JPH10258615A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH10258615A
JPH10258615A JP9085611A JP8561197A JPH10258615A JP H10258615 A JPH10258615 A JP H10258615A JP 9085611 A JP9085611 A JP 9085611A JP 8561197 A JP8561197 A JP 8561197A JP H10258615 A JPH10258615 A JP H10258615A
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卓司 山本
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    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/12Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二律背反の関係にある氷雪路性能と耐摩耗性
能を同時に向上することができる空気入りラジアルタイ
ヤを提供する。 【解決手段】 タイヤ踏面部TRを複数の溝で分割して
形成された複数のブロック3を備え、これら複数のブロ
ック3の一部又は全部のブロック3表面にタイヤ幅方向
を主に延びる延びる複数のサイプを備えた空気入りラジ
アルタイヤにおいて、上記サイプには、ブロック3表面
をタイヤ幅方向に波形状に延びると共にブロック3内部
に向かって波形の丘陵8が傾斜状に延びる複数の波形状
サイプ4を備え、互いに隣接するこれらの波形状サイプ
4a、4bはそれぞれの波形の丘陵8、8が互いに逆傾
斜する方向にて配置されている

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタッドレスタイ
ヤ等に好適に用いられる空気入りラジアルタイヤにおい
て、特にその氷雪路性能と耐摩耗性能の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のタイヤとして、タイヤ踏
面部を複数の溝で分割して形成された複数のブロックを
備え、これら複数のブロックの一部又は全部のブロック
表面にタイヤ幅方向に多数のサイプを配置したタイヤが
提供されている。通常、この種のタイヤは、図5に示す
様に、ブロック3の表面3aにストレート状に延びる多
数のサイプ10を配置し、かかるサイプ10のエッジ効
果によって氷雪路性能を実現している。
【0003】また、図6に示す様に、氷雪路性能を一層
発揮させるため、上記のストレート状のサイプ10に代
えて波形状のサイプ11をブロック3の表面3aに多数
配置したタイヤも提供されている。これは、波形状のサ
イプ11とすることで、サイプ長を稼ぎ、氷雪路性能の
一層の向上を狙っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし多数の波形状の
サイプ11をブロック3の表面3aに配置したタイヤ
は、サイプ長が長くかつ波形状であるため、エッジ効果
の点では氷雪路性能は向上するものの、ブロック剛性に
ついては低下し過ぎるため、氷雪で覆われていない通常
の乾燥路面を走行した際、図7に示す様に、制動時にブ
ロック3が倒れ込み易く、また加速時にもブロックが倒
れ込み易くなる問題が生じた。因って、乾燥路面の走行
時に、路面との摩擦力でタイヤブロック表面が摩耗し耐
摩耗性が悪化する問題があった。なお、図7中、2は横
溝、矢印はタイヤの進行方向を示す。また破線は非制動
時における倒れ込みがない状態のブロック3を概略示し
ている。
【0005】本発明の課題は、上述の様な二律背反の関
係にある氷雪路性能と耐摩耗性能を同時に向上すること
ができる空気入りラジアルタイヤを提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を鋭意検討した
結果、本発明は、タイヤ踏面部を複数の溝で分割して形
成された複数のブロックを備え、これら複数のブロック
の一部又は全部のブロック表面にタイヤ幅方向を主に延
びる複数のサイプを備えた空気入りラジアルタイヤにお
いて、上記サイプには、ブロック表面をタイヤ幅方向に
波形状に延びると共にブロック内部に向かって波形の丘
陵が傾斜状に延びる複数の波形状サイプを備え、互いに
隣接するこれらの波形状サイプはそれぞれの波形の丘陵
が互いに逆傾斜する方向にて配置されていることを特徴
とする空気入りラジアルタイヤを提供した。なお、ここ
で、「タイヤ幅方向を主に延びる複数のサイプを備えた
空気入りラジアルタイヤ」とは、タイヤ幅方向を延びる
サイプのほかに、必要に応じて横滑り防止等のために、
タイヤ幅方向以外の斜め、周方向等のサイプをも含む空
気入りラジアルタイヤを意味している。
【0007】従来の波形状のサイプを備えたタイヤが何
故耐摩耗性が低下するかを検討した結果、上述の通り、
一つのブロック当りのサイプ長が長くかつ波形状である
のでブロック剛性が低下し過ぎることが大きな原因であ
るが、それと同時に、ブロック内部に向かうサイプの波
形の丘陵が、隣接する各サイプとも鉛直方向に並行に伸
びているため、構造上、制動時の前後方向及び左右方向
の負荷が作用し易く、因ってブロックの倒れこみが生起
しやすいことを見出した。
【0008】この点で、ブロック表面をタイヤ幅方向に
波形状に伸びると共にブロック内部に向かって波形の丘
陵が傾斜状に延びる複数の波形状サイプを、ブロック内
においてすべて同一方向に傾斜する様に配置することも
考えられるが、かかる構造では、制動時の負荷が傾斜状
サイプの逆傾斜方向から作用した場合にブロック全体が
同方向に変形しやすく、しかもブロックに捻り方向の応
力が働きやすく、かかる点でタイヤ耐久性の点で問題が
ある。また、制動時の負荷が波形状サイプの逆傾斜方向
から作用した場合にブロック全体が同方向に変形しやす
くなるため、ブロック表面に開口する波形状サイプのエ
ッジ効果の向上も確保しにくい。
【0009】本発明は、上記の見地から、前述の通り、
ブロック表面をタイヤ幅方向に波形状に延びると共にブ
ロック内部に向かって波形の丘陵が傾斜状に延びる複数
の波形状サイプを備え、更に互いに隣接するこれらの波
形状サイプをそれぞれの波形の丘陵が互いに逆傾斜する
方向にて配置したものである。
【0010】従って、氷雪路の走行時、ブロック表面に
形成されたサイプ長の長い波形状サイプのエッジ効果に
よって氷雪路性能が向上する一方、乾燥路面を走行する
際は、制動時の前後方向及び左右方向及び斜め方向のい
ずれの方向の負荷がブロックに作用しても、各波形状サ
イプの波形の丘陵が互いに逆傾斜の構造で隣接している
ため、構造的にブロックの倒れこみや変形を防止するこ
とができ、またこれによってブロック表面に開口する波
形状サイプのエッジ効果も向上する。
【0011】なお、波形状サイプの傾斜角度θをどの程
度にするかが問題となるところであるが、本発明では格
別限定されるものではない。但し、波形状サイプの傾斜
角度θの絶対値は法線に対して30〜60°の範囲内に
ある場合に特に好ましい。ここで絶対値としているのは
順傾斜の傾斜状サイプと逆傾斜の傾斜状サイプの角度の
両者を特定するためである。
【0012】従って隣接する一方の波形状サイプの傾斜
角度θを法線に対して30〜60°の範囲内とし、かつ
隣接する他方の波形状サイプの傾斜角度θを法線に対し
て−30〜−60°の範囲内にすることが望ましい。波
形状サイプの傾斜角度θの絶対値が法線に対し30°未
満の場合は、乾燥路面における制動時のブロックの倒れ
こみに対する改善が充分ではなく、サイプの波形の丘陵
がブロック内を鉛直方向に伸びる従来のタイヤとあまり
大差がない。また波形状サイプの傾斜角度θの絶対値が
法線に対し60°を超える場合は、ブロック剛性を低下
させてしまうため耐摩耗性の改善が不足となり、また傾
斜角度が大きすぎるため、タイヤ成形上支障がある。
【0013】すなわち、ブロックにサイプを形成するに
は、タイヤ成形用金型にサイプ形成用のブレードを取り
付け、タイヤ成形後このブレードの付いた金型を成形済
みタイヤから抜く工程を必要とするが、波形状サイプの
傾斜角度θの絶対値が法線に対し60°を超える場合
は、傾斜角度が大きすぎ、しかも隣接する波形状サイプ
の傾斜が逆傾斜となっているため、金型を成形済みタイ
ヤから抜き難い難点がある。
【0014】因って、波形状サイプの傾斜角度θの絶対
値は法線に対して30〜60°の範囲内にある場合が特
に好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る空気入りラジ
アルタイヤの一実施形態を示すトレッドパターンの平面
図である。図2は同タイヤのブロックの要部拡大概略斜
視図である。
【0016】図において、1は主溝、2は横溝、3は主
溝1及び横溝2で分割して形成されたブロックである。
なおTRはタイヤ踏面部である。4は波形状サイプ、5
は直線状サイプである。この実施形態では、波形状サイ
プ4と直線状サイプ5とは連続する1本のサイプ6とし
て構成されており、直線状サイプ5がブロックの壁面即
ち主溝1又は横溝2の溝壁7a、7b、7cに開口して
いる。なお、本発明でいう横溝は、タイヤ幅方向を水平
又は斜め方向に延びる溝すべてを含む概念である。
【0017】本実施形態の波形状サイプ4のうち、波形
状サイプ4aは、図2に示す様に、波形の丘陵8の傾斜
角度θが法線9に対して30〜60°をなす角度で傾斜
しており、またこの波形状サイプ4aに隣接する波形状
サイプ4bは、同図に示す様に、波形の丘陵8の傾斜角
度θが法線9に対して30〜60°をなす角度で傾斜し
ている。そして、この関係が交互に繰り返されて波形状
サイプ4が一つのブロック内に形成されている。図3
(a)(b)は図2で示された本実施形態の波形状サイ
プ4a、4bをそれぞれ取り出した状態を示す概念図で
ある。
【0018】従って、ブロック3の表面に形成されたサ
イプ長の長い波形状サイプ4のエッジ効果によって氷雪
路性能が向上する一方、乾燥路面を走行する際には、制
動時の前後方向及び左右方向及び斜め方向のいずれの方
向の負荷がブロック3に作用しても、各波形状サイプ4
a、4bの波形の丘陵8、8が互いに逆傾斜の構造で隣
接しているため、図4に示す様に、ブロック剛性の低下
が構造上安定的に抑止され、ブロック3の倒れこみや変
形を防止することができる。またブロック3全体の倒れ
こみや変形が防止されることから、ブロック3表面に開
口する波形状サイプ4のエッジ4cは氷雪路に対して良
好な引っ掻き状態を確保でき、サイプのエッジ効果が向
上する。なお、図4中、2は横溝、矢印はタイヤの進行
方向を示す。また破線は非制動時における倒れ込みがな
い状態のブロック3を概略示している。
【0019】ところで、本発明の波形状サイプは、隣接
する波形状サイプの波形の丘陵が逆傾斜しなければなら
ないため一つのブロック内には少なくとも2本形成する
必要がある。但しこの種の波形状サイプは上記実施形態
に示す様に多数配置されればされる程、氷雪路性能と耐
摩耗性の向上の効果は一層顕著となる。
【0020】なお、ブロックに配置されるサイプのすべ
てが既述した本発明の波形状サイプであってもよくまた
なくてもよい。例えば一つブロック内に従来のストレー
ト状のサイプや波形状のサイプを配置する様にしても差
し支えない。また、複数のブロック全部に既述の本発明
の波形状サイプを配置してもよいが、一部のブロックだ
けに既述の本発明の波形状サイプを配置することもでき
る。
【0021】さらには、上記実施形態に示す様に、ブロ
ック3の表面をタイヤ幅方向に波形状に延びる本発明の
波形状サイプ4に続いて、更にタイヤ幅方向にブロック
側壁に至るまで直線状に延びるサイプ5を形成すること
もできる。この場合は、波形状サイプ4と直線状のサイ
プ5とが連続する1本のサイプ6が一つのブロック内に
形成されていることになる。そして、隣接する逆傾斜の
波形状サイプ4a、4bの波形状サイプ4と直線状のサ
イプ5が連続した1本のサイプ6となって形成すること
もできる。また、ブロックの形状によっては、波形状サ
イプ4aと直線状のサイプ6とが連続する1本のサイプ
6と、逆傾斜の波形状サイプ4b単独とが隣接して形成
される場合もある。この場合であっても相互に隣接する
波形状サイプ4a、4bはブロック内に延びる波形の丘
陵8が逆傾斜の関係で配置されている。
【0022】なお、前記実施形態に示す様に、波形状サ
イプと直線状のサイプが連続した1本のサイプをなし、
直性状のサイプがブロックの表面から壁面に対しても開
口するタイヤの場合は、特に耐摩耗性の点で優れる。波
形サイプのみで形成されたブロックではブロック端部に
サイプで囲まれた鋭角ブロックができるためブロック端
部が摩耗しやすく、偏摩耗からパターンノイズが悪化す
るおそれがある。またタイヤ成形上、金属から成形済み
タイヤを抜き取るに当たってもタイヤに傷が付きにくく
有利である点で好ましい。
【0023】本発明のタイヤは、公知のタイヤ成形方法
によって製造される。特にブロック内にて波形状サイプ
の波形の丘陵が逆傾斜する様に交互に波形状サイプを形
成するには、既述の通り、タイヤ成形用金型に互いに波
形の丘陵が逆傾斜する波形状サイプ形成用のブレードを
隣接して取り付け、タイヤ成形後このブレードの付いた
金型を成形済みタイヤから抜くことで製造することがで
きる。波形状サイプの波形の丘陵が鉛直方向に延びる通
常のサイプの場合は、そのブレードの付いた金型はタイ
ヤ成形後抜き取りやすいが、この逆傾斜するサイプ形成
用ブレードを取り付けたタイヤ成形用金型になると一見
抜き取り難いと思われるが、実際はゴムの弾力性によっ
て充分抜き取ることができ、所定の波形状サイプを一つ
のブロック内に形成することができる。
【0024】なお、波形状サイプの波形の丘陵が一つの
ブロックの壁面、すなわち溝壁面にまで開口した場合
は、ブロック壁面には波形状の開口部が形成される。一
方、波形状サイプと直線状のサイプが連続した1本のサ
イプをなし、直性状のサイプがブロックの表面から壁面
に対して開口する場合は、ブロック壁面には直線状の開
口部が形成される。かかるサイプを形成するには、例え
ば、波形状サイプの波形の丘陵がブロック内で波形から
漸次偏平状となるブレードをタイヤ成形用金型に取り付
けることで達成される。
【0025】
【実施例】タイヤサイズ185/70R14 88Qの
タイヤを用いて図1に示すトレッドパターンを備えた図
2に示すサイプ構造のタイヤを試作し、氷雪路性能及び
耐摩耗性能についてそれぞれ評価した。その結果を表1
に示す。
【0026】
【表1】
【0027】なお、本実施例タイヤは、ブロックの高さ
を9.0mm、波形状サイプのブロック表面からの深さ
を6.5mm、直線状サイプの深さを6.5mmとし
た。また本実施例タイヤは波形状サイプの波形の丘陵は
法線方向に45°又は−45°の角度で傾斜している。
なお、比較のため、波形状サイプの波形の丘陵が垂直方
向に伸びた従来のタイヤを比較例1タイヤ、波形状サイ
プの波形の丘陵が法線方向に45°の角度で傾斜した順
方向傾斜のみの波形状サイプを配置したタイヤを比較例
2タイヤとして評価した。実施例タイヤ及び比較例タイ
ヤいずれも同一のタイヤサイズ及びトレッドパターンを
有している。
【0028】氷雪路性能及び耐摩耗性能は、これらのタ
イヤをそれぞれ装着した普通乗用車(1800cc)
で、下記の試験で評価した。なお、空気充填率及び試験
方法はJATMA規定に準拠する。
【0029】(氷上試験)氷上性能は制動距離で評価し
た。すなわち、40km/hからフルブレーキで制止す
るまでの距離で示す。評価結果は、制止距離の逆数を算
出した上で、比較例タイヤの制止距離の逆数を基準値1
00として指数により換算表示している。数値が大きい
ほど、氷上性能が良好である。
【0030】(圧雪路試験)圧雪路性能も制動距離で評
価した。すなわち、30km/hからフルブレーキで制
止するまでの距離で示す。評価結果は、制止距離の逆数
を算出した上で、比較例タイヤの制止距離の逆数を10
0として指数に換算表示している。数値が大きいほど、
圧雪路性能が良好である。
【0031】(耐摩耗性能)あらかじめ溝深さを測定し
たタイヤを自動車に装着して、2名乗車で走行し、20
00km走行ごとに装着位置の交換を行いながら、乾燥
路を12000km走行後、溝深さを測定して、走行前
後の溝深さの差から摩耗量を求める。評価結果は、摩耗
量の逆数を算出した上で、比較例タイヤの摩耗量の逆数
を基準値100として指数により換算表示している。数
値が大きいほど耐摩耗性能が良好であることを示してい
る。
【0032】表1より、本実施例タイヤは比較例1タイ
ヤに比して氷雪路性能及び耐摩耗性がいずれも向上して
いる。また、波形状サイプの波形の丘陵が法線方向に4
5°の角度で傾斜した順方向傾斜のみの波形状サイプを
備えた比較例2タイヤと比較しても本実施例タイヤは氷
雪路性能及び耐摩耗性がいずれも向上している。従っ
て、本発明のタイヤではブロック剛性を向上することが
できるので、従来タイヤよりもサイプを増加させたり、
ゴムの硬度を更に低下させることができることから、耐
摩耗性の向上と共に氷雪路性能を一層向上することがで
きる。また従来タイヤとサイプ数及びゴム硬度等を同条
件とした場合でも、ブロックを適度に撓ませることがで
きるため、耐摩耗性及び氷雪路性能が向上する。
【0033】
【発明の効果】以上の様に、本発明は、ブロック表面を
タイヤ幅方向に波形状に延びると共にブロック内部に向
かって波形の丘陵が傾斜状に延びる複数の波形状サイプ
をブロック内に備え、しかも互いに隣接するこれらの波
形状サイプはそれぞれの波形の丘陵が互いに逆傾斜する
方向にて配置されている空気入りラジアルタイヤである
ので、波形状サイプの形成に伴うブロック剛性の低下
を、波形の丘陵が互いに逆傾斜して隣接している上記波
形状サイプで構造的に抑止している。
【0034】特に、ブロック内に形成された波形状サイ
プは、ブロック内に延びる波形の丘陵が互いに逆傾斜す
る様に波形状サイプを隣接して配置しているので、制動
時の前後方向及び左右方向及び斜め方向のいずれの方向
の負荷がブロックに作用しても、ブロックの倒れこみや
変形を防止することができると共に、サイプエッジの引
っ掻き効果が向上する。従って、本発明は二律背反の関
係にある氷雪路性能と乾燥路面での耐摩耗性能を同時に
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気入りラジアルタイヤの一実施
形態を示すトレッドパターンの平面図である。
【図2】同タイヤのブロックの要部拡大概略斜視図であ
る。
【図3】(a)(b)は図2で示された本実施形態の波
形状サイプ4a、4bをそれぞれ取り出した状態を示す
概念図である。
【図4】同タイヤのブロックの制動時の挙動を示す周方
向側面図である。
【図5】ストレート状サイプが形成された従来タイヤの
ブロックの要部拡大斜視図である。
【図6】波形状サイプが形成された従来タイヤのブロッ
クの要部拡大概略斜視図である。
【図7】同波形状サイプが形成された従来タイヤのブロ
ックの制動時の挙動を示す周方向断面図である。
【符号の説明】
3 ブロック 4 波形状サイプ 4a 波形状サイプ 4b 波形状サイプ 8 波形の丘陵 9 法線 θ 傾斜角度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ踏面部を複数の溝で分割して形成
    された複数のブロックを備え、これら複数のブロックの
    一部又は全部のブロック表面にタイヤ幅方向を主に延び
    る複数のサイプを備えた空気入りラジアルタイヤにおい
    て、上記サイプには、ブロック表面をタイヤ幅方向に波
    形状に延びると共にブロック内部に向かって波形の丘陵
    が傾斜状に延びる複数の波形状サイプを備え、互いに隣
    接するこれらの波形状サイプはそれぞれの波形の丘陵が
    互いに逆傾斜する方向にて配置されていることを特徴と
    する空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 波形状サイプにおける波形の丘陵の傾斜
    角度θの絶対値が法線に対して30〜60°の範囲内に
    ある請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 ブロック表面をタイヤ幅方向に波形状に
    延びる請求項1又は2の波形状サイプに続いてタイヤ幅
    方向にブロック側壁に至るまで直線状に延びるサイプを
    備えた請求項1又は2記載の空気入りラジアルタイヤ。
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