む請求項3または4記載の汚染付
    着防止剤。
  6. 【請求項6】 前記(B)成分のX1およびX2の少なく
    とも1つがアセチルアセトナート基および/またはエチ
    ルアセトアセテート基を含む化合物(ただし、式(II)
    においてnが1〜3の整数、式(III)においてpが1
    〜4の整数である)またはそのオリゴマーである請求項
    1〜5のいずれかに記載の汚染付着防止剤。
  7. 【請求項7】 (1)請求項1〜6のいずれかに記載の
    汚染付着防止剤、および(2)塗料用樹脂を含む塗料用
    組成物。
  8. 【請求項8】 さらに(3)硬化剤および/または硬化
    触媒を含む請求項7記載の塗料用組成物。
  9. 【請求項9】 硬化剤が、イソシアネート化合物、ブロ
    ックイソシアネート化合物、メラミン樹脂またはエポキ
    シ樹脂である請求項8記載の塗料用組成物。
  10. 【請求項10】 塗料用樹脂が、溶剤可溶性で水酸基お
    よび/またはカルボキシル基を有するフルオロオレフィ
    ン共重合体、アクリルポリオール樹脂、アクリルシリコ
    ーン樹脂、フルオロシリコーン樹脂、無機系素材、官能
    基を有しないフッ化ビニリデンの単独または共重合体、
    水分散物の形態のフッ化ビニリデン共重合体とアクリル
    共重合体混合物、または水分散物の形態のフルオロオレ
    フィン−ビニルエーテル共重合体である請求項7〜9の
    いずれかに記載の塗料用組成物。
JP6432297A 1997-03-18 1997-03-18 汚染付着防止剤および塗料用組成物 Pending JPH10259327A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6432297A JPH10259327A (ja) 1997-03-18 1997-03-18 汚染付着防止剤および塗料用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6432297A JPH10259327A (ja) 1997-03-18 1997-03-18 汚染付着防止剤および塗料用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10259327A true JPH10259327A (ja) 1998-09-29

Family

ID=13254898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6432297A Pending JPH10259327A (ja) 1997-03-18 1997-03-18 汚染付着防止剤および塗料用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10259327A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006077751A1 (ja) * 2005-01-19 2006-07-27 Daikin Industries, Ltd. 低汚染性塗料組成物およびそれから得られる低汚染性塗膜
JP2006274243A (ja) * 2005-03-02 2006-10-12 Kansai Paint Co Ltd 赤色系メタリック塗料組成物
JP2008240369A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Matsushita Electric Works Ltd 建築板

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006077751A1 (ja) * 2005-01-19 2006-07-27 Daikin Industries, Ltd. 低汚染性塗料組成物およびそれから得られる低汚染性塗膜
JP2006274243A (ja) * 2005-03-02 2006-10-12 Kansai Paint Co Ltd 赤色系メタリック塗料組成物
JP2008240369A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Matsushita Electric Works Ltd 建築板

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6309708B1 (en) Stain-proofing agent for preventing adherence of stain and composition for paints
US6548614B2 (en) Stain-proofing agent for preventing adherence of stain and non-aqueous composition for paints containing said agent
JP4179323B2 (ja) 塗料組成物
JP4136046B2 (ja) 塗料用組成物
JPWO2008090812A1 (ja) 塗料組成物
JPH0423857A (ja) 難燃性塗材及び該塗材で塗装した被塗装物
JP3202177B2 (ja) 防食被覆法
JP4556256B2 (ja) 含フッ素有機金属化合物
JP3470886B2 (ja) 水性低汚染塗料組成物
JP2004210975A (ja) 塗料組成物
JPH10237364A (ja) 親水性塗膜形成性塗料用組成物
JP4192285B2 (ja) 塗料用組成物
JPH10259327A (ja) 汚染付着防止剤および塗料用組成物
JPH11131020A (ja) 塗料用組成物
JPH09302328A (ja) 防汚染付着剤および塗料用組成物
JP2014058613A (ja) 耐候性塗料組成物、及び耐候性塗膜を有する塗装物品の形成方法
JPH10148488A (ja) 空冷式熱交換器
WO2020004001A1 (ja) 水性樹脂組成物、コーティング剤、及び物品
JP2001240805A (ja) 塗料組成物
KR20040072334A (ko) 실리콘 중간체를 포함하는 상온경화형 수지 조성물 및이를 포함하는 도료
JP2007284698A (ja) 塗料組成物