JPH10259149A - 3位置換シクロヘキサノールおよびこれを用いてなる3位置換シクロヘキシルアセテートの製造方法 - Google Patents

3位置換シクロヘキサノールおよびこれを用いてなる3位置換シクロヘキシルアセテートの製造方法

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JPH10259149A
JPH10259149A JP10007386A JP738698A JPH10259149A JP H10259149 A JPH10259149 A JP H10259149A JP 10007386 A JP10007386 A JP 10007386A JP 738698 A JP738698 A JP 738698A JP H10259149 A JPH10259149 A JP H10259149A
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catalyst
group
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rhodium
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JP10007386A
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Masahito Sekiguchi
将人 関口
Shin Tanaka
慎 田中
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 穏和な条件下で香料として有用なトランス含
量の多い3位置換シクロヘキサノールおよび3位置換シ
クロヘキシルアセテートの製造方法を提供すること。 【解決手段】 3位に置換基を有するフェノールをロジ
ウム、白金、ルテニウム、パラジウム、ラネーNiより
なる群れから選ばれた少なくとも1種の触媒と溶媒の存
在下、塩化水素、(無水)硫酸および過塩素酸よりなる
群れから選ばれた少なくとも1種を共存させて水素化し
3位置換シクロヘキサノールを製造し、次いで必要によ
り、上記方法で得られた3位置換シクロヘキサノールを
アセチル化して3位置換シクロヘキシルアセテートを製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3位置換フェノー
ルを水素化し、トランス異性体を多く含む3位置換シク
ロヘキサノールを製造する方法、および得られた3位置
換シクロヘキサノールを用い、これをアセチル化して、
3位置換シクロヘキシルアセテートを製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】3位置換シクロヘキシルアセテートは、
石鹸をはじめ化粧品などの香料として、シス異性体より
もトランス異性体の香りが好まれている。トランス異性
体を多く含む3位置換シクロヘキシルアセテートを効率
良く製造するためには、その原料となる3位置換シクロ
ヘキサノールのトランス異性体含有率が高い製造方法が
望まれている。
【0003】3位置換シクロヘキサノールは、通常、3
位置換フェノールを水素化して得られる。公知の製造方
法として3−t−ブチルフェノールの例を挙げると、下
記の文献に見られるように、ロジウム系触媒やラネ−N
i触媒、さらには酸化白金触媒を使用した水添法が知ら
れている。
【0004】Bull.Soc.Chim.Belg.
(1980年、p637)では、酸化白金触媒を使用
し、3−t−ブチルフェノールを接触還元して3−t−
ブチルシクロヘキサノールを製造する方法が記載されて
いる。
【0005】J.Am.Chem.Soc.(1981
年、p5325)ではロジウム−カーボン触媒を、J.
Org.Chem.(1990年、p660)ではロジ
ウム−アルミナ触媒をそれぞれ使用して、3−t−ブチ
ルフェノールを水素化する3−t−ブチルシクロヘキサ
ノールの製法が開示されている。
【0006】EP第612840号公報には、ラネ−N
i触媒を用い3−t−ブチルフェノールを水素化する3
−t−ブチルシクロヘキサノールの製法が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来技術はトランス体含量の多い3位置換シクロヘキサ
ノールの製造方法としては不十分であり、改良が望まれ
ている。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術では達成さ
れていない、トランス含量の多い3位置換シクロヘキサ
ノールの製造方法を提供すること、さらに得られたトラ
ンス含量の多い3位置換シクロヘキサノールを用い、こ
れをアセチル化することによるトランス含量の多い3位
置換シクロヘキシルアセテートの製造方法を提供するも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、トランス
選択率が高い3位置換シクロヘキサノールを製造するこ
とが可能な方法について鋭意研究を重ねた結果、本発明
に至った。すなわち本発明は、3位置換フェノールをロ
ジウム、白金、ルテニウム、パラジウム、ラネーNiよ
りなる群れから選ばれた少なくとも1種の触媒と溶媒の
存在下、塩化水素、(無水)硫酸、過塩素酸、臭化水素
および臭素よりなる群れから選ばれた少なくとも1種を
共存させて水素化することを特徴とする3位置換シクロ
ヘキサノールの製造方法を提供する。
【0010】更に本発明は、3位置換フェノールをロジ
ウム、白金、ルテニウム、パラジウム、ラネーNiより
なる群れから選ばれた少なくとも1種の触媒と溶媒の存
在下、塩化水素、(無水)硫酸、過塩素酸、臭化水素お
よび臭素よりなる群れから選ばれた少なくとも1種を共
存させて水素化し3位置換シクロヘキサノールを得た
後、得られた3位置換シクロヘキサノールをアセチル化
することによる3位置換シクロヘキシルアセテートの製
造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に適用される3位置換フェ
ノールとして、3位にメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、
tーブチル基、i−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペ
ンチル基、3ーペンチル基、ネオペンチル基、3ーメチ
ルー2ーブチル基、1,1ージメチルー1ープロピル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソカンフ
ィル基等のアルキル基、またはフェニル基を有するもの
が例示される。より具体的には3−t−ブチルフェノー
ル、3−メチルフェノール、3−イソプロピルフェノー
ル、3−イソカンフィルフェノール等が挙げられる。
【0012】本発明における水素化反応で用いられる触
媒としてまず、ロジウム、白金、ルテニウム、パラジウ
ムのような貴金属触媒があげられる。なかでもより好ま
しい触媒としてロジウム触媒を挙げることができる。ロ
ジウム触媒とは金属ロジウム、塩化ロジウム、酸化ロジ
ウム等のロジウムの原子価が0〜6価の金属ロジウムま
たはロジウム化合物である。また、金属ロジウムまたは
ロジウム化合物を活性炭、SiO2 、Al2 3 等の担
体上に担持した担持型触媒が好ましく用いられる。特に
0価の金属ロジウムを活性炭担体上に担持したものがよ
り好ましく用いられる。担持型触媒の場合、金属ロジウ
ムの担体への担持率は通常約0.1〜約10重量%、好
ましくは約0.5〜約8重量%、より好ましくは約1〜
5重量%である。反応終了後、反応液から濾過、傾瀉、
遠心分離等により、使用したロジウム触媒を回収しても
よい。回収したロジウム触媒を再使用してもよい。白金
触媒、ルテニウム触媒、パラジウム触媒もロジウム触媒
と同様に使用することができる。ただし、ルテニウムと
パラジウムは原子価が0から4価の金属または化合物で
ある。
【0013】触媒の使用量は、通常、金属に換算して、
原料の3位置換フェノールに対して約0.01〜約1重
量%である。また、担体に担持した金属触媒を用いる場
合の使用量は、金属の担持率にもよるが、担体を含んだ
重量(乾燥重量)で、3位置換フェノールに対して約
0.1〜約50重量%である。触媒の使用量が多いほど
トランス選択率は向上するが、反応終了後、触媒を回収
する際の濾過工程の操作性とコストの点から、好ましく
は約0.5〜約10重量%である。
【0014】ラネーNiも水素化の触媒として使用する
ことができる。ラネーNiの使用量は、原料の3位置換
フェノールに対して約0.1〜約50重量%であるが、
操作性とコストの点からは、約1〜約20重量%の範囲
が好適である。
【0015】溶媒は、反応に悪影響を及ぼさないもので
あれば特に制限はないが、常温(25℃)で液体状のも
のが取り扱いの点から好ましい。例えば、炭素数5〜1
0のアルカン類や、炭素数4〜10のエ−テル類、炭素
数1〜6のアルコ−ル類等の化合物が挙げられる。具体
的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の非環式アル
カン類やシクロヘキサン等の環状アルカン類、ジエチル
エーテル等の非環式エーテルやテトラハイドロフランや
ジオキサン等の環状エーテル、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イ
ソブタノール、シクロヘキサノール、シクロペンタノー
ル等のアルコール類が挙げられる。これら化合物の中で
もシクロヘキサン、イソプロパノールが好ましく、イソ
プロパノールがさらに好ましい。溶媒の使用量は3位置
換フェノールに対して、通常約0.2〜約20重量倍で
あり、好ましくは約0.4〜約5重量倍である。
【0016】本発明においては、上記の触媒および溶媒
と共に塩化水素、(無水)硫酸、過塩素酸、臭化水素ま
たは臭素よりなる群れから選ばれた少なくとも1種を共
存させて反応を行う。塩化水素の添加方法は、塩化水素
ガスの形で吹き込んでも、塩酸水溶液として添加しても
良く、更には、系内で塩化水素を発生させる方法、例え
ばAlCl3やTiCl4 等と水を仕込む方法でもよ
い。また、例えば塩化ロジウムのような反応中で塩化水
素を発生する触媒を用いる方法でもよい。(無水)硫酸
の添加方法に関しても、塩化水素の場合と同様にSO3
ガスを吹き込んでもよいし、または硫酸水溶液として添
加してもよい。過塩素酸の添加方法は、水溶液として反
応系に添加すればよい。臭化水素の添加方法は、塩化水
素の添加方法と同様に、ガスまたは水溶液の形態で添加
するか、系内で臭化水素を発生させる方法、例えばAl
Br3 等と水を仕込む方法でも良い。また、臭化ロジウ
ムのような反応中で臭化水素を発生する触媒を使用して
も良い。臭素の添加方法は、通常臭素を液体状態で添加
するが、ガス化して添加しても良い。原料、触媒、溶媒
および、塩化水素、(無水)硫酸、過塩素酸、臭化水素
または臭素の添加順序には特に制限はない。
【0017】塩化水素、(無水)硫酸、過塩素酸、臭化
水素または臭素の使用量は、触媒中の金属原子1mol
に対して約0.01〜約100mol、好ましくは約
0.05〜約20mol、さらに好ましくは約0.1〜
約10molである。
【0018】本発明の製造方法は、水素気流中または水
素加圧下、いずれの条件下でも実施されうるが、反応速
度の観点から水素加圧下で行う方が好ましい。水素加圧
下で行う場合、反応容器は耐圧性のものが用いられる。
水素加圧下で実施する場合、反応時の水素分圧は通常、
約1.5×105 pa以上であればよいが、反応速度お
よびシス選択率と製造設備の耐圧性の観点から、3×1
5 〜2×106 paが好ましく、5×105 〜1.5
×106 paがより好ましい。
【0019】反応温度は反応速度とトランス選択率の観
点から約20℃以上が好ましく、またトランス選択率の
観点から200℃以下が好ましい。好ましくは約20℃
から約180℃であり、より好ましくは約40℃〜約1
60℃である。
【0020】本反応は連続プロセスまたはバッチプロセ
スいずれのプロセスでもよい。反応の終点は、例えば、
反応液を分析し、原料である3位置換フェノールの転化
率が100%となった時点を反応終点とする方法や、水
素圧力が低下しなくなったときを反応終点とする等の方
法で決定することができる。上記本発明方法の反応の終
了に於いては使用した原料である3位置換フェノールに
対応する3位置換シクロヘキサノールが得られる。具体
的3位置換シクロヘキサノールとしては3−t−ブチル
シクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、
3−イソプロピルシクロヘキサノール、3−イソカンフ
ィルシクロヘキサノール等が挙げられる。
【0021】このようにして得られた3位置換シクロヘ
キサノールは次いでアセチル化して、3位置換シクロヘ
キシルアセテートを製造する。アセチル化反応は、上記
3位置換フェノールの水素化反応から連続で行ってもよ
いし、上記方法で得られた3位置換シクロヘキサノール
を分離回収し、別途アセチル化反応を行ってもよい。
【0022】本発明の実施に際し、アセチル化反応は、
通常、無水酢酸、酢酸または塩化アセチル等のアセチル
化剤を用いることができる。アセチル化剤の使用量は、
通常、3位置換シクロヘキサノールに対して約1モル倍
〜約5モル倍、好ましくは約1モル倍〜約1.5モル倍
の範囲で行われる。ただし、置換基上にアセチル化を受
ける官能基(水酸基、アミノ基、等)を有する場合は、
事前に該官能基を保護してアセチル化を受けないように
しておくか、該官能基と等モル以上のアセチル化剤を上
記使用量に対して増量しておく配慮が必要である。
【0023】アセチル化反応の反応温度は通常、室温
(25℃)〜約150℃、好ましくは室温〜約130℃
である。また反応の終点は、例えば反応液を分析し、原
料である3位置換シクロヘキサノールの転化率が100
%となった時点を反応終点とする方法等の方法で決定す
ることができる。
【0024】アセチル化反応に於いて溶媒は必須ではな
いが、アセチル化を受けにくい溶媒なら使用してもよ
く、常温で液体のものが取扱いの点から好ましい。例え
ば炭素数5〜10の炭化水素、炭素数4〜10のエーテ
ル類が挙げられる。より具体的にはペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の不飽和炭化水素類、ジエチルエーテル
等の非環状エーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エ
ーテル類が挙げられる。これらの化合物の中でもトルエ
ン、シクロヘキサンが好ましい。
【0025】本発明のアセチル化反応に於いては、アセ
チル化剤の他にさらに触媒の共存下に行ってもよい。共
存させる触媒は、使用するアセチル化剤により異なるが
例えば無水酢酸をアセチル化剤として用いる場合は、通
常触媒として硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、塩
化亜鉛、酢酸ナトリウム、ピリジン等が用いられる。酢
酸を用いる場合には、通常触媒として硫酸、BF3 が用
いられる。これらの触媒の中では、廉価であることより
硫酸の使用が推奨される。触媒の使用量は3位置換シク
ロヘキサノールに対して、通常約0.01モル%〜約5
モル%、好ましくは約0.1モル%〜約2モル%であ
る。触媒が多過ぎると3位置換シクロヘキサノールの脱
水反応が起こりやすくなる。
【0026】また、アセチル化剤として酢酸を用いる場
合、反応速度の観点から、発生する水を除去しながら反
応を進行させる方が好ましい。除去方法は例えば、水と
共沸する溶媒を用い還流条件下で溶媒と共沸させて脱水
する方法や、シリカゲル等の乾燥剤を共存させる方法が
挙げられる。
【0027】アセチル化剤として塩化アセチルを用いる
場合、安全性の観点から、副生する塩化水素を除去しな
がら反応を進行させた方が望ましい。塩化水素を除去す
る方法としては苛性ソーダや炭酸カリウム等の無機塩基
或いはピリジン等の有機塩基を反応系に共存させ、塩化
水素を除去する方法が挙げられる。アセチル化反応にお
ける原料の転化率の観点から、無水酢酸をアセチル化剤
として使用することが好ましい。通常、3位置換シクロ
ヘキシルアセテートと3位置換シクロヘキサノールとは
沸点が近接しているので、得られた3位置換シクロヘキ
シルアセテートを原料である3位置換シクロヘキサノー
ルから分離、精製することを考慮すると、原料の転化率
は100%に近い方が好ましい。従って、例えば酢酸や
塩化アセチルをアセチル化剤として使用し、アセチル化
反応を原料の転化率が約90%以上になるまで反応さ
せ、さらに残存原料と等モル以上の無水酢酸で反応を完
結させ、原料を消失させる方法が好ましいアセチル化方
法として推奨される。上記の本発明方法により3位置換
シクロヘキシルアセテートが得られる。具体的には3−
t−ブチルシクロヘキシルアセテート、3−メチルシク
ロヘキシルアセテート、3−イソプロピルシクロヘキシ
ルアセテート等を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した本発明方法によれば、3位
置換フェノールからトランス含量の多い3位置換シクロ
ヘキサノールおよび香料として有用なトランス含量の多
い3位置換シクロヘキシルアセテートを製造できる。具
体例として、3−t−ブチルフェノールから香料原料と
して有用な3−t−ブチルシクロヘキサノールを収率約
90%以上でかつ、トランス体の占める割合を約70%
以上で得ることができ、これをアセチル化することによ
り、香料として有用なトランス含量の多い3−t−ブチ
ルシクロヘキシルアセテートを製造できる方法を提供す
るものであり、産業上の利用価値は頗る大である。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、
本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0030】実施例1 3−t−ブチルフェノール90g(0.60mol)
と、5%Rh/C(活性炭担体上にロジウム金属を5重
量%担持したもの、以下同様)を乾燥重量換算で0.9
0gと、イソプロパノール180gと、36%塩酸0.
06gをオートクレーブに仕込んだ後、系内を窒素置換
(窒素を5×105 paに圧入/排気の操作を3回実
施)した。続いて系内を水素置換(水素を5×105
aに圧入/排気の操作を3回実施)した後に、水素を
1.1×106 paまで圧入し、内温を60℃として1
0Hr撹拌した。オートクレーブを冷却し、系内を窒素
置換(上記に同じ)した後、反応液を分析した結果、3
−t−ブチルシクロヘキサノールの収率は94.0%、
シス/トランス比は24.7/75.3であった。
【0031】比較例1 塩酸の添加を行わなかった以外は実施例1と同様に3−
t−ブチルシクロヘキサノールの製造を行った。反応時
間は8Hrであった。3−t−ブチルシクロヘキサノー
ルの収率は96.0%、シス/トランス比は43.4/
56.6であった。
【0032】実施例2 3−t−ブチルフェノール180g(1.20mol)
と、5%Rh/Cを乾燥重量換算で1.8gと、イソプ
ロパノール360gと、36%塩酸0.12gをオート
クレーブに仕込んだ後、系内を窒素置換(窒素を5×1
5 paに圧入/排気の操作を3回実施)した。続いて
系内を水素置換(水素を5×105 paに圧入/排気の
操作を3回実施)した後に、水素を1.1×106 pa
まで圧入し、内温を60℃として10Hr撹拌した。オ
ートクレーブを冷却し、系内を窒素置換(上記に同じ)
した後、反応液を分析した結果、3−t−ブチルシクロ
ヘキサノールの収率は94.0%、シス/トランス比は
24.7/75.3であった。同じ方法で再度反応を行
い、反応液を混合し、触媒を濾別した後に濃縮を行い、
3−t−ブチルシクロヘキサノール350g(2.20
mol、純度98.4%、シス/トランス比は24.7
/75.3)を得た。続いて、上記濃縮物を90℃に保
ち、硫酸0.81g(8.1mol)を加え、無水酢酸
312.4g(2.94mol)を3Hrかけて滴下し
た後、1Hr保温した。反応液を分析した結果は、3−
t−ブチルシクロヘキシルアセテートの収率は99%
(3−t−ブチルシクロヘキサノール基準)、シス/ト
ランス比は24.7/75.3であった。反応液を重曹
水450gで3回洗浄し、イオン交換水450gで1回
洗浄した後、油層を精製蒸留して、トランス含量の高い
3−t−ブチルシクロヘキシルアセテートを高純度で得
た。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3位に置換基を有するフェノールをロジ
    ウム、白金、ルテニウム、パラジウム、ラネーNiより
    なる群れから選ばれた少なくとも1種の触媒と溶媒の存
    在下、塩化水素、(無水)硫酸、過塩素酸、臭化水素お
    よび臭素よりなる群れから選ばれた少なくとも1種を共
    存させて水素化することを特徴とする3位置換シクロヘ
    キサノールの製造方法。
  2. 【請求項2】 3位の置換基がアルキル基またはアリー
    ル基であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 3位の置換基が3級アルキル基であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 3位の置換基がt−ブチル基であること
    を特徴とする請求項1〜3いずれか記載の方法。
  5. 【請求項5】 3位に置換基を有するフェノールをロジ
    ウム、白金、ルテニウム、パラジウム、ラネーNiより
    なる群れから選ばれた少なくとも1種の触媒と溶媒の存
    在下、塩化水素、(無水)硫酸、過塩素酸、臭化水素お
    よび臭素よりなる群れから選ばれた少なくとも1種を共
    存させて水素化し3位置換シクロヘキサノールを得た
    後、得られた3位置換シクロヘキサノールをアセチル化
    することを特徴とする3位置換シクロヘキシルアセテー
    トの製造方法。
  6. 【請求項6】 3位の置換基がアルキル基またはアリー
    ル基であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 3位の置換基が3級アルキル基であるこ
    とを特徴とする請求項5または6記載の方法。
  8. 【請求項8】 3位の置換基がt−ブチル基であること
    を特徴とする請求項5〜7いずれか記載の方法。
  9. 【請求項9】 塩化水素、(無水)硫酸、過塩素酸、臭
    化水素および臭素よりなる群れから選ばれた少なくとも
    1種の量が、金属触媒中の金属原子1molに対して
    0.05〜10molであることを特徴とする請求項1
    〜8いずれか記載の方法。
  10. 【請求項10】 触媒量が、貴金属触媒(乾燥重量換
    算)に於いては3位置換フェノ−ルに対して0.5〜1
    0重量%、ラネーNiに於いては1〜20重量%である
    ことを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の方法。
  11. 【請求項11】 触媒がロジウムであることを特徴とす
    る請求項1〜8いずれか記載の方法。
  12. 【請求項12】 触媒がロジウム金属を活性炭担体上に
    担持した触媒であることを特徴とする請求項1〜8いず
    れか記載の方法。
  13. 【請求項13】 溶媒が、炭素数5〜10のアルカン
    類、炭素数4〜10のエーテル類および炭素数1〜6の
    アルコール類の少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1〜8いずれか記載の方法。
  14. 【請求項14】 溶媒が炭素数1〜6のアルコール類で
    あることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 溶媒がイソプロパノールであることを
    特徴とする請求項1〜8いずれか記載の方法。
  16. 【請求項16】 アセチル化に無水酢酸、酢酸または塩
    化アセチルの少なくとも1種をアセチル化剤として用い
    ることを特徴とする請求項5〜8いずれか記載の方法。
  17. 【請求項17】 3位置換シクロヘキサノールのアセチ
    ル化に用いるアセチル化剤が3位置換シクロヘキサノー
    ル1molに対し1mol〜5molである請求項5〜
    8いずれか記載の方法。
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